2: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:29:07 ID:A01uvGLA00

愛「エマっち、ゆうゆ、二人とも落ち着いて~!」アワアワ

侑「これが落ち着いてなんかいられないよ、愛ちゃん!」

エマ「そうだね侑ちゃん! ……愛ちゃんお願い。私、愛ちゃんをケガさせたくないの……!」ゴゴゴゴゴ

愛「ドスの利いた声で超コワいこと言わないでよ、エマっち~!」プルプル

 ガラガラ

果林「……三人とも、どうしたの? ずいぶんと盛り上がってるみたいだけど……」

3: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:30:09 ID:A01uvGLA00

愛「カリンお願い、エマっちとゆうゆを止めて! 事情は後で話すから!!」

果林「事情は分からないけど、分かったわ。……さあエマ、大人しくしなさい!」クイッ

エマ「ほ、ほえ!? か、果林ちゃん、痛いよぉ~!!」ウワーン

果林「暴れなければ、痛くないわよ。とりあえず落ち着いてっ」

侑「え、エマさんっ!? ……待てよ、今がチャンスだっ!」ダッ!

愛「しまった、ゆうゆがフリーにっ!!」

4: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:31:15 ID:A01uvGLA00

果林「らしくないわね。侑を止める方法、あなたなら簡単でしょ?」

愛「愛さんなら……あっそっか! ……ねえゆうゆ、フリーになったように見えるけど、実は不利な立場にあるのはゆうゆなんだよ、『不利(フリー)』だけにっ!」

侑「ぶほっ! わ、私の方が『フリー』だなんて……ぷっ! ぶわっはっはっ!!」

エマ「ゆ、侑ちゃん~!?」ウソーン

果林「……侑の自爆まで誘うなんて、相変わらず見事なダジャレね、愛」

5: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:32:02 ID:A01uvGLA00

    *

果林「落ち着いたところで……愛がマウスとキーボードを抱えてるってことは、パソコン関係で何かあったのね。一体どうしたの?」

侑「そうなんだよ、果林さん! 同好会のSNSの投稿に、酷い引用の投稿があって……」

エマ「果林ちゃんも見てくれれば、私達が怒っている理由も分かると思うっ!」ムウッ

果林「どんな投稿なの? 愛、マウスとキーボードを貸して」

愛「うっ、うん。カリンなら、大丈夫だと思うけど……」ドウゾ



 カタカタ……カチッ!



