1: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 18:47:58.09 ID:C1B9hSHD.net
今回の主役は井之頭五郎(松重豊ver)なので、正確に言えば
続編ではありませんが、前作のストーリーとリンクしております。
なお、「夢で夜空を照らしたい」ネット配信直後のお話です。

【前作】千歌「『さわやか』を食べに行こう!」 


――静岡県沼津市内浦


五郎(沼津には出張で何度か足を運んだことはあるが)

五郎(ここまで南下するのは初めてだ)

五郎(今日はこの小さな港町にある老舗旅館から依頼を受けたので、バスに揺られている最中である)


アナウンス「ピンポーン。次は、マリンパーク。マリンパークでございます」


五郎(おっ?あの小島、ロープウェイがあるのか)

五郎(陸と島を結ぶロープウェイというのは初めて見た気がする)

五郎(まだ時間はあるし、ちょっとここで降りてみるか)

3: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 18:52:41.29 ID:C1B9hSHD.net
――あわしまマリンパークバス停


五郎(降りてみたのはいいものの、既に廃止になっているみたいだ……)

五郎(がーんだな)

五郎(よく見たら水族館やホテルがあるのか……ということは、船で移動するのかな?)

五郎(磯料理『離宮』……磯料理、いい響きじゃないか。サザエに、エビ……)

五郎(いや、駿河湾といえば桜海老と生しらすかな。紅と白、まさに海の紅白歌合戦)ジュルリ

五郎(……しかし、さすがに島に寄る時間はないな)

五郎(次のバスは……ありゃ、1時間後か)

五郎(仕方ない。そう遠くないし、歩いて行くか)

5: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 18:56:42.08 ID:C1B9hSHD.net
――時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、

つかの間、彼は自分勝手になり自由になる。

誰にも邪魔されず、気を遣わずものを食べるという孤高の行為、

この行為こそが、現代人に平等に与えられた

最高の癒やしといえるのである――


孤独のグルメ×ラブライブ!サンシャイン!!コラボスペシャル
「静岡県沼津市内浦の活あじ丼とのっぽパン」


推奨BGM:『ンマヤ・ンマヤ』

8: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:01:10.91 ID:C1B9hSHD.net
――


五郎(この辺りの海はとても綺麗で、静かで、穏やかで)

五郎(風も心地よく、歩いているだけでも癒やれてしまう)

五郎(カモメたちも風に乗って自由気ままに飛んでいる)

五郎(仕事がなければ、このままカモメみたいに飛び回りたい気分だ)


――いけすや


五郎(沼津内浦漁協直営『いけすや』)

五郎(既にお店は開いているが、食堂は11時からか)

五郎(なになに……“内浦は養殖マアジの漁獲量日本一”)

五郎(“鮮度抜群の『日本一の活あじ』を楽しんでください”……か)

五郎(普通『養殖』と聞くと、『天然』よりも劣っているという先入観があるのだが……)

五郎(この綺麗な海で育てられたマアジは、きっと身が引き締まっているに違いない)

五郎(桜海老や生しらすも捨てがたいが……今日の昼飯はマアジで決まりだな)グッ

10: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:05:12.42 ID:C1B9hSHD.net
――駄菓子屋


五郎(おお、昔懐かしい駄菓子屋か)

五郎(ん?キリンののぼり?『のっぽ』って名前なのか?)


花丸「やっぱりのっぽはクリーム味が一番ずら~♪」ビリッ

ルビィ「花丸ちゃん、これで2本目だよ?お昼ごはん食べられるの?」

花丸「のっぽは別腹ずらよ?ルビィちゃん。そうだ、ルビィちゃんにも半分あげようか?」

ルビィ「ええっ?ルビィはもう食べたからいいよぉ~」


五郎(なるほど、のっぽと言うのは菓子パンのことなのか)

五郎(どことなくナ○スステ○ックにも似ているが……)


ルビィ「ん?……ピギィ!?」ビクッ

花丸「もぐもぐ……ずらっ!?」ビクッ

ルビィ・花丸(お、大きい男の人……!?)


※松重豊氏の身長は188cmあります。

12: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:09:10.38 ID:C1B9hSHD.net
花丸「こ、こんにちは……」

五郎「こんにちは」ペコッ

花丸「ほら、ルビィちゃんもまるにしがみついてないで挨拶しよ?」

ルビィ「う……うゆゆ……」ブルブル

五郎(ただでさえ長躯な上に強面なせいか、赤髪の子を怖がらせてしまったみたいだ……)

花丸「あっ、気にしないでください。この子、極度の人見知りなものでして」

五郎「は、はあ……」

ルビィ「うゅ、こ……こんにちは……」ブルブル

花丸「もう。ルビィちゃんは甘えん坊さんなんだから」ナデナデ


五郎(申し訳ない気持ちでいっぱいのはずなのに……この光景に心が和んでしまう)

13: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:13:09.89 ID:C1B9hSHD.net
花丸「お店にご用ですか?」

五郎「えっと、その菓子パンに興味を持って……」

花丸「そうだったんですね。ちょっとおばちゃん呼びますね」

花丸「おばちゃーん!お客さんずらよー!」


おばちゃん「はいはーい」トテトテ

ネコ「にゃーん」トテトテ


五郎(居間からおばちゃんと一緒にネコまでやってきたぞ)

