絵里「にこってば小さくて可愛いから心配なのよ！」

にこ「なっ//」

絵里「日が延びてきたとはいえ帰る頃には真っ暗だし、最近不審者も多いらしいし。にこみたいな子は誘拐されても不思議じゃないのよ？」

にこ「ちょっと、そんな大げさな…」

絵里「だからこれ使って！」ｸﾞｲ

にこ「わ、ちょっ」

絵里「ほら、このボタン押すとライトも点くのよ」

にこ「あ、ホントだ」

絵里「ね？これなら安心でしょ？」ﾆｺﾆｺ


にこ「…あーもう、分かったわよ」

――――――――――――――――――

ｶﾞﾁｬバ―――ン！

穂乃果「部活だよ！」

にこ「相変わらずうるさいわねー」

穂乃果「あれ、まだにこちゃんだけ？」

にこ「希と絵里は生徒会寄るって」



防犯ブザー「」ﾁｮｺﾝ


穂乃果「ん、なにこれ？……ストラップ？にしては大きいね」

にこ「あぁそれ、防犯ブザーよ」

穂乃果「あっホントだ！ 懐かしいなー！ 穂乃果これ見るの小学生のとき以来だよ～」

にこ「まあそうよね、普通は」

穂乃果「どうしたのこれ？確か昨日は付けてなかったよね？」

にこ「今朝もらったのよ、絵里に」

穂乃果「そうなんだぁ！でもどうして――」


ｶﾞﾁｬバ―――――ン！！

凛「部活にゃ―――！！」ﾆｬｰ

花陽「わわ、凛ちゃん…」

にこ「もーうるさいわねー！」

凛「今日の凛はアッパー系にゃー！うおおおお」ﾄﾞﾀﾄﾞﾀ

にこ「ちょっ走るな！」

穂乃果「あはは！」

花陽「ご、ごめんねにこちゃん」


防犯ブザー「」ﾁｮｺﾝ

凛(なにこれ…なんかヒモがついてる…)

凛「…」ｽｯ

花陽「あ！凛ちゃんそれ引っ張っちゃ――」



凛「」ｸﾞｲｯ


ビビビビビビビビビビビビビビビビビ！！！！！！

「「「「！？」」」」

穂乃果「うるさぁっ！？」

凛「頭が割れるにゃ」

にこ「なにやってんのよ！」

花陽「凛ちゃんっ、そのヒモ戻さないと―――」


凛「あっ」ｶﾁ


防犯ブザー「」ｼｰﾝ

にこ「と、とまった…」ﾎｯ


凛「なんかゴメンにゃ」ｼｭﾝ

花陽「凛ちゃん…」



―――――ドドドドドドド――――…


穂乃果「あれ、なんか聞こえない？」

――――――ドドドドドドドド――……ﾆｺｫｰｰｰ!!!!


