1: 名無しで叶える物語(dion軍)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 21:52:59.45 ID:zVPDDSgz.net
善子「………」ムクリ

ゴンッ

善子「痛っ」

狭い……ぴったり私が入るくらい?…

ズキッ

善子「ぐっ……」

頭が痛い…どうしてこんなところに…

6: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 21:57:15.84 ID:zVPDDSgz.net
プシュッ

善子「……開いた…」

薄暗い部屋…どうしてこんなところに…思い出せない…

ゴンッ

「あいたっ」

善子「!?」

7: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:00:50.93 ID:zVPDDSgz.net
「ぴぎっ」

善子「ルビィ!」

ルビィ「善子ちゃん!」

善子「良かったわ」

ルビィ「それよりここは」

善子「ルビィはここに来る前のこと覚えてる?」

ルビィ「うぅ…ごめんね…ルビィ思い出せないよぉ…」

善子「ルビィも……」

9: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:06:01.80 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「どうしてこんなところに…」

善子「わからないわ……とにかく…薄暗くて気味が悪いから…外に出るわよ」

ルビィ「うん…」

善子「いつまで覚えてる…?…」

ルビィ「えっとぉ……」

善子「なんにも覚えてないの?!」

ルビィ「あのねぇ…善子ちゃんと…お洋服を買いにいって…」

善子「そうだわ!そう、そのあと……」

ルビィ「そのあとのことは覚えてないよ」

12: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:10:17.98 ID:zVPDDSgz.net
善子「……病院……なのかしら…?ベッドがある部屋がたくさん…それに窓がないわ」

ルビィ「…地下ってこと?」

善子「たぶん…それに…私たちが入ってたのって…」

ルビィ「ぴぎっ…もしかして…」

善子「霊安室……」

ルビィ「ぴぎゃあ!じゃあルビィたち…死んじゃったの!?」

善子「だだ大丈夫よ生きてるでしょ!!」

13: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:14:15.48 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「あっ階段だよ」👉

善子「良かったぁ…やっぱり地下だったのね」

ルビィ「早く出ようよ!」

善子「当たり前よ♪」

トットコトットコ

14: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:20:22.13 ID:zVPDDSgz.net
コツコツコツ

善子「長いわね…」

ルビィ「うゅ…地下何階だったんだろう…疲れたよぉ」

善子「それに埃っぽいわ…」

ルビィ「ほんとに病院なのかなぁ…すっごい汚いよ」

善子「そうね…」

ルビィ「あっ…明かりが見えてきたよ!」

善子「はぁ…やっと一階?」

17: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:28:48.02 ID:zVPDDSgz.net
ヒュオォォォォォ

善子「…………」

ルビィ「ふぇ……」

善子「そ……外?」

階段がそのまま出口だったの?…それより…

ルビィ「なんにもない…」

何もない…そのまんまの意味で…そりゃもちろん土はあるけど……

善子「うーん…ここは……そう採掘場よ!土を掘って宝石を探してるのよ!ほら!ここ穴みたいになってるでしょ?」

ルビィ「ほんとだぁ…ここだけへこんでるみたい…」

善子「とにかく!この坂を上れば何かあるはずよ!」

18: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:32:11.11 ID:zVPDDSgz.net
ザッザッザ

ルビィ「急だねぇ」

善子「きついわね…」

ルビィ「うえっ…土汚いなぁ」

善子「我慢しなさい…もうすぐよ」

おかしいのはわかってる…採掘場に病院なんてあるわけないじゃない…
じゃあここはどこなの…

19: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:38:28.64 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ぴぎ……そんな…」プルプル

善子「こ……こんな……」

……建物は薙ぎ倒されて…ビルは傾いて……灰色の石塊が散らかってる…

善子「こんなの…」

ルビィ「教科書で見たよ…こんな町…」

善子「…広島…」

ルビィ「あっ、はだしのゲンだった」

22: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:50:16.27 ID:zVPDDSgz.net
善子「な…なんで…」

ルビィ「えっとぉ…じゃあルビィたちは…マンガになったの?」

善子「違うでしょ……」

ルビィ「え、じゃあ」

善子「わからない…」

ルビィ「そんなぁ……」

ルビィ「うっ…おねえちゃん…」ポロポロ

善子「………とにかく…人を探しましょう…何か…情報を」

ルビィ「うえっ……いたらいいね…」ポロポロ

善子「そんなこと言わないでよ…」

23: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 22:54:25.81 ID:zVPDDSgz.net
ザッザッ

善子「………」

ルビィ「お腹すいたよぉ…」グゥ

善子「………」グゥ

ルビィ「善子ちゃんも?」

善子「そうね…喉も乾いたわ」

ルビィ「うゆぅ…誰かぁ…いませんかぁ…ルビィですよぉ?」

善子「誰かぁ……」

26: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:08:14.56 ID:zVPDDSgz.net
善子「うぅ…」

ルビィ「だれかぁ…」

歩いても歩いても瓦礫…本当に人いないんじゃ…

ルビィ「うゆ…みんなは…どうなっちゃったのかなぁ…」

善子「……きっと…大丈夫よ…」

ルビィ「だよね…」

善子「みて…あそこ…煙みたいなの出てない?」

ルビィ「ほんとだ!!じゃあ…」

善子「人がいるわ!!」

27: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:13:02.92 ID:zVPDDSgz.net
善子「あれ…テントよ」

ルビィ「テント!キャンプだよ!」

善子「すみませーん!!」

ルビィ「だれかぁ!」

バサッ

善子「…………誰も……いない…」

ルビィ「そ…そんなぁ…」

善子「……でも…火がついてる…誰か人がいたのよ…ここで待つわよ…」

ルビィ「ちょっと迷惑かな?」

善子「仕方ないわよ…きっと戻ってくるわ…」

ルビィ「うん…」

28: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:17:17.21 ID:zVPDDSgz.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

ルビィ「……ふぇ……えへへ」zzz

善子「…………」スヤスヤ

「起きてください」

ルビィ「へへ…まだ早いよぉ…」スヤスヤ

「起きなさい…ルビィ…善子さん」

善子「…ぁ…わたしはヨハネよぉ」ウトウト

「起きてください!!」

ルビィ「ぴぎゃっ!!」

善子「はっ!?!!??」

31: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:21:47.44 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ぴぎゃあ!オバケ!!!」

善子「ひいっ!妖怪!!」

「落ち着いてください!!」

善子「落ち着けるわけないでしょ!!目が覚めたら目の前に包帯グルグルのミイラがぁ!!!」

ルビィ「あくりょうたいさん!!あくりょうたいさん!!」

善子「って……この声…あんたダ

「ふんっ!」バキッ

善子「ごほっ…何すんのよぉ!!」

「私はダ………名も無き旅人ですわ…」

ルビィ「名も無き旅人?」

名も無き旅人「そうです」

32: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:25:39.03 ID:zVPDDSgz.net
善子「じゃあ名も無き旅人!あんたはなんで私たちの名前を知ってるのよ!!」

名も無き旅人「あっ……それは…」

ルビィ「この声…おねえ

名も無き旅人「知っています!!あなたたちは有名です!」

善子「なんで?」

名も無き旅人「とにかく…有名ですよ」

ルビィ「おねえ

善子「あっそ……ねえ名旅」

名も無き旅人「略さないでください!!」

ルビィ「あっはっは、名旅さんだね」

善子「これはどういうことなのよ!!」

33: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:28:12.94 ID:zVPDDSgz.net
名旅「これとは?」

善子「全部よ!!この町もぜーんぶ!!」

名旅「はて…どこから話せば…」

ルビィ「ここははだしのゲンなの?」

名旅「いいえ、現実ですよ」

ルビィ「ぴぎ!?そんなぁ!!」

名旅「この町は…沼津ですよ」

善子「えっ!?」

名旅「もっとも…今は立ち入り禁止の汚染区域なので名前はありませんが…」

34: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:32:47.50 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「う…」ガクガク

善子「ルビィ…」

ルビィ「うぇ……みんなは…おねえちゃんは…まるちゃんは…どこに…」プルプル

名旅「……皆…わかりません…私はここに残っていますが…鞠莉さんは…昨年亡くなってしまいました…私ももう長くはありません…」

善子「……」

ダイヤでしょ?…空気を読んだ方がいいの?…知らないふりした方がいいのかしら?

ルビィ「ずいぶん詳しいんですね、ルビィのおともだちまで知ってるなんて…」

名旅「あわっ!?ははそうですね」アタフタ

善子「………」

35: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:38:25.56 ID:zVPDDSgz.net
名旅「!……そろそろ危険です…雨が降ります…地下へ」

ルビィ「地下?」

名旅「黒い雨に触れたら危ないので地下に逃げるのですよ」

善子「地下なんて…」

名旅「ここですよ」

ガラガラ

善子「おっ……秘密基地みたいね…」

名旅「さあ急いで…」

36: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:41:45.76 ID:zVPDDSgz.net
善子「……ここは…スーパー?」

名旅「そうです…かつてスーパーだったところに住まわせてもらっています」

ルビィ「黒い雨って…」グゥー

名旅「………ここはスーパーです…缶詰めがたくさんあります…話は食べてからにしましょう」

善子「あるのね!」

名旅「ええ、シーチキンとコーンがたっぷりありますよ」

シーチキンペリペリ

ルビィ「うわぁぁぁ✨」

名旅「どうぞ」

善子「いただきますっ」

ルビィ「いただきまーす!」

37: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:49:24.46 ID:zVPDDSgz.net
ルビィ「ふぇ…おいしぃ…」モグモグ

善子「空腹に沁みるわぁ…ツナがこんなに美味しく感じるなんて…」

ルビィ「とうもろこしあまぁい…」トローン

名旅「ふふふ、おかわりもありますよ」

ルビィ「ありがとうおばさん」

名旅「…………」

善子「で……何?黒い雨って」

名旅「黒い雨は…汚染された雨です」

ルビィ「汚いんだね」

善子「浴びたらどうなるの?」

名旅「……病気になったり…皮膚がただれてしまったり…とにかく浴びれば寿命が縮みますよ」

ルビィ「ぴぎ……」

善子「なんでそんなものがここに降ってるのよ!!」

名旅「………ここだけではありませんよ…世界中に…降り注いでいます…」

善子「な………」

38: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:55:10.28 ID:zVPDDSgz.net
名旅「5年前の大戦で…世界は大きく変わったのです…」

善子「た……大戦?!」

ルビィ「うゆ…やっぱりはだしのゲン?」

名旅「ほとんどの地域は……ここ沼津と同じように人の住める環境ではなくなってしまいました」

善子「じゃ……じゃあ……」

ルビィ「人類は…」

名旅「滅びてはいませんよ…現在世界各地にドーム型のコロニーがあり…そこに多くの人類が暮らしています…」

善子「な…なにそれ……アニメじゃないんだから…」

ルビィ「あなたは……おばさんは何をしてるんですか?………こんなところで……」

40: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/04(水) 23:59:07.72 ID:zVPDDSgz.net
名旅「ある人たちが目覚めるのを…ずっと待っていました……もう私は長くないので…ここで…その方たちにもう一度会いたいと思って…」

善子「……………」

ルビィ「会えたの?その人たちに」

名旅「ええ、とっても安心しましたよ」

ルビィ「よかったねぇ」ニコニコ

善子「……それで……もっと詳しく教えて……」

名旅「わかりました…」

42: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:08:19.94 ID:dI1y71iP.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━

善子「…………」

ルビィ「…………」

名も無き旅人━おそらく、間違いなくダイヤは私たちに教えてくれた……

この時代のこと…戦争の原因となった軌道エレベーター直結タイムマシン…

コロニー計画……知っている限りのみんなの話…

そして……

名旅「あなたたちの…話をしましょう」

ルビィ「……ルビィたちは…病院みたいなところで目が覚めて…」

善子「……どうして…そんなところにいたのか……ってこと?」

44: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:13:39.40 ID:dI1y71iP.net
名旅「あなたたちは…人工冬眠は知っていますか?」

善子「……まあ…映画とかで…」

ルビィ「くまさんが冬にするんだよね 」

名旅「覚えて……いませんね…」

善子「そうよ!戦争なんて…忘れるわけないわ!」

名旅「あなたたちは…本来あと20年人工冬眠をする予定でした…その予定が崩れて強引に目を覚ましたため記憶障害が起きているのです」

ルビィ「ほぇ…きおくしょーがい?」

善子「そ…そんな…どうして!!」

名旅「あなたたちは…自らの意思で…人工冬眠をしたのですよ」

ルビィ「ルビィが?」

45: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:20:58.94 ID:dI1y71iP.net
名旅「そうです…」

善子「な……なんで」

名旅「この世界を…変えるために」

善子「この世界を」

ルビィ「変える?」

名旅「あなたたちは…たまたま被爆を免れました…私や…果南さん…鞠莉さんは命は助かったものの…放射能でいつまで生きられるかわかりませんでした」

ルビィ「果南ちゃんも鞠莉ちゃんも…」

名旅「千歌さんたちも行方不明……コロニーは入場規制で入れず…そんなとき…善子さん…あなたが言ったのです」

善子「私が……」

名旅「私がやると……私がこの世界を元に戻すと…」

ルビィ「そんな…どうやって」

善子「軌道エレベーター直結タイムマシン……」

47: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:26:45.95 ID:dI1y71iP.net
名旅「そうです…汚染が弱まった時代に目を覚まして…完成したタイムマシンで過去に戻って……移動するワームホールの座標データを削除すれば…」

善子「………なるほど」

ルビィ「ルビィは?」

名旅「私は止めたのですが…善子さんと一緒に行くといって…」

善子「じゃあ…」

名旅「そうです…お願いがあります…あなたたち二人で…日本コロニーの軌道エレベーターから過去に飛んでほしいのです」

50: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:34:57.02 ID:dI1y71iP.net
善子「…やるしかないわね」

ルビィ「そうしたらおうちに帰れる?」

名旅「きっと帰れますよ」

善子「決まりね…」

名旅「………とりあえず今日はゆっくり休みましょう…あのクレーターからここまでかなり距離があります、とても疲れているでしょう」

ルビィ「待って」

善子「?どうしたの?」

ルビィ「おばさん…顔の包帯……取ってもらっていい?」

名旅「えっ!?」

52: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:40:16.09 ID:dI1y71iP.net
名旅「わ……私…被爆で顔の皮膚がぼろぼろなのです…気分を悪くしますよ」

ルビィ「………そっか…ごめんね」

善子「………」

名旅「それでは…おやすみなさい」

ルビィ「うん、おやすみ」

善子「……」ホッ

ダイヤ……よね?包帯で顔を隠すのは…ダイヤだってバレたくないから?それとも本当に皮膚の……

ルビィ「ふぇ……おねぃちゃ……」スヤスヤ

善子「………ねえ……ねえダイヤ」コソコソ

名旅「!!ダイヤ?そんな人はいませんよ」

善子「……気づかないわけないでしょ!」

名旅「そうですか……ルビィが寝ています…もう雨はやんでいるのでそとで話しましょう」

善子「わかったわ…」

55: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 00:55:13.03 ID:dI1y71iP.net
…………………………

善子「………」

ダイヤ「汚い空でしょう?」

善子「そうね……」

ダイヤ「前に星を見たのはいつだったか…思い出せません…」

善子「…………ねぇ」

ダイヤ「?」

善子「包帯……取ってよ…」

ダイヤ「気づいていますよね……構いませんよ……」ハラハラ

善子「っ…………」

皮膚は剥がれ落ちてぼろぼろになった顔…毛はほとんど抜け落ちた頭…茶色い包帯…
翡翠色の瞳だけが綺麗…

ダイヤ「言ったでしょう…気分を悪くしますよと」

善子「ごめん…」

ダイヤ「……こんな顔を…ルビィには見せられません…」

善子「……そうね」

ダイヤ「善子さん……」

善子「?」

ダイヤ「………いえ……ルビィには何も言わないでくださいね」

善子「わかったわ」

56: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:05:36.99 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「25年…それだけ経てば…ある程度復興は済んでいると踏んで…あなたたちは人工冬眠に入りました……その後…ロシアからの最後の核攻撃、狙いは第二首都箱根…しかし大きくずれて……ちょうどあなたたちが眠っていた施設に落ちました」

善子「それが…あの坂…」

ダイヤ「私は…それで諦めていました…あなたたちは死んでしまったのだと…」

善子「……」

ダイヤ「しかし、施設は爆発の威力で地下に沈んでいたようです…」

善子「沈んだ!?じゃあ…私屋上から出てきたの!?」

ダイヤ「そういうことになりますね……元々シェルターだったのでしょう、それに加えて大地が柔らかかったのでしょう……とにかく…運が良かったのですよ」

善子「………」

57: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:11:43.00 ID:dI1y71iP.net
善子「25年って…」

ダイヤ「そうです…25年も経ってはいませんよ」

善子「……なんで…」

ダイヤ「……き……機械の故障でしょう…人工冬眠カプセルの」

善子「それに…25年経ってないけど…軌道エレベーターのタイムマシンは完成してるの?」

ダイヤ「し…していますよ…」

善子「………何か知ってるの?……話してよ」

ダイヤ「………すみません…話せないのです」

善子「なんで」

ダイヤ「約束ですよ…ある人との…」

善子「………………はぁ…わかったわ…聞かない…」

ダイヤ「ありがとうございます」

善子「まあ…もう寝るわよ…地下に戻りましょう」

ダイヤ「はい………善子さん…」

善子「なに?」

ダイヤ「本当に……ありがとうございます」

善子「?……どういたしまして…」

60: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:20:54.08 ID:dI1y71iP.net
ルビィ「えへへぇ…おねぃちゃん…」スヤスヤ

善子「……………おやすみ」

夢だったりしないかしら…だって目が覚めたら世界が瓦礫の山になってたなんて…信じられない

これが現実かどうかは…寝たらわかるわよね

夢だったらいいわね…目が覚めたらみんなを誘ってカラオケにでもいこうかしら……

61: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 01:28:25.15 ID:dI1y71iP.net
善子「…………」

ルビィ「おはよー!善子ちゃん!!」

善子「んぅ………ヨハネと呼びなさい……」ウトウト

ルビィ「朝ごはんははごろもフーズだよ!!まぐろフレーク!!」

善子「……」

夢じゃない……やっぱり……ここが現実…

善子「おはよ……」

ダイヤ「あら起きましたか、おはようございます」

ルビィ「コーンもおいしいよ!」

善子「…………」モグモグ

ルビィ「おねえちゃん今日はなにするの?」

ダイヤ「おね!?」

ルビィ「間違えちゃった…おばさんおねえちゃんに似てるんだもん…」

善子「…」ホッ

ダイヤ「き…今日は東京コロニーまでのルート確認とそこからの詳しいお話をしますよ」

77: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 22:56:52.50 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「私が大事にしておいた車がありますからね、それで17ゲートにつれていきますよ」