五郎(こんな光景、昭和を舞台にしたドラマでしか見たことがなかったけど)

五郎(まさか平成の時代で見ることになろうとは……)

15: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:17:13.02 ID:C1B9hSHD.net
おばちゃん「いらっしゃい」

五郎「あの、この『のっぽ』というのが気になりまして」

おばちゃん「ああ、これね。静岡限定の菓子パンなんだよ」

五郎「静岡限定?」

おばちゃん「そうだよ。他の県の人は知らないだろうけど、静岡の人なら誰もが知ってるロングセラー商品なんだよ」

五郎(なるほど。どおりで知らなかったわけだ)


五郎「結構種類があるんですね」

おばちゃん「そうだね、クリーム、チョコ、ピーナッツといった定番ものもあれば……」

花丸「メイプル、はちみつレモン、いちごチョコといった限定ものもあるずら」

花丸「ちなみにまるのオススメは……このクリーム味ずら」ヒョイ

ルビィ「ル、ルビィはいちごチョコかな……甘くて美味しいし」オドオド

五郎「ほぉ……」

17: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:21:27.89 ID:C1B9hSHD.net
五郎(種類が多いと全てコンプリートしてしまいたくなるが……)

五郎(さすがにこれ以上荷物がかさばると、持ち歩くのが大変か)

花丸「もぐもぐ」

五郎(……この小柄な女の子は2本ともクリーム味を食べているのか)

五郎(オススメもしてくれたし……なら間違いないだろう)


五郎「すみません、クリーム2本とチョコ1本ください」

おばちゃん「はい、ありがとうございます」

花丸「とても無難なチョイスだと思うずら……いや!思い、ますよ?」

ルビィ「花丸ちゃん、途中からずっと『ずら』って言ってたよ?」

花丸「えへへ、気を抜くとすぐに言ってしまうずら……あっ」

五郎「ははは」

五郎(『ずら』というのは、この地域の方言なのだろうか?)

19: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:25:12.00 ID:C1B9hSHD.net
おばちゃん「袋に入れるかい?」

五郎「その黄色い袋は?」

花丸「のっぽを買うともらえる限定袋ですよ。キリンのイラストがプリントされていて」

花丸「これ目当てで買うお客さんもいるずら……んです」

五郎(『限定』と聞くと、どうしても欲しくなってしまうのが人の性)

五郎「それじゃあ、お願いします」

おばちゃん「はい、かしこまりました」


おばちゃん「スーツ姿で訪れるお客さんは珍しいけど、どこから来たんだい?」

五郎「ええ、東京からです。仕事の関係でここまで来ました」

おばちゃん「そうだったんだね。ここは海も綺麗で、魚介料理も美味しいから……」

おばちゃん「あっ、あそこにある『いけすや』。あそこのアジ料理も本当に美味しいからオススメだよ!」

おばちゃん「仕事が終わったら、是非食べに行ってみなっ!」

五郎「はい、そのつもりです」


花丸(緑茶ゴクゴク)

ルビィ(リンゴジュースゴクゴク)

20: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:29:11.05 ID:C1B9hSHD.net
――


五郎「それでは失礼します」

おばちゃん「ありがとうございました、また来てね」

花丸「さようなら」

ルビィ「さ、さようなら……」モジモジ

ネコ「にゃーん」

五郎「ふふっ、さようなら」


ルビィ「はぁ……あのおじさん、キリンさんみたいにすごく大きかったね」

花丸「正直、まるも初めて見た時は驚いたずら。2mくらいあった気がするし」

ルビィ「おじさんに悪いことしちゃったな。怖い顔してたから緊張してうまく話せなかったよ……」

花丸「でも、悪い人じゃないのは確かずら。クリーム2本買っていったもん」

ルビィ「そ、そこで判断するんだ……」

花丸「千歌ちゃんと梨子ちゃんの家のほうに向かっていったね」

ルビィ「うん。仕事って言ってたけど、どんな仕事をしている人なんだろう……」

ネコ「にゃーん」

22: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:33:10.36 ID:C1B9hSHD.net
――


五郎(昔ながらの駄菓子屋に、常連客の女友達2人組)

五郎(2人とも幼く見えたが、中学生くらいだろうか?)

五郎(……おっと、少し長居をしすぎたな。行儀が悪いのは分かっているが、歩きながらかじるか)


【のっぽパン(クリーム味)】
長さ約34cmのロールパンにクリームたっぷり
その名前はダテじゃない


五郎(この長さは、まさにキリンの首を彷彿とさせる……)

五郎「いただきます」パクッ


モグモグ

23: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:37:15.35 ID:C1B9hSHD.net
五郎(うん、うん。パンの端からクリームたっぷり。一切の妥協なし)

五郎(おばちゃんがロングセラー商品だと言っていたのも頷けるクオリティ)

五郎(3時のおやつだけでなく、朝食や昼食として食べても美味しい)

五郎(長い間、静岡県民の胃袋をずっと満たしてきたのだろう……)


五郎(あっ、牛乳買うのを忘れた。しくじった)

五郎(そう言えば、あの『ずら』の子。牛乳じゃなくて緑茶を飲んでいたな)

五郎(やっぱり静岡の人はお茶でパンを流し込むのだろうか……ずら?)


