にこ｢へっ…い、いや｣

絵里｢無理はしちゃダメよ！｣

希｢またまたぁ、仮病やろー？次の授業テストやし｣

にこ(うぐ…流石は希)

絵里｢体調が悪いのに、テストなんて受けられないでしょう！｣


希｢えぇ…｣

ｶﾞﾗｯ!!


先生｢あら、絢瀬さん。あなたが保健室なんて珍し…｣

絵里｢私じゃなくて！私の、友人が…｣

にこ｢……｣ﾋｷﾂﾘ


先生｢や、矢澤さん？｣

絵里｢頭が痛いみたいで…。この子がこんな風に弱音を吐くなんてこと、なかなか…｣

にこ｢ちょっ、ちょっと絵里…！｣

絵里｢にこ！…テストなんて、いくらでも後から受けられるわ。あなたの体を大切にして｣

希「にこっち保健室にいったん？」

絵里「ええ。あとは先生に任せとけば大丈夫ね」

希「どうせ仮病やろ」


ｶﾞﾗ…ｿｯｰﾄ

希「…にこっちいる？」

希「寝てるみたいやね」

希「さっきはごめんな。うちにこっちのまえでは素直になれへんのよ」

にこ「う～ん……希……すき……」

希「っ！？///」

希「す、す、好きって……！にこっち起きとる！？///」

にこ「……zzz」

希「ほんまは起きとるんやろ……？？///」

にこ「…zzz」

希「知らんフリするつもりか。よーしわかったで……そんなんなら///」

希「寝ているにこっちにキスするよ？///」

希「な、なにいってんやろ！うち！////」

希「熱があるんかなぁ……///」

希「にこっちに確かめて貰わないとあかんね…///」

ｿｯｰﾄ

にこ(やばい…こんな風に言われちゃったら、仮病だったなんて言い出せない…)


先生｢そう……絢瀬さんがそこまで言うなら、本当に気分が悪いのね｣

絵里｢先生、にこをお願いします｣

先生｢じゃあ矢澤さん、そこのベッドに横になりなさい｣

にこ｢あのー……えっと…｣

絵里｢ほら、こっちよ！｣ｸﾞｲｯ

にこ｢ふぐぐっ！｣


絵里｢後で迎えに来るから…しっかり寝ているのよ？｣

にこ｢……うん｣

にこ(はぁ…もういいや。どうせ何処かでサボるつもりだったし)

にこ(このまま寝ちゃお……)ｺﾃﾝ

 

──────

ｶﾞﾗｯ


にこ(んっ……あれ…ほんとに寝てた…？)

にこ(ドアの音がしたけど…誰が入ってきたのかしら)


絵里｢……にこ…｣

にこ(…絵里！)