ルビィ「おばさん車持ってるんだぁ」

ダイヤ「ええ、ガソリンもバッチリですわ」

善子「着いたらどうするの?」

ダイヤ「私はコロニーに入ることができません…なのであなたたち二人でなんとか…」

ルビィ「ええ…おばさんは一緒に来れないのぉ?」

ダイヤ「そうなのです…」

78: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:03:20.70 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「私は一度コロニー入場抽選をされたときにデータを取られてしまったのでもう入ることはできません…」

善子「……じゃあ私たちは」

ダイヤ「あなたたちのデータはありません…人工冬眠していましたからね」

ルビィ「ほぇ~」

ダイヤ「なので侵入さえすれば…」

善子「なるほどね、それで私たちにしかできないってわけ」

ダイヤ「そういうことです」

ルビィ「ルビィは選ばれし者なんだね」

善子「それ今私が言おうと思ってたのよ」

79: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:11:00.49 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「コロニーに入ったら一番高い建物である軌道エレベーターを目指してくださいね」

善子「そんな…目指してすぐ乗れるものなの?」

ダイヤ「まあ…なんとかなるらしいですわ」

ルビィ「?」

ダイヤ「と…とにかく一番高い建物を目指せばよいのです!」

善子「なんか雑ね…」

ルビィ「そのほうがわかりやすいよ」

善子「ま…まあそうだけど…」

80: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:15:56.04 ID:dI1y71iP.net
ダイヤ「出発は明日です!」

ルビィ「ええっ!?まだ準備がぁ」

善子「といっても…なにもする事ないわよ…私たちは何も持ってないし…車もダ…名旅さんのだし」

ルビィ「……そうだね…じゃあ何かして遊ぼっか?」

ダイヤ「今は外が晴れています…散歩にでもいってきて大丈夫ですよ」

善子「散歩ね」

ダイヤ「雲が出てきたらすぐここに戻るのですよ!!!」

ルビィ「はあい!!」

善子「了解よ」

81: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:23:02.46 ID:dI1y71iP.net
善子「はぁ…瓦礫ね…」

ルビィ「うゅ…つまんないねぇ…本当におばさん以外人はいないのかな…ここには」

善子「そうねぇ…というか…瓦礫の撤去とかしないのかしら…」

ルビィ「ルビィのおうちはどこだったかなぁ…」

善子「…あっちは海かしら」

ルビィ「海…行ってみよっか」

82: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:38:02.18 ID:dI1y71iP.net
善子「…………」

ルビィ「これが…海?」

善子「そう……みたいね…」

ルビィ「ルビィこんなの知らないよ…海は青いもん」

善子「これじゃドブよ…」

ルビィ「これじゃ遊べないよぉ…」

善子「……また…ここに来るわよ」

ルビィ「?」

善子「私たちが元に戻すの。次来たときは青い海なんだから」

ルビィ「そっか…そうだよね…そのために来たんだもんね」

善子「…とにかく…明日よ」

ルビィ「うん!」

83: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/05(木) 23:53:32.63 ID:dI1y71iP.net
善子「………」

ルビィ「どうかしたの?」

善子「いや…なんでもないわ」

ルビィ「そっか…じゃあ戻ろ?」

善子「うん」

どうも物事が進むのが早いような気がするのよね…
ダイヤが準備してたとは言え…
ダイヤは何を知っているのかしら…
とある人との約束…聞かないとは言ったけどやっぱり気になる…

84: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 00:26:53.31 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「ただいまー」

ダイヤ「あら、お帰りなさいルビィに善子さん」

善子「外はまだまだ晴れてたわよ」

ダイヤ「そうですか」

ルビィ「海すっごく汚くなってるんだねぇ…」

ダイヤ「ここ周辺は特に海の汚染がひどいですからね」

善子「海…放射能…ゴジラでも出てきそうね」

ダイヤ「あら、懐かしいですね」

ルビィ「ゴジラなら知ってるよ、ハム太郎の映画のおまけだね」

85: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 00:35:14.19 ID:kQHKyHyZ.net
善子「……歩いたからお腹空いたわ」

ルビィ「うん!ごはんにしようよ」

ダイヤ「今日はとっておきを出しますよ………桃缶ですわ!!さらにみかんにパイナップルも!!」

ルビィ「わあ!!フルーツいっぱいだぁ!!」

ダイヤ「明日に備えておいしいものを食べましょう!」

ルビィ「やったぁ!」

善子「やるじゃないの♪」

ダイヤ「さば!カニ!コンビーフ!缶詰よりどりみどりですよ!!」

ルビィ「ごちそうだぁ!」

86: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 00:46:45.38 ID:kQHKyHyZ.net
……………………………………………………

ルビィ「ふぇ…お腹いっぱいだよぉ……」スヤスヤ

善子「……良かったの?こんなに食べ物出しちゃって?」

ダイヤ「良いのですよ…ふたりの笑顔を見られただけで」

善子「……また私には言えないこと?」

ダイヤ「………すみません」

善子「まあ…昨日聞かないっていったし…」

ダイヤ「きっとわかりますよ…全て…」

善子「?」

ダイヤ「私が教えなくても…知ることになりますから…安心してください」

善子「うーん……気になるけど…まあ良いわ、明日はよろしくね」

ダイヤ「ええ、任せてください」

92: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 11:01:46.71 ID:kQHKyHyZ.net
ここは…どこ……歩いてるのは…私とルビィ?

「本当に……いいの?」

あっ……あっちにいるのは果南にマリーとダイヤ…

「大丈夫なの?」

「25年のコールドスリィプ…危険な賭けよ…25年後は今より酷いかもしれない…」

!………これは…

「ルビィは行くよ」

「しかし…」

「善子ちゃんひとりで行かせられないもん!」

「………やはり…いくのですね…わかりました」

「うん…ごめんねおねえちゃん…でもルビィたちは大丈夫!待っててね…25年後に!」

93: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 11:11:46.37 ID:kQHKyHyZ.net
善子「っ……………」👀

夢…?……じゃない…たぶん……記憶……
冬眠に入る前の……

ルビィ「うゅ……あれ?…おきてるの?」ウトウト

善子「あっ…ごめん…起こしちゃった」

ルビィ「ううん…大丈夫だよ…」

善子「…………ちょっと早く起きちゃったわね…」

ルビィ「うん…」

善子「大丈夫?」

ルビィ「ルビィは…こんなの嫌だから…絶対絶対帰ろうね…帰ったらまたお洋服買いにいこう?」

善子「……うん、決まりね」

ルビィ「約束だよ………じゃあもう少し寝よっか…」

94: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 11:23:55.09 ID:kQHKyHyZ.net
……………………………………………………………

ダイヤ「おはようございます」

善子「おはよ…」

ルビィ「おはよー…」

ダイヤ「さて…朝ごはんにしましょうか」

ルビィ「うん…」

ダイヤ「たっぷり食べてくださいね、腹が減っては戦はできぬ!!ですわ」

96: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 22:59:29.73 ID:kQHKyHyZ.net
🚙🚙ブロロロロロロロロロ

ダイヤ「一時間ほどでゲートにつきますわ」

養子「以外と早いわね」

ルビィ「おやつ持ってきたら良かったなぁ」

ダイヤ「そろそろ見えますよ…大きなドームが」

ルビィ「どのくらいおっきいのかなぁ」

ダイヤ「とっても大きいですよ!」

善子「それじゃどのくらい大きいのかわからないわよ」

97: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:04:03.06 ID:kQHKyHyZ.net
ダイヤ「ふむ……だいたい東京と埼玉がまるごとですね」

ルビィ「ふぇ…それって東京ドームなんこぶん?」

ダイヤ「えっ!?それは…」

ルビィ「うーん…あんまり大きくなさそう…」

ダイヤ「ルビィ…帰ったら地図を見るのですよ」

ルビィ「はあい」

善子「…結構経ってるけど全然見えてこないわよ?」

ダイヤ「あら…もう見えていますよ?」

ルビィ「うゆ…どこぉ?」

98: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:13:53.54 ID:kQHKyHyZ.net
善子「……どこよ」

ダイヤ「目の前ですよ」

ルビィ「うゅ…ずっと灰色だよ?空気が汚いから遠くが灰色に見えるんじゃないの?」

ダイヤ「コロニーは灰色の壁なのですよ」

ルビィ「壁?」

養子「壁ぇ!?」

ダイヤ「とっても大きいと言ったでしょう?」

養子「いや…ええっ!?」

ダイヤ「ドーム型で上に軌道エレベーターが飛び出ているのです…大きすぎて軌道エレベーターは見られませんがね」

ルビィ「へぇ…本当におっきいんだね」

99: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:18:05.20 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「全然ドームって感じしないねぇ…ルビィ東京ドームみたいなのかと思ってわくわくしちゃったよ」トホホ

養子「大きすぎるのよ」

ダイヤ「さあ飛ばしますよぉ!」

ブォーンブブブブ

ルビィ「ひゃあ速いね!!」

養子「風を!感じるわ!!」ヒューン

100: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:22:32.15 ID:kQHKyHyZ.net
…………………………………………………………

ルビィ「ここが…入口?」

養子「大きいわね…」

ダイヤ「ゲートからの侵入は難しいですので少し東進んだところにある下水道からになります」

善子「なんか燃えてきたわね!コロニー潜入作戦!!」

ルビィ「とにかく真ん中のエレベーター!!」

ダイヤ「その通り!軌道エレベーターを目指すのです!」

101: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:29:34.69 ID:kQHKyHyZ.net
チロチロチロ

ダイヤ「さて…ここが下水道ですよ」

ルビィ「うえっ…臭いよぉ…」

養子「下水………おえっ」

ダイヤ「我慢してください、これでも海よりはまだ良いですよ」

養子「そ…そうよねぇ…」

ルビィ「うゅ…」

🐭サササ

ルビィ「ぴぎゃっ!!?」

養子「ひいっ何よぉ!!!?」

ルビィ「あれ…ねずみさんだ…」

102: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:31:46.37 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「そういえば…動物みたの初めてだね」

養子「……たしかに」

ダイヤ「ここが動物の住める環境だと言うことですよ」

養子「外はどぶねずみも嫌うほど酷いってことね…」

ルビィ「あっ…あそこ…ちょっと明るいよ?」

ダイヤ「なるほど……ここまでですね」

104: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:45:37.18 ID:kQHKyHyZ.net
ルビィ「ここまで?」

ダイヤ「私がついていけるのが……ということです」

養子「本当にダメなの?」

ダイヤ「前にも言いましたが…私のDNA情報はすでにコロニーに知られています、さらにこの見た目…目立ってしまいますからね」

ルビィ「うゅ……」ウルウル

ダイヤ「さ…早くあの光の下に…」

ルビィ「おねぇ……おばさん………またね」👋😭

ダイヤ「ふふふ…もう会うことはありませんよ…あなたたちがこの世界を変えるのですからね…」

養子「ダ……名もなき旅人さん……ありがとう…」

ダイヤ「礼には及びませんよ………ルビィを…よろしく頼みます」

養子「任せて!」

ダイヤ「それでは…」

105: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/06(金) 23:53:13.83 ID:kQHKyHyZ.net
養子→善子

…………………………………………………………………

善子「このはしごをのぼればコロニーに出れそうね」

ルビィ「うん…ルビィ脚立しかのぼったことないからはしごは心配だなぁ」

善子「あんまり変わらないんじゃない?」

ルビィ「そうかなぁ……」

カツカツッ

善子「大丈夫そうね」

ガシッ…ガシッ

ルビィ「うゅ…結構長いねぇ…」

善子「汚いわ…うえっ…」

112: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 14:50:40.59 ID:6OCmm5/1.net
カツッカツッ

ルビィ「うぅ…そろそろかなぁ?」

善子「そうね……もうちょっとじゃないかしら?」

ルビィ「明るくなってきたねぇ」

善子「!…あの格子っぽいのから出られそうよ」

ルビィ「明るくなってきたから善子ちゃんのおぱんつが見えるよ」

善子「ひゃっ!!?何をぉ!!!?」

ルビィ「うわわ!危ないよぉ」


「あれ?…中から声が聞こえたような…」

113: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 14:54:46.93 ID:6OCmm5/1.net
善子「わっ!誰かにバレた!?」

ルビィ「うゅ…善子ちゃんのせいだよぉ…」

「おーい!……誰かいるんですかぁ?」

ルビィ「うゅ…」

善子「す…すみませーん…道に迷っちゃって…あけてもらえませんかぁ?」

ルビィ「道に迷っちゃってこんなところに来るなんて…」

「大変ですぅ…今あけますよぉ?……うんしょ…」

ガタッ

善子「ほら!鉄格子をとってくれたわ!」

ルビィ「いい人だね!」

115: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:00:52.19 ID:6OCmm5/1.net
善子「っ……ぷはぁ…ここが…」

ルビィ「善子ちゃん早く出てよ!」

善子「ああごめんごめん」

ルビィ「ふぅ…」

善子「ここがコロニー…」

コロニー…ってドームの中じゃないの?…空は青いし…ここは…草が生えてる…誰かの家の庭?

ルビィ「お空が青いね…」

「あのぉ…あなたたちは……」

ルビィ「あわわ」アタフタ

善子「あっ…ありがとうございました」

「ほんとに排水口から人が……たいへん!!海未ちゃぁぁぁん!排水口から人がぁ!!」

116: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:04:47.47 ID:6OCmm5/1.net
善子「うええ!?ちょっと待ってぇ!」

「………良く見たらかわいいですね…でも汚いし臭い……良かったらシャワー浴びてきますか?」

善子「うっ…そういえばここに来てからまともな水を浴びてない…」

「私はことりです、よろしくね」

善子「私は堕天使ヨハネよ」

ルビィ「黒澤ルビィです」

ことり「わぁ…ヨハネちゃんにルビィちゃん…外国の人?よろしくね」

117: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:10:40.62 ID:6OCmm5/1.net
……………………………………………

善子「ふぅ」サッパリ

ことり「わあ!やっぱり!海未ちゃんの服がぴったり!!」

海未「ことり!排水口から出てきた人を家にあげるとはどういうことですか!!」ガミガミ

ことり「だってぇ…」

海未「だってじゃありません!!」

善子「………」

海未「だいたいあなた…何者なのですか?突然人の家の排水口から出てくるなんて…訳がわかりません!!」

善子「うぅ……たしかに…」

118: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:16:38.35 ID:6OCmm5/1.net
善子「えっと…その」

海未「………」ギロリ

善子「あはは…」

海未「あなたまさか…コロニー不正侵入では…」

善子「うっ」ギクッ

ことり「まあまあ海未ちゃん落ち着いて…でも本当に気になるなぁ…どうしてヨハネちゃんは排水口から出てきたの?」

善子「っ………その人の…言うとおり…私はコロニー外から…」

海未「ななな…なんと!!それでは早く治安維持局に!!」

ことり「海未ちゃんストップ!!」

119: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:21:38.16 ID:6OCmm5/1.net
海未「し…しかし」

ことり「もうすこし話を聞いてあげよう?」

海未「ですが」

ことり「ね?」

海未「うぅ…」

ことり「じゃあヨハネちゃん…教えて?」

善子「……そうね……どこから説明すればいいかしら…」

120: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:28:41.91 ID:6OCmm5/1.net
………………………………………………………

ことり「へぇ~、人工冬眠かぁ」

海未「!……どうやら本当みたいですね…伊達ヨハネと黒澤ルビィと言う人間はコロニー登録者にも抽選登録者にもいません…💻」

善子「うーん…それは…」

ことり「大変だったよねぇ目覚めたら外なんて」

善子「うん……そうだわ……」

ことり「とりあえず…ごはん食べよう?ルビィちゃんは」

善子「ああっ!!ルビィ!!ルビィは!!?」

海未「またお風呂にいるのでは?」

善子「そんな…いくらなんでも長すぎるわ!!」

121: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:33:39.42 ID:6OCmm5/1.net
善子「ルビィ!!ルビィ!!」

ガラララッ

♨ルビィ🛀「ふゅ…きもちいぃ」スヤスヤ

善子「………はぁ」

ことり「お風呂が気持ち良くて寝ちゃったんだね♪」

ルビィ「……うゅ…どうしてみんなが…?…」ウトウト

善子「…いいからあがりなさい…」

ルビィ「はぁい」

122: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/07(土) 15:38:53.75 ID:6OCmm5/1.net
ルビィ「わぁぁぁぁ…料理だぁ!!」

ことり「海未ちゃんのチャーハンだよ」

海未「私…炒飯には自信があります」

ルビィ「いいんですかぁ…こんな…」

海未「感想を聞かせてくださいね」

善子ルビィ「いたただきまーす」

ルビィ「うゅ…おいしいよぉ」ハムハム

ことり「海未ちゃんはチャーハンなら右に出るものはいないっていうんだよぉ?…ちなみにことりは左だよ」

善子「?」

ルビィ「私たちこの真ん中のエレベーター目指してるんです」

善子「そうそう…できる限り早くいきたいの」

129: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 10:59:50.44 ID:kG2fgusF.net
ことり「それは…やめておいたほうがいいんじゃないかなぁ」

ルビィ「でも…ルビィたちはそのためにここに…」

ことり「前にエレベーターに勝手に入って殺されちゃった人もいるし…」

ルビィ「ころされる……」

ことり「ここで暮らすなら私の教会に入れてあげるよ?農業区だから治安維持局はあんまり来ないし…いざとなったら海未ちゃんに戸籍を」

海未「ことり!」

善子「でも…いかなきゃいけないのよ…」

ダイヤ……それにみんなを放り投げて…私とルビィだけこんなところで普通の暮らしに戻るなんて…

130: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 11:10:15.96 ID:kG2fgusF.net
ことり「そっか……」

善子「コロニーのことを教えてほしいわ、ここからどうやってエレベーターに近づくか」

ことり「コロニーはね、お仕事で4つに分けられてるんだよ」

ルビィ「お仕事で…」

ことり「ここは農業をするところなの。みんなでお野菜を作ったり豚さん牛さんを育てたりしてるんだよ」

ルビィ「そうだ!!ここってドームなんですよね?なのにどうしてお空が青いの?」

ことり「それはただのプロジェクターだよ、半年に一回点検でオフになると灰色の天井がみえるよ」

ルビィ「ふぇ…本当にお空かと思ったよ…そっくりだねぇ」

133: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 11:25:30.44 ID:kG2fgusF.net
ことり「私は教会で子供たちと一緒に羊さんと鶏さんを育ててるの」

ルビィ「子供がいるんですか?女の子同士なのに?!」

海未「!!はっ!………何を!!それではまるで私とことりが

ことり「ことりたちの子供じゃないよ、みんな孤児なの」

ルビィ「こじ…」

ことり「お母さんだけコロニー入居抽選が当たったりした人が権利を子供にあげて子供だけでコロニーに来る子とかが少なくないから…私と他の女の子たちで一緒に教会で暮らしてるんだ、今日は休みだったけど」

ルビィ「なるほど…」👀

海未「まあ実質夫婦ですね、私たちふたりで

ことり「海未ちゃんは役所で働いてるの、だから戸籍をいじるのもたぶん大丈夫だよ」

ルビィ「いえ…ルビィたちはここで暮らすわけではないので」

134: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 11:31:20.80 ID:kG2fgusF.net
善子「そうね…ここから一番早くエレベーターにいくには」

