サターニャ「私のメロンパンが！池に落ちたぁー！！！！」

サターニャ「こら犬！あんたってやつは……いないし！」

サターニャ「うぅぅ……メロンパン……！」

ブクブクブク…

サターニャ「⁉︎」

ザパーン！

サターニャ「な、なに⁉︎」

ラフィエル「私は池の女神でーす」

サターニャ「なにやってんのラフィエル」

ラフィエル「……池の女神でーす」

サターニャ「確かに女神っぽい服だけど……え、天使が女神名乗るとか大丈夫なの？天界的に」

ラフィエル「……大丈夫でーす、女神でーす」

サターニャ「というか池の中に入ってて平気なの？寒くない？風邪ひくわよ？」

ラフィエル「平気でーす、女神なのでー」

サターニャ「え？だからなんなのよ、さっきから」

ラフィエル「……！」

ラフィエル(これは……サターニャさんは金の斧銀の斧の話を知らないのでは……？)

ラフィエル「……サターニャさん、金の斧って知ってますか？」

サターニャ「金の脳？無駄知識のやつ？」

ラフィエル「なんでそれを知ってて童話を知らないのでしょう……」

サターニャ「メロンパン入れになってるのよね」

ラフィエル「それはもういいです」

サターニャ「？」

ラフィエル「あなたが落としたのはー」

サターニャ「あんたそれ、どうやって水の上に立ってるの？」

ラフィエル「……結界とか天使力とかをアレしてまーす」

サターニャ「へぇ」

ラフィエル「あなたが落としたのは、このチョコチップメロンパンですか？それともホイップクリーム入りメロンパンですか？」

サターニャ「は？え、なによ急に」

ラフィエル(金の斧銀の斧を知っている人なら、ここで正直に普通のメロンパンと答えるでしょう)

ラフィエル(では、この話を知らないサターニャさんは何と答えるでしょうか？)

サターニャ「普通のメロンパンだけど」

ラフィエル(普通に答えました！)

ラフィエル「正直者ですね～、正直者には両方あげちゃいまーす」

サターニャ「いや、池の中に入ってたメロンパンとかいらないし……」

ラフィエル「⁉︎」

ラフィエル「袋に入ってるので大丈夫ですよ？」

サターニャ「いや、濡れてるじゃない」

ラフィエル「……」

サターニャ「そこまでして食べたくはないわ」

ラフィエル「……」

サターニャ「で、あんた何を企んでるのよ？」

ラフィエル「⁉︎」

ラフィエル「あの、これで以上になります」

サターニャ「？」

ラフィエル「……あ、この服の中には水着を着てるんですよ！」

サターニャ「あ、そうなの、へぇ」

ラフィエル(無関心！)

サターニャ「まだ寒いのに」

ラフィエル「あ、はい」

サターニャ「……」

ラフィエル「……」

サターニャ「そうだ、私が落としたメロンパンはどこに行ったのよ」

ラフィエル「え？あ、ちょっと待っててください、探してきます」

サターニャ「無いならいいわよ、どうせ食べれないし」

ラフィエル「え、あ、はい、そうですね」

サターニャ「……じゃ、私は行くけど、風邪ひかない内に変な遊びはやめなさいね？」

ラフィエル「……は、はーい」

ラフィエル「……」

池のほとり

ラフィエル「サターニャさんで遊ぶはずが、なんでしょうこの気持ちは」

ラフィエル「……」

ラフィエル「サターニャさんに変な子だと思われたでしょうか……」

ラフィエル「……今さら恥ずかしくなってきました」

サターニャ「ラフィエル！」

ラフィエル「サターニャさん⁉︎」ﾋﾞｸｯ

サターニャ「ほら、身体冷えてるでしょ？コーヒーとココア、どっちがいい？」

ラフィエル「……！」

ラフィエル「……私が落ちたのは、サターニャさんです！」

サターニャ「え？なに急に……こら！ちょ、濡れてんだから、やめ、やめなさい！抱きつくなって、もうラフィエルったら～！」

ラフィエル「うふふ～♪」

サターニャ「ふふっ」

おわり