花陽「なんだろ…足音？」

凛「近づいてくるにゃ」

ドドドドドドドドド！！！！！！！

ｶﾞﾁｬ
バ――――――――――ン！！！！！！！！！


絵里「にこ！！！！！！！！！」


にこ「うわっ！？」ﾋﾞｸｩ

穂乃果「絵里ちゃん！？」

絵里「にこ！！何かあったの！？無事なの！？」ｶﾞｼｯ

にこ「わっ、ちょ絵里、落ち着いて！」

花陽「絵里ちゃんどうしちゃったのぉ！？」

凛「あ、希ちゃん」


希「もう…なんなんえりち…急に走り出して…」ｾﾞｪﾊｧ

絵里「にこぉおおおおお！」ｶﾞｯﾁﾘ

にこ「うるさい！力が強い！」

穂乃果「なにこれ」

かくかくしかじか

絵里「はぁ、よかった…本当になんともないのね？」ﾎｯ

にこ「あんたどうしちゃったのよ、今日なんか変よ？」ｼﾞﾄｰ

絵里「にこが無事でよかったわ」ｷﾘﾘ

にこ「ハイハイ」


希「でもなんで急に防犯ブザーなんか」

絵里「最近音ノ木の近くでも変態が出たらしくて、その、にこってとても小さいから心配で…」

穂乃果「あー…」

凛「わかるにゃー」

希「ハイエースされるとこが目に浮かぶやん…」

にこ「なによその反応！そこまで小さくないわよ！」ｸﾜｯ

花陽「でも、にこちゃんのピンチに駆けつけるなんてかっこいいです！」ﾌﾝｽ

穂乃果「王子様だね！」

絵里「何もなかったみたいだけどね」ｱﾊﾊ…

希「いや～羨ましいなぁにこっち～」ﾆﾔﾆﾔ

にこ「っあーもう！この話はこれで終わり！ にこ先に屋上行ってるから！」ﾌﾟﾝｽｺ

絵里「あっにこ――」


ｶﾞﾁｬ
バタム！

凛「照れてるにゃ」

花陽「照れてます！」

希「照れてるなぁ」

穂乃果「照れてるね！」


絵里「そうかしら…きっと小さいって言ったから怒ってるのよ」ｼｮﾝﾎﾞﾘ

穂乃果「いやいや～」

凛「またまた～」

希「まあ、ちょっとだけ過保護かもなあ。にこっちもああ見えて一応高校生やん？」

花陽「心配な気持ちは分かるけど…」

穂乃果「あっそうだ！そんなに気になるなら、にこちゃんのこと家まで送ればいいんだよ！」

絵里「でもそんなの不自然よ。家が離れてるもの」

凛「そんなの関係ないにゃ。やりたいようにやるのが一番にゃ」ﾄﾞﾔｧ

絵里「そう、かしら…」

希「ふふ、えりちはにこっちが大好きやね～」ﾆｺﾆｺ

絵里「なっ// ちがっ…くないけど…//」


花陽「甘酸っぱいです！」

凛「青い春だにゃー」

―――――――――――――――――

「もう真っ暗だね～」
「かよちんまきちゃん帰るにゃー」
「ﾋｯﾊﾟﾗﾅｲﾃﾞ」
「あはは、凛ちゃん元気だね～」
「気をつけて帰るのですよ」
「さっさと帰ってホライゾンゼロやろか～」
「希ちゃんゲオ寄ってこ！」



絵里「にーこ！ 途中まで一緒に帰りましょ」

にこ「ん、おっけー」

絵里「にこ、ちゃんとカバンに付けてくれた？」

にこ「え？カバン？なにが？」

絵里「もう！防犯ブザーよ！ 見えるところに付けないと意味ないのよ」

にこ「あんた意外と心配性なのね。ほら、バッチリ付けたわよ」ﾋｮｲ

絵里「ハラショー！さすがにこね！」ﾆｺﾆｺ

にこ「あー、ハイハイ」

絵里「危ないかもって思ったらすぐにヒモを引っ張るのよ？」

にこ「分かってるわよ子供じゃないんだから」

絵里「ホントに分かってる？いつでも鳴らせるようにしておかないとダメよ？」

にこ「もーうるさいわねー！ そんなに心配なら家まで送っていきなさいよ！」


絵里「えっ」

にこ「あっ」

にこ「いや、そのえっと」ｱｾｱｾ

にこ（なに口走ってんのよ！ これじゃ重い女みたいじゃない！）


絵里「にこ――」


にこ（ていうか重い女って何よ！ 別に付き合ってるわけでもないのに！//）

にこ「あ、冗談よ、じょうだ―――」


絵里「いいの？」ﾊﾟｧｯ

にこ「えっ」

絵里「ハラショー！ にこのこと、これから毎日家まで送るわ！」ｷﾗｷﾗ

にこ「ちょっ…// なに言ってんのよ！しかも毎日って――」


絵里「あ、そ、そうよね、毎日なんて迷惑よね」ｼｭﾝ

にこ「！」

にこ「あーもう、そんな顔しない！」

絵里「にこ…？」


にこ「しょーがないから送らせてあげるわよ、にこのこと！」

絵里「ほ、ほんとに？ ずっと私と一緒に帰ることになるのよ？」


にこ「にこはウソつかないわよ！」

にこ「…ていうか、あんたが言ったんだから、その…ちゃんと毎日送りなさいよね//」

絵里「」ｷｭﾝ




その後なんやかんやあって付き合うことになった

おしまい