海未「私の仕事場が一番早いですよ」

ルビィ「わあ!運がいいね!」

善子「ついに堕天使にも運が

海未「しかし、そんなことを許すわけにはいきませんね」

ルビィ「そんなぁ」

海未「言ったでしょう?死にますよ、本当に」

善子「でも」

海未「あなたたちに協力したことがもし発覚したら…私やことりにまで……そんなことはあってはなりません!!」

135: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 11:38:02.75 ID:kG2fgusF.net
ことり「……海未ちゃん」

善子「…………」

ルビィ「でもぉ…」

善子「でもじゃないわ…私たちのせいで人が死ぬかもしれないのよ……」

ルビィ「うゅ……」

善子「別の方法を探すしかない…とにかく絶対にエレベーターに…」

ことり「……とりあえず…今日はもう暗くなるから泊まっていいよ」

136: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 11:44:09.51 ID:kG2fgusF.net
…………………………………………………………

ことり「羊さんのお乳で作ったチーズケーキです!」

海未「チーズケーキでは晩御飯になりませんよ…」

ルビィ「わぁぁ…チーズケーキだぁ…」

ことり「デザートにいちごもあるよ♪」

善子「ぐっ…」ジュルリ

ルビィ「ぜーんぶデザートだよ!!」

海未「その通りですよ!!」

ことり「ふぇぇ…じゃあ鈴木さんが作ったレタスも…」

139: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 21:14:29.08 ID:kG2fgusF.net
皆「いたただきまーす」

ルビィ「うへぇ…あまぁい…」トロトロ

海未「ことりにチーズケーキを作らせたら右に出る者はいません!!」

ことり「えへへ、そんなことないよぉ」

善子「なかなかやるじゃないの」モグモグ

ルビィ「レタスも美味しいです!」

ことり「ドレッシングがあるよ♪」

140: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/08(日) 21:31:17.48 ID:kG2fgusF.net
……………………………………………………………

海未「ごちそうさまでした」スタッコラ

ことり「お風呂できてるから先にどうぞ~」

善子「どうしようかしら…エレベーターまで」

ルビィ「あんまり迷惑かけられないもんねぇ」

ことり「ごめんねぇ…できれば手伝ってあげたいんだけど…」

善子「いいのよ…私たちの考えが甘かったわ」

ことり「海未ちゃんは…ほっとけないんだよ…ふたりのことを…」

ルビィ「うゅ…今日出会ったばっかりなのに…」

141: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:05:09.35 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「…この家は…本当は三人で暮らす予定だったの」

ルビィ「三人で?」

ことり「うん…だけどことりだけコロニー入居抽選で外れちゃって…もう一人の子、その子は入居権を持ってたんだけど…」

善子「…………」

ことり「ことりの分の入居権を取ってくるって言ってまだ外壁を作ってる途中のコロニー政府に直談判しに行っちゃったの」

ルビィ「まさか」

ことり「そのまま帰って来なくて…ことりに入居権利書が届いた……」

142: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:12:32.14 ID:ZxR6LDhY.net
善子「そんなことが…」

ことり「ここに入ってから海未ちゃんの権限で調べたら……特定軍事機密漏洩で極刑だって……」

ルビィ「きょっけー?」

ことり「そんな無謀なことをした穂乃果ちゃんと…今そんなことをしようとしてるヨハネちゃんにルビィちゃんを重ねてるんだと思う」

ルビィ「それで…」

ことり「もちろんそれだけじゃないよ…バレちゃったら本当にみんな危ないし……でも…きっと海未ちゃんの頭の中には…」

善子「……」

143: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:16:56.13 ID:ZxR6LDhY.net
海未「ふぅ…お風呂が空きましたよ」サッパリ ♨☀

ことり「次にお風呂に入りたい人はいますかぁ?いないならことりが入りまぁす」

ルビィ「どうぞ…」

善子「私は最後でいいわ…」

ことり「じゃあお風呂🛀入っちゃうね」

海未「お風呂あがりにはことりのプリンがありますから楽しみにしててくださいね」

ルビィ「わあい!今日はデザートばっかりだぁ!」

144: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:26:51.53 ID:ZxR6LDhY.net
海未「奥の部屋に布団を敷いています…そこで寝てください」

ルビィ「はぁーい♪善子ちゃんおふとん見に行こー?」

善子「そうね…」

そんなことがあったとなると…やっぱり私たちだけで軌道エレベーターまで行くしかない…とりあえず車でも借りて近づいて見ようかしら…明日は地図を借りよう…

ルビィ「ふわぁぁぁぁぁぁ」バサッ

ルビィ「やわらかぁぁぁい」

145: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:29:50.68 ID:ZxR6LDhY.net
善子「………私の布団は…」

ルビィ「うゅ……これしかないよ?」

善子「な……」

ルビィ「えへへ今日は寝てねってことだよ!!大丈夫!ルビィ寝相はそんなに悪くないよ!それにふたりで寝たらすっごくあったかいよ!」

善子「そうね……」

ルビィ「……ふゅ…そろそろお風呂上がったかなぁ?」

善子「いってみたら?」

ルビィ「うん!」

146: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:40:55.15 ID:ZxR6LDhY.net
海未「………」

善子「ねぇ…」

海未「どうしましたか?」

善子「私たちのこと…どう思ってる?」

海未「……迷惑ですね」

善子「うげっ!」

海未「ですが…やはり人が多いと楽しいです…教会の子供たちといるのも楽しいですが…今日は……そうですね…家族が増えたような」

善子「………」

海未「…ふふふ…たった1日過ごしただけなのに…私気持ち悪いですね」

善子「………そんなこと」

海未「あなたたちにエレベーターへは行ってほしくありません」

善子「わたっ

147: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:48:43.90 ID:ZxR6LDhY.net
海未「ですが…私は知っています…あなたのような人は…止められない」

善子「………」

海未「しかもあなたは……ヨハネはひとりだけじゃない…他の…多くの人の想いを背負ってここまで来たのでしょう?」

善子「……そうよ…私だけじゃない…ルビィも…」

海未「なおさらです……私にはあなたたちを止めることはできません…」

善子「……きょ……協力を」

海未「………………良いですよ…私の権限を使ってあなたたちをエレベーターに送り届けましょう」

善子「ほんとぉ!!?」

148: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:53:39.35 ID:ZxR6LDhY.net
善子「はぁ…」

海未「どうしましたか?」

善子「ちょっと拍子抜けしちゃったのよ」

海未「拍子抜け?」

善子「なーんかもっと説得するのは難しいと思ってて……こんなにあっさり協力してもらえるなんて」

海未「人の命がかかっているのですよ」ムクムク

善子「大丈夫!!絶対に成功させるわ!!そしたらあなたに会いに行くのよ!その世界だと海未は私のことを知らないだろうけどね」

海未「ふふ…楽しみに待っていますよ」


「ぴぎゃあああああああ」

149: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 00:58:33.66 ID:ZxR6LDhY.net
海未「今のは?!」

善子「ルビィの悲鳴よ!!」

海未「風呂場からですっ!!」

善子「いくわよ!!」

トットコトットコ

善子「ルビィ!!」

ガラララッ

ルビィ「ぴぎゃああああ痛いよぉぉぉぉぉぉ」👣🍯

ことり「えへへ、ルビィちゃん足つぼマッサージは初めて?」

ルビィ「あぎゃぁぁああああああ」😵💥

150: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 01:04:32.73 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「わあっ!海未ちゃんにヨハネちゃん!?」

ルビィ「うゅ…どうして…」

ことり「勝手に女の子のお風呂に入ってくるなんて」

ルビィ「のび太……」

海未「そ…その違うんです…悲鳴が…」

善子「そうよ!ルビィが」

ことり「違いませんっ!海未ちゃん反省!!」

海未「ええ!?」

ことり「ヨハネちゃんはまだお風呂に入ってないから今すぐ入ろう!!」

善子「ええっ?!罰は!?」

ルビィ「足つぼだよ」

善子「ひいっ!!」

151: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 01:08:42.34 ID:ZxR6LDhY.net
善子「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"」👣🍯

ルビィ「えへへぇ」チャポン

ことり「それっ」ギュイッ

善子「びゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」👣🍯

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

海未「ふふふ…悲鳴が聞こえますね…」

海未「反省といっても…何もすることは無いでしょう…さて…今日は疲れました…」ウトウト

152: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 01:16:01.48 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ふぃ~痛かったあぁ…でもクセになりそうね」

ルビィ「そうなの!」

ことり「しーっ…海未ちゃんがお休みだよ…」

海未「……………」スヤスヤ

ことり「おやすみ🌃」

善子「おやすみなさい」

ルビィ「おやすみなさい」

157: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:04:26.75 ID:ZxR6LDhY.net
カンカンコンカン

ルビィ「ぴぎゃあ!」

善子「ひゃっ!?何よぉ!!?」

海未「朝ですよ!!」

善子「え…まだ5時よ…」

海未「もう6時です!私は仕事でもう家をでなければなりません!!」

ルビィ「うゅ…早いんだね」

海未「仕事場が遠いので」

善子「だからって私たちを起こさなくても…」

158: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:07:17.61 ID:ZxR6LDhY.net
海未「あなたたち…タダで泊まる気だったんですか!!?」

ルビィ「そ…そんなことは」

海未「ことりが鶏の卵を取りに行っています!ルビィはかごを持ってそちらへ!!ヨハネは洗濯物を干してください!!」

ルビィ「はぁい」

海未「それと…これを読んでおいてください」パサッ📎📄

善子「これは…」

海未「私は行きます」

ルビィ「いってらっしゃあい」

159: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:14:10.18 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

ことり「じゃあ…ふたりは一緒に教会に来てもらいます!」

ルビィ「教会に」

ことり「羊さんに子供たちと遊んでるだけで良いよ」

ルビィ「うゅ…ひつじさん…怖いからルビィは子供たちの方にいくね…」

善子「ちょっ!?私が羊の世話をォ!?」

ルビィ「きっとできるよ!」

善子「ええっ!?」

160: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:23:51.28 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「今日だけみんなと一緒に過ごすルビィちゃんです!」

ルビィ「よろしくおねがいします」

「よろしくおねがいしまーす」

ルビィ「みんな…孤児なんですね…」

ことり「うん…仲良くしてあげてね」

ルビィ「はい…」

ことり「じゃあお外に出ましょう!」

「はーい」

161: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:29:55.25 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ハァイ!堕天使ヨハネよ!よろしくね羊たち!」

🐑🐑🐑「エ"~」

善子「………………ほら…草」

🐑🐑🐑「エ"~」

善子「…………何よ……楽そうね…」

🐑🐑🐑「エ"エ"」

善子「そうだわ!さっきの海未の紙でも読もうかしら」

🐑「エ"エ"ーーエ"」

善子「うるさいわねジンギスカン」

162: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:36:02.13 ID:ZxR6LDhY.net
善子「……なになに」

≪私はエレベーターの周りの輸送リングから送る食料の各区の配分を決めています

その仕事であなたたちを食料と偽って科学特区のエレベーターまで送り届けることができるでしょう

そこからはあなたたち次第です、私はエレベーター関連施設に入ったことはありませんので

実行は明日。早い方が良いのでしょう?帰ったら詳しく話しますね≫

善子「なるほど…」

🐑「エ"エ"ー」ムシャ

善子「ああっ!!?紙をぉ!?」

🐑「エ"エ"」ムシャムシャバリバリ

163: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:40:46.46 ID:ZxR6LDhY.net
善子「紙食べるのってヤギじゃないの?」

🐑「エエ」

善子「信じられない……」

🐑🐑🐑「エ"エ"ー」

善子「なんとか言いなさいよ!!」

🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑
🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑🐑


善子「………はぁ…」

164: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 14:58:39.29 ID:ZxR6LDhY.net
…………………………………………………………

ルビィ「えへへ…楽しかったなぁ」

ことり「みんな良い子でしょ?」

ルビィ「うん!」


「誰かぁぁぁぁぁぁ!!!」


ルビィ「善子ちゃんの声だ!!」

ことり「へ?誰?」

ルビィ「あれは!!」


🐑🐑🐑🐑🐑🐑
🐑🐑🐑🐑🐑🐑
🐑🐑善子🐑🐑「いやぁぁぁぁぁぁぁ」
🐑🐑🐑🐑🐑🐑
🐑🐑🐑🐑🐑🐑

165: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 15:02:10.41 ID:ZxR6LDhY.net
善子「うぇ…全身草まみれよ…あいつら🐑…この私に草を…」

ルビィ「うわ…臭いよ善子ちゃん…お風呂入りなよ…」

善子「うぐぅ…」

ことり「お風呂わかしとくよ」

善子「お願いしまぁす…」

ことり「そろそろ海未ちゃんも帰ってくるよ」

166: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 15:12:02.01 ID:ZxR6LDhY.net
善子「ふぅ…ひどい目にあったわ…」サッパリ

ルビィ「……………」クンクン

善子「もう匂わないわよ!」

ルビィ「ほんとだ」

ことり「よかったね♪海未ちゃんが手伝ってくれることになって」

善子「本当にありがとう…」

ことり「いいんだよ」

ルビィ「えへへ…」

ガラララ

ことり「海未ちゃん帰ってきたよ!!」

167: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 15:20:45.59 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「おかえりぃ」

海未「ふぅ…ただいま…」

ルビィ「お風呂にしますか?」

善子「ごはんにする?」

ことり「どっちにしますか?」

海未「そうですね…先にお風呂に……」

ルビィ「うゆ!今日は背中流しますよぉ」

海未「そ…そうですか…お願いします」

善子「じゃあ私たちはごはんの準備!」

ことり「今日はちゃんと作るよ!」

168: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 15:26:43.12 ID:ZxR6LDhY.net
………………………………………………………………

ルビィ「えへへさっぱり!」ニコニコ

海未「風呂場が少し獣臭かったのですが」

善子「うぎっ」ギクッ

ことり「晩御飯ができましたよぉ!!」

善子「お!……おあがりよ!!」

ルビィ「わあいシチューだぁ!」パァ

善子「私も手伝ったのよ!」フンス

ことり「お野菜を切ってもらいました!」

善子「ごはんも炊きました!」

169: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:19:19.92 ID:ZxR6LDhY.net
皆「いただきます🍴🙏」

ことり「みんなで食べると美味しいね!」

海未「はい!」モグモグ

ことり「妹ができたみたい」

ルビィ「うゅ………おねいちゃん……」

海未「……」

善子「大丈夫よ!」

ルビィ「でも……でもぉ」ポロポロ

善子「もう明日よ!つまり明日にはもうダイヤに会えるかもしれないの!そりゃもちろんいろいろ済ませた後だからちょっと時間はかかるけど…」

ルビィ「………会えるよね…」

善子「もちろんよ!この私がいれば!」

170: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:24:09.88 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「そっかぁ…もう行っちゃうんだね…」

海未「ごはんですよ!楽しいお話にしましょう」

善子「そうね♪」

ことり「今日ヨハネちゃんは羊さんに舐められて草まみれになったんだよ」

海未「なんと!だから風呂場が獣臭かったのですね!」

善子「うあーいわないでよぉ!!」

ルビィ「えへへへほんとにすっごく臭かったんだよぉ!」

善子「許さないんだから!あの羊ども…次会ったらジンギスカンにしてくれるわ!!」

171: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:28:40.55 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

海未「さて…明日は私の出勤の時間ですからね」

ルビィ「早いねぇ」

海未「細かいこと…といってもあの紙に書いてある通りですよ」

ルビィ「あの紙?」

海未「はい、ヨハネに渡したはずですが…」

善子「………」ギクッ

ルビィ「ルビィ知らないよ?」

善子「……実は…羊に食べられちゃったのよ…」

172: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:33:12.52 ID:ZxR6LDhY.net
海未「……………」

善子「ごめんなさい!!」ヘコー

ルビィ「善子ちゃん……」

海未「……適当なことを…」

善子「嘘じゃないのよぉ!!」

海未「もういいですよ…捨てて結構です」

善子「違うってばぁ!!」

海未「はぁ……明日あなたたちには大きな段ボールの中に入ってもらいます」

ルビィ「えへへ…ヤマトかな?佐川かな?」

海未「それに入った後は私が送り先をエレベーターにしますから…まあふたりがやることは…特にありません…エレベーターに行ってからですね」

173: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:36:49.80 ID:ZxR6LDhY.net
善子「エレベーター潜入作戦…ヨハネ大佐と呼びなさい」

ルビィ「たいさぁ!!」

海未「……本当に…気を付けるのですよ…一歩間違えば…」

ルビィ「………」ゴクッ

善子「…………エレベーターの地図とかは」

海未「……ありません」

ルビィ「迷子になっちゃうよ」

海未「……ほかに何か」

善子「…………!……関係ないんだけど…ちょっと調べてみてほしいことが」

海未「なんですか?いってみてください」

174: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:42:49.91 ID:ZxR6LDhY.net
善子「人の名前を調べてほしいの…私たちが最初に来たときみたいに」

海未「……名前を…いってみてください」

ルビィ「鞠莉ちゃんは…死んじゃってて…」

善子「高海千歌…桜内梨子…渡辺曜…松浦果南…国木田花丸…この五人の」

ルビィ「おねえちゃんも…」

善子「…そ…そうね」

海未「……………」カタカタピッピ📱💻

175: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:51:22.56 ID:ZxR6LDhY.net
海未「高海千歌……コロニー特別商業区にいます」

ルビィ「千歌ちゃんがぁ!?」

海未「渡辺曜…同じく特別商業区に……」

善子「…生きてたんだ……」

海未「………4人は…コロニー入居していないため…消息は不明です…」

ルビィ「……」

善子「そう…」


聞くんじゃ無かった…でも…知りたかった…みんながどうなったのか…

176: 名無しで叶える物語(笑)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 17:57:30.01 ID:ZxR6LDhY.net
ルビィ「ルビィたち…頑張らないとね…絶対に帰ろうね…みんなでまた……」

善子「……そう…よね…やらなきゃいけないのよ…」

海未「……頼みますよ…あなたたちが成功したら……穂乃果も……」

善子「うん……」

ルビィ「絶対絶対!おねえちゃんにマルちゃん梨子ちゃん果南ちゃん鞠莉ちゃんがいるところに帰るよ!」

善子「よし!そうと決まれば」

ルビィ「明日は早いし寝よう!」

178: !ken11(らっかせい)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:20:30.61 ID:ZxR6LDhY.net
善子「………………」

眠れない……水でも飲みにいこうかしら

ガチャ

善子「えっと…麦茶…」

ことり「ヨハネちゃん?」

善子「ひゃっ?!」

ことり「あはは、ごめんね驚かせちゃって」

善子「大丈夫よ」

179: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:24:13.36 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「眠れないの?」

善子「………うん」

ことり「ことりも眠れないの…」

善子「うーん…」

ことり「ヨハネちゃんが…明日…過去に戻れたら…この世界はどうなると思う?」

善子「ここが?」

ことり「そう、ここは戦争があって大きなコロニーに選ばれた人だけが移住してるけどヨハネちゃんは戦争の原因を無くしにいくんでしょ?」

善子「そね」

180: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:37:29.33 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「そしたらここはどうなるのかな?このまま時間が進むのかな?それとも消えて無くなるのかな?」

善子「……………」

ことり「ごめんね…難しいこと聞いて」

善子「消えちゃうのかしら?それとも戦争が起きた世界として残る?」

ことり「……そっか…」

善子「どうかしたの?」

ことり「もしもここが消えちゃうなら…なんかもったいないなって…」

善子「?」

ことり「全部無かったことになったら…ここで出会った人たちも忘れちゃうんだよね」

181: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:45:21.76 ID:ZxR6LDhY.net
善子「…………」

答えが思い付かない…なんていえば良いのかしら…

ことり「ごめんね、変なこと言っちゃって…りんごジュースもあるから飲んでいいよ、おやすみなさい」

善子「おやすみなさい」


私は…目が覚めたら突然こんなゲームみたいな世界に来ちゃって…普通の世界に戻すためにここまで来たけど…

私とルビィ以外の人はみんな私たちが寝てた間の時間を過ごしてて…
その中でしか産まれなかった不幸もたくさんあるけど
ここでしか無かった幸せもあるかもしれないのよね…

私たちは…それを全部無かったことにしちゃうかもしれないわけで…

182: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:50:39.10 ID:ZxR6LDhY.net
善子「……うぁぁぁん」

やるのよ…やらなきゃ…何のためにダイヤと別れてここまで来たの?何のために人工冬眠したの?
ルビィはみんなに会いたいし…私もみんなに会いたい…

善子「ふぅ!寝るわ!!」

考えても仕方ないわ!何もわからないんだから!

