まき「まだまだ！」ﾎﾟｲｯ

真姫父「……！」ｻｻｯ

真姫母「…避けた？」

まき「…パパ？」

真姫父「…！！」ﾎﾟｲﾎﾟｲﾎﾟｲｯ！

ﾋｭｰﾋｭｰ！

まき「きゃー！パパがおこったー！」

真姫母「もぅ……大人気な…」

まき「にげろー！！」ﾀﾀﾀｯ

真姫母「あっ真姫ちゃんどこ行って……あなた！追いかけないと！」

真姫父「…！」ﾀﾀﾀｯ


ﾂﾙｯ


真姫父「」

真姫母「……何してるの」

　　

―――――

まき「…ﾊｧﾊｧ」

まき「ここまでくればダイジョウブね！」

まき「……あれ？」

まき「パパはどこ？ママは…？」

まき「もしかしてこれって…」

まき「まいご？」

まき「……」

　

まき「うえ～ん！」ｼｸｼｸ

まき（ママ…パパ…）


ﾖｲｼｮ！ﾖｲｼｮ！…ｺﾝﾅｶﾝｼﾞｶﾅ！

ｳｰﾝ…ｱﾀﾏｶﾞﾁｲｻｽｷﾞﾅｲ？

ｿｳｶﾅｰ？


まき（むこうにだれかいる…？）

　　

ほのか「できた！これでどう？」

ゆきほ「うん！すごいよおねえちゃん！」

　

雪だるま「」

　　

まき（ふたりで雪だるまをつくってる…）


雪だるま「」

ほのか「う～ん、よくできてるなぁ…」

ゆきほ「あれお姉ちゃん、この雪だるまの手って…」

ほのか「お父さんの”すりこぎ”だよ！だいどころからもってきたんだ！」

ゆきほ「ええー！？かってにつかっていいの？」

ほのか「だいじょうぶ、だいじょうぶ。ほのかにまかせて」

ゆきほ「ホントかなぁ…」


まき（…たのしそう）

まき（わたしもいっしょに……なんて）


穂乃果母「穂乃果ー！雪穂ー！ご飯よー！」

ほのか、ゆきほ「はーい！」

ほのか「いこっか」

ゆきほ「うん！」

ﾃｸﾃｸ


まき「あっ…」

まき「いっちゃった…」


まき「また…ひとりになっちゃった」


雪だるま「」

まき「……」

まき「ねえねえ、あなたおなまえは？」

雪だるま（まき）「わたし？まきちゃん！」

まき「あなたもまきちゃんていうの！？わたしもまきちゃん！」

雪だるま（まき）「まきちゃん！いっしょにあそぼうよ！」

まき「うん！わたしたち、今からおともだちね！」


雪だるま「」

まき「…はぁ」


ほのか「なにしてるの？」

まき「うえぇっ！？」

まき「お、おうちに帰ったんじゃないの…？」

ほのか「これ、取りにきたの！」

まき「すりこぎ…？」

ほのか「お父さんにおこられちゃった…。でもひどいよね、雪だるまの手にピッタリなのに…」

まき「そう……ね」

ほのか「ねえねえ、まきちゃん？はどこからきたの？」

まき「……」

ほのか「おうちはどこ？」

まき「……わからない」ﾎﾞｿｯ

ほのか「あっ、まいごか！」

まき「ち、ちが…」

ほのか「じゃあさ、お母さんがみつかるまで、ほのかとあそぼうよ」

まき「…えっ？」

ほのか「ひとりじゃさびしいもんね」

まき「さびしくなんかない…けど」

まき「…ありがとう」

ほのか「えへへ…」

まき「…あれ、ほのか？ケガしてるの？」

ほのか「あっ、さっきすべって、ひざをすりむいちゃって…」

まき「わたしにまかせて！」


　　

まき「これより、ひざのすりきずのオペをかいしする」

まき「メス」

ほのか「ありません！」

まき「しょうどくえき」

ほのか「あるの？」

まき「バッグのなか！」

ほのか「あっ…あった！はい！」


ﾌﾟｼｭｯ


まき「ばんそうこう」

ほのか「はい！」


ﾋﾞﾘﾋﾞﾘ　ﾋﾟﾀｯ
　

まき「ふぅ…オペかんりょう」

ほのか「すごい…きずぐちにピッタリフィットしてる！かんぺきなオペです」

まき「とうぜんでっしょー！」


「真姫ちゃーん！」

　

