2: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:22:11 ID:IEmVow/Y00
私、百生吟子は一つ年上の先輩、日野下花帆先輩のことが好きだ。


―ある日 廊下―

花帆「ぎーんこちゃーん」ダキッ

吟子「花帆、先輩?」

花帆「そうだよ~花帆だよ~」

吟子「あの、さ、近いって。みんなの目が気になるから」

花帆「そうかな~」

吟子「そうだって… ああもう、授業始まっちゃうから。じゃあね」

本当は花帆先輩に声をかけられて何よりも嬉しいくせに。
なぜ私は…

3: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:23:13 ID:IEmVow/Y00
―別のある日 部室にて―

花帆「吟子ちゃん、見て見て!」

花帆先輩がスマホの画面を見せてくる。

吟子「花帆先輩。何?」

花帆「このスクールアイドルの動画、凄いよね!」キラキラ

吟子「花帆先輩。この間もこの子たちの動画見せられたんだけど…」

花帆「何度見たっていいじゃん。」

吟子「はいはい。練習行こう」

本当は花帆先輩と楽しくスクールアイドル談義をしたい私がいるのに…

4: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:24:11 ID:IEmVow/Y00
―また別の日の夜 自室にて―

ピロン

吟子(LINEだ… 誰からだろう…)

花帆先輩:吟子ちゃん、今何してるの?

吟子:今部屋で寛いでいました。花帆先輩、何か用ですか?

花帆先輩:特に用はないよ!吟子ちゃん今何しているのかなって思って!

吟子:もうこんな時間だし寝ないと明日に支障が出るので寝ます。おやすみなさい。
   花帆先輩も、あまり夜更かしはだめだよ。

花帆先輩が何をしているか、私だって気になっていたのに…
本当はもう少し花帆先輩とやりとりだってしていたい。
なのにどうして…

――――――――――――――――――――

とにかく私は花帆先輩に対して素直になれない。
そんな自分がもどかしくて嫌になる…

花帆先輩、私はあなたが大好きです。

たった一言、伝えるだけで、態度で示せばいいだけなのに…

5: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:25:19 ID:IEmVow/Y00
ある時、部室で一人で悶々としていると、梢先輩が声をかけてきた。

梢「吟子さん、何か悩み事でもあるのかしら?」

吟子「梢先輩!いや、何でもありません。こちらの話、ですから。ご心配をおかけしてすみません」

梢「とてもそうは見えないわ。もしかして花帆のことかしら?もし、吟子さんが嫌でなければ、私に話してもらえないかしら?」

梢先輩は鋭い…
幸い、2年生は今日学年行事で練習に来るのが遅くなるとのことだったし、慈先輩と綴理先輩はそれぞれ姫芽さんと小鈴さんを連れてユニット練習に行ったものだから部室にいるのは私と、梢先輩の二人きり。
悩みを打ち明けるにはちょうどいいタイミング、なのかも。
少なくとも私がこんな悩みを抱えているということを花帆先輩にだけは聞かれたくないし…

6: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:26:21 ID:IEmVow/Y00
吟子「分かりました。実はですね…」

私は梢先輩に今の私の悩み―花帆先輩に対してどうしても素直になれないこと―をすべて打ち明けてみた。

梢「ふふっ。なるほどね。吟子さんは花帆のことが大好きなのだけれど、素直になれないと。」

吟子「あんまり言わないでください//恥ずかしいです//」

梢「そうかしら?花帆はね、とってもいい子だから別におかしいことでも何でもないと思うのだけれど」

吟子「…」

7: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:27:36 ID:IEmVow/Y00
梢「吟子さんは知らないかもしれないけれどね、花帆はことあるごとに私にあなたの話をするのよ?」フフッ

