剛田雑貨店

男「すみません……」

ジャイアンのママ「あら？お客さん？」

男「同級生の男です……じつはお話がありまして」

ジャイアンのママ「なにかしら？」

男「お宅の武君から暴力を振るわれ、オモチャやいろいろな物をとられてます……さすがに我慢の限界なんです」

ジャイアンのママ「なっ！？」

男「……」

ジャイアンのママ「あんたね！！うちの息子をそんな奴」

男「そんな奴に育てた覚えはないと言いたいんですか？」

ジャイアンのママ「当たり前だよ！！！」

男「……」ﾊﾟﾗｯ

ジャイアンのママ「これは……」

男「いままで怪我を負わされた時の診断書です、打撲、青アザ、骨折……なんならもっと持ってきましょうか？」


ジャイアンのママ「……」ｶﾞﾀｶﾞﾀ

男「治療費は一括で払ってもらおうとは思ってません、分割でも構いません、ですが このままやりたい放題であるなら警察にも通報させてもらいます」

男「いくら小学生とはいえどもこうも罪があると近所の目線とかありますからね……」

ジャイアンのママ「……」

男「武君によく伝えておいてくださいね……では」

男「……」

ジャイアン「おっ、男じゃないか、新しいバット買ったんだ 殴らせろ」

男「嫌だ」

ジャイアン「あぁ？」

男「嫌だと言ったんだ」

ジャイアン「生意気だな！！」バットﾌﾞｰﾝ

ﾊﾞｷｯ

男「ぐっ……」

ジャイアン「ガッハハハ」

男「……」

男「暴力でしか話できないのか……」


ジャイアン「なにを？」

男「そうやって楽しめるのは今日までだ……明日からは震えて寝ればいいさ」

ジャイアン「訳のわかんねぇこといってんじゃねーぞ！！」ﾊﾞｷｯ

男「お前は最低な奴だよ……」

ジャイアン「けっ……」ｽﾀｽﾀ


男「痛い……」

剛田雑貨店

ジャイアン「ただいまー」

ジャイアンのママ「たけしー！！！」

ジャイアン「なんだよ……かぁちゃん……」

ジャイアンのママ「あんたって子は……とんでもないことをしてくれたね……」

ジャイアン「な、なんだよ……」

ジャイアンのママ「あんたのクラスメートって子から渡されたよ……」

ジャイアン「なんだよこれ？」

ジャイアンのママ「あんたが怪我を追わせた事を証明する大事な手紙なんだよ！！」

ジャイアン「えっ……」

ジャイアンのママ「あんたがガキ大将やってるのは知ってたわ……でも私はあんたをそんな子に育てた覚えはなかったわ！！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

ジャイアンのママ「謝りにいくよ！！」

ジャイアン「ど、どこにいくんだよ？？」

ジャイアンのママ「あの子の家に決まってんだろ！！さっさと準備しな！！あの子の預かった物も全部持ってくるんだよ！！」

ジャイアン「わ……わかったよかぁちゃん……」

夕方

男の家


男「……準備はできた……もうどうなろうと知った事か……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「……」

ﾃﾃﾃﾃﾃ

ｶﾞﾁｬ

ジャイアンのママ「すみません、剛田です……」

ジャイアン「……」


男「なんのご用で？」

ジャイアンのママ「じつはいままでの件のついての謝罪に……」

男「いりません」

男「あのあと、武君にバットで殴られました、骨にヒビが入ってるって言われました、もういまさら謝罪で済まそうなんて思うほど僕もそこまで温厚じゃありません……帰ってください」

