ガヴリール「まずはキャラクターメイキングだ」

サターニャ「バイキング？」

ガヴリール「メイキング、お前の分身を作るんだよ」

サターニャ「あ、ああメイキングね！？そ、そのくらい知ってるわよ！」

ガヴリール「髪とか目の色とか声とか選べるようになってるから、テキトーに作れ」

サターニャ「わ、分かったわ！」


サターニャ「できたー！どうどう！？似てるでしょ！？」

ガヴリール「あーはいはい、じゃあ名前を設定してゲーム開始だ」

サターニャ「名前？えーと、胡桃沢、……２本の棒のやつってどーやって出すの？」ｶﾀｶﾀ

ガヴリール「バカ、本名じゃなくてニックネームでいいんだよ……サターニャで登録しとけば？」

サターニャ「あ、それでいいの？じゃあ、さ、た、ー、に、ゃ……っと！」

サターニャ「冒険が始まったわよ！」

ガヴリール「画面に操作方法出てるだろ？試しにいろいろ動かしてみ」

サターニャ「えーと、これで移動して……これで攻撃、これでガード……なるほど！完璧にマスターしたわ！」

ガヴリール「カウンター投げから空中コンボやってみ」

サターニャ「えっ……こ、こうね！！」ｶﾞﾁｬｶﾞﾁｬ

ガヴリール「出来るわけないだろ……最初はゆっくり覚えればいいから」

サターニャ「わ、分かってるわよそのくらい！」

ガヴリール「チュートリアルクリアしたら呼んで」

サターニャ「了解よ！」

サターニャ「1回負けたけどクリアしたわ！なっはっは、意外と簡単じゃない！」

ガヴリール「チュートリアルで死ぬってお前相当……」

サターニャ「それでどうすればいいの？」

ガヴリール「あー、48時間限定の初心者応援パックが売ってるだろ？とりあえずそれ全種類買って」

サターニャ「はぁ！？お金かかるの！？」

ガヴリール「買っといた方があとあと楽だけど」

サターニャ「えー……でも全部買ったら12000円……」

ガヴリール「私に勝ちたいんじゃないの」ﾎﾞｿｯ

サターニャ「あ、悪魔の囁き！！」


サターニャ「買ってしまったわ……人生初課金してしまったわ……！」ﾁｬﾘﾝ

ガヴリール「そしたら今日までにプレイヤーランク150まで上げろ」

サターニャ「はぁ！？150！？まだ4だけど！？」

ガヴリール「そこまで上げないと闘技場に入れないから早めに上げた方がいいんだよ、1-3周回してれば6時間くらいで終わるから」

サターニャ「えーそんなにかかるのぉ……仕方ないわね……」ｶﾁｶﾁ

サターニャ「はぁ、はぁ、目がチカチカする……」

ガヴリール「お疲れさん」

サターニャ「今日はもう終わりでいいかしら？」

ガヴリール「いいんじゃね、続きはまた今度教えるわ」

サターニャ「よろしく……」ﾌﾗﾌﾗ


サターニャ「……はぁ、いきなり課金したりずーっとパソコンいじったり……」

サターニャ「今日は我ながら悪いことばっかりしちゃったわね……ん？待ってよ？」

サターニャ「……あ！やっぱり仕送り増えてる！！」

サターニャ「これで課金した分チャラじゃないの！！」

サターニャ「──というわけで！あれから1週間でランク666まで上げて！最強装備も全部手に入れたわ！！」

ラフィエル「ううう嘘だろ……そんな馬鹿なこと……」

サターニャ「サタニキア王国も闘技場で最強のギルドになったし……極めちゃったかしらこのゲーム！？」

ガヴリール「……なぁサターニャ」

サターニャ「なによ？」

ガヴリール「私も、真面目に悪魔になりたいんだが」ｶﾞｼｯ

サターニャ「は、はぁ！？何言ってんのあんた！？」

おわり