※単に花丸が牛乳嫌いなだけです。


五郎(……方言はなかなか難しいずら)

25: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:41:13.47 ID:C1B9hSHD.net
――旅館「十千万」


五郎(はぁ……ようやく着いた)

五郎(ほぉ、日本情緒あふれる佇まい。さすが老舗旅館と呼ばれるだけある)

しいたけ「zzz」

五郎(お、看板犬かな?)

しいたけ「くぅ~ん……」zzz

五郎(ははは、これでは番犬は務まらないな)ナデナデ


志満「あら、いらっしゃいませ。宿泊の方ですか?」

五郎「ああいえ、私井之頭と申しますが、高海様はいらっしゃいますか?」

志満「ああ、井之頭さんですか!高海は私です。このたびは遠いところわざわざすみません」

五郎「いえいえ、とんでもございません。ここは海も綺麗ですし、とても気に入りましたよ」

志満「そう言って頂けて嬉しい限りです。どうぞ中へお入りください」

五郎「失礼します」

26: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:45:12.16 ID:C1B9hSHD.net
志満「……あら、その袋。もしかして、駄菓子屋さんでのっぽパンを買われましたか?」フフフ

五郎「えっ、どうしてそれを?」

志満「うちでもよく買うんですよ。末っ子が今スクールアイドルをやっていて、練習終わった後に友だちと一緒に食べるんです」

五郎「スクール……アイドル?」

志満「今女子高生の間でとても人気なんですよ、ラブライブ。今それを目指して頑張っていて……」

五郎「ラブ……ライブ……」


五郎(そう言えば、前に仕事で東京の和菓子屋に立ち寄った時に……)

28: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:49:12.68 ID:C1B9hSHD.net
――数年前 東京の某和菓子屋


??「このたびは本当にありがとうございました」

五郎「お気に召して頂けたようで幸いです」


ダッダッダッダッ


??「ねぇ、お母さーん!わたしのお財布知らない?」

??「お財布?居間に置いてあったでしょ?」

??「えーと……あったあった!まずい、このままじゃまた遅刻して……ちゃんに怒られちゃうよ~!」

??「怒られたくないなら早く行ってらっしゃい!」

??「うん!行ってきまーす!」


ガラガラガラ…ピシャン


五郎「……娘さん、ですか?」

??「ええ、そそっかしい娘でして。この間から『スクールアイドル』を始めたんですよ」

五郎「スクールアイドル……ですか?」

??「ええ。井之頭さんはご存知ありませんか?『ラブライブ』。今女子高生の間で人気なんですよ」

五郎「ラブライブ……」


――


志満「……がしらさん。井之頭さん?」

五郎「……はっ!はいっ、何でしょうか!?」

志満「ごめんなさい。さすがに井之頭さんはご存知ないですよね?」

五郎「あっ、いえ。名前だけなら存じております」

29: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:53:12.24 ID:C1B9hSHD.net
――


志満「お茶をお持ちしました」

五郎「ありがとうございます。それで、今回は絨毯をお探しだと言うことですが……」

志満「はい、ここのフロアの絨毯なんですが、長年使って色が褪せてしまいましたので」

志満「新しいものに取り替えたいと思っていたのですが、どれがいいのか分からなくて」

志満「そこで、輸入雑貨にお詳しい井之頭さんに直接ご相談したいと思いまして……」


五郎「分かりました。事前に絨毯のリストをご用意しましたので、まずはこちらに目を通してみてください」

五郎「種類も豊富に取り揃えておりますので、この数寄屋造りにも合う絨毯がきっと見つかるはずです」

志満「ありがとうございます」

30: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 19:57:12.21 ID:C1B9hSHD.net
美渡「志満姉!ねえ志満姉……あっ、こんにちは」

五郎「あっ、どうもこんにちは」

志満「どうしたの美渡ちゃん?大きな声出して。お客様がお見えになられてるのよ?」

美渡「千歌どこに行ったか知らない?」

志満「千歌ちゃん?千歌ちゃんなら、梨子ちゃんと一緒に出かけたわよ」

美渡「あのバカチカめ~!私のプリンをつまみ食いしたから、とっちめてやろうと思ったのに!」プンプン

志満「この間美渡ちゃんだって、千歌ちゃんのプリン食べたからおあいこでしょ?」

美渡「それはそれ、これはこれよ!」ムキー!


五郎(ああ、なんだか懐かしいなぁ……)

五郎(俺も大事に取っておいたプリンを姉貴に食べられた時、こんな感じで怒ってたっけ……)


志満「すみません、騒がしくて」

五郎「あっいいえ、お気になさらず」

31: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:01:10.41 ID:C1B9hSHD.net
――


五郎「それでは、納品日が決まりましたら改めてご連絡いたしますので」

志満「本当にありがとうございました」

五郎「それでは失礼します」

しいたけ「くぅ~ん……」zzz

五郎「ふふっ、じゃあね」ナデナデ


五郎(思っていた以上に早く決まって良かった)

五郎(それにしても、あのお姉さんが旅館を切り盛りしていたとは思わなかったな……)

五郎(しかも2番目のお姉さんといい、美人揃いという。性格は正反対だったが)

五郎(末っ子の妹さんがスクールアイドルをやっていると言っていたけど)

五郎(やはり例に漏れず美人なのだろうか?美人三姉妹が営む老舗旅館……)フフッ


五郎(……なんて、柄にもなく若い女性のことを考えてたら、何故だか無性が……)

32: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:05:11.24 ID:C1B9hSHD.net
五郎(腹が……減った……)


効果音A「ポン」

効果音B「ポン!」

効果音C「ポン!!」


五郎(よし……ここはあの店に行ってみるか!)


