1: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:24:37 ID:I4W
注・原作30~40巻あたり、山岡と栗田は結婚しておらず、海原雄山が少しデレてきたあたりのイメージです。


-とある料亭-

団社長「週刊タイム誌上で行っている「究極」と「至高」の対決ですが」

団社長「今回は秋アニメのオススメで競っていただこうと思うのです」

大原社主「アニメ…?」

2: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:25:08 ID:I4W
団「ええ、日本を代表する文化の一つではありますが」

団「最近は毎クールに放送されるアニメが多すぎて、視聴者もどれを見たものか迷っているはずです」

小泉「確かにそうだが…」

団「そこで、一つ互いにオススメを挙げ、対決させてみようという趣向です」

大原「しかし、至高側がどう言うか」

団「いえ、実は先に至高側に話を持ちかけたところ、快諾をいただきました」

大原「なんと…」


4: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:25:31 ID:I4W


-美食倶楽部-

海原「ほう…アニメか」

団「はい、ぜひ海原先生のオススメを聞かせていただければ」

帝都新聞社主「そういうことなら、ぜひウチの系列の帝都テレビで放送されている中から…」

海原「……」

団「いえ、今回はそういった放送局の縛りをなくしていただきたいのです」

帝都「そ、そんな無茶な」

海原「いいだろう」

帝都「海原先生!?」

5: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:26:09 ID:I4W
海原「何をうろたえることがある。そもそも究極と至高の対決は週刊タイム誌上でのこと、放送局の縛りなど関係あるまい」

帝都「そ…そう、なんですかね……?」

海原「帝都新聞での活動も、ひとえに優れた文化を後世に残さんがため。版権や利権に捕らわれるのは愚かなことだ」

海原「それに、堂々と他局のアニメを紹介することになれば、なんと帝都新聞は度量が大きい、と世間から賞賛を浴びることだろう」

帝都「おお…な、なるほど!」

海原「ふっ…」

帝都「先生?」

海原「なんでもない。しかし団社長。対決をする上で一つ条件を付けたい」

団「はい」

6: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:26:31 ID:I4W

海原「オススメを競うとなれば、方向性を揃えたほうがいいだろう。アイドルものとアクションでどちらが優れているか、などという比較は意味がないからな」

団「そうですね…ではジャンルを絞りますか、アクションものでよろしいですか?」

海原「いや、やはり初回は、日本にしか存在せぬジャンルで行うべきだろう」

団「というと…?」

海原「萌えだ」

帝都「も、萌え!?」

7: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:27:09 ID:I4W
海原「萌えアニメというジャンルは日本独特のものだろう。膨大な漫画文化の下支えや、大きな表現の弾圧がなかったこと、そしてあらゆる表現技法を貪欲に用いる日本人の気質などが合わさって生まれた一大ジャンルだ」

海原「生産量も消費量も世界一。海外に出張に出かけたビジネスマンが、帰国後に最初に欲するのは萌えアニメだという」

帝都「そうでしょうな…」

海原「アニメのオススメで対決するとなれば、これ以上にふさわしい題材はあるまい」

団「わかりました、では究極側にもその旨を伝えましょう」

海原「うむ」





海原「至高の萌えを見せてやろう」

8: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:27:59 ID:I4W



-東西新聞 社主室-


大原「以上が団社長からの話だ」

山岡「雄山が萌えを…」

栗田「さすがは海原雄山だわ…。アニメ、それも萌えアニメを扱うなんて一見すると不利なのに、自分からそれを挙げるなんて…」

小泉「それほど自身があるということだろう」

大原「どうなんだ山岡、勝算はあるか」

山岡「ふん、あんな年寄りに萌えがわかるはずがない。受けてたってやりますよ」

9: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:28:29 ID:I4W

大原「しっかりやれよ、今回は番外編という位置づけだが、それだけに負ければ読者の意識に色濃く残ってしまうんだからな!」

山岡「そんなに大事な勝負なら、勝ったら特別ボーナスぐらい出るんでしょうね」

大原「おう出るとも、勝てば予定されてる減給は勘弁してやろう」

山岡「あ、ひどい!」

大原「問答無用! 究極の萌えアニメを見つけてこーい!!」

10: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:31:22 ID:I4W
-銀座「岡星」-


山岡「萌えアニメか…」

栗田「ねえ、そもそも秋のアニメってどのぐらいあるの?」

山岡「ん、表を用意してるが…」
 
山岡「新規だけで71本だな」

栗田「71…そんなにあるのね」

11: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:31:58 ID:I4W
山岡「しかもこれにジョジョなどの続きものが加わる…。さらにプリキュアやコナンまで含めると80以上になるな」

