2: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:39:06.81 ID:ookirKLt0.net
千歌「おっじゃましまーす!」

ダイヤ「あら千歌さん。どうしたんですの?生徒会の仕事が終われば部室へ向かうとルビィには伝えたはずですが……」

千歌「いやーそう聞いてたんですけど、なんか私に手伝えることないかなーって」

ダイヤ「まあどれも結局生徒会長の承認を必要としますし、それほど時間はかからないと思いますわ」

3: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:39:33.75 ID:ookirKLt0.net
千歌「えー、でもこの際だし何かお手伝いさせてくださいよーぅ」

ダイヤ「……でしたら、そこの書類、承認が必要か、不要か分けてくださらない?」

千歌「はーいっ」

ダイヤ「それにしても、最近こうして千歌さんと二人でいること、増えましたわね」

千歌「そうですねー……ってそういえば前々から思ってたんですけど」

4: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:39:59.57 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「はい?」

千歌「その『ですわ』って口調は昔からなんですか?」

ダイヤ「そうですわね。名家の淑女たるもの、礼儀作法は正しくしていませんと」

千歌「でもなーんか古臭いような……」

ダイヤ「何か?」

千歌「なんでもないです。それにしてはルビィちゃんの口調は普通ですよね」

5: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:40:25.32 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「ルビィは次女ですし、どうしても私の方が親戚や会社関係の方々に顔を出す機会が多いのですわ」

千歌「その……つらくないですか?」

ダイヤ「何がですの?」

千歌「いえ、小さい頃からそうやってるのって大変じゃないかなって」

ダイヤ「……そんなこと、考えたこともありませんでしたわ」

6: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:40:51.25 ID:ookirKLt0.net
千歌「そうなんですか?」

ダイヤ「ええ、それにこの口調は私が自分の意思でやっていることですし、お父様もお母様も『若いうちは好きなことをやりなさい』とおっしゃってくれていますわ」

千歌「なるほど……」

ダイヤ「それに、そんな厳しい家ならば、尚のことスクールアイドルなんてやってられませんわ」

千歌「へー……やっぱりダイヤさんってすごいですね」

8: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:41:17.16 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「お、おだてても何も出ませんわよ?」

千歌「素直にすごいって言ってるんだから素直に受け取ってくださいよ」

ダイヤ「あ、ありがとう」

千歌「あ、じゃあ試しに普通に話してみてくださいよ」

ダイヤ「な、なんでそう言う話になるんですの!?」

9: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:42:14.14 ID:ookirKLt0.net
千歌「いやー、気になって?」

ダイヤ「……こほん、よろしいですか?このしゃべり方は幼い頃からずっと続けてきたものなのですわ。そう安々と話し方を変えるなんて……」

千歌「でも歌ったり、ボイスドラマ録ってる時は普通に喋ってるじゃないですか?」

ダイヤ「えっ!?あ、あれはパフォーマンスだからで……」

10: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:42:40.37 ID:ookirKLt0.net
千歌「言ってみてくださいよー、1回だけで良いんで、お願いします!」

ダイヤ「……1回だけですわよ」

千歌「やったっ!」

ダイヤ「……き、今日はどうしたの、千歌さん?」

千歌「もー、さん付けしちゃったら意味ないじゃないですか!」

11: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:43:09.40 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「べ、別にそれくらいよろしいではありませんか!」

千歌「いっそ鞠莉さんみたいに『ちかっち』って呼んでもっかいやってください」

ダイヤ「うぐぐ……わ、分かりましたわ!」

ダイヤ「……そ、そこの書類ちょっと見せてくれる?ち、ちかっち……」

12: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:43:35.85 ID:ookirKLt0.net
千歌「……ぷっ」

ダイヤ「な、何で笑うんですの!?」

千歌「いやー、なんか凄く意外だなって……ギャップ?みたいな」

ダイヤ「……とりあえず、そこの書類くださらない?」

千歌「あ、はいすみません」

15: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:44:03.67 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「……満足しましたか?」

千歌「はい!ありがとうございます、ダイヤ先輩♡」

ダイヤ「……まったく」

千歌「それにしても将来が決まってるってすごいですね。私なんて末っ子だから『お前は家を出てもっと色んなことを経験しなさい』って親にも言われるし……」

ダイヤ「そうでしょうか?」

千歌「なにがです?」

17: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:44:30.07 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「それはつまり、自分で自分の決めた道を自由に歩けるという意味にも捉えられますわ。私はどうやってもここから出ることはできません」

千歌「それは……」

ダイヤ「だから、貴女のような方は少し羨ましくもありますわ」

千歌「うーん……そう、なんですかね?」

18: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:45:02.33 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「一方から物事を見ても、全体は見えないですし、正しいと思うことが全てにおいてそうであるというわけではありませんわ」

千歌「なんか難しくて良く分からないです……」

ダイヤ「貴女はそれで良い、という意味ですわ」

千歌「うー……ん!わかりました!」

19: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:45:42.80 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「さて……そろそろ書類整理も終わりますし、部室へ向かいましょうか。ありがとう、千歌さん」

千歌「ほとんど邪魔してたみたいなものですけどね、あはは……」

ダイヤ「いつも一人でやっていましたし、たまにこれくらい賑やかでも問題ありませんわ」

千歌「そう言ってもらえるとありがたいです」

20: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:46:11.66 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「……あ、そうですわ千歌さん、これを」

千歌「……なんです?これ」

ダイヤ「ちょっとクッキーを作ってみましたの……この前のお礼ですわ」

千歌「ダイヤさんの手作りお菓子!?」

21: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:46:40.39 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「意外とでもお思いですか?こう見えても私は……」

千歌「すっっっっごく嬉しいです、ありがとうございます!」

ダイヤ「……そ、そうですか」

千歌「……あ、そうだハグしません?」

22: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:47:05.44 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「……はぁ!?」

千歌「やだなぁ冗談ですよー」

ダイヤ「冗談も程ほどにしてください!本気にしたらどうするんですの!?」

千歌「本気……って、何がですか?」

ダイヤ「たとえば……」ドン

23: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:47:30.18 ID:ookirKLt0.net
千歌「へ、ちょ……ダイヤさん、近い……」

ダイヤ「今私たちは二人きり……誰も見ていませんわ」

千歌「な、ななな何を……?」

ダイヤ「キス……して差し上げても良いんですのよ……?」

千歌「あわわわわわわ……///」

24: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:48:06.36 ID:ookirKLt0.net
ダイヤ「……なーんて、冗談ですわ。でもこういう事を考えてしまう人だっているかもしれないですから、そういうのは程ほどに……」

千歌「……」

ダイヤ「……千歌さん?」

千歌「///」ボッ

ダイヤ「……あれ?」

千歌「そ、そそそそそうですよね!変な勘違いしちゃう人もいるかもしれないですし、そういうのは程ほどにしておきます!え……っと、トトイレ行くので先に行ってますね!!///」

ダイヤ「……へ?」

25: 名無しで叶える物語(やわらか銀行)@\(^o^)/ (ワッチョイ e374-iG4w) 2016/09/07(水) 21:48:36.13 ID:ookirKLt0.net
これにておしまい

二人で秘密、共有してみない?

そんなテーマでした
ありがとうございました

引用元: ダイヤ「放課後の生徒会室」千歌「2人でおしゃべり!」