推奨BGM:『ファンキー五郎』


五郎(近くにバス停は、あったあった……)

五郎(よっしゃ!次のバスまであと3分。タイミング完璧!)

五郎(へぇ、こんなところにも水族館があったのか。あっ……ゆるキャラ)

33: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:09:10.89 ID:C1B9hSHD.net
――いけすや


五郎(やってるやってる)


ガラガラガラ


店員「いらっしゃいませー!」


ワイワイガヤガヤ


五郎(あちゃー、意外に混んでるなぁ。そんなに人気があったのかこの店)

店員「すぐにお席をご用意いたしますので、もう少々お待ちください」

五郎「は、はい」

五郎(並ぶようなら他の店に変えようかとも考えていたが……)


客A「ここの活あじ丼美味しいんだって評判でね!」

客B「アジフライが肉厚でとにかく最高なんだよ!」


五郎(いや、今の俺の腹は『マアジ』を欲しているんだ。それ以外は一切受け付けない!)

34: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:13:11.67 ID:C1B9hSHD.net
――


千歌「いやー、水族館デート楽しかったね、梨子ちゃん!」

梨子「デ、デートだなんてそんな……///」

梨子「けど、曜ちゃんが来れなかったのは残念だったね」

千歌「仕方ないよ。曜ちゃん前からお母さんと出かける約束してたって言っていたし」

千歌「けどまさか、果南ちゃんも今日はお仕事が休みで出かけちゃってたとはなぁ……」

梨子「果南さんだっていつも家のお仕事大変そうだから」

梨子「たまにはゆっくり羽根を伸ばしたいんだと思うよ?」

千歌「そうだよね……」


千歌「あっそうそう、さっきLINEで梨子ちゃんとのツーショット写真を送ったらさ」

千歌「曜ちゃんから『ぐぬぬっ』ってスタンプ送られてきたっ」

梨子「ちょ、ちょっと!なんで少し色っぽく加工されてるの!?」

千歌「その方が曜ちゃん羨ましがるだろうなって思って」エヘヘ

梨子「やれやれ……明日曜ちゃんになんて言われることやら……」ハァ

千歌「まあでも、曜ちゃんの分のお土産も買ったんだから、これで許してもらおうよ」


『イルカのキーホルダー』


千歌「色違いだけど3人お揃いだよっ!」ニコッ

梨子「まったくもう……」クスッ

35: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:17:11.46 ID:C1B9hSHD.net
店員「お待たせしました、こちらの席にどうぞ」

五郎「はい」

五郎(ふぅー、やっと座れる)

五郎「どっこいしょっと」


千歌(うわぁ……大きい……)

千歌「ねえ梨子ちゃん。隣の人すごく大きいね」ヒソヒソ

梨子「あまりジロジロ見たら失礼だよ?」ヒソヒソ


五郎(女の子たちの目には、俺が進撃の巨人にでも見えているのだろうか……?)

五郎(それならば俺は、巨人らしくいけすやのメニューに進撃しようではないか)

36: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:21:12.65 ID:C1B9hSHD.net
メニューペラッ


五郎(会いに行けるお母さん、チームIKS(いけす)……これもスクールアイドルなのだろうか?)

五郎(いや、『お母さん』って書いてある時点でスクールではないか……でも)


店員A「お冷お持ちしましたー!」

店員B「お会計ですね、少々お待ちくださーい!」


五郎(ここで働くお母さんたちは、若いアイドルにも負けない活気を感じる)

五郎(きっとここが、彼女たちにとってのライブステージなんだろう)

五郎(メニューは……噂通りマアジづくしだ)

五郎(お造り、フライ、干物、丼……わさび葉寿司?そういうのもあるのか)

五郎(う~ん、これは悩むなぁ……)


推奨BGM:『ある日の献立』

37: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:25:19.34 ID:C1B9hSHD.net
――


店員「お待たせしました。二食感活あじ丼と活あじフライ定食になります」

千歌「待ってました!梨子ちゃんがアジ丼だよね?」

梨子「うん!うわぁ、このアジのお刺身、身がすごく綺麗!」

千歌「わたしはアジフライ定食。ここのアジフライが大好きなんだ~!」

梨子「揚げたてて湯気が立ってるね。そっちも美味しそう」

千歌「あとで分け合いっこしようよ!」

梨子「うふっ、いいよ」


五郎(あれが活あじ丼とアジフライ定食。見るからに美味そうじゃないか……)

五郎(しかし、あれは『二食感活あじ丼』と言っていたな。何が違うんだろう)


メニューペラッ


五郎(昨日〆て寝かせたのと、すぐに〆たのでは旨味と食感が全然違う……か)

五郎(すごく気になる。是非食べてみたいものだ……)


客C「すみません、二食感活あじ丼ありますか?」

店員C「申し訳ありません。そちらはもう完売になってしまいまして……」


五郎(あれま、早くも撃沈か。仕方がない、それなら)

38: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:29:12.77 ID:C1B9hSHD.net
五郎「すみません」