絵里｢こんなに寝入ってしまうくらい…疲れていたのね｣ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

にこ｢─っ…！？///｣

絵里｢あぁ、にこ…。私がもっと気づいてあげられたら｣


にこ(ち、近い…///近いわよぉっ！///)ﾄﾞｷﾄﾞｷ


ｶﾞﾗｯ


希｢えりち、にこっち大丈夫そう？｣


絵里｢！？///｣ﾊﾞｯ

にこ「にっこにっこにー♡」

絵里「ハラショー！もっとやって！」

にこ「にっこにっこにー」

絵里「もっと！」

にこ「……にっこにっこ、にー」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

絵里「もう一回！」

にこ「にっ……」ｾﾞｰﾊｰ

ｸｩｰ

にこ「あっ……///」

絵里「にこ、お腹すいたの？」

絵里「はい、私の好きなチョコレートあげるわ！」

にこ「……どーも」ﾑｸﾞﾑｸﾞ

絵里「ふふ♡」

にこ「あによ」

絵里「食べてる姿、可愛いわぁ」

にこ「からかってるの？」

絵里「もっとほしい？」

にこ「もういいわ」

絵里「まあまあ、遠慮しないで」

にこ「……あー」

絵里「おいしい？」ﾆｺﾆｺ

穂乃果「あー！にこちゃんだけ絵里ちゃんにチョコもらってる！」

凛「ずるいにゃー！」

絵里「仕方ないわね。ほら、あなたたちにもあげる」

穂乃果「わーい！」

凛「わーい！」

真姫「……」ｶﾐﾉｹｸﾙｸﾙ

絵里「ほら、真姫もいらっしゃい」

真姫「……ありがと」


絵里「なくなっちゃった……」ｸｽﾝ

海未「それでは、次回のライブについての会議を始めましょう」

にこ「はい！はい！にこはぁ～」

海未「まだテーマも発表していないでしょう。落ち着きなさい」

にこ「……」ﾌﾟｸｰ

絵里「私もにこに賛成！」

海未「あなたもです！」ｸﾜｯ

絵里「……」ｼｭﾝ

絵里「……むぐ」ｼｸｼｸﾓｸﾞﾓｸﾞ

花陽「絵里ちゃん、どうしたの泣きながらおにぎり食べて」

絵里「にことお弁当交換したの……」

花陽「えーっ、うらやましいです」

絵里「これ、梅干しが入ってるの……」

花陽「じゃあ、私が食べてあげるね？」ｼﾞｭﾙﾘ

絵里「絶対あげない……」

花陽「うぅう……」

ことり「うぅ、衣装製作も生徒会の事務仕事も終わらないよぅ……」

にこ「しょうがないわね～、にこが手伝ったげるわ」

ことり「わぁ、にこちゃんありがとう！」

にこ「書類は私が引き受けたから、衣装は任せたわよ」

ことり「あれ。でもにこちゃん、確か終わってない課題があったんじゃ」

にこ「ぎくっ」

絵里「しょうがないわね～、私も手伝ってあげるわ」

にこ「真似しないで！」

絵里「にこの課題は、私が引き受けてあげるわね」

ことり「よかったね、にこちゃん♪」

にこ「……ん」

にこ（んー？）

にこ「ねー、希」

希「どしたん？」

にこ「なんかさ、最近の絵里ってさ」

にこ「やけに甘くない？にこに対してだけ」

希「にこっちが可愛くて仕方ないんやろね」

にこ「は、はぁ！？///」

にこ「バッカじゃないの！？当たり前でしょ、バカバカバカ！！///」ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

