リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ 前編

203: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:33:06 ID:Kbh
------数分後、渓流・タマミツネの巣------



ライゼクス「おかえりラギア!!遅かったなまた」

ラギア「んーー、返事待ってた……」

ティガ「え!!来たの?返事!!!」

ラギア「…………すぐ来た」

パサッ


『不在ニャ』



ガムート「え?不在?」

ミツネ「ほんとだ、ラギア君が送った矢文も返されてる……」

ライゼクス「肉球のスタンプ付きだな……」

ティガ「最初は返事きて、またすぐ送ったのに今度は不在?」

ラギア「俺に返信した後に、どっか出かけたんだろ」

ガムート「んーーーー巣に帰ったのかな?」

ラギア「そう言えばキリンちゃんの巣って、どこ?」

ガムート「未知の樹海だよ。双子のお兄さんの紫キリンさんと二人暮らしで……シャガル先生とゴマ君の巣も近いって言ってたかな」

ティガ「未知の樹海に送り直してみるか?」

ラギア「いやもういーよ。明日、直接誘ってみるし……」

ライゼクス「んーードキドキが止まんねぇな!」バシバシ

204: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:35:08 ID:Kbh
ラギア「あっ、そう言えばよー」

ラギア「いま帰ってくる途中、全滅してるハンターのパーティー見かけたぜ」

ティガ「ざまぁ!」

ジンオウガ「俺に襲撃してきた奴らかな?」

ラギア「違ったみたいだぜ。すごかったよ、四人パーティー全員死んでんの」

ラギア「頭ない奴もいたし」

ライゼクス「おえー」

ラギア「今朝も、孤島で野良ガーグァの群れの死骸も見かけたし……なんか、変だよな」

ジンオウガ「あー俺も!昨日の朝、古代林で野良リモセトスの大量死骸見た」

ティガ「マジで?」

ラギア「みんな食い掛けでさー」

ライゼクス「俺らも遊びとかメシで狩ったりするけど、全部食べるしちゃんと片付けるもんなー」

ティガ「校則守んねー奴か、野良の大型モンスターがやったんじゃねーの?」

ラギア「……にしても、こんな頻繁に見かけるか?大量死骸なんて!!」

205: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:36:21 ID:Kbh
ガムート「怖いね……今日はディノ君もセルレギオス君も、もの凄いケガだったし……」

ミツネ「…………うーーーーん」

ミツネ「イビルジョーじゃない?」

一同「?!!」

ミツネ「そんなに食い散らかすようなことするのって、イビルジョーくらいじゃないかなぁ」

ティガ「いやいや、あいつは一年前に追放なったろ?」

ライゼクス「そーそー、ラージャンと二人してさー」

ジンオウガ「俺見ちゃったもん。あいつらがクラスメイト食ってるの」

ラギア「げぇーーっ!!キツすぎ!」

ミツネ「追放になっても、誰かが禁足地の扉とついでに檻を開ければ余裕じゃない?」

ガムート「…………」

ティガ「……誰がそんなことするんだよ」

ライゼクス「だってよ……メリットねぇだろ?」

ラギア「当然、禁足地に近付いたり、場所を探ることは校則で禁止されてるし……」

ガムート「そもそも、具体的な場所を知らなきゃ禁足地にはたどり着けないでしょ?」

ティガ「そうだぜ!まず、ハンターや野良の連中は知るはずがねぇ。俺らも、禁足地の場所はしらねぇ。天空山のどっかってだけ!」

ライゼクス「知ってて近付いたとしても、あんな食欲の権化みたいな連中、解放しようって思うか?!」

ジンオウガ「自分の命だって危ないし」

ラギア「更に校則破ったことがバレたらてめーも追放だぜ?」

ガムート「ほんとに……考えられない話だよ……」

206: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:37:35 ID:Kbh
ミツネ「まあそうなんだけど」

ミツネ「裏を返せば、場所を知りさえすれば簡単に解放できる。んで、バレなきゃいいんだもの」

一同「…………」

ミツネ「塔学校って、詰めが甘いんだよ」

ティガ「……えっ、ガバガバじゃん!!」

ライゼクス「塔学校ガバガバ!!ガバガバ学校!!」

ラギア「えーーーでも解放した瞬間に、そいつも食われねぇか?つーか、檻に拘束されて放置されるんだから、ジョーもラーもさすがに腹減って死ぬっしょ」

ミツネ「そこまでは、どうなのかわかんないけど……」

ミツネ「でも仮に、ホントに解放されたんだったら……ヤバくない?」

一同「…………」

208: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:38:58 ID:Kbh
ティガ「……怖っ。……帰ろうぜ?」

ライゼクス「そうだな……自分の巣で安心マッタリしたいな……」

ラギア「ティガ、ガムート送ってけよ」

ガムート「えっ?!!!」

ティガ「え?あーーーー……」

ミツネ「女性一人だしね。危ないよ」

ガムート「!!!!!」

ティガ「おーーそうだな。雪山でポポ食ってけるし……」

ラギア「じゃ、またな~~」ニヤニヤ

ジンオウガ「ミツネ薬ありがと~」

ライゼクス「お邪魔しました~」バサッ

ミツネ「じゃ、ガムちゃんまた明日」パチッ

ガムート「うん……(ミツネっちって、ウィンク上手い……)」

ティガ「ラギア明日は遅刻すんなよ!」

ティガ「じゃ……行くか」

ティガ「お前飛べねぇし……俺も歩くわ」

ガムート「あっ、ご、ごめんね」

ティガ「いや?たまにはいーっしょ」

ガムート「(キャーーーーーーーーーッ!!!)」ドキドキドキドキドキドキドキドキ

209: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:39:55 ID:Kbh
------夜、古代林・ディノバルドの巣------


ディノバルド「…………」



”今日気分ノラねーからお前帰っていいよ”



ディノバルド「………」

ディノバルド「(久々に、ゆっくり休めるな……)」

ディノバルド「(月があんなに丸く……)」

ディノバルド「……父上……もうすぐです」

210: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:41:30 ID:Kbh
------同じく夜、塔学校・職員室------


シャガル「………」

シャガル「…………」

ガラッ

アマツ「…………」フヨフヨ……

シャガル「……アマツ副教頭!」

アマツ「あ……シャガル先生。まだ残っていたのですね」

シャガル「はい……」

アマツ「早くお帰りになったほうがよろしいのでは?お子さんが、お待ちでしょう」

シャガル「いえそれは、問題ありませんが……」

シャガル「……アマツ副教頭。本当に、良いのでしょうか?」

アマツ「……何を?……と聞くのは、野暮ですね」

アマツ「もう、そう決定したのですから、良いのです」

シャガル「しかし生徒たちには、やはりその存在を……伝えたほうが良いのでは?」

アマツ「なりません。絶対に隠し通します」

シャガル「…………」

アマツ「汚点は隠さねば。塔学校の失敗など、絶対にあってはいけないことです」

シャガル「もし……隠しきれなかったら、どう対処するおつもりですか?」

アマツ「…………」

アマツ「その時は、塔学校が終わる時でしょう」

211: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:42:37 ID:Kbh
------同じく夜、旧砂漠・ティガレックスの巣------




ティガ「~~♪~~~♪」

ティガ「……ランランランランババアババア……♪ランランランランクソババア~~♪」ボリボリ

ティガ「……ん~~デカイケツババア……♪クソババア……♪」ムシャムシャ

ティガ「メシだけウマい超絶ババア♪どうしてそんなに♪ムカつくの~~♪」じゅるじゅる

ティガ「……クソバ~バ~~ア~~~♪♪」(ファルセット)
《『ババアのうた』詩・曲/ティガレックス》



大ティガ「……バカじゃない?」

ティガ「!!!!!!」

ティガ「あれ……なに、また帰ってきたの?」

大ティガ「なーに?実家に帰ってきちゃ悪いっての?」

ティガ「いいえ断じてそんなことは」

大ティガ「てか、なにその歌。……まさか母さんの歌じゃないでしょうね……?」

ティガ「いや!!まさか!!(い……言えない!!)」

ティガ「(ガキの頃作った、姉ちゃんのテーマソングだなんて言えない!!!!)」

大ティガ「あ、そ。……あと、寝ながら食べないの!起きな!!」

ティガ「へいへい……」ムクリ

212: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:45:58 ID:Kbh
ティガ「黒兄まだ帰ってこないんだけど」

大ティガ「あー今日はデートじゃない?」

ティガ「は?!!なにあいつ女いんの?!!!」

大ティガ「なによ知らないのー?ベリオロス亜種ちゃん?」

ティガ「!!風ベリオちゃん……?」

ティガ「だーーーちくしょ!クソかわいいじゃん!!クールビューティじゃん!!!前に一回矢文送ったのに無視されたじゃーーーーん!!」ゴロゴロ……

大ティガ「性格も良いよー。私、同じクラスだったし」

ティガ「いやだいやだーー!!黒兄はいつでもブスと付き合ってて欲しいよーー!!!!」じたばた

ティガ「俺が彼女いないときは超絶ブスと付き合ってるか同じくフリーでいてほしいよーー!!」じたばた

ティガ「いつでも俺の下にいてほしいよーー!!」じたばたじたばた

大ティガ「…………」ゲシッ

ティガ「痛い!」

大ティガ「ホンット、バカなんだから!」

ティガ「うっせーー!!怪力ババア!!!!」

大ティガ「…………」ギチチ……(ヘッドロック)

ティガ「ごめんなさい!」

213: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:47:34 ID:Kbh
大ティガ「……はーーっ。ほんっとにね、お願いだからもう少し大人になってちょーだいよ」

ティガ「……へいへい」

大ティガ「明日学校行くからね」

ティガ「え?!!なんで?!授業参観?!!!」

大ティガ「そんなわけないでしょ。先生方に報告にいくのよ」

ティガ「へ?……なんの?」

大ティガ「結婚の」

ティガ「…………」

ティガ「あ、そ」ホジホジ

大ティガ「鼻をほじるな!」ペシッ

ティガ「いてーな!」

ティガ「あのな!!姉ちゃん俺のことバカバカ言うけどな!!頭とか叩きすぎてバカになっちゃったんじゃねーの?!!」

大ティガ「その発想がもうバカ!」

大ティガ「……今日ね、あんたに渡すものがあるのよ」

ティガ「……なに?」

214: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:48:33 ID:Kbh
大ティガ「はい」スッ

ティガ「…………」

ティガ「何これ……矢文?」

大ティガ「うん。むかーーーしの」

ティガ「……」



パサッ

『子供たちよ、利口にしているか。
父たちは極圏に向かう。明日には帰路に着く。
父より』




ティガ「……親父の……」

大ティガ「……うん。最後の矢文」

ティガ「そっか……」

ティガ「…………」

大ティガ「……父さんの形見みたいなものだからさ。あんたにあげる。持ってなさい」

ティガ「わかった」

ティガ「もう、何年経つ?」

大ティガ「……12年かな。父さんも母さんも極圏に行ってて」

ティガ「……そのまま、だよな」

大ティガ「あんた末っ子だからホントに可愛がられてたんだからね」

215: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/25(水)23:49:35 ID:Kbh
ティガ「……親父もお袋も、生きてたらさ」

ティガ「姉ちゃんの結婚……誰よりも喜んだよ」

大ティガ「ティガ…………」

ティガ「おめでとう。……マジで」

大ティガ「……うん。ありがとう」

ティガ「…………」

大ティガ「……あれ?あんた顔、何貼ってるの?」

ティガ「あっ……」

大ティガ「バンソーコー?」

ティガ「…………」



”今日、本当にごめんね……鼻棘まで刺しちゃって”
”いーよ別に……痛くねーし”
”コレ、貼ってね” ペタッ



ティガ「……………べつにー?」ゴロン

大ティガ「アンタ、笑ってる?」

ティガ「…………んーー」にんまり

220: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:34:02 ID:VGx
------翌朝、学校・メインモンス科------


ドスドスドス ガラッ

ラギア「俺is一番乗り!!!!」バンッ

ガムート「…………」

ミツネ「…………」

ラギア「あれ…………お前らもう来てんのか」

ミツネ「僕たちは真面目なんだよ」

ラギア「エライっすね。俺が一番かと思ったのに3位かよ……」

ガムート「珍しいね、なんでこんなに早いの?」

ラギア「俺、昨日寝坊したろ……?おととい寝付けなかったからなんだけど」

ラギア「だから今日は気合い入れて早起きした」

ラギア「メシもめっちゃ食った!!!!」

ミツネ「良かったね」

ガムート「明日は学校休みだしね」

ラギア「そーなんだよ!!……でさーちょっと相談なんだけど」

ガムート「うん?」

ラギア「俺今日さ……キリンちゃんと二人で帰ろうと思うんだけど」

ミツネ「そうだったねー」

ラギア「そんで、明日とか明後日とか学校休みだから、そのーーーー…………」

ガムート「?」

ラギア「で……デデででででデェトに誘おう……かなーーって思うんだよね……」

ミツネ「へぇーーーー思い切ったね」

ガムート「すごい行動力!」

221: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:35:15 ID:VGx
ラギア「まぁ、まだ思いつきなんだけども」

ラギア「でさ。……どこに行こうかなって……。どこがいいかな?」

ガムート「んーーーー……ごめん、私も男の子とデートなんてしたことないから……よくわかんないや」

ラギア「そっかーー俺も、もし上手くいけば初めてのデートだぜ……」

ラギア「ミツネは白ちゃんといつもどこ行ってんの?」

ミツネ「僕?僕は……基本的にはお互いの巣に行くのが多いけど……」

ラギア「いきなり巣はヤバイ!!いきなり巣はヤバイ!!!!」

ミツネ「ちょうど、何か面白いイベントとかやってればいいけどね」

ガムート「ヤマツカミ理事長の弾き語りライブとかは?今年も、そろそろ時期だよね?」

ラギア「いや……いいや……ジジイの歌声に興味ないし……」

ジンオウガ「じゃあラギアが歌ったら?」

ラギア「!!……ビビった……ジンオウガか」

ジンオウガ「おはよーっ」

ガムート&ミツネ「おはよう~」

ラギア「俺が歌う?」

ジンオウガ「うん。ラギアが、キリンさんに歌を聴かせたら?」

ラギア「ええ…………」

223: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:36:56 ID:VGx
ミツネ「ラギア君、歌えるの?」

ガムート「聴いたことない~」

ラギア「……や……上手くはねェけど……そんなに嫌いではないかな……?」

ジンオウガ「じゃあ、いいじゃん」

ラギア「でも伴奏がないとな……」

ジンオウガ「俺のコネで、楽器隊アイルーに頼んでやろうか?」

ガムート「わ!!楽しそう……」

ラギア「お前も歌う?」

ガムート「ええっ!!!!」

ミツネ「へーガムちゃんも歌うなら僕も行きたいなぁ」

ジンオウガ「俺も俺もーー」

ラギア「そーだな……みんなでライブフェスってのはどうだろうか」

ガムート「フェス……」

ミツネ「いいね。あ、でも、ラギア君はいいの?」

ミツネ「キリンさんと二人きりがいいんだよね?」

ラギア「まぁ、なれるならなりてーけど。でも、みんなで盛り上がったほうが楽しくねー?」

ジンオウガ「そーだよそーだよ。後で幾らでも呼び出せるじゃん?」

224: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:37:26 ID:VGx
ガムート「すごい!なんか楽しそうだよ!!」

ジンオウガ「ブラキも呼んでいい?」

ラギア「おー。なんならみんなの友達呼ぼうぜー」


ガラッ


ティガ「血圧良好な俺様さんじょーー」

ラギア「おいティガーー!!お前も歌えよ!!」

ティガ「なに?!歌う!!!!」

ミツネ「(ひそっ)良かったじゃん」

ガムート「(ひそっ)うん……どんな歌、歌うんだろう……」

225: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:37:54 ID:VGx
>>222ありがとうございます!

226: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:39:06 ID:VGx
------昼休み・学校、食堂------


ラギア「えっとー俺とティガとライゼクスとー」

ラギア「ガムートとミツネとジンオウガとーブラキとー」

ラギア「ナルガと蒼レウスとゴマとー」

ラギア「桜ちゃんと白ちゃんとー」

ラギア「あと、キリンちゃん?」

ティガ「俺らのクラスほとんど来るじゃん」もぐもぐ

ジンオウガ「俺の弟とか、ナルガの弟とかも友達引き連れて来るらしいよ」

ライゼクス「つーか逆にうちのクラスだと誰が来ねぇの?」ムシャムシャ

ジンオウガ「一応ディノとクシャルにも声掛けたけどどっちも来れないってー」

一同「ふーん……(あとセルレギオスか……)」

ガムート「まだ、キリンちゃんは誘ってないよね?」

ミツネ「そうだよね。どうするの?彼女が来れなかったら」はぐはぐ

ティガ「うっ……」

ライゼクス「た、確かに……」

ラギア「痛いところ突きやがって……」

ガムート「だって、キリンちゃんのためにやるようなもんでしょ?」

ミツネ「元も子もないよ……」

227: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:40:00 ID:VGx
ラギア「一応、今日一緒に帰って……その時に、誘おうと思うんだけど」

ガムート「一緒に帰るってことも、まだ誘ってないんでしょ?」

ミツネ「そもそも一緒に帰ってくれなかったら、どうするのさ」

ティガ「……お前らラギアをイジメんなよ!!」

ライゼクス「そーだそーだ!ラギアは前向きに生きてるんだぞ!」

ラギア「……一緒に帰ってすらくれなかったら、どうしよう……」

ガムート&ミツネ「うん、ホントにどうするの?」

ラギア「…………」

ティガ「……まあ、キリンが来てくれなくてもフェスはやろうぜ?」

ジンオウガ「みんな誘っちゃったしねーー」

ラギア「うん……そうだな……今回ダメでも、またやればいいしな……」

ライゼクス「そうそう!楽しいぜ、定期開催!」

ティガ「つーかさ、イベントの名前決めねぇ?ただのライブフェスじゃ、つまんないっしょ」

ガムート「そうだねぇーー何がいいかなーー」

ミツネ「古塔祭りとか?」

ティガ「いやいやダサい」

ジンオウガ「うんダサい」

ミツネ「なにさーー」

228: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:41:20 ID:VGx
ライゼクス「主催者のラギアさん的には!!どんなんがいいですか!!」

ラギア「…………そーだなーーーー……」

ラギア「……」

ラギア「……幻獣祭とか?」

ガムート「幻獣……って……」

ジンオウガ「キリンさんの異名じゃない?」

ラギア「そーだよ」

ライゼクス「ヒューーーッ!!キリンちゃん大好きラギア君!!!!」

ティガ「それだったら『轟竜祭』のほうがカッコよくねー?」

ガムート「いいんじゃない?幻獣祭で!」

ティガ「シカトかよ」

229: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:42:17 ID:VGx
ミツネ「うん、確かに幻獣はキリンさんの異名だけど……意味そのままでもおかしくないしね」

ラギア「だろだろ!!」

ジンオウガ「幻獣祭かーーいいね!」


ブラキ「よう、遅くなったわ」

ガムート「ブラキ君!」

ティガ「おつかれーなにやってたの?」

ブラキ「俺今日、日直でさー!日誌書いてた」

ライゼクス「にしては、随分遅くね?」

ブラキ「なんか卒業生が今度結婚するってんで、挨拶に来ててよ」

ブラキ「それでちょっとレウス先生に待たされた」

ミツネ「……えっ?」

ティガ「あーーーそーいや、姉ちゃんが言ってたな、今日学校来るって」

ラギア「なんか俺も冥ちゃんから矢文きてたかもー」

ミツネ「本当に?」

ガムート「(ミツネっち……)」

ミツネ「…………」

230: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:43:06 ID:VGx
ガムート「(ひそひそっ)ミツネっち……行ったら……?」

ミツネ「…………うん」

ミツネ「ごめんなんかお腹痛い!お先!」ガタッ、バタバタ……

ラギア「?」

ティガ「おー大丈夫かー?」

ライゼクス「お大事にしろよー」

パタパタパタ……

ティガ「ミツネが走ってる……」

ライゼクス「あいつ走り方ヘンだよな」

ティガ「海竜種だから?」

ラギア「俺も海竜種なんだけど」

ティガ「あっゴメン」


ガムート「(ミツネっち……頑張って!)」

231: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:44:28 ID:VGx
------数秒後、学校・正門前------


バタバタバタ……

ミツネ「冥ラギアさん!!!!」

冥ラギア&大ティガ「?」くるっ

ミツネ「はーーっ……はーーっ……」

冥ラギア「なんだ!ミツネ君かぁ」

冥ラギア「どうしたの?」

ミツネ「はあっ、はぁ……(この人が、ティガ君のお姉さん……)」

大ティガ「?」ニコッ

ミツネ「…………(冥ラギアさんの、奥さんになる人……)」

冥ラギア「???」ニコニコ

ミツネ「(……でっっか!!めちゃめちゃデカイ!!!)」

大ティガ「えっと……冥の後輩?同じ海竜種みたいだし……」

冥ラギア「ああ、うん。でも、クラスは違ってたよ。彼はメインモンス科なんだよ」

大ティガ「ええっ!じゃあ、うちの下のバカ弟と同じクラス?」

ミツネ「あっ……タマミツネって言います」

大ティガ「ティガレックス希少種です~」

冥ラギア「あとね、白の彼氏くんなんだよ」

大ティガ「やだ、そうなの!確かにお似合いかも~」

ミツネ「あの……お二人とも…………ご結婚、おめでとうございます……」

大ティガ「うふふ、ありがとう」

冥ラギア「結婚式にも、是非来て欲しいな!来月なんだ」

ミツネ「はい…………是非…………」

232: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:45:43 ID:VGx
大ティガ「ふふ………じゃあ冥、そろそろ行きましょうか」

