1: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:16:30 ID:lNgC
ひなた「ですげーむ?ってなんだい?」
P「命懸けのゲームってやつだな」
ひなた「そんなの危ないからダメだよぉ」
P「そうだな、命懸けって言われるくらいみんな全力でゲームを楽しむ番組だ」
ひなた「それなら大丈夫だねぇ」
P「命懸けのゲームってやつだな」
ひなた「そんなの危ないからダメだよぉ」
P「そうだな、命懸けって言われるくらいみんな全力でゲームを楽しむ番組だ」
ひなた「それなら大丈夫だねぇ」
2: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:18:07 ID:lNgC
ひなた「じーえむ?ってなんだい?」
P「ゲームマスターの略で、このデスゲームの全てを操る黒幕みたいなものだ」
ひなた「あたし、あんまりゲームは得意じゃないんだけど」
P「司会進行みたいなもんだな」
ひなた「それなら何とか……。でも琴葉さんとか律子さんの方が向いてるんじゃないかい?」
P「ひなたにお願いしたいって先方からのたっての希望でな」
ひなた「そういうことなら頑張るしかないねぇ」
3: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:18:27 ID:lNgC
P「当日は台本も渡されるし、横にサポートの人も入ってくれるから安心してくれ」
ひなた「原稿は当日なのかい? あたし、あんまり喋るの上手くないから練習したいなぁ」
P「これは先方の都合でな……。その分、時間に余裕を見た進行にするから慌てずゆっくり進めてほしい」
ひなた「分かったよぉ。よろしくね、プロデューサー」
P「あぁ、よろしく頼む」
ひなた「したっけねぇ」
P「気をつけて帰るんだぞ」
ひなた「はぁい」
ガチャ
P「……」
4: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:18:48 ID:lNgC
P「……」スッスッ
P「あ、もしもし私です。お電話よろしいでしょうか」
P「はい。はい、上手くいきました。本人から了承は得られました」
P「えぇ、司会のようなものと説明して、はい、通常の司会とは異なるということは追って本人に伝えておきますが……」
P「参加者の人選などはよろしく頼みますよ。はい。それでは詳細な仕様などは、はい。それで大丈夫です」
P「よろしくお願いします。失礼します」スッ
5: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:19:15 ID:lNgC
デスゲーム当日
ひなた「はやぁ~。こんな工場みたいなとこで撮影するんだねぇ」
P「何かとやりやすいからな」
ひなた「プロデューサー、あたしやっぱしちょっぴり不安だよぉ。怖そうな雰囲気出すのも苦手だし……」
P「大丈夫。ひなたを評価してオファーをくれたんだ。俺もいるし、周りも支えてくれる」
ひなた「うん、頑張るべさ」
6: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:19:35 ID:lNgC
スタッフ「それではこちらの衣装に着替えて頂いて」
ひなた「ありがとうございます」
P「じゃあ着替えてきてくれ。俺はスタッフさんとちょっと確認することがあるから」
ひなた「あのぉスタッフさん。この仮面みたいなの、右半分しか無いんだけど、これじゃあ顔が見えちゃうんじゃないかなぁ」
スタッフ「えっ、だってそうしないとひなたちゃんの可愛い顔が見えなムグッ」
P「それはな!そういう流行りなんだ!最近のデスゲーム界隈で!ほらほら、主役がいないと始まらないぞ」
ひなた「分かったよぉ。行ってきます」
7: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:19:59 ID:lNgC
P「危なかった。気を抜かないでくださいね」
スタッフ「申し訳ないです。あのひなたちゃんと喋れて緊張してしまって」
P「エキストラの参加者たちにも一度気を引き締めてもらわないとですね」
スタッフ「大丈夫ですよ。ひなたちゃんにデスゲームされるためだけに全国から集まった強者たちですからね」
P「何度も言いますけど、ひなたが少しでも疑ったり嫌がったりしたら中止ですからね。過剰なリアクションは控えるように」
スタッフ「肝に銘じます」
8: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:20:35 ID:lNgC
ひなた「着替えてきたよぉ。こんな感じで良いんだろか」
スタッフ「わぁ可愛い」
ひなた「ありがとうございます。やっぱりあんまり怖い雰囲気にはなれてないかねぇ」
P「こわいこわい。ちゃんとこわい」
ひなた「本当かい?」
スタッフ「すごく怖いですびっくりしました」
ひなた「本当かなぁ」
9: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:20:51 ID:lNgC
P「台本も受け取ったぞ。早速収録場所に行こう」
