1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/24(日) 00:17:15.01 ID:xZ8zYD7YO
ミカ「『九人のミカと一匹のアキ』という夢をみたんだ」

アキ「……はい?」

ミカ「フロイトが聞いたら、この夢をどう分析するのだろうね」(ぽろろろ~ん♪)

アキ「……変な夢だね、よくわかんないけど」

ミカ「そう、変な夢さ。だからこそ、その意味を知りたくなる」

アキ「そんなもんかなぁ」

ミカ「ふふ。アキも一緒に考えてくれるかい? で、ね、夢の中では9人の私がアキをめぐって---」

アキ「あ、ごめん、ちょっと待ってミカ」

ミカ「ん?」

アキ「夢の話をするのはいいけどさ」

ミカ「なんだい?」

アキ「あのね、悪いけど、ちょっとムカつく」

ミカ「……え?」

アキ「えっとね、『一匹』って何? どういうこと?」

ミカ「別に深い意味は……」

アキ「……」

ミカ「……アキ……?」

アキ「……ミカにとって私は人間じゃないの? どーぶつなの?」

ミカ「そ、そんなわけないだろう? ただ……」

アキ「なによ」

ミカ「『きゅうにんのミカとひとりのアキ』だと、ゴロが悪いかなと思って……そ、それだけさ」

アキ「ふぅん。ああ、そう。そうなんだ」

ミカ「う、うん」(ポ、ポロロ---)

アキ「ごめん、今はそれやめてくれる? 気分悪いから」

ミカ「そ、そっか」

アキ「……」

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2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/24(日) 00:18:24.91 ID:xZ8zYD7YO

ミカ「……アキ……」

アキ「ごめんね? メンドクサイ奴だって思ってるでしょ?」

ミカ「そんなことは」

アキ「……」

ミカ「ねえ、アキ」

アキ「何?」

ミカ「……いやな気持にさせてしまったみたいだね。ごめん」

アキ「そうだね、怒って、ごめんね」

ミカ「アキは、私にとって大切な友達」

アキ「……」

ミカ「だから、謝る。ごめん、許してほしい」

アキ「……」

ミカ「アキに嫌われると、辛い」

アキ「ふぅん、それなのに、ミカはそんな友達を動物扱いするんだ」

ミカ「いや、それは……」

アキ「何考えてんの? にんげんせーを疑っちゃう」

ミカ「……本当にごめん。アキに、甘えてたんだ……」

アキ「甘えるってなに? よくわかんないよ」

ミカ「人はすぐに自分勝手な思いこみをしてしまう。それを分かっていたはずなのに、私も---」

アキ「……あのさぁ!」

ミカ「え……」

アキ「こんな時くらい、そのメンドクサイ言い回しやめられないの!?」

ミカ「あ……ごめん」

アキ「こんな時でさえ、私はミカの言葉の意味を考えなきゃいけないの? ……何様のつもり!?」

ミカ「あ……その通りだ……ごめん、本当に……」

アキ「ごめんはもう、聞き飽きたよ」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/24(日) 00:19:24.82 ID:xZ8zYD7YO
ミカ「ごめ、……っ。……ミカ、私は、いつだってツマラナイことばっかり言ってる。楽しい事を言うのは、苦手なんだ」

アキ「……そうだね」

ミカ「だけど、ミカだけは、こんな私の話にずっと耳を傾けてくれる。いつも側にいて一緒におしゃべりしてくれる」

アキ「……」

ミカ「ありがとうって、心から思ってる」

アキ「……」

ミカ「でも私はいつの間にかそれを当たり前だと勘違いして……アキの気持ちを良く考えずに、軽い気持ちで、私はなんて事を言ってしまったんだろう」

アキ「……」

ミカ「すごく、後悔してる。本当に、ごめんなさい、アキ」

アキ「……。そうだね。ミカの話はあんまり楽しくはないよね。捻くれてるし、いちいちメンドクサイ言い方するし」

ミカ「……」

アキ「でも、私はミカの話。つまらなくなんてないし、けっこう……好き」

ミカ「……本当?」

アキ「うん」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/24(日) 00:20:29.57 ID:xZ8zYD7YO
ミカ「どんなところがって、聞いてもいいかな」

アキ「そうだなぁ……ミカのわけわかんないおしゃべりを、私がちゃんと理解してあげると、ミカってすっごく嬉しそうな顔をするの。そういう所かな?」

ミカ「そ、それって、私にとって喜んでもいい事なのかな……」

アキ「……えへへ、知らない! でも、ミカはそんな事気にしなくていーの!」

ミカ「そう?」

アキ「そうなの! ミカは人の気が付かないことに気が付くの。私はそれって、とってもすごいと思う。だからミカの考えてる事、もっといっぱり聞かせて?」

ミカ「本当に? 本当にこんな私でいいのかな」

アキ「ミカは、そのままでいてほしい。本当だよ」

ミカ「アキ……」

アキ「だけどその変わり、私も、思ったことは、なんでもすぐミカに言っちゃうからね?」

ミカ「……うん!」

アキ「ちょっとでもカンに触ったら、すぐ怒っちゃうから! 思った事もなんでもすぐ言っちゃうからね?」

ミカ「アキが素直でいてくれるから、私も素直な自分でいられる……!」

アキ「……えへへ、ねぇミカ」

ミカ「なんだい?」

アキ「いつもの、聞きかせてほしいな!」

ミカ「もちろん、よろこんで!」(ぽろろろ~ん♪)

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2016/07/24(日) 00:21:12.64 ID:xZ8zYD7YO
ミッコ「……おーい、二人とも。そろそろいいかな」

ミカ「ん? ミッコ、もう到着かい?」

ミッコ「とっくに大洗女子VS大学選抜チームのフィールドに侵入してるよ」

ミカ「いけない、すこし夢中になってしまったね」

アキ「あ、マイク貸してマイク! 私が挨拶してもいいでしょ?」

ミカ「そうだね。アキの声のほうが、明るくて素敵だ」

アキ「よぉし……」

アキ<<「こんにちわ~みなさぁ~ん、継続高校から転校してきましたぁ~」

ミッコ「……あのさぁ」

ミカ「ん? なんだい、ミッコ?」

ミッコ「試合の前にいつもいつも二人でどーでもいい痴話げんかをするの、いいかげん止めない?」

ミカ「雨ふって地固まる。試合の前の、大切な儀式なんだ。それに、思いを紡ぐ声は、何度聞いたって心地よいものさ」 

ミッコ「でもさぁ」

ミカ「ミッコは、何が不満なのかな?」

ミッコ「だって、ミカとアキが二人の世界にいっちゃって、そしたら私、寂しいじゃん。試合前なのに」

ミカ「ああ……そうか、そうだね、ごめん」

ミッコ「でしょ?」

ミカ「じゃあ、次からはミッコも一緒にやるかい?」

ミッコ「え、いいの?」

ミカ「もちろんさ。ミッコも私の大切な仲間もの」

ミッコ「なんだ、そっか! へへ……じゃあ、何かネタを考えとくね!」

ミカ「うん。たのしみにしているよ♪」(ぽろろろ~ん♪)

END

引用元: ミッコ「ほんと仲いいなコイツら……」