ガヴリール（あ、悪魔！？いま、あの方、悪魔と言いましたか！？）

サターニャ「なーんか、高校生活が楽しみ過ぎてきてみたけど、やることないわねー」

サターニャ「そうだ！この校門前の舗装道路に、そこら辺にある石でサインを書いてやろうかしら」

サターニャ「これから通う高校の前の道路に落書きだなんて……悪ッ！！！！」

サターニャ「もう、この高校も入学前から掌握したも同然ねー！！！！！」

ガヴリール（ら、落書き！？天使として、見逃せません！！）

ガヴリール（ちょっと怖いですけど、天使としてあの方を正しい方向へ導かなくては！）

ガヴリール「ちょ、ちょっとあなた！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

サターニャ「ッ！？ななななな、なーにかしら！？」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ガヴリール「ど、道路に落書きなんていけませんよ！」

サターニャ「！！！！！！」

サターニャ「い、今なんて……？」ｿﾞｸｿﾞｸ

ガヴリール（うぅ、怖いです……！怖いですが……！！）

ガヴリール「道路に落書きするなんて悪いこと、神が許さないと言ったのです！！！」

サターニャ「はぁぁぁああ～～～～～～」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

サターニャ（この子今なんて言った！？）

サターニャ（あく……アク……悪ッ！！！！）

サターニャ（この胡桃沢・サタニキア・マクドウェルが大悪魔だと確かに言ったわ！！！）←言ってない

サターニャ（神をも恐れぬ大悪魔だと！！！）←言ってない

サターニャ（はぁぁぁああ～～～～～～快ッ…感ッ…）

通行人Ｃ（別にちょっとくらい道路の端っこに石で書いてもどうとも思わないが……）

通行人Ｄ（しいて言うなら邪魔だなぁ……騒がしいし）

サターニャ「なぁーっはっはっはー！もっと言いなさい！」

ガヴリール（うぅ！？なんなのですか、この人は……！）

ガヴリール「ヘンな人です……」

サターニャ「んなっ！失礼ね！！！」

ガヴリール「それに、やっぱり落書きはいけませんよ！」

サターニャ「ふふーんだ！！私はこの学校の支配者になるんだからいいんだもーん！！」

サターニャ「『サタニキア様参上』っと……」

ガヴリール「あっ！だめだと言ったのに！」

ガヴリール「ぐぬぬ……全くいうことを聞いてくれません……困りました……」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