183: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:52:56.08 ID:ZxR6LDhY.net
………………………………………………………………

「おきて!!おきて!!善子ちゃん」

善子「んぅ……もう?」ウトウト

ルビィ「朝だよ!!」

善子「ぐぅ…」

ルビィ「さっ、朝御飯に!」

善子「ま…まってよぉ…」

184: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 21:58:37.91 ID:ZxR6LDhY.net
善子「おはよう」

海未「おはようございます、よく眠れましたか?」

善子「うぅ…まあまあね」

海未「ダメですよしっかり寝ないと」

ことり「あさごはんはフレンチトーストだよ」

ルビィ「わあいフレンチトースト!」

ことり「できたてをめしあがれ!」

ルビィ「えへへ、いただきまーす」

ことり「ヨハネちゃんは次だよ」

185: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 22:11:53.64 ID:ZxR6LDhY.net
海未「おいしいですねぇ」モッモッ

ルビィ「メープルシロップをぉ」

タラーリ

ルビィ「はむっ……おいしい~」

ことり「ヨハネちゃんのも焼けたよ~」

善子「ありがとう…いただきます」

ルビィ「ルビィがシロップかけてあげるよ」タラー

善子「ああっ!」

ルビィ「えっ?ダメだった?」

善子「違うわ…かけ方ってのがあるのよ…」

ルビィ「うゅ…ごめんなさい…」

187: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 23:33:26.72 ID:ZxR6LDhY.net
善子「おいひいわ♪」モグモグ

ことり「よかったぁ」

ルビィ「へへ、毎日食べたいな」

海未「さて…食べ終わったら準備をしてすぐ出発でよ」

善子「あ…服」

ことり「それならあげるよ」

海未「私のなのですが…」

ことり「また新しいの作ってあげるから」

海未「そうですか…気に入っていたのですが…」

ルビィ「うゅ…手作りだったんですか…」

ことり「大丈夫だよ、たくさんあるし」

190: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 23:41:18.46 ID:ZxR6LDhY.net
……………………………………………………………

海未「さて…準備はできましたか?」

善子「ばっちりよ!」

ルビィ「もともとなんにももってないしぃ」

ことり「ことりは教会にいかなきゃいけないから…ここでお別れだね」

善子「本当にありがとう…お世話になりました」

ルビィ「ありがとうございました!」

ことり「いいえ…楽しかったよ」

善子「服も…ごはんも寝床もぜーんぶ…ほぼタダで…」

ことり「気にしないで…最後にみんなで写真を撮ろう?」

192: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 23:46:35.75 ID:ZxR6LDhY.net
ことり「はいはいならんで~」

ルビィ「ルビィは」

海未「前に出てもいいですよ」

ルビィ「じゃあ善子ちゃんも前に!」

善子「堕天使の定位置……フロント」

ことり「さん、にー、いち」

パシャ

ことり「撮れました!今は見れないけどちゃんと飾るよ」

ルビィ「うぇ……ルビィを忘れないでくださいね」

ことり「もちろん!ヨハネちゃんもルビィちゃんも」

海未「ではいってきます!私はいつもの時間に帰ってきますので」

ことり「うん!いってらっしゃい👋😃バイバイヨハネちゃんにルビィちゃん」

ルビィ善子「さよーならー」

195: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 23:51:30.94 ID:ZxR6LDhY.net
ブロロロロロロロロロロロロ

海未「さあ…車でとばせば30分ほどでつきます」

善子「近いのね」

海未「ほぼ一本道ですからね」

ルビィ「ルビィたちは段ボールに…」

海未「補強はしてありますからよほどのことがない限り輸送に問題はないと思います。やはり問題はエレベーターについてから」

善子「そうね…」

海未「しかし私はそこまで手伝えません…」

ルビィ「いえ…こんなにいろいろしてくれただけでも…」

海未「気にしないでください…私の性なのです…あなたたちのような人に手を貸すのが…」

198: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/09(月) 23:57:40.86 ID:ZxR6LDhY.net
海未「そろそろ到着です、後ろの台車に乗っている段ボールの中に入ってください」

ルビィ「ふぇ…ルビィ直送便…」

善子「フレッシュにお届けね」

海未「あと…一応その中に…」

善子「拳銃!?!」チャキ🔫

ルビィ「ぴぎゃ!?」

海未「万が一のためです…強引にでもエレベーターに乗って成功させてください…」

善子「じゅ…じゅじゅ銃なんて…打ったことないし」

海未「人に当てるものでは無いですよ、慣れた人でも狙って当てるのは難しいものです」

善子「………」チャキ🔫

ルビィ「さ…はいろう?」スッポリ

200: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:06:37.28 ID:ariKWBXf.net
📦📦📦📦📦

ルビィ「ふゅ」

善子「しっ!」

善子「よく聞こえないわね」ボソボソ

ルビィ「いま…リングって」ボソボソ

善子「輸送リングね…エレベーターの周りを囲む輪状の機械らしいわ」ボソボソ

海未「そろそろリングに乗せますよ」ボソボソ

善子「了解!お別れね」

ルビィ「ばいばい!」

海未「頼みますよ」

善子「任せなさい!」

201: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:14:57.54 ID:ariKWBXf.net
🍩ウィーーン🍩

善子「……」

ルビィ「……寝るね」

善子「よく寝られるわね」

ルビィ「………じゃあ起きるよ」

善子「穴が…」ガサゴソ

ルビィ「そんな動かないでよぉ…」

善子「外がみてみたいのよ」ガサゴソ

善子「………真っ暗ね」

ルビィ「……ルビィもみたい!」

善子「あっ、ちょっと明るくなってきたわ!」

ルビィ「ずるいよ!善子ちゃんばっかり」

善子「ここからは…本当に未知よ…それで私たちだけでやるの…覚悟はいい?」

ルビィ「おっけーですたいさぁ!!!!」

善子「あっ、それ覚えてたの」

🍩ウィーーン🍩

善子「道が別れたわ!きっと到着よ」

ルビィ「むぐ…静かにしようね」

202: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:19:56.56 ID:ariKWBXf.net
ガコン!!

善子「うっ」

ルビィ「む」

ドサッ

「なんだこれ重いなぁ!鹿でも入ってるのか?」

ゴロゴロゴロ

善子「うっ…揺れる…気持ち悪…」

バタン

ルビィ「そうだ…ルビィたちって食料だよね?どこに運ばれるのかな?」ボソボソ

善子「あっ…」

ブォォォンブロロロロロロロロロロロロ

203: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:22:27.25 ID:ariKWBXf.net
バリバリイッ

ルビィ「むはぁ!!」

善子「ぐっは!!う!撃つわよ!!」チャキ🔫

ルビィ「……トラックの荷台みたいだね」

善子「チャンスね…車が止まったら開けて降りるわよ!」

ルビィ「わかった!」

ブロロロロロロロロロロロロ

205: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:34:54.71 ID:ariKWBXf.net
🚚⛔ブブブブブブブ

善子「よし!止まったわ!」

ルビィ「よいしょ!」

ガチャ

ルビィ「あきました!」

善子「出るわよ!」

ルビィ「うゅ……」スタッ

善子「…………」トッ

🚚💨ブロロロロロロロロロロロロ

ルビィ「ふぅ…」

善子「……ひとまず科学特区に潜入」

206: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 00:36:25.07 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「ふぇ~すごい町…」

さっきまでいた農業区とはうってかわってまさに漫画やゲームで見たような未来都市…ちょっとワクワクするわね…

善子「………」✨

ルビィ「ここはお空が灰色だね」

パイプみたいなビルがいくつもコロニーの天井まで伸びててキラキラいろんな色に光ってる…ほかにもよく分からないアンテナみたいなものとか…

善子「…エレベーターは…」

ルビィ「あれかな?」

善子「そうね」

一番大きな銀色の柱…このコロニーどころか空も越えて…宇宙まで届くエレベーター…私たちはそこに向かう

210: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 14:01:20.38 ID:qzpGalIH.net
善子「けっこう近そうね」

ルビィ「おっきいねぇ…このエレベーターに乗ったら帰れるなんて」

善子「帰るわけじゃないのよ…ワームホールの軌道を特定した7年前に行くの…そのデータを消す」

ルビィ「難しいねぇ…」

善子「たぶんJAXA的な施設にいくことになるわ」

ルビィ「じゃくしゃ…」

善子「サ!」

「お前たち…見ない顔だな」

211: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 14:08:55.96 ID:qzpGalIH.net
善子「ひっ!?」

ルビィ「は…はろー」

「…………研究員ではないな?じゃあ食い物でも?」

ルビィ「あ…その…ルビィたち出前で…エレベーターにオムライスをお届けに」

そんな嘘が信じてもらえるわけが!! オムライスなんてどこにもないじゃないのぉ!!
まずい…逃げないと

「おーそうかそうかじゃあ窓口まで一緒だな」

ルビィ「へ」

善子「え?」

212: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 14:16:04.10 ID:qzpGalIH.net
おじさん「若いのに大変だな」

善子「あはは」

ルビィ「おじさんはなんのお仕事をしてるんですか?」

おじさん「私はエレベーターの技術者だ」

善子「そ…そうなの」

おじさん「今日は大事な実験があってな緊張してたんだ」

善子「実験?」

おじさん「あっ…今のは忘れてくれ」

ルビィ「……………気になりますぅ」

おじさん「ダメだ」

善子「お願いします」

おじさん「………ダメだ」

213: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 14:22:56.95 ID:qzpGalIH.net
ルビィ善子「お願いしまぁす」

おじさん「…………ぐ」

ルビィ「お願いしますぅ」

善子「お願いしまぁす」

おじさん「………」

ルビィ「…………👀✨✨」

善子「…………👀✨✨✨」

おじさん「……今日は…タイムマシンで過去の戦争に物資を送るんだ…」

ルビィ「過去に!?」

おじさん「このことは絶対に誰にもいってはいかんぞ…絶対に」

善子「もちろん言わないわ!」

214: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 14:28:35.68 ID:qzpGalIH.net
ルビィ「えへへ」

善子「ふふふ」

おじさん「?」

善子「おじさんはエライの?」

おじさん「?……あぁまあ一応…技術責任者という」

ルビィ「それはどのくらいエライの?」

おじさん「……まあ…私がいなければタイムマシン実用化は…」

善子「ふふふ…ついてるわね」

ルビィ「もしかして…善子ちゃんも同じこと考えてた?」

おじさん「?」

215: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 15:33:29.87 ID:qzpGalIH.net
善子「ちょっとおじさん先に行ってて」

おじさん「ん?ああ」

ルビィ「おじさんを人質に…銃で」ボソボソ

善子「って思ったんだけど…やっぱりダメね」ボソボソ

ルビィ「ええ…良いと思ったんだけど」

善子「ダメダメ、潜入よ潜入!」

ルビィ「そう…だね」

善子「物資に紛れる!」

ルビィ「それしか無いよねぇ」

善子「問題は…戦争中に物資を送るわけだから遅いのよね…なんとか7年前にできないかしら」

216: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 15:39:56.31 ID:qzpGalIH.net
おじさん「おーい」

善子「ごめんなさーい」

おじさん「どうしたんだ?」

ルビィ「ちょっとおさいふを」

おじさん「そうかい…さぁもう正門だ」

ルビィ「ふぇ…これが」

おじさん「窓口は右だからここまでだね」

善子「ありがとうございました」

おじさん「オムライス楽しみにしてるよ、じゃあ」

ルビィ「ばいばーい」

善子「ふぅ……とりあえず…周りを見てみるわよ」

ルビィ「うん!」

220: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:00:05.74 ID:ariKWBXf.net
善子「これが窓口…荷物としてならここに入る」

ルビィ「食べ物としてなら直接いけたのかな?」

善子「………あっ!!?」

ルビィ「?」

善子「いや……」

そういえばエレベーターに届けてくれるって書いてあったような…あのまま乗ってても良かったのかしら?…

ルビィ「?」

善子「……ごめん」

ルビィ「どうしたの?」

善子「もしかしたら……ごめん」

221: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:04:04.81 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「いいよべつに…わかんないけど」

善子「……入れるところを探すわよ」

ルビィ「ここも入ろうと思えば入れそうだね」

善子「そうね…」

ルビィ「窓口の職員さんはふたり…」

善子「……」

222: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:08:12.12 ID:ariKWBXf.net
善子「は…はろ~」

ルビィ「こんにちは…出前ですぅ」

窓口①「はい?出前?」

善子「う…動かないで!本物の銃よ」チャキ🔫

窓口「ひっ」✋

ルビィ「入りますね」

ガチャ

窓口②「な……何が目的ですか?」プルプル

ルビィ「その制服…中の職員さんも一緒ですか?」

窓口①「は…はい」

善子「それ貸して」

窓口①「?」

ルビィ「その服を貸してください」

223: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:12:25.10 ID:ariKWBXf.net
善子「あとガムテープとかないかしら?あなたたちを縛るのに使いたいんだけど」

窓口①「は…はい」

ルビィ「服脱いでくださいね」

窓口②「………」ヌギヌギ

善子「ごめんなさい…」ベリベリ

窓口②「う…あなたたち…何を」ギチギチ

ルビィ「ごめんなさぁい」

窓口①「何をしてるかわかってるの?若いのに」ギチギチ

善子「じゃあしばらくじっとしてて…窓口も今日は閉鎖ってことで」

224: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:15:13.05 ID:ariKWBXf.net
善子「ふぅ…」

ルビィ「善子ちゃん上手いね!まるでテロリスト!」

善子「…なんか複雑ね」

ルビィ「どうすればいいかな?」

善子「入っちゃったのよもう…とにかく送る物資と年代指定!」

ルビィ「じゃあ探さないとね」

善子「とりあえずあっちね…正門から遠い方が匂うわ!」

トットットット

225: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:21:02.54 ID:ariKWBXf.net
「お前たち!」

ルビィ「ひゃい!!?」

職員「何をしてる!ちゃんと持ち場に戻れ!」

善子「は…はいすみません」

職員「……お前たち…どこの所属だ?若いな」

ルビィ「えっと…」

善子「そ…その…は…搬入です!今日の実験で送る荷物の」

職員「…………」

ルビィ「うゅ………」

職員「…じゃあ早く倉庫に戻れ!」

226: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:24:13.17 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「えへへ…ラッキーだね、倉庫まで教えてもらって」

善子「この私がいながら…」

ルビィ「とりあえず倉庫はわかったね」

善子「あとは…年代指定…どうすれば…」

ルビィ「あのおじさんのところだよね」

善子「うん…だけどそれは…」

ルビィ「とりあえず探してみよう」

善子「そうね」

227: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:38:43.38 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「うぅ…階段…長いよぉ」

善子「ストップ!」

ルビィ「うゅ」

善子「しっ……聞こえるわ……」

🚪扉🚪

おじさんの声「…………5年……に………」

ルビィ「ごねん?…」

おじさんの声「……ウィルス……7年…」

ルビィ「うゅ…わかんない」

善子「神は私たちの味方ね」

ルビィ「?」

善子「謎のウィルスで5年前だけが指定できないから送る物資を小規模にして7年前にするって…」

ルビィ「ええ?そんな都合のいいことが?!」

善子「わからないわ…誰かが私たちの味方をしてるのかも…それとも実験の邪魔をしようとしてるのか……でもこれを利用しない手はない!!」

228: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:41:45.81 ID:ariKWBXf.net
ルビィ「ってことは…あとはお荷物にはいるだけ?!」

善子「そう!」

ルビィ「やったぁ!」

善子「倉庫に向かうわよ!」

ルビィ「えへへ…お天道様はみてるんだね」

善子「ええ…しっかりね」

ルビィ「はやく入っちゃお!」

善子「うん!入っちゃえばこっちのものよ!」

229: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:49:53.71 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………………
📦📦📦📃
善子「……実験用…この箱で間違いないわ!」

ルビィ「はやく入らないと」

善子「うーん…ふたりは入れそうに無いわね…」

ルビィ「………じゃあ……別々の箱だね」

善子「そうね…」

ルビィ「ばいばい…また…あとで」

善子「何よ…お別れじゃ無いわよ?」

ルビィ「うゅ…でも…箱の中で一人なんて寂しいよぉ…」

善子「大丈夫よ、7年前に着いたらすぐ会えるんだから、それに箱は隣よ?見えなくても隣にいるから」

ルビィ「……うん…じゃあ入っちゃうね」

230: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 21:56:39.91 ID:ariKWBXf.net
善子「………」スッポリ

ウィルス…一体誰が…ここに来たときから気になってた…やっぱり誰か味方がいる…ダイヤ以外に

最初に起きた時も…人工冬眠の機械の故障で5年ちょっとで起きたなんて…
ダイヤが火を焚いてたのも…

それはダイヤの約束したある人?…今回のウィルスも同じ人?

ガタン

動き出した!……このままエレベーターに乗る…ルビィは大丈夫かしら…

232: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:05:40.24 ID:ariKWBXf.net
ガコン

善子「…もう…エレベーターかしら…」

…………何かしら……

「ウィルス……とはいったものの実際はよくわかっていません…機密にアクセスした形跡は無く…ただ5年前だけ選べないのです」

「それならかまわんだろう…今日やる…それに今日は実験だ…送り届けたことを確認できればもっと大規模なことも行う…武器だけじゃない…人もな…」

「それまでに5年前を選べるようにしておけばよいですね?」

「ああ」

「それでは…」

「始めろ…」

233: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:10:17.89 ID:ariKWBXf.net
善子「……」

ルビィは大丈夫かしら?怖がってるの?

