慈「じゃあ、ね？」

梢「ええ、止める理由もないわね」

アスラン「いいのか……俺が」

綴理「いいも悪いもない、あすがやりたいのならやるべき」ﾌﾝｯ

梢「貢献や責任感で配信をしようとしているのならば私たちは止めるわよ、でも違うんでしょ？」

慈「ごちゃごちゃ理由をつけなくてもさ、要はめぐちゃんの配信を見て俺もやりたいーってことなんでしょ？」

アスラン「慈だけではないが……確かにそう思ったんだ」

梢「だったら話は早いわ、私たち蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブはアスランのやりたいことを応援します」

綴理「ボクたちとあすは同級生だけど配信ではボクたちが先輩だ、なんでも頼ってほしい」

アスラン「みんな……っ！」

～～～

慈「めぐ党のみんな～ハロめぐ～」

：ハロめぐーー

アスラン「ザラ派のみんな、よろしく」

：ザラ派はダメでしょ
：私クライン派なので

アスラン「あ、いや……そういうんじゃなくてだな、ザラ派はザラ派でもめぐ党を真似したというか……父のような思想は」

慈「あーもう！ストップ！それ以上はガチで規約的にもアウトだから！……ごほん」

慈「今日は事前に告知したとーり！ゲストにアスラン・ザラさんをお迎えしてやっていきますっ！」

アスラン「今日は配信の特訓をしたくて慈に頼んだんだ、わからないことだらけだが粗相がないように努める所存だ」

慈「うんうん、固いね～PS装甲くらい固い」

慈「もっとこう気軽にさ、それこそ仲良い友達に話すみたいな気持ちで喋ってみ？」

アスラン(キラやニコルと……)