店員「はーい」

五郎「満腹御膳に……アジフライ1枚追加で、あとわさび葉寿司を2つお願いします」

店員「満腹御膳に、アジフライ1枚、わさび葉寿司2つですね」

五郎「はい」

店員「かしこまりました。少々お待ちください」


五郎(二食感活あじ丼、頼めなかったのは残念だったが)

五郎(これで準備は整った、フッ……あとは静かに待つのみ)


千歌「それじゃあ、食べようか」

梨子「そうだね」

千歌・梨子「いただきます」

39: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:33:11.71 ID:C1B9hSHD.net
――


ワイワイガヤガヤ


千歌「……ねぇ、梨子ちゃん」モグモグ

梨子「ん、なに?」モグモグ

千歌「梨子ちゃんはさ、アジフライには何をかけて食べる?」モグモグ

梨子「わたし?わたしは普段そんなに揚げ物を食べる訳じゃないけど……タルタルソースとか?」

千歌「さすが梨子ちゃん!東京の人は一味違うね!」

梨子「東京関係あるのかな?それ」

千歌「実は梨子ちゃんが内浦に引っ越してくる前にさ、曜ちゃんと果南ちゃんの3人でここで食べたことがあってね」

梨子「曜ちゃんと果南さんと?」

千歌「うん。みんなここのアジフライが好きでね、3人でアジフライ定食を頼んだの」

千歌「わたしはソース派だったんだけど……」

千歌「果南ちゃん、すぐに醤油をかけ始めちゃったから驚いちゃったんだ」

梨子「なるほどね。その後の展開が大体予想ついたわ」

40: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:37:11.19 ID:C1B9hSHD.net
千歌「それでね、『アジフライに醤油をかけるなんておかしいよ!』って言ったら」

千歌「果南ちゃんがさ『アジは魚なんだから醤油で食べたほうが美味しいの!』って言い返してきて……」

梨子「それでケンカになっちゃったと……」

千歌「……そうなりそうだったんだけど、曜ちゃんが間に入ってくれて、なんとか落ち着いたの」

梨子「さすが曜ちゃんね。でもどうやって?」


千歌「答えは簡単だよ。アジフライが2枚あって、調味料が2つある。だから……」

梨子「あ、そうか。『ソースと醤油別々にかける』ようにアドバイスしてくれたのね」

千歌「そうそう!それで初めてアジフライを醤油で食べたんだけど、これが予想以上に美味しくてね~」

千歌「果南ちゃんも、ソースで初めて食べたみたいだけど、こっちもかなり気に入ったみたいでさ」

千歌「今ではその日の気分で変えることにしてるんだー。ちなみに今日は醤油!」

梨子「そ、そうなのね……」


五郎(東西で食文化が違うように、調味料のかけ方にも違いがある)

五郎(その食べ方は絶対にあり得ない、というネガティブなバイアスは)

五郎(『更に美味しく食べられる可能性の妨げ』になっているのかもしれない)

五郎(何事も、一歩前に踏み出す勇気が大事だと言うことか……)


梨子「……でも、その場に曜ちゃんがいて良かったね」

千歌「うん。わたしも果南ちゃんも頑固なところがあるから、曜ちゃんがいなかったらケンカになってたかも」

千歌「今まで別々にかけるって発想に気付けなかったんだもん。本当バカチカだったよー」アハハ

梨子「もう、千歌ちゃんったら」クスクス

41: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:41:10.68 ID:C1B9hSHD.net
五郎(『バカチカ』?『千歌ちゃん』……?)

五郎(あ、そうか。この子があの旅館の三姉妹の末っ子で、スクールアイドルの……)

五郎(まだまだあどけなさが残る顔立ちだが、将来はお姉さんたちみたいに美人になる可能性は大だな)

五郎(と言うことは、隣の彼女もスクールアイドル……)


千歌「あっ、そうだ。アジフライ梨子ちゃんにあげるね!」

千歌「ほら、あーんして?」

梨子「えっ!?いいよ、いいよ!自分で食べるから///」

千歌「えー?照れなくていいのにー」

梨子「照れてない!照れてないからっ!///」


五郎(駄菓子屋で出会った女の子2人組といい)

五郎(この港町に暮らす女の子たちはどうも仲が良すぎる気もするのだが……)

五郎(まぁ……仲が良いことは、いいじゃないかいいじゃないか)

42: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:45:10.63 ID:C1B9hSHD.net
――


店員「おまたせしました。満腹御膳に、わさび葉寿司です」

五郎「おおっ」


【満腹御膳】
アジ丼とアジフライのデュエットソング
ご飯大盛りで心とお腹が満たされること間違いなし!
http://ikesuya.com/menu/337689


五郎(まさにマアジのフルコース。これは確かに満腹になりそうだ)


【活あじ丼】
内浦の海で育った「活あじ」
〆たてプリプリの食感がたまらない
http://ikesuya.com/menu/327401


五郎(……まずは活あじ丼から)

五郎「いただきます」


パクッ モグモグ

44: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:49:16.35 ID:C1B9hSHD.net
五郎(おおっ!予想どおり、いやそれ以上に美味い!)