サターニャ（くくく、この眼よ……！この、圧倒的悪を見て恐れおののいている眼……ッ）　←違う

ガヴリール「おぉ我が主よ、こういう時はどうすればいいのですか……」

？？？？「お嬢ちゃんたち、ちょっといいかな」

サターニャ「あぁ！？いま、いいところなんだから黙ってなさい！」

？？？？「………………」

サターニャ「なによ！邪魔だからとっととどっｋ……」ｸﾙｯ

グラサン先生「………………………」

サターニャ「うわああああああ！！！！」

サターニャ「ちょっと、あんたも逃げるわよ！」ｶﾞｼｯ

ガヴリール「え？」ｶﾞｼｯ

ガヴリール「あーーーれーーーー」ｽﾞﾙｽﾞﾙｽﾞﾙ

サターニャ「はあっ！はあっ！」ﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯﾀﾞｯ

ガヴリール「なにも逃げなくても……それに私まで……ハァッ……ハァッ……」

サターニャ「はあっ！はあっ！なにあれ！ヤクザよ！ヤクザがいたわ！」

ガヴリール「人を外見で判断してはいけませんよ」

ガヴリール「学校から出てきたから、学校の関係者の方ではないでしょうか」

ガヴリール「とても寡黙で、生徒を時に優しく、またときに厳しくし正しい方向へ導く」

ガヴリール「そのような、静かな闘志を私は感じました」

サターニャ「はあっ！？何言ってんのあんた！？」

～街～

サターニャ「ここまでくれば大丈夫ね！」

ガヴリール「見知らぬ場所まで来てしまいました……」

サターニャ「大丈夫！」

サターニャ「私も知らないわ！」

ガヴリール「……何を根拠に大丈夫と……」

サターニャ「おっ！結構ここら辺は発展してるのねー！」

サターニャ「あそこのゲーセン寄っていきましょうよ！」

ガヴリール「ゲーセン？」

サターニャ「なんか知らないけど、うるさい音がするからきっと楽しいのよ！」

ガヴリール「は、はぁ……」

～ゲームセンター～

サターニャ「ハァーッハッハッハー！パーフェクトよー！」

サターニャ「なかなか面白いじゃない！このダンスダンスレボリューションとかいうやつ！」

サターニャ「どうどう！？私の悪魔的舞踏≪デビルズダンス≫は目に焼き付けた！？」

ガヴリール（い、一緒にいて恥ずかしい……）汗

サターニャ「じゃあ次はあんたの番ね！やってみなさい！」

ガヴリール「え、えぇ……？」

～数分後～

ガヴリール「……えいっ！……えいっ！……」

ガヴリール「……パーフェクトどころか、クリアすらできませんでした」ﾊｰﾊｰ

ガヴリール「うぅ、難しいです」ﾊｰﾊｰ

サターニャ「ハァーッハッハッハー!あんたの負けね！」

ガヴリール「い、いつから勝負に……」

サターニャ「これからはこの私をサターニャ様と崇めなさい！」

ガヴリール「さ、サターニャ様……？」

サターニャ「そう！親しい人はみんな私をそう呼ぶわ！（嘘）」

ガヴリール「は、はぁ……サターニャ様……」

サターニャ「よーし！次はあのアイスクリーム屋に行くわよー！！！」

サターニャ「ついてきなさい！サタニキアブラザーズ！」

ガヴリール（いつの間にか兄弟に……）

～ファーストフード店～

サターニャ「はいはいはーい！私、チョコミントとバニラとクッキーとストロベリーとキャラメルのミックスでお願いしまーす！」

店員さん「……ごめんなさいね、うちはバニラとチョコしか売ってないのよ」

サターニャ「ぶうー！！じゃあ、私チョコで！」

ガヴリール（は、恥ずかしい……）

ガヴリール（そもそも、ここアイスクリームの専門店じゃなくてラーメンとかたい焼きとかも売ってるファーストフード店だし……）

ガヴリール「……じゃあ私はバニラで」

～数分後～

サターニャ「うん、美味しいわねー、褒めてあげるわー！」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ガヴリール「はい♪」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

サターニャ「……………」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ガヴリール「……………」ﾍﾟﾛﾍﾟﾛ

ガヴリール（アイスを食べるときはは、さすがのサターニャ様も静かなんですね）

～数分後～

サターニャ「よーっし！次行くわよ次ーっ！」

ガヴリール「は、はぁ……忙しいです……♪」

サターニャ「次はあのアセソーリーとかいう怪しい店よー！」ﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞﾄﾞ

ガヴリール「アクセサリー（accessory）ショップですねー！」ﾃｸﾃｸﾃｸﾃｸﾃｸ

………

……

…

～夕方～

ガヴリール「そろそろ日暮れですね……こんなに遅くまで遊んだの、生まれて初めてです」

ガヴリール（天界は、規則が厳しかったですし……）

サターニャ「私も初めてかも！そろそろ帰らなっきゃねー！」

ガヴリール「……………………………」

ガヴリール（ふふ、悪ぶっていてもこういうところは真面目なんですね）

ガヴリール「サターニャ様、私、あなたのことを誤解していました」

ガヴリール「……あなたは、言動はともかくとして……とても美しい魂（心）を持っています」

サターニャ「はっはっはー！なんだか知らないけど、もっと褒めてもいいのよー！？」

サターニャ「あんた、もし高校でいじめられたりしたら遠慮なくこの私に頼りなさい！」

サターニャ「あんた、いい子でおとなしくて、いかにもいじめられそうだもの！」

サターニャ「私は、サタニキアブラザーズには優しいの！」

ガヴリール「……………………」

サターニャ「……………………」

ガヴリール「ではサターニャ様……名残惜しいですが、これでお別れですね……」

ガヴリール「あなたに、神の祝福のあらんことを」

サターニャ「それは要らないわよ！！」

ガヴリール「？」

サターニャ「…………それに、なーに今生の別れみたいな別れ方しようとしてるの？また明日、遊べばいい話でしょうが！」

ガヴリール（…………………………っ！）

ガヴリール「っはいっ、サターニャ様っ！また明日、ぜひ遊びましょうっ！待ち合わせは、この広場でっ！」

サターニャ「そうね！また明日ー！」

ガヴリール「また明日ー！」

サターニャ「………………………………」

サターニャ「行ったか………………………………」

サターニャ「………………………………」ｷｮﾛｷｮﾛ

サターニャ「………………………………」ｷｮﾛｷｮﾛ

サターニャ「……………………フゥー…」

サターニャ「………………………………迷ったわね！！」

～半年後の舞天高校１－Ｂ教室～

ガヴリール「………………………。」

ガヴリール（結局アイツ、次の日もその次の日もずっとすっぽかしやがって……一週間を無駄にした……）

ガヴリール（サターニャのやつ、バカだから忘れてるし……）

ガヴリール（まあ、私も駄天してずいぶん変わったからわからないのも無理ないか……）

サターニャ「………………………。」

サターニャ（結局、あの広場の名前も場所も覚えてなくて、二度とたどり着けなかったのよねー）

サターニャ（そういや、あの子の名前聞くの忘れていたわね）

サターニャ「結局高校入学してからは会うことは無かったけど……」

サターニャ（あのサタニキアブラザーズは、今でも元気にやってるかしら？）

～完～