1: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:08:28.70 ID:bUBadv90.net
善子「あらマリー、今から帰り?」

鞠莉「ええ、理事長はお仕事も沢山あるのよ」

善子「……そう、大変ね」

鞠莉「善子ちゃんこそ、今から帰りなんて遅いんじゃなぁい?」

善子「ちょっとだけ自主練習よ」

善子「上手くいかないステップがあったから……」

鞠莉「そっか……」

善子「ええ」

3: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:12:04.69 ID:bUBadv90.net
鞠莉「じゃあ……一緒に帰ろうか」

善子「ごめん、私今日自転車で来たの」

鞠莉「じ、自転車!?」

鞠莉「一時間近くもかかるじゃない!すごいわ……!」

善子「ええ、アイドル活動のために体力つけなきゃって思って」

鞠莉「……」

鞠莉「善子ちゃんは……Aqoursの為に本当に頑張ってるのね……」

善子「そんな事……無いわよ」

善子「ただ……Aqoursの皆に恩返しをしたくて……」

善子「皆のお陰で今の私があるようなものだから……」

4: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:15:26.81 ID:bUBadv90.net
鞠莉「善子ちゃん……」

善子「……良かったら乗ってく?」

鞠莉「え……?私は大丈夫よ!」

鞠莉「きっと重いから……疲れちゃうよ……?」

善子「そんなわけ無いじゃない!」

善子「たまには一緒におしゃべりでもしながら……ね?」

鞠莉「ほ、本当に……?」

善子「ええ」

鞠莉「……じゃあお言葉に甘えて」

5: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:17:58.92 ID:bUBadv90.net
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
善子「……」

鞠莉「……」

善子「綺麗ね……」

鞠莉「あら、Thank you!」

善子「違うわよ、夕日」

鞠莉「なーんだ、ガッカリ」

善子「あなたも十分綺麗な顔してるけどね」

鞠莉「……うふふ、ありがと」

6: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:19:45.14 ID:bUBadv90.net
善子「私……内浦の夕日って大好き」

鞠莉「私もよ?」

善子「……」

善子「じゃあなんで……」

鞠莉「?」

善子「何で海外の大学に行っちゃうの……?」

鞠莉「……え?」

7: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:23:25.08 ID:bUBadv90.net
善子「寂しいじゃない……」

善子「卒業しても果南さんやダイヤさんとはいつでも会える……」

善子「だけどマリーとは……」

鞠莉「私も向こうに永住するつもりじゃないから、二度と会えないわけじゃ無いわ?」

善子「で、でも……」

鞠莉「……そんな風に思っててくれたんだね」

善子「うん……」

10: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:26:54.07 ID:bUBadv90.net
鞠莉「じゃあ善子ちゃんもついてくる?」

善子「そ、そんな事できるわけ無いじゃない」

鞠莉「ジョークだよ」

鞠莉「そんなに深刻に考えないで」

鞠莉「あなたには1、2年生の皆がついてるじゃない」

鞠莉「それに、電話だってできるわよ?」

善子「国際電話は高いわよ」

鞠莉「そうなの?気にした事無かったわ」

11: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:31:53.86 ID:bUBadv90.net
鞠莉「でもね、善子ちゃん」

鞠莉「この海のずっとずっと先にいても、恋人を思い続けられるような関係って……ロマンティックじゃない?」

善子「こ、恋人って……!?」

善子「私達女の子同士じゃない!」

鞠莉「別にあなたと私の事なんて言ってないわよ?」

善子「え……?」
 
善子「マリー……恋人が……」

鞠莉「いないよ?」

鞠莉「ただの冗談」

12: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:34:27.40 ID:bUBadv90.net
善子「も、もう……ビックリしたじゃない」

鞠莉「うふふ」

鞠莉「それとも私達……今から恋人同士になっちゃう?」

善子「……え!?」

善子「い、今からってそんな……!」

善子「さ、さっきも言ったけど私達女の子同士よ!?」

鞠莉「何か不都合でもある?」

善子「そ、それは……」

14: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:37:46.15 ID:bUBadv90.net
鞠莉「これも冗談よ」

善子「ちょっと……!からかわないで!」

鞠莉「だって善子ちゃんが可愛い反応してくれるから……」

善子「もう!」

鞠莉「I'm sorry!」

善子「……」

鞠莉「……ごめんごめん、私が悪かったから、ね?」

善子「どれくらい……」

鞠莉「ん?」

17: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:41:38.64 ID:bUBadv90.net
善子「どれくらい帰ってくるの?」

鞠莉「うーん……」

鞠莉「年に一回、お正月には帰ってくるかな」

善子「そっか……」

鞠莉「うん」

善子「……卒業後は?」

鞠莉「わからない」

鞠莉「こっちでホテルは継がないの?」

鞠莉「わからないわ」

鞠莉「まだ、自分がどうなりたいのか探してる所だから……」

鞠莉「それが見つからないことにはわからないわ」

善子「……そう……」

18: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:45:46.78 ID:bUBadv90.net
善子「……寂しい……」

鞠莉「……私も……」

鞠莉「でも、卒業まであと半年、大学入学まで一年も有るんだよ?」

善子「一年……?」

鞠莉「むこうの大学は9月入学なの」

善子「あ、そうよね」

鞠莉「だから……」

鞠莉「これから会えなくなる分の思い出を、今沢山作りましょ?」

善子「……そ、そうね」

19: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:48:22.07 ID:bUBadv90.net
鞠莉「……そろそろ私の家ね」

善子「そうね」

鞠莉「ありがと、たまにはこういうのも良いわね」

善子「うん」

善子「ついたわよ?」

鞠莉「じゃあ、またね」

善子「バイバイ」

鞠莉「バイバイ」

チュッ

善子「!?」

20: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:51:14.37 ID:bUBadv90.net
善子「ち、ちょっと!何するのよ!」

鞠莉「マウストゥマウスが良かった?」

善子「そ、そういう事じゃなくて……!」

鞠莉「もう、そんな事で文句言ってたら日が暮れちゃうよ?」

善子「もう……」

善子「本当に帰るわ」

鞠莉「うん、またね」

善子「……」

善子「……」

善子「……」

善子「……そういう所が……勘違いさせるのよ……」

21: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2016/11/17(木) 01:51:19.82 ID:bUBadv90.net
おわり

引用元: 鞠莉「私も乗せてもらえないかな?」