栗田「そんなにあるんじゃ大変だわ…」

栗田「まず、その中から萌えアニメにあたるものを選ばないと」

山岡「そうだな、じゃあ岡星さん、適当に萌えアニメをいただこうか」

岡星「はい」

岡星「明らかな女性向けや、子供向け、ノイタミナなどを除きますと」

岡星「ガーリッシュナンバー WWW.WORKING」

岡星「12歳~ちっちゃな胸のトキメキ~」

12: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:32:41 ID:I4W
岡星「ブレイブウィッチーズ、ユーフォ2期」

岡星「ナスのおひたし」

岡星「WIXOSS、フリップフラッパーズ、終末のイゼッタ」

岡星「ろんぐらいだぁす、怪獣娘」

岡星「サワラの西京焼き」

岡星「魔法少女育成計画、競女、てーきゅう、その他いろいろ」

岡星「あとはご飯になりますが…」

山岡「ううむ…」

栗田「どれも良いアニメばかりだわ…。この中から一つを選ぶとなると…」

13: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:33:35 ID:I4W
山岡「ま、でも鉄板と言えるものはあるだろう」

山岡「ブレイブウィッチーズ、SHOW BY ROCK♯、前作で大きな評価を得ているし、まず失敗はない」

岡星「京都で萌えを学んだ私としては、ユーフォ2期もぜひオススメしたいですね」

栗田「確かにそうね…」

栗田「でも、そんな基準で選んでいいのかしら」

山岡「うん…?」

栗田「だって、言ってみればこれらの続編ものが面白いなんて分かりきってるわ」

栗田「それに、前作が名作すぎるために比較されてしまう恐れもあるし」

山岡「うーん…」

14: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:34:32 ID:I4W
栗田「究極というからには、ただ面白くて萌えられるというだけじゃなく、明確な主張があるべきだと思うの。
もっと言うなら、どうやって前情報だけからそのアニメを選んだのか、その姿勢が問われているように思うのよ」

栗田「だから決してどれかのアニメを贔屓したり、優劣をつけてるわけじゃないのよ」

山岡「誰に言ってるんだ?」

栗田「それはそうと、オリジナルアニメなども視野にいれるべきじゃないかしら」

山岡「オリジナルか…確かにまどか☆マギカみたいな怪物が潜んでる可能性もあるけど…」

栗田「この「終末のイゼッタ」はどう?」

栗田「この赤い髪の子がイゼッタね。ワンショットで打ち出してることに制作側の自信を感じるわ」

16: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:35:25 ID:I4W
山岡「うん…キャラクターの名前がタイトルになるぐらいだしな…。キャストは茜屋日海夏さんか、プリパラの真中らぁらの人だな」

山岡「ほぼ新人だが今回はメインキャストに抜擢だ…、声優界の動向としても注目したい所だな」

山岡「うーん…でもアクションが重点のような気もするな…。他のオリジナルはどうかな」

栗田「この「装神少女まとい」はどうかしら」

山岡「こいつは俺も注目してる…。デザインがすごくコテコテなんだよな。リゼロやごちうさを手がけたWHITE FOXのオリジナルでもあるしね…」

山岡「化ける可能性はあるけど…。他を差し置いて一押しにするには勇気がいるな…」

17: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:36:24 ID:I4W
栗田「山岡さんはどうなの?」