ジジジジジ

「第一コンテナ…開始」

「続けて第二…」

ウィーーン

善子「…私のは…第五」

「第三………第四…」

善子「ふぅ…」

「第五……」

ガコン

234: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:17:40.33 ID:ariKWBXf.net
ウィーーン

善子「ひゃあっ?!」フワッ

エレベーターだったのを忘れてたわ…それもすごいスピードで宇宙まで!

善子「っぐ…耳痛い…」

ウィンウィンウィン

善子「ぐっ…あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」ギンギン

頭が痛い…今までに感じたこともないくらいの…

善子「…っ…ふぅ…ふぅ…ぐぅ」ギンギン

身体も!!皮膚を裂かれてるような痛み!

善子「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」🔥🔥🔥🔥

熱い!血が沸騰しちゃいそうなくらい…

235: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:35:14.56 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………

…………どれくらい時間がたったんだろう…

ここはまだ宇宙?…それとも過去にもどれた?

あれだけの痛みにも慣れちゃった……

善子「………っ……」ピクッ

あれ…?…動ける……それに 少し明るい

じゃあここは…7年前?…ルビィ!ルビィは先についたの?!

善子「かっ…げっ…おええええっ」ボトボト

236: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:40:29.65 ID:ariKWBXf.net
そうだ…箱から出ないと…

善子「ふんっ」メリメリ

善子「……」

優しい光…これは…

善子「月明かり」

それに…ここは…草むら?…どうして……

善子「ルビィ!ルビィィィィィィ!どこーー?返事してーーー」

ルビィはどこ?まさか私を置いて行くなんてそんなことしないわよね?

238: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:46:37.74 ID:ariKWBXf.net
善子「ルビィーーー!」

そうだ…ちょっと歩いてみようかしら…すこし座標がずれたのかも…

ザッザッザッ

善子「あっ……」

あれは…私が入ってたのと同じ箱!番号は

ザッザッザッ

善子「………第………一……」

周りには…これ以外見当たらない…

善子「……………ルビィ!!ルビィーーーーー!!!!!」

240: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:50:51.21 ID:ariKWBXf.net
善子「はぁ…はぁ…ルビィーーーーー!!!!!」

怖い…ルビィに何かあったら……

ザッザッザッ

善子「ルビィーーーーー!!!!!」

いくら呼んでも返ってこない…これは…どういうことなの?…ルビィだけ送れなかったの?…

善子「………実験…」

そうだ……実験…まさか……

善子「…そんな…嘘よ…ルビィ!!返事しなさいよ!!寝る時間じゃ無いわよ!!ルビィ!!ダイヤが怒ってるわよ!!」

241: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 22:58:00.13 ID:ariKWBXf.net
善子「…………うぅ…ぐっ…ルビィ…返事して…」ポロポロ

頭に浮かぶ…最悪の答えが…

善子「る…ルビィ…来てよぉ…はやく…😢」ボロボロ

ここに…ルビィはいない……わからない…けど…

善子「ぐっ…うぅ…うっ…ルビィィ…」ポロリ

歩いても歩いても…ルビィが入ってた第四の箱は見当たらない…


「てめえ…何してやがる!!!」

242: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:04:31.02 ID:ariKWBXf.net
善子「なによぉ!!」クワッ

謎の男「てめえ…その顔…忘れちゃいねえぞ糞野郎!!今ここでぶっ殺してやる!」

善子「なっ…誰よあんた!あんたなんか見たことないわよ!!」

謎の男「糞っ垂れ野郎…今すぐYZWカスタムで蜂の巣にしてやらぁ!!」ガチャ🔫

善子「え…」

まずい…銃を箱に忘れた…殺される!
まさかルビィもこいつに………

「やめなさい!」ポカッ

謎の男「いてっ」

243: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:09:36.52 ID:ariKWBXf.net
優しそうなおばさん「大丈夫ですか?」

善子「は……はい」

謎の男「ね…姉ちゃん!邪魔するんじゃねえよ!」

優しそうなおばさん「こたろう…やっぱり私ひとりで行くべきでした」

謎の男「うるせえ!」

優しそうなおばさん「静かにしなさい!!」ポカッ

謎の男「ぐっ」

優しそうなおばさん「さあ車に乗って、ヨハネさん?…で合ってますよね?」

善子「え…」

誰?

244: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:13:18.85 ID:ariKWBXf.net
優しそうなおばさん「こんにちは、私はこころと言います…さっき暴れてた猿が弟のこたろうです」

こたろう「誰が猿だ!!」

善子「……あなたたちは……誰なの?」

こころ「…………」

善子「ここはどこなの?ルビィがどこにいるか知ってる?」

こたろう「一度にそんなに質問するんじゃねえぞ糞ッ垂れ」

善子「あんたに聞いてないから!」

こころ「………教会についてからにしましょうか…」

善子「教会……?」

🚙ブロロロロロロロロロロロロ🚙

247: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:17:51.41 ID:ariKWBXf.net
…………………………………………………………………

善子「こ……ここは……」

車に乗ってる途中から…見覚えのある風景だと思ってた…

でもまさか…ここが…あのことりが働いてた教会だなんて…

こころ「さあつきました…中へ」

善子「…………どういうこと…」

教会がある…ってことは…私は過去に戻れなかった……ってこと?…じゃあここには……ことりと海未がいるの?

こたろう「入れっていってんだよ糞ッ垂れが!!」

248: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:21:29.34 ID:ariKWBXf.net
こころ「はじめまして…じゃ無いかもしれません…ヨハネさん…私たちはあなたのことを知っています」

善子「な…なにがどうなってるのよ!!ここ…教会なんでしょ?…ことりは?家に帰ったの?!」

こたろう「糞野郎!やっぱりぶっ殺し

こころ「こたろう」

こたろう「……チッ……俺は部屋に戻るぜ…」

こころ「そのほうがいいです」

善子「なんなの…いったい…もうなにがなんだか…」

250: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:28:38.34 ID:ariKWBXf.net
こころ「ことりおねえちゃんは…20年前に死にました」

善子「え?」

こころ「海未さんがあなたたちを手伝ったことがバレて…」

善子「な…何を…だって…ここは?私はタイムスリップに失敗して…またここに」

こころ「!………なるほど…わかりました」

善子「は?何を」

こころ「ヨハネさん…あなた、タイムスリップに成功はしてるみたいですね」

善子「な…なにを…」

こころ「ここは未来ですよ…あなたたちが泊まりに来た日から…20年後の」

251: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:34:42.53 ID:ariKWBXf.net
善子「……なによ……なによ!!適当なこと言わないで!!」

こころ「たまたまこたろうと麦泥棒を探して巡回してて…あなたを見つけました…」

善子「証拠…証拠は!!?なんで20年もたってるのよ!!意味わかんない!」

こころ「……この写真…知ってますよね?」

善子「っ…これは…昨日…お別れの前に撮った…」

こころ「あなたにとっては昨日ですね…でも見てみてください…この写真ボロボロなんですよ…なんでも海未さんがデータより紙で持ちたかったとか…」

善子「た……でも…あんたが適当に石で擦ったりしたんでしょ!!」

こころ「どうすればいいでしょうか…とりあえず…元ことりさんの家にでも行ってみますか?」

善子「何よ!元なんてつけて!!早く行くわよ!」

253: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:40:16.78 ID:ariKWBXf.net
ピンポーン

こころ「鈴木さーんこころです!」

インターホン「あら、こころちゃん!いらっしゃい」

ガチャ

鈴木「こころちゃん……それにあなたは?」

善子「えっ…こ……ことり…海未…」

こころ「新しい教会の子です、挨拶に」

鈴木「あら、よろしくね」

善子「…………………」

こころ「すみません…まだ慣れてないみたいで」

鈴木「そう…」

こころ「今日はこれだけです、夜遅くに失礼しました」

鈴木「大丈夫よ、じゃあねこころちゃん」

バタン🚪

255: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:46:19.63 ID:ariKWBXf.net
こころ「もうわかりましたか?ここはあなたの知ってる教会じゃありません」

善子「…………………」

こころ「こたろうは…ことりおねえちゃんが大好きでした…だからことりおねえちゃんが死ぬ原因になったあなたたちをひどく憎んでいます…」

善子「ん…な……そん……な……」ヘナヘナ

ルビィは居なくなった…タイムスリップは失敗したのか…何故か未来に飛んじゃった…ことりと海未は私のせいで死んじゃった……

善子「ああっ…うう…ぐっ…なんでぇ…なんでよぉ…😢」ポロポロ

何もない…全部ダメ…ごめんダイヤ…ごめんルビィ…ごめんね…みんな…

257: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:51:02.87 ID:ariKWBXf.net
………………………………………………………………

善子「……………………」

こころ「落ち着きましたか?最近になってお茶の葉の農家もできたので紅茶が飲めるようになりました」

善子「……………………」

こころ「とりあえず…ゆっくりうちで休んでください…ヨハネさんが喋りたくなったらまた続きをしましょうか」

善子「……………………」

こころ「寝室は…一番奥になります、元々倉庫だったのでちょっと窮屈ですけどがまんしてくださいね」

こころ「………ではおやすみなさい」

259: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/10(火) 23:57:41.72 ID:ariKWBXf.net
善子「…………………」

私のせいで…私のせいでことりと海未は死んだ……
ルビィは…消えた…

みんなの思いを…背負って人工冬眠して…私は…ダメだった…

ルビィのことも守れなくて…世界は何も変わらず20年進んじゃった…

それで私だけ…生きちゃった……


紅茶……冷めちゃったかしら…

喉乾いたわ……お腹も空いた……

からだが動かない…重い…金縛りにあってるみたいに…金縛りにあったことはないけど

260: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:00:25.78 ID:o52jJ0B0.net
こたろう「うおっ……てめえ…まだ起きてやがったのか…」

善子「…………………」

こいつは…なんだっけ…忘れちゃった……

こたろう「糞ッ垂れ野郎驚かすんじゃねえぞ」

善子「…………………」

驚かせてなんかないわ…ずっと座ってたのよ…

こたろう「糞ッ垂れ野郎……姉ちゃんに迷惑かけんなよ!迷惑かけるなら出ていきやがれ畜生が!」

261: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:08:37.96 ID:o52jJ0B0.net
…………………………………………………………………

善子「……………………」

外が明るくなった…もう朝なのね…といってもコロニーの偽太陽…思えば昨日の月明かりも偽月の光

こころ「あれ…ヨハネさん…もしかしてずっとそうしてたんですか?」

善子「………………………」

そうよ一晩中座ってたのよ

私馬鹿でしょ?ダメでしょ?全部失敗したのよ?たくさんの友達が私に賭けて…危険をおかして私を助けてくれたのに

こころ「あさごはんはなにかリクエストはありますか?今なら好きなものを作りますよ?」

善子「………………」

そうねぇ…昨日食べたけど…フレンチトーストが食べたいわ…
昨日はルビィがたくさんメープルシロップをかけたけど…あのくらいも悪くないわね、またたくさんかけようかしら

266: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:20:47.09 ID:o52jJ0B0.net
こころ「はい!自信作です!フレンチトーストですよ」

善子「………………」

なんで……

こころ「今日はことりおねえちゃんの味に近づいたでしょうか、こたろうに聞いてみましょう」

善子「……………」

甘い香りが鼻の奥をつついてる…

善子「………」ピクッ

こころ「!………」

善子「………」パクッ

こころ「ふふふ」ニコニコ

善子「…っ……ふぐっ…うぅ…ああぁ…」ポロポロ



こたろう「おは………チッ…俺はまた寝るぜ糞ッ垂れ」

267: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:24:24.94 ID:o52jJ0B0.net
こころ「ハンカチをどうぞ」

善子「……ごめんなさい」

こころ「いえいえ…」

善子「美味しかったわ…まあ…ことりのと比べたらすこし落ちるけど」

こころ「うぅ…まだまだ修行が足りませんか…」

善子「ごめんなさい…」

こころ「?」

善子「無視しちゃってて……私…こんなの受け入れられなくて…」

こころ「まあ…誰だってそうでしょう…」

268: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:30:18.63 ID:o52jJ0B0.net
こころ「意外と早かったですね」

善子「?」

こころ「もっとずーっと落ち込んだままだと思ってました」

善子「私は今だって」

こころ「ずーっと口聞いて貰えないかもって思いました、そんな顔でしたよ」

善子「…そう…ひどい顔してたのね…私」

こころ「ことりおねえちゃんが治安維持局に連行される前の日…言ってたんです…もしもヨハネさんたちが帰って来たらうちに入れてあげてって」

善子「……ことりが」

こころ「こたろうはダメですね、ヨハネさんを殺そうとしちゃってますから」

269: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:50:14.96 ID:o52jJ0B0.net
善子「……でも…私が悪いから…」

こころ「はぁ……これから…どうしますか?」

善子「…………何も考えてないわ…」

こころ「もうちょっと考えてください!」

善子「?……だって」

こころ「ことりおねえちゃんも海未さんももういません…でも…あなたのお友だちはそれだけじゃないですよね?」

善子「………」

まだ…決まったわけじゃない…ルビィはどこかにいるはず…

それに…わからないけど海未に調べてもらったら千歌と曜もコロニーにいる…

270: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 00:55:57.75 ID:o52jJ0B0.net
善子「そうね…ルビィたちを探すわ…」

こころ「ですよね」

善子「……といっても…」

こころ「手がかりは全く、ありませんよね」

善子「何かしってるの?」

こころ「いえ、まったく」

善子「まあ…とにかく探す…」

こころ「ことりおねえちゃんがヨハネさんたちの為にお洋服を作ってました、もう20年も前のものですけど……よかったら着ていってくださいね」

善子「うん、ありがとう」

こころ「ほかに何かいるものがあったらいってくださいね」

271: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 01:03:37.03 ID:o52jJ0B0.net
………………………………………………………………

善子「よしっ…」ズッ

こころ「もういっちゃうんですね…もう少しゆっくりしていっても」

善子「じっとしてられないの…」

こたろう「チッ……さっさと出ていきやがれブス」

善子「悪かったわね」

こころ「こら!」ボカッ

こたろう「ケッ」

善子「ありがとう…ふたりとも…迷惑かけてごめん…」

こころ「いえいえ」

善子「じゃあ行くわ🙋🙋」

こころ「いってらっしゃーい👋」

280: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:02:46.08 ID:o52jJ0B0.net
善子「ふぅ!特別商業区ね」

🚙ブロロロロロロ「ヨハネさーん…やっぱり送りますよー」

善子「こころさん?!」

こころ「乗ってください!ここからリニアの駅までは歩きはキツいですよ」

善子「……ありがとう」

こころ「さあ」ガチャ

281: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:09:24.58 ID:o52jJ0B0.net
🚙ブぉぉぉぉん

こころ「最後までこたろうが…ごめんなさい」

善子「いいのよ、気にしてないから」

こころ「お姉さまと戦争ではぐれてから…教会のことりおねえちゃんがお母さんの代わりで」

善子「私羊と戯れてたから教会の子たちほとんど覚えてないの…ごめんなさい」

こころ「ことりおねえちゃんが居なくなってからは…こたろうは…」

善子「……」

こころ「でも…昔はすなおないい子だったんですよ」

282: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:15:19.56 ID:o52jJ0B0.net
こころ「必要なものは全部ありますか?足りないものがあれば買いますよ?」

善子「たぶん大丈夫よ、リニアの切符とお金と着替えがあれば」

こころ「大丈夫そうですね」

善子「本当にありがとう」

こころ「いえいえ……そろそろ駅ですよ」

🚙ブぉぉぉぉん

283: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:20:04.01 ID:o52jJ0B0.net
🚉🚄

こころ「それでは」

善子「こんなところまで…ありがとう」

こころ「いいんですよ、ことりおねえちゃんがいたらこうしたでしょうし」

善子「はは、なるほどね」

こころ「じゃあ、がんばってお友だちを見つけてくださいね」

善子「うん、さようなら」

こころ「さようなら~」🚙

ブロロロロロロロロロロロロ

284: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:30:13.59 ID:o52jJ0B0.net
善子「………」キョロキョロ

善子「改札……あった」🎫

次は…15分後ね、それで商業区の駅まで20分…

善子「はぁ…」

千歌と曜がいる商業区…とりあえずそこで探そう

えっと…あれから25年だから……ふたりはもう40くらいか…見て分かればいいんだけど…

アナウンス「プーーー…マモナク…デンシャガトウチャクシマス」

285: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:35:06.37 ID:o52jJ0B0.net
🚄🚅🚅🚄

モフッ

善子「席💺がふわっふわねぇ…」

善子「おっ…到着したら椅子が起こしてくれるのね!」

寝てなかったことをすっかり忘れてたわ

そんなこと考えてたら突然もの凄い睡魔が…

善子「ふぅ……」

286: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:42:04.65 ID:o52jJ0B0.net
…………………………………………………………………

ブルルルルルル……ブルルルルルル

善子「んぐ……」スヤスヤ😪💤💤

ブルルルルルル……ブルルルルルル

善子「ああ!もう!!!って………着いたのね……」

中途半端に寝ちゃったから余計に眠くなっちゃうわ……駅を出たら…とりあえず宿を探そうかしら…



善子「えっと……北口…南口…うぅーん……北!!」

北ね!なんとなく、南を選んだほうが良さそうだけどあえて北を選ぶことで不幸を避ける堕天使の上等テクニック!

