1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:04:56.716 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「……うーん、よく眠れたのだ! 今日も良い天気なのだー!」

アライグマ「……? あれ、フェネック? フェネックどこへ行ったのだ?」

アライグマ「いつも一緒に居るのに……。トイレにでも行ってるのか?」

アライグマ「クンクン……おかしいのだ、どこにもフェネックの匂いが残っていないのだー!!」

サーバル「はいはーい! 主人公が通りまーす! どいて下さい主人公が……どうしたの?」

アライグマ「なっ!? い、いきなり何なのだ!? アライさんはフレンズ探しで忙しくなりそうなのだ!」

サーバル「そうなんだ!」

2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:06:24.827 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「お前、フェネックを知らないか?」

サーバル「フェネックを知らないかって、どういう事? 知ってるも何も、だってフェネックは……。よくわかんないや」

アライグマ「ハッキリしないやつなのだー! フェネックはいつもアライさんと一緒にいるのだ! 二人で一つなのだー!」

サーバル「うーん……?」

アライグマ「なんにせよフレンズ探しなのだ! アライさんはフレンズ探しで忙しいのだー!」

サーバル「とにかく、君はアライさんっていうんだね! 私はサーバル! 君の事、もっと知りたいな!」

アライグマ「サーバルはフェネックについて何も知らなそうなのだー! でも、よろしくなのだ」

サーバル「あーはー!」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:08:11.531 ID:/Jzunle10.net
サーバル「何か知りたいならとしょかんに行ってみると良いよ! としょかんはね! えーと、ここからなら頑張ればすぐにつくよ!」

アライグマ「心配には及ばないのだ! アライさんは昔何回もとしょかんに行ったことがあるのだ! アライさんは読書家さんなのだ! アライさんはその辺ばっちりなのだ!」

サーバル「すごーい! 君、文字が読めるのー!? いいなぁ、私なんて、まだなんにもわかんないのに! それじゃ早速としょかんへいこー!」

アライグマ「大丈夫なのだ! アライさんは一人でも大丈夫なのだ! サーバルはありがとうなのだ!」

サーバル「そっか! それじゃ帰りにまたここに立ち寄ってね! そしたらいっぱい楽しい事しようね! じゃあねー!」ドシュウウウウ

アライグマ「凄いジャンプ力なのだ!」

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:10:07.489 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「確か、ここを通っていくはずなのだ! はやくフェネックを見つけないと! いそぐのだー! わっせ! わっせ! わっせ!」

アライさん「……でも、まだ道のりは長いのだ、気軽にいくのも良いかもなのだ!」

アライグマ「そして急いだら喉が渇いてしまったのだ……、あ、あそこに水場があるのだ!」スタスタ

アライグマ「んぐっんぐっ」ジュルルルル

カバ「だあああああああああああああれええええええええええええええええええ!!!!!!!!」ゴォォォォォォォォ

アライグマ「わああああああああああああああ!!!!!!!!」

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:11:21.696 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「わああ、ビックリしたのだ!」

カバ「だいじょぉぶぅ? お水、飲む?」

アライグマ「今まさに飲もうとしていたのだ! あ、あの、こういう耳で、こんな感じのしっぽのフレンズ、知らないか?」

カバ「え……? そのジェスチャーだけではよくわかりませんわね……」

アライグマ「えっと、えっと、だから、こぉーんな感じで、こんな感じなのだ!」

カバ「そうねぇ……ごめんなさいね、変な動きをしているあなたにしか見えないわねぇ」

アライグマ「ぐぬぬ……、アライさんにもっとジェスチャーの才能があれば……! かばんさんならきっともっとうまくやれていたのだ!」

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:14:56.040 ID:/Jzunle10.net
カバ「かばんちゃんねぇ、むかしむかし、このジャパリパークを救ってくれたっていう、すごいフレンズさんなんですってね」

アライグマ「その通りなのだ! かばんさんは凄いのだ! 昔なんどもなんどもとしょかんでかばんさんのお話を読んだのだ! かばんさんはアライさんの憧れのヒトなのだー!」