ほのか「あ、あれって…」


真姫母「よかったー！ここにいたのね」

真姫父「…ﾊｧﾊｧ」


まき「パパ！ママ！」

まき「うわーーん！どこいってたのー！」ｼｸｼｸ

真姫母「もう、真姫ちゃんったら…」

ほのか「よかったねぇ…」

真姫母「あら、その絆創膏…」

ほのか「うん！まきちゃんにはってもらったんだ！」

真姫母「そう……ふふっ」

ほのか「この子はきっと、いいおいしゃさんになるよ」ｳﾝｳﾝ

真姫父「…//」

まき「パパ？かおがあかい！びょうき！？」

真姫母「…ううん、きっとうれしいのよ」

真姫母「真姫ちゃんが立派に育ってくれて」

まき「…？」

　

おわり

２．希「一人ぼっちのクリスマスツリー」

生徒会室

希「はぁ…」

絵里「希…？ため息なんてついてないで早く終わらせましょうよ、ツリーの片付け」

希「……」

絵里「ねえ、聞いてるの？」

希「クリスマスツリーって…かわいそうやね」

絵里「えっ？」

希「だって、せっかくきれいに飾りつけされても一週間もすれば片付けられて…」

希「一年のほとんどを暗ーい倉庫の中で過ごすわけやん？」

絵里「まぁ…ね。でも、そんなの雛人形も鯉のぼりも全部同じじゃない？」

希「いや、お雛様にはお内裏様がいるし鯉のぼりにはお父さんもお母さんもいるやん！」

希「だけどツリーは一人ぼっちなんよ」

希「ウチみたいに…ね」

希「小さい頃から、ウチのクリスマスをお祝いしてくれたのはツリーだけやった」

絵里「希…」

希「ってことでこれはウチが持って帰るから！」

絵里「はぁ！？」

希「生徒会長にも理事長にも許可はもらった！誰もウチを止められん！」

絵里「待って！そんなものもらってどうするつもりなの？」

希「正直使い道は…でもほっとけないんよー！」

絵里「ちょっと希ー！！」

　　

―――――

翌年　東條家

にこ「このツリー！」

穂乃果「すっごい！」

ことり「かわいい～！」

希「ふふっ…」


絵里「ねえ…なんか去年より大きくなってない？」

希「そりゃあ愛のおかげやね」

花陽「なるほど…お米も愛情を込めると大きく育つもんね」

希「そうそう」

絵里「でもこの木は作り物…」

希「スピリチュアルやん？」

絵里「……」

海未「にこ、何をしているのですか？」

にこ「ああ、このピザ持って帰って妹たちにも食べさせてあげようと思って…」

海未「ふふっ…では私の分もどうぞ」

にこ「えっいや、それはあんたに悪いし…」

海未「そんなこと言わずに…」


真姫「もう一枚頼めばいいじゃない。こころちゃんたちのために」

にこ「か、金持ちの考えは違うにこ…」


……………
………

翌日

希「ふんふーん♪」

希「……」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

希「ありがとう、すっごく楽しいクリスマスだったよ。あなたのおかげやね」

希「ウチは絶対あなたを一人ぼっちになんかしない。だから…」

希「来年も、みんなと一緒にいられますように」


クリスマスツリー「」ｷﾗｷﾗ

　

