1: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:51:43.85 ID:aAvoVQAR0

ーー

てるてる@teru-mi87ga

今日、妹が会いに来た。
あの子を、あのド変態に近づけるわけにはいかない。
心を鬼にして追い返した。

ごめんね、咲

ーー

てるてる@teru-mi87ga

インターハイの団体戦で優勝した。
菫が喜んでいたから私も嬉しい。
先輩たちにはすごく感謝された。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

個人戦も優勝した。
荒川さんと辻垣内さんはとても強かった。
菫にたくさん褒められた。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

チームが解散した。
先輩たちはもう引退してしまうみたい。
菫はまた私とチームを組んでくれるらしい。
他の三人がどんな人でも、菫が居るならそれでいいや。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

新しいチームのメンバーを選んでくれと言って菫が一年生を連れて来た。
打った限り、強いのは二人しかいなかった。
最後の一人は来年の一年生を見てから決めることにして、四人チームになった。
これで卓が立つ。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

今日はプリンを賭けて打った。
東一局で全員飛ばして独り占めした。
やはり菫が一番手ごわい。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

三月なのにもう新入生が入って来た。
特待生で、入学は決まっているらしい。
とても強かった。
あの子に似ている。虎姫の五人目は淡に決めよう。
菫にも懐いてたし、多分大丈夫。

ーー

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2: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:53:09.97 ID:aAvoVQAR0

ーー

てるてる@teru-mi87ga

部内戦が始まった。
流石に部内では負けないと思う。
菫も居るし。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

勝った。
これで虎姫が一軍。
菫はこれからが本番だと言っていた。

私は、本番は全国大会からだと思う。
この五人に勝てるチームは臨海と龍門淵ぐらいしか思いつかない。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

長野予選の結果を聞いた。
菫も私も龍門淵が上がってくると思っていたけど、そうはならなかった。

咲が勝った。
去年より強くなってるはずの龍門淵に勝ったなら、きっと決勝まで来るだろう。
私が咲を守らなければならない。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

今年は番狂わせが多いらしい。
奈良でも晩成が負けたらしいし、北海道や岩手も初出場のところが名門を破って出てきた。
菫は初出場のチームのデータを整理するのに忙しくてあまり相手をしてくれない。

寂しい。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

二回戦、ここまでは順調。
私と菫だけでも、ここまでは来れたと思う。
次の千里山に勝つには淡、尭深、誠子の力も必要。
菫にしっかり言っておいてもらおう。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

咲の高校が姫松や永水を破って準決勝に進出した。
二位抜けは姫松。
臨海と有珠山も強いけど、私は咲が出てくると思う。
菫は臨海と姫松が上がってくると思っているらしい。

うーん…菫に言われるとそんな気がしてくる。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

千里山の園城寺さんが倒れた。
とても心配。
お見舞いに行こうと思ったけど、道に迷ってしまった。
菫、助けて。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

明日は咲の高校と対戦する。
私は先鋒。
試合が終わったら、大将戦までにあのド変態を探し出して縛り上げなければいけない。
次鋒戦が終わったら菫にも手伝ってもらおうか?
いやダメだ、家族の恥をよりにもよって菫に見せるわけにはいかない。

一人で何とかしないと…

3: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:53:52.54 ID:aAvoVQAR0

咲「…あの、これって…」

久「間違いなくチャンピオンね」

和「まあ、お義姉さんも女子高生ですし、SNSぐらいやっていてもおかしくはないですが」

咲「良かった…嫌われてたわけじゃないんだ…」

バタン

優希「ごめん、点棒一杯取られたじぇ…」グスン

まこ「安心せえ、またわしが取り返しちゃるけえ」グリグリ

優希「先輩…うん!」パアア


京太郎「…でも、だとすると、これ…」

久「ええ、気になるわね、『ド変態』。咲、心当たりは?」

咲「えっと…ありません…」フルフル

和「…念のため、咲さんは単独行動をしないようにお願いします」

久「暴漢だとしたら二人でも危ないわ。咲は常に三人以上…できれば須賀君も同行するようにして」

京太郎「了解っす」

咲「頼りにしてるよ、京ちゃん」

京太郎「つっても、喧嘩には自信ないから何かあったらすぐ逃げろよ。時間ぐらいは稼ぐから」

和「咲さんは逃げる、一人は助けを呼ぶ、須賀君は時間を稼ぐ…ただし、危ないと思ったら須賀君も逃げてください」

京太郎「ま、インハイの会場だからどこ行っても近くに警備員が居るさ。何とかなるだろ」

4: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:54:27.35 ID:aAvoVQAR0

華菜「白糸台が断トツだし…」

美穂子「想定の範囲内よ、勝負はここから。トップの白糸台は三校からマークされる、レベルの高い打ち手の集まる決勝での逃げ切りは困難だわ…久ならきっと…」


イケダアアアア!イケダアアアア!