梢先輩にも私のことを話していたなんて…

梢「吟子さんのことを話すときの花帆の顔ったら。ふふっ。ふふふふっ」

吟子「梢先輩?」

梢「ごめんなさい。あまりにも嬉しそうな顔をするものだから私としても幸せな気持ちになるのよ?」

いや、嬉しいんだけど。
嬉しいんだけど、花帆先輩…

8: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:28:22 ID:IEmVow/Y00
梢「だから、吟子さんが花帆に好きって言ってあげたらあの子もすごく喜ぶと思うわよ。」フフッ

私も花帆先輩には喜んでほしい。
欲しいんだけど。

梢「ごめんなさい。それがなかなか難しいって相談だったわね」

吟子「はい。」

私としても素直になれたらとどんなに思ったことだろう…

梢「そうね… でも吟子さんの気持ちも分かるわ。」

吟子「え?」

梢「私も慈に対してはそうだったから…」

吟子「そうだったんですか?」

梢「ええ…」

12: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:42:44 ID:IEmVow/Y00
>>8の続き
そんな話をしていると、突然部室のドアが開いた。

花帆「お疲れ様です!あ、梢センパイと吟子ちゃん!」

さやか「すみません。遅くなりました。」

瑠璃乃「お疲れ様です~」

2年生の3人が部室に入ってくる。
にわかに部室がにぎやかになる。

梢「花帆、さやかさん、瑠璃乃さん、お疲れ様。DOLLCHESTRAとみらくらぱーく!は先に練習始めているわよ」

さやか「分かりました。すぐに準備して練習に行きます」

瑠璃乃「了解しやした!ルリも急いで着替えなきゃ」

13: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:43:57 ID:IEmVow/Y00
さやか先輩と瑠璃乃先輩は慌ただしく部室から出ていく。
残ったのは、梢先輩と私、そして花帆先輩、スリーズブーケの3人だ。

ふいに花帆先輩が口を開く。

花帆「吟子ちゃん、今まで、梢センパイと何を話していたの?」

吟子「なんでもない…ただの雑談」

花帆「え~。何かあたしの話でもしていたんじゃないの?」

吟子「花帆先輩の話なんてしていないから」

全く。自意識過剰な困った先輩である。
でも、花帆先輩の言っていることは本当なんだけど。

14: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:45:40 ID:IEmVow/Y00
花帆「即答しなくたっていいじゃん!」

梢「ほらほらふたりとも。練習始めるわよ」

梢先輩の一声でこの話題が終了した。


―――練習後―――

梢「花帆、吟子さん、ちょっといいかしら?」

花帆「はい!何でしょう!」

吟子「はい」

梢「今度の週末、予定は空いているかしら?」

花帆「はい!空いています」

吟子「私も特には何もないですが」

15: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:46:54 ID:IEmVow/Y00
梢「金沢の街の方にお茶でも、どうかしら。花帆とは何回か行ったことはあるのだけれど、吟子さんも、ね。」

花帆「賛成です!さっすが梢センパイ!」

梢「特にまだなにもしていないのだけれど…」ニガワライ

吟子「お茶、ですか?」

花帆「吟子ちゃんも!行こうよ!」

だから花帆先輩、近いって…

梢「吟子さん、どうかしら?」

吟子「はい。分かりました。楽しみに、しています。お誘いありがとうございます」

梢「ふふっ。いいのよ」

花帆「吟子ちゃん、楽しもうね!」

16: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:47:49 ID:IEmVow/Y00
――週末――

梢「ここよ」

吟子「お洒落なカフェですね」

花帆「でしょ~?」

吟子「何で花帆先輩が得意げなの?」

花帆「別にいいじゃん!」

梢「ふふっ」

花帆「ねえねえ吟子ちゃん、何飲みたい?あたしが買ってあげるよ?」

吟子「え、別にいい…私もお金持ってるし」

花帆「遠慮しなくていいんだよ?」

吟子「遠慮してないから」

ワイワイ

17: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:48:44 ID:IEmVow/Y00
梢「ふふっ。ではここは私が2人の分も奢ってあげるわね」