冥ラギア「そうだね。僕はこれからちょっと忙しいから……ミツネ君、次に会うのは式の当日かな」

ミツネ「…………はい……」

冥ラギア「じゃあ……」

ミツネ「…………あのっ!」

冥ラギア&大ティガ「?」

ミツネ「……冥ラギアさん……あの時は、ありがとうございました」

冥ラギア「あの時?」

ミツネ「子供の頃とか……それからも、いろいろお世話になりました」

冥ラギア「ああ……いいんだよ。これからも僕のこと、兄だと思って頼ってよ!」

ミツネ「最初に会ったときから冥ラギアさんは憧れで………」

ミツネ「…………僕、冥ラギアさんが好きです!!!」

大ティガ「……」

冥ラギア「…………」

冥ラギア「うん、僕もミツネ君が好きだよ!」

ミツネ「…………」

冥ラギア「弟みたいに思ってるよ!本当に、僕は君の兄になるかもしれないんだし……これからもほんと、よろしくたのむよ!」スッ

ミツネ「あ……(握手……)」

ギュッ

ミツネ「…………」

233: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:46:34 ID:VGx
大ティガ「私も……ティガと仲良くしてあげてね」ギュッ

ミツネ「…………はい……」

冥ラギア&大ティガ「…………」ニコニコ

ミツネ「…………それじゃっ」ペコッ


くるっ パタパタパタ……



大ティガ「冥ったら、慕われてるのねー」

冥ラギア「そうだね……彼はちょっと特別だよ」

冥ラギア「本当の、弟だ」

大ティガ「うん、そんな感じだね」

冥ラギア「彼になら、大事な白を任せられるんだ……」



ミツネ「…………!」

ミツネ「…………」

ミツネ「(冥ラギアさん………)」

ミツネ「…………」

パタパタ……

234: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:47:59 ID:VGx
------同時刻・古代林、深奥------


セルレギオス「…………」

セルレギオス「…………」パチッ

セルレギオス「ん……」

セルレギオス「(……ここは……?俺……)」

ガチャンッ

セルレギオス「!!!!」

ガチャンッ、ガチャンッ

セルレギオス「(畜生、拘束されてる……)」

セルレギオス「(あの教師ども、ホントに俺を退学に……)」

セルレギオス「……ン…ンーーーー!!ンーーーーーーーッッ」

セルレギオス「(ご丁寧に口輪まで……)」

セルレギオス「(畜生!!!!)」

ガチャガチャッ ガチャンッ

セルレギオス「んーーーー!!んーーーーーー!!」

セルレギオス「(俺死ぬかも……やべぇ……)」

セルレギオス「…………」

セルレギオス「……(つーかここ……どこだ?)」

シン………

セルレギオス「(禁足地……?いや……天空山の一角にしては高度が低そうだ……)」

セルレギオス「うっ……うっ………」

ガチャガチャッ……

セルレギオス「(アマツマガツチ……あのクソアマめ)」

235: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:49:19 ID:VGx
セルレギオス「(無能教師どもが!!!!……雑魚のクセに……!!!!)」

セルレギオス「(俺をどこに追放しやがった!!)」

ガチャンッ……

セルレギオス「(畜生腹が減った……)」

セルレギオス「(誰か助けにこねぇかな……)」

セルレギオス「…………」

セルレギオス「うっ……うう………」ポロポロッ

セルレギオス「(来るわけねぇよな……)」ポロポロ



ズズズッ…………

ズズゥゥゥ……………ボコボコッ


セルレギオス「?!」

セルレギオス「(何の音だ?!)」


ズズズッ………オオオオオオ…………


セルレギオス「…………」ガタガタ……

セルレギオス「(なん……だ……あれ………)」


ズルズルッ…… ズルズルッ…………

セルレギオス「(化け物だ……!!!!)」

236: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:50:43 ID:VGx
セルレギオス「ン……ンーー!!!ンーーンーーンーー!!!」ガチャンッガチャンッ


ズルズルズルッ ズルズルズルズルズルズルッ

バキャッッッッ


セルレギオス「!!」

セルレギオス「(檻を壊した……)」


???「…………」

セルレギオス「(何だよこいつ……)」ガタガタガタ……

セルレギオス「…………!」

セルレギオス「(もしかして………?!)」

???「…………」

するっ

セルレギオス「あ………口輪……」

???「……ホホホ……」

セルレギオス「えっと……ありがとう……」

???「ホホホ……ホホホホ……」

セルレギオス「ははは……あの……ひょっとしたらあんたは……」

???「ホホホ……」

セルレギオス「……えっと……」ビクビク……

???「…………貴様……」

セルレギオス「?」

237: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:53:22 ID:VGx
???「うむ……ホホホ……久しぶり……久しぶり……」

セルレギオス「久しぶり……?」

???「怖いか……怖いか……」

セルレギオス「…………」

???「…………」


……ザジャアアアアアアアアアアアッッッ


セルレギオス「!!」ビリビリ……

セルレギオス「なん……(咆哮……聞いたこともねぇ……)」

???「ふふふ……ホホホホ貴様……」

???「……我の血肉となれ……」ズアッ

セルレギオス「?! えっ、あっ!!」ガシャンッ

セルレギオス「(なんだよこの粘液……)」

セルレギオス「は、離せ…………」

238: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:54:01 ID:VGx
???「………」ガパア………

セルレギオス「やめっ、あ゛っ!!」

セルレギオス「ぎゃぁぁぁああああああ゛あ゛ッッッ!!」バキッ……バキッ

セルレギオス「い゛ッ、痛ああ゛あ゛ッッッああああああッッッ」バリッ……バリッ………

セルレギオス「たっ……」

バクン…………

???「…………」バキッ…

???「……」ゴクン……

???「……ホホ………美味………美味……」



ズルズルズル………

ゴポッ ブクブク……



シン…………

239: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:55:15 ID:VGx
------五限・学校、メインモンス科------



ミツネ「…………」

ガムート「…………」

ミツネ「…………はあぁぁぁぁぁぁーーーっ」

ガムート「ミツネっち……」

ミツネ「……なーーんかさーーー……」

ミツネ「……僕、本当に好きだったよ、あの人のこと……」

ガムート「うん……そうなんだね」

ミツネ「はあーー……カッコいい人だよ、やっぱ」

ガムート「お話できたんだね?」

ミツネ「まあね。隣に婚約者もいたけど……」

ガムート「(ティガのお姉さん……)」

ミツネ「でっかいわ、かなり」

ガムート「そっかぁ……」

ミツネ「でも、いい人だったよ……ティガ君のお姉さん……」

ガムート「…………」チラッ


ティガ「…………zzz」


ミツネ「……好きって、言っちゃった……」

ガムート「えっ!!!」

リオレウス「ガムートおしゃべりしてんなよ~」

ガムート「ご、ごめんなさい」

240: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:56:15 ID:VGx
ガムート「……気持ちは伝えないって、言ってなかった?」

ミツネ「そのつもりだったけど……どうしても、言いたくなっちゃって」

ミツネ「……はぁーーーーーーーーっ」

リオレウス「タマミツネどんよりしてんなよ~」

ミツネ「……ほーい……」

ガムート「それで、何だって……?」

ミツネ「…………」

ミツネ「冥ラギアさんも、僕のことが好きってさ」

ガムート「ええ……?えっ?え?」

ミツネ「……そもそも僕の『好き』をね、恋愛の意味で捉えてなかったよ」

ガムート「ああ……」

ミツネ「弟みたいで、好きだって。いずれ本当の兄弟になるかもしれないし、これからもよろしく……ってさ」

ガムート「そっかあ……でも、良かったんじゃないかなー?」

ミツネ「ま、ね。わりとスッキリしたけどさ」

ミツネ「ふくざつーーーー」

ガムート「……お疲れ様、ミツネっち」

ミツネ「ありがとー。……んでさ、校舎に戻るときに聞こえたんだよね」

ミツネ「冥ラギアさんと、大ティガさんの話してることが」

ガムート「なんて?」

241: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:57:29 ID:VGx
ミツネ「……僕は、本当の弟みたいで特別だ、って」

ミツネ「僕になら、大事な白ラギアさんを任せられるんだ……って」

ガムート「そうなんだ……」

ミツネ「あーあ……荷が重いよー」

ガムート「…………」

ミツネ「白ラギアさんとも……すぐ別れるわけにもいかないし」

ガムート「うん……」

ミツネ「……っつーか……もはや冥ラギアさんに大事にされてる白ラギアさんが羨ましい……」

ガムート「まあ彼女は妹さんだからね……仕方ないよ」

ミツネ「……白ラギアさん、性格悪くないし、顔も可愛いし……友達としては好きなんだけどね」

ミツネ「これからちゃんと恋人として好きになれるように努力するよ……」

ガムート「そっかー」

ガムート「ラギア君……には、ドキドキしないもんねぇ?同じような顔だけど……」

ミツネ「やだよ……あの人すごいバカじゃん……」

ガムート「ミツネっちったら……」

242: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)21:58:27 ID:VGx
ミツネ「顔は確かにほとんど同じだけど、冥ラギアさんのほうが大人っぽくてかっこいいもの」

ミツネ「冥ラギアさんはちょっとすっとぼけてるけどさ」

ミツネ「首席で卒業しているだけあって……頭いいよ、やっぱり」

ガムート「ラギア君もいい人だけどね」

ミツネ「それはわかる……でも僕、バカはいやだ……ラギア君は成績も悪いし……」

ミツネ「ほんとにいい人だけどさ」

ガムート「うん、成績はいつもクラスで下から二番目だよね」

ミツネ「そうだよ……まあ、万年最下位は……」

ガムート「……ティガなんだけどね……」

ミツネ&ガムート「…………」じーっ


ティガ「……zzz……はがっ!…が…zzzz……」


ミツネ「……ライゼクス君は、クラスではそんなに成績悪くないのにね」

ガムート「いつも真ん中くらいだもんね。何気に、学級委員だし」

ミツネ「やっぱこのクラスで一番頭がいいのは、クシャル君か……」

ガムート「時々ゴマ君が抜くときあるけど、基本的にはクシャル君だよね」

ミツネ「さすが古龍っすよホント……」

243: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:00:15 ID:VGx
------放課後、学校・古龍科教室の前------


ラギア「…………」ドキドキッ

ラギア「…………」ドキッ

ラギア「(うおお……早く終われSHR……)」

ラギア「(キリンちゃん……キリンちゃんキリンちゃん……)」

シャガル「…………」ガラッ

ラギア「!!(終わった!!!!)」

ラギア「さっ、さようならー……」

シャガル「……ハイさよーなら」スタスタ…

ラギア「…………」チラッ

ラギア「(キリンちゃん……いたーー!!いたキリンちゃん!!)」

ラギア「(可愛すぎ……)」

ラギア「うへへ……」デレデレ


オオナズチ「あの……何かご用ー?」

ラギア「ハッ!」

ラギア「えと……き、キリンちゃん…いるかなーって」

オオナズチ「あーキリンちゃんねー!呼ぶねっ」

244: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:01:18 ID:VGx
ラギア「サンキュ……」

ラギア「…………」


オオナズチ「……×××?×××××……」

キリン「××?××××?」

オオナズチ「××~~」

キリン「×××………」


キリン「…………」そろっ…

ラギア「あッ、キリンちゃん……」

キリン「うん……ラギアさん」

ラギア「あのっ……きき今日、一緒に帰らないっ?!」

キリン「えっ……」

ラギア「あのっ……一緒に帰らないっ?!」

キリン「…………」

ラギア「(やべ俺ーー!!同じこと2回言っちゃったよ!!アホか!!)」

245: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:02:26 ID:VGx
キリン「えっと……ガムちゃんも、一緒……?」

ラギア「えッ?!(ガムートいないとまだダメ?!)」

ラギア「……アッハハ!ガムート!ガムートね!えーーっとガムートは今日は氷海に帰るとかで……えーと……」ゴニョゴニョ……

キリン「え?」

ラギア「が、ガムートはいません!!ガムートはいないよ!!」

キリン「そうなんだ…………」

ラギア「だっ、ダメ……かな?」

キリン「……私今日、沼地に行くんだけど……それでもいい……?」

ラギア「えっ!わっ!全然!全然へいき!!むしろ行きたい俺!俺沼地行きたい!!!!」

キリン「……ふふっ……」

ラギア「ハハハ……(笑ってる!!!!)」

キリン「カバンとってくるね」パタパタ……

ラギア「うん!!」

ラギア「(うおっひゃひゅっああっあああああ+%#=>^\$―→:ーーーーー!!!)」

ラギア「(やった!やった!一緒に帰れるうううううう)」ニヤニヤニヤニヤ

キリン「おまたせ……行こっか」

ラギア「うん……!」

247: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:03:56 ID:VGx
------数分後、学校・正門前------



ティガ「今日やっぱ泊まっていー?」

ライゼクス「えー今日はカンベン。夜中、桜ちんと星を見に行くんスよね」

ティガ「ハー?!ったくこれだからリア充は……」


ドドドド……
ラギア「ティガ~!ライゼクス~!!!」


ティガ「あっ、ラギアだ」

ライゼクス「マジだ」


ドドドドド……


ラギア「俺ーー!bgっておいうfdw!!でさ!!っhdsくdswちゅおふぇwd~~ッ!!!」

ティガ「わーなにー?」

ライゼクス「なに言ってんのお前……」

ラギア「だから!っhfでっtyxdうぃyfxぺっf~~~!!」

ティガ「早口すぎてなに言ってるかわかんねーよ……」

ライゼクス「なになに?なに興奮してんの」

248: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:04:40 ID:VGx
ラギア「キリンちゃんbっふhdsりゅいおyっr!!!!」

ティガ「キリン……?」チラッ

キリン「…………」

ティガ「あーキリン……」

ラギア「じゃっ!行こキリンちゃん!!!!」ドスドス

ライゼクス「…………」

ティガ「…………」

ライゼクス「なんだってんだ……?キリンちゃんと、一緒に帰れたってこと?」

ティガ「メチャメチャ興奮してたな」

ライゼクス「……ふっ、可愛いなあいつ」

ティガ「良かった良かった。まず一歩踏み出せたなww」

ライゼクス「幻獣祭にも来てくれるといいけどな~」

ティガ「なーそれさ、絶対『轟竜祭』のほうがかっこいいと思うんだけど」

ライゼクス「それにしても……上手くいくといいな」

ティガ「シカトかよ!」

249: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:06:54 ID:VGx
------約1時間後、沼地付近------




ラギア「……でさ~さっきいたアイツ、ティガって言うんだけどめっちゃバカでさ~!」

ラギア「授業中ずっと寝てばっかで、しょっちゅう先生に頭叩かれてんの!」

キリン「うふふ……」

ラギア「そんでこの間は、寝てるのバレないようにってまぶたに目のイラストを……」

キリン「あははっ」

ラギア「授業中いかに上手く居眠りするか!これ課題ね!俺らの!」

キリン「ふふ、そうなんだ」

ラギア「(なんかキリンちゃん楽しそうじゃね?!)」

キリン「ふふふっ……ラギアさん面白い」

ラギア「ま、マジで?!俺面白い?!」

キリン「うん、面白い……」くすくす

ラギア「(ヤッベーー笑顔のキリンちゃんバリかわ!!オニかわ!!)」

キリン「あの……昨日は、矢文ありがとう」

ラギア「ううん!!てかごめん、料金!」

キリン「いいの。いくらでもないしね。嬉しかった」

ラギア「マジすかーーーー!!!!」

キリン「うん」にこっ

ラギア「…………//」ドキドキ

ラギア「あのさ……キリンちゃんって、明日は何してる?」

キリン「特になにも予定ないけど……」

ラギア「(うおおおおお!!)あのさっ……クラスの奴らでライブフェスやるんだけど、良かったら来ない……?」

251: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:08:08 ID:VGx
キリン「ライブフェス?」

ラギア「うん!みんなで歌ったり騒ぐんだ!友達のコネで楽器隊アイルー呼んで……」

ラギア「あとコックアイルーも呼んで、うまいメシとかも出すんだぜ!!」

キリン「へえ……」

ラギア「こ、来ない?別に無理に歌わなくていいからさ!聴くだけでも!!」

キリン「誰がいるの?」

ラギア「俺らのクラスの奴らはほとんど来る!あとはそいつらの彼女とか……」

キリン「……ガムちゃんも、来る?」

ラギア「来る来る!!もちろん!!!!」

キリン「(クシャル君も来るのかな……)」

ラギア「キリンちゃんの友達呼んでもいいし……」

キリン「行こうかな」

ラギア「!!!!!」

ラギア「ほっ、ホント……?ホントに来てくれる……?」

キリン「うん。あ、ナズっちも呼んでいい?」

ラギア「ナズっち……?ああ、オオナズチ?」

キリン「うん」

ラギア「勿論勿論!」

キリン「場所はどこ?あと、時間は……?」

ラギア「えっと!遺跡平原!来れるよね?!時間は、日没直後から!!」

キリン「うん、行ける」

ラギア「や……やったーー!!やったーーーー!!」

キリン「ふふふっ、楽しみにしてる」

ラギア「よしっ、よし!!じゃあ、俺明日に備えてやっぱり早く寝ようかな……もう沼地だしね!また明日ッ!」

252: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:09:04 ID:VGx
キリン「うん、ありがとう。明日ね」ニコッ

ラギア「~~~~~っ//」

キリン「じゃあね」タッタッタッ……

ラギア「うん!」ぶんぶん(手)

ラギア「……………」

ラギア「…………おおお……うおおおお……」

ラギア「うおおおおお俺の時代来たあーーーーっ!!!」

ラギア「ヤベー俺!!俺サイコー!!!!俺オブザイヤー!スーパーハッピー!!スーパーハッピードラゴーーーーーーンッッッ!!!」

ラギア「~♪~~♪~~~~~~♪」バシャバシャ……

ラギア「(あっ、ネコの巣だ)」

ラギア「……ティガとライゼクスに矢文送るか!」

ラギア「コンチワ!!矢文一通!!」

矢文アイルー(サバトラ)「はいラッシャーーイっ」

ラギア「………」カリカリ…

253: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:09:42 ID:VGx
ラギア「コレ!えーっと森丘のライゼクスに!」

ラギア「(そういやティガもライゼクスの巣に行ってるはずだ)」

矢文アイルー(サバトラ)「お代どうするニャー?!」

ラギア「着払いで!!」

矢文アイルー(サバトラ)「はい承知ニャーー!ムラサキーー矢文送るニャーーッ」

矢文アイルー(紫)「承知ーーッ」



シュピーーーン……



ラギア「頼んだよー!!」

矢文アイルー(サバトラ)「あざぁーーーーっすニャーーー!!」

254: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:10:37 ID:VGx
------約五分後、森丘・ライゼクスの巣------


ライゼクス「ラギアのやつ上手くいってるかな?」

ティガ「どーだろな?矢文送りてぇけど……」

ライゼクス「どこいるかわかんねーもんな」

矢文アイルー(灰)「ライゼクス様矢文ニャー!」ピョコピョコ

ライゼクス「うおっタイムリー、誰から?」

矢文アイルー(灰)「沼地のラギアクルス様からニャ!」

ティガ「ヘェー沼地に行ったんだ」

ライゼクス「どれどれ」パサッ

ライゼクス「…………?」

ティガ「うわっ、なんじゃこりゃ」ずいっ

ライゼクス「お………ン……ま……ハ……よ…………?」

ティガ「ま……お……ジ……う……て……?」

ライゼクス「読めねーよなんだこれ」

ティガ「すっげー走り書きwwww」

ライゼクス「マジでなんなんだ?」

矢文アイルー(灰)「ライゼクス様!着払いニャ!」

ライゼクス「は?……ヤロー舐めやがって」チャリン

矢文アイルー(灰)「まいどっ!」

ライゼクス「……『お』れもう絶望して『ン』だ……『ま』っすぐ帰ればこんな『ハ』プニングには会わなかった……さ『よ』うなら」

ライゼクス「とかか?」

ティガ「い『ま』まで『お』れの友だちでいてくれてマ『ジ』ありがと『う』……『て』ぃが様かっこいい」

ティガ「かな?」

ライゼクス「やべーあいつすごいフラれ方したのかな」

ティガ「体が長いし青くてイヤ!トゲもイヤ!バカ!って言われたとかかな」

255: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:11:29 ID:VGx
------夜、天空山・崖の近く------


ディノバルド「…………」

イビルジョー「おいディノぉー、おっせーぞ」バリバリ……ドスドス

ディノバルド「すいません」ダダッ

イビルジョー「……おーい来たぞー」

???「………おーー……ジョーか……ディノも……」ズシ…ズシ

イビルジョー「ったくセルレギオスが追放されやがったからメシの調達がすくねーっつの」バリボリッ

イビルジョー「なァ、ラー?」

???(ラージャン)「……全く……不便だぜ……」

ラージャン「腹が減って腹が減って……!!」

ディノバルド「……とってきますから」スッ

タッタッタッ……

ラージャン「クククッ……」

イビルジョー「……ヒヒヒ……」

ラージャン「ハッハッハッハッハッ!!!」

イビルジョー「ヒーーーッヒッヒッヒッ!!!」




ディノバルド「………」タッタッ……

ディノバルド「(……父上………)」タッタッタッ……

256: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:13:27 ID:VGx
------翌日夕方(日没前)、遺跡平原・川沿い------



ラギア「オーーッス!!みんないるなー!!」

ティガ「あ、ラギア来たじゃん!!」

ライゼクス「おーーよかった!!大丈夫かー??」

ジンオウガ「おっすー!!」

楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」

獄オウガ「おい緑見ろよ!ラギアパイセンだぞ!」

緑ナルガ「うお!でけー!かっけーっ」

ラギア「いやーみんなありがとー」

ライゼクス「つーかお前なんだよ昨日の矢文!!」

ティガ「ちょー意味深だったんだけどwww」

ラギア「え?キリンちゃんが来れるって話?」

ティガ「!!!キリン来れんのーー?!」

ライゼクス「お前ー!!やったじゃん!!」バンバン

ラギア「いやだってそう書いてあったろ?」

ライゼクス「や、読めなかった」

ティガ「部分部分しか読み取れなくてさー」

ライゼクス「遺書かとも思ったわ」

ティガ「ダイイングメッセージとかなー!!ぎゃはは」

ラギア「バッカ言うなよ。俺まだダイしねーっつの」

ラギア「あと200年生きる!!!!」

ティガ&ライゼクス「おォーーーーッ」

257: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:15:14 ID:VGx
ラギア「つーかなんで読めなかったんだ?」

