1: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:03:10.48 ID:/xJvdOtU.net
― 放課後 部室 ―


カタカタカタ

にこ「・・・」

ガチャ

希「あれ? にこっちやん!」

にこ「希?」

希「まだ残ってたん? 今日部活無いんじゃなかったっけ」

にこ「ええ、無いわよ。ちょっとブログの更新してたの」

希「へぇ~、休みの日もアイカツとは熱心やね」

にこ「当然でしょ! っていうかあんたこそなにしに来たのよ?」

希「そんなんにこっちに会いたかったから来たに決まってるやん」

にこ「いや、ついさっきにこが居ること驚いてたじゃない」

希「もう! にこっちはつれないなぁ~」

2: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:10:28.12 ID:/xJvdOtU.net
にこ「で? 本当は何しに来たのよ」

希「いや~、部室にタロットカード置きっぱなしにしちゃって」

にこ「はぁ~。 希ってたま~に抜けてるわよね。そこが可愛いんだけど」

希「なんや、急にかわいいとか照れるやん」

にこ「だ・け・ど あんまりボーっとしてちゃ駄目よ?」

にこ「アンタこの間も家でタロットなくして、結局枕元に置きっぱなしだったじゃない」

希「あはは・・・あれ? ウチにこっちにその話したっけ?」

にこ「あー、絵里から聞いたのよ」

希「もー、えりちめ・・・」

4: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:17:24.63 ID:/xJvdOtU.net
にこ「一応あんたのアイデンティティなんだから大切にしなさいよね」

希「アイデンティティって・・・」

にこ「いいじゃない。 アイドルにとって個性は重要なことよ」

希「別にキャラ付けのためにやってる訳じゃないんだけどなぁ」

にこ「それより、早くタロット持って帰ったら?」

希「えー! にこっちが冷たい!」ワシワシ

にこ「ちょっと! 辞めなさいよ!」

希「だって、にこっちが冷たいんだもん・・・。 ウチと居るの嫌なん?」

5: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:24:09.35 ID:/xJvdOtU.net
にこ「いや、あんたが居るとついつい話しちゃって作業が進まないのよ・・・」

希「・・・本当にそれだけ?」

にこ「本当よ。 むしろあんたと居るのは、その、楽しいわよ」

希「にこっちいいいぃぃぃぃ!」ギューッワシワシ

にこ「あああもう離れてよ暑苦しい! ていうかドサクサにまぎれて胸触らないでよ!」

希「いいやん、にこっちとウチの仲でしょ~」

にこ「親しき仲にも礼儀ありよ! にこはそこまで許してないわ!」

希「ちぇ~、にこっちのいけず」

にこ「なんとでも言いなさい。 ほら、さっさと帰った帰った!」

希「やっぱり冷たい・・・。 あ、あったあった」

6: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:30:17.69 ID:/xJvdOtU.net
にこ「まったく・・・」カタカタ

希「・・・」

にこ「あ、そうだ。 希、ちょっと足出しなさい」

希「は? 足っていきなりどうしたん?」

にこ「いいから!」グイ

希「や~ん! にこっち乱暴せんといて~」

にこ「するわけないでしょ・・・ほら」ペタリ

希「ひゃっ・・・って絆創膏?」

にこ「あんた朝、家の前でずっこけて足すりむいたんでしょ?」

希「う、うん」

にこ「今更の処置だけど万が一ばい菌が入ったら大変なんだからね。 怪我したらちゃんと処置しときなさいよ」

希「にこっちは優しいなぁ」

にこ「べ、別に! 大事になって練習に支障が出たら困るからよ!」

希「素直やないなぁ」

7: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:39:21.50 ID:/xJvdOtU.net
希「・・・あれ? にこっち、朝は遅刻しそうで走って登校してたやん。ウチの家の前も通ってないし、
  なんでウチが家の前で転んだの知ってるん」

にこ「・・・あんたと絵里が話してるのを聞いたのよ」

希「え、でもにこっち隣のクラス」

にこ「たまたまクラスの前を通りかかった時に聞いたの」

希「そ、そう・・・」

にこ「そうよ」

希「・・・」

にこ「・・・」カタカタ

8: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:49:36.97 ID:/xJvdOtU.net
希「あ、そういえば」

にこ「もー、なによ。 今忙しいんだけど」

希「今日は雨降らんかったなぁ、天気予報では雨だったけど」

にこ「そりゃ天気予報も百発百中じゃないでしょ」

希「せっかく、かさ持ってきたのになぁ」

にこ「・・・」カタカタ

希「・・・」クキュー

希「あっ・・・」

にこ「ぷっ・・・ふふ、くくく・・・」

希「笑わんといて!」

11: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 03:56:23.21 ID:/xJvdOtU.net
にこ「だってクキューって・・・くくく、可愛い音出して、そんなにおなか空いたの?」

希「もー! あんまりからかわんといて!」

にこ「いつもにこをからかう仕返しよ」

希「にこっちのあほー!」

にこ「あーら? せっかくにこの持ってきたお菓子をあげようと思ってたのに」ガサ

希「くっ・・・食べたい!」

にこ「素直な子は好きよ。 はい、あ~ん」

希「あ~ん」パクッ

にこ「おいしい?」

希「おいしいわぁ~♪ にこっち大好き!」

にこ「現金なんだから・・・。 今日は練習なかったから良いけどお弁当は忘れないようにしなさいよ」

にこ「貧血で倒れたりしたらみんな心配するわ」

希「うん!・・・あれ?なんでウチが弁当忘れたのしってるん?」

12: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:04:16.30 ID:/xJvdOtU.net
希「にこっち今日の昼は部室で食べてたし、ウチらの教室の前も通ってないよね?」