華菜「ん?電話だし…清澄の部長?」

美穂子「久から?」

華菜「もしもし、華菜ちゃんだし!キャプテンに話?…試合中に何の用だし?緊急?わかった、鶴賀の連中も呼んでそっち向かうし」

美穂子「…緊急?」

華菜「詳しい話は会場でするから、とにかく人手が欲しいって言ってるし」

美穂子「あらあら、穏やかじゃないわね。何事かしら?」

5: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:55:12.92 ID:aAvoVQAR0

菫「松実といい染谷といい大したものだ。すまんな、少し削られた」

尭深「大丈夫です、まだ安全圏…」


誠子「…見つからない!?最低限の人員だけ残して探索に回せ!朝から様子が変だった、今回はいつもの迷子じゃない!」


菫「…照は?」

尭深「それが…先鋒戦からまだ戻っていません」

菫「亦野の様子を見る限り、手は尽くしているようだな。あとは私が引き受ける、お前たちは試合に集中しろ」

誠子「あ、弘世先輩、お疲れ様です」

菫「捜索の担当者を教えろ、後は私が責任を持ってあの馬鹿の捜索を指揮する」

誠子「お願いします」


菫「で、淡は?」

尭深「宮永先輩を探しています、まだ自分の試合まで時間があるからって…」

菫「…まあ、じっとさせておくよりマシか。最悪の場合、あいつには試合前に見つかったと嘘の情報を教える、話を合わせろよ」

尭深「はい」

菫「全く、三年になっても落ち着きのない奴だ…」

6: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:56:57.07 ID:aAvoVQAR0

『大将戦前半終了ーーー!ここで三校が横並び!大きく沈んだ姫松高校末原選手、ここから巻き返せるかー!?』

『ここまでも苦境を乗り越えて決勝まで来たわけだし、少なくとも何とかしてくれるってチームメイトは信じてるだろうね。想いは力になる、まだわかんねーよ』

『泣いても笑っても次が最後の半荘、一万人の頂を目指す少女たちの戦いはファイナルステージへ突入します!』



7: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:57:27.42 ID:aAvoVQAR0

咲「何とか追いつけた…後半大丈夫かなあ…」

?「あなたなら大丈夫よ」

咲「…え?この声…お母さん?」

母「ええ、そうよ、立派になったわね咲」

咲「どうしてここに?決勝に出てる選手以外は立ち入り禁止のはずなのに…」

母「常に二人以上の護衛がついていたし、ここ以外では…いえ、あなたの応援に来たのよ。事情を話したら通してくれたわ」

咲「そうなんだ、ありがとう、お母さん」ニコッ

母「」ズキューン


母「はあはあ…咲たん可愛い、もう我慢できない…」

咲「え?お母さん?」

母「いただきまーす!」

咲「きゃあああああああああ!!!??」

8: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:57:58.39 ID:aAvoVQAR0

照「…警備員が倒れてる…この近くか?」


菫「ここに居たか、探したぞ、照」

照「菫…ちょうど良かった、手を貸してほしい」

菫「まずは何故姿を消していたのかを説明してもらおうか」

照「…そうしたいけど、多分、時間がない。何も聞かずに、あのド変態を拘束するのを手伝ってほしい」

菫「ド変態…ああ、おばさんか。妹にもそうなのか?」

照「…恥ずかしながら」

菫「だったら私に説明すればいいものを…全く、余計な手間をかけさせて」

照「ごめん、身内の恥だから…」


『きゃあああああああああ!!!??』


菫「…急ぐぞ」

照「うん」

9: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:59:12.35 ID:aAvoVQAR0

母「咲たんのツノペロペロ!咲たんの指ペロペロ!咲たん可愛いprprpr!」

咲「いやああああ!お母さんやめてーーー!」



菫「ロン(物理)」

照「ロン(竜巻)」


母「あうっ!?」



咲「た、助かった…?」

照「咲、無事か?」

咲「お、お姉ちゃん…怖かったよぉ…」グスン