希「ストレートに褒めるとすぐ照れるんやから、にこっちは本当におぼこいなぁ」ﾆｼｼ

希「きっとえりちも、そんなとこが気に入ったんやろなぁ」

にこ「……ゔー///」ﾓｼﾞﾓｼﾞ

希「えりちね、今妹さんが修学旅行でいないんよ」

にこ「だから？」

希「えりちの心に空いた隙間を埋められるのは、にこっちだけなんよ」

にこ「解せぬ」

希「何が？」

にこ「それって要するに、この私が妹の代用品にされてるってことでしょ！？」

にこ「ちょームカつく！だいたい私、あいつと同学年なんだけど！？」

にこ「妹役なら、穂乃果や真姫ちゃんの方が適任じゃない！」ｷｰｯ

希「まあまあ、しばしの辛抱と思って」

絵里「みんな、亜里沙の修学旅行のおみやげよ！」

穂乃果「わーい！」ﾄﾃﾄﾃ

凛「わーい！」ﾄﾃﾄﾃ

絵里「はいにこ、八ツ橋よ」

にこ「……どーも」

絵里「それからこれ、紅葉饅頭」

にこ「どもども」ﾑｸﾞﾑｸﾞ

絵里「それからこれ、鹿せんべい」

にこ「いらんわ！」

穂乃果「ねー！穂乃果のはー！」

凛「にこちゃんばっかりずるいにゃー！」



希「……あれ？」

海未「ワン！ツー！ワン！ツー！」

海未「にこ、少し遅れてますよ！」

にこ「……ごめん」ﾖﾛ

絵里「にこ！どうしたの！？」

にこ「なんでもない、ちょっと頭痛がしただけよ」

絵里「なんでもないわけないでしょう！？」

絵里「大丈夫？歩ける？保健室行く？」ｵﾛｵﾛ

にこ「歩けなかったら、練習なんてはじめから参加しないわよ……」

絵里「誰か、119番に電話して！あ、真姫はAED持ってきて！」ｱﾀﾌﾀ

にこ「心肺蘇生とか必要ないから！意識あるし普通に呼吸してるから！」

保健室にて……

真姫「37度2分。微熱ね」

にこ「迷惑かけたわね……」

真姫「迷惑なんて言わないで。それより、具合が悪いならもっと早く言いなさいよ！」

真姫「いくら予選が近いからって、今こんなところで無理してどうするのよ！」

穂乃果「ううう、穂乃果の耳も痛い……」

絵里「真姫、落ち着いて」

真姫「だって……」

絵里「一番辛いのはにこのはずよ、ね？」

真姫「……そうね」

海未「とはいえ、真姫の言うことももっともです」

海未「にこ、あなたのラブライブへの意気込みもわかりますが、どうか無理だけはしないでください」

凛「そうにゃそうにゃ。にこちゃんが元気ないと凛のテンションも上がらないにゃ～！」

花陽「にこちゃん、何かほしいものある？必要なものがあったら呼んでね」

ことり「にこちゃんが元気になったら、みんなでチーズケーキでお祝いしよっか♪」

穂乃果「おっ、いいねえ！」

希「さぁさぁ、みんな。病人の周りでワイワイやったらあかんよ」

海未「そうですね。さあ、練習の続きに戻りましょう」

ﾊﾟﾀﾝ……

にこ「はぁ……自分が情けないわ」

絵里「そんなこといわないで」

にこ「……あんた、まだいたの？」

絵里「ごめんなさいね、邪魔かしら？」

にこ「そんなことないけど……けほ、けほけほけほっ」

絵里「ああっ、大丈夫！？」

絵里「そうだ、飲み物買ってくるわね。ちょっと待っててね」

にこ「別にいいわよ、そこまでしてくれなくて」

ﾊﾟﾀﾝ

にこ「……行っちゃった」

ｶﾞﾗｯ

絵里「お待たせ！」

絵里「……あら」

にこ「すぅ……すぅ」

絵里「寝ちゃったの？にこ……」



絵里「……よいしょ」

にこ「！？」

絵里「にこ……」ｽﾘｽﾘ

にこ（え、ちょっと、なにこの状況）

にこ（ちょっと寝てるふりして、絵里の様子を見るつもりだったのに）

にこ（なんで布団に入ってくんのよぉ～！？）

絵里「にこ、にこ……」ﾊｸﾞﾊｸﾞ

にこ（当たってる！腹立つものがむっちゃ当たってる！///）

にこ（おまけになんか、すっごくいいにおいするし！？////）

にこ（あーもー！いっそ寝ぼけたふりして、おもいっきりワシワシしてやろうかしら！）



絵里「……ごめんね……」

にこ（ん？）

絵里「ごめんね……ごめんね……」

にこ（……もしかして、こいつ）

にこ（二年生までのこと、ずっと気にして……）

にこ（あーもー！）

ｷﾞｭ

絵里「……にこ？」

にこ「すぅー、すぅー（棒）」

にこ（バカね、あんたは大バカよ）

にこ（でも、そんなバカで優しいあんたが、今はそばにいてくれる）

にこ（それだけで、私は……）

にこ（……なんでもないっ！///）

後日……

ことり「にこちゃんが元気になって、よかった♪」

にこ「待たせてすまなかったわね、あんた達」

凛「これで思う存分、ダンス練習ができるにゃ～！⭐」

穂乃果「よかったね、真姫ちゃん！ずっと心配してたもんね！」

真姫「べ、別に！///」ﾌﾟｲｯ

花陽「た、大変です！」

海未「どうしたのです、花陽」

花陽「さっき部室の棚を整理していたら発見して……とにかく来てください！」

にこ「！こ、これ……」

花陽「貴重な伝伝伝が……あんまりです！」

凛「なーんだ、ケースに傷がついただけにゃ～」

穂乃果「中身のディスクは無事なんだよね？」

真姫「そういう問題じゃないでしょ！？」

ことり「にこちゃんの宝物なのに……ひどい」

海未「誰の仕業かわかりませんが、正直に名乗り出てください」

海未「黙ってやり過ごそうとするなんて、卑怯です！」



希「だってよえりち」

絵里「……うぅ」

絵里「ごめんなさいぃ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

穂乃果「ええっ、犯人は絵里ちゃんだったの！？」

にこ「どういうことよ！」

海未「……説明してください」

絵里「この間、棚の中身を整頓しようとしたら、間違って落としちゃってぇ……」ｸﾞｽｸﾞｽ

希「正直に言うつもりやったけど、なかなか勇気が出せなかったんやって」

希「うちもついさっき知ったんやけど、ね」

にこ「じゃあ、この頃やたら私に甘かったのも、こないだ布団で謝ってたのも……」

絵里「ごめんねにこ、ごめんねぇ……」ﾎﾞﾛﾎﾞﾛ

にこ「……はぁ」

ﾎﾟﾝ

にこ「よく言えました」ﾖｼﾖｼ

花陽「あれ、にこちゃん？」

にこ「いいのよ。いつかそれ、部室に寄贈するつもりだったし」

にこ「これが私の保存用だったら、さすがにプッツンしてたけど」

ことり「にこちゃん、優しいね♪」

海未「いや、そういう考え方もどうなんでしょうか……」

真姫「もう、気をつけなさいよね」

希「よかったなぁ、えりち」

穂乃果「ドンマイだよ、絵里ちゃん！よくあることだよ、うん！」

凛「失敗は誰でもあるにゃ、過去は振り返らないのが大切にゃ！」

海未「あなた達？」ｷﾞﾛ

ことり「さぁ、みんなでチーズケーキ食べよう♪」

絵里「にこぉ……」ｵｽﾞｵｽﾞ

にこ「いいって言ったでしょ、ウジウジするんじゃないわよ」

にこ「……それに、あんたに優しくしてもらえて、すごく嬉しかったし」

絵里「えっ」ﾊﾟｧｱ

にこ「なっ、なんでもない！なんでもないわよ！////」

希「そだ、にこっち」

希「布団で謝ってたって言ってたけど……二人はいつの間にそういう関係になったん？」

にこ「！！////」ﾎﾞｯ

希「あらら、真っ赤っか」ﾆｼｼｼ

にこ「ち、ちがっ！そんなんじゃないわよっ！！////」

絵里「嘘……にこったら、あの時起きてたの？」

にこ「あ」

絵里「もう……人が悪いんだから//」

にこ「ぬゎに赤くなってんのよ、バカ！」

希「お幸せになぁ」ﾋﾗﾋﾗ

にこ「こらーっ！！////」



おしまい