ライゼクス「字が汚すぎて」

ティガ「興奮しすぎて手がバグッたか」

ラギア「『お』まえら驚け!キリ『ン』ちゃん明日来てくれるってー!!う『ま』いこと行ったぜ!『ハ』リきろうぜ!!ち『ょ』ー楽しみ!、『ま』じ気合い入れて『お』れたち楽しもう『ジ』ャン!!ありがと『う』な!『て』んかいちのラギアより」

ラギア「って書いたけど?」

ライゼクス「そんな長文だったとは」

ティガ「なんだよ、『て』ぃが様かっこいい、じゃねーのかよ」

ライゼクス「『て』゛んりゅうライゼクス超イケメン、とかな」

ラギア「アホかお前らなんか1ミリもかっこよくねーよww」

ティガ「てめーww」

ライゼクス「ぎゃーっはっはっ」


ガムート「みんなーっ!!」

ミツネ「おつかれー」

ジンオウガ「あっ二人ともおつかれーーっ」

ティガ&ライゼクス&ラギア「おーーーっ」

258: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:17:18 ID:VGx
ミツネ「うわ、ステージでかい!」

ジンオウガ「アイルー達がみんなやってくれたんだよー」

ガムート「すごいね!ありがとう!」

楽器隊アイルー達「ニャーーーッ」

ミツネ「なんかもう手伝うことないね?」

ガムート「ね!すごいライブっぽい……」

ティガ「いーや、まだできてねェ部分がある!」

ライゼクス「ジャジャーン!!横断幕!!」

ラギア「おおー!」

ジンオウガ「ラギアが書いてよ、『幻獣祭』って!」

ラギア「えっ、いいのか……?」

ティガ「おうよ!元々はお前がキッカケだしな!」

ライゼクス「ラブいキリンちゃんの別名書いちゃってください!」

ガムート「そうだねー!」

ミツネ「でっかく書いてよ」

ラギア「お、おう……」

ジンオウガ「はい、ペンキ!青にしたよ!」

ラギア「……よっしゃ!書くかー」

一同「いえーーい!!」ワクワク

ラギア「…………」ポタッ

ラギア「…………」ペシャッ

ラギア「…………」スリッ

一同「…………」

ラギア「どーだぁ!」

259: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:18:22 ID:VGx
ティガ「下手www字がwww」

ライゼクス「『獣』がグチャグチャじゃんwww」

ラギア「うっせーっ」

ジンオウガ「でもすごい!インパクトがある」

ガムート「うんうん、キリンちゃん喜ぶといいねー!」

ミツネ「みんなそろそろ来るんじゃない?」


桜レイア「クースークースーー!!?」バサッ、バサッ

白ラギア「ミッくんーーーー!!」ザパア

ライゼクス「さっくらちん?」

桜レイア「お花持ってきたー!!」

ミツネ「白ラギアさん。川から来たんだね」

白ラギア「うん海から上って来ちゃったー!」ザパザパ

ラギア「白ちゃん今日はありがとー!」

白ラギア「あーラギア!今日楽しみにしてたよー」



ティガ「あいつマジで白ラギアちゃんと付き合ってんのか……」

ガムート「うん……みんなすごいね」

ティガ「…………」

ガムート「…………//」



ブラキ「うーっす来たぜー」ドッパアッ

ジンオウガ「ブラキー!お前地面から来たのかよっ」

ブラキ「おう、ダリいから掘ってきた」

260: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:19:29 ID:VGx
ナルガ「ここかーアホの集まりは」ドシュンッ

蒼レウス「他のクラスの者もいるでござるな」バサッ、バサッ

ゴマ「…………」バサッ


ティガ「ナルガボケ!!なんで来たんだよ!!!」

ナルガ「あぁ?!ボケはどっちだ女好きめ!!」

ティガ&ナルガ「ぬぬぬぬぅ~~……」ギロリッ

蒼レウス「まあまあご両人、こういう時くらいはやめるでごさるよ~~」


桜レイア「なーにー?!蒼まで来たわけー?!」

蒼レウス「拙者のセリフでござる。なぜ桜がいるでござるか!!!」

ライゼクス「俺のカノジョだから呼んだの~」ずいっ

蒼レウス「なんと!!!!」

桜レイア「ふっふーん」

蒼レウス「ライゼクス氏それは悪趣味でござる……こんなワガママ女などと……!」




ガムート「ふふふ……」

ミツネ「桜レイアさんと蒼レウス君は双子の兄妹なんだよね」ペタペタ

ガムート「あれっミツネっち、白ラギアさんの隣にいなくていいの?」

ミツネ「うん……ちょっと暑苦しくてね」

ジンオウガ「えーどうして?!白ラギアさんは涼しいでしょ?!川から来たんだし」

ミツネ「ジンオウガ君、そういう話じゃないんだよ」

261: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:20:22 ID:VGx
ゴマ「…………」

ティガ「よ、ようゴマ。来てくれたんだな」

ゴマ「……ええ……お誘い頂いて…………感謝いたします……小生などを……」

ティガ「いや、いいんだぜ。来てくれよ、同じクラスなんだし……」

ゴマ「……ええ……嬉しいです……」

ティガ「は、はは……(絡みづらーー!!)」

蒼レウス「ゴマ氏ー、今日は特にウイルスに気をつけるでござるよ!」

ティガ「えっウイルス?!」ズザッ(後ずさり)

蒼レウス「ゴマ氏は超厄介なウイルス持ちでござる。感染すると狂うでござるよ」

ゴマ「…………ええ……そうなんですよ……我を忘れるとどうしても…………ふふふ、黒いウイルスが……」

ティガ「ええー……(ジンオウガなんでコイツ呼んだんだよ!)」

蒼レウス「でも心配ないでござるよーメチャメチャ怒らせなければ!」

ゴマ「………ええ………大丈夫…………」

ティガ「……へー……(怖い…)」

262: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:21:33 ID:VGx
ラギア「…………」きょろきょろ

ラギア「(もう、日が沈むってのに……キリンちゃん、まだかな……)」そわそわ

ラギア「…………」

ラギア「…………」

ラギア「……………!」



キリン「……あっ、ラギアさん……」

オオナズチ「わあっいっぱいいるねー!」



ラギア「キリンちゃあああああああああああん!!!」ズドドド……

ラギア「キリンちゃん!!ほんっとに来てくれたんだね!オオナズチも!!ありがとう本当にありがとう!!」

キリン「うふふ、私たち最後だった?」

オオナズチ「ボクこそ嬉しいな!みんなと仲良くなれるかなー?」

ラギア「なれるさ!さあこっちこっち!」

ラギア「~~♪~~~♪……」ペタペタ……


ガムート「! キリンちゃんだ!」

ミツネ「来てくれたんだね」

ジンオウガ「ラギア大喜びだなー」

263: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:22:30 ID:VGx
ジンオウガ「さて……おっ、もう日没だな」

ダダッ、スタッ

ジンオウガ「さァーーみなさん!本日はありがとーございますっ!司会のジンオウガでーす!!」

パチパチパチパチ……

ジンオウガ「本日協力してくれる楽器隊アイルー達ー!!」

楽器隊アイルー達「ニャーーーッ!よろしくニャーー!!」

ジンオウガ「そして全食事の提供をしてくれるコックアイルー達ーー!!」

コックアイルー達「イエーーイニャー!ウマイメシ作るニャーー!!」

ジンオウガ「そしてーー今回の主催者!!ミスターラギアクルス~~~~!!!!!」

ワーーーーッ……

ラギア「どーもッす!どーもッす!」

ジンオウガ「宵は来たれり!これより第1回幻獣祭!開催しまァーーーーす!!!」

ワーー……ワーー……

キリン「幻獣祭……?」

キリン「(……そういえば、クシャル君いないな……)」



ティガ「トップバッター俺!!歌うぜーー!!」


ガムート「!」

ミツネ「おーすごいね」

ガムート「きゃー……」ドキドキ

264: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:24:39 ID:VGx
ティガ「えー今度、俺の姉ちゃんケッコンしまーーす!!」

パチパチパチパチ……

ティガ「ガキの頃両親が死んで、そっから一人で俺と兄貴を育ててくれた姉ちゃん!」

ティガ「そんな姉ちゃんに捧げます!!」

オーーーッ………

ティガ「……………」スゥーーーッ

ティガ「『クソババアのうた』!!!!ワンッツースリーッ!」

ドッ ハハハ……

ラギア「なんつー恩知らずな奴だ」

ライゼクス「早めに来て楽器隊アイルーとなんかやってると思ったらこれの打ち合わせだったのかよww」

桜レイア「キャハハっ、ティガ君バカ過ぎ!!」

ティガ「クソババアックソババアックソババアーー!!ババアライフ~~~朝が早いーーーーッ!!」



ミツネ「ねえ、あんなティガ君を見ても本当に好きなの?いつもよりバカに見えない?」

ガムート「えっ……うん……歌は酷いと思うけど、かわいいと思っちゃう」

ミツネ「へーー……(もしかしたらガムちゃんは……変なのかもしれない……)」

白ラギア「ミッくんーー魚串持ってきたよ!食べよ」

ミツネ「ああ……ありがとう」はぐはぐ

265: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:26:00 ID:VGx
白ラギア「ハイ、ガムさんも!サラダバーあるから取ってきちゃった!」

ガムート「えっ、ありがとう……私のこと知ってるんだね」

白ラギア「知ってるよ!ミッくんからいつも聞いてまーす」

ミツネ「僕の唯一のお友達だからね」はぐはぐ

ガムート「ラギア君とかも友達でしょ?」しゃくしゃく

ミツネ「ああ……うん……そうなのかな……」

白ラギア「ラギアと友達になってやってよー!勉強教えてあげて!」

ミツネ「僕よりガムちゃんのほうが頭いいよ」

白ラギア「そーなの?!すごい!」

ガムート「ううん、ミツネっちと変わらないよ。僅差ってかんじで」



ティガ「~♪~~♪……エンジョイビッグババアッ!」ジャン!

ワーーーー…… ピーピー……

ティガ「ハァ、ハァ……セーーンキュ、セェーーンキューー」

ラギア「めっちゃメタルな曲だったな」

ライゼクス「ハイハイ次俺行くー!」ドスドス

桜レイア「キャ~クスクス宇宙一カッコイイー!」

ライゼクス「モンスターはみんな知ってるぜ!超名曲『ファッキンハンター』行くぜベイベ!!」

チャッ、チャッ、チャッ、タタン!

~♪~~~~♪~~♪…………

266: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:27:00 ID:VGx
キリン「初っ端から盛り上がってるね」

オオナズチ「そうだねぇ~~メインモンス科、楽しいね」

ラギア「キリンちゃん!」パタパタ……

キリン「ラギアさん……」

ラギア「楽しんでる?」

キリン「うん、みんなすごいね」

オオナズチ「ボクもそのうち歌いたいなぁ~」

ラギア「おー歌ってくれよ!マジなんでもいいからさ」

キリン「あの……幻獣祭、って?」

ラギア「あ……」ドキッ

ラギア「えっと……俺が付けたんだ。きっ、キリンちゃんの別名だけど……」

オオナズチ「なんで~?」

ラギア「えーと……キリンちゃんと、もっと仲良くなりたくて……さ……」

キリン「…………」

ラギア「ひ、引いた……?」

キリン「……ううん、嬉しい!」

ラギア「よ、よかったー!!」

キリン「あの……今日クシャル君は……?」

ラギア「えっ!ああ……誘ったけど、来れねぇって……」

キリン「そっか……」

ラギア「(……キリンちゃん……もしかして……)」

キリン「……食べ物とか、いっぱいあるね!取ってくるねっ」

オオナズチ「ボクも行くぅ~~」パタパタ……

ラギア「うん…………」

ラギア「………………」

267: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:28:14 ID:VGx
------約二時間後、同じく遺跡平原・川沿い------



ワイワイ……ガヤガヤ……ワイワイ……


ブラキ「……へー、蒼レウスってレウス先生とはイトコなんだ?」

蒼レウス「そうでござる~」

ナルガ「俺も最初はさー、親子だと思ってたぜ」

蒼レウス「拙者と桜の父と母は、銀レウスと金レイアでござる」

蒼レウス「レウス先生の父と母は、黒炎王と紫毒姫で」

蒼レウス「銀レウスと黒炎王が、兄弟ということでござるよ~」

ゴマ「……フフフ……」



ガヤガヤ……ワイワイ…………


ジンオウガ「みんなけっこー楽しんでるな」

ティガ「俺ちょっと休憩~歌いすぎた……」

ライゼクス「ババアだのカスだのロクでもねぇやつ歌いすぎな」

桜レイア「キャハハ!ホントホント~」

268: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:29:03 ID:VGx
ナルガ「よっ、ゴマ大王~~!!」

蒼レウス「歴史に残る勇姿でござるよ~~!!」

ブラキ「いけいけー!!」




ガムート「えっ、ゴマ君も歌うの……?」

ミツネ「ビックリだよ僕」

白ラギア「あの人、目がないのにちゃんと歩いてる!!」



ゴマ「…………あの本日………小生……歌います……」



ナルガ「聞こえねぇよー!!」

蒼レウス「大声!!ゴマ氏、大声でござる!!」

オオナズチ「ゴマさんかっこいぃ~!!」



ゴマ「……歌います!!!!小生の本気、しかと見やがれ!!!」

ゴマ「『夕暮れの霊』!!!!」

ジャジャン、ジャジャン……

ゴマ「♪真紅の闇に生まれし堕ちた天使……♪」

269: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:29:56 ID:VGx
ティガ「うおーめっちゃビックリした」ヌッ

ガムート「!!……ティガ、君」

ティガ「あいつも歌うなんて意外だよなー」

ミツネ「……」

ミツネ「(ひそっ)白ラギアさん、あっちで二人になろうか」

白ラギア「え?」

ガムート「ティガ君……ライゼクス君たちは?」

ティガ「あー、ライゼクスは桜とイチャついてるし、ラギアはキリンのとこ行ってるし……」

ティガ「だから、ガムートんとこ来た」

ガムート「えーーーっ(だからってなんで?!どうして?!)」ドキドキドキドキドキドキ……

ティガ「そういやさ、お前、好きな男呼んでねーの?」

ガムート「!!」ドキッ

ガムート「うん……」ドキドキ

ティガ「へーもったいねーな」

ガムート「そうかな……」

ティガ「やー俺はてっきり、お前とラギアが付き合ってるんだと思ってたんだけど」

ガムート「えっ?!なんで???!!」

ティガ「なんかラギアがいきなりお前のことどう思うかとか聞いてきたりしてさ」

ガムート「あーー……(あの話か……)」

ガムート「(てかなんで直球で聞いてるの!!私、さりげなく聞いてって言ったよね?!)」

ティガ「でも、違ったんだなー」

ガムート「全然違う!!」

270: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:30:56 ID:VGx
ティガ「好きな男ってのもラギアだと思ってたけど」

ティガ「それもちげーの?」

ガムート「違う!!断じて、違う!!!!」

ティガ「(すげぇ剣幕……)へーじゃあさ……誰なの?」

ガムート「…………」

ティガ「…………」

ガムート「……言えない……」

ティガ「……ふーん」

ティガ「かっこいー奴なんだろ?なんかあったら相談しろよな」ニヤニヤ

ガムート「……うん……」

ガムート「(言えないよ……言えるわけないし……)」ドキドキ

ガムート「(でも……やっぱりティガってかっこいい……)」ドキドキ

ガムート「(好きだなぁ……)」ドキドキ




ラギア「(ガムートとティガ……上手くいってるな!よしよし)」

キリン「………これ美味しい、なに?」はぐはぐ

ラギア「ああ、モスの腸詰め……だったかな?」

キリン「すごい!初めて食べたけど、美味しいのね」

ラギア「ハマりそーだろ?」

キリン「うん」はぐはぐ

271: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:31:51 ID:VGx
ジンオウガ「おいラギアー!!お前そろそろ歌えよ!!」

蒼レウス「そうでござる~」

獄オウガ「ラギアパイセン~~!!」



ラギア「あっ……」

キリン「ラギアさん、歌うんだね」

ラギア「うん……あの……聴いてて!!一番前で!!」

キリン「一番前で?」

ラギア「うん!オオナズチとか……俺らのクラスの奴らも、前の方にいるからさ」

キリン「わかった」

ラギア「…………//」



ティガ「! うぇーーーいラギアーーー!!!」

ガムート「あっ、ラギア君……」



桜レイア「あの子歌えるのー?」

ライゼクス「やーなんか俺まで緊張する!」

272: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:32:24 ID:VGx
ラギア「…………」

わーわーーーー……ラギアーーー……

ラギア「(キリンちゃん……)」

ラギア「(俺、歌うぜ!!)」

ラギア「待たせたなー歌うぜー!!……『笑顔の君へ』!!」

ピーピー!ワーーワーーーーー……

ラギア「♪~~♪♪~~~太陽の~~光の~~……♪♪」



キリン「……………」

キリン「(ラギアさん……って、いい人だな……)」



ワーーーーーー…………ワーーーーー…………

273: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:33:06 ID:VGx
------約3分後------


ラギア「あざーす!!あざーーーっすみんな大好きーー!!ハァ、ハァ……」

わあああああ………

ティガ「ラギア下手だぞーー!!でもカンドーしたーーっ!!」

ライゼクス「ラギア最高ーーー!!」

ラギア「うっせーありがとーー!!!」

ナルガ「次俺歌うー!!」



キリン「(ラギアさん……)」

ラギア「キリンちゃん!」

キリン「ラギアさん、素敵だったよ」

ラギア「えっマジ?!//」ボッ

キリン「うん」

ラギア「ハァ……けっこー疲れるのな」

キリン「何か飲む?」

ラギア「うん……あのさ」

キリン「?」

ラギア「ちょっと抜けない?」

274: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:34:23 ID:VGx
------数分後、遺跡平原・川の少し上流------



ラギア「…………」ズズズッ

ラギア「あーーうめぇ!オレンジジュース!!!」ぷはー

キリン「ふふっ……」

ラギア「キリンちゃん……今日、楽しい?」

キリン「うん、すごく楽しい」

キリン「お料理も美味しくて……なにより、メインモンス科の人たちって、みんな楽しくていい人ね」

ラギア「古龍科の奴らは、こんな風に騒がねーの?」

キリン「ありえない!みんな頭良くって、真面目だから」

ラギア「ふーーん……」

キリン「いいな……メインモンス科」

ラギア「うん、みんなバカばっかだけど、楽しいよ」

ラギア「まあ、バカじゃない奴もいるけどさ」

キリン「それって……」

ラギア「クシャルとかさ」

キリン「…………」

ラギア「…………」

キリン「………そっか……」

ラギア「………あのさ、キリンちゃん」

キリン「うん」

ラギア「クシャルと……前になんかあった?」

キリン「!!」

キリン「…………どうして?」

ラギア「……うん。一緒に帰るところ見かけたし……」

275: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:35:22 ID:VGx
キリン「…………」

キリン「……付き合ってたの」

ラギア「!!……………」ドクン………

ラギア「そうなんだ」

キリン「うん………嫌いになって別れたわけじゃないんだけどね」

ラギア「…………うん」ドク……ドク……

キリン「あのね、クシャル君は私の命の恩人なの」

ラギア「…………」ドク……ドク……

キリン「私を殺そうとした人から、命がけで助けてくれたの」

ラギア「…………」ドク…ドク…

キリン「でも私、ダメね。パニック起こしちゃって」

キリン「クシャル君に雷落としちゃって」

ラギア「………」

キリン「そこから、もうダメ。私は、生まれもった能力のせいで、好きな人を傷付けちゃったから……」


”ごめんね、もう付き合えない”


キリン「…………」

276: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:36:24 ID:VGx
ラギア「……クシャルのこと、今でも好き?」

キリン「…………わかんない……」

ラギア「そっか…………」

キリン「…………」

ラギア「…………」


フワ……フワ………


キリン「!……なに?光っててキレイ……」

ラギア「わ……(これ……ジンオウガの雷光虫か……?)」

キリン「すごい……こんなにたくさん」

ラギア「…………」チラッ


ジンオウガ「……(シーーッ……)……」こそっ


ラギア「(やっぱそうか……)」

ラギア「……すごいな!やっぱ夜に見ると綺麗だな」

キリン「うん!ロマンチック……」

ラギア「触ると痺れるヤツだけど、まあ俺らには効かないよな」

バチバチッ、バチッ

キリン「ふふっ、くすぐったい」

ラギア「……(キリンちゃん、俺……)」

キリン「数えきれない!1、2、3……」

ラギア「……1000は飛んでるっしょ」

277: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:38:00 ID:VGx
キリン「こんなにいっぱい、見たことない」

キリン「本当に、綺麗……」

ラギア「……あっ、そんなに水辺に近付いたら……」

キリン「えっ?………あ」ズルッ

ラギア「キリンちゃん……!」


バッシャーーーーーン


キリン「…………」

ラギア「…………ふー、危ないよ」プカプカ

キリン「……ごめんなさい私!!はしゃいじゃって……」

ラギア「はは、いいよ。でもズブ濡れだね」プカプカ

キリン「しかも私泳げなくて……」プカプカ

ラギア「……うん。大丈夫、俺が泳げるから」

キリン「ありがとう……ッ?!」ドキッ

ラギア「!!!」ドキッ

キリン「………!」パッ

ラギア「………」パッ

キリン「(びっくりした……顔が近かった……)」

ラギア「(やべっ!めっちゃ近い!でも可愛い……)」

278: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:39:02 ID:VGx
キリン「………」プカプカ

ラギア「…………」プカプカ

ギュッ

キリン「!」

ラギア「……あのさ、キリンちゃん……」ドキッドキッ

キリン「…………」ドキドキ……

ラギア「俺……キリンちゃんのこと、好き……だよ……」ドキドキ

キリン「え…………」ドキッ!

ラギア「俺バカだけど……キリンちゃんのこと、大事にするし、だから俺のこと……好きになってほしいと思ってる」

キリン「………」ドキン、ドキン……

ラギア「キリンちゃん、俺のこと……好きになってよ」ドキッドキッ

キリン「(…………ラギアさん………)」ドキッ、ドキッ

279: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:39:56 ID:VGx
------同時刻・遺跡平原、ラギア達の上空------



ギシコン、バサッ……
ギシコン、バサッ……


クシャル「…………」

ギシコン……ギシコン……




ラギア「××××××……××××………」

キリン「×××………」




ギシコン……

クシャル「………ふーん………」

バサッ、ギシコン……
ギッ、ギ………

バサッ バサッ バサッ………

280: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:46:23 ID:VGx
------翌日早朝、遺跡平原・川沿い------


一同「………zzz……」

ティガ「……ぐおああ………がふっ!……zzz……」

ライゼクス「ん~……zzz……桜ちん………」

桜レイア「クスクス……すー……すー……zzz」

ガムート「……zzz」

ミツネ「うぅ……苦しいよ……zzz……重い……」

白ラギア「ミッくん……zzz…ミッくん……」ギュウウウ…

ラギア「………zzzz………zzz……」すぴーっ

キリン「………」むくり

キリン「…………」

オオナズチ「……zzz……」

キリン「…………」チラッ

ラギア「…………zzz……」

キリン「(帰ろう……かな……)」

キリン「(……ラギアさん………)」

ラギア「………ん?」パチッ

キリン「!………」

ラギア「………あれ、キリンちゃん……」むくっ

ラギア「……あーみんな帰ってねーな……寝てるよ……」

281: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:46:58 ID:VGx
キリン「おはよう……」

ラギア「うん………」

キリン「私、帰ろうかなって……」

ラギア「………あーーーー………」

ラギア「……えっ?!帰るの?!」

キリン「うん、ありがとう、楽しかった」

ラギア「……送るよ?巣まで……」

キリン「ううん、大丈夫」

キリン「ごめんね、後片付けとか……」

ラギア「いやそれはいいんだけど……えっ本当に帰る?」

ラギア「朝メシは?」

キリン「大丈夫。みんなにごめんねって言っておいて」

ラギア「……うん……わかった、気をつけて」

キリン「ありがとう。またね」タッ

タッ、タッ、タッ………

ラギア「…………」

282: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:47:41 ID:VGx
------同時刻、天空山・崖の近く------




ラージャン「……そろそろ時だろうか?」ガツッ、ガツッ

イビルジョー「あーもういけそうだな」バリッ、バリッ

ラージャン「もう飽きてきたぜ、俺は……」

ラージャン「パシリにメシの調達させるのは」ガツ、ガツ

イビルジョー「……じゃあマジで……行く?」

ラージャン「そうだな……」

イビルジョー「ヒヒヒッ……俺らにしては待ってた方だぜ」

イビルジョー「一年も……!」

ラージャン「ククク、違いない……」

イビルジョー「ゆくゆくは、『大先輩』と共に……な……」

ラージャン「クククッ……ククッ……」

イビルジョー「ヒヒヒヒヒッヒッヒッヒッヒッ!!!」

283: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:49:22 ID:VGx
------夕方、孤島・ラギアクルスの巣------



ラギア「ふあ~~~~…………」ムクッ

ラギア「…………やべ……日が沈みかけてる」

ラギア「(キリンちゃんが帰ったあと……俺あのまま、また昼まで寝て……)」

ラギア「(残ってた奴らでメシ食って解散して……帰ってきて……)」

ラギア「(また今まで寝てたんだよな)」

ラギア「あ~~~ダリ~~~~………」

ラギア「(一晩中バカ騒ぎしたもんな……)」

ラギア「ってか……」

ラギア「………あ!!わーーーーっ!!!俺キリンちゃんに告白しちゃったんだァーーーーーっ!!!!」

ラギア「ヤバイヤバイヤバイヤバイ………」ドキドキドキドキ……

ラギア「っっっっあ!!!俺のアホ!!!クソ!!!バカ!!!まだはえーっつの!!はえーーーーーーよーーーーー」

ラギア「俺のバカ!!!」

ラギア「…………………」

284: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:50:14 ID:VGx
ラギア「(キリンちゃん………何て言ってたっけ……)」

ラギア「………なんかあんま思い出したくない!思い出したくない!!昨日の俺のバカ!!!畜生、時間もどれっ!!」

ラギア「あーーあーーーあーーーー……」ドキドキ……

ラギア「(でも朝の態度普通だったし……)」

ラギア「(俺嫌われてない?!嫌われてないよな?!)」

ラギア「……どーしよ……ん?」


ギシコン……バサッ
ギシコン……ギシコン……バサッ

バサッ、バサッ……


クシャル「…………」

ラギア「クシャル……」

ラギア「……(……キリンちゃんのモトカレ!!)」

クシャル「…………」ギシコン、ギシッ

ドスン

クシャル「…………」

285: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:50:58 ID:VGx
ラギア「…………なに、何の用?」

クシャル「…………お前、キリンにチョッカイ出しているのか」

ラギア「……は?」

クシャル「キリンに、チョッカイを出しているのかと聞いた」

ラギア「……チョッカイ?」

クシャル「そうだ」

ラギア「……チョッカイ、ってのは言い方悪くね?」

クシャル「…………」

ラギア「好きだけど?キリンちゃんが」

クシャル「…………そうか」

ラギア「お前、付き合ってたんだろ?」

クシャル「…………」

ラギア「なに?お前も、キリンちゃんがまだ好きなわけ?」

クシャル「そうだ」

ラギア「……へぇーーー……」

ラギア「……えっなに、『俺のキリンちゃんに手を出すな』とか言いにきたわけ?」

クシャル「そんなことは言わない」

ラギア「じゃあなに?」

クシャル「お前に、キリンの心の傷を癒せるのかを聞きに来た」

ラギア「……どうもご丁寧に」

286: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:51:53 ID:VGx
クシャル「キリンが心に傷を負っていることは、当然知っているはずだよな?」

ラギア「……殺されかけたっつーことしか、聞いてねぇけど?」

クシャル「殺されかけた、とは少し違う。食われかけたんだ」

ラギア「!」

クシャル「しかもラージャン、にだ」

ラギア「ラージャン……あの大食いヤローにか」

クシャル「そうだ」

ラギア「お前、命がけで助けたんだろう」

クシャル「そうだ」

ラギア「……で、フラれたわけ」

クシャル「…………」ビュッ

ズガッ

ラギア「………」

ラギア「(ヒィーー俺の顔スレスレに……氷の塊が飛んできた……)」

クシャル「命をもってかばった俺にすら、彼女の心の傷は癒せなかった……」

クシャル「……俺にすらできないことが、お前にできると思うのか?」

287: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:53:05 ID:VGx
ラギア「……ほーー」ブチッ

ラギア「お前結構ムカつくな。俺にはキリンちゃんの傷を癒せないだと……?」

クシャル「なにもおかしいことは言っていない」

クシャル「ラージャンは、きっとまたやってくる」

ラギア「……は………?……とっくに、追放されてるけど?」

クシャル「……追放ごときが、奴の力を制止できるとは思えない」

クシャル「またラージャンがやってきたとき、お前にキリンを守れるのか?」

ラギア「…………言われなくても守りますけど?」

クシャル「………フッ」

ラギア「は?笑った?今」

クシャル「………失礼。言い方を変えようか」

クシャル「曲がりなりにも古龍であるキリンが、お前に助けを求めるのだろうか?」

ラギア「曲がりなりにもって……」

クシャル「俺と並んで、自分が選ばれる自信と価値があると、思っているのか?」

ラギア「…………たかが大型モンスターに過ぎねェ俺が、キリンちゃんとは釣りあわねぇってことか?」

クシャル「…………」

ラギア「だから手を引け、とでも言いてェのか……?」

クシャル「……まぁ……解釈の仕方は、それぞれだ」

ラギア「……てめぇ……陰湿な性格してやがるな」

クシャル「お前こそ、物言いが失礼だ」

ラギア「どっちがだよ!!!!」バチバチッ……

288: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:54:33 ID:VGx
クシャル「何だ、戦う気か?」

ラギア「売られたケンカは買うぜ」

クシャル「……ふ、ケンカなど売っていない」

クシャル「帯電をやめるべきだ。お前とやり合う気は、悪いけどないんでね」

ラギア「逃げる気かクシャルダオラ!!!!」バチッ……

クシャル「……」

ラギア「……俺が負けたら、二度とキリンちゃんには近づかねェよ」

バチバチッ……バチッ……

ラギア「でも俺が勝ったら!!!!二度と口出ししてくるなよ!!クシャルダオラ!!!!」

クシャル「……フッ……いいだろう」ゴオッ

クシャル「諦めの悪い奴だ……負けるのを待ってやる」ゴゴゴゴ………

ラギア「…………」バチッ

クシャル「殺しはしない」

クシャル「ただ俺は……天候をも操る古(いにしえ)の龍だ……」ゴゴゴゴォ………

クシャル「しかも、ちょっと……錆びてるぜ………」

289: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:56:07 ID:VGx
ザァァァァァ……ビュオオオオオオオ…………

ラギア「(暴風雨……!)」

ズゴアァッッ!!!

ラギア「!!!!」ドゴォッ…………

ヒューーーーーーー…………

ズザァーーーーーッ

ラギア「………いてぇ……」

ラギア「(なんだあの竜巻!!俺めっちゃ飛んだ!!めっちゃ飛んだ!!体長30メートルあるのに!!!)」

ギシコン……ギシコン………バサッ

クシャル「『痛い』と口に出せて良かったな」

ラギア「………」プッ(血)

クシャル「だが本当の『痛み』は痛いでは済まない」

ガコォン!

ラギア「!………ッ」シュバッ

クシャル「避けたか……まぐれか……」

ラギア「………オォッ」

グゴオオオオオオオン……… バチバチッ……バチバチッ……

290: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:57:06 ID:VGx
クシャル「三つの雷球か……」

クシャル「忘れるなよ………俺は『龍』だ」ヒュッ

クシャル「お前……その雷属性を、勝算と捉えているようだ……」サッ

ラギア「……(当たらねぇ……)」

クシャル「お前に一発、龍属性を食らわせれば……もはや俺の弱点を突くことすら出来ない!!無力な、『竜』よ」

ラギア「……!………!!」バチッ、ドゴォン!!

クシャル「お前が挑んでいるのは、『天候』そのものだ」

ビュオオオオオッッ

ラギア「うッ!!」ドガッ、ヒューーーーーン……

ガゴオォォン!!!

ラギア「……ぐ………(竜巻が、厄介だ)」

クシャル「負けだと一言言えば、もう攻撃しないが?」ギシコン、ギシコン……

ラギア「くっ……ウオアアアアアアアアァァ!!!!」

ドドドドド……バチバチッ…

クシャル「オオオオオオオオオオオオ!!!!」

バサバサッ、バサッ……ゴゴゴオォオオオオ……



ドゴォン…………

291: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:58:10 ID:VGx
------同時刻・雪山中腹------



キリン「…………」

キリン「(……昨日は、楽しかったな……)」

キリン「(ラギアさんの言葉、本当かな)」


”俺、キリンちゃんのこと好きだよ”



キリン「…………」

キリン「(嫌じゃ、なかった)」

キリン「(でも………)」



”キリン!今助ける!”



キリン「………クシャル君……」

キリン「(ラギアさんは、話しやすくて……楽しくて)」

キリン「(好き………かも………)」

キリン「(でもクシャル君は、器が大きくて……何より、初めて好きになった人)」

キリン「(どうしよう私………誰のことが好きなの……?)」

292: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)22:59:18 ID:VGx
------数十分後、孤島・ラギアクルスの巣付近------



ラギア「…………」

クシャル「ハァ、ハァ……」

ラギア「…………」

クシャル「………クソッ」

クシャル「この俺が……手間取るとは……」

ラギア「…………」

クシャル「体力ばっかり、バカみてぇにありやがって」

クシャル「……殺しちゃいねェよな……?」

ラギア「…………」

クシャル「……フフフッ、血なんて……久々に流したぞ……」

クシャル「ハァ、ハァ……」

ラギア「……………」

クシャル「………?」

クシャル「オイ、ラギア?死んでねェだろ……?」

クシャル「(もし殺してたらマズイぞ……)」

293: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)23:01:38 ID:VGx
クシャル「(決闘したってだけでも、学校にバレたらおしまいだ……)」

クシャル「……おいラギアクルス!」ゲシッ

ラギア「……………!」カッ

クシャル「あ…………?」ズドァッ


ザッパァーーーーーーン


ブクブク……

クシャル「(………!!しまった、海に落とされた……!)」

ラギア「…………」ニヤッ

ゴボゴボ……

クシャル「(クソッ、ハメられた!水中じゃ、分が悪い……!)」

ラギア「……ゴボッ、油断が過ぎるよ、優等生!」

クシャル「……グボッ……てめェ……ゴブッ」

ブクブク……

クシャル「(早く、水から上がらなくては!)」

ラギア「ブクッ、水中で俺から逃げようったって……」ググググッ……

ラギア「させねぇよ……!!」ズドンッ

バチバチバチバチバチッ!!!!

クシャル「ぐはァッ!!!ゴバッ……」

294: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)23:02:36 ID:VGx
ラギア「いいか、よく聞け。お前が天候そのものなら……」バチッ……バチッ……

ラギア「………俺は、大海の王者だ!!!!」

ドッゴオオオオオオオオン……
バチバチバチッ!!!バチッ!!

クシャル「ゴ…………う…………ッ」ビリビリッ……

クシャル「………………」ゴポゴポ………

ラギア「…………」



ザバァッ


ラギア「……ふーーー、やっぱすげェな、古龍は」

クシャル「…………」

ラギア「……死んだふりしてんなよ!」ゲシッ

クシャル「!!グッ……ゲホッ、ゲホッ」

クシャル「………」ゼー、ゼーー……

ラギア「俺にケンカ売る場所を間違えたぜ」

クシャル「………ゲホッ、………?」

ラギア「俺に勝ちたかったら、孤島以外にするべきだ」

ラギア「(決まった…………!)」

クシャル「………フッ」

クシャル「ハッハッハッハッハッハッ!!」

ラギア「な……笑ってんな!!!やっぱムカつくなオマエ!!」

クシャル「……いや、実に楽しい」

ラギア「!」

295: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)23:03:51 ID:VGx
クシャル「こんなにやり合ったのは久しぶりだ……」

ラギア「…………」

クシャル「すまない、見くびっていた。詫びる」

ラギア「……や、俺も実際ちょっと危な……かったかな?」

クシャル「……フハハハハハッ……」

ラギア「……プッ、アッハッハッハッ!!」

クシャル「………俺の負けだ」

ラギア「いや、引き分けだ」

クシャル「!」

ラギア「俺ら二人が勝負したところで、キリンちゃんの気持ちを動かすことはできねぇ。どっちがいいのか、果たしてどっちも嫌なのかはキリンちゃんが決めることだ」

クシャル「………そうか」

ラギア「まーなんつーの?ごめん!俺から決闘挑んどいて!!」

クシャル「………」

ラギア「どっちがキリンちゃんに選ばれても、恨みっこなしだ」

296: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/26(木)23:04:32 ID:VGx
クシャル「………そうしよう。俺は、帰るとする」バサッ

クシャル「脱皮前にお前とやり合えて良かったよ」バサッ、バサッ

ギシコン……ギシコン………

ラギア「…………」

ラギア「チッ!アイツちょっとかっけー!」




バサッ、バサッ……

クシャル「…………」ヒュウウウ……

クシャル「それにしても……」

バサッ バサッ

クシャル「(俺、ちょっと漫画の読み過ぎかな……)」

クシャル「………恥ずかしい」

ギシコン、ギシコン……

305: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:03:46 ID:Old
------翌日、学校・メインモンス科------


ティガ「ぜってーおかしいぜってーおかしい」うろうろ……

リオレウス「ティガレックス、席つけ!」

ティガ「やだ!センセーっ!!」

リオレウス「やだじゃないっ!」グロォォォン

ティガ「ぎゃーー!熱い!!体罰!!」

リオレウス「愛ゆえの行為だ!」

リオレウス「席つけ!」

ティガ「…………」

ライゼクス「なーもう来ないんじゃね?」

ティガ「ぜってーおかしいって。もう四限だぜ?!」

ライゼクス「この間も遅刻してきたしーもうラギアが来ないことなんて気にすることねーって!」

リオレウス「おしゃべりすんな!」



ミツネ「…………」

ガムート「また今日も、遅刻かな?」

ミツネ「ディノ君も今日は遅刻してきたしね。ラギア君も、同じ遅刻魔になるんじゃない?」

ガムート「クシャル君も……来てないし……」

306: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:04:35 ID:Old
ミツネ「実は、白ラギアさんから聞いたんだけどさ」

ミツネ「昨日孤島に、めちゃめちゃ激しい暴風雨が来たらしいよ」

ミツネ「ちょうど、夕方ごろ」

ガムート「孤島が……?」

ガムート「暴風雨って、まさか?!」

ミツネ「クシャル君なら、あり得るよね」

ミツネ「……キリンさんを巡って、ラギア君と決闘したとか?」

ガムート「ええ……!」

ミツネ「まぁ、聡明なクシャル君が、そんな男臭いことするとは思えないけどさ」

ガムート「うーーん……」

ミツネ「おととい騒ぎすぎて、その影響が残ってるだけかもね」

ガムート「でも、クシャル君は幻獣祭に来てないよ……」

ミツネ「……んー、そうだねー……」

ガムート「そういえば、今日はキリンちゃんも来てないんだよ」

ミツネ「そうなの?」

ガムート「うん。今朝雪山で会ったから、学校一緒に行こって言ったんだけど。気分が乗らないから行かない、って」



ディノバルド「…………」

307: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:05:23 ID:Old
ペタペタペタ………


ガラッ


ラギア「遅刻ーーーーーッス」

一同「!」

ティガ「ラギアー!!!」

ライゼクス「どーしたんだよホータイだらけだぞ!」

リオレウス「(まさかイビルジョーに…?!)」

ラギア「ハンターの襲撃に遭ったッスー」

リオレウス「本当か?」

ラギア「ホント!」

リオレウス「…………そうか」ホッ……

ラギア「ジブンでホータイ巻いてたら遅くなりやした」

ティガ「大丈夫かよー……」

ラギア「あ?余裕余裕。逃げてったからな!」

リオレウス「…………気をつけろよ」

リオレウス「……で、絶対に口にしてはいけない禁忌のキノコ、毒テングダケは見た目が……」

ラギア「(こそっ)あとで話す!」

ティガ&ライゼクス「??? おー……」

308: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:06:25 ID:Old
------昼休み、学校・食堂------




ライゼクス「えーークシャルとやり合ったのかよー?!」

ティガ「オマエそれでよくそんな……ホータイ程度で済んだな?!」

ラギア「シーーーッ!!!!でけー声出すな!学校にバレたらセルレギオスの二の舞だ!」

ガムート「ラギア君すごい、強いね……」

ミツネ「(まさか僕の予想が当たるとは……)」

ラギア「まぁ最後にはお互い笑っちまってよーアツイバトルだったぜ」

ライゼクス「てめーちゃっかり熱い青春送ってんなよ!」

ラギア「ぎゃははは」

ラギア「あと、俺キリンちゃんに告ったから」

一同「えっ」

ティガ「は?なにチョー重要事項サラッと言ってんの?」

ラギア「……じゃあどう言えばいいんだよ……」

ライゼクス「……俺、実は……ドコドコドコ………キリンちゃんに…………ドコドコドコ…………」

ライゼクス「とかさ!」

ラギア「ドコドコドコって何だよ」

ライゼクス「太鼓!」

ティガ「だーーっはっはっは、バカじゃん!!!」

ガムート「…………ふ……っ」

ミツネ「ガムちゃん……(もしかしたらガムちゃんは……ティガ君と笑いのツボが同レベルなのかもしれない……)」

ライゼクス「それでどーだったんだよ?!フラれたか?!それともリア充の仲間入り?!」

ティガ「うっっっわラギアがリア充とか!!」

309: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:07:27 ID:Old
ラギア「やー、単に『ありがとう』しか言われなかった」

ライゼクス「え……」

ティガ「それフラれてる!!!フラれてるぜラギア!!!」

ミツネ「わー、やんわり断られてる?」

ガムート「え、そうなのかな……」

ラギア「はーー?!ありがとうって言ってんだぜ、フラれてるわけねーべ」

ティガ「じゃあなんだよ、『お付き合いしましょう』って言われたのか?」

ライゼクス「『私もよ、ラギアさん!』とかさーー」

ラギア「……ありがとう、だけ」

ティガ&ライゼクス&ミツネ「あーー」

ラギア「な、なんだよ?!」

ティガ「俺のヒザで泣け、ラギアよ」

ライゼクス「俺の生肉やるからいっぱい食えよ」

ラギア「優しくすんな!気色わりー!!」

ガムート「でも、すごい勇気だね。告白できたんだ」

ラギア「おう」

ティガ「あーー……まあそれは偉いな」

ライゼクス「そこだけはたたえよう」

ミツネ「頑張ったんだね」

ラギア「告白するつもりはなかったけどな」

310: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:08:20 ID:Old
ティガ「幻獣祭で一回抜けてたよな?そん時告ったわけ?」

ライゼクス「シチュエーション聞かせろよ」

ラギア「なんかジンオウガの奴が気ィ効かせてくれてよ、雷光虫いっぱい飛ばしてくれてさ」

ガムート「へー、きっと綺麗だったろうね」

ミツネ「僕も見たかった」

ラギア「んで、はしゃいじゃったキリンちゃんが川にバシャーンとね」

ラギア「で、俺がとっさに助けてさ~」

ライゼクス「ふつーにカッコよくて笑える」

ティガ「ラギアのクセに!」

ラギア「そいで、なんかプカプカ浮いてたら気が大きくなっちまってー」

ラギア「好きだよ、と」

ライゼクス「……ヒューーーーーーーーーッ!!!!やりましたなラギア君!!!!」

ティガ「キュン!!俺めっちゃ胸キュン!!!!」

ガムート「へぇーーーー……//」

ミツネ「やるじゃない」

ラギア「てへ?」

ティガ「でも、付き合うとか、キリンがおまえをどう思ってるとかは話してないんだろ?」

ラギア「はい」

ライゼクス「あーーーーー……あと一歩ってとこだな」

311: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:09:06 ID:Old
ラギア「いーんだって。これから俺のこと好きになってもらって、そこから付き合えば」

ミツネ「前向きだね」

ラギア「ところでさ」

ラギア「キリンちゃんとクシャルが付き合ってたなんて、俺は知らなかったぜ」

一同「!!」ギクッ

ガムート「……はは……び、びっくりだよ」

ミツネ「…………」

ティガ「……おー、俺もさ!知らなかった!」

ライゼクス「は、ハハハッ、クシャルの奴、ちゃっかりしてるな!」

一同「ははは……」

ラギア「……お前らその反応は……」

一同「…………」

ラギア「まさか知ってて隠してたのか?」

ティガ「めっそーもないッス!」

ライゼクス「ただ俺らはな!お前に衝撃を与えないよーにって……」

ラギア「ったくよーー!!変なとこだけ気ィ効かせやがって!!」

ラギア「俺だけじゃんよー!!ダッセー!」

ティガ「まあ上手く行ったんだしいいじゃねーか」

ラギア「いや行ってねーって言ってなかった?!」

312: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:10:16 ID:Old
------同時刻・学校、裏門------




アマツ「…………幽霊かと思いましたよ」

イビルジョー「…………」ニヤニヤ

アマツ「あなたには、もうとっくに命などないはずだと思っていましたが」

イビルジョー「……詰めが甘いよ、センセー」ニヤニヤ

アマツ「あなたに先生などと呼ばれる筋合いはありませんねぇ」

アマツ「何をしにきました?言いなさい」

イビルジョー「いや、なに……伝言と食事を、ね」ニタァァーーッ


アマツ「………」

アマツ「(早かった……いや……遅かった方かもしれない)」

アマツ「(居場所をずっと探していたのに……探し出す前に、まさか学校に来られるとは……!)」

アマツ「……生徒たちに手出しはさせません」ユラ……

アマツ「問答無用でございます。あなたを命あるまま帰したりはしませんよ」……オォオオオオオオ………

イビルジョー「………」

イビルジョー「センセー、美味しそーッ!!!」ダラダラ

313: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:10:59 ID:Old
アマツ「……はあぁぁぁぁぁーーーーーっ!!!」ズガァァァァン!!