アスラン「わかった、努力する……よ」ﾆｺｯ

慈「まだ固いけど、おもろいからまあいいでしょう」

アスラン「……ところで俺から頼んでおいてなんなんだが、そもそも男とサシの配信なんていいんだろうか？慈のファンたちは嫌なんじゃ……」

慈「あー、そういうの嫌がる人もいるかな……ちょっとコメントで聞いてみよっか」

慈「実際のところめぐ党さんたちはどう思ってる？」

：アスランなら大丈夫でしょ
：だってよ、アスランなんだぜ？
：私はめぐちゃんを信頼してるしアスランだし
：アスランなら…まあ

アスラン「なんでこうも俺は信頼されているんだ…？」

慈「信頼って……言うのかなこれ」

～～～

梢「私は花帆からお花をもらったことがあるのよ」

アスラン「そうか、それは嬉しいな」ｳﾝｳﾝ

梢「アスランもこの気持ちをわかってくれると思っていたわ、大切な人からの贈り物って特別よね」

アスラン「ああ、本当にそう思うよ」

アスラン「そうだ、俺も昔カガリから護り石をもらったんだ……ほら、今も肌身離さずに持ってる」

梢「凄く綺麗な石ね、カガリさんの気持ちが私にも伝わってくるようだわ」ﾆｺﾆｺ

梢「ところでアスランからは何か贈っていないの？」

アスラン「俺は……俺からは指輪を」

梢「ゆっ指輪っ！あら！あらあらあらあら～！」

アスラン「お、おい……急におかしくなるな」

梢「それで、それでどんな指輪なのかしら！私も花帆に何か記念になる品を贈りたいと思っているのだけれど参考にさせてちょうだい」ｳｷｳｷ

アスラン「まあ、あまりいいものではないんだが……3000円くらいの安いものだし……」

：私のお小遣いとおんなじですね
：すぐ使っちゃうけどね💙

梢「でも贈り物は金額じゃないわ、気持ちがこもっていれば……私も花帆からの贈り物ならなんだって宝物よ」

アスラン「梢はそう言ってくれるが本当に安いものだからな……まあ、あのくらいの値段ならカガリがいらなくなれば捨ててもらえるし」

アスラン「3000円なら俺の身の丈にも合っていると思って、次はもっと良いものを次はって俺の度量に合わせて贈り続けられるかもと……」

梢「うんうん、良い話ね」

アスラン「俺としてもあまりカガリを縛るつもりはない……それに安い指輪でもずっと持っていてくれたらそれこそ……な、なんてな」

梢「……純愛ね、素晴らしいわ」

：重い
：梢ちゃんはこの男に理解を示さないでほしい
：思いも力も持ち合わせている重い男

～～～

綴理「足を揃えます」

アスラン「足を……揃える」ｻﾞｯ

綴理「違う、もっと絹ごしで、それだと木綿だ」

アスラン「絹ごし……俺は木綿が好きだ」ｽｯ

綴理「ん、いいね、柔らかくなった」

綴理「おててを羽みたいにフワって、ピッてして」

アスラン「だんだんとわかってきたぞ、要は脱力ということだな」

綴理「最後にまっすぐ虚空を見つめて、はい、おしまい」

綴理「🐧」

アスラン「虚空……っ」

：また硬いぞアスラン
：ペンギンさん舐めんなよ
：私、生まれ変わったらペンギンになりたいな

アスラン「これ難しいんだぞ……コメントのみんなは見ているだけだからそう簡単に言えるんだ」

綴理「んー難しいかな」

綴理「あす、ペンギンは────こうやるんだ」

綴理「虚空を、こう」　ｷﾗｷﾗﾊﾞｼｭｩｩｩﾝ!

アスラン「そうか…それかっ！」

アスラン「わかった……フッ」 ｷﾗｷﾗﾊﾞｼｭｩｩｩﾝ!

綴理「🐧」

アスラン「🐧」

🐧🐧　…………

：何これ
：顔のいい二人が…何やってるのこれ
：何ってペンギンでしょ
：さすが綴理先輩！紛れもなくペンギンさんですよ！

～～～

音楽室

アスラン「……」～🎹♪

アスラン(ニコルが遺してくれた曲、一曲だけだけど弾けるようになったんだ……俺も演奏会で寝てた頃から成長したさ)

アスラン(俺、最近スクコネ配信を始めて楽しいんだ、毎日が……ごめんな俺ばっかりこんなに…)

アスラン(…イザークから電話があって、俺の出た配信を見てくれたって……後ろではディアッカば大笑いしてたけど…) ～♪

アスラン「……やっぱりここは難しいな」～♫♫

アスラン(今度、元クルーゼ隊のみんなで海に行く約束をしたんだ、レイもシンも誘って)

アスラン(シンって言うのは生意気なやつでさ、レイは……お前にも紹介したかったな…最新の遺伝子治療法が確立されて…クルーゼ隊長も間に合ってれば…)

アスラン(わかってる、この楽しい毎日は俺なんかが享受していいものじゃないって、でも俺……)