カバ「なんだかかばんさんの事をお話している時のあなたは楽しそうね」

アライグマ「お姉さんありがとうなのだ! セルリアンに気をつけながら進むのだ!」スタスタ

カバ「あらあら、セルリアンなんて、大昔にみんないなくなってしまったのに、ふふふ、きっと物語の主人公になった気分なのかしらね」

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:16:35.852 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「さっきの水場で結局お水が飲めなかったのだー! あっ!!!! あそこにも水場があるのだ!」スタスタ

ボッチャーン

アライグマ「ブクブクブクブクビグビグビググググ」

アライグマ「ぶはぁあ!! あ、危なかったのだ!! これのおかげで助かったのだ……」

ジャガー「ん? 誰?」

アライグマ「アライさんはアライさんなのだ! これはなんなのだ?」

ジャガー「あぁ、これね、昔かばんさんが作ったって言われてる橋なんだ」

アライグマ「お陰で助かったのだ! かばんさんはやっぱり偉大なのだ! さて、お水も結果的に飲めたしさっさと行くのだー!」

ジャガー「どうしたの? そんなに慌てて」

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:19:18.221 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「こーんな感じのフレンズを探しているのだ! アライさんの大切な友達なのだー!」

ジャガー「えっ、それは、なんだろう……? 」

アライグマ「うぬぬ……、こ、こんな感じなのだ……こんな、こんな風で……」

ジャガー「わからん。でも、それならきっとあそこの山の上にいるかもしれないよ」

アライグマ「どうもありがとうなのだー!」

ジャガー「……なぜ自分の呼び名がアライさんなんだろう?」ごはん

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:20:26.092 ID:/Jzunle10.net
ジャガー「……なぜ自分の呼び名がアライさんなんだろう? わからん、ごはん」

こっち正しい
さっきのミス

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:22:22.053 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「わっせ! わっせ! わっせ! わっせ!」キコキコ……

アライグマ「あっという間に山頂についたのだ! この乗り物もきっとかばんさんが作ったものに違いないのだ! かばんさんは偉大なのだー!」

アライグマ「そしてこんなところに何かあるのだ、少しここでゆっくりしていくのだ!」

アルパカ「あら、お客さん、珍しいね、お茶でも一杯どうかな?」

アライグマ「なんだかキザな髪型のフレンズなのだ……おちゃ、ってなんなのだ?」

アルパカ「ふふ、飲めばわかるよ、ほら、どうぞ、あ、これね、じゃぱりまんもあるからね、ふふふ、お客さん、お客さんなんて随分久しぶりだな……ふふふ」

アライグマ「さっそく頂きますなのだ! ずずずずぁぁあっぢいいいいいい!!??」ブシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:25:45.398 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「カフェって落ち着くのだぁ……」

アルパカ「そうだろう? 先代がここをカフェにしてからずいぶん経ったけど、カフェの雰囲気って変わらないものがあっていいよね、昔はね、ここには歌姫もいたんだよ」

アライグマ「あー! そういえばでんきにも書いてあったのだ! かばんさんが立ち寄ったっていうカフェがあるって!」

アルパカ「あはは、そうだね、ここに違いないよ、伝記なんてあったんだ、かばんさんのおかげでみんな文字が読めるようになったから誰かが作ったのかな」

アライグマ「アライさんはかばんさんを尊敬しているのだ! ちょっとそこのお水借りるのだ!」バチャバチャ

アルパカ「君、じゃぱりまんを水に漬けちゃうなんて不思議な子だね、一人称もなんだか不思議だし……」

アライグマ「さて、おいしいお茶も頂けたし、先を急ぐのだ! じゃぱりまんもありがとうなのだ! ん、なんだかじゃぱりまんがやたらしっとりに感じるのだ……」モミュモミュ

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:33:31.640 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「なんだかあったかいちほーなのだ」スタスタ