イビルジョー「グフッ……ヒャーーーーーーッヒャッヒャッヒャッ!!!」

アマツ「…………」

リオレウス「……アマツ副教頭!!!!」バサッ

アマツ「レウス先生……」

リオレウス「やはり……!」

アマツ「わたくしの責任です!!彼を止めるのはわたくしです」ズガァッ!ドガァン!!!!

アマツ「レウス先生、今すぐ!!今すぐ全校生徒を巣に返してください!!彼をここで止められているうちに……!」

リオレウス「……はい!」クルッ

リオレウス「…………!」

ディノバルド「…………」

リオレウス「……ディノバルド、お前!!」

ディノバルド「………俺のせいです、先生」

リオレウス「お前、やっぱり……あいつと関係があるんだな?!」

314: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:12:11 ID:Old
------約五分後、学校・食堂------




ティガ「次の体育なにやると思う?」

ミツネ「僕は魚釣りがしたい」

ガムート「今日は、合同じゃないんだよね」

ラギア「それ!キリンちゃんに会えない!」

ミツネ「そもそも今日は学校に来てないよ」

ラギア「エーーーー?!?!!!」

ライゼクス「オメー、キリンちゃんのことばっか考えてんなよ!」




ボォーーーーーーーーー……ボォーーーーーーーー……


生徒たち「?!」

ラギア「何だ……?変わった角笛の音だ」

ミツネ「なんだろう……?」

『非常事態勧告、非常事態勧告です』

ガムート「レウス先生の声だ!」

ライゼクス「非常事態……?」

『当校は、獰猛な捕食生物の襲撃に遭っています』

ザワッ

『全校生徒は速やかに正門より下校してください』

『裏門は閉鎖されます。必ず正門より下校すること』

『また、翼を持っている生徒には、窓からの飛来を許可致しますので、一刻も早くこの場から立ち去ってください。繰り返します、当校は……』

315: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:13:10 ID:Old
ざわざわ……バサッ……

ザワ……………ザワ………バタバタ……


ティガ「……なんだ?」

ガムート「こっ、怖いね……!帰ろうよ」

ライゼクス「おお……何が来たんだ?」

ラギア「まさか……!」


”ラージャンは、きっとまたやってくる”


ミツネ「……マジでイビルジョーじゃない?」

ラギア「それか……ラージャンかも……」

ティガ&ライゼクス&ガムート「?!」

ティガ「おいおい、マジで解放された説?」

ミツネ「言ったでしょ。塔学校は詰めが甘い、って」

ライゼクス「なんだよそれ……」

ミツネ「とにかく。帰ろう」

ティガ「えーぶっ飛ばす必要ないかーー?!」

ミツネ「ない。先生たちは帰れって言ってるんだ、帰ろう」

ライゼクス「じゃあミツネの巣に集合な!」バサッ

ミツネ「なんで!!!?」

ライゼクス「集まりやすいから!!」バサバサッ

ティガ「かー、あいつフツーに飛べっからずりーわ」

ガムート「ティガ…くん、も、窓から飛んだ方がいいよ」

ティガ「えー窓から上手く滑空できっかな」

317: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:13:57 ID:Old
ラギア「じゃ、ミツネの巣に来いよ、ティガも!」

ティガ「ういーっす」シュバッ

ガムート「………」

ザワザワ……バタバタ……

白ラギア「……ミッくん!!」パタパタ

ミツネ「……白ラギアさん」

白ラギア「ミッくん、大丈夫?」

ミツネ「うん。白ラギアさんは?」

白ラギア「大丈夫。怖いね……」

ミツネ「うん」

白ラギア「今日、一人で帰るの怖いよ……ミッくんの巣に行ってもいいかな?」

ミツネ「あーーーー……」

ラギア「来いよ!俺たちも、どのみちミツネの巣に行くんだぜ」

ガムート「うん、みんなで帰ろう!」

ミツネ「……わかった、白ラギアさんもおいで」

白ラギア「!?」

ラギア「よっしゃー急いで帰ろーぜ!俺は捕食生物なんかと戦いたくないぜ!」

一同「同、感!!」

318: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:15:02 ID:Old
------数十分後、学校・裏門------



アマツ「……ぐッ、ーーーーーーーー!!!」

ドッゴオオオオオオオオン!!!


シュー…… シュー…… パラパラ……


イビルジョー「あれ、生きてンの?」

イビルジョー「屋上付近にめり込んじゃって……」

イビルジョー「あんな高いとこ行かれちゃあ食えねぇなあ」

イビルジョー「チッ……さっさと食べるべきだった……」



アマツ「……………」

アマツ「(なぜ……神だと呼ばれたこともある、このわたくしが……)」

アマツ「(あんな……若造にここまで………!!!)」

アマツ「(……………体が動かない……)」



イビルジョー「つーか学校の奴ら全員帰ったか?」

イビルジョー「せっかく……学校にランチしに来たってのに……」

イビルジョー「……まあいいさ」

イビルジョー「おい、ディノバルドーー!!!!」


アマツ「…………」

319: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:16:06 ID:Old
イビルジョー「ディノ!まだ帰ってねェんだろ?!」

ディノバルド「…………」

リオレウス「……ディノバルド……」

イビルジョー「……あの場所で待ってるからな」

イビルジョー「『大先輩』と、三人で」クルッ

アマツ「…………!」


ズシン……ズシン………


リオレウス「待て、お前……」ガッ

ディノバルド「…………」

リオレウス「!……ディノバルド、離してくれ」

リオレウス「今すぐあいつを殺さなくては……!」

ディノバルド「行ってはいけない」

リオレウス「……だが、しかし……!」

ディノバルド「レウス先生。アマツ副教頭が勝てなかったんだ」

リオレウス「…………」

ディノバルド「あいつの胃袋の中を冒険したいわけでもないなら、行ってはいけない」

ディノバルド「それに、あいつは」

ディノバルド「俺が殺すと、決まっているんです」

320: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:17:36 ID:Old
リオレウス「お前、なぜイビルジョーと関わっている?!」

ディノバルド「…………」

ディノバルド「ずっと、俺はあいつを殺すタイミングを伺ってきた」

ディノバルド「さようなら、レウス先生」ドス、ドス、ドス………

リオレウス「ディノバルド!!!」

ディノバルド「…………」

リオレウス「お前なのか?!禁足地を解放したのは…!」

ディノバルド「…………」

321: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:18:48 ID:Old
アマツ「(師よ、あなたは……わたくしに、どうするべきだとお考えになるでしょうか……)」

アマツ「(わたくしは所詮……あなたのようにはなれやしない……)」

シャガル「アマツ先生!!!」バサッ

アマツ「………ウゥ…………」

シャガル「今、下ろしますから……」フワ……


シャガル「全校生徒、帰路につきました」

シャガル「他の先生方も、じきに生徒の見送りから戻ってきます」

アマツ「……そう、ですか………」

アマツ「…………シャガル先生」

シャガル「?」

アマツ「古代林……です……イビルジョーは……」

アマツ「古代林の……恐ろしい……深奥に、向かいました…」

シャガル「…………」

シャガル「もう、『深奥』などと呼ぶのはやめましょう」

アマツ「………っ」ポロッ

アマツ「……わたくしの責任です……まさか、あの『三人』が繋がっていたなんて……」ポロポロ……

アマツ「初めから『竜ノ墓場』と呼び……!生徒たちに、然るべき教育をすべきでした……!!」

322: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:21:59 ID:Old
------同時刻、渓流・タマミツネの巣------



ミツネ「どう考えても、イビルジョーかラージャンだ」

ラギア「(キリンちゃん……)」

ティガ「……もしそうなら、先生達が倒してくれたと思うか……?」

ライゼクス「おー、さすがにそーでしょ!」

白ラギア「アマツ先生だけで十分倒せる相手じゃないかな……」

ガムート「…………」チラッ

ラギア「…………」

ガムート「……ラギア君、キリンちゃんが気になるの……?」

ラギア「………うん」

ラギア「もし本当にラージャンたちがうろついているなら……キリンちゃんが心配だ」

ラギア「アマツ先生が倒してくれるかもしれないけど……それでも、不安だ」

ラギア「矢文を送ろうと思う」

ティガ「……そーだな、送ってみろよ」

323: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:23:27 ID:Old
------数分後、同じく渓流・ネコの巣------


ラギア「……なんで矢文出すだけなのにみんなついてきてんの?」

ティガ「心配だろ!お前一人だと!!!!」

ライゼクス「そーだぜそーだぜ」

ラギア「俺の心配かよ……」

ラギア「雪山でいいかな?」

ガムート「うん、今朝は雪山にいたから、送ってみて」

ラギア「これ、雪山のキリンちゃんに」

矢文アイルー(白)「はいニャ!」

シュピーーーーン……

一同「…………」

シュピーーーーン……

白ラギア「あれ、早っ!もう返事?」

ラギア「……!」パサッ


『不在ニャ』


ガムート「じゃあ、未知の樹海かな」

シュピーーーーン……

『不在ニャ』


一同「?!」

324: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:24:32 ID:Old
ラギア「……沼地!!」

シュピーーーーン……

『不在ニャ』

ラギア「……ッ」

ラギア「旧密林!!」

『不在ニャ』

ラギア「原生林!!」

『不在ニャ』

ラギア「遺跡平原!!」

『不在ニャ』

ラギア「樹海!」

『不在ニャ』

ラギア「氷海!」

『不在ニャ』

ラギア「………どこにもいない……?」

ミツネ「……古代林は?」

ラギア「えっ……」

ミツネ「キリンさんは……古代林に近づかないほうがいいってこと、知らないんじゃない?」

ガムート「あっ!!セルレギオス君の時、休んでた……よね?」

ラギア「…………」

325: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:25:32 ID:Old
ミツネ「セルレギオス君の護送にはシャガル先生もいたんだ。なら当然、シャガル先生も『見た』はず」

ミツネ「シャガル先生もレウス先生のように、クラスの生徒に話したと思う。古代林には……特に深奥には近付くな、って」

ミツネ「でもキリンさんはその時いなかった。だから聞いていないはず」

ティガ「……その日、クシャルもいなかったよな?」

ガムート「ミツネっち、古代林にはなにがあるの……?」

ミツネ「うん、話す。でもラギア君、先に古代林に矢文を送ってみて」

ラギア「……うん」

シュピーーーーン……

一同「…………」

一同「…………」

一同「…………」

ミツネ「……やっぱり。返事は来ないけど、不在でもない」

ミツネ「受け取ったんだ。矢文」

ラギア「……もし、先生やミツネが言うように、古代林に近付いてはいけない要因があるなら」

ラギア「キリンちゃんが、危ない」

くるっ

ドス、ドス、ドス……


白ラギア「あっ、ラギア!一人で行く気?!」

ティガ「てめー、一人で突っ走んなよ!」

一同「俺らも行くっ!!!」

326: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:28:48 ID:Old
------同時刻、塔学校から古代林への道中------



シャガル「…………」バサッ、バサッ、バサッ

リオレウス「…………」バサッ、バサッ、バサッ

リオレウス「………ディノバルドは」

シャガル「…………」

リオレウス「ディノバルドは、間違いなくイビルジョーと関わりがあります」

シャガル「そのようですね」バサッ……

リオレウス「ラージャンとはわからないが……イビルジョーと関わりがあるなら、ラージャンともあると考えて良さそうだ……」

シャガル「…………」

リオレウス「……ディノバルドとセルレギオスの身体にイビルジョーの歯型を見つけたときに」

リオレウス「担任である私が……無理にでもイビルジョーを探し出し、殺しておけたらよかった」

リオレウス「それができれば……このような事態にはならなかったのに……」

シャガル「……教師が、『たられば』の話などするべきではありません」

リオレウス「……すみません」

シャガル「事態は起きてしまった。今回、あの捕食者が学校へやってきたことは」

シャガル「前兆に過ぎませんでしょう」

リオレウス「…………」

シャガル「今、手を打たなくては……塔学校どころか、我々の生きるこの世界は崩壊してしまう」

シャガル「全生態系を破壊することは、『彼ら』にとって、赤子の手をひねるように容易い」

リオレウス「……そうでしょうね」

シャガル「……塔学校はあくまで、捕食者達の追放に失敗したことを隠すつもりでした」

シャガル「『臭いものには蓋』と」

シャガル「……その対処の甘さの責任を……我々教師が命をかけて取らざるを得ない状況になってしまいましたね」

リオレウス「…………」

327: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:31:36 ID:Old
------古代林・深奥(竜ノ墓場)------



イビルジョー「…………この地はなにも、世界の始まりの時から」

イビルジョー「墓場であったわけではない」

イビルジョー「さて、いつから墓場となったでしょう?」

ディノバルド「…………」

ディノバルド「……先輩たちの……大先輩がやってきてから」

イビルジョー「正解!」

ラージャン「こんな地の底の洞窟に……生息し」

ラージャン「世界の全てを食らう存在」

イビルジョー&ラージャン「なんと美しいことか……」

クシャル「ハァ……ゼェ……」ギシッ……ギッ

ディノバルド「もう動けないだろう?クシャルダオラ」

クシャル「…………クソッ」

ラージャン「なぜ、勝てると思った?」

ラージャン「自分が『古龍』だから、というだけでか?」

イビルジョー「驕りだ……。俺たちには、勝てねェよ……」

クシャル「……俺を、食うのか」ギシ……

イビルジョー「ヒャーーーハハハハ!!!」

ラージャン「ハッハッハッ!!!そう、死に急ぐな!!」

ディノバルド「………」

イビルジョー「そうだ……まだ、聞いていなかった」

イビルジョー「お前ここに、何をしに来たんだった?」

328: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:32:25 ID:Old
クシャル「……貴様らには……キリンを食わせはしない」

ラージャン「………」

ディノバルド「…………」

イビルジョー「ああ、キリン……あのウマか」

ラージャン「ああ見えて結構……味がいいんだ」

イビルジョー「ヒャッヒャッヒャッ!!!」

ディノバルド「まんまと、引っかかった」

ディノバルド「『助けてクシャル君!古代林で、何かに追われてるみたいなの!』」

ディノバルド「という矢文……俺が送ったんだぜ」

クシャル「………察してるさ、とっくに」ギシッ

329: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:33:21 ID:Old
ディノバルド「キリンが襲われるより先に先輩をブチ殺しておこう、っていう算段だったんだろうが」

ディノバルド「残念だったな……」

クシャル「……ゲホッ」

ディノバルド「お前は俺のクラスメイトだ。だから別に、食われて欲しいとは思っちゃいない」

ディノバルド「しかし……助けようとも、思わない」

クシャル「……ディノバルド………どうしてこの連中と付き合っているんだ……?」

ディノバルド「それを知って何になる?」

クシャル「……ハハハ……」

イビルジョー「……ああ、もうそろそろだ」

ラージャン「クククッ……来たか?」

イビルジョー&ラージャン「メインディッシュが……!!」

クシャル「?!」

330: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:37:09 ID:Old
------古代林付近------


ミツネ「白ラギアさん……帰ったほうがいいんじゃない?」

白ラギア「どうして?!」

ミツネ「なにが起こるかわからないし……」



ティガ「もうすぐ着きそうだ」ビュオオオオオ……

ライゼクス「……特に不穏な空気は無さそうだぜ」バサッ、バサッ

白ラギア「空の様子はどうーー?!」バタバタバタ……

ティガ「あー問題ナーーーシ」

ラギア「……キリンちゃん……」

ガムート「……ねぇミツネっち。結局古代林には、なにがあるの……?」

ミツネ「ああ……ごめん、話す」

ミツネ「墓場さ」

ガムート「墓場?」

ミツネ「うん。地下へのびる巨大な洞窟があって……そこは、『竜ノ墓場』と呼ばれている」

白ラギア「………」

ミツネ「そこには住人がいるんだ」

ミツネ「名前を言うのも恐ろしい……双頭の龍だ」

ラギア「……あっ、思い出した!!」

ラギア「俺、冥ちゃんから聞いたことがある!」

白ラギア「うん、あたしもミッくんも、お兄ちゃんから聞いたんだよ」

白ラギア「お兄ちゃん、学者だから」

ガムート「へぇ……」

331: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:38:39 ID:Old
ミツネ「その住人はね、大昔、僕らと同じ塔学校の生徒だったんだ」

ティガ「えーーそうなのかーー?!」

ライゼクス「聞いたこともないけど?」

ミツネ「もう500年も昔の話だからね。……そいつは学校の生徒全員を捕食して、塔学校は壊滅的な被害を受けた」

ガムート「…………!」

ミツネ「被害を受けたのは塔学校だけじゃないけどさ。その生徒のお陰で、世界は滅びかけたんだよ」

ミツネ「ただ一人だけ食べられなかった先生が、力づくでその生徒を捕獲して……」

ミツネ「古代林の深奥に追放した」

ティガ「やるな!そのせんせー!」

ガムート「その先生は、どうなったの?」

ミツネ「そのあとまた生徒と先生を集めて復興して……ああ、ダレン校長やアマツ副教頭たちも、教え子だよ」

ミツネ「今はもうとっくに引退して、天空山の近くで隠居してるらしいけど」

ライゼクス「えーーーその先生、生きてんのォ?!」

ミツネ「うん、きっと。……その日から、生徒の追放された地は、『竜ノ墓場』と呼ばれるようになった」

ライゼクス「……その生徒が、追放されて死んだから?」

ミツネ「いや、違うんだ。その生徒は、死ななかった」

ミツネ「付近を通る竜でもヒトでも、なにもかも食べ続けたんだ」

ミツネ「500年間、ずっと……!」

332: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:39:45 ID:Old
ガムート「えっ、今も生きてる?!」

ミツネ「たぶんね。きっとレウス先生たちはそれを見たんだ」

白ラギア「その生徒の餌食となった生物たちの墓場、って意味なんだよ」

ライゼクス「……なんでその話、俺らは知らねぇんだ?」

ミツネ「学校は隠ぺいしたんだ」

ミツネ「理性を完全に得ることができず……己の欲求を満たすことしかできなかった生徒の追放に、失敗したことを」

ミツネ「その生徒の追放以降、塔学校自体は割と平和だった」

ミツネ「でも、一年前、ついに二人目と三人目の退学者が出た」

ティガ「イビルジョーと、ラージャンだな」

ミツネ「そう。しかも、その二人の追放までも失敗している」

ミツネ「なおのこと、学校は隠ぺいに勤しんだろうね」

ミツネ「あちこちで生物の大量死骸の報告があって、もしかしたらイビルジョー達かもしれないと気付いておきつつ、今日まで黙っていたんだ」

ライゼクス「……かー、クソだな」

ガムート「ねぇ、セルレギオス君……も、そこに行っちゃったんだよね……?」

ミツネ「……うん」

ガムート「生きてる……かな?」

333: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:40:57 ID:Old
ミツネ「……レウス先生たちが目撃したものが、竜ノ墓場の住人なら……セルレギオス君はきっと、生きている方が難しい」

ラギア「セルレギオス……」

ティガ「相変わらず、胸クソ悪ィな……」

ガムート「どうして追放に失敗したのかな?」

ミツネ「わからない。でもおそらくイビルジョー達に至っては、誰かが解放したんだ」

ガムート「最初の生徒は……?」

ミツネ「……もっとわからない。竜ノ墓場に追いやるのが精一杯で、拘束が不十分だったのかもしれないし……」

ラギア「……とにかく、イビルジョーとかラージャンのことは先生達に任せて……」

ラギア「さっさと古代林にキリンちゃんを迎えに行って、保護するんだ」

ミツネ「そうだね。竜ノ墓場の付近には、近付かないようにしないとね」

ライゼクス「なんて言っている間に……見えた、古代林だ」

ティガ「おーーー」

ガムート「わあ……すごい!!」

ミツネ「初めて来たな。ここが、古代林か」


シーーーーン…………


どさっ

ズシ……ズシ


ラギア「やけに静かだな……」

ラギア「………これは……!」

334: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:41:57 ID:Old
ライゼクス「あ……誰の足跡だ?」