おわり

３．ことり「憧れのお姫様」

子ども「わーい！サンタさんだー！」

サンタ「はい、どうぞ」


海未「サンタクロース…懐かしいですね」

ことり「…そうだね」

海未「昔は…クリスマスプレゼントがとても楽しみでした。以前もらった竹刀は今でも使っています」

ことり「そうなんだ…」

海未「ことりは何か思い出のプレゼントはありますか？」

ことり「私？う～んと…」

～～～～～

理事長「ことりー？クリスマスプレゼント何がいい？」

ことり「いいよ、私も今年から高校生だし。欲しいものも別にないから…」

理事長「そう？じゃあおいしいものでも食べに行きましょうか」

ことり「うん！」


ことり「……」

ことり（ホントは…すっごく欲しいものがあるんだ）

ことり（お母さんからもサンタさんからももらえないもの）

ことり（私は…プロポーズがほしい）

ことり（お姫様になって、素敵な王子様からプロポーズされたい…）

ことり（なーんて…）

ﾑﾆｬﾑﾆｬ


＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝

お城

ことり「あれ？ここは…」


「姫ー！大変ですことり姫！」


ことり「私が…お姫様？」

ことり（もしかして…サンタさんが私のお願いを叶えてくれたのかな？）

ことり（ピンチの私を、白馬の王子様が助けてくれる…なんて）


海未「お怪我はありませんか？」

ことり「海未ちゃ…！」

ことり「…あれ？」
　　

海未将軍「曲者です！懲らしめてやりなさい！」

ｵｫｰｰｰ！！


ことり「世界観が…ちょっと違う」

海未将軍「ことり姫？何を言っておられるのですか？」

ことり「あ、えっと…」

にこ忍者「ことり姫！」

花陽忍者「覚悟です！」


ﾓｸﾓｸ


海未将軍「こ、これは眠り薬！」

ことり「あ…眠くなって…」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

海未将軍「姫！しっかりしてください！姫ー！！」

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

「姫！ことり姫！」

ことり「うぅ…。海未将軍様…？」

アラジン海未「ショーグン…？とは何です？」

ことり「また変わった…」

ことり（でも…アラビアンナイトって、ちょっといいかも…）


アラジン海未「…ことり姫、まさか私との結婚が嫌でしたか…？」

ことり「えっ？そんなことないよ！」

アラジン海未「ですが、式の途中で寝てしまうなんて…」

ことり「ええっと、それは…」

　

「その結婚待ったー！」

アラジン海未「あ、あなたは…！」

ノゾミン「ふふふ…」

アラジン海未「悪魔女ノゾミン…何をしに来たんです」

ノゾミン「願いを叶える魔法のランプ…今日こそ頂かせてもらうんよ」


ノゾミン「ん～！スピリチュアルパワー！」

ﾓﾜﾓﾜﾓﾜﾓﾜ

アラジン海未「こ、これは…催眠術！」

ことり「また…眠く…なっ…」」ｳﾄｳﾄ

ことり「って…」ﾑﾆｬﾑﾆｬ

＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

ことり「うぅ…」

「起きてください、ことり姫」

ことり（今度こそ…白馬の王子様が）

ことり「海未ちゃ…！」

勇者海未「さぁ、魔物退治に行きましょう！」

ことり「これじゃ…ない」


＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝
＝＝＝＝＝


ことり「もうーーー！！」

ことり「あれ？ここって私の部屋…？」

ことり「…夢？」

理事長「ことり？どうかしたの？」

ことり「…なんでもない」

～～～～～

ことり（ってことがあったけど…）

海未「ことり？」

ことり「海未ちゃん、私の一番の思い出のプレゼントは…」


ことり「色んな海未ちゃん…かな。将軍様とか」


海未「何ですかそれ…？」

　

おわり

４．ほのか「雪だるまの雪ちゃん」

ほのか「ゆーきだるま♪ゆーきだるま♪」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

ﾄﾞｻｯ

ほのか「できた！」

雪だるま「」

ほのか「きめた！あなたのなまえは雪ちゃん！よろしくね雪ちゃん」


穂乃果母「ほのかー？そろそろ帰って来なさーい」


ほのか「はーい！」

ほのか「雪ちゃんおやすみ、またあした！」

　

翌日

ほのか「そ、そんな…」

ほのか「雪ちゃーん！！」

雪だるま「」ﾄﾞﾛﾄﾞﾛｯ

ほのか「なんで…なんで…」

穂乃果母「半分ぐらい解けちゃったんだ…。まあしょうがないわね、今日は温かいし」


雪だるま「」


ほのか「……」

ほのか「雪ちゃんごめんね」

ほのか「きょうは…ずっといっしょにいるから」

昼

ほのか「あのね、ほのかね、ことりちゃんとうみちゃんっておともだちがいて…」

雪だるま「」


夕方

ほのか「それでね、かけっこでうみちゃんがころんで、ないちゃって…」

雪だるま「」


夜

ほのか「ババぬきでことりちゃんにかてなくて、ないちゃって…」

雪だるま「」


穂乃果母「穂乃果！いい加減にしなさい！」

ほのか「お母さん…」

穂乃果母「もう帰って来なさい！こんなに暗くなってるんだから」

ほのか「やだ！」

穂乃果母「なんで！」

ほのか「だって…きのうほのかが見てなかったせいで雪ちゃんがとけちゃったんだもん…」

穂乃果母「あんたがいてもいなくても一緒よ。いつかは解けてなくなるんだから」

ほのか「やだ！ほのかは雪ちゃんと、いっしょにねるの！」

穂乃果母「一緒に寝るって…外に布団でも敷く気？」

ほのか「ちがうよ！いっしょにねるっていうのは…」

ｶﾞﾊﾞｯ


ほのか「はらめ！はらめ！」

ｽﾞﾎﾞｽﾞﾎﾞ

ほのか「はらめ！はらめ！」

雪だるま「～～//」


ほのか「こういうことだよ？」

穂乃果母「」


ｽﾞｯ　ﾊﾞｯ　！

　

――――――――――
―――――

穂乃果「こうして生まれたのが…」

雪穂「私なんだ」


絵里、亜里沙「ハラショー…」

　

おわり