アライグマ「あっ!! ここは!!」

アライグマ「まちがいないのだ! ここはでんきに出てきたいせきっていうやつなのだ!!」

アライグマ「すごいのだ! ほんとうにあったのだー!」

ツチノコ「さ゛わ゛がし゛い゛ね゛ぇ゛……」

アライグマ「わああ!! び、びっくりしたのだ」

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:36:22.192 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「あなたは、ま、まさかあなたは!」

ツチノコ「俺か? ツ゛チ゛ノ゛コ゛だよ゛……ふぇっふぇっふぇっ」

アライグマ「す、すごいのだ! まさかあのツチノコさんに出会えるなんて、とんでもないことなのだー!」

ツチノコ「お゛や゛、俺のこと、知゛っ゛て゛る゛の゛か゛い゛!゛?゛」ゲホッゲホッ

アライグマ「でんきで読んだのだー! あのかばんさんとお話したことがあるって、ほ、本当なのかー……?」

ツチノコ「アイツか……、懐かしいな、随分昔の話だ、俺もあの頃はまだ若かった……」

アライグマ「今も若々しいのだ! ツチノコさんは長生きなのだ! なんだか話し方だけ歳をとってるみたいなのだ!」

ツチノコ「なっ……!、き、キ゛ャ゛ラ゛付゛け゛だよ゛!゛!゛」

41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:40:54.662 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「実は、アライさんはフレンズ探しをしているのだ! こーんな感じのフレンズ、見なかったか?」

ツチノコ「……なにやってんだお前?」

アライグマ「うぅぅ……ジェスチャーはもういいのだ、と、とにかくアライさんはフェネックを見つけるまで頑張るのだ! ツチノコさんありがとうなのだー!」スタスタ

ツチノコ「……フェネックを見つけるって、それはどういう意味だ……? 見つけるも何もフェネックは……」

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:47:55.913 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「……ん? なんだかまぁるいものがこっちに飛んできたのだ!」

ライオン「パァーーーース! 蹴って蹴ってー!」

アライグマ「なに!? よくわからないがまかせてなのだー!」シュウウウウウウウ

ライオン「やったー! ゴールだー!」

ヘラジカ「オイ待て反則だろ!」

アライグマ「ところで何をやっているのだ?」

ヘラジカ「君こそこんなところで何をやっている?」

52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:53:08.041 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「……そんなわけで、大切な友達を探しているのだ……どこに行ってしまったのかわからないのだ」

ライオン「うーん……?」

ハシビロコウ「それって、あなたの勘違いじゃ……」

アライグマ「ひっ、酷い事言うのだ!! そんなこと無いのだ! アライさんとフェネックはずっとこれからも友達なのだー!!」

ライオン「でも、どこに行ったのかわからないんでしょ?」

ヘラジカ「そのまま真っすぐ行け!」

アライグマ「まっすぐいくのだー!!」スタスタ

ライオン「あら、行っちゃった……」

ヘラジカ「一度顔を合わせたらもう友達さ、さて、次は何して遊ぼうか?」

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 01:58:50.307 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「……ようやく図書館についたのだー! 懐かしいのだ……」

アライグマ「昔はよくここで本を読んで博士達にいろいろ教わって……」

アライグマ「それで、かばんさんのでんきを読んでかばんさんに憧れて……」

アライグマ「そういえば、あのでんきにはかばんさん以外にもたくさんのフレンズが出てきていたのだ」

アライグマ「……久しぶりに読んでみたいのだ! たしか、この辺りにあったような……」ガサガサ……

59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:03:23.334 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「うーん、うーーーん! ダメなのだ……、手がとどかないのだー! そ、そう言えばあの頃は助手さんに本を取ってもらっていたのだ……」

アライグマ「そう言えば、としょかんも随分と荒れてしまっているのだ……」

アライグマ「もう誰も来ないのか……? 博士も助手も居なくなってしまってからきっと手つかずのままになってしまっているのだ」

アライグマ「アライさんがおそうじするのだ!」

69: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:10:48.266 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「ぜぇ……ぜぇ……、随分と綺麗になったのだ!」

アライグマ「ついでにこんなものまで見つけたのだ! これはきっと踏み台にして本を取るための物なのだー! そういえば昔これを使って本を取っていた事があったような気がするのだ」