五郎(養殖ものが、と言うより……)

五郎(マアジがこれほどまでに美味いと感じたのは、生まれて初めてかもしれない)

五郎(とにかく青魚独特のクセがない。『日本一の活あじ』と豪語するだけのことはある)


梨子「それにしてもこのお店、すごい賑わってるのね。席がほとんど埋まってるし」

千歌「そうだよ~。この間みんなと行った『さわやか』みたいに、このいけすやも最近テレビでも紹介されたんだ!」

梨子「ここを選んだのも、前回がお肉だったから、今回はお魚にしようと思ったんでしょ?」

千歌「えへへ、当たり!」


五郎(ああ、だからこんなに混んでいたのね。テレビ効果恐るべし)

五郎(それにしても『さわやか』とは何なのだろうか?アイスクリーム屋さんか?)

45: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:53:11.99 ID:C1B9hSHD.net
――


【活あじフライ】
衣を身にまといサクサク感満点!
ソースと醤油、何もつけなくてもGOOD
http://ikesuya.com/menu/396453


五郎(まずは何もつけずにそのまま食べてみるか)


サクッ モグモグ


五郎(う~ん!外サクサク、中ふわふわ。揚げたての証拠だ)

五郎(元々育ちがいいマアジにサクサクの衣というコスチュームを着飾ったことにより)

五郎(どの魚フライにも引けを取らないスーパーアイドルになっている)

五郎(ここでソースをかけて……)サクッ モグモク

五郎(そしてこっちには醤油をかけて……)サクッ モグモク

五郎(うんうん、1つのアジフライで3つの味が楽しめる。『アジ』だけに)フッ


千歌「あっ……」

梨子「ん、どうしたの?」

千歌「ううん、なんでもないよ」


千歌(あのおじさんも、ソースと醤油別々にかけて食べてる……)

千歌(やっぱりこの食べ方、流行ってるのかな?)

46: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 20:57:12.22 ID:C1B9hSHD.net
――


【活あじのわさび葉寿司】
伊豆名産「葉わさび」で包んだ一品
程よい辛味と香りが大人の味
http://ikesuya.com/menu/327404


五郎(海苔ではなく、葉わさびに包まれているのか)


パクッ モグモグ


五郎(おおっ、こうなるか。葉わさびが程よく辛く、さっぱりとしている)

五郎(アジフライの後に、寿司を食べる。この順番は正解だな)

五郎(そして再び活あじ丼に戻る。まさにマアジの無限ループ)

五郎(やはり内浦の生け簀で育ったマアジたちは、一味も二味も違うな)


五郎(……よし、一気にスパートをかけるか)

47: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:01:12.79 ID:C1B9hSHD.net
五郎(魚といえば、マグロやサーモンなどトップスターがいる中で)

五郎(青魚のマアジはどちらかといえば地味で、普通な存在なのかもしれない……)

五郎(だが、ここでは間違いなくマアジが主人公だ。主役なんだ)

五郎(マアジが、白飯というステージの上でキラキラと輝いているんだ)


五郎(今、俺はそれを食べることで全力で応援している、いわばアイドルオタク)

五郎(だが、オタクは決して恥ずかしくはない。寧ろ好きであることを隠してしまう方が恥ずかしいんだ)

五郎(俺……このマアジ……大好きです!)


梨子「ごちそうさまでした」

千歌「わたしも、ごちそうさまでした。お茶持ってくるね」

梨子「ありがとう、千歌ちゃん」


五郎「はぁー、ごちそうさまでした」

五郎(俺も後でお茶持ってこよう)


推奨BGM:『エレキのツンドラ』

48: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:06:11.00 ID:C1B9hSHD.net
――


お茶ズズズー


千歌・梨子「はぁー……」

千歌「ねえ梨子ちゃん。この間のPVどれくらい再生されたか分かる?」

梨子「確か、この間善子ちゃんが調べた時には、近いうちに1万再生越えそうって言ってたわね」

梨子「ちょっとスマホで見てみようか……あっ、1万再生越えてた!」


千歌「ほんとに!?それって結構すごくない?公開してまだそんなに経ってないのに」

梨子「『全国ランキング』や『人気上昇率』も着実に上がってるわね!」

千歌「これでわたしたちの名前が全国に知られていったら、ラブライブに出場して学校の廃校も阻止出来るかも!?」

梨子「それはまだ分からないけど……でも、知名度が上がればチャンスはくると思うよ。きっと」

千歌「うん!」


五郎「…………」お茶ズズズー

五郎(スクールアイドル……廃校……ラブライブ……)

五郎(そうか、だんだんと思い出してきたぞ。あの時のこと……)

49: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:09:11.55 ID:C1B9hSHD.net
――数年前 東京の某和菓子屋


??「……井之頭さんはご存知ありませんか?『ラブライブ』。今女子高生の間で人気なんですよ」

五郎「ラブライブ……すみません、私そういう類のものにはてんで疎くて」

??「ああっ、ごめんなさい。そうでしたよね」


五郎「しかしすごいですね。娘さん、アイドルデビューされたのですか?」

??「え?ああ、違うんですよ。そういうプロの世界とかではなくて」

??「スクールアイドルっていうのは、高校の女子生徒たちが集まって結成されたアイドルのことで」

??「あの子の通っている学校……私の母校でもあるんですが、近々少子化の影響で廃校になるんです」

五郎「廃校ですか?」

??「はい。ですが娘はそれを阻止しようと、友だちに声をかけてスクールアイドルを始めたみたいなんです」

??「スクールアイドルの祭典『ラブライブ』に出場して、入学希望者を増やすぞ!って張り切っちゃって」クスクス

五郎「そうだったんですね……」

52: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:13:40.85 ID:C1B9hSHD.net
――