アスラン「ニコル……」

？？「素敵なピアノが聴こえてくると思ったら」

沙知「音楽室の使用許可は取ったのかね？」

アスラン「議長……」

沙知「いい曲だねぃ、でも知らない曲だ」

アスラン「友達が作った曲なんです……凄い…凄いやつなんですアイツは」

沙知「……心が弾むような響きの中でどこか物悲しい音色だ、君はまた悩みでもあるのかい？」

アスラン「……沙知先輩には隠し事はできませんね」

沙知「素直でよろしい」

アスラン「楽しいんです…配信が」

沙知「楽しいならいいじゃないか」

アスラン「配信をする中で俺に笑顔をもらってるってコメントがあったり、また出てくれって行ってくれる人もいて……」

アスラン「でも、それは"スクールアイドル"のみんなが整えてくれた舞台があるからで、それにアイドルでもない俺がって」

沙知「はぁ……またそんなつまらないことを悩んで」

アスラン「なっ！俺は真剣に悩んでるんですよ！」

沙知「アスラン、君もスクールアイドルだ」

沙知「スクールアイドルは色々なあり方がある、大会に出ないグループ、ソロのアイドル、ステージに立たないアイドル」

沙知「あたしだってまだスクールアイドルだと思ってるしさ、アスランもスクールアイドルを名乗っていいと思うぜ」

アスラン「俺も……スクールアイドル」

沙知「ああ、男子だってコーディネイターだって関係ない、スクールアイドルは自由なものなんだ」

アスラン「沙知…先輩」

沙知「それに君は蓮ノ空ファンの間じゃ結構有名なんだぜ、名物スタッフってさ」

アスラン「……え？」

沙知「ほら、『蓮ノ空のイベントに必ずいる謎のイケメンは誰？調べてみました！』ってサイトもある」

アスラン「クソサイトじゃないですか……！」

～～～

花帆「花帆です！」

さやか「さ、さやかです」

瑠璃乃「ルリでーっす」

アスラン「アスラン・ザラだ」

花帆「今日は一年生ズにアスランセンパイを加えて大じゃんけん大会を開催するよー！」

：四番勝負のじゃんけん超可愛かったよ！
：レッサーパンダはアリなの？

さやか「えっと、先日の配信でも行った体全体を使ったじゃんけんをして勝ち残った一人が優勝……となります」

瑠璃乃「優勝商品はこの後のアフターをほぼ一人で独占する権利が与えられます！これは勝たなきゃだね～！」

瑠璃乃「今回は四人総当たりのリーグ戦！最終的に最下位だった子には罰ゲームもあるよっ！」

花帆「ささっ！習うより慣れろ！早速あたしとアスランセンパイで第一試合を始めるよ！」

：早速アスランか…
：空気読めないからなぁ…
：アスランくんじゃんけんできるの？

花帆「ひどい言われようだね～まあ、ほぼ事実たけど」

アスラン「俺だってじゃんけんくらいできるさ」

花帆「じゃあいっくよ～コメントのみんなも一緒に遊んでね！……じゃ～んけ～んグー」ｸﾞｯ

アスラン「じゃんけん……パーッッ！！！！」ｸﾞﾆｬｯ

花帆「うわ、キモっ！！」

瑠璃乃「ヒィっ……」

さやか「え……それどうやってるんですか…もはや変形なんじゃ……あの、アスラン先輩って人間でしたっけ？」

アスラン「イージスの変形と拳法における脱骨術の応用だ、昔は潜入任務なんかもやっていたからな」ｺｷｯ

瑠璃乃「それ人前でやんない方がいいよ」

アスラン「花帆……そんなにおかしいか？」ｸﾙｯ

花帆「うっ…こっち向かないでくださいよ」

さやか「これ、アーカイブ消していいですか？そんなものを部の記録に残したくないです」

アスラン「す、少しひどすぎやしないか？俺だって人並みに傷つくんだぞ……」

さやか「現在進行形で他人のメンタルを削っているアスラン先輩が言うことですか？わたしたちの方が被害者です」

某校　

キラ「アスラン、楽しそうだね」

「やめろさやか！それ以上は戦争になるぞ！」
「気持ち悪い！本当に近づかないでください！」

ラクス「ええ、こんなに大はしゃぎなアスランは久しぶりですわ……本当に楽しそう」

キラ「僕も始めてみようかな、スクールアイドル……なんて」

ラクス「まあ！キラがやるのなら私もお供しますわ！ミーアさんやフレイさんも加えてダンス&ボーカルユニットというのはどうでしょうか？」

キラ「君たちについていけるかな……せっかくだしシンとレイにも声をかけてみるよ」

～～～

アスラン「～～で、これが…」

アスラン「俺のMS、ジャスティスだ」

アスラン「学園の地下に置かせてもらってるんだが、ここ結構いい設備が整ってるんだよな」

：学院の地下にMSを隠すな
：もしかして蓮ノ空ってオーブにあるの？

アスラン「そのせいで色々弄っていたら楽しくなってしまって、どんどん原型が……あはは」

アスラン「あ、これはまだ誰にも行ってないことなんだがな、いい機会だから言ってしまおうかな」

アスラン「LttFの衣装替えを参考にして、こいつにあるギミックを仕込もうと思っているんだ」

アスラン「まるっきり別のガワを……ふふっ」

アスラン「これはこの配信に来てくれた君だけに教えるんだからな……他のみんなには秘密だぞ」ｼｨｰ

：あざとい
：無駄に顔と声が良くて腹立つ

アスラン「おっとそろそろ時間だな、この後はアフター配信も予定しているからよかったら遊びに来てくれたら嬉しい」

アスラン「じゃあ一旦切るな、ぽちっ」

ご視聴ありがとうございました
With×MEETS AFTER開演まで
しばらくおまちください

アスラン「ザラミーツアフターへようこそ、アスラン・ザラだ」

アスラン「しばらく配信に他のメンバーの配信に参加して、今日はソロ配信をしてみたんだがどう…だっただろうか？」

：結構様になってたよ
：正直舐めてた
：またやって欲しい！
：楽しかったよ！

アスラン「ありがとう……でも、今日の配信でやめにしようと思うんだ」

：何かあったの？
：怒られたのかな
：やっぱこの間のじゃんけん？

アスラン「配信は凄く楽しかったんだが……やっぱり俺には裏方の方が合ってたみたいだ」

アスラン「いつの日か、もう一度配信をする時が来たら今この場にいるみんなもまた来て欲しい」

：しょうがないなぁアスランは
：アスラン古参を名乗っていい？

アスラン「みんなありがとう…！その時はアスランのこと好き好きクラブとして応援に来てくれ！」

：いいよ！
：待ってるね

アスラン「それじゃあ名残惜しいが……ありがとう」

アスラン「ぽち」

本日の配信は終了いたしました
ご視聴ありがとうございました

終