287: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/11(水) 23:56:56.96 ID:o52jJ0B0.net
善子「わっ……」

たくさんのビルに大きなスクリーン…飲食店にデパート……あの看板には…スキー!?こんなところで?!
とにかくいろんな趣味とか娯楽の街なのかしら…

善子「……とりあえず…案内所的なところを…」

スポーツ…ゲーム…映画らしきもの…飲食店にいろんなお店…なんだかこっちも楽しそうね…

288: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 00:04:44.59 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

「ありがとうございましたー」

善子「500円……安いわね…意外と」

でもコンビニで買えるガイドブック…あまり期待はしないほうが…

📖パラパラ

善子「ホテル…旅館……400箇所!?」

多すぎるのよ…広いコロニーっていっても……
とりあえず…適当に安そうなところを…

そうだ…千歌は旅館の子だったっけ…

善子「………そんな…都合よくいかないわよねぇ…」

十千万だっけ…📖パラパラ

289: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 00:20:27.86 ID:vpdjn7eq.net
善子「…やっぱり…ないわよねぇ」

うーん……一番安いところにしよう…節約しないと…『民宿ワタミ』……なんか黒そうだけど…まあいいわよね

善子「ここから…バスで20分…はぁ」

バス停…駅に戻って待つのね…寝ないようにしないと…乗り遅れたらずっとそのまま寝ちゃいそう…

🚏🚌

善子「………」ジロジロ

何あのピッカピカの靴…あんなのが流行ってるの?センスないわね…未来の人って

294: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:17:40.20 ID:vpdjn7eq.net
…………………………………………………………………

🚏🚌ブーッ

善子「ありがとうございました」チャリン

善子「………民宿……これかしら…?」

民宿和民

善子「うーん…漢字…ますます黒いわね…」

ガララララ

善子「すみませーん」

おばさん「はーいご予約の方ですか?」

善子「う…いえ…すみません」

おばさん「あら…ちょっと待ってくださいね」

295: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:23:55.60 ID:vpdjn7eq.net
善子「……」

おばさん「大丈夫ですよ、一泊だけなら」

善子「本当ですか!?」

おばさん「一番奥の部屋になります」

善子「はぁーい」

トットットッ

ガララララ

善子「はぁ~疲れた…」

意外としっかりした部屋ね、とりあえずどうするか考えないと…

296: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:28:47.99 ID:vpdjn7eq.net
善子「あっ…せんべい」

あんまり変わらないのね…そういうところは

バリバリボリボリ

なんにもないのよねぇ…手がかり…

でも千歌と曜は商業区にいる可能性が高いはず……生きてればだけど…

ルビィ…ルビィは………

善子「はぁ…」

まったくわかんない…この世界にいるのかどうかも…

善子「うぅーん…」グゥ~

297: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:36:13.65 ID:vpdjn7eq.net
トットットッ

善子「すみません…ごはんって」

おばさん「500円追加で夕朝に出せますよ」

善子「なるほど…じゃあ5500円…」

おばさん「………7500円ですよ、2食つきで」

善子「ええっ!?そんなぁ!?一番安いんじゃないのぉ?!」

おばさん「………あぁ…もしかして…間違えたの?ワタミさんと」

善子「えっ!?ここって民宿ワタミじゃ」

おばさん「ごめんなさいね、ここ和民と書いてカズミンって読むの」

善子「えええっ!?」

298: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:39:30.48 ID:vpdjn7eq.net
おばさん「もしかして…北口の17番バス乗り場からきたの?」

善子「は…はい」

おばさん「ワタミは南口の17番乗り場なの」

善子「うええっ!?」

嘘…やっぱり北口は失敗だったの……

おばさん「……ごめんなさいね…ワタミの方にいきます?今なら全然大丈夫ですよ」

善子「うぐ…いえ…今日はここに」

おばさん「ごめんなさいね」

2000円…痛いわね…

299: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:44:15.83 ID:vpdjn7eq.net
おばさん「お昼ごはんなら近くにたくさんあるから…」

善子「はぁい…」

ガララララ

善子「はぁ…何食べようかしら…」

トボトボ

善子「ガイドブックには…えっとこの辺は…Bの9……何これ!?ラーメン屋ばっかりじゃないのぉ!!」

なんでこんなにラーメン屋が密集してるのよ…

300: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:54:19.38 ID:vpdjn7eq.net
油そば本舗、ら~めん大好き倶楽部、火山、成層軒、竜の舞etc.…

善子「うぐぐぐ…竜の舞…が一番かっこいいけど…何これ…ほとんどモヤシじゃないの…それにこんなに食べられないわ…」

油そば本舗…これは…何?ラーメンなの?なんでラーメンカテゴリにあるの?

成層軒…ここは餃子がおいしいって書いてあるけど…まあマトモそうね…

火山…熱いのね、激辛ラーメン…辛さを1から10まで調節できるのね…ここも大丈夫そう

ら~めん大好き倶楽部…ここは…普通のラーメン屋さん…看板メニューにニラ…うま辛さ豚骨ニララーメン…たまねぎラーメン…

善子「…油そば…も美味しそうだけど…よくわからないし…山盛りモヤシは食べれない…」

301: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 10:57:35.10 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

ガララララ

「いらっしゃいませー」

善子「………」

ら~めん大好き倶楽部…一番普通のラーメン屋さん…安そうだし…

「お一人様ですかぁ?」

善子「はい」

「カウンター席でよろしいですか?」

善子「構いません」

「じゃあ空いてるところにどうぞ」

善子「……」

302: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 11:03:18.37 ID:vpdjn7eq.net
善子「…どれにしようかしら…」

しょうゆラーメン、みそラーメン、とんこつラーメン…どこにでもあるラーメンたちと餃子、チャーハン…
そこにやっぱり目立つのが…ニラとたまねぎ

「オススメはニララーメンにゃ」

善子「あっ…はい」

何この人…「にゃ」って……方言?「ずら」みたいな感じ?

ニラは…あんまり美味しくなさそうね…一応看板らしいけど…

善子「すみませーん」

「はいはーい」

善子「ニ……しょうゆラーメンと餃子を」

「………はぁい…しょうゆと餃子ですね」ショボ

303: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 11:10:02.85 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

「しょうゆと餃子でーす」

善子「ありがとうございます………じゃあ……いただきます」

「若い女の子が来るなんて珍しいにゃ~」

善子「そ…そうなんですか」ツルルルル

善子「ぶっ…あっつ」

「むぎ茶だよ」カタッ

ゴクッゴクッ

善子「ぷふぅ…ありがとうございます」

「凛はお姉さんくらいの頃は…ら~めんの修行を始めたんだぁ」

善子「そ…そう…フーッフーッ」ツルルルル

304: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 11:16:11.70 ID:vpdjn7eq.net
………………………………………………………………

善子「……………………」

「それでね、師匠が……」

長い!…食べ終わっちゃったんだけど!いつまでら~めん修行の話してるのよ!?

善子「あ…あのぉ」

「あっ…ごめんなさい…また喋り過ぎたにゃ」

善子「ご…ごちそうさまでした」

「お姉さんは旅の途中?」

善子「えっ?なんで…」

「なんとなく!」

善子「…まあ…旅って感じになるかもしれない…」

「そっかぁ!じゃあ困ったときは凛を頼ってもいいよ!」

善子「困ったこと…」

「そう!なんでも言って!!」

305: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 11:24:12.82 ID:vpdjn7eq.net
善子「………」

「?」

善子「困ったことって言われても…」

「そんなに深刻なの?それともなんにもない?」

善子「うーん…そうねぇ…人を探してるのよ…」

「人を?」

善子「そう、でもなんにも手がかりがなくて」

「それなら…」

善子「それなら?」

「ずーっとエレベーターの方にいったところの科学特区との境の辺りに情報屋さんがいるらしいにゃ」

善子「情報屋さん?」

何それ…ゲームじゃないんだから…

「本当だよ!」

306: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 11:27:44.65 ID:vpdjn7eq.net
善子「まあ…考えとくわ」

「がんばってね~」

善子「えっとしょうゆラーメンが550円と餃子が300円」

「はぁーい、ありがとうございましたー」

ガララララ

善子「……ふぅ、お腹いっぱいだわ…」

情報屋さん…なんかあんまり期待できないけど……まあどうしようもなければいってみようかしら

310: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 19:09:26.84 ID:vpdjn7eq.net
善子「どうしようかしら…」

それっぽいところにいってみる?

でも…それっぽいところなんて…

とりあえず歩いてみようかしら…

テッテッテ

善子「………」

人…多いわね………歩いても歩いても人か…よく分からないお店…

しかもみんなあのピッカピカの靴…眩しいのよ!!

311: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 19:16:31.64 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………


善子「はぁ~」バタッ

あれから4時間…ずっと歩いたけど何も無し…
まあ仕方ないけど…

善子「足が痛い…」ゴロゴロ

柔らかいわねぇ…民宿のベッドは…

このまま寝ちゃいそう……

晩御飯まで一時間…このまま寝ちゃったらそのまま朝まで寝ちゃいそうだから我慢しないと……

312: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 20:54:13.79 ID:vpdjn7eq.net
ずっとここで生きることになるのかしら…

元々25年後、つまり今の時代に目覚める予定だったとはいえ…5年しか経たずに目覚めて…そのまま失敗しちゃった……

しかもその事はバレてて…お世話になった人は殺されて……
そうなった以上警備はこの前よりずっと厳しくなってるだろうし…もうエレベーターへの侵入は……

それにエレベーターのタイムマシンはもう完成してるかもしれない…そしたらこの世界の戸籍がない私が合法的にのる手段はないし
そもそも一般人には使わせないだろうし…

善子「…はぁ…」

313: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 20:59:17.47 ID:vpdjn7eq.net
ルビィ…みんな……とにかく会いたい………

善子「…!……そうだ……協力者…」

忘れてた…協力者…誰かわからないけどきっといる…私たちの味方…

その人は…20年経って生きてるのかしら…生きてるのなら話を聞きたい…

それで謝らないと…失敗したことを…

善子「……会わなきゃいけない人がいっぱいね…」

314: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 21:06:15.36 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

善子「いただきまーす」

おばさん「ごはんのおかわりは無料ですよ」

善子「わかりました!」

ごはん、鰤の照り焼き、ポテトサラダ、味噌汁、りんごジュース、プリン

善子「へぇ~鰤、魚なんていたんだ」モグモグ

おばさん「お魚の養殖場ができたのは最近ですね」

善子「養殖場ねぇ……」モッモッ

おばさん「そう、農業区の地下にね」

善子「地下…排水口は…」

おばさん「?…そんなものもうずいぶん前に無くなりましたよ」

315: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 21:08:58.52 ID:vpdjn7eq.net
善子「えっ?!」

おばさん「そこから不正にコロニーに来る人が問題になってましたから」

善子「じゃあ排水は?!」

おばさん「完全な循環システムが完成したんですよ」

善子「………」

じゃあ…もうここを出られないってわけね…

善子「そうだ…」

外はどうなってるんだろう…25年後はある程度復興が進んでると考えて25年後に目覚める予定だったらしいけど…

316: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 21:11:54.44 ID:vpdjn7eq.net
善子「コロニーの外は…復興とか進んでるの?」

おばさん「そうですねぇ…最近になって外部の調査隊が設立されて…」

善子「!」

まだぜんぜん進んでないの?……信じられない…

おばさん「………あなた…ちょっと変じゃない?知らなすぎじゃ」

善子「うえっ!?…その…病気だったんです!ずっと寝たきりで…」

おばさん「そう、大変だったんですね」

善子「そ、そうなの…あはは…」

317: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 21:23:13.22 ID:vpdjn7eq.net
……………………………………………………………

♨チャポン♨

善子「…………」ソーッ

チャプ

善子「あっ!……たかいわね…」ジャブ

危なかったのかしら…?

にしても全然進んでないなんて…やる気あるの?…ずっと世界をこのままにしておく気?だとしたら…なんで…

外は…あのときのまま?…瓦礫の山…

考えるのは避けてたけど…ダイヤ…あれから20年経って…………

善子「……………暖かいわね…変わらないのはお風呂だけ…かしら」♨😌♨

318: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/12(木) 21:37:34.84 ID:vpdjn7eq.net
…………………………………………………………………

善子「ああ~」サッパリ

今日はゆっくり寝よう…回ったのはこの北口側を大きくぐるっと、途中でちょっと路地をみたくらい
明日は南口側に行くわ…それで安い方のワタミに泊まろうかしら…

善子「えっと…朝ごはんは7時半…」

🌃🌃カチッカチッ🌃🌃

善子「おやすみ………って…ひとりだった…」

324: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 15:35:32.91 ID:oz0fmL0t.net
…………………………………………………………………

善子「お…おはようございます」ウトウト

おばさん「おはようございます朝ごはんは出来てるのでどうぞ」

ごはん🍚、のり、味噌汁、鮭、ヨーグルト

善子「いただきます」

おばさん「一泊なので…10時までにお荷物を」

善子「はーい」モグモグ

325: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 15:39:30.74 ID:oz0fmL0t.net
善子「よし、着替え、財布……」ギュッギュ

善子「………洗濯…ワタミの方は貸してくれるかしら…?…」

それともコインランドリー?コインランドリーなんてここにあるのかしら…



善子「じゃあ…ありがとうございました」

おばさん「はい、こちらこそね~」

善子「7500円ね」

おばさん「ありがとうございました~また来てくださいね~」

326: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 15:46:15.17 ID:oz0fmL0t.net
善子「………………」

🚏🚌「ブーン」

善子「駅まで20分…」

で南口にいって17番乗り場からワタミに
泊まれたら荷物を置いてまた町を歩く…

善子「はぁ…スニーカーでも買おうかしら…足が…」

また歩くなんて…自転車のレンタルとかしてないか調べてみよう…

327: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 15:53:38.11 ID:oz0fmL0t.net
………………………………………………………………

民宿ワタミ

善子「小さい……のね」

まあ一番安いところだし…

🐶「アンアンッ!!」

善子「きゃっ」

🐶「アンッ!!」

善子「犬…何よもう…驚かさないで…」

🐶「アンッ!!アンアンッ!」

ガララララ

「あ~ごめんねトリュフぅ今ごはん持ってくるよ」

328: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 15:57:38.19 ID:oz0fmL0t.net
善子「すみませ

「えっ!?」

善子「あっ」

「なんで~!!?」

善子「え」

「なんでなんでなんで!!?」

善子「あああ痛い痛い」ホッペブニブニ

「あっ…ごめん…」

善子「…あなた…」

「もしかして…善子ちゃんの娘さん?」

329: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 16:04:32.02 ID:oz0fmL0t.net
善子「違うわよ!」

千歌「ええっ!?じゃあなんで!?昔のまんまだよ!!」

善子「あとで説明するわ……それより千歌……でいいのよね?」

千歌「そうだよ!高海千歌!42歳独身!心はまだまだ女子高生!!」

善子「……………」

千歌「……………」

善子「……年相応の振舞いをし

千歌「善子ちゃぁぁぁん…ちっちゃくてかわいいぃ」ギュウッ

善子「あわっ!千歌が大きくなったのよ!!」

331: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 16:09:08.08 ID:oz0fmL0t.net
…………………………………………………………………

千歌「ほんとに…善子ちゃん…昔のまんま…かわいい…娘ができたみたいだよ…」ウルウル

善子「私にとっては昨日のことみたいだけど」

千歌「こーるどすりーぷ…だっけ?」

善子「そうね…で目覚めたら未来に来てたってわけ」

千歌「…まあ…いろいろあったからねぇ…とにかく…善子ちゃんが生きてて良かった!!」

善子「……そっちこそ…見つけられて良かったわ、千歌」

333: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 16:13:48.76 ID:oz0fmL0t.net
千歌「そうだ!」

善子「?」

千歌「曜ちゃんがそろそろ帰って来るかも!!」

善子「えっ?一緒にいるの?」

千歌「そ!ふたりで民宿!……それとトリュフも!」

善子「あの犬?」

千歌「そうだよ!トリュフっていうの!」

善子「…まあ…うまくやってるのね」

千歌「それが……」

「たっだいま~」

334: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 16:19:56.03 ID:oz0fmL0t.net
曜「わっ!!?」

善子「……………」

曜「よ……妖怪!?座敷わらし!?」

善子「…まあ…日本的には妖怪かもしれないわね…堕天使」

曜「………善子ちゃんの……娘さん?」

善子「違うわよ!」

千歌「善子ちゃんはこーるどすりーぷしたんだよ!」

曜「こーるどすりーぷ……」

善子「そう、だから25年前のまんまなのよ」

曜「うーん」ジロジロ

337: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:06:26.85 ID:3uLt2KS/.net
曜「ちっちゃくてかわいいっ!!娘ができたみたいだよ!!」 ギュッ

善子「ふわっ!?」

千歌「あははは、よーちゃん私とおんなじこといってるー」

曜「で…どうしてこーるどすりーぷなんてしたの?」

善子「それは…」

千歌「タイムマシンを使って過去にもどって戦争のきっかけを無くすんだって」

曜「なるほど!…よくわらないけど」

善子「とにかく…ふたりが生きてて良かったわ…」

338: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:12:07.89 ID:3uLt2KS/.net
千歌「私たちなりにみんなを探してるんだけど…お仕事もあってなかなか難しくて…」

善子「そうよね…」

千歌「私たち以外に会った?」

善子「ダイヤは…20年前目覚めた時に…私とルビィを助けてくれたわ…」

千歌「おおっ!ダイヤちゃんが!」

善子「でも今はわからない…コロニーの外に住んでたから……」

曜「……そっか…」

善子「マリーは…もういないって…ダイヤがいってた……」

千歌「…………」

善子「あとは……みんなわからない…20年前の友達に調べてもらって千歌と曜がここにいるのはわかってたけど…」

曜「……それで…ルビィちゃんは?別行動?」

339: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:16:23.37 ID:3uLt2KS/.net
善子「……………」

曜「……………」

善子「ここに…20年前からここにくる時に…はぐれたの…」

千歌「…………お昼にしよっか!もうこんな時間だもん!」

曜「そ、そうだね!」

千歌「善子ちゃんゆっくりしていってね!お金はとらないよ!なんならずーっといてもいいよ!」

善子「ありがとう……」

曜「さっ!お料理お料理!」

341: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:31:42.78 ID:3uLt2KS/.net
……………………………………………………………………

千歌「どうぞ~カレー🍛👳だよー」

善子「いただきまーす」パクッ

曜「千歌ちゃーん…私もお腹が空きましたー」

千歌「もー自分でよそって!!」

曜「はぁ~い」トットット

善子「ふたりとも…変わらないわね」モグモグ

千歌「そう?もうおばちゃんだよ?」

善子「そーいうことじゃなくて…」

トットット

曜「いただきまーす」

342: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:38:20.83 ID:3uLt2KS/.net
善子「ふたりは…誰かに会えたりしたの?」

千歌「……全然…みんな…コロニーの外にいるのかなぁ…」

曜「そう…なのかな…善子ちゃんの話だと少なくともダイヤちゃん鞠莉ちゃん果南ちゃんは外にいたわけだし…」

千歌「………」

善子「…………」

曜「……コホン」

343: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:41:51.95 ID:3uLt2KS/.net
曜「ごはん中くらい…楽しくしようよ」

千歌「そ…そーだねぇ」

曜「ここでひとつ!」

千歌「なあに?」

曜「この民宿の名前の由来を知ってるかね?」

善子「ワタミ…あの黒い」モグモグ

千歌「えっ?私知らないよ?曜ちゃんがいつの間にか決めたんだもん」

善子「知らないのぉ!?」

千歌「ほんとにほんとに!」

344: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:45:02.68 ID:3uLt2KS/.net
曜「私と…千歌ちゃん…」

千歌「?」

曜「渡辺と…高海」

善子「まさか」

曜「ワタ(ナベ)と…(タカ)ミ」

千歌「うっ!嘘ぉ!?」

善子「そんな…」

曜「どう?すごいでしょ?」

千歌「すごい…今まで気づかなかったよ…」

曜「でしょ?だって言わなかったもん!」

345: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:50:34.48 ID:3uLt2KS/.net
善子「………ごちそうさま」