山岡「個人的に施川ユウキという漫画家が好きだから…、「バーナード嬢曰く」を推したいんだけどな…」

栗田「原作からデザインが大幅に変更されてるのね」

栗田「でも、それは正しい判断だと思うわ。原作のデザインは可愛いかどうかはともかく、平面的でアニメーションさせにくいのよ」

栗田「会話劇というのも受けがいいと思うわ。施川ユウキが持つ、独特の言語センスによるネームは聞いてて気持ちいいもの」

山岡「でも5分アニメなんだよなあ…。いくらなんでも今期一番の萌えアニメかというと…」

山岡「うーん…何だか分からなくなってきた…」

栗田「本当に難しいわ…。何を推しても、これでいいのかという迷いが生まれてきそうで」

18: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:37:17 ID:I4W
栗田「萌えという言葉も…解釈を広げれば動物萌えだって含まれるかもしれないわ。それなら「にゃんぼー」や「小ねこのチーズ」なんかもアリなのかしら…」

山岡「チーズスイートホームのアニメ化だよな…、それによつばとのダンボーからの派生であるにゃんぼー…どちらも知名度はかなりのものだよなあ…」

山岡「解釈を広げる、か…」

山岡「明日、秋葉原に行ってみよう、何かヒントがつかめるかもしれない」

栗田「そうね」

19: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:38:18 ID:I4W

-秋葉原-


山岡「ふうむ…魔法少女育成計画、か…」

栗田「元はラノベなのね。アニメ化したし、平積みになっているわ」

栗田「でも、これは魔法少女同士が殺し合うデスゲームものだって聞いたけれど」

山岡「そうだな…。でも、だからって萌えられないってわけでもないかもしれない…。
それぞれ能力や戦う動機なんかでキャラ付けできるから、単に女の子がたくさん出てくるよりも覚えやすいし…」

栗田「漫画もあるわね、ろんぐらいだぁす…」

栗田「あら? 横に「ばくおん!!」と「南鎌倉高校女子自転車部」も並んでるわ」

20: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:39:10 ID:I4W
山岡「ああ、南鎌倉~は冬にアニメ化が決まってるからね。ばくおん!!と一緒にアニメ化つながりで並んでるんだろう」

栗田「……」

栗田「そうか…前期や来期とのつながり、そういう視点で選んでもいいんじゃないかしら」

山岡「む」

栗田「ろんぐらいだぁす、はご当地ネタも豊富だし、自転車のウンチクもみんなが興味を持てる内容だと思うわ」

栗田「主人公の倉田亜美は何度ひどい目にあっても、不思議なほど立ち直れる強さがあるし…。自転車に対して一途なことに好感が持てるわ」

山岡「そうだな…男がほとんど出てこないのも良いぞ」

山岡「自転車フェチというジャンルもあるらしいし」

栗田「そこはどうでもいいけど」

21: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:39:35 ID:I4W

海原「む…」

栗田「あっ!?」

栗田「山岡さん、海原雄山よ」

山岡「ライダースーツを買うエピソードなんかもあるし、このピッチリ感が…えっ?」

山岡「うっ、雄山…」

海原「ふん、いまだにこんな所で情報収集か、そんなことで次の対決に間に合うのか」

山岡「何をっ!」

栗田「ご無沙汰しております…今回は異例の戦いですが、胸を借りたいと思います」

山岡「栗田さん! こんな奴にへりくだることないよ!」

栗田「でも…」

海原「ふん…」

22: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:40:25 ID:I4W

海原「……」

海原「士郎、ちょっとセガ秋葉原の前を見てみろ」

山岡「なに…」

山岡「あれは…ただのメイドさんじゃないか、めいどりーみんの子だろう」

海原「そうだ、秋葉原名物だな、あのようにメイドが町中にいる光景は…」

山岡「それがどうしたんだ」

海原「……あのメイドは「恋人」か?」

山岡「…? 恋人、ではないだろう…使用人というか、主従関係…」

23: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:41:05 ID:I4W

海原「ふん…お前に説いてもムダか…」

海原「お前などに何が分かるわけでもなし…(立ち去る)」

山岡「な…何だと…」

栗田「海原先生、何を言おうとしたのかしら…」



-銀座「岡星」-


山岡「くそ、なんだよ雄山のやつめ」

栗田「……海原雄山は何を言おうとしたのかしら…」

24: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:42:06 ID:I4W
山岡「適当なこと言って、こちらを撹乱しようとしただけさ」