ひなた「あれぇ、台本ってこんなに少ないのかい?」
P「参加者の動きによってパターンが変わるからな。これは最初の導入部分だけだ。進行具合に応じて追加されるんだよ」
ひなた「そうなんだねぇ。わかったべさ」
P「基本的にひなたはモニターに向かって喋る役だから動きは無いけど、上手く参加者の恐怖を煽っていこう」
P「参加者の人たちは演技じゃなくて本気でゲームに挑戦してくるからな。ひなたも本気で頑張るんだぞ」
ひなた「うん、頑張るよ」
10: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:21:38 ID:lNgC
スタッフ「それじゃあ会場の照明を入れて、参加者が一通り周囲の状況を確認できたらモニターを入れますので、そこから進行をお願いします」
ひなた「よろしくお願いします」
パッ
参加者A「うおっ!?電気が!」
参加者B「まぶしっ!ここは一体どこだ?」
参加者C「ひなたちゃんどこ」
参加者D「お、お前らは誰だ!」
参加者E「変な招待状が届いて気がついたらここに……」
参加者F「出口はどこだ!閉じ込められたのか!?」
11: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:22:04 ID:lNgC
スタッフ「はい。じゃあモニター入れますよ」
ひなた「はい」
パッ
ひなた「ふっふっふっ」
参加者A「だ、誰だ!?」
参加者B「かわいい」
参加者C「かわいすぎる」
ひなた「私はこのデスゲームのゲームマスター。皆さんの生き死には私の手のひらの上……」
ひなた「さぁ、私に醜く足掻く姿を見せてくれたまえ」
参加者D「ナ、ナンダトー!ユルセネェ!」
参加者E「仮面外してほしい」
参加者F「良い声だ」
P「大丈夫ですかあいつら」
スタッフ「だ、大丈夫です……多分」
12: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:22:36 ID:lNgC
参加者D「ウォー!ココカラダセー!」
ひなた「ここから出るにはゲームをクリアしなければならない。君たちが変な気を起こさないように首輪をつけさせてもらった」
ひなた「私に逆らったらその首輪は爆発し……え、爆発?」
ひなた「あのぉスタッフさん。これ間違いだよねぇ。爆発は怪我しちゃうよぉ」
スタッフ「え?あ、あー」
スタッフ「あー!すみません間違いですね!なんかちょっとピリッとする感じッス!」
ひなた「私に逆らったらその首輪はちょっとピリッとするぞ……」
参加者A「くそっ!なんて残酷なことを!」
参加者B「肩凝り治りそう」
参加者C「ひなたちゃんが俺に首輪を。興奮してきたな」
13: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:23:25 ID:lNgC
ひなた「第一のゲームは、ボール当てだ!」
参加者D「ナ、ナニィ!?」
参加者E「ドッチボールみたいなやつかな」
ひなた「ボールを他者にぶつけ、最もぶつけられた回数が多い者がゲームオーバーだ。ボールは天井からランダムに放たれ、3回バウンドしてからキャッチするように」
ひなた「あ、これ"かたき“だねぇ」
スタッフ「かたき?」
ひなた「知らないかい? ボールを蹴り上げて3回バウンドしたらキャッチして……」
14: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:23:45 ID:lNgC
参加者A「かたき?」
参加者B「かたきってなんだ?」
参加者C「ひなたちゃん可愛い」
P「ひなた、それは北海道ローカルかもしれないぞ」
ひなた「えぇっ!?そうなのかい!?」
ひなた「……」
ひなた「えー、これはかたきではない……」
参加者E「かたきじゃないんだ」
参加者F「かたきじゃないんだ」
15: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:24:13 ID:lNgC
ひなた「ゲームは10回行われる。一度投げたボールはキャッチしても使えないのでスタッフに返却するように」
参加者A「はーい」
参加者B「わかりましたー」
ひなた「最も当てられた回数が多い者はゲームオーバーとなり、奈落の底に突き落とされる……」
ひなた「……」
スタッフ「あれ?どうしました?」
ひなた「あの、参加者さんの中に高いところが怖い人とかいたら、これ凄く怖いんじゃないかなぁと思って」
スタッフ「うーん確かにそうですね」
スタッフ「それじゃあゲームオーバーになった人は、拘束されてこの部屋に閉じ込められることにしましょうか」
ひなた「そうだねぇ」
16: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:24:32 ID:lNgC
ひなた「……」
ひなた「ゲームオーバーになった者は、縛り上げられてあたしの傍に閉じ込められる……」
参加者C「なにぃ!?」
参加者D「ひなたちゃんと同じ空間に!? 聞いてないぞ!?」
参加者E「うおおおぉぉ!!!俺に当てろ!俺に当てろ!」
ウオオォォォォォ!!!!!