千歌「おっ、どうだった?」

善子「とっても美味しかったわ」

曜「私もごちそうさまー」

千歌「とりあえず…今日はゆっくりしていきなよ」

善子「………そうさせてもらうわ…」

なんだか…ふたりと話してたら気が抜けてきちゃった…

千歌「あ!曜ちゃんお皿洗っといてね~」

曜「りょーかい!」

346: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/13(金) 23:57:23.60 ID:3uLt2KS/.net
善子「ふぅ」ゴロゴロ

千歌「大変だったねぇ」

善子「…まあね…」

千歌「私はここでしか働いてないけど…曜ちゃんは二日おきにタクシーの運転手さんもやってるの」

善子「タクシーの…」

千歌「だからここにも詳しいよ……まあ…それでも今まで誰にも会えなかったんだけど…」

347: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 00:05:38.51 ID:aCRSoB9E.net
千歌「だから…私も曜ちゃんも…善子ちゃんが来てくれてすっごく嬉しいな」

善子「千歌……」

千歌「これからどうするの?……ルビィちゃんを探して…」

善子「……………」

千歌「エレベーター…二回も侵入される事件があって警備はものすごいらしいよ」

善子「……」

千歌「もし良かったら…私たちと一緒に暮らさない?ルビィちゃんも一緒に」

善子「……………」

348: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 00:09:29.26 ID:aCRSoB9E.net
曜「お皿!洗い終わりました!!」

千歌「おっ!ありがとー!」

曜「さーて、今日は善子ちゃんもいるから三人でお昼寝だね!」

善子「お昼寝……ここ民宿でしょ…仕事は」

千歌「それが…」

曜「昔はかなり儲かったんだけどねぇ」

善子「?何かあったの?」

千歌「…何かあったっていうか…」

349: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 00:12:53.81 ID:aCRSoB9E.net
曜「なにもなかったっていうか…」

善子「…………」

千歌「えへへ…まあ…二日に一回くらい来るし…」

善子「………」

曜「………寝よう…」

千歌「そうだね……」

352: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 11:39:48.60 ID:aCRSoB9E.net
曜「…………」スヤスヤゴロゴロ

善子「ねえ」

曜「んぅぅぅ…」スヤスヤ

善子「ねえってば!」

曜「なぁにぃ?…まだお昼寝の時間だよ?」ウトウト

善子「タクシーの運転手なんでしょ?」

曜「………そうだけど…それがどうしたの?」

善子「情報屋さんって知ってる?客から聞いたりとかしてない?」

353: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 11:46:39.59 ID:aCRSoB9E.net
曜「……私も…噂なら聞いたことあるよ…」

善子「じゃあ…会ったことはないのね…」

曜「私も…仕事しながら私なりに探してはいるんだけど…」

善子「エレベーターの近くの科学特区の境目の近くにいるらしいんだけど」

曜「あぁそれも聞いたな…本当にいるのかなぁ…」

善子「明日…探しに行こうと思うの」

曜「……そっか…手伝うよ」

結局手がかりになるものはなにも無くて…存在するのかもよく分からない情報屋に頼るしかないのね…

355: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 12:30:18.41 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

千歌「それではぁ!!善子ちゃんが来たことをぉ」

曜「かんぱーい!!」🍺

カンカンッ

千歌「はやいよぉ!!」🍺

曜「………ぷはぁ」

千歌「からあげいーっぱい作ったよぉ?」

善子「じゃ、いただきまーす」

曜「善子ちゃんも飲むぅ?」

善子「嫌よ!それビールでしょ!!」

曜「まあまあ~そんなお堅いこと」

千歌「だーめ!!」パシッ

曜「あべっ」

千歌「善子ちゃんはぶどうジュースだよぉ」

356: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 12:37:52.94 ID:aCRSoB9E.net
曜「ヤア!ヤア!」

千歌「もー!曜ちゃん!!」

曜「ヤア!ヤア!」

千歌「うるさぁい!!」ドンッ

曜「ばっ」㌧

善子「…………」

千歌「ごめんね…曜ちゃんアルコールが入るとすぐ暴走しちゃうの…」

善子「そう…なのね」

曜「…………」zzz

善子「嵐のようね…」

千歌「あはは……起きたらちゃんと反省してるから大丈夫だよ……
明日はまたルビィちゃんを探しにいくの?」

357: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 12:45:04.59 ID:aCRSoB9E.net
善子「そうね……噂に聞いてた情報屋さんを探そうと思うの」

千歌「そっかぁ…私にも何かできることはないかな」

善子「……ここにも泊めてもらえるだけで助かるわ」

千歌「ごめんね…」

善子「いいのよ…会えただけで」

千歌「…そっか!」

善子「からあげ美味しいわよ」

千歌「ありがとー、お風呂出来てるからいつでもどーぞ」

359: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 12:53:25.82 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

曜「昨日は…ごめんなさい!」

善子「…………」

曜「千歌ちゃんに聞きました…私が大暴れしたと」

善子「大暴れってほどじゃ」

曜「反省してます…もう昨日のようなことはしません!」

善子「別にいいわよどっちでも…」

千歌「だーめ!いっつも私が片付けるんだよ!!」

曜「ごめんなさい!」

360: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 12:58:44.09 ID:aCRSoB9E.net
千歌「今日は善子ちゃんを車に乗せてルビィちゃんを探すのを手伝ってあげてね!」

曜「元々その予定だよ」

千歌「ならよろしい」

曜「じゃあさっそく!!」

善子「ええ」

千歌「いってらっしゃーい!」

361: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 13:32:30.38 ID:aCRSoB9E.net
……………………………………………………………………

🚕ブォォォォォォォン

曜「ちなみに善子ちゃんは誰から聞いたの?情報屋さんの話」

善子「…前に泊まってた民宿の近くのラーメン屋さんで聞いたの」

曜「へぇ~」

善子「………昨日ビール飲んでたけど…車運転していいの?」

曜「…………ちょっとまって………フゥーッ」

ピピッ

曜「オッケー!」

善子「そのたまごっちみたいなのでアルコールがはかれるのね」

曜「たまごっち…懐かしいね!」

362: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 14:57:43.63 ID:aCRSoB9E.net
曜「…この辺かなぁ?」

善子「……こっちの方は…雰囲気が違うわね」

曜「そうだねぇ…まだまだ小さな善子ちゃんには悪影響かも、車止めてくるから待ってて」

善子「うん」

目の前に大きなエレベーターが立ってる…
並んでるお店は…駅の近くとかコロニーの外側みたいな華やかなものはないけど…違う意味で派手なピンクの看板やらなにやら……
人もおじさんと派手な女の人ばっかり…

曜「止めてきたよ!」

363: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:01:29.09 ID:aCRSoB9E.net
善子「……ほんとにこんなところに情報屋が…」

曜「わかんない…まあ探してみよう」

善子「そうね」

曜「そうだ!はぐれたらいけないからはい」

善子「なにこれ?携帯?」

曜「そう、私はお仕事用の無線でプライベートの携帯と繋げるから私の携帯持っててね」

善子「ありがとう」

曜「じゃあとりあえずあるいてみよー!」

364: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:08:05.83 ID:aCRSoB9E.net
善子「うわ…これって風

曜「ダメー!見ちゃダメ!!まだ16歳でしょ!!」バッ

善子「ふぐぐモゴモゴ

曜「はぁ、ダメだった、失敗だった…まだこんなにかわいい善子ちゃんをこんなところに連れてくるなんて」

善子「ぷはっ!仕方ないでしょう!」

曜「そーだけどぉ」

善子「………なんか…それっぽいものはまったく見当たらないわねぇ」

曜「そうだねほとんど風…いかがわしいお店だよ」

365: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:16:42.24 ID:aCRSoB9E.net
善子「あれは?セーフでしょ?」

フルーツパーラーあやせ

曜「フルーツパーラー…すごい目立つね…ここだと」

善子「入ってみるわよ!」

曜「うーん…まああそこなら」

ガララララ

「いらっしゃいませ」

曜「あの~」

「かわいらしいお客さんね、親子かしら?」

366: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:20:08.28 ID:aCRSoB9E.net
善子「ち」

曜「そうです!かわいいでしょう?」

「ふふふ、あまり似てないわね」

善子「……………」

「さ、カウンターに座って」

曜「あのぉ」

「どうかしたの?」

曜「ここの近くに情報屋さんがあるって聞いたんですが」

「…………なるほどね…知ってるわよ」

善子「本当!?」

367: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:28:21.23 ID:aCRSoB9E.net
「科学特区の境目の壁よ、行けばわかるわ」

曜「本当ですか!?ありがとうございます!」

善子「やったわ!」

曜「せっかくだし何か頼もうか」

善子「じゃあこのいちごのババロア!」

曜「うーん…このみかんジュレってやつにしてみようかな」

「承ったわ!少々お待ち下さい」

369: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:39:26.38 ID:aCRSoB9E.net
曜「こんなにあっさり見つかるとはねえ」

善子「まあいいじゃないの」

「お待ちどうさま、いちごのババロアとみかんジュレよ」

曜「わーい、いただきまーす」

善子「いただきます」

曜「美味しい~」ジュルッ

善子「おいしいわね♪」モグモグ

「新鮮なフルーツよ、毎朝農業区から直送!」

371: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:43:38.99 ID:aCRSoB9E.net
曜「ビックリしました、まさかこんなところにフルーツパーラーがあるなんて…」

「そうね、表ではここだけよ」

善子「どうしてここで始めようとおもったんですか?」

「実は昔駅の方でやってたんだけどうまくいかなかったのよ、それであえてここでやったらたくさん人が来てくれるんじゃないかと思って」

曜「なるほど!」

善子「やるわね」

372: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:47:17.47 ID:aCRSoB9E.net
…………………………………………………………………

善子「ごちそうさま」

曜「おいしかったです!」

「またいつでも来て。朝の方がフルーツが新鮮でいいわよ」

善子「いちごのババロア…1200円ね」

曜「いいよ~私がだすから」

善子「え?出すわよ?」

曜「いーの、はいみかんジュレとあわせて2500円」

「ありがとうございました」

373: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 15:50:12.60 ID:aCRSoB9E.net
曜「ふぅ…じゃあ壁まで!」

善子「そうね」

曜「競争だぁ!」

善子「ええっ!?」

曜「冗談だよ」

善子「………」

曜「あっ!ここもダメだよ!見ないでね!」

善子「何を今さら…」

374: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 16:01:39.82 ID:aCRSoB9E.net
曜「ふぅ…壁に来たけど……」

善子「壁ね」

曜「何も無いね」

善子「なんでよぉ!?騙したの!?」

曜「とりあえず歩いてみようよ」

善子「もぉ…壁じゃない……」

曜「おっ、おしゃれな落書き」トットット

善子「行けばわかるって…壁しか……ん?」

あのマンホール…

375: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 16:05:43.53 ID:aCRSoB9E.net
「ひゃあぁぁぁぁあああああ」

曜「何っ!?」

曜「あれ……善子ちゃん?…善子ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁん」

━━━━━━━━━━━━━━━━━

善子「いったぁぁぁぁい」ヒリヒリ

マンホールの周りがつるつるしてて滑って落っこちちゃった……

善子「ここは…」

何……マンホールの中に落ちたのに…人がたくさんいる…それにお店みたいなのもたくさん……

ザワザワ

376: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 16:08:43.53 ID:aCRSoB9E.net
プルルル

善子「あっはい」

電話「善子ちゃん!?よかったぁ…今どこ!?」

善子「なんか…マンホールの中に」

電話「マンホールの中ぁ!?ちょっと待ってて!すぐ行くよ」プツッ

善子「……………」

マンホール…排水口?…なら循環システムがどうこうで使われなくなってたはず…
それで利用してるのかしら…

曜「うわぁぁぁぁぁぁぁ」ドサッ

380: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 23:33:43.13 ID:aCRSoB9E.net
曜「いったたた……あっ!善子ちゃん!大丈夫?怪我は?」

善子「問題ないわ…それより」

曜「わっ!?何ここ…」

善子「地下にこんなところがあったのね…」

曜「……25年もコロニーに住んでて初めて知ったよ…」

善子「ここに例の情報屋さんがいるってことよね…」

曜「そう考えたほうがいいね」

381: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 23:40:11.11 ID:aCRSoB9E.net
曜「すごいねぇ…お店もあるし…机と椅子もたくさん…」

善子「じゃあ情報屋さんを探しましょう」

曜「うん」

善子「といっても…」

曜「大丈夫!」

善子「?」

曜「すみませーん」トットット

おっさん「あ?どうしたんだ姉ちゃん」

382: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 23:42:38.97 ID:aCRSoB9E.net
曜「あの…私ここに来たの初めてなんですけど」

おっさん「そうかい、どうしてこんなところに?」

曜「情報屋さんの噂を聞いて」

おっさん「ああ、なるほどな、それならここから右に50歩ほど進んだところにあるバーに行きな」

曜「本当ですかぁ?ありがとうございます」

おっさん「オウ、気を付けろよ」

トットット

曜「ここから右に50歩くらいのところのバーだって」

善子「……ここでは情報屋さんも有名なのね」

383: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 23:46:38.98 ID:aCRSoB9E.net
テクテクテク

曜「46,47,48,49………」

善子「50!!」

曜「ここ?」

善子「みたいね」

曜「名前は…書いてないね…この数字は電話番号かな?」

善子「とりあえず入ってみるわよ」

曜「あっ…善子ちゃんまだ子供だからバーなんて」

善子「今さら何いってんのよ」

曜「あはは、冗談だよ。さあはいろう」

384: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/14(土) 23:59:28.57 ID:aCRSoB9E.net
🔔チリンチリン🔔

「いらっしゃいませ」

この人が情報屋さん?…帽子をかぶってるしサングラスみたいなのをかけてて顔がよく見えないわね…

曜「ふたりです」

「……!……………」 ガクッ

善子「大丈夫ですか?」

「えっ…でも………」

曜「?」

「そっか…そうだ…経ったんだ…25年」

善子「えっ?」

386: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:17:41.42 ID:LG2pRTtS.net
「たぶんだけど…善子だよね?…それと…もう一人は曜かな?」

ペタペタ

曜「ひゃっ?!えっ!?」

「曜…良かった…」ギュッ

曜「ふわっ!?…もしかして…か…果南ちゃん!?」

善子「えっ!?」

果南「良かった…壊れてなかったんだ…生きてたんだ…」

善子「むっ…」ギュムッ

これは……ハグ!?

387: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:21:41.52 ID:LG2pRTtS.net
果南「……ルビィは?一緒に目覚めたんでしょ?」

善子「……」

曜「果南ちゃん…どうしてこんなところに…」

果南「それは話すと長くなるんだけど」

善子「というか…情報屋さんって…」

果南「ああ、それは私じゃないよ」

曜「ええっ!?」

果南「情報屋……ふたりが探してる情報屋さんなら…奥の部屋にいるよ」

389: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:33:10.77 ID:LG2pRTtS.net
果南「はいりますよ」

ガチャ

「何?」

果南「情報屋…って呼ばれてる……にこさんだよ」

にこ「さんはいらないっていつも言ってるでしょ!!」

善子「あなたが…」

にこ「ふぅーん…ちんちくりんね…」

果南「このふたりは…私の昔の友達なんだ」

にこ「ええっ!?」

曜「そうです…」

390: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:41:21.30 ID:LG2pRTtS.net
にこ「……果南……あんた…友達を探してここまで来たんでしょ…積もる話があるんじゃない?」

果南「それは…」

曜「友達をさがして?」

にこ「そ、果南はチカ、ヨー、リコ、マルとかいう人を探してコロニーに違法侵入してきたのよ」

曜「私たちを!?」

果南「そ……それで死にそうになってたところをにこさんに助けてもらったんだよ」

善子「……大丈夫なの?…汚染…モロに浴びてたんじゃ」

果南「それも地下の医者にみてもらって…目は見えなくなったし髪も無くなったけど…」

391: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:42:03.41 ID:LG2pRTtS.net
にこ「……果南……あんた…友達を探してここまで来たんでしょ…積もる話があるんじゃない?」

果南「それは…」

曜「友達をさがして?」

にこ「そ、果南はチカ、ヨー、リコ、マルとかいう人を探してコロニーに違法侵入してきたのよ」

曜「私たちを!?」

果南「そ……それで死にそうになってたところをにこさんに助けてもらったんだよ」

善子「……大丈夫なの?…」

果南「地下の医者にみてもらって…目は見えなくなったし髪も無くなったけど…」

392: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:50:29.63 ID:LG2pRTtS.net
果南「22か23年前にダイヤたちと別れて…みんなを探しに…」

曜「そ…そうだったんだね……」

善子「…………………」

果南「大丈夫?」

善子「……なんか…何をいえばいいのか…」

果南「ふふ、私もだよ」

にこ「で…私に用ってなに?」

善子「………人を探してるの」

393: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 00:55:37.59 ID:LG2pRTtS.net
にこ「人を…」

善子「ルビィ……黒澤ルビィっていう」

にこ「……どんな人なの?外見の特徴とか」

善子「真っ赤な髪で…翡翠色の瞳…背は私とほぼ同じくらいで」

にこ「…………私はね…わけあって情報を集めてるうちに…いつの間にか情報屋なんて呼ばれるようになったの」

善子「はあ」

にこ「だから私は何でもしってる訳じゃないわ」

善子「…………じゃあ」

にこ「私の知る限り赤い髪の女はふたりいるわ」

394: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 01:02:45.07 ID:LG2pRTtS.net
善子「ふたり……」

にこ「そのうちどちらかがあなたの探してる人かもしれない…どっちも違うかもしれない」

善子「……」

にこ「ひとりは…23年前にエレベーターに侵入しようとして殺された人よ…戸籍不明で名前も不明…赤い髪だったっていうのも単なる噂でほとんどわからない」

善子「23年前…」

ことりや千歌の言ってた…私とルビィの前に侵入してた人…

にこ「もう一人は…私の妹が科学特区に行った時に少し話したって…名前は聞いてないらしいわ」

善子「!」

395: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 01:11:48.98 ID:LG2pRTtS.net
曜「つまり…ルビィちゃんは科学特区にいるかもってこと?!」

善子「………」

果南「ルビィが?」

にこ「あんまり期待しないで…」

善子「………とりあえず…いかなきゃいけないところができたわね」

果南「そうだ!なんでルビィと一緒にいないの?」

善子「………それは…」

399: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 09:46:53.08 ID:LG2pRTtS.net
…………………………………………………………………

果南「………なるほどね…つまり一回20年前に目覚めて…そのとき失敗しちゃったんだ」

善子「……」

果南「鞠莉は…死んじゃって…ダイヤも20年前に別れたっきりでわからない…千歌はちいさな民宿で曜と暮らしてて…ほかのみんなは行方不明…」

善子「………」

果南「…鞠莉…なんだかんだでしぶとそうだったけど…一番最初に…」

善子「……ごめんなさい…」

果南「何いってんの…善子のせいじゃないよ」

善子「でも…私が失敗しなかったら…」

果南「誰も善子を責めたりはしないよ」

400: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 09:54:06.39 ID:LG2pRTtS.net
果南「…命をかけて戦って来たんだもんね……帰って来ただけで十分だよ」