栗田「海原雄山がそんな手段を採るとは思えないわ、なにか意味があるはずよ」

山岡「なんだよ! 君はどっちの味方なんだ!」

栗田「……」

山岡「とにかく究極側は「ろんぐらいだぁす」で行く。夜ノヤッターマンやモンスター娘の吉原達也監督だし、
東山奈央を始めとしてキャストも申し分ない、来期の南鎌倉~へ繋がる流れとしてもオススメしやすい、これ以上は望めないよ」

栗田「そうね…吉原監督といえば奥さまの貞方希久子さんもアニメーターで…」

25: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:42:39 ID:I4W

栗田「…………」

栗田「そういえば、秋葉原のメイドさんってお店に入るとき「おかえりなさいませ」って言ってくれるわよね」

山岡「ああ、ご主人様が帰ってきたってことだからね」

栗田「そうしてみると…メイド喫茶ってお客さんにとっては「家」とも言えるのね…」

山岡「それが?」

栗田「じゃあメイドさんって、ただの使用人じゃなく、家族みたいな存在でもあるんじゃないかしら」

山岡「……」

山岡「待てよ…」

山岡「そうか…! なるほど、そういう見方もあるのか…」

26: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:43:33 ID:I4W

栗田「山岡さん! 何かひらめいたのね!」

山岡「こうしちゃいられない! もう一度アキバに戻らないと!」

栗田「あっ、山岡さん! 私も行くわ!」



岡星「はい、田楽焼きお待ちどお」

岡星「あれっ」



27: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:44:05 ID:I4W



-銀座のホテル イベントホール-


ヒゲ「ではこれより、究極対至高の対決、番外編を行います」

唐山「秋アニメ、それも萌えアニメの対決とはな」

京極「いやあ楽しみやなあ」

大原「おい、山岡は大丈夫なのか?」

小泉「何やらギリギリまで準備していたようですが…」

28: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:44:53 ID:I4W
ヒゲ「では至高側より発表していただきます」

海原「うむ(立ち上がる)」

海原「そもそも萌えとは何だろうか」

海原「架空のキャラクターとの擬似恋愛、その定義ならば話は簡単だ。ガールフレンド(♪)などでよい。しかし明らかにそれだけではない」

海原「萌えとは、少女それ自体を愛でる感情。その定義も間違いではない」

海原「しかし物語の中で人間が動いている以上、そこには何らかの物語が必要だ。
時にそれが見るものの心を動かし、萌えの感情を生み出す。そしてそれは一人より二人、
二人より大勢のほうがより濃厚な人間ドラマとなりうるだろう」

栗田「それは百合のことかしら…やはりユーフォ二期…それともアイドルもの…」

29: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:45:55 ID:I4W
海原「そこで私が推薦するアニメはこれだ」

栗田「ああっ! あれは」

山岡「灼熱の卓球娘…だと!?」

海原「となりのヤングジャンプで連載されているこの作品、その優れた漫画的表現で一部では話題になっていた。卓球を題材とした少女たちの戦いを描いている」

海原「すなわち、人間関係とは恋愛に近い百合や、純粋な友情だけではない」

海原「ライバルとの切磋琢磨、強敵との負けられぬ戦い、そういった少女同士の関係性こそがドラマであり、
それに共感することがすなわち萌えなのだ。萌えと燃えが同じ音であるのは決して偶然ではない」

ヒゲ「なるほど…」

30: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:46:33 ID:I4W
唐山「少女たちの青春と戦い、なんだか咲-saki-を思い出す作品じゃな。ううむ、これは期待できる…」

京極「卓球漫画に名作が多いことは証明済みやからな、P2!にタッコク、変わったところでは島本和彦の卓球社長なんかもそうやな」

海原「しかもメインキャストはあんハピ♪の花小泉杏を演じた花守ゆみり、その声のクオリティはすでにご承知のことだろう」

大原「こ、これは手強いぞ、大丈夫なのか」

小泉「確かに花守ゆみりの声はもはや凶器…」

31: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:47:25 ID:I4W
ヒゲ「では続いて究極側に発表していただきます」