アライグマ「よっ……と、」

アライグマ「取れたのだ! かばんさんのでんきなのだー!」

アライグマ「懐かしいのだ……もう夜になっちゃったし今夜はここでかばんさんのでんきを読みながら一夜を過ごすのだ!」

71: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:12:53.955 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「かばんさんは凄いのだ……、あっ、出てきたのだ! アライさんとフェネックの二人なのだ! このでんきの中のアライさんはなんだかとてもせっかちなのだー!」

アライグマ「それをいつも見守っているフェネックと、アライさんのコンビの活躍はやっぱりいつ読んでも一番好きなお話なのだ!」

アライグマ「そうだったのだ……、思い出したのだ! アライさんはこの二人のお話を読んでから、かばんさんのでんきが好きになったのだ!」

アライグマ「いつもせっかちで、かばんさんの事を泥棒扱いしてしまうけど、でもアライさんはまっすぐでかっこよくて、フェネックにとってきっと最高の友達で……」

アライグマ「そう、アライさんとフェネックはずっと最高の友達で……いつまでも、いつまでも……ふわぁ……なんだか眠くなって……」

アライグマ「……ズピー……ズピー……」スゥ……スゥ……

73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:16:16.798 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「……はっ!!!! うっかり眠ってしまったのだ!!」

フェネック「おはよー、アライさーん」

アライグマ「……ふぇ、フェネック!!? フェネックが居るのだ!!」

フェネック「アラーイさーん、いったい何を言っているのさー」

フェネック「私はずーっと、アライさんと一緒にいたよー?」

アライグマ「どういう事なのだ……? ゆ、夢だったのか……?」

79: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:20:16.837 ID:/Jzunle10.net
アライグマ「いやでも、ここはとしょかんなのだ、やっぱり夢じゃ」

フェネック「だーかーらー、ずっと一緒に居たよ、アライさん」

アライグマ「よ、よくわからないのだー! アライさんはたしかに昨日独りぼっちだったのだ!」

フェネック「最初からずっと私一人だけだったよ、アライさーん」

フェネック「ど、どういうことなのだ……? そ、そんな訳……」

85: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:25:20.820 ID:/Jzunle10.net
フェネック「かばんさんの伝記を読んでから、ずっとかばんさんやかばんさんのお友達に憧れてたよね、私」

フェネック「や、やめるのだ、やめるのだフェネック……!」

フェネック「でも、私は引っ込み思案だったからー……いつしかかばんさんよりも、伝記に出てきたアライさんに憧れるようになっていったんだよー」

フェネック「フェネックやめるのだ!! なにを言っているのだ! アライさんはアライさんなのだ!! アライさんなのだーーー!!!」

フェネック「もうやめようよ、大丈夫だよ、私はちゃんと友達作れたから、もうやめようよ……」

フェネック「……もう、アライさんのフリなんてしなくても大丈夫だよ、私は」

90: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:29:16.359 ID:/Jzunle10.net
フェネック「……」

サーバル「……あ! 君、としょかんへは無事にいけた!?」

フェネック「うん、大丈夫だったよ」

サーバル「探していたお友達は見つかった?」

フェネック「うん、いっぱい見つかったよ」

サーバル「えー!? いっぱい見つかったのー!? いいなー私ももっと友達欲しいなー! でも君と、アライさんちゃんだっけ? アライさんちゃんと友達になれて私嬉しいよ!」

95: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/04/19(水) 02:33:23.990 ID:/Jzunle10.net
フェネック「うん、私も、私ね、フェネックっていうんだー」

サーバル「えー!?!? 前はアライさんだって言ってたのに! やっぱりあなたフェネックだったんじゃない!」

フェネック「うん、前はそう言っちゃったかも、でも私はフェネックだから……いつかアライさんも見つけるよ、私にとってのアライさんを」

サーバル「楽しそうだね! それじゃ早速遊ぼうか! かりごっこしよう! 私かりごっこ得意なんだ!」

フェネック「う、うん!」




おわり

引用元: アライグマ「フェネックを探すのだ!!」