ひなた「盛り上がってきたねぇ」
P「そうだね……」
17: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:24:58 ID:lNgC
ひなた「それではゲームスタート!」
ポシュ
参加者F「うおおぉぉボールだ!!」
参加者A「でもひなたちゃんの傍に行くには当てられないといけないからこのボールには触れん」
参加者B「ど、どうすれば良いんだ!?」
ひなた「そうそう、ボールを取りに行ったら当てられやすいんだよねぇ。懐かしいべさ」
スタッフ「図らずとも読み合いになってる」
参加者C「そこのキミ。俺と手を組まないか。まず俺がこのボールを拾ってキミに当てるから、次はキミが僕に当ててくれ」
参加者D「むっ、確かにそれは良いアイデアだ」
参加者E「騙されるな!アイツ何かを企んでるぞ!」
P「うわぁ泥沼」
ひなた「たしかこういう時に言うセリフがあったよね。えーっと」
18: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:25:11 ID:lNgC
ひなた「ふはははは! 人間とはこうも醜く足掻くものなのか!愉快愉快!」
参加者A「もう俺ひなたちゃんのこのセリフ聞けたから死んでも良いや」
参加者B「分かる」
参加者C「当てろよ俺に!!なぁ!!!頼むよ!!」
P「酷い絵面になってきましたけど大丈夫でしょうか」
スタッフ「ひなたちゃん可愛いから大丈夫じゃないですかね」
P「適当だなぁ」
19: 名無しさん@おーぷん 24/01/17(水) 21:25:30 ID:lNgC
そうして
参加者D「ボールに当たらない方がひなたちゃんに虐げられ続けることができるのでは?」
参加者E「天才か。話し合おう」
卑劣な罠によって集められた参加者たちは
参加者F「うおおぉぉ!!どうして拘束する係がひなたちゃんじゃなくてスタッフなんだ!!やり直せ!!!」
参加者A「うるせぇ!お前はもうゲームオーバーなんだよ!終わりだ!!アハハハハ!!」
残酷非道なゲームの数々を乗り越えて
ひなた「クイズを出せば良いのかい? えーっと、あたしの好きな食べ物は何でしょう?」
参加者C「フォアグラ」
参加者D「わざと間違えるのやめろ」
ついに残るはあと2人になった!
20: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:07:18 ID:mcTY
参加者A「はぁ、はぁ……長かった」
参加者B「お前がここまでデキる奴だとは……」
ひなた「2人とも大丈夫かい?」
参加者C(拘束)「ひなたちゃんに心配されるとは……」
参加者D(拘束)「リタイアしない方が良かっただろうか」
参加者E(拘束)「いやしかし、ひなたちゃんと同じ空間を共有しながら後ろからひなたちゃんを眺められるこの至高の時間は」
ひなた「あっ、怖くしないといけなかったね」
ひなた「次が最後のゲームだ! 生き残りを賭けて醜く足掻くが良い!」
ひなた「次のゲームをクリアした者がこのデスゲームから生きて帰ることができる!」
参加者B「お前がここまでデキる奴だとは……」
ひなた「2人とも大丈夫かい?」
参加者C(拘束)「ひなたちゃんに心配されるとは……」
参加者D(拘束)「リタイアしない方が良かっただろうか」
参加者E(拘束)「いやしかし、ひなたちゃんと同じ空間を共有しながら後ろからひなたちゃんを眺められるこの至高の時間は」
ひなた「あっ、怖くしないといけなかったね」
ひなた「次が最後のゲームだ! 生き残りを賭けて醜く足掻くが良い!」
ひなた「次のゲームをクリアした者がこのデスゲームから生きて帰ることができる!」
21: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:07:44 ID:mcTY
ひなた「……」
ひなた「あのぉスタッフさん」
スタッフ「はい何でしょう」
ひなた「これって、優勝した人にご褒美とか無いのかい? せっかく頑張ってくれたのに帰るだけだとかわいそうだべさ」
スタッフ「うーんデスゲームですからね。考えていなかった」
ひなた「そっかぁ。あのー、参加者さん。何か欲しいものはあるかい?」
参加者A「えっ!? 欲しいもの!?」
参加者B「ハイ! ひなたちゃんのサインが欲しいです!」
参加者A「あっこのやろ」