ガムート「……キリンちゃんだ!この小ささは、きっとキリンちゃんだよ!!」

ミツネ「さっき歩いたような跡だ。やっぱり間違いなく、古代林に来てる……」

白ラギア「足跡を辿って、探しましょ」

ラギア「……これ、骨か?!キリンちゃんの足跡に沿って、点々と落ちてっけど……」

ミツネ「道標かもしれない……きっとキリンさんは、この骨を辿って何処かへ向かっているんだ」

ティガ「……なんでこのタイミングで古代林に来たかなぁ」

ラギア「わかんねーよ。とにかく、行こう」


パタパタパタ……

ペタペタ……

ズシン、ズシン……


ティガ「……随分奥まで続いてんな?」

ライゼクス「すっげー嫌な予感がするぜ」

ガムート「心配だな……」

ミツネ「さっき、アイルーの足跡が途中で合流してた。きっとあの辺りで、ラギア君からの矢文を受け取ったんだ」

白ラギア「返事も書かずに、どこへ何しに向かったのかな……」

ミツネ「(骨も相変わらず一定の距離で落ちている……やっぱり、道標なんだ……)」

ミツネ「(骨というのが気になる……もしや竜ノ墓場の住人が……?)」

335: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:43:04 ID:Old
ラギア「………あっ!!あれ!!」

一同「?!」

ラギア「キリンちゃんだ……!」

ライゼクス「えっ、どこ?見えねー……」

ティガ「あ、あそこだぜ!めちゃめちゃ遠いけど、あの白く光ってるっぽいのってキリンじゃねーの?!」

ガムート「よかった、キリンちゃん……!」

ラギア「おーーい!!キリンちゃーーーん!!」

ドタドタドタ……

ラギア「キリンちゃん、行っちゃだめだ……!」



フッ



ティガ「消えた……?!」

一同「?!」

ミツネ「まさか、竜ノ墓場に落ちて行ったわけじゃ……?!」

ラギア「なんだと?!あそこが竜ノ墓場?!助けないと!!」

白ラギア「ダメだよ、ラギア!!!さっき、ミッくんの話を聞いていたでしょう?!」

ラギア「聞いてたよ!!だったらなんだよ!!」

ミツネ「……もう一回言わなきゃわからないかな?あそこには、恐ろしい怪物がいるって話したよね?」

336: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:44:08 ID:Old
ラギア「だったら、なおさらだ!!」

ラギア「俺は一人でも行く!!!!」

バタバタバタ……

ティガ「おいラギアテメー!本気で行く気かよ!!」

ライゼクス「ちったぁ冷静になったらどうだ?!」

ラギア「うるせェな!!最初っから冷静だぜ?!」

ラギア「キリンちゃんが危ないだろ?!それを助けに行くんだ!!何が悪い!!!」

ティガ「……わかった俺も行くから」

ライゼクス「ティガまで!!」

ガムート「……待って私も行く!!」

ミツネ「ガムちゃん……」

ガムート「私は、体が大きい……から、きっと力になれる」

ティガ「やめろよ、女だろ?!」

ガムート「! 女だから何?!私もキリンちゃんが心配だもん!!」

ミツネ「………ガムちゃんが行くなら、僕も行く」

白ラギア「あたしだって!!」

ミツネ「…………」

ラギア「…………」

ライゼクス「……結局全員かよ!!ああああ、じゃあ俺も行くから!!」

ライゼクス「一人で突っ走るなよ、ラギア?!な、頼むから」

337: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:45:09 ID:Old
ラギア「……うん、わかった。ごめんみんな、ありがとう」

ミツネ「……白ラギアさんは、ダメだ」

白ラギア「……どうして……?」

ミツネ「足手まといだし……」

ガムート「ミツネっち!」

ミツネ「絶対に来ないでほしい」

白ラギア「…………」

ミツネ「僕はそもそも、君が古代林に来ることも賛成できなかった」

ミツネ「でも……来てしまった。それは僕の責任だ」

ミツネ「この穴が本当に竜ノ墓場へ通じているのかわからないけれど」

ミツネ「君になにかあったら、僕はきっと……死んでしまう」


”彼になら、大事な白を任せられるんだ”


白ラギア「……ミッくん……」

ティガ「……オウ、彼氏の気持ちわかってやれよ!」

白ラギア「……うん……わかった……待ってる」

338: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:46:22 ID:Old
------竜ノ墓場------




キリン「……はぁ、はぁ……」ガクガク

クシャル「キリン……!!なぜ来たんだ!!!なぜだ!!」ギシッ……ギリッ

ディノバルド「…………」

クシャル「ディノバルド、足を退けてくれ!!頼む!!」

イビルジョー「ヒャーーーーッハッハッハッ!!!」

ラージャン「ククク……クックッ……ハッハッハッハッハッハッ!!!!!」

ディノバルド「俺が、矢文を送ったのさ」

クシャル「なんてことを……!!」

キリン「クシャル君……!大丈夫……?」タッ

ディノバルド「匿名で送ったが……まさか本当に来るとは……」

ラージャン「なァ?言った通りだろう」

ラージャン「この錆びた龍を囮に使えば、必ず現れると」

ディノバルド「『クシャルダオラが古代林の深奥で死にかけている』」

ディノバルド「そう送っただけなのに……」

ディノバルド「驚いた……この場所がどんな場所かも知らずに、ノコノコ来るなんて」

イビルジョー「ん~~よくやった、ディノ!」

イビルジョー「褒めてやろう……ヒヒヒッ」

ディノバルド「…………」

イビルジョー「ディノに作らせた骨の道標も、律儀に辿ってきやがった!!」

イビルジョー「お利口ちゃんでちゅネ!!お馬さん!!!」

キリン「…………」ガタガタ

ラージャン「それじゃあ……待ちに待ったメインディッシュだ」

ラージャン「錆びた龍の目の前で存分にいたぶってからいただくとしよう」

339: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:47:36 ID:Old
キリン「(馬鹿だ、私は……!クシャル君に助けられた命なのに)」

キリン「(でもクシャル君が危ないって聞いて……いてもたってもいられなかった)」

キリン「(今度は私が彼を助けられるって思ったけど……)」

キリン「(ごめんなさい!クシャル君……そして)」

キリン「(ラギアさんにも……もう二度と会えない)」

ラージャン「……アーー、うまそーだなァー……」

クシャル「キリンーー!!!!!」ギシギシッ

ディノバルド「悪いな。そう簡単には動けるようにはしねェよ」

クシャル「クソッ、足をどけろ!!!キリン!!!!」

ラージャン「ハッハッハッハッハッハッ」

イビルジョー「ヒャッハハハハ!!!!」




???「「「あァあぁぁぁぁ~~~~~!!!!!」」」


ズッドォォォォオォォォオオオオン………

カラン……カラン……

340: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:48:48 ID:Old
イビルジョー「……なんだァ?」

ラージャン「何が落ちてきたんだ」

クシャル「…………?」




ティガ「あいッつつつつつ……着地失敗だ!クソ!」

ガムート「………ウーーー、痛い……」

ライゼクス「ぎゃ!!!!骨だらけ!!!!気色悪ぃ!!」

ミツネ「この大量の骨……やっぱり、ここが竜ノ墓場!!」


ラギア「……キリンちゃんっ!!!」シュタッ

バッ!!

キリン「!!」

ドサッ、ダンッ、ダン、ダン………

ラギア「ハァ、ハァ………」ぎゅっ

キリン「…………え……」

ラギア「……キリンちゃんゲットー」ニヤッ

キリン「ラギア……さん……」

ラギア「……ケガは?」

キリン「大丈夫……」

ラギア「いやーーキリンちゃん、ここ一人で降りてきたの?すげェなーーー」

キリン「………うん……」

341: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:50:09 ID:Old
イビルジョー「…………」

ラージャン「……何だお前ら」


クシャル「(……ラギア……!)」ギシッ

ミツネ「(イビルジョーとラージャンしかいない……?)」

ティガ「あっディノバルド!!!なんでお前までここに?!」

ディノバルド「…………」

ミツネ「(しかしセルレギオス君の姿はない……ということは……)」

ライゼクス「つーかクシャルもいるし!!」

クシャル「…………くっ」ギシギシ

ガムート「……ディノ君、ごめん!!」ズドンッ!!

ディノバルド「!!!」ドサッ

ガムート「クシャル君、大丈夫?!」

クシャル「あぁ……礼を言う」すっく

ライゼクス「(スゲー体当たり……)」

ミツネ「……アンタたちが、イビルジョーとラージャンだろう」

342: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:51:08 ID:Old
イビルジョー「……礼儀がなってねェなぁー、お前は誰なんだよ」

ラージャン「……クククッ、なんだ?みんなで仲間を助けに来たってわけか」

ラージャン「泣かせるじゃねェか……!」カッ

イビルジョー「ホントに……お熱いこって……」ドンッ

一同「??!!」


シュウゥゥゥゥゥン……


激昂ラージャン「……お陰でこんな姿に……なっちまった……」

イビルジョー飢餓「ああ……俺ァもう、腹ペコなんだ」

ガムート「……なに、なにが起きたの……?」

ミツネ「『激昂したラージャン』と、『怒り喰らうイビルジョー』に進化したんだ」

ガムート「えっ……」

ミツネ「つまり……話にならないくらい強くなった、ってこと」

343: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:52:40 ID:Old
イビルジョー飢餓「よくわかってんじゃああああん!!!」グボボボボボォォォ……

クシャル「ブレスに当たるな!!!龍属性だぞ!!!」

ティガ「だァーーーもう、厄介なもの吐きやがって」

ティガ「……生きて帰れると思うなよ!!!」スウゥゥーーーッ……

ガァァァァァァァァァァァッッッ!!!!

一同「!!」ビリビリ……

ガムート「……すごい、バインドボイス」

ディノバルド「……すまない、みんな」ぼそっ

ミツネ「……?」

ディノバルド「もうこうなってしまっては、効くかどうかもわからないが……」ムクッ

イビルジョー飢餓「ディノオオオオオ!!!こいつらブッ殺すぞ!!!!」

激昂ラージャン「お前もはやくやれよ!!!!」

ディノバルド「………ハイ」ギィィィ……ギィィィッッッ……

ラギア「……ディノテメェ、なんでこいつらの味方するんだよ!!」

ライゼクス「やべぇ尻尾が赤くなって……」


ギイイイイイイイイイッッ!!
グロォォォオォォォォン……!!!


ティガ「……あ?」

激昂ラージャン「!!!」ドシュッ

イビルジョー飢餓「!!!?」ドシュッ


ズッ……ドオォォォオオオオン!!!!

344: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:53:35 ID:Old
ディノバルド「…………」

ライゼクス「……あいつらに、攻撃した……?」

ティガ「すげェ……尻尾回転?どっちも吹っ飛んでる」


激昂ラージャン「……あーーーー……」ヨロッ……

イビルジョー飢餓「……なに俺らに当ててんだよ!!」ムクッ


ディノバルド「……今だ」

ドドドドドド……………ザクッ!!!!!

激昂ラージャン「……?」

イビルジョー飢餓「い……てェ?」

ディノバルド「………」

ミツネ「……ナイフ?」

ライゼクス「投げナイフだ!なんで人間の道具なんか……」


激昂ラージャン「……こんな物!!」ヒョイ、ザクッ

イビルジョー飢餓「てめぇ遊んでんなよ!!!!ブチ殺すぞ!!!!」ヒョイッ



ド ク ン ……



激昂ラージャン「……あっ」ドクン……ドクン……

イビルジョー飢餓「……まさか……」ドクンッ、ドクンッ

345: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:54:53 ID:Old
ティガ「………毒!!!毒状態になってやがる!!」

ラギア「投げたのは、毒投げナイフ……?」


イビルジョー飢餓「……ディノ、てめぇなにを企んでいやがる」ドクン、ドクン

激昂ラージャン「なぜこんないきなり毒状態になど……!」


ディノバルド「勘違いしないでください」

ディノバルド「……猛毒、ですから」


激昂ラージャン「……テメェーー!!」

ラギア「おっと」ドンッ

激昂ラージャン「退け!クソ野郎!!」

ラギア「どかねェ。お前の相手は、俺だぜ」

クシャル「あと……俺もいる」ユラ……

激昂ラージャン「………チッ…」



イビルジョー飢餓「どんな小細工を使った!!ディノバルド!!」ヒュッ、ビュンッ

ディノバルド「小細工もなにも……毒を与えただけです」ヒョイ、ヒョイ

イビルジョー飢餓「なん……」クルッ

ドンッ

イビルジョー飢餓「……畜生、俺の上に乗るな!!偉そうに!!」

ディノバルド「どきはしません」

イビルジョー飢餓「………」

346: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:55:55 ID:Old
ディノバルド「俺の父の名を、言ってみろ」

イビルジョー飢餓「………ハァ?」

ディノバルド「……俺の父の名を、言ってみろ!!!」

イビルジョー飢餓「……知らねェよ……」

ガムート「ディノ君のお父さん……?」

ディノバルド「……知らねェとは言わせねェよ」

ディノバルド「俺の父の名前は!!『燼滅刃ディノバルド』だ!!!!!」

ティガ「……………」

イビルジョー飢餓「……燼滅刃……燼滅刃ディノバルド……」

ディノバルド「……聞いた名だろう」

イビルジョー飢餓「……あァ……思い出した……ヒッヒッヒッヒッ……思い出したぜ、燼滅刃……」

イビルジョー飢餓「ヒャーーーーッハッハッハッ!!!!食った!!!!確かに食ったぜ!!!!燼滅刃をな!!!!」

ディノバルド「…………ッ」

イビルジョー飢餓「……なにお前……父親のカタキを打つために、俺らにへーコラしてたのかよ」

ディノバルド「…………」

ミツネ「ディノ君……」

イビルジョー飢餓「ヒヒヒヒ……なァ教えてくれよディノ」

イビルジョー飢餓「どうやって俺らを猛毒にした?ん?」

ディノバルド「簡単な話ですよ、先輩」

ディノバルド「アンタらに届けていた全ての食い物に……ごく微量の毒を混ぜていただけですから」

ディノバルド「……長かった……一年かけて……ようやく適性の量になったようですよ」

ディノバルド「極め付けは、商人アイルーから仕入れた毒投げナイフ」

347: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:57:44 ID:Old
イビルジョー飢餓「……ヒヒヒヒ……ヒィ~~ヒッヒッヒ、やるじゃねェか、もっとボンクラだと思ってたぜ」

イビルジョー飢餓「んん……よく思い出される……」

イビルジョー飢餓「テメェの親父はマズかった……実にマズかった……」

ディノバルド「!!」

イビルジョー飢餓「筋肉と骨ばっかりで!!!!!スッゲーーマズかったぜ、テメェの親父はよ!!!」

ディノバルド「……なんだと……」

イビルジョー飢餓「美味くもねぇゲロマズ親父のために、よくここまで来やがったな!!!!」

イビルジョー飢餓「テメェの従順な所、結構気に入ってたってのに……」

ティガ「オイ、腹減り竜さん」ドカッ

イビルジョー飢餓「………痛ぇよ……誰だおめーは」

ティガ「お前のメシになっちまったのは燼滅刃だけじゃねェだろう」

イビルジョー飢餓「あァ?」

ティガ「俺の親父とお袋も、もしかして……お前が食ってたり、する?」

イビルジョー飢餓「……覚えてねェっつの……」

ティガ「しない?」

イビルジョー「知らねーよ。食ったかもしれねェし……いちいち覚えてねーよ」

348: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)21:58:49 ID:Old
ガムート「ティガ君のご両親まで、食べたかもしれないの……?」

ミツネ「だとしたら、なんてことを……」

ティガ「『荒鉤爪ティガレックス』……聞いたことない?」

ディノバルド「……?……」

イビルジョー飢餓「覚えてねーーって。……どーせテメェの親父たちもクソマズだろ」

ティガ「………あ、そ」

ティガ「とにかく、殺すわ。お前のこと」

バシッバシッバシッ

イビルジョー飢餓「グッ、ウ……ヒヒヒヒ……中々だな」

ディノバルド「………」ガブッ

ブン!

ドッシャアアアアン!!

イビルジョー飢餓「ヒヒッ……おーいてぇ……よく飛ぶなァ、俺は……」ムクッ……

イビルジョー飢餓「まるで翼が生えたみたい!!!」

ガムート「……!!」ドドッ

ドドッ、ドドッ……

ググッ……

………パアァァァァァァァァン!!!!………

349: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:00:13 ID:Old
ミツネ「! すごい、ガムちゃんの咆哮……」ビリビリ……

ライゼクス「イビルジョーを鼻で持ち上げてる……こわっ」

ドサッ

ガムート「…………!!!」

ドスン、ドスン、ドスンッ

イビルジョー飢餓「グゥッ、ガフッ……」

ドスン、ドスンッ……

イビルジョー飢餓「……いってぇな、デカブツ!!!」ガリッ、ベキッ……

ガムート「あっ……」ヨロッ

ライゼクス「……ガムート危ない!!!!」ジイイィィ……

バチバチバチバチバチッ

イビルジョー飢餓「!…………」ジジッ……

イビルジョー飢餓「(面倒だ……ここにも雷属性の奴がいる)」

350: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:00:54 ID:Old
イビルジョー飢餓「……ヒヒ………なんだこの光景……」

イビルジョー飢餓「お前ら全員、俺たちを殺せるって思ってんのか」

イビルジョー飢餓「束になっても、俺たちにはどうせ勝てやしねェ……」

イビルジョー飢餓「なんせ俺たちは……喰らい続けるんだぜ」

イビルジョー飢餓「世界をな」


ドオオオオオオオオオン!!!!!

351: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:01:34 ID:Old
------古代林付近------



リオレウス「ーーーーー!!!!」ビリビリ……ビリッ

シャガル「うっ………!」ガクガク……

リオレウス「……なんという龍属性のオーラだ……」バサッ

シャガル「……巨大な波のようですね……!」バサッ

リオレウス「シャガル先生!……あなたは古龍だ、こんな龍属性を食らったら……!」

シャガル「私は行かなくてはならない」

シャガル「あの忌まわしき場所へ行き……もう二度と、捕食者達に……理性無き怪物たちに、好き勝手はさせない!」

シャガル「アマツ副教頭が決めたことを……なんとしてでも、貫ぬかなくては……!」バサバサッ

リオレウス「(シャガル先生……)」

リオレウス「……ええ、私も同意見です」

シャガル「時間がない……!!」

352: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:02:38 ID:Old
------竜ノ墓場------



クシャル「……う゛ッーーーーー!!」

ズシャアーーーーーーーーッ

ラギア「……クシャル!!」

激昂ラージャン「……隙だ!!!」ガブッ

ラギア「!!……あ゛ッ!!あああああーーーー!!!」ミシミシ……ミシッ

キリン「ラギアさん……!」タッ

ミツネ「ダメだよ、キリンさん」ガシッ

キリン「……」

ミツネ「絶対近付いちゃダメだよ……あの戦いに巻き込まれたら、ケガだけじゃ済まない」

キリン「…………」



ライゼクス「……危ない、ティガ食われるーーーー!!!!」

ティガ「……おわっ、あーー!!」メキメキッ……

ディノバルド「……!!」グイッ

バキバキバキバキッ…………



ガムート「……見てられないよ……」ガクガク

ミツネ「離れていよう、僕たちは」

ライゼクス「だけどよ……!メチャメチャ間抜けだぜ、俺たち!!ボーッと見てるだけって!!」

ミツネ「何かおかしい」

キリン「……何かって……?」

ミツネ「僕はまさか、あの二人がいるとは思ってなかったよ」

ガムート「……あぁ……そうだね、先生達だけで倒せたと思ってたよ」

353: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:03:41 ID:Old
ミツネ「学校に襲撃に来たのは間違いなくあの二人のどちらか、もしくは両方だと思うけど」

ミツネ「もし、先生達が彼らの討伐に失敗して、逃げられたのだとしても……なぜここにいるんだろう」

ライゼクス「そういや、そーだな?」

ライゼクス「あいつらはそもそも禁足地にいたわけで……」

ライゼクス「竜ノ墓場なんかで、なにやってたんだ?」

ミツネ「もしキリンさんを捕食することだけが目的なのだとしても、わざわざここに来る必要はない」

キリン「……うん……そうだね」

ガムート「なんで、キリンちゃんはここにいるの?」

キリン「矢文を受け取って……ここにクシャル君がいて、死にかけてるって聞いたから……」

ミツネ「……そっか。おびき出されたんだね」

ミツネ「あの二人をいまここで殺せたとしても、戦いは終わらなさそうだ」

ガムート「ミツネっち、やっぱり……」





ギャボオオオオオオオオオオオオ!!!!

ラギア「あぶねぇお前ら………!!!!」

ヒュッ

バチバチバチバチバチッ!!!!