五郎(この子たちは、あの時の和菓子屋の娘さんと同じなんだ……)

五郎(しかし、東京よりも圧倒的に人口が少ないであろうこの港町で廃校を阻止するというのは)

五郎(メロスがセリヌンティウスのもとに辿り着くのと同じくらいに苦難の道と言えるだろう……)

五郎(あの和菓子屋の娘さん。もう高校は卒業したと思うが)

五郎(果たしてラブライブに出場して廃校を阻止することが出来たのだろうか……)


千歌「そろそろ出よっか」ガタッ

梨子「うん。この後どうしよっか?」ガタッ

千歌「そうだね。まだ梨子ちゃんが行ったことがない場所を案内してあげるよ」

梨子「それは楽しみね」


店員「ありがとうございましたー!」


五郎(さてと、俺もそろそろ出るとするか……)ガタッ

五郎(……ん?)

五郎(この『イルカのキーホルダー』。あの子の忘れ物だよな)

五郎(店を出てそう時間は経っていない、よしっ)


店員「ありがとうございましたー!」

53: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:17:16.40 ID:C1B9hSHD.net
――小海バス停


千歌「そしたらね、ここからバスに乗って……」

五郎「あ、あのっ」

千歌「え?」

五郎「これ、忘れ物です」

千歌「……ああっ!?本当だ!あれからずっとテーブルに置きっぱなしにしてたんだ!」

梨子「まったく千歌ちゃんったら……すみません、ご迷惑をおかけして」ペコリ

五郎「いえ、間に合って良かったです」

千歌「本当に……ありがとうございました!」ペコリ

五郎「ど、どういたしまして」ペコリ


五郎(ああ、なんていい子たちなんだろう……こんな見ず知らずのおじさんにここまで深々とお礼をするなんて)

五郎(こんな彼女たちに出来ることと言えば……)

五郎「……あのっ」

千歌「はい」

五郎「お二人がスクールアイドルをしていることを、先ほど小耳に挟みまして」

五郎「それで、その……」

54: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:21:14.45 ID:C1B9hSHD.net
五郎「応援したいので、グループ名を教えて頂けますか?」


千歌・梨子「……え?」ポカーン


五郎(いかん……やってしまったか、俺?)

五郎(いい歳こいてナンパみたいなことをしてしまって……)

五郎(これは間違いなくドン引きものではないか?)

55: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:26:53.10 ID:C1B9hSHD.net
千歌「……はいっ!!!」


五郎「えっ」

千歌「梨子ちゃん!」

梨子「うん!」


千歌「わたしたちは!」

梨子「浦の星女学院のスクールアイドル……」



千歌・梨子「Aqours(アクア)ですっ!!」

56: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:29:15.74 ID:C1B9hSHD.net
五郎「Aqours……」

五郎(アクア……ラテン語で『水』という意味だが)

五郎(彼女たちの心は、内浦の海のように澄き通っているように見えた……)

58: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 21:33:18.84 ID:C1B9hSHD.net
――


バス到着


千歌「それでは今後とも、応援よろしくお願いします!」ペコリ

梨子「おっ、お願いします!」ペコリ

五郎「頑張ってください」

千歌「はいっ!」


バス発車


五郎(今日一日で若い女の子たちとこれほどまでに会話をしたのは人生で初めてだと思う)

五郎(年甲斐もなく、少しテンションが上がってしまっていたかもしれない)

五郎(しかし、チームIKSといい、Aqoursといい、この街にも魅力的なアイドルグループがいるんだなぁ)

五郎(テレビに出ているプロのアイドルとは違い、不思議と応援したくなってしまうオーラを感じた)

五郎(プロモーションビデオのURLを教えてもらったから、帰りの新幹線に乗ったらパソコンで観てみるか)


推奨BGM:『五郎の12PM』


五郎(そうだ、仕事も終わったことだし。帰る前に駄菓子屋でのっぽパンを買い溜めしておくか)

五郎(……また来ます。内浦)


おわり
孤独のグルメSeason6制作決定おめでとうございます。

66: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:17:53.63 ID:E5RTUO7Z.net
おまけ
リーダー高海千歌が実際にお店訪問
『ふらっとTAKAMI』


千歌「本編でも出演しましたが、タイトルの語呂が良いという理由だけで再登場しました」

千歌「Aqoursのリーダー高海千歌です」

曜「ヨーソロー!あの後ちゃんと千歌ちゃんからおみやげのキーホルダーを貰いました渡辺曜です!」

果南「やっほー!ようやく出番が回ってきました松浦果南です。てか千歌、わたしのおみやげは?」

千歌「えっ?だって果南ちゃんの家、水族館の目と鼻の先だし、それにこの時はまだAqoursのメンバーじゃ……」

果南「うっ!?だ、だってこの頃はまだ鞠莉たちとも険悪なムードだったし、仕方がなかったんだよ……」グスッ

曜「まあまあ……という訳で、今回はわたしたち3人で『いけすや』に訪れたいと思います」


店員「いらっしゃいませ」


ワイワイガヤガヤ


果南「相変わらず凄い人だよね」

千歌「ちょうどテレビ放送された昨年夏ごろ、テレビでも取り上げられたからね」

曜「本編だと割とすんなり入れたけど、作者は実際のところ40分くらい待たされたらしいよ?」

67: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:21:29.12 ID:E5RTUO7Z.net
店員「ご注文はいかがなさいますか?」