参加者B「わはは早い者勝ちだ」
ひなた「そんなので良いのかい? それならプロデューサーに頼めば何とかなるけど……」
P「おーけー準備しておく」
22: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:08:11 ID:mcTY
ひなた「えー、こほん」
ひなた「最後のゲームは……私と直接対決だ!」
参加者A「な、なんだってー!?」
参加者B「ひなたちゃんと直接対決だとぉー!?」
参加者F(拘束)「いいなぁ」
参加者C(拘束)「いったいどんな恐ろしいゲームなんだ……」
ひなた「ゲームの名は、ジャンケン!」
参加者A「ジャンケンかぁ」
参加者B「何かデスゲーム要素あるのかな」
ひなた「んっと、私も含めて三人の参加者に対して、三種が均等に含まれたカード五枚がランダムに配られる!」
23: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:08:32 ID:mcTY
ひなた「つまり、不平等なジャンケンで、自分の持ち札から二者の持ち札を予想して、有利に、えっと」
参加者A「だいたいわかったから大丈夫ですよ」
参加者B「頑張っててえらい」
ひなた「えへへ、ありがとぉ」
P「褒められるゲームマスターってなんなんですかね」
スタッフ「可愛いから良いのでは?」
ひなた「スタッフさん、これ配るのお願いします」
スタッフ「はい。じゃあまずよくシャッフルして」
参加者C(拘束)「手伝います?」
スタッフ「あ、はい。お願いします」
24: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:08:58 ID:mcTY
スタッフ「じゃあこれ、ひなたちゃんの分ね」
ひなた「ありがとうございます。あっ……」
参加者A(偏ってたのかな)
参加者B(偏ってたのかな)
参加者C(解放)「カードを配りにきました」
参加者A「なんでひなたちゃんじゃないんだ」
参加者C(解放)「うるせぇ大人しくひなたちゃんに蹂躙されろ」
ひなた「カードが配られたようだな。それでは第一ゲーム! 30秒でカードを一枚選べ!」
ひなた(んっと、あたしの手札にはチョキが多いから。参加者さんの手札に多いのは、えーっと)
25: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:09:18 ID:mcTY
ひなた「むむむ……」
参加者A「なるほどー。きっと定石だと沢山あるカードを使った方が良いのかもしれないなぁ」
参加者B「誰が何を沢山持っているか全然分からないけど確かにそうかもな。全然分からないけど」
ひなた「あっ、えっと」
ひなた「カードオープン!」
ひなた: チョキ
参加者A: パー
参加者B: パー
ひなた「わぁっ! やったよぉ!」
参加者D(拘束)「すごい」
参加者E(拘束)「おめでとうひなたちゃん」
参加者F(拘束)「嬉しそうで可愛い」
ひなた「次は第二ゲームだよぉ!」
26: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:09:47 ID:mcTY
そうして第五ゲーム
ひなた: グー
参加者A: チョキ
参加者B: チョキ
ひなた「また勝ったべさ!」
参加者A「くそ~強い」
参加者B「さすがゲームマスターだ」
ひなた「えーっと、あたしが3回、参加者Aさんが1回、参加者Bさんが1回勝ってるから……」
ひなた「あたしの勝ちだよぉ!」
参加者A「おめでとう」
参加者B「おめでとう」
参加者C(再拘束)「おめでとう」
ひなた「……あっ。でもこれだと」
スタッフ「お二人とも脱落ですね。生存者なしということで」
ひなた「うーん……でもせっかく頑張ってくれたのに……」
27: 名無しさん@おーぷん 24/01/18(木) 06:10:16 ID:mcTY
ひなた「したっけ、みんなでもういっかい最初からやり直すかい?」
参加者D(解放)「ヒャッホー!やったぜ!」
参加者E(解放)「木下ひなた最高!木下ひなた最高!」
参加者F(解放)「うおおぉぉぉ大好きだひなたちゃん!」
P「お前ら良い加減にしろ」
なんやかんやで良い番組になりました
おわり
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