キリン「……ラギアさん!!!!」

ライゼクス「ぎゃーーラギア!!ラージャンのブレス直撃してるぜーー!!」

354: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:04:26 ID:Old
ミツネ「…………」

ラギア「…………ッ」

キリン「ラギアさん……大丈夫……?」

ラギア「……フーーーーッ、大丈夫」

ラギア「俺には雷は効かねェ」

キリン「ラギアさん……!!」

激昂ラージャン「雷が効かないのはお互い様だぜ」

ラギア「ミツネ!!ライゼクス!!キリンちゃんとガムートぜってー守れよ!!!!」シュタッ




ティガ「クッソーまだ死なねェ……!!毒はどうなってやがる!!!」ドカッ、バシッ

ディノバルド「体力の半分も削れやしないさ」バキャッ、ズドンッ

ティガ「あーーーークソーーーーーッ!!!!」

355: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:05:09 ID:Old
------竜ノ墓場、入り口------


白ラギア「どうしよう、どうしよう」ブルブル

白ラギア「(ミッくんたちが下りてから、古代林全体が揺れるよう……)」

白ラギア「(ものすごい鳴き声も聞こえるし……やっぱり、竜ノ墓場の住人が?!)」

白ラギア「どうしよう!!!みんなが死んじゃうよ……」

白ラギア「あたしも下りようか……?!でも、なにができるのかな……」

白ラギア「助けてお兄ちゃん……」

白ラギア「読まないかも知れないし、間に合わないかも知れないけど……矢文を送っておこう……」

白ラギア「(お兄ちゃん……!!)」

356: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:06:15 ID:Old
------竜ノ墓場------



ズッッシャアアアアアアアッ


カラカラ……


イビルジョー飢餓「……チッ……何回ふっ飛ばされんだ、俺らは」フラ、フラ……

激昂ラージャン「そろそろ遊んでる場合じゃないな」ヨロッ


ティガ&ディノ「はーーーっ、はーーーーーーっ……」

ラギア&クシャル「ゼイ……ゼイ……」



イビルジョー飢餓「お前らも限界ジャン……?」

激昂ラージャン「……クククッ……もうそろそろ、そこのキリンを食わせてくれないだろうか?」

ラギア「……てめぇらぶっ殺すぞ!!!……ハァッ……」

激昂ラージャン「殺す殺すと言っておいて、いつ実行するんだ?」

激昂ラージャン「お前、結構……焦らすタイプなんだな?」

ラギア「ヤローーーーッ!!!」



グラ……グラ……


一同「!!」


イビルジョー飢餓「ヒヒヒ……ヒッヒッヒッヒッ」

激昂ラージャン「あァ……もう……大先輩が、起きちまった……」

ディノバルド「……まずい……」

ミツネ「やっぱり……」

357: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:07:07 ID:Old
イビルジョー飢餓「大先輩!!!!すいませんね、うるさくしちまって……」

激昂ラージャン「もういいッスよ……こいつら食っちまってください」

ガムート「……うわっ!」



ズアアアアアッ!!!!

ビシャンッ


イビルジョー飢餓「……あ……ッ?!」

激昂ラージャン「……粘液!!大先輩、違いますよ……っ」

イビルジョー飢餓「捕まえんのは俺らたちじゃないっすよ?!」

激昂ラージャン「あいつらッス!!大先輩!!」


オオオオオオオオオ…………

ズルズルズルズルッ

イビルジョー飢餓「あっ……あ!!!やめてください!!」

激昂ラージャン「コレ取ってくださいよ!!!」

ズルズルズルズルッ

358: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:08:11 ID:Old
キリン「……なに……?地面から染み出した粘液が……」

ライゼクス「あの二人を引きずってる……」

ミツネ「粘液には触れちゃダメだよ!!」


ディノバルド「おい!まだ終わってねェだろ?!行くんじゃねェよ……!」

イビルジョー飢餓「ディノオオオオオオオオオ!!!!助けろよオオオオオオ!!!!!!」

激昂ラージャン「畜生ッ!!!許さねェェェェェッ……」

ズルズル………バキャッ………

ガポンッ……



シン…………

359: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:09:54 ID:Old
ディノバルド「っ、逃げろ!!!!全員!!!!」

ラギア「どーーやって!!!」

ガムート「翼のある三人だけでも逃げて!!!!」

ティガ「そんなことできるわけねェだろ?!」

ライゼクス「……俺がみんなを上まで送る!!!!」

ライゼクス「俺の脚に掴まれ!!」

クシャル「ああ、俺もやるぜ」

ティガ「俺もだ!!早く掴まれ!!!」

ガムート「……私は残る!!!!」

ティガ「何言ってんだ!!?」

ミツネ「ガムちゃん!!逃げよう!!」

ガムート「ダメ!!……私は重いもん!!持ち上げられっこない!!」

ディノバルド「バカ言うな、逃げてくれ!!!!」

ガムート「ディノ君こそ逃げて!」

ディノバルド「俺は残る……!まだケジメが付けられて無い!!」

ティガ「ガムート!!俺が持ち上げッから!!」

ガムート「無理!!!私は残って、戦う!!」

360: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:10:59 ID:Old
ラギア「……ガムート……」

ラギア「……ごめんな、俺のせいだ」

ラギア「みんなを巻き込んだのは俺のせいだ!!俺も残る!!」

クシャル「……それなら、俺も残ろう」

ライゼクス「お前は翼があるだろ?!」

クシャル「逃げるために翼を有して生まれたわけではない」

クシャル「俺は龍属性持ちなんだ……少しでも、足止めが出来るかもしれない」

ミツネ「……それなら僕は、泡で君たちのサポートをする!!」

ミツネ「ライゼクス君、ティガ君、キリンさんをよろしく。あと……白ラギアさんのことも、孤島まで連れて帰ってほしい」

ティガ「……あーーーもう!!!俺らがそーいうキャラじゃないってわかってて言ってんの?!」

ライゼクス「残るしかねーだろ俺様たちもよー!!」

ラギア「……ダメだライゼクス、キリンちゃんだけでも地上に送ってくれ!!」

ライゼクス「…………っ」

キリン「ラギア君……!!そんなのダメ!!」ぽふっ

ラギア「キリンちゃん……俺から離れてくれ」

キリン「いやだ!!!私も残る!!!!」

キリン「みんなで生きて帰ろう、ラギア君……」

キリン「また、楽しいお話、聞かせてよ……!!」

クシャル「キリン……」

ラギア「…………わかった。でもライゼクス!!もしものときは……お前、キリンちゃんを頼むよ」

ライゼクス「……オッケー承知した!!」

ラギア「恩に着る!!!」

361: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:11:57 ID:Old
ディノバルド「お前ら、正気かよ……!!」

ディノバルド「こっから出てくんのが何なのか、わかってて言ってんのか?!」

ラギア「わかってるよ!!大体な!!!」

ミツネ「わかっててもわかってなくても、僕らの意見は変わらないさ」

ティガ「……オーー、轟の名に恥じねェ活躍をしてやるぜ」

ガムート「………来るっ!!!」

一同「!!!!」



オオオオ………オオオオ…………


ブクブク……ゴポッ……


???「ホホホ………ホホホ………」


ミツネ「双頭の……骸……!!」


ズボオオオオオオォォォォォッッッッ!!!!


ライゼクス「う…………お…………」

ラギア「頭……ガイコツ?二つある…………」

ディノバルド「……お初にお目にかかりますよ」

ディノバルド「『オストガロア』大先輩……!!!!」

362: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:12:58 ID:Old
???(オストガロア)「……ホホ……面白い……」

オストガロア「我を知りうる者共……」




ティガ「喋るのかよ!!キメーーな!!」




オストガロア「ふふふ……問おう………問おう…………」

ラギア「………何だよ」

オストガロア「うん………どう考える……?ホホホ……」

オストガロア「この世に生きとし生けるものどもが……なぜ存在するのか……」

ライゼクス「知るかバカ!!」

ラギア「…………」

オストガロア「我の……」

オストガロア「血肉となるためだ……」ヒュンッ



ガラァン!!ガラガラ………



ガムート「……ああっ!!」

キリン「ひ………ッ!!!」

363: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:14:12 ID:Old
ライゼクス「イビルジョーと……ラージャンと……」

ディノバルド「セルレギオス……!!!」

ティガ「……頭蓋骨だ……?!」

ミツネ「セルレギオス君……やはり捕食されたのか!!」

オストガロア「……ホホ……朝……太陽は登り……」

オストガロア「……夜には沈む……」

オストガロア「同じ事なんだ………ホホ……」

ラギア「……回りくどい言い方するの、やめてくれる!」

オストガロア「……全て……自然の摂理に従い……」

オストガロア「ホ……ホ……生き物は皆……我の血肉へと変わってゆくのだ」


……ザジャアアアアアアアアアアアッッッッ!!……



一同「………!!」ゾクッ


オストガロア「さァ………選り取り見取り……ホッホホ……」

364: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:14:55 ID:Old
------竜ノ墓場・入り口------



白ラギア「どうしよう、どうしようどうしよう」

白ラギア「ヤバそうな咆哮が聞こえたよ……」

白ラギア「ミッくん……ラギア……みんな……無事なのかな……」

白ラギア「なんで戻ってこないの?!」

白ラギア「お兄ちゃんは矢文受け取ってるくせになにも言ってこないし」

白ラギア「どうしよう!!!あたしも行くべきかな、やっぱり!!」

白ラギア「………ん?誰か飛んでる……?」

白ラギア「すんごい遠いけど……誰?こっちに向かってるの……??」

365: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:15:50 ID:Old
------竜ノ墓場------



ラギア「ライゼクス!!俺を飛ばせ!!!!」

ライゼクス「ヨッシャァーーーッッッッ!!」

ガツッ バサッ……バサッ………

ビュンッ

ズガァン!!!!

ラギア「チッ!!!胴体部分は硬いぜ……!!」

ティガ「うおおおおおお」ドドドドド……

ガッツンッッッ

ティガ「あーー!!硬い!!!」ギャアンッ


パァァァァァァァァァァァン!!
ピャアアアアアアアアアアアアッ!!!


オストガロア「……!!」


ガムート「……ミツネっち!!私たちの咆哮で、怯んだよ!!」

ミツネ「高い音が苦手なんだ!!!」

ラギア「よーッし、よーッし、お前らすげえ!!カッケーぜ!」

ラギア「胴体は硬すぎる!!!!まずこの二つのアタマをぶち壊すぞ!!」

クシャル「………!………!!」ズガァン、ズガァン!!

キリン「ヤーーーーっ!!!」バチバチバチバチバチッ

オストガロア「…………」

ティガ「うおーー頭が潜った!!」

366: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:17:14 ID:Old
ディノバルド「気をつけろ!!どこから出てくるかわからない!!」

グラ……グラ……ゴゴゴゴォ………

ドガァァァァン!!!

ガムート「うぅっ…………!!!」ガクンッ

ミツネ「ガムちゃんっ!!」

ティガ「ガムート!!!」シュバッ

ティガ「大丈夫か?!」

ガムート「大丈夫……いてて……」

クシャル「頭からブレス出るぞ!!気をつけろォーーー!!!」

ズガガガガガガガガァン……

ライゼクス「龍属性がナンボのもんだ!!」バサッ

バチバチバチバチバチッ!!

ラギア「効いてるぜ!!!頭、片方ブッ壊れた!!」

オストガロア「…………」

ティガ「ッシャーもう片方ぶっ叩け!!!」

ミツネ「ガムちゃん、もう一回咆哮だよ!」

ガムート「うん!!」

パァァァァァァ……ン

ディノバルド「ッ……」ギィィィィィ……

ギュオオオオオオン!!グロオォ……

367: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:18:04 ID:Old
------竜ノ墓場・入り口------




白ラギア「あーー!!先生ーーーーっ!!」

リオレウス「!!」バサッ

シャガル「あれは……!!」バサッ

白ラギア「こっちこっち!!!!先生たちーー!!」

バサッ……バサッ……ドスン

リオレウス「君は、魚海竜科の……!!」

シャガル「なぜここにいる?!」

白ラギア「そんなこといいですから!!この穴、竜ノ墓場に繋がってるんでしょ?!」

リオレウス「……まさか、誰か行ったりしてないだろうな?!」

白ラギア「みんな行っちゃいました!!た、タマミツネ君も……ラギアクルス君も、ティガレックス君もみんな!!」

白ラギア「あと……古龍科のキリンさんも……!!」

シャガル「なんだって?!バカなことを!!!!」

368: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:18:55 ID:Old
リオレウス「あと中にいるのはイビルジョーか?!ラージャンか?!」

白ラギア「わかりません!!でも……ヤバイんです!!すごい咆哮が何度も……!!」


グラグラ……グラッ


シャガル「まずいこの揺れは……もう『アレ』が出ているのでは?!」



アマツ「……ハァッ、おっしゃる通り……ハァッ」ユラ……ユラ……


一同「!!!!」

シャガル「アマツ副教頭!!」

リオレウス「そんなお体でどうして……!!」

アマツ「……追いついてよかったです……ハァ、わたくしも、歳ですね……イビルジョーなどにここまで」

シャガル「………副教頭……」

369: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:19:37 ID:Old
アマツ「シャガル先生のおっしゃる通り……この膨大な龍属性エネルギーは、紛いもなくオストガロアのものでしょう」

白ラギア「………!!」

リオレウス「……オストガロア……」

アマツ「わたくしたちの大切な生徒が中にいるとなれば」

アマツ「今すぐ行かなくては……!!」ヒュオオオオ……

シャガル「副教頭!!私も行きます!!」バサッ……バサッ……

リオレウス「……俺も行かなくては」

白ラギア「先生……」

リオレウス「君は、今すぐここから逃げるんだ。中に入った仲間たちはどうなっているかもわからない……」

リオレウス「必ず逃げるんだよ。いいね」バサッ!!ヒュウウウ……

白ラギア「きゃーーーっ!!先生ーーー!!」

白ラギア「…………」

白ラギア「……どーーしよーーーーっ!!!」

370: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:21:08 ID:Old
------竜ノ墓場------



ガムート「もう片方も壊れたよ!!頭っ!!」

ティガ「うおおお!!早く死ねっ!!!」

オストガロア「…………」

ミツネ「いや……まだだ」

オストガロア「……ふむ……ホホホ……鬱陶しい……鬱陶しい……」

オストガロア「ホホ………ふふふ……うん……」

ズズ……ズ………ズッ……………

一同「………!!!」

ラギア「……イカ………???」


……ザジャアアアアアアアアアアアッッッッ……


オストガロア「……貴様らに………顔を見せることとなるとは……ホホ……ホホホホ………」

ティガ「アレが本当の頭かよ!!!胴体じゃねぇのか?!」

ディノバルド「どうやら俺たちが頭だと思っていたのは……触手だったようだ」

クシャル「陰気臭い顔面だな」

ガムート「ここからどうなるの……?」

371: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:22:28 ID:Old
アマツ「索餌形態から変化したようですね……!!」フワッ

リオレウス「お前ら全員無事か!!!」バサッ

ラギア「!!……先生っ!」

シャガル「キリン……!お前まで!!」バサッ

キリン「シャガル先生……」

アマツ「みなさん、酷い怪我ですね」ユラユラ……

リオレウス「戦ったんだな……イビルジョーは?!」

ミツネ「ラージャンと共に、オストガロアに捕食されました……!」

シャガル「そうか……」

オストガロア「……おお……おおおお……これはこれは……」

オストガロア「ホホホ……塔学校の……教師たち……」

アマツ「よくも500年間も生き長らえましたね……」

オストガロア「……うん……揃って………我に捕食されるべく……」

オストガロア「……やってきたのか……ホホホホ……」


ザジャアアアアアアアアアアア!!!


ティガ「怒った……?!」

ライゼクス「ヤバイヤバイ!!!謎の青い光!!!」

372: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:23:28 ID:Old
アマツ「生徒たちはお逃げなさい!!!」

リオレウス「逃げろ!!!」

シャガル「あとは我々教師のケジメをつけますから……」


オオオオ………オオオオ……


ガムート「逃げられないよ……」

ライゼクス「オストガロアのヤローが邪魔してて上に上がれねぇ!!!」

ミツネ「………!そうだ、地底湖だ!!!」

ラギア「えっ?」

ミツネ「すぐ後ろの、その地底湖!!!海まで繋がってるんだ!!そこを通ろう!!」

ティガ「マジ……?」

キリン「私……泳げないよ……!!」

ラギア「……大丈夫、俺が泳げっから!!」

373: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:24:25 ID:Old
ミツネ「僕とラギア君は海竜種だ!!!僕たちが、君たちを送る!!!!」


アマツ「早く行きなさい!!!!龍属性の強大な攻撃が来ますよっ!!!」



ミツネ「早く!!!!迷ってるヒマはないっ!!!」ガシッ


バッシャアアアアン……!!!


ゴポ……ゴポ…………



ミツネ「(先生たちの戦闘の影響で……)」

ミツネ「(洞窟の残骸が地底湖にも落ちてくる!!!!)」

ラギア「(クソッ、流れができてる……)」

ラギア「(全員、掴まってるか……?)」ゴポッ

ガムート「(私も泳げないのに……)」ブクッ

ティガ「(前が良く見えねェ!!)」

ライゼクス「ガボッ……ガボッ……」

ラギア「! ライゼクス!!!息を吐くな!!」

ライゼクス「………!!」

キリン「(ラギア君……!!)」

ミツネ「大丈夫、ゴポッ、ラギア君にしっかり掴まって!!」

キリン「………」コクッ

374: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:25:23 ID:Old
ディノバルド「(クソッ……体が重い!)」

クシャル「(水中は苦手だぜ……!)」

ミツネ「(海面は……地上はどの方向だ?!)」

ミツネ「(みんなの息がもたない!!!!)」

ラギア「みんな!!必ず助ける!!」

ゴボゴボ………ゴボッ




???「……みんな!」

ラギア「?!」

ミツネ「えっ……ゴバッ!あっ?!」

ミツネ「冥ラギアさん……!!」

???(冥ラギア)「もう大丈夫……」

ブクブク……

ラギア「冥ちゃんなんで……!?」

375: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:26:13 ID:Old
冥ラギア「…………」グググッ……

ガオオオオオオオオオオン!!!

グオオオオオオオオオッ

ミツネ「(すごい!!!水中に竜巻が……)」

ラギア「うお……早えーーーーっ!!!!」

ゴオオオオオオオオ……

冥ラギア「水面までイッキだよ!!」ゴオオオオッ

ミツネ「冥ラギアさん……っ!!」

冥ラギア「ミツネ君、がんばったね」パチッ

ミツネ「…………っ」ゴポッ

ラギア「(みんなほとんど意識がねェ……)」

ラギア「間に合うか!!冥ちゃんっっ!!!」

冥ラギア「間に合う!!!もう水面だ!!」

ゴオオオオオオオオ………

ドッ……パアアアアアアアアアンンンン!!!!!

376: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:27:06 ID:Old
ドサッ

ディノバルド「ぐっ、ガポッ……」バシャッ

クシャル「ゲホッ……ゲホゲホッ」

ライゼクス「ウエーーッホッ!!ゲェーーッホッ」ぺっぺっ

ラギア「ハァ……ハァッ、みんな生きてっか?!」

キリン「けほっ、けほっ、生きてる……!」

ラギア「良かった……キリンちゃん……」

ガムート「ゲホッ、ゼイ……」

ガムート「!! ティガ君?!!」ドドッ

ティガ「…………」

ガムート「ちょっ、やだ!!!しっかりしてよ!!」ガクガクッ

ティガ「………」

ガムート「ティガ君っ!!!」バッシィーーーンッ

ティガ「……痛い!!!……ゲホッ、あーー……」

ガムート「……!!」

ティガ「……ゲポッ……ハハハ、ガムート……俺の心配してンの……?」

ガムート「……生きてた……」

ティガ「バァッカ、俺は死なんからな!!」ナデナデ

ガムート「…………//」ドキドキ

377: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:28:08 ID:Old
白ラギア「ミッくーーーーーーーーん!!!」ガバーーッ

ミツネ「わっ!!白ラギア……さん!!」ドサッ

ミツネ「ここは、どこ……?」

冥ラギア「古代林がある島の一角さ」

白ラギア「よかった……よかった!!生きてたよぅ……」ポロポロ……

冥ラギア「ふーー、みんな無事みたいだね」

冥ラギア「良かったーー!!」ニコッ

ミツネ「冥ラギアさん、どうしてここに……?」

冥ラギア「ああ、白から矢文を受け取ってねー」

冥ラギア「海のほうから回り込んで助けに行こうと思ったら、ちょうど君たちも水中に来てたからさ」

ミツネ「……ありがとうございます」

冥ラギア「いや。みんな無事ならなによりさ」

ミツネ「……そっか……矢文……白ラギアさん……」

白ラギア「うん……!あたし、なにもできなくて……ごめんね?!」ぼろぼろ

ミツネ「ううん、ありがとう。……白ラギアさん、君のお陰だ……」

白ラギア「ミッくん……」ポロポロッ

ミツネ「泣かないで。本当にありがとう……」

白ラギア「うっ……うぅ………うわーーーーーんっ!!」

冥ラギア「はっはっは、白は泣き虫だなぁ」

378: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:29:07 ID:Old
キリン「ラギア君ごめんなさい……私のせいでこんな怪我……」

ラギア「大丈夫。でももう、あんま危険なところ一人で行かないでね?」

キリン「ごめんなさい……」

ラギア「めっちゃ心配したんだぜーー」ニカッ

キリン「うう……うっ」ぐすぐす

バチバチバチバチバチッ!!!

キリン「わあああああんっ」バチバチッ

ラギア「大丈夫……大丈夫……」ぎゅっ

キリン「ごめんなさいぃ……雷っ、うっ、ごめんなさいーー!!」

ラギア「うん、平気。俺には効かないから」

バチバチッ バチバチッ……

379: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:30:09 ID:Old
ティガ「女はみんな、泣き虫だなーーー」

ガムート「……そうだね……」

ティガ「……ガムート、お前は泣かねェーの?」ニヤニヤ

ガムート「なっ、泣かないっ!!!!」キッ

ティガ「ふーーーーん??」ニヤニヤ



ライゼクス「……なーんかいろいろ上手く行っちゃってるかんじー?」

クシャル「……やれやれ……」

ディノバルド「…………」

ラギア「……すげェ……あの空、真っ黒だ」

ティガ「嵐が起きてる。アマツ先生だな……」

380: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:33:24 ID:Old
------竜ノ墓場------



アマツ「ハァ……ゼェッ」

オストガロア「ホホホ……死にかけ……老いぼれめ……」ズルッ、ズルッ

アマツ「フッ、ご丁寧に……自己紹介ですか?」ズガアァン!!

オストガロア「……う゛っ……ホホ……よく効く……」

リオレウス「アマツ先生!もう限界だ!!」

アマツ「お黙りなさい!!わたくしの限界は、あなたが決めることではない!!」

シャガル「だめです、先生!!生きて帰らねば!!」

アマツ「今のわたくしには命など、有って無いようなもの」

アマツ「500年前に生じた塔学校の汚点は!!わたくしが必ず拭い去らなくては!!!!」

シャガル「……初めから隠すことなどしていなければ、こんなことにはならなかったものを……!」

リオレウス「シャガル先生、それは……」

アマツ「……おっしゃる通り!!全てわたくしの招いた結果!!」

アマツ「ここでノコノコ帰ることなど出来やしない!!二度と、師に顔向けなど出来ない!!!」

リオレウス「先生っ……ウッ」ズドンッ

リオレウス「あ………」ヒュウ……

シャガル「レウス先生……!」バサッ

381: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:34:29 ID:Old
アマツ「お二人はお帰りになりなさい。……この者とは、二人きりで話がしたい」

オストガロア「………ふふ、ホホホ……」ズビュッ、ドゴォン!!

