恒子「いやいやいやいや、え？あれ？」

健夜「こーこちゃんが何か面白いこと言えってフったよね」

恒子「あ……あー！そっかそっか！」ﾎﾟﾝ

恒子「今日は4月1日か！なーるほど！」

健夜「んー？」ｷｮﾄﾝ

恒子「んもう、すこやんったら～」

恒子「いくら生放送だからってこんな体張ってくれるなんて♪」

恒子「引退後は喪女芸人も全然イケるね！」

健夜「喪女！私が！？」

恒子「今見てくれてる視聴者のみなさんもビックリだけど」

恒子「春一番のSP番組で、ゲストが自虐ネタはお勧めしないゾ♪」

健夜「……へ？自虐って？」

恒子「結婚するだなんてさｗｗｗｗｗｗｗｗ」

健夜「うん、するよ？」

恒子「アラフォーがそれネタにした冗談しちゃいかんでしょｗｗｗｗｗｗｗｗ」

恒子「まさに愚者ｗｗｗｗｗｗｗｗエイプリルフールなだけにｗｗｗｗｗｗｗｗ」

健夜「アラサーだよ！でも、たしかに嘘になっちゃうか……」

健夜「彼、今大事な時だし籍は再来年くらいかなぁ……」ﾊｧ


恒子「……………………は？」

恒子「……すこやん、それって何の話？」

健夜「結婚の話だけど？」

恒子「うん、親戚かお友達の結婚の話じゃなくて？」

健夜「え、私の結婚の話を聞いてもらってたんじゃないの？」

恒子「…………」

健夜「…………」


恒子「ファーーーー！？」

恒子「何っ！？すこやん彼氏いたのぉ！？」ｶﾞﾀｯ

健夜「いるよ！ていうか、まさか嘘だと思われてたの！？」

恒子「ファッ！ファッ！？」

健夜「驚き過ぎだよ！失礼だよ！」

恒子「……いや、マジでおったまげましたわ」

恒子「スタンドも月までブッ飛ぶこの衝撃」

健夜「ホントに失礼だね！」

恒子「ホント衝撃……まさかあのすこやんに先こされるとは……」ｶﾞｸｰﾝ

健夜「私帰っちゃうよ」ﾌﾟｸｩ

恒子「ああっ、拗ねないでよぉ～」ﾜﾀﾜﾀ

恒子「せっかくの結婚宣言、このまま特番組んじゃいますよ！」

健夜「え、いいの？他のゲストもいるんじゃ……」

恒子「いいのいいの！」

恒子「大沼プロのスタジオ育毛体験なんていつでもできるし」

健夜（大沼さん……）

恒子「んでんで？馴れ初めは？」ｸﾞｲｯ

健夜「せっ、積極的だね……」

恒子「んっふっふ～、有名人のスクープを独占できるからね」

ディレクター「おｋ」

恒子「上からの許可も出たし、CMも挟まずオールでいくよー！」

恒子「一字一句お茶の間の皆様にお届けします、さぁ！どうぞ！」

健夜「初めての出会いはですね～///」ｸﾈｸﾈ

長野県　某所


健夜「あーあー、暇だなぁ……」

健夜「ダーツで巡る日本麻雀セミナー」

健夜「こんな変な企画の第一弾に選ばれるなんて」

健夜「ていうか、スタッフさん電車間違って間に合わないとか」

健夜「もう番組として成り立たないじゃん……」

健夜「しかも平日の午前中なんて、人全然来ないよぉ……」

健夜「はぁ……こんな知らない土地で一人ぼっち……」

健夜「……寂しいよ……」

健夜「恋人…………恋人が居たらなぁ～」

健夜「こんな状況でも落込まないんだろうなぁ……」

健夜「彼氏いない歴＝年齢だもん、そろそろヤバいよ！」

健夜「どこかに良い出会いなんて――」


「あのー、もしかしてプロ雀士の小鍛治健夜さんですか？」

健夜「ふえっ……？」

京太郎「あ、やっぱり！そうだ！」

健夜（わわわわわ！イケメンが目の前に！）

京太郎「うわー！すげぇ！本物のトッププロだ！」

京太郎「サイン御願いできますか？」

健夜「はっ、はひ！」

健夜「へぇ、須賀君って清澄高校の生徒なんだぁ！」

健夜「IHで大旋風を巻き起こしたよね♪」

京太郎「女子が、ですけどね……」ﾊｧ