花帆「わ~、いいんですか?ありがとうございます」キラキラ

吟子「え、でも大丈夫ですよ。悪いですよ」

梢「大丈夫よ。遠慮しないで」

吟子「分かりました。では、お言葉に甘えて…ありがとうございます」

花帆「吟子ちゃん、なんかあたしの時と比べてやけに素直じゃない?」

吟子「そんなことないから」

梢「ふふっ」

18: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:49:29 ID:IEmVow/Y00
~数時間後~

花帆「今日は一杯遊んだね~ 梢センパイお茶ご馳走様でした」

吟子「ご馳走様でした」

梢「ふふっ。いいのよ。またそのうち3人で来ましょうね」

かほぎん「「はい」」

梢「では帰りましょうか」

19: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:50:39 ID:IEmVow/Y00
~さらに数十分後 蓮ノ空敷地内にて~

梢「さて、私はちょっと部室に寄ってから寮に戻るわ。2人とも、今日は付き合ってくれてありがとうね」

吟子「こちらこそありがとうございました。楽しかったです。」

花帆「梢センパイありがとうございます!また行きましょうね。」

梢「ふふっ。じゃあ、また明日ね。」

かほぎん「「はい。おやすみなさい。」」

20: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:51:24 ID:IEmVow/Y00
梢先輩と別れ、寮への帰り道は花帆先輩と2人きり…
なんで私緊張しているんだろう…

花帆「吟子ちゃん?」

花帆先輩が話しかけてくる。

吟子「何?」

花帆「今日、とっても楽しかったね?」ニコッ

満面の笑みを私に向けて来る花帆先輩。
ああもう、そんな笑顔は反則だよ…

吟子「はい//」

花帆「あれ、吟子ちゃん顔赤い?」

吟子「赤くないっ!夕日のせい」

花帆「もう外は暗いよ?」

吟子「…」

花帆「あ、もう寮に着いたね」

吟子「そうだね…」

21: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:52:09 ID:IEmVow/Y00
寮に着くということは花帆先輩と別れなければいけない。
この時間が終わってほしくない、ほしくないのに…
そう思っているとまた花帆先輩が口を開いた。

花帆「吟子ちゃん」

吟子「はい。」

花帆「あたしね、今日とっても楽しかったんだ!吟子ちゃんはどうだった?」

吟子「さっきも言ったと思うけど。楽しかったよ」

花帆「うんうん。特にね、今日は吟子ちゃんの色々な顔が見ることが出来て、とっても楽しかったよ?」キラキラ

吟子「何それ…」

花帆「あたし、もっともっと吟子ちゃんのことを知りたいと思ってたからさ」エヘヘ

22: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:53:13 ID:IEmVow/Y00
ああもう。全くこの人はすぐこういう恥ずかしいことを言う…
でも、その素直さが花帆先輩の良いところであり、私が大好きなところでもある。

私ももう少し素直になった方がいいのかな…
以前言っていた梢先輩の言葉を思い出す。


  「花帆はことあるごとに私にあなたの話をするのよ?」


花帆先輩はやっぱり私のことを好きでいてくれるみたいだ…
なら私だって少し、素直に自分の気持ちに向き合ってみようかな…

23: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:54:09 ID:IEmVow/Y00
吟子「あの、花帆先輩…」

花帆「ん?なにかな吟子ちゃん」

吟子「私も、花帆先輩と一緒に過ごせて、楽しかったというか、その…」

花帆「吟子ちゃんっ!」パアッ

花帆先輩の顔が一段と明るくなる。
本当に分かりやすい人。

吟子「だからその、今度私から花帆先輩を誘っても、いいですか?私ももっと花帆先輩のこと知りたいし…」

花帆「勿論だよ吟子ちゃん!とても楽しみに、しているね?」

24: ぎんかほ (ワッチョイ 2b1a-c9c1) 2024/05/16(木) 11:55:55 ID:IEmVow/Y00
吟子「大袈裟だよ…」

花帆「大袈裟じゃないよ。だって吟子ちゃん、やