1: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:43:38.67 ID:BTOgBoxp0
私が負けない理由?そんなもの私も知りませんよ…
いつから?そうですね、始めたときからこれくらいの強さでした
う~ん…まぁもう話しても良いかもしれないですけど…
昔、一度不思議な体験をしてから
私は麻雀を始めたんだと思います
詳しくは思い出せませんがある日突然だったんです
時間も、年も解らないある日のことでした…
健夜「ここ、どこだろう…?」
私はどうしてこんな森の中で立ち尽くしているのか?
誰とここに来たのだろうか?
何も思い出せない…思い出そうとすると頭が痛くなってくる
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437673408
いつから?そうですね、始めたときからこれくらいの強さでした
う~ん…まぁもう話しても良いかもしれないですけど…
昔、一度不思議な体験をしてから
私は麻雀を始めたんだと思います
詳しくは思い出せませんがある日突然だったんです
時間も、年も解らないある日のことでした…
健夜「ここ、どこだろう…?」
私はどうしてこんな森の中で立ち尽くしているのか?
誰とここに来たのだろうか?
何も思い出せない…思い出そうとすると頭が痛くなってくる
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1437673408
2: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:45:05.42 ID:BTOgBoxp0
健夜「お母さん…?お母さん!」
必死に母の名前を呼んだ
何度も何度も呼んだ
???「健夜?健夜?」
母の声がしてホッとしました
急いで駆け寄って抱きついたんだと思います
健夜「お母さん!!」
???「健夜?健夜?」
母は何度も私の名前を呼ぶものだから、母も相当怖かったんだと思いました
健夜「お母さん、もう大丈夫だよ…?」
顔を見たんです。『母』の顔はそこには無かったんです
必死に母の名前を呼んだ
何度も何度も呼んだ
???「健夜?健夜?」
母の声がしてホッとしました
急いで駆け寄って抱きついたんだと思います
健夜「お母さん!!」
???「健夜?健夜?」
母は何度も私の名前を呼ぶものだから、母も相当怖かったんだと思いました
健夜「お母さん、もう大丈夫だよ…?」
顔を見たんです。『母』の顔はそこには無かったんです
3: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:46:38.60 ID:BTOgBoxp0
???「ス…コヤ…?スコ…ヤ?」
首をもたげて私の顔を覗き込むようにして、大きな目玉と取れかけの鼻
通常の半分程の大きさしかない口をパクパク動かして
健夜「ヒィッ…!?」
私の名前を呼んでるんです
???「オ…イデ…ス…コヤ?スコヤ?」
健夜「いやっ…!いやああああああ!!」
私は無我夢中で逃げました
アレと居てはいけないと本能で判断しました
首をもたげて私の顔を覗き込むようにして、大きな目玉と取れかけの鼻
通常の半分程の大きさしかない口をパクパク動かして
健夜「ヒィッ…!?」
私の名前を呼んでるんです
???「オ…イデ…ス…コヤ?スコヤ?」
健夜「いやっ…!いやああああああ!!」
私は無我夢中で逃げました
アレと居てはいけないと本能で判断しました
4: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:47:38.22 ID:BTOgBoxp0
アレは走ることは出来ないようでした
まるで関節が無いみたいに体を左右にグネグネと曲げながら
私の事を追いかけてきていました
私は走っているんです
アレはのそのそと歩いてきてるんです
距離が離れないんですよ
さっきまでと同じ距離感で私についてくるんです
離れることもそれ以上近付いて来る事も無く
どうしてわたしがこんな目に?
そう思った瞬間
???「健夜?どこに行くのー?」
まるで関節が無いみたいに体を左右にグネグネと曲げながら
私の事を追いかけてきていました
私は走っているんです
アレはのそのそと歩いてきてるんです
距離が離れないんですよ
さっきまでと同じ距離感で私についてくるんです
離れることもそれ以上近付いて来る事も無く
どうしてわたしがこんな目に?
そう思った瞬間
???「健夜?どこに行くのー?」
5: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:48:59.54 ID:BTOgBoxp0
母の声に変わったんです、本物の母の声に間違いありませんでした
健夜「お母さん!?」
振り返ったらそこには母が居ました
そこは私の家の近所の公園でした
???「もう!遠くに行っちゃいけないっていつも言ってるでしょ!?」
健夜「もう!私もう高校生なんだから大丈夫だって!」
高校生?あ、そうです。これは高校生の頃の話でした
はい、さっきの話もです
それから…あれ?駄目だ…また思い出せなく…
あ、そうそう思い出しました
健夜「ねぇお母さん、私麻雀始めようと思うんだけど…」
???「麻雀?あらいいわね!早速始めましょう!そうしましょう!」
母はとても賛成してくれました
私もとても喜びました
健夜「お母さん!?」
振り返ったらそこには母が居ました
そこは私の家の近所の公園でした
???「もう!遠くに行っちゃいけないっていつも言ってるでしょ!?」
健夜「もう!私もう高校生なんだから大丈夫だって!」
高校生?あ、そうです。これは高校生の頃の話でした
はい、さっきの話もです
それから…あれ?駄目だ…また思い出せなく…
あ、そうそう思い出しました
健夜「ねぇお母さん、私麻雀始めようと思うんだけど…」
???「麻雀?あらいいわね!早速始めましょう!そうしましょう!」
母はとても賛成してくれました
私もとても喜びました
6: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:50:03.50 ID:BTOgBoxp0
健夜「小鍛冶健夜です、よろしくお願いします」
次の日には麻雀部に入部しました
イッパイ打ったんですけど、負けなかったんです
牌を触るのも初めてでした
ルールも知らなかったんですよ?
でも出来たんです、私は
不思議ですか?そんな事無いと思いますよ?
そうですか…特別な事ですか?
何もしていません。ただ…
麻雀をしていると、アレが出てくるんですよ…
次の日には麻雀部に入部しました
イッパイ打ったんですけど、負けなかったんです
牌を触るのも初めてでした
ルールも知らなかったんですよ?
でも出来たんです、私は
不思議ですか?そんな事無いと思いますよ?
そうですか…特別な事ですか?
何もしていません。ただ…
麻雀をしていると、アレが出てくるんですよ…
7: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:50:57.22 ID:BTOgBoxp0
私は麻雀を打ってる時にはアレから逃げてるんです
どれだけ逃げても距離は変わらない
強い人と闘う時にはアレと距離が少しずつ縮まるんです…
必死に逃げて逃げて
場面が変わると私は麻雀に勝ってるんです
え?世界戦ですか…?はい…
私、一度負けたことが有るんですね?
その時は…大きな体でした
歩幅や容姿はアレと変わらないんですけど…
口から涎を垂らしながら笑ってるんです
どれだけ逃げても距離は変わらない
強い人と闘う時にはアレと距離が少しずつ縮まるんです…
必死に逃げて逃げて
場面が変わると私は麻雀に勝ってるんです
え?世界戦ですか…?はい…
私、一度負けたことが有るんですね?
その時は…大きな体でした
歩幅や容姿はアレと変わらないんですけど…
口から涎を垂らしながら笑ってるんです
8: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:52:04.00 ID:BTOgBoxp0
???「ガッ…ヒヒハ…ヤット…ツカマエラレル…ヒヒ」ジュルリ
健夜「やだっ…!?なんで!?なんで逃げられないの!?」
必死に走ったんです、でもアレはゆっくり私に迫ってきました
アレは私を捕まえて、何度も何度も私を ました
乱暴に私の体を使って、醜悪な容姿と
吐き気を催す臭気に抱かれたんですよ私
場面が変わったとき私は病院に居ました
倒れたらしいんです、試合が終わってから
まだ生々しく残るアレの感触に何度も何度も吐きました
私は心が壊れてしまったんだと思いました
健夜「やだっ…!?なんで!?なんで逃げられないの!?」
必死に走ったんです、でもアレはゆっくり私に迫ってきました
アレは私を捕まえて、何度も何度も私を ました
乱暴に私の体を使って、醜悪な容姿と
吐き気を催す臭気に抱かれたんですよ私
場面が変わったとき私は病院に居ました
倒れたらしいんです、試合が終わってから
まだ生々しく残るアレの感触に何度も何度も吐きました
私は心が壊れてしまったんだと思いました
9: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:53:02.66 ID:BTOgBoxp0
それから地方の小さなクラブチームで麻雀をしてましたが
麻雀をしててもアレが出てこなくなったんです
はい、不思議なことですよね?
それから国内で一切負けてません
生涯で負けたのは一度きりです
もういいんですか?ハイ、失礼します
麻雀をしててもアレが出てこなくなったんです
はい、不思議なことですよね?
それから国内で一切負けてません
生涯で負けたのは一度きりです
もういいんですか?ハイ、失礼します
10: ◆JMtHZYT6.E 2015/07/24(金) 02:54:06.37 ID:BTOgBoxp0
以上が小鍛冶健夜氏のカウンセリング中の映像の一部である
なお、小鍛冶健夜氏は現在もプロとして活躍しているものの
対局中に笑顔を見せた事はなく、どこか恐怖に歪んだ表情を浮かべている
彼女が麻雀を始めたきっかけや、その強さに今回の件が絡んでいるのではないかと思う
私は今後も彼女から話を聞いていきたいと思う…
「小鍛冶健夜を作る一つの物語」 ‐了‐
引用元: ・小鍛冶健夜を作る一つの物語
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