京太郎「男子部員の俺は弱いままなんですよ……」

健夜「そ、そうなの……？」

京太郎「…………」

京太郎「小鍛治プロ！」ｶﾞｼｯ

健夜「はい！？」ﾋﾞｸｯ

健夜（イケメンに手を握られとる！？）

健夜（ヤベェ！マジやべぇ！）

京太郎「俺を男にしてください！！」

健夜「」

京太郎「今日、学校抜け出してきたんです」

京太郎「トッププロが長野に来るって噂聞いてまして」

京太郎「俺、もっと麻雀強くなりたくて……」

京太郎「強くなって、あの子に認めてもらって///」

京太郎「告白――って、あれ？聞いてます？」

健夜「」


健夜「……っは！？」

健夜（ヤベェ！マジやべぇ！）

健夜（いきなり過ぎてちょいトリップしちゃってたぜ……）

健夜（初めて会ったイケメン、それも高校生に求愛されとる！）

健夜（貴女の男にしてくださいなんて……）

健夜（なんて情熱的な男の子かしら///）

健夜（乗るっきゃねぇ、このビックウェーブに！！）

京太郎「あの～？小鍛治プロ？」

健夜「……健夜って呼んで」

京太郎「え？あ、はい、健夜さん？」

健夜「////」ﾆﾍﾗ

京太郎「……あの、どうかしました？」

健夜「京太郎君、場所を変えましょう！」ｶﾞｼｯ

京太郎「あ、はい」

健夜「それでですね～///」ｸﾈｸﾈ

恒子「…………待った」

健夜「ん～♪どうしたの～？」

恒子「その、相手って……高校生なんだよね？」

健夜「うん！まだ１６歳なんだよ！」

恒子（なんかヤバそうな展開に……）

恒子「いっ、一旦ＣＭ――」

健夜「そして初めて出会った二人はあま～い夜を過ごすの！」

恒子「」

ＬＯＶＥ　ＨＯＴＥＬ


健夜「んおおおお！おおっ！おおおおん！」ﾊﾞﾂﾝﾊﾞﾂﾝ

京太郎「あああああああああああああ！！」

健夜「いったあーい！初めてっていっでぇあああぁ！！」ﾊﾞﾂﾝﾊﾞﾂﾝ

京太郎「やぁだぁぁあ！やめてえぇぇ ！！」

京太郎「麻雀おじえでもらんじゃ――」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

健夜「もっとも～っと！突き上げてっ！！」ﾊﾞﾂﾝﾊﾞﾂﾝ

京太郎「いやぁぁぁぁぁ！はなれでよぉぉおおお！」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

健夜「ウフフフ！この『痛み』こそ『性』の証！」

健夜「この『痛み』あればこそ『喜び』も感じることが出来る」

健夜「これがリア充！奇妙な安らぎを私は今感じるぅ！」

京太郎「初めては和に……のど……か……」ﾎﾟｯｸﾘ

どびゅっびゅーびゅぅ～

健夜「んおおお！妊娠かくじちゅぅううう～！！」ﾋﾞｸﾝﾋﾞｸﾝ

京太郎「」

健夜「初めでお互い夢中になっちゃってたの///」ﾌﾘﾌﾘ

恒子「……お互い？いやそれ　　　――」

健夜「彼ったら気を失うまで『和、和』って連呼していたの」

健夜「知ってる？こーこちゃん」

健夜「『和』っておだやかとかなごむって意味の漢字なんだよ」ﾄﾞﾔｧ

恒子「……その子の好きな子の名前じゃ――」

健夜「つまり私との愛で和を感じてくれてたの///」ｳｯﾄﾘ

恒子「」

放送終了


恒子「…………」

スタッフ「……」

健夜「お疲れ様でした～♪」ﾍﾟｯｺﾘﾝ

恒子「すこやん……これから……」

健夜「これから？駄目だよこーこちゃん！」ﾇｷﾞｯ

健夜「これからこのスク水で　　　しに行くんだよ！」

健夜「須賀君、初めての　　　から連絡が付かないの」

健夜「奥手な彼は、きっとオトナな私を誘いにくいんだよ」

健夜「だからこういうコスプレで私から誘いに行ってあげるの♪」

恒子「すこやん……うん……」