にこ「いや、あんたが何時も弁当入れてる手提げ持ってなかったから」

希「あ、あー。 そういうことか」

にこ「そうよ」

希「・・・」

にこ「・・・」

希「え、もしかしてにこっち、ウチのこといつもこっそり見てるん?」

にこ「は、はあぁぁぁ!? なんでにこが希のことストーキングする必要があるのよ!」

希「えっ、にこっちウチのことストーキングしてるん!?」

14: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:12:10.18 ID:/xJvdOtU.net
にこ「ぬわぁんでよっ! にこはそんな事してないわよ!」

希「いや、だってやけにウチのこと知ってるから」

にこ「たまたまよ。 大体にこがそんなことするわけないでしょーが」

希「そんなこと言って~、そのPCでウチの盗撮画像とか見てるんやないの~?」

にこ「なわけないでしょ! 自意識過剰か!」

希「ウチに早く帰れ言ってたのも、見られたら都合が悪いからなんじゃ・・・」

にこ「なんでそうなるのよ!」

希「じゃあ見ても問題あらへんな~」

にこ「あっ、ち、ちょっと・・・!!」

15: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:17:48.81 ID:/xJvdOtU.net
希「普通にブログの更新してる・・・」

にこ「あたりまえでしょ・・・」

17: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:22:45.19 ID:/xJvdOtU.net
希「どこかに隠しフォルダーとかあったり」

にこ「しないわよ。 大体、するにしても共用のPCでするわけないでしょ」

希「つまり、にこっちの家のPCに・・・」

にこ「家にはマ・・・お母さんの仕事用のPCしか無いわよ」

希「なんや、つまらんなぁ」

にこ「いや、仮にここで画面いっぱいにあんたの盗撮画像があったら面白いどころか怖いでしょ」

希「えー、別ににこっちになら撮られてもいいよ?」

にこ「えぇー・・・」ススス

希「ちょっとー!そんなに引かんといてよ!」

19: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:30:22.58 ID:/xJvdOtU.net
にこ「いや、だって、ねぇ?」

希「ワシワシしたろか」ワキワキ

にこ「嫌ねぇ希ったら!冗談よ冗談!」

希「ふぅん、ほんとに冗談なん?」ニジリ

にこ「冗談だってば! ねぇ、なんで少しずつこっちに近づいてるのよ」

希「いや、せっかくだからにこっちともっと親睦深めたいやん?」

にこ「あっ、にこ用事を思い出しちゃったからもう帰るにこ!お疲れにこー!」サササ

グッ

グッ

にこ「あ、あれ?開かない」

21: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:46:09.04 ID:/xJvdOtU.net
希「まぁまぁ、にこっち。そんなに急いで帰らんでもいいやん?」ギュッ

にこ「ひぃっ、ちょっと!抱きつかないでよ!」

希「今日はにこっちの家族みんなお出かけでひとりやろ?帰る必要ないやん」スンスン

にこ「な、なんであんたがそのこと知ってるのよ!」

希「なんでやろなぁ」

にこ「そ、そういえば。にこが朝遅刻しそうになったことも、部室でご飯食べてたことも、あんた知ってたわね。
   にこは一人でいたはずなのに、ねぇ、何で知ってるの・・・?」

希「・・・そんなん、ウチがにこっちのこと大・大・だぁ~い好きだからに決まってるやん!」ムギュ

にこ「ひゃあ! ちょ、ちょっとぉ・・・!」

希「にこっちのことならなーんでも知ってるよ。 カードが教えてくれるんや」

にこ「悪い冗談はやめなさいよ! 今ドアが開かなくて閉じ込められてる状況なのよ!?」

23: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2016/12/26(月) 04:50:30.04 ID:/xJvdOtU.net
希「ああ、さっき扉にスピリチュアルパワーをプシュッっとしたから、もうウチしか開けられないよ?」

にこ「は、はあぁぁぁぁぁ!? あんたそんな冗談言ってる場合!?」

希「・・・ね、にこっち。ウチ初めから1つもウソは言ってないよ?」

にこ「は・・・?」

希「にこっちに会いたいから、にこっちをウチだけのにこっちにしたいから」

希「だから、にこっちに会いにきたんよ?」

にこ「だ、誰があんたの物になるもんですか! 早くここ開けなさいよ!」

希「今日は部活が無いから、ここには誰も来ない。 にこっちの家族もみんな出かけてるから、遅くなっても大丈夫。」

希「そして、ウチとふたりっきり・・・これって運命やんね」

にこ「どこがよ! ねぇ、開けて、開けてよ!誰か!!」

希「大丈夫。 にこっちがウチのことしか考えられなくなったら出してあげる」

希「そしたら、一緒にデートとか、お泊りとか、   なこととか、いっぱいいっぱいしようね」

にこ「ね、ねぇ、ホントは全部冗談なんでしょ? 今ならまだ許してあげるから」

希「冗談じゃなくて本気だって。 今からにこっちの体にしっかり教えてあげる」スル

希「時間をかけていっぱい、いっぱい。 にこっちがウチなしじゃ生きていけなくなっちゃうくらいに」スルスル…パサッ

希「だから、ウチといっぱい愛し合おうな・・・?」

にこ「にこおぉぉぉぉ!!!!」



おわり

引用元: 希「えっ、にこっちウチのことストーキングしてるん!?」