ジャイアン「！！」ﾋﾞｸｯ

ジャイアンのママ「……」血の気が引く


男「警察にも連絡いれます」

ジャイアンのママ「そ、そこをなんとか！！穏便に！！」


男「いったはずです……一生許さないと」


ﾊﾞﾀﾝ


ジャイアン「……」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀ


ジャイアンのママ「あっ、たけしー！！！」

のび太の家

ジャイアン「のび太！！！」

のび太「ど、どうしたのジャイアン！？」

ジャイアン「た、タイムマシンだ、タイムマシンを、貸してくれ！！」

のび太「え？」

ーーーーーー

説明後


ドラえもん「なるほどね……」

のび太「どうしようドラえもん」

ドラえもん「どうにかしてあげたいけど……歴史を変えるのは……」

ジャイアン「頼む！！ドラえもん！！俺……俺このままじゃ母ちゃんや父ちゃんそれにジャイ子達に申し訳ない……頼む！！」土下座

のび太「でも僕は男君の気持ちもわかるけどジャイアンの優しいところを知ってたから……いままで許したけど……」

ドラえもん「もう一度謝りにいこう」

ジャイアン「ドラえもん……のび太……ありがとう！！」

ーーーー

男の家

男「……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ


男「？？」


ｶﾞﾁｬ


のび太「や、やぁ……」

男「誰だっけ君……」

のび太「同じクラスの野比のび太だよ！！」

男「あぁ……先生に立たされてる」

のび太「うぅ……いまはそれは置いといて」

男「アイツの事をナイナイにしろってか？」

のび太「な、なんでそれを？！」

男「そんなことだと思ったよ、噂には聞いてるよ、へんな青いなにかとつるんでるを知らないと思ってるの？君の悪事は多生なり耳に入ってるんだよ」

のび太「えっと……その」

男「どうせヘンテコななにかで洗脳されたりしたら面倒だ…… もう僕の気持ちは変わらないし許さない……たとえ……過去に戻ってもね」


のび太「そ、そんなぁ」


男「アイツに伝えといてよ」

ﾊﾞﾀﾝ

のび太「……」

空き地

のび太「だってさ……」


ジャイアン「ちくしょう……もうダメなのか……」

のび太「ジャイアン……」

ドラえもん「まって、のび太くん男君おかしい事いってなかった？」

のび太「え？」

ドラえもん「どうして過去に戻ってもねって言ったのかなって思ってさ……」

のび太「それは僕たちが過去に戻って旅をしたり」

ドラえもん「のび太君の悪事は程度でなんでそんなことがわかると思う？」

ジャイアン「！？」

ドラえもん「もしかしたら……」ｶﾞｻｺﾞｿ

ﾃｯﾃﾚﾃｰﾃｰﾃｰ

ドラえもん「○×占い～」

のび太「こんなの出してどうするのさ！！」

ドラえもん「まぁ見ててよ」

ドラえもん「えーっと、男君はジャイアンの事を許さない？」

○


ジャイアン「あわわわ……」

のび太「ドラえもん！！」

ドラえもん「男君は……この時代の人間じゃない」

○

のび太「えっ！？」

ドラえもん「やっぱり……」

ジャイアン「男がこの時代のじゃないってどういう事だよ！！」

ドラえもん「簡単なことさ……彼は……未来人の可能性が高いんだ」

のび太「ドラえもんやドラミちゃんやせわし君以外に未来人が？！」


ドラえもん「可能性はゼロじゃないさ……なんらかの理由でこの時代に来てしまった……漂流者って考えられる 」 ｺﾞｿｺﾞｿ ｼﾏｲｰ


ジャイアン「そ、そういやよくよく考えたら同い年にしちゃなんか落ち着いてるし……なんかおかしかったし……」


ドラえもん「急ごう！！」

男の家

男「……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「……」

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ

男「……」


ーーーー

ドラえもん「ダメだ……出ない」

ジャイアンどうするんだよ！！

ドラえもん「通り抜けフープ！！」ﾃｯﾃﾚﾃｰﾃｰﾃｰ

ｳﾞｧﾝ

ドラえもん「これで通れるよ！！」

のび太「お、お邪魔しまーす……」

ジャイアン「……」

男の家の中

のび太「ひろーい……」

ジャイアン「スネ夫の家よりでかいぞ……見た目は普通に家だったのに」

ドラえもん「間違いない……異次元ワープの応用だ……」


男「ズケズケの人の家に入ってきやがって……どこまでクズなんだよ……お前ら……」

のび太「うわぁ！？」

ジャイアン「男！！」

男「くっくく……まさか22世紀のロボットがいるなんて思っても見なかったよ……」

ドラえもん「……」

男「お前達の近くにいたのはあの出来損ないだったとは……」

のび太「なんで、ドラえもんの事を」

男「簡単なことさ俺も……22世紀の人物さ」

男「ちょっとした事故でな……こんな糞みたいな時代に逆行してして、見た目のガキそのまんまになってしまったけどな……」

ドラえもん「お前は誰なんだ！！」

男「怨み屋の一人さ」

ドラえもん「なっ……なんだって！？」

ジャイアン「なんだよその怨み屋って……」


ドラえもん「怨み屋……自分の怨みを他人に擦り付けて擦り付けられた人を暴走させる……そんな奴なんだ……」

男「おいおい、人聞きがわるいなぁ……俺は復讐に踏み込めない人に対して一歩踏み出す勇気を与えてるのさ」

ドラえもん「自分の怨みを他人に擦り付けてなにが勇気だ！！ふざけるなよ！！」

男「ふーん？まぁ、ロボットには分からないか……怨みなんて感情は……ね？」

ジャイアン「このやろう！！」

男「おっと、まさかまた暴力を振ろうとおもってる？怨みが強くなればよりいっそう強くなるんだよ？」

ジャイアン「ぐっ……」

男「そして僕は幸運さ……素晴らしい被験体がそこにいた……」

のび太「？？？」

ドラえもん「まさか……」

男「そのまさかだよ……喰らえ！！」レーザーガン

ﾊﾞｼｭﾝ

のび太「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ドラえもん「のび太君！！」

ジャイアン「のび太！！」

ﾄﾞｻｯ

ドラえもん「のび太君！！のび太君！！」


のび太？「……」 ｽﾀｽﾀ


ジャイアン「の、のび太？」


男「無駄だだよ……彼の怨みを俺が増大させた……」

男「くっくく、素晴らしい怨みだね……純粋な怨み……まさかに小学生ならではだね」

ドラえもん「くっ」空気砲


男「おっと、肉体は彼そのままなんだよ？下手に傷つければ怨みは更なる怨みを持つ……そしてそれは無限に広がる！！」

ジャイアン「なんで……俺の事を許してたんじゃ……」

男「ふむふむ……どうやら彼にはどうしても許せないことがあったみたいだね……」

ジャイアン「い、いつもいじめてたことか！？」

男「そんなのは道端に落ちてる小石程度なものさ……さぁ答えてあげなよ のび太」


のび太「ジャイアンは……僕を騙した……アノとき」

ジャイアン「？？」

のび太「ドラえもんが居なくなった……あの時……」

ーーーーー

ジャイアン「やーい騙されてやがんの！！」

スネ夫「今日はエイプリルフールなの！！どら焼きまで買っちゃって」

ジャイアン「だーっはっははは」

ーーーーー

ジャイアン「あ、あれは……」

男「エイプリルフールだったから許されるとでも？そのあとウソ800を飲んでドラえもんが帰ってきたから許されたとでも？」

男「ところがどっこい！！そんなので許されると思ったら大間違いさ！！わずかな心残りがいつ吹き出すか！！これがわからない！！それこそが怨みを生み出す力なのさ！！」

男「さて、復讐の時間だよ」

つ ピストル

のび太「……」ｶﾁｬ

ジャイアン「……嘘だろ……のび太……俺たち心の友だろ！？」

のび太「許さない……」ｽﾞｷｭﾝ

ﾊﾞｼｯ

ジャイアン「のび太……」

男「さぁ！！積年の恨み辛みすべてをぶちまけろ！！ここで奴を倒して平穏な未来をてにいれるんだ！！」


のび太「……」ﾋﾟﾀｯ

男「おい……どうした！？なぜ動かない！！」

ドラえもん「のび太くん……」

男「ええい！！ならこれでどうだ！！」憎悪剤

ﾄﾞｸﾝ……ﾄﾞｸﾝ


のび太「あぁぁぁぁぁアアアアアアアアアア」


男「くくく……素晴らしい！！この時代に来て研究を続けたが……それは無駄ではなかった！！さぁ行け！！」

のび太「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ドラえもん「タンマウォ」

男「させるかぁ！！」四次元チャフ！！

ドラえもん「あぁ……！！」

男「これでアンタの四次元ポケットはガラクタしか残ってないただの袋さ」

ドラえもん「えーって あれでもないこれでもない」ﾎﾟｲﾎﾟｲ

男「無駄無駄無駄ぁ！！」

ﾎﾟｲﾎﾟｲ ﾎﾟｲﾎﾟｲ

ｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛｺﾞﾛ…… ｽﾀｯ

のび太「……？」ダルマ

ーーーーー

ｵﾊﾞｧﾁｬｰﾝ……ｵﾊﾞｧﾁｬｰﾝ……


ﾎﾞｸｵｵｷｸﾅｯﾀﾗ、ﾀﾞﾙﾏｻﾝﾆﾅﾙ、ｺﾛﾝﾃﾞﾓｺﾛﾝﾃﾞﾓﾋﾄﾘﾃﾞｵｷｱｶﾞﾙ、ﾀﾞｶﾗ ｼﾝﾊﾟｲｼﾅｲﾃﾞ

ーーーーー

のび太「うぐぐぐ……」


男「な、なんだ！？」

ーーー

「僕、のび太です！！信じて貰えないかもしれないけど……小学生5年生の、野比のび太です！！」

「おばぁちゃん……ずっと……ずっと会いたかった……あの時の事謝れなくて……僕……ずっと」

ーーーーーー

のび太「おばぁちゃん……」

ドラえもん「のび太くん！？」


男「ば、バカな！？憎悪剤を使ったはずなのに……なぜ自我が……」


ジャイアン「うぉぉぉぉぉぉ！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ｶﾞｼｯ

ジャイアン「のび太すまなかった！！悪かった！！頼む！！」

のび太「ジャイアン……？」

ジャイアン「のび太！！」

男「チッ！！」憎悪剤EX ﾄﾞｽｯ

のび太「！？」

ジャイアン「の、のび太！？」

のび太「うがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ﾊﾞｷｨ

ジャイアン「ぐっ……」ｽﾞｻﾞｻﾞ

のび太「ハァ……ハァ……」

ジャイアン「へへ……効かねぇなぁ……」

のび太「！？」

ジャイアン「今のお前より……あの時のお前のほうが……何倍も……何倍百倍も……強かったぜ」

ーーーーー

「ぐすっ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ


「これで……懲りたかよ……いい加減にしろよお前……」ハァ……ハァ


「何度やってもおんなじだ！！諦めろ！！！」


「じゃぁな……」


「っつ！？」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

ｶﾞｼｯ

「のび太！？て、てめぇ！！」

「僕だけの力で君に勝たないと！！」

「ドラえもんが！！」

「安心して！！」

「未来の国に帰れないんだ！！！」

ーーーーーー

のび太「ジャイアン……」ﾂｰ

男「バカな！？こんなことはいいままで一度も！！」

ジャイアン「俺とのび太は心の友だからだよ！！」


男「ありえない……そそんなバカな！！」


ジャイアン「これで心のおきなくギッタキタにできるな」


男「ま、まて……！！話せばわかる！！待ってくれ！！」


ジャイアン「あいにく俺様は話し合いで決着つけるような奴じゃねーんだよ！！」 ﾊﾞｷ ﾊﾞｷ ﾎﾞｺﾎﾞｺ


ーーーーー

数分後


タイムテレビ

ドラミ「わかったわ、あとはタイムパトロールに任せてね」


ドラえもん「じゃぁ、あとは頼んだよ」



のび太「ジャイアン……ドラえもん……僕……」

ジャイアン「俺も悪かったよ……」

のび太「ジャイアン」

ジャイアン「だけど俺のものは俺のものはお前の物も俺のものだ」

のび太「えーっ！？」

ジャイアン「辛いことも楽しいこともな！！」


ドラえもん「さてと……あとは、もしもボックスで修正してっと」


「もしも、怨み屋が なくなったら」


ーーーーー

翌日


のび太「ドラえも～ん！！」

ドラえもん「また、ジャイアンにいじめられたの？」

のび太「違うよ！！ドラえもんも一緒に野球やろうって誘われたの！！一緒にいこうよ！！」

ドラえもん「それなら一緒にいこうか！」

のび太「うん！！」


end