照「ごめん、このド変態を止められなかった」

咲「ド変態って…」チラッ


菫「ロン(物理)ロン(物理)ロン(物理)」

母「おうっ!おうっ!おうっ!もっと!もっとおおお!」

菫「黙れ、頭を撃ちぬくぞゴミが」ギロッ

母「その冷たい視線も最高だわ!え…エクスタシイいいいいい!!!」


咲「…うん、ド変態だね」ヒキ

照「お父さんと別れてからああなった、私にも常にあんな感じ。咲にあれを見せたくなくて…冷たくすれば、諦めてくれるかなって…」

咲「そうだったんだ、ホントに嫌われたんじゃないかって思ってたよ…ありがとう」


『大将戦後半を始めます、選手は対局場に…』


照「これは私が処理しておく。行って」

咲「うん!行って来るね、お姉ちゃん!」

10: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 13:59:57.25 ID:aAvoVQAR0


その後、お母さんは私の応援に来ていたお父さんに引き取られた。
お父さんは「ここまでとは思わなかったが、そうなるわな」と言っていた。
心当たりがあったのかな?

インターハイが終わったあと、お父さんとお母さんは長野で一緒に暮らすようになった。
長野で暮らしている分には私が知ってるお母さんそのものだった。

…なにがあってああなったんだろう?

気になってお母さんに尋ねてみたら、「足りないものがあったのよ」と返された。
良くわからないけど、多分聞かない方がいいんだと思う。

お姉ちゃんは卒業までは白糸台の寮に残って、卒業後は長野か東京のプロチームに入りたいって言ってた。
ドラフトがあるから希望が通るとは限らないけど、第一志望は長野だって。
長野に来たら、また家族四人で住めるね。

あ、そうそう、あのあとでお姉ちゃんのTwitterを見たらこんなことが書いてあったよ。


11: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 14:00:48.07 ID:aAvoVQAR0

てるてる@teru-mi87ga

あのド変態が、よりにもよって決勝戦のインターバル中に咲を襲った。
菫のおかげで事なきを得たけど、やはりこのゴミは処分しなければならない。

智葉に頼んで東京湾に沈めてもらおう。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

智葉と話していたら、お父さんが話しかけて来た。
咲の応援に来ていたらしい。
困ったことはないかと聞かれたので、あのゴミのことを話した。
お父さんは「そうか…」と言ってその場を去った。

あのゴミのために菫の手を煩わせるのも嫌だし、なるべく早く消してほしいと智葉にお願いした。

ーー

てるてる@teru-mi87ga

お母さんの奇行が止んだ。
どうやら、お父さんがなにかしたらしい。
二人が長野で同居することも聞かされた。

お母さんがまともに戻るなら、咲に冷たくする理由もない。
私たち、家族に戻れるのかな?

ーー

てるてる@teru-mi87ga

咲を突き放した罪悪感を紛らわせるために始めたツイッターだけど、もう必要ない。
また、みんなと家族に戻れた。

これから、今までの分も家族としての時間を取り戻していきたいと思う。

だから、これが最後の呟き。

12: ◆jBL8Qe1.Ns 2014/11/19(水) 14:01:30.25 ID:aAvoVQAR0


菫「なあ、ところでお前、やたら私のことばかり書いていたよな?」

照「…知らない。あれは私ではない」

菫「お前以外の誰があの内容を知っているというんだ。あれをすべて知っているのはせいぜい私ぐらいだろう」

照「なら、きっと菫に違いない」

菫「その詭弁は私本人に対しては無意味なことは理解できるな?」

照「う…」

菫「告白するならちゃんとしてくれよ。私の方は準備が出来ているから」

照「へ?」

菫「さて、行くか」

照「ちょ、ちょっと待って菫、今なんて」

菫「すまんが、部長の引継ぎで忙しいからな。大事な用件以外は後にしてくれ」

照「ちょっと、菫、菫ってば!」

菫「はいはい、また後でな」





引用元: 【咲-Saki-】咲「お姉ちゃんのアカウントを特定した」