恒子「さっきから裏で待ってる人がいてね……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ

健夜「こーこちゃん？どうして泣いてるの？」

恒子「私が常日頃、からかったりしてなければ……」

恒子「こんな風になることは……ううっ……」ﾎﾟﾛﾎﾟﾛ


「小鍛治健夜さん、ですね？」

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　　　　　＼　 l　　ﾄこ,! 　　{`-'} 　Y
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翌日　清澄高校


京太郎「待ってくれ！待ってくれ！！和！！」

和「気安く話しかけてくんじゃあねーぜ！このダボがぁ！」

和「咲さんにノンケだと勘違いされちまうだろーが！！」

和「こえだめで生まれたゴキブリの　　　　野郎め」ﾍﾟｯ

京太郎「そんな、和……あぁ……」ﾍﾀｯ

和「あ、咲さーん♪おはようございまーす///」ｽﾀｽﾀｽﾀ

京太郎「ああああああああああああああ！！」

その後


咏「そっか～、逮捕されて罪を自覚できたんだねぃ」

恒子「はい……」

良子「健夜さんと連絡は取り合っているのですか？」

恒子「ええ、今は大分落ち着いてます」

はやりん「にしても高校生となんてうらやまけしからん☆」

靖子（えー……）ｼﾞﾄｰ

恒子「それで追加で報告がありまして……」

良子「追加？」

恒子「その、須賀君と結婚するみたいです」

はやりん「☆」ｶﾞﾀｯ

咏「……ま、マジ？」

靖子「つまり須賀君は受け入れたと？」

良子「というより受け入れるしかないですね」

良子「全国ネットで晒されて学校には居場所がないでしょうし」

良子「マネー的な話だと健夜さんなら軽く養えますからね」

靖子「妥協したか」

咏「なぁ～んか、可哀そうだねぇ～」

はやりん「　　　から始まる恋って素敵やん☆」

恒子「あの放送を流してしまって、ずっと罪悪感があって」

恒子「この報告を受けたときは耳を疑いました」

恒子「でも謝罪をしに行ったら、逆にお礼を言われたんです」

京太郎『レズに熱中してたのは間違いでした』

京太郎『アラサーお姉さん大好きです』

健夜『京くん……///』

恒子「二人とも、今は幸せそうでした……」

はやりん「★」ｹｯ

咏「結果良ければ全て良しってやつか～」

恒子「はい」ﾆｺｯ

良子「まぁ、ドーテー喪失した相手に惚れるのは　It happens」

はやりん「☆」ﾒﾓﾒﾓ

靖子「どうします？ここにも過ちを犯そうとしてる人がいますけど」

咏「通報しておいた方がいいかもね～」

健夜『あのときはごめんね……』

京太郎『いいよ、俺は君しか見てない』ｷﾘｯ

健夜『京くん……///』

京太郎『健夜』ﾀﾞｷｯ


二人は幸せなキスをして終了

おわり

健夜「…………」zzz

健夜「……っは！？」ｶﾞﾊﾞｯ

健夜「なっ、なんだ、ドリームだったか～」

健夜「って、何の夢見てたんだっけ？」ｺﾞｼｺﾞｼ

健夜「黄金の夢ってヤツを見ていた気が……」

健夜「ああ！やばっ！長野のロケに送れちゃう！」

健夜「走れ私！進め私！急げ私！！」

健夜「だって素敵な事が起きそうな気がするだもん！！」

健夜「頑張れ　健夜　頑張れ！！」

健夜「私は今までよくやってきた！！私はデキる女だ！！」

健夜「そして今日も！これからも！彼氏がいなくても！！」

健夜「私が挫けることは絶対にない！！」ﾄﾞﾝ


京太郎「なんだか悪寒がする……」ﾌﾞﾙﾙｯ

Deus Ex Machina


ほんとにおわり