善子「…」

果南「これからどうするの?ルビィを探して…千歌たちのところに暮らす?」

善子「…そんな…私のせいで死んじゃった人もいるのに…私だけ…」

果南「誰もそんなこと気にしないって…きっと20年前に助けてくれたダイヤも…農業区のふたりの女の子も…他のみんなも善子が普通に暮らすっていっても文句は言わないと思うよ」

善子「でもぉ…」

果南「いいの…もう危ないことしないでね…」

401: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 09:59:59.59 ID:LG2pRTtS.net
曜「果南ちゃんが生きてて良かったよほんとに」

果南「私もにこさんに助けてもらえなかったらずっと昔に死んでたよ」

にこ「さんはいらないっていってるでしょ」

曜「ところで……ここってなんなんですか?」

果南「ここは元々排水口だったところを利用してるんだ」

にこ「たまたま埋められなかったのよ…それでここにコロニーでの戸籍の無い人たちが集まって暮らしてるのよ」

曜「へぇ~…コロニーでの戸籍が無い人って」

果南「そう、ほとんどは不法侵入した人」

曜「…………」

にこ「今は外から入るのはほぼ不可能だけど昔はたくさんいたのよ」

402: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 10:06:53.16 ID:LG2pRTtS.net
善子「いちおう私もそうだし」ヒョコッ

曜「たしかに」

果南「上に住んでる人たちと協力しながらね」

曜「にこさんも外から?」

にこ「そうね」

果南「妹を探しに来たんだよね」

にこ「それで情報を集めてたのよ」

曜「見つかったんですか?」

にこ「ひとりはね…今は買い物にいかせてる」

曜「ひとり…ってことはほかにも」

にこ「そうよ、私含めて四人姉弟」

403: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 10:13:15.50 ID:LG2pRTtS.net
善子「……………」

にこ「はぐれちゃったみたいなのよ…弟ともうひとりの妹は」

曜「大変ですね~」

にこ「ここあは運良くいい人に拾われたから普通に暮らせてたけど…こころとこたろうは…あの子達ふたりだけで……」

善子「えっ?」

にこ「……なによちんちくりんだんご」

善子「むっ……」

410: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:18:26.15 ID:LG2pRTtS.net
にこ「………まさか…あんた何か知ってるの?」

善子「知ってるわ」

にこ「なっ?!こころとこたろうを!?」

善子「……良く見たら似てるような気がするわ目とか…いろいろ

にこ「教えなさい!どこで会ったの!!」

善子「農業区の教会よ」

にこ「んな……」

411: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:22:42.66 ID:LG2pRTtS.net
善子「20年前に私とルビィを助けてくれたことりが教会で働いててそれで今はことりに育てられたこころさんたちが教会にいるってわけ」

にこ「………元気だった?」

善子「そうね…一応電話番号もあるけど」

にこ「教えなさいっ!!」

善子「あ……はい」

果南「……………じゃあ…私たちは席を外そうか?」

曜「そうだね」

412: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:27:50.02 ID:LG2pRTtS.net
━━━━━━━━━━━━━━━━━━

果南「何か食べる?」

曜「さっきフルーツパーラーに行ったんだけど………食べます!!」

果南「お酒もあるよ」

曜「じゃ

善子「やめて」

曜「はい……」ショボ

果南「?」

善子「……じゃあ軽く…たこ焼き!!」

果南「わかった」

413: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:31:31.06 ID:LG2pRTtS.net
🐙チーーン🐙

果南「はいよっ」

曜「冷凍たこ焼き……」

果南「なっ…以外と美味しいんだよ!」

善子「じゃあいただきまーす」パクッ

曜「果南ちゃんはどうする?」

果南「どうするって?」

曜「いや…良かったら…私たちと暮らさない?」

414: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:36:25.44 ID:LG2pRTtS.net
果南「………まあ…考えたんだけど…」

曜「………」

果南「ほら…目見えないし…迷惑かけちゃうよ」

曜「そんなこと!…一緒にいられるだけで」

果南「…にこさん、歩けないんだ」

善子「えっ?!」

果南「戦争で…やっちゃったんだって。外見的には治ってはいるけどもう動かないらしいんだって」

曜「それで…奥の部屋でずっと座ってたんだ…」

415: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:44:14.77 ID:LG2pRTtS.net
果南「私も…目は見えないけど…できることはあるし」

曜「助けてもらった恩返しってことだね」

果南「ま…そういうことになるのかな」

曜「まあ!同じ町にいるんだからいつでも会える!こんどは千歌ちゃんも連れてくるよ!」

果南「おっ!千歌は20年ちょっとでどうなったかな」

曜「ぜんぜん変わってないよ」

善子「嘘よ、大きくなってるわ」

果南「見れないのが残念だな…千歌だけじゃなくてふたりも…」

曜「…………」

善子「……………」🐙パクッ

曜「ああっ!?善子ちゃんほとんどたこ焼き食べてるぅ!!」

416: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:47:49.32 ID:LG2pRTtS.net
曜「ずるいよ!」

善子「いいじゃないの、私は育ち盛りなのよ」ペロリ

果南「あはは」

曜「も~」

善子「ふぅ…ごちそうさま」

果南「そろそろにこさん電話終わったかな?」

コンコン

417: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:54:51.08 ID:LG2pRTtS.net
ドアのむこう「入らないで!!」

果南「……大丈夫?」

ドアのむこう「お代はいらないわ…だんごガールがまだいるなら……ありがとうって言っといて…」

果南「だってさ」

善子「だんごガール…」●

曜「どうしたのかな?」

果南「たぶん…泣いてるんじゃない?見られたくないのかも」

419: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 22:59:27.13 ID:LG2pRTtS.net
ドアのむこう「聞こえてるわよ!!」

果南「あはは…」

曜「じゃあ…私たちは」

果南「うん、またいつでも来てね、こんどは千歌も連れてきて」

曜「千歌ちゃんならここに果南ちゃんがいるっていったら飛んでくるかも」

果南「そうだ……もし科学特区にいくなら…ここの地下道を通れば検閲がないよ」

善子「本当!?」

果南「うん、またおいで」

善子「ありがとぉ!!」

曜「じゃあね👋」

果南「うん、バイバイ👋✨」

421: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:03:43.59 ID:LG2pRTtS.net
🚕ぶぉぉおおおおん

曜「いやぁ…驚いたね」

善子「まさか情報屋に果南がいるなんて」

曜「よかったね…本当に」

善子「ルビィの手がかりも見つかった…」

曜「科学特区…」

善子「会ったのは妹さんらしいから…妹さんに聞いてみるわ」

曜「そうだね…さーて急いで帰って千歌ちゃんに報告しなきゃ!」

423: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:18:12.02 ID:LG2pRTtS.net
…………………………………………………………………

千歌「ええ~!!!!か………果南ちゃんが!?」

曜「そう、なんと情報屋さんと一緒に働いてたの」

千歌「う…うわぁぁぁぁぁ!!!」

曜「落ち着いて!!」

千歌「な…あ……か…」

曜「言葉になってないよ!!」

千歌「はっ!どこ!?」

曜「今日はこれからガスの点検がくるから離れられないでしょ」

千歌「で…でもぉぉぉぉ」

曜「私もすぐ行かなきゃいけないし…」

善子「留守番するわよ?」

曜「ガスの点検の支払いで身分証見せなきゃいけないんだよね…」

善子「あっ…」

424: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:21:47.31 ID:LG2pRTtS.net
千歌「うわーーんずるいずるい!!」ジタバタ

曜「おばさんが大暴れ…」

善子「あんたもでしょ」

曜「うぐっ…」

千歌「ううぅ…」

曜「じゃ…じゃあ私はまたタクシーを」

千歌「いってらっしゃい……」

曜「帰りはいつもより遅くなるから晩ごはんはいいや」

千歌「うぅ…」

425: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:38:29.10 ID:LG2pRTtS.net
千歌「…………」スヤスヤ😪💤

善子「喚き疲れて寝たの?……ほんとに40台?」

ここで暮らす……

たしかに果南の言ったようにダイヤも…ことりも海未も…みんなも私がここで暮らすことを知っても怒らないと思う…
そんな人たち…
だけど…だからって…そう簡単に決められない…

そもそも自分の意思で世界を変えに未来に来た…これは私の問題…

諦めて…普通に暮らす自分を許せるか…

エレベーターに行くのが自殺行為なのもわかってる…だからって…

426: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:40:24.67 ID:LG2pRTtS.net
ピンポーン

「ガスの点検に来ましたー」

千歌「ぐむ…」ウトウト

善子「千歌!起きて!ガスよ」

千歌「ふわ…はぁーい」

トテトテトテ

千歌「はい…はい…お願いします…あっ身分証…はい…1200円…」

427: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/15(日) 23:47:27.93 ID:LG2pRTtS.net
千歌「はぁ…今日はお風呂使えないってさ…」

善子「ガスね」

千歌「どっかお風呂いこっかぁ…」フーン

善子「そうね、いちおうガイドブック持ってるわよ」📖

千歌「こんな時間だし車もないから…近くにしようね…あとついでにごはんも食べよう?コンロもダメだって…」

善子「調べてみるわね」

429: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:16:54.60 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「お風呂…北口のほうまで行かないと」

千歌「ええっ!!」

善子「バスに乗るしか…」

千歌「あー…もうめんどくさい…タクシー呼んじゃお…」

ピッポッパ

千歌「あっ…民宿ワタミの高海と申しますがぁ…はいタクシーを…はいお願いしまーす」

善子「………」

千歌「近くのが来てくれるってさ」

430: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:19:01.80 ID:Ic/7Qsdk.net
タクシー🚕プップー

千歌「あっ…北口のほうの……って曜ちゃん!!」

曜「わっ!!千歌ちゃんに善子ちゃん!!」

千歌「それがお風呂が使えなくってさぁ…」

曜「なるほど、それでお風呂に」

千歌「そういうこと」

曜「じゃあ乗って」

千歌「タダに…」

曜「うぐ…」

431: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:21:57.49 ID:Ic/7Qsdk.net
🚕ぶぉぉおおおおん

千歌「いやーまさか曜ちゃんが来るとは」

善子「助かったわね、お財布も」

千歌「あっはっは、私運良いなぁ!」

曜「うぅ…お金がぁ…」ショボショボ

千歌「お風呂屋さんの近くにいいところないかなー」

善子「晩ごはんも決めないとね」

曜「この辺だったかな~」

432: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:24:43.22 ID:Ic/7Qsdk.net
曜「ここら辺のはずだよ」

千歌「ありがとー!」

善子「感謝するわ♪」

曜「どういたしましてぇ…うぅ…じゃあね…また👋😭✨」

🚕ぶぉぉおおおおん

千歌「さてと…あっ!!」

善子「あ…」

千歌「ラーメン屋さんがたくさん並んでる…」

善子「Bの9…すっかり忘れてたわ…ここがラーメン屋さんの集まりだなんて」

千歌「いったことあるの?」

433: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:26:53.59 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「ええ、前にワタミと間違えて和民に泊まったときに」

千歌「じゃあ安心だね」

善子「?」

千歌「美味しいラーメン屋さん」

善子「えっ」

千歌「どれかな?」

善子「一ヶ所しかいってないわよ!」

千歌「じゃあそこにしよー!名前は?」

善子「ら~めん大好き倶楽部…」

434: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:31:07.75 ID:Ic/7Qsdk.net
「らっしゃい!あっ!この前の旅人さん」

善子「ど…ども~」

千歌「こんばんは~」

「今日はお友達連れてきたのかにゃ?ずいぶん歳が離れてるね」

千歌「………この人……にゃって」ボソボソ

善子「方言よ」ボソッ

「?……とりあえず空いてるところどこでもいいよ~」

435: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:33:28.68 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「どれがおすすめ?」

善子「私は…普通にしょうゆラーメンを」

千歌「うーん……このニラはどうかな?」

善子「さ……さあ?」

千歌「やっぱりみそ!!」

善子「すみませーん」

「はいはーい」

千歌「みそラーメンとしょうゆラーメンそれと…チャーハン半分こしよ?」

善子「いいわよ」

「ニララーメンは?」

千歌「大丈夫です」

「…………そっか……」

436: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:36:59.57 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

「はい、しょうゆラーメンとみそラーメンとチャーハンです」

千歌「わあ!美味しそう!」

善子「いただきまーす」

千歌「いただきまーす!」

善子「………」ツルルルッ

千歌「おいしぃ~」ツルン

「ニラはもっと美味しいにゃ……」

千歌「みそもじゅーぶん美味しいですよ!」

「ありがとう……そうだ…旅人のお姉さん…探してた人は見つかった?」

437: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:39:14.81 ID:Ic/7Qsdk.net
善子「いや…でもあなたに教えてもらった情報屋さんからすっごい手がかりをもらったわ」

「ほんとぉ!?本当にいたんだ……それはよかったね」

善子「こちらこそ」つるる

千歌「ここで聞いたんだね」

善子「そうなのよ」

「ニララーメンが食べたくなったらいつでも呼ぶにゃ……」テトテトテト

千歌「ニララーメン…そんなに美味しいのかなぁ…」

438: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:43:44.18 ID:Ic/7Qsdk.net
こちらこそ→ありがとう

………………………………………………………………

千歌「ごちそうさまー」

善子「ごちそうさまでした」

千歌「おいしかったです!チャーハンもラーメンも」

「こんどはニララーメンを食べてね…」

善子「…………」

千歌「えっと…じゃあ2000円で」

「はい…おつりだよ」

千歌「ごちそうさまでしたー」

善子「ごちそうさまでした」

「また来るにゃ…それで次こそはニラを」

ガラララ

439: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:45:37.68 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「はぁ~お腹いっぱい…」

善子「チャーハン以外と多かったわね」

千歌「次はお風呂屋さん…」

善子「えっと…和民じゃない方にすこし歩けば」

千歌「あの煙突かな?」

善子「たぶんそうね」

千歌「よしいこう!」

440: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:53:53.64 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

♨チャプン♨

千歌「ふぅ…落ち着くねぇ」ホンホン

善子「元々埼玉のなんとかっていう温泉だったところらしいわ…コロニーでは珍しく天然温泉みたい…」ホワホワ

千歌「えへへ…すごいねぇ……」

善子「なんだか眠くなっちゃうわ…」

千歌「善子ちゃん……」

善子「どうしたの?」

千歌「ルビィちゃんを見つけたら私たちといっしょに暮らす話…考えてくれた?」

善子「………わからない…」

441: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 00:57:18.89 ID:Ic/7Qsdk.net
千歌「………」

善子「どうすればいいのか…わからないの……」

千歌「………そっか」

善子「……ごめん」

千歌「いいんだよ…別に急がなくても…まだルビィちゃんも見つかってないし…」

善子「……」

千歌「……………」

善子「……ごめんなさい」

千歌「いーのいーの気にしないで」

442: 名無しで叶える物語(神崎町)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 01:00:43.17 ID:Ic/7Qsdk.net
…………………………………………………………………

千歌「……ぷはぁー、お風呂あがりのマミーはいいねえっ!」

善子「…」ゴクッゴクッ

千歌「さーてとっ、タクシー呼んどくよ」

ピッポッパ

善子「ぷはぁっ」

千歌「はーい、お風呂屋さんです!お願いしまーす」

ピッ

千歌「ちょっとしたら来てくれるって」

449: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 10:58:16.56 ID:xVgKosJa.net
……………………………………………………………………

千歌「たっだいまー」

曜「あっ」コンビニベントーモグモグ

千歌「曜ちゃん!?帰り遅くなるんじゃなかったの!?」

曜「あっ…いやちょっとはやくなって…それよりお風呂は…」

善子「ガスの点検で明日の朝まで使えないわよ…」

曜「ええっ!?」

千歌「だから善子ちゃんと晩ごはん食べてお風呂入ってきたんだ~」ホカホカ

曜「えっ!?ずるい!!」

千歌「ごめんね」

450: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:04:17.11 ID:xVgKosJa.net
曜「私はひとり…おうちでコンビニのおべんとう…」ショボ

千歌「ま…まあまあ」

曜「うちの稼ぎはほとんど私なのに…」

千歌「ごめんね…」

曜「千歌ちゃんは善子ちゃんと晩ごはん食べてお風呂…」

千歌「…ほ…ほら…また」

曜「うわぁ!!千歌ちゃんだけずるい!!」ジタバタ

千歌「ごめんね…」

善子「…………」

451: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:08:11.67 ID:xVgKosJa.net
曜「…………」スヤスヤ

千歌「曜ちゃん寝ちゃった…」

善子「疲れてたのよ…」

千歌「そうだね…朝から走り回ってたし」

善子「んーっ…はぁ~……私も疲れたわ…」

千歌「私たちも寝よっか」

善子「うん…おやすみ」

千歌「おやすみなさぁい~🌃✨」

452: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:21:24.35 ID:xVgKosJa.net
…………………………………………………………

善子「…………」スヤスヤ

千歌「朝だよ~」

善子「……ぇ… …」

千歌「おはよう!」

善子「あっ……おはよう」ウトウト

千歌「朝ごはんできるから食べてね 」

善子「うん…いただくわ」

453: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:25:53.55 ID:xVgKosJa.net
千歌「はぁーい」

ごはん🍚、のり、味噌汁、鮭、ヨーグルト

善子「……」

この前も同じもの食べたような……

千歌「どうしたの?気分悪いの?」

善子「いや…大丈夫よ、いただきます」

千歌「いまあったかいお茶出すね~」

善子「そうだ…曜は」

千歌「いまお風呂に入ってるよ」

善子「ああ…そういえば」

455: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:32:51.32 ID:xVgKosJa.net
曜「お風呂入ってさっぱり全開ヨーソロー」ビシッ

千歌「うわっ!あがったの!?…それにそのよーそろー久しぶりに聞いたね」

曜「たぶん10年くらいいってません!!」

千歌「ほんとに!?」

曜「たぶん!でも善子ちゃんが来たので解放します!!」

善子「なんか懐かしいわね」

曜「へへ、そう思ってくれたら嬉しいな」

456: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:36:35.04 ID:xVgKosJa.net
曜「今日はどうするの?」

善子「千歌は大丈夫?」

千歌「果南ちゃんに会いに行くから休業でーす!」

善子「なら千歌といっしょにまた地下に行くわ」

千歌「うわっ!今のはまさかぁ~?」

善子「……………」モグモグ

曜「そっか、送るよ」

千歌「ありがとー」

457: 名無しで叶える物語(湖北省)@\(^o^)/ 2017/01/16(月) 11:43:09.42 ID:xVgKosJa.net
千歌「………やっぱり…私と地下をかけてるんじゃ」

善子「ないわよ!」

曜「あちゃー」

千歌「曜ちゃんは?」

曜「ごめんね、私は今日もお仕事だからいけないや…でもあそこまで送るくらいなら」

千歌「そっかぁ…ごめんね」

善子「…………ごちそうさま」

曜「じゃあ準備したら私に言ってね」

千歌「はぁ~い」