山岡「(立ち上がる)」

山岡「萌えとは何か、それは必ずしも擬似恋愛だけではなく、少女によるドラマや関係性にも萌えを見出す、そこまでは至高側と同意見です」

山岡「だが、萌えとはそれだけではないと思う、究極側が推すこの作品でそれが証明されることでしょう」

ヒゲ「な!? それは!」

大原「おお!?」

京極「3月のライオンやと!?」

32: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:48:47 ID:I4W
山岡「その通り、原作はハチミツとクローバーで知られる羽海野チカ。
今年になってスピンオフ作品が連載開始されたり、
来年には実写映画化も予定されており、連載9年目でありながら、ここへきて活発に動いている作品です」

ヒゲ「確かに川本家の三姉妹には萌えられるが…」

京極「萌えアニメとして打ち出す作品ではないような気もするんやが…」

唐人「いや、待て」

ヒゲ「唐山陶人先生?」

唐人「わかったぞ士郎よ、萌えとは恋愛や友情、少女同士の関係性だけではない」

唐人「家族愛もまた萌えだと、そう言いたいんじゃな」

山岡「その通り」

山岡「主人公は若くして両親を失い、川本家の三姉妹が彼の家族のような存在となっていきます。
棋士としての辛い戦いの影には、それを支える家族がある、それが3月のライオンに流れるテーマです」

33: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:50:11 ID:I4W
山岡「思えば前期で好評を博した「甘々と稲妻」。あれも登場人物が家族を求める物語でした。
さかのぼれば「幸腹グラフィティ」などもそう。家族を求める心と同時に、
誰かの「家族になってあげようとする心」。優しさでもあり、母性や父性にも通じる。
この世で最も強い感情の一つと言ってもいい」

海原「……」

山岡「三姉妹の声は茅野愛衣、花澤佳奈、そしてズヴィズダーで星宮ケイト、
ファントム・ワールドで熊枕久瑠美などを演じた久野美咲、申し分のないキャストです」

唐人「なるほど、もちろん原作の評価は折り紙つきじゃな」

京極「将棋アニメやが、対戦相手の棋士にも萌えられるやつは多いからなあ、二階堂とか」

大原「おい、なんだか評判がいいぞ!」

小泉「少なくとも負けていませんな!」

ヒゲ「ではこれより協議に入ります」

34: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:50:41 ID:I4W

審査員「……」
審査員「……!」
審査員「……?」


ヒゲ「結果を発表いたします」



ヒゲ「至高側の勝ちです」



栗田「ええっ…!」

山岡「くっ…」

36: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:51:26 ID:I4W
ヒゲ「究極側の主張も実によく理解できた。究極の名にふさわしい作品と言えるでしょう」

ヒゲ「しかし3月のライオンはシャフト制作、そして新房昭之監督という点が気がかりとなったのです」

唐人「もちろん物語シリーズなどは萌えアニメとしても名作だし、素晴らしい化学反応を起こす可能性は大いにある」

京極「しかしわしらの中で、どうしても新房監督の演出と、3月のライオンという原作が結びつかんのや」

ヒゲ「究極側の主張にはその点を払拭させてくれるものがなかった、そこでわずかに至高に遅れを取ったのです」

山岡「くっ……」

海原「……」

37: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:52:37 ID:I4W
-会場の外-

栗田「僅差だったけど残念だったわね」

山岡「ちぇ、審査員は老人ばかりだから、川本家三姉妹のビジュアルにコロっとやられると思ったんだけどなあ」

栗田「あっ、ちょっと待ってて」

山岡「え?」

栗田「海原先生」

海原「む」

栗田「今回はありがとうございました」

海原「ふん…私の言葉を勘違いしたな」

栗田「いえ、勘違いじゃありません、山岡さんは正しい答えにたどり着いたと思います」

海原「ふん……」

38: 名無しさん@おーぷん 2016/10/06(木)11:53:20 ID:I4W

山岡「おい、雄山と何を話してたんだよ」

栗田「大したことじゃないわ」

大原「やーまーおーかああああああ!」

山岡「うわ!? 3月じゃないライオン!?」

大原「誰がライオンだ!! お前というやつは減給100パーセントだー!!」

山岡「ぎゃあああーーー!」

栗田「やれやれ、勝負が終わった途端に賑やかに…」

栗田「でもこういうのも、関係性の萌えってことなのかしら?」



(おしまい)
 

引用元: 海原雄山「アニメ対決?」