アマツ「……もう、命が尽きそうでしょう」

オストガロア「……ホホホ、うん……自己紹介か?」

シャガル「アマツ先生っ!!」バサッ、バサッ

シャガル「(レウス先生は気絶しているだけか……?彼のことは、救わねば!!)」

アマツ「シャガル先生、今すぐお行きなさい!!」ビュウウウウッ

ズゴオオオオオオッ

シャガル「あ……!(竜巻だ……!吹き飛ばされる?!)」ビュウウ……

オストガロア「ふ……ヴ……ホホ……ヴヴ……」フラ……フラ……

アマツ「(シャガル先生をあそこまで遠ざければ、もう良いでしょう……)」

アマツ「……さァあなたもです。お逝きなさい!!!」ズオオオオオオオオオオオオッ

オストガロア「おおおおおおおおお……!」シュウウウウウウウウッ

382: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:35:23 ID:Old
------同島の古代林付近(海辺)------



ティガ「うお……なんだあれ……!」


カッ!!
…………ドカァーーーーーーーーーーン!!!!
ゴオオオオオオオオ!!!


一同「!!!」

ラギア「嵐と……龍の力が、衝突した……!」

ミツネ「断末魔の大爆発……」

ライゼクス「嵐も消えてる……?」

ガムート「すごく晴れてるよ!」

ディノバルド「……オストガロアはどうなったんだ?!」

ライゼクス「平和にハッピーエンドかと思ったけどっ!!」

ミツネ「先生たちは……?!」

冥ラギア「あっ先生たちもいるのか!!」

冥ラギア「行かなきゃ……!」

白ラギア「待って待ってお兄ちゃん!!」

ガムート「あそこ……シャガル先生と、レウス先生じゃないかな?!」

383: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:36:25 ID:Old
バサッ……バサッ………


シャガル「フーーッ……フーーーッ……」バサッ……バサッ

ミツネ「掴んでるのは……レウス先生?!」

リオレウス「…………」

シャガル「………フーーーッ……」バサッ……ドスン……

ティガ「レウス先生、まさか?!」

リオレウス「…………」

シャガル「死んではいない」ヨロッ

シャガル「気を失ってるだけだ……」ドサッ

ガムート「先生っ!!」

ミツネ「………」ポポポン……

ラギア「おっ?!」

白ラギア「ミッくん、泡が……」

ミツネ「もうこれくらいしか出せないけど……これに触れれば、少しは体力が回復する」

ポンッ……

ミツネ「……みんな、触っといたら?」

ポン ポンッ

ガムート「ミツネっち、すごい!」

ティガ「戦闘中も使えよなー!」ポンッ

ミツネ「使ってたよ……みんなが、気付いていないだけで」

ライゼクス「あっ、そーーなの?!ありがとう!」

ティガ「ミツネいい奴!」

ポンッ

リオレウス「…………う……」

ラギア「レウス先生!!」

384: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:37:23 ID:Old
リオレウス「お前ら、生きてたか……」

ディノバルド「……アマツ先生は?どうしたんですか」

シャガル「…………」

リオレウス「…………」

クシャル「……ダメだったんですか?」

シャガル「…………」コクッ

シャガル「ほとんど……刺し違えだ」

キリン「………そんな!」

冥ラギア「アマツ先生……世話になったのに……」

ラギア「じゃあ、オストガロアも、死んだんですね?」

シャガル「ああ、安心しろ」

シャガル「間違いなく討伐された」

ガムート「よかった……!」

385: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:38:03 ID:Old
リオレウス「アマツ先生のことは……残念だったが」

リオレウス「彼女は、責任を取ろうとしたんだ……」

ティガ「責任?」

シャガル「塔学校のトップは、理事長のヤマツカミ様……そしてダレン校長とジエン教頭がいるわけだが」

シャガル「彼らは所詮、お飾りの長だ。トップなんていうのは名ばかり」

シャガル「実質的なリーダーは、アマツ副教頭だった。アマツ副教頭の決めたことに、上の三人はただ首を縦に振るだけ」

シャガル「だからイビルジョーたちの追放も、その失敗の隠ぺいも、実質的にアマツ先生が決定した」

シャガル「しかし今日……隠しきれなかった自分の失敗の責任を取ろうと、命を張って捕食者たちと戦ったんだ」

シャガル「時々ムチャをやる先生だったけど……私は尊敬していた。彼女を」

一同「…………」

ぐすっ……



リオレウス「……なぁディノバルド」

ディノバルド「はい」

リオレウス「教えてくれないか、全て」

ディノバルド「………」

リオレウス「なぜ、今回このようなことになってしまったのか……」

一同「…………」

386: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:39:01 ID:Old
リオレウス「お前の言うことは全て信じる。だから、全て真実を話してくれ」

ディノバルド「…………」

ディノバルド「……一年前、あの捕食者二人は退学・追放となって、禁足地に行ったことは間違いありません」

ディノバルド「しかし三月もしないうちに解放されてしまった……」

リオレウス「………」

ミツネ「一体誰が……」

ディノバルド「セルレギオスです」

ガムート「ええ……!!」

ティガ「アイツかよ!!」

リオレウス「なんてことだ……」

ディノバルド「セルレギオスは、校長室や学校の地下にあるあらゆる資料を使って禁足地の位置を探って忍び込み、あの二人を解放した」

ディノバルド「目的は……そうだな、世界征服といったところか」

ラギア「はァ?バッカじゃねーの」

387: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:40:25 ID:Old
ディノバルド「ああ、バカだ。しかし奴は大真面目だった。なにが原因でそこまで歪んでしまったのかは俺は知らないが……」

ディノバルド「まあ大方……無理矢理入学させられて、学校理念の『理性』を学ばされたことが気に食わなかったんだろう」


”塔学校の設立から1000年。我々の師は『理性』の美学を理念として掲げてきました”
”本能のまま、ひたすらに欲求を満たすことを目的とした生き方は恥であり醜いのです”


シャガル「(アマツ先生……)」

ディノバルド「とにかく、文字通りに世界の全てを食い荒らしてブチ壊そうと企んでたわけだ」

ティガ「解放した時に、よく食われなかったよな?」

ディノバルド「あぁ……すぐには解放しなかったからだ」

ディノバルド「口輪だけ外して……食い物を与えて、その後に協定を結んでから解放した」

ミツネ「……へぇー。『メシ食わせてるんだから一緒に世界をブチ壊そうぜ』って感じ?」

ディノバルド「その通りだ」

388: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:41:12 ID:Old
ガムート「でもさ……三ヶ月で解放されたなら、もっと早くに被害が出ていたはずだよね?あちこちで食い荒らされた死骸が見つかるようになったのは、最近じゃない?」

ディノバルド「完全に力を付けるまでに禁足地からはしばらく出られなかった。俺とセルレギオスが禁足地まであいつらの餌を調達して食わせてたんだ」

ライゼクス「わざわざ、禁足地までねェ……」

ディノバルド「二人から、しょっちゅう憂さ晴らしで暴力を振るわれて……俺もセルレギオスも、正直ビビってた」

リオレウス「なぜお前はあいつらと関わったんだ?俺はそれを一番知りたい」

ディノバルド「……はい。俺の父親は……イビルジョーによって捕食されたので……」

ディノバルド「仇討ちのタイミングを見計らうべく、一番近い存在でいようと思って」

ディノバルド「……あいつらが追放になったあとに知ったんです。俺の父親を食ったのはイビルジョーだと……」

リオレウス「……そうか……そんな危険なことをして……!」

389: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:42:14 ID:Old
ディノバルド「その時ちょうどセルレギオスから、あの二人の解放を聞きました」



”ディノ君ってさ~、いつも一人だよね”
”何かにムカついてる感じだしさ”

”ねぇ、殺したいくらいムカつく奴って、いたりする?”
”だったらさ……仲間にならない?”



ディノバルド「なんだか知らないけど、俺はあいつらに気に入られたんだ。一緒に世界をブチ壊そうと言われて……」

ディノバルド「本心ではなかったが……あいつらの世界征服計画に加担していた」

シャガル「なぜ、もっと早くに仇討ちをしなかった?」

ディノバルド「毒の蓄積を待っていたんです。真っ向から勝負したのではマトモに勝てやしない……猛毒状態にすれば、少しでもあいつらの命を削ることができると思って」

ディノバルド「あいつらに運んでいた餌にほんの微量の毒を混ぜ続けて……やっと、今日です。規定の量になったのは」

ディノバルド「まぁ……あんまり意味なかったけど」

390: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:44:45 ID:Old
クシャル「イビルジョーとラージャンがオストガロアと繋がっていたのも、世界征服とかいうガキの妄想のためか?」

ディノバルド「ああ。イビルジョーとラージャンがオストガロアの存在を知ったきっかけもまた……セルレギオスだ」

一同「?!」

ディノバルド「セルレギオスはイビルジョーとラージャンを解放する前にオストガロアの存在を教え、世界征服に奴の力を使おうとした」


”僕を食べたいって?食べちゃったら、損ですよ”
”いい情報……!『大先輩』のこと、知りたいですよね”
”その存在は、もはや兵器だ!”


ディノバルド「竜ノ墓場の場所を探ることに時間がかかってしまい、場所がわかっても実際にオストガロアと接触できたのは最近なんだ」

ディノバルド「接触していたのはイビルジョーとラージャンだけだが……」

ディノバルド「オストガロアと接触するまで、学校に二人の解放がバレることを避けて、あまり派手に食い荒らさなかったというのもある」

リオレウス「……学校にイビルジョーだけが襲撃してきたのは何故だ?」


”俺たちに理性なんていらねェだろ?”
”みーんな食っちまえばさァ……”
”怪物は結局怪物なんだぜ”


ディノバルド「……元々、学校の関係者を捕食したがっていた。……復讐だ。俺ももちろん、学校関係者を連れて来いと散々言われていたから……わざわざ赴いたんだと思います」

ディノバルド「……オストガロアとの繋がりを示唆し、宣戦布告するため、という理由のほうが大きいかも」

391: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:45:30 ID:Old
ガムート「竜ノ墓場にクシャル君とキリンちゃんを誘き出したのは、どうして?」

ディノバルド「ラージャンがキリンの蒼角を狙っていたのは、奴の雷属性の力を増幅させるためだ。激昂どころでは済まないほど、強大な力をつけられる」

ラギア「つまり……精力付けにキリンちゃんの角食って、オストガロア大先輩と世界を壊してやるぜ!っていうハラだったのか」

ディノバルド「……そういうことだな」

キリン「…………」

ラギア「っっっかーーー!!!許せねーーラージャン!!ぶっ殺す!!!」

ティガ「もう死んでっから」

ラギア「そうだった!!でももう一回殺してーっ!!」

クシャル「俺を誘き出したのは、一年前のように阻止される前に殺しておこうと思ったからなんだな」

ディノバルド「オストガロアの餌にでもする気だったんだろう。自分たちが餌になるとは思いもせずに」

一同「………………」

392: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:46:23 ID:Old
ディノバルド「……すまなかった。指示されたこととは言え、誘き出したのはこの俺だ。謝って済む問題ではないが……本当に、申し訳なかった」

クシャル「…………」

キリン「……うん……でも、ラギア君たちが来てくれたし、生きてるから……いいよ……」

クシャル「……キリンがそういうなら俺も許そう」

クシャル「許し難いことをしたがな」

ディノバルド「……面目無い」

ディノバルド「しかしラギアクルス達が来るとは思わなかった。誰も予測できなかったが」

キリン「それは……」

ラギア「仲良しだからな、俺たちは」

ディノバルド「………そうか……」

ディノバルド「みんな……先生たちも、本当に申し訳なかった。再度詫びる。申し訳なかった……!」

一同「…………」

シャガル「生徒が全員無事だったのだから、良しとするか」

シャガル「セルレギオスの補食は、なんとも言葉に詰まるが……」

ディノバルド「…………はい」

ラギア「……まぁさ、一件落着って感じ?」

ティガ「メシでも食おうぜー疲れたよな!!!!」

393: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:47:54 ID:Old
------数時間後・夜、同場所------





冥ラギア「……ぐ~、ぐ~……zzz」

ガムート「zzz……」

クシャル「…………すーーっ……zzz」



ティガ「……なーんかさぁー、結局俺らって何だったのかな」もぐもぐ

ディノバルド「…………」

ライゼクス「あぁ……なにもできなかったよな」



白ラギア「……zzz……」ぎゅうう

ミツネ「うう……苦しい……zzz」



ラギア「イビルジョーもラージャンも、俺らでは倒せなかった」

ディノバルド「(本当は俺の手で殺したかったのに……)」

ライゼクス「オストガロアにやられちまったしな」

ティガ「あのままオストガロアが来なかったら、俺らで倒せてたのかな」もぐもぐ

ラギア「倒せてた……と思いてェ……」

394: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:49:21 ID:Old
リオレウス「zzz~~zzz~~」

シャガル「……zzz」



ライゼクス「つーかティガ、俺オマエの親父さんの話、よくわかんないんだけど」

ラギア「イビルジョーに食われちまったのか?結局のところ」

ティガ「あ?多分食われてねぇと思うよ」ホジホジ

ラギア「は?!」

ティガ「俺んち、親父だけじゃなくお袋も死んでんだけど」

ティガ「二人ともなんで死んだかよくわかってねぇ」

ライゼクス「???じゃあなんで、イビルジョーにあんな風に詰め寄ったんだよ」

ティガ「……や……そうだったらいいなって……願望?」

ディノバルド「……イビルジョーに補食されていればいいということなのか?」

ティガ「あーいや。それはちょっと、ヘイ……?ゴハイ?がある」

ライゼクス「語弊、な」

ティガ「なんで死んじまったのか、ずっとわかってねェ。これから先も、きっとわかんねぇ」

ティガ「だからせめて……イビルジョーに食われた、ってわかってればいいな~っつーさ……」

ラギア「よくわかんねーよ」

395: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:50:34 ID:Old
ティガ「こう言っちゃなんだがよ、ディノバルド」

ディノバルド「?」

ティガ「お前の親父が死んだっつーのは、そりゃ悲しいことだけどよ」

ティガ「死んだ原因が分かってるだけ、マシだと思うぜ」

ディノバルド「……」

ディノバルド「……そうか、そういう考え方も、あるんだな」

ティガ「ッハ~つーかオストガロアも、先生たちに来てもらえなかったらどうなってたろうな」がつがつ

ライゼクス「あれはムリだろ……こえーもん……」

ラギア「結局、大騒ぎして……俺たちは自分たちでトドメもさせなかった」

ディノバルド「………不甲斐ない……」

ラギア「(水中からみんなを送るってのも、冥ちゃんに助けてもらわなかったら……)」

ラギア「なにができるんだろうなぁ……俺たちには」


キリン「……あのね」

ラギア「!! びっくりした、起きてたんだ……」

396: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:51:30 ID:Old
キリン「うん、あのねラギア君……ラギア君たちが来てくれなかったら、きっと私もクシャル君も死んでたんだよ」

ラギア「キリンちゃん……」

キリン「……ありがとう。クシャル君が危ないって聞いて、きっとまた……私の所為だって思って、古代林に向かって竜ノ墓場に行っちゃったけど」

ディノバルド「…………」

キリン「途中でラギア君からの矢文を受け取って……もしかしたら、ラギア君が来てくれるかもしれない、って思ったんだ」

ライゼクス「…………」

キリン「嬉しかった。私のために来てくれて……」

ラギア「………うん。当たり前だよ、キリンちゃんが危ないって思ったから」

キリン「ありがとう。ラギア君は、私のヒーローだよ……」

キリン「みんなも来てくれて、びっくりした」

ラギア「………うん………」

キリン「………おやすみ、寝るね」

ラギア「おやすみ……」ドキドキ



ティガ&ライゼクス「(ひそっ)うおおおお……」

397: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:53:27 ID:Old
------一ヶ月後、未知の樹海(結婚式場)------






神父アイルー「健やかなるときも、病めるときも……」

神父アイルー「喜びのときも、悲しみのときも」

神父アイルー「富めるときも、貧しいときも」

神父アイルー「これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け」

神父アイルー「その命ある限り、真心を尽くすことを誓いますニャ?」

冥ラギア「はい、誓います」

神父アイルー「ティガレックス希少種さん、あなたはこの男性を……」



ティガ「あーーマジで結婚してる。マーージーーでーー結婚してる」

黒ティガ「誓っちゃってるもんなーー」

白ラギア「ううう……お兄ちゃん……かっこいい……」

ラギア「わー泣ける!なんか知らんけど泣ける!」

398: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:54:21 ID:Old
ガムート「なんか私まで結婚式に来ちゃっていいのかな……」

ミツネ「いいんじゃない?なんやかんやでみんな来てるよ。ティガ君たちの友達の友達の友達くらいまで」

ライゼクス「そうだぜー飛竜亜種科とか、魚海竜科の奴らも結構いるし」

ジンオウガ「俺たちもいるしね~」

ブラキ「そーそー」

ガムート「………ディノ君は結局、学校辞めちゃったね」

ミツネ「うん、そうだね。……アマツ先生と、セルレギオス君の葬儀には来てたけどね」

ガムート「どうしてるかな?」

ミツネ「……んーまあ結構、元気にやってると思うよ」

399: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:55:21 ID:Old
------------


わーーーー……わーーーー……おめでとうーーおめでとうーー……


ティガ「食らえトルネードライスシャワー!」ザラザラーッ

黒ティガ「アホか!」パシッ

ラギア「おめでとー冥ちゃん!」ザラーッ



大ティガ「ありがとうーーありがとうーー」

冥ラギア「はっはっは、みんなありがとう~」



ミツネ「……冥ラギアさんの蝶ネクタイは僕がデザインしたんだよ」

ガムート「えっ!ミツネっち、もしかしてまだ……」

ミツネ「いや?もう吹っ切れたよ。今は白ラギアさんのことを中心に生きてるよ」

ガムート「そっか……良かったね?」

ミツネ「うん。マトモに会話すると結構楽しい子でね」

400: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:56:32 ID:Old
大ティガ「ブーケトス!行くよー!!」


きゃー……きゃー……


ミツネ「ガムちゃん、行きなよ!」ドンッ

ガムート「えっ、え!!」


ポーーーーーン……

バシッ


ティガ「………」

一同「………」

ティガ「……ブーケ、ゲットだぜ!!」


ブーー!ブーーー!!
フザケんじゃないわよー……サイアクー……
ブーーーーッ!!!


ミツネ「あららぁまさかの彼がね……」

ライゼクス「ぎゃーーーっはっはっはっ!バカだ!!!」

ラギア「男のクセにwwwバカ過ぎるwwwwww」

キリン「あははっ」

401: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:57:45 ID:Old
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ライゼクス「どのメシも美味い?」

桜レイア「クスクス、今日トサカ決まってる?」

ライゼクス「きゃっ?」



白ラギア「ブーケ取りたかった~……」

ミツネ「……今度僕があげるよ……」



ガムート「…………」

ティガ「………ガムート」

ガムート「あっ!……てぃ、ティガ……君」

ティガ「今日、ありがとうな。来てくれて」

ガムート「ううん、私こそ呼んでもらってありがとう……」

ティガ「…………」

ガムート「…………」

ティガ「……これさ、頭に付けてたら?」スッ

ガムート「……えっ、これブーケのお花……」

ティガ「おう」

ガムート「わ、私……こんな女の子っぽいの似合わないよ……体大きいし……」

ティガ「………いや?」

ティガ「………女はでけぇ方が、可愛いよ」

ガムート「え…………//」

ティガ「……………//」ボッ

402: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:58:54 ID:Old
ラギア&キリン「コレ美味しそ……」

ラギア&キリン「!!!!///」パッ

ラギア「ご、ゴメン……近くて……//」ドキドキ

キリン「ううん……//」ドキドキ

ラギア「(ど……どーーしよう)」

ラギア「(あれから特に進展もないし……)」

ラギア「(何回か遊んだり、一緒に帰ったけど……)」

ラギア「あのキリンちゃん……俺ね、この間も言ったけど」ドキドキ

キリン「うん……あの、大丈夫……」ドキドキ

ラギア「???」ドキドキ

キリン「私から……言う……//」ドキドキ

ラギア「……え……」ドキドキ

キリン「……ラギア君のこと、大好き……//」ドキドキ

ラギア「……エエエエェェェェェエエーーーーーーッッ!!!!!///」ボボッ

403: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)22:59:48 ID:Old
クシャル「………ふーーっ」

オオナズチ「クシャル君~、失恋だね?」もぐもぐ

クシャル「………フッ」

クシャル「新しく彼女作ろうかな……」

オオナズチ「いいね~ボクなんかどう?」ニコニコ

クシャル「え……いや、悪いけど俺は男には興味なくて……」

オオナズチ「やだなぁ~クシャル君たら、ボクのこと男だと思ってるの?!」

クシャル「……えっ?!」

オオナズチ「ボク、女の子だよ!」ニコニコ

クシャル「ええええーーーーー?!」

404: ◆nQHPNRFeQI 2017/01/27(金)23:00:59 ID:Old
ジンオウガ「みんな~写真撮るってーー!!」

ティガ「うおーイケメンに撮ってくれ!」

ライゼクス「桜ちん、おいで?」

ミツネ「ガムちゃん、写真だってー!」

ガムート「はーいっ」

大ティガ「うふふ……」

冥ラギア「楽しいね~~」

白ラギア「お兄ちゃんの隣がいい~」

ラギア「キリンちゃん、写真うつろ!」

キリン「うんっ!」


カメラアイルー「はいっ、撮るニャーー笑ってニャーー!!!!」


一同「にーーーー!!!」


カシャッ




------------完------------

引用元: リオレウス「おーいチャイム鳴ったぞー」ガラッ