果林「ふうん、これが問題の投稿ね」

6: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:32:59 ID:A01uvGLA00





『あなた達の応援など無意味。

 人をその気にさせて、自分もその気になっているだけ。

 本気で努力している人間ならば、他人を応援している暇なんて無いはずだ』







果林「これをわざわざ、『私達』の同好会の引用に吊り下げるなんて……良い度胸しているじゃない」ゴゴゴゴゴ

愛「か、カリンまでヒートアップしちゃってる……」オロオロ

7: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:35:02 ID:A01uvGLA00

エマ「だよね、果林ちゃん! 果林ちゃんなら分かってくれると思ってた!」

侑「今から反論の投稿を書くから、果林さんはチェックをお願いっ!」







果林「……しないわよ、反論なんて」キッパリ

侑&エマ「えっ!?」

8: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:36:09 ID:A01uvGLA00

果林「単なる反論なんかより……この人にもっと大きなダメージを与えられる、良い方法を思い付いたの」

愛「良い、方法?」

果林「ええ。……どう? エマと侑も、良かったら一口乗ってみる?」ニヤリ

侑&エマ「乗りますっ!!」

果林「ものすごい即答ね。……でも念のため、私がこれから出す『問い』に対して、よく考えてからもう一度答えて」

侑「と、『問い』……?」

9: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:37:09 ID:A01uvGLA00

果林「そう。じゃあ問うわね。……あなた達二人に、この人を最後まで『応援する覚悟』はある?」

エマ「応援する、覚悟……?」

侑「って、応援?」

果林「そう、応援。しかも最後まで。中途半端な脱落は許さないわよ。……それじゃあ、回答は今日の練習の終わりにでも……」

侑「ありますっ!!」

エマ「私もあるよ、果林ちゃん!!」

愛「愛さんもあるよ! ……ホントのこと言うと愛さん、この投稿に腹を立ててない訳じゃないんだよね」

果林「またしても即答ね。あなた達なら、きっとそう答えると思っていたわ」フフッ

10: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:38:08 ID:A01uvGLA00

愛「まぁ実のところ、『応援』というのがまだピンとこないんだけどね~」ニハハ

エマ「後々分かるってコトで良いんだよね、果林ちゃん?」

果林「今はそれでOKよ」

侑「分かりました……それでは果林さん、ご教授お願いしますっ!!」ペコッ

11: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:43:12 ID:A01uvGLA00

果林「カウンターの方針は二つあるの。まずひとつは、この投稿について」

侑「一番重要なところだね!」

エマ「どうするの? 炎上させる? それとも特定して突撃?」

愛「だから怖いって、エマっち! ……で、一体何するの、カリン?」

果林「それはね……」

三人「それは……?」ドキドキ







果林「何もしないわ」キッパリ

三人「ええ~~~っ!!!?」

12: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:44:09 ID:A01uvGLA00

果林「この投稿自体には返信も引用も『いいね!』も付いていないし、私達が触れなければこのまま流れて終わりでしょうね」

愛「ああ~。向こうが炎上を狙っているなら『その手には乗らない』ってことか!」

果林「そう。そして何より一番大事なところは……『私達の応援など無意味』と思っているのはこの人自身の問題で、私達には関係のないこと、ってことよ」

侑&エマ「えっ!?」

侑「そっ……それって、どういうこと……?」

エマ「果林ちゃん、今のところ、もう一度お願いっ」

13: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:45:09 ID:A01uvGLA00

果林「分かったわ。……もし私達のライブが原因で、この人がとても苦しんでいたとしましょう」

エマ「そっ、そんなことって……」

果林「例え話よ。でも、もしこの例え話が、本当にそのとおりだったとしても……」

三人「……」ゴクリ

果林「それは私達にはまったく関係のないこと。その人自身が自分で解決しなければならないことで、私達にはどうしようもできないし、その責任も義務もないわ」







三人「……」

14: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:46:09 ID:A01uvGLA00

エマ「……それは、とても冷たくないかな、果林ちゃん?」

侑「私も。もしこの人が苦しんでいるなら、私は嫌われてでも何かしてあげたい」

エマ「うん。果林ちゃんの言ってることは分かるけれど、温かみとか、血が通っているとか、そういうのを感じられないし、私、すごくイヤだなぁ……」

果林「……」





愛「ゆうゆとエマっちは、カリンが冷血だと言いたい……訳じゃないよね?」

侑「そっ、そんな訳ないよっ、愛ちゃん!」アワワワ

エマ「私だってっ!! ……でも、私は……!」ウウッ

15: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:47:10 ID:A01uvGLA00

果林「……泣いてるヒマなんかないわよ、エマ」ニヤリ

エマ「えっ……!?」

果林「侑も、愛も。私達には、やるべきことがあるわ」

侑&愛「やるべき、こと……?」

エマ「果林ちゃん、どっちなの!? やることが無いのか、あるのか……!」

果林「最初に言ったでしょう、エマ? 『方針は二つ』あるって!」

16: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:48:10 ID:A01uvGLA00

エマ「あっ……!」

侑「そうだった! 確かに果林さん言ってた!」

エマ「教えて、果林ちゃん! もう一つの方針ってなあに!?」

果林「簡単よ。それは私達が、いつもやっていること」

愛「いつもやっている……それって、スクールアイドル?」

果林「そうよ。……私達がスクールアイドルとして、最高のライブを披露すること。この人のことを本当に想うなら、私達ができるのはそれだけしかないわ!」

17: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:50:10 ID:A01uvGLA00

果林「ライブで精一杯の応援をする。そして『スクールアイドルフェスティバル』のような、新しい『夢』を実現させる!」

侑「新しい、夢……!」

果林「ええ。そして『応援が無駄じゃない』って、何度だって証明してみせるの!」

エマ「何度だって、証明してみせる……!」

果林「ええ。……きっとそれが、今の私達にできること、だと思うわ」

三人「……」





果林「……すべてを話した今、三人にもう一度問うわね。この人を最後まで『応援する覚悟』はある?」

18: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:51:10 ID:A01uvGLA00

愛「……なるほどね。応援って、そういう意味だったんだ」

エマ「私達の想い、この人にちゃんと届くかな……?」

侑「分からないけど……いつか届くと信じて、やるしかないんだ」

エマ「うん……。果林ちゃんが『最後まで』って言ったのは、こういうことなんだね」コクッ





果林「届くかどうかなら……大丈夫じゃないかしら? ほら、これを見てみて」

 スルスル……カチッ!

三人「あああっ!!」

19: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:52:10 ID:A01uvGLA00

侑「この人、『虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』をフォローしてる!?」

エマ「どうして、果林ちゃんどうして!?」

果林「どうしてかは分からないけれど……ここでそれを考えるのは、止めておきましょうか」

侑「……そうだね。とにかくチャンスはあるんだ。この人の方から、私達の方に近寄ってもらうしかない!」





愛「……アレ? この人、ニジガクの生徒みたいだね」ビックリ

果林「あら、そうなの愛?」アラマ

愛「うん。結構個人情報を公開してるし、写真もある。リテラシーがなってないなぁ~」

20: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:55:10 ID:A01uvGLA00

愛「……あっ、今駅の前にいるみたい」オオウ

果林「それだったら手っ取り早く、特定して突撃しちゃう?」

エマ「ちょ! それはダメだよ、果林ちゃん!」

侑「さっきまでの、私達の覚悟はどうなるの~!?」

愛「さっきまでエマっち達が言ってたことじゃん!」オイオイ

果林「まぁ詰めたところで、この子自身の問題であることは変わらないから、やらない方がいいわね」フフッ

21: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:56:10 ID:A01uvGLA00

エマ「よおおし、私、スクールアイドルの練習をもっと頑張る!」モエテキター

侑「うん! 私も、新しい曲作りをさっそく始めるよ!」ワタシモー

エマ「私も『QU4RTZ』で、新しいパフォーマンスをかすみちゃん達に相談する! ……じゃあ果林ちゃん、愛ちゃん、私達は先に行ってるね!」

侑「私も少しは体力付けないと! 一緒に走るよ、エマさん~!」



 ドタドタドタ……パタン!



愛「……ゆうゆまで走りに行っちゃった。やるじゃん、カリン!」

果林「正直、ここまで上手く事が運ぶとは思わなかったわ……」

22: 名無しで叶える物語 (ワッチョイ 085e-4f59) 2024/03/02(土) 22:57:14 ID:A01uvGLA00

果林「私達も練習を始めましょうか。『DiverDiva』もさらに気合いを入れていきましょう、愛!」

愛「もっちろん、愛さんだって負けないよ~! ……それじゃあ」

果林「ええ……」





愛「『応援が無意味』でないことを、これから何度でも証明してやる!!」

果林「応援のために『本気で努力』する人間の姿、このツンデレさんに見せ付けてあげるわ!!」



【おしまい】

引用元: 【SS】果林「『応援する覚悟』はある?」