果南「さすがに全員アジフライ定食だと紹介にならないから、3人別のメニューにしようか」

千歌「それじゃあ、わたしは梨子ちゃんが食べてた『二食感活あじ丼』!」

千歌「あと麦ジュース……は呑めないので、オレンジジュースください」

果南「わたしは『乙姫御膳』で」

曜「それじゃあわたしは『干物定食』を」

千歌「曜ちゃん、お刺身が苦手だから、この中だとアジフライか干物くらいしか食べられないんだよね」

曜「うん……」

果南「意外だね、曜ちゃんにも苦手なものがあったんだ」

曜「決して食べられない訳じゃないんだけど、あの生臭さがどうも苦手で……」


千歌「…………ねえ、果南ちゃん。ちょっと」ヒソヒソ

果南「うん?」ヒソヒソ

68: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:28:57.56 ID:E5RTUO7Z.net
店員「おまたせしました」


●『二食感活あじ丼』
http://ikesuya.com/menu/337683

●『乙姫御膳』
http://ikesuya.com/menu/337684

●『干物定食』
http://ikesuya.com/menu/396454

●オレンジジュース


千歌「とりあえず、お先にオレンジジュースを麦ジュースみたいに飲ませて頂きます!」ゴクッゴクッ

果南「おお、一気飲みしたね」

曜「未成年なんでそこはご容赦くださいって感じにね」

千歌「ぷはぁ~!美味い!こんな時間にオレンジジュース飲んじゃって良いんですかね!?」

曜・果南「いいと思うよ」キッパリ


果南「それじゃあ、頂こうか」

千歌「あっ、果南ちゃんちゃっかりアジフライが入ってる定食頼んでる!」

果南「だってお刺身と両方食べたかったんだもん。今日のアジフライはソースで食べよっと」サクッ

曜「この干物も美味しいよ。アジの他にも、サバとサンマの醤油干しも楽しめるし」モグモグ

69: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:33:22.64 ID:E5RTUO7Z.net
千歌「……ねぇ、曜ちゃん」

曜「モグモグ……ん?なに千歌ちゃん」

千歌「お節介かもしれないけど……」

千歌「せっかくだからさ、アジのお刺身……チャレンジしてみない?」

曜「……え?」

千歌「だって、こんなに美味しいんだもん。クセも少ないからさ」

千歌「もしかしたら、曜ちゃんでも食べられるかもしれないよ?」

曜「千歌ちゃん……でも……」


千歌「ほら、あーん……してみて?」

曜「ちょっ!!?///」ドキッ

70: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:36:56.30 ID:E5RTUO7Z.net
果南「おおっ、曜ちゃん!ここは男を見せるところだよ~!?」

曜「待って!?わたし女だよ!?」

果南「ほらほら、早く食べてあげないと、千歌の箸を持つ手が疲れちゃうよ~?」ニヤニヤ

曜「ううう……///」ドキドキ

千歌「曜ちゃん……///」ドキドキ

果南「さあ!さあ!さあ!」

曜(何やっているんだ渡辺曜!せっかく幼なじみがこうして食べさせてくれてるのに……!)

曜(好き嫌いなんて言ってる場合じゃない!男……じゃない、女を見せろっ!渡辺曜!)


曜「あ……あーん」パクッ モグモグ


ゴクッ


千歌「ど……どう?」ドキドキ

71: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:41:19.96 ID:E5RTUO7Z.net
曜「……あれ?お、美味しい。全然生臭さを感じない」


千歌「えへへ。良かったね曜ちゃん!ちゃんと食べられたよ」ニコッ

曜「千歌ちゃん……うん、やったよ!わたし、お刺身食べられた!」

果南「やったじゃん千歌。これで曜ちゃんみたいに刺身が苦手な人でも食べられることがアピール出来たよ」

曜「……え?そのために食べさせたの!?あれは全部演技だったってこと!?」

千歌「えへへ、ごめんね?」テヘペロ

千歌「でも、食べてくれて嬉しかったのは本当だよ?」

果南「こうでもしないと、曜ちゃん食べることはないだろうしね」

曜「そ、そんなぁ~」


果南「でも曜ちゃん。千歌から食べさせてもらったって正直嬉しかったでしょ?」ヒソヒソ

曜「それは……うん///」カアッ

果南「実はね、2人があーんしているところをちゃっかりスマホで撮影してたり……」チラッ

曜「ちょ、待って!!それは誰にも見せちゃダメだからねっ!?///」

曜「あっ……でもその写真、わたしに転送してくれないかな……?///」ヒソヒソ

72: 名無しで叶える物語(家)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:46:25.99 ID:E5RTUO7Z.net
千歌「こんな感じで、鮮度抜群のアジ料理が楽しめる内浦のアジ食堂『いけすや』」

曜「聖地巡礼に訪れた際は是非お越しください!」

果南「営業時間が食堂と市場で異なりますので、詳しくはホームページをご覧ください!」


「内浦漁協直営 いけすや」
http://ikesuya.com/


全員「みなさまのご来店。心よりお待ちしております!」


『ふらっとTAKAMI』
おわり

引用元: 五郎「静岡県沼津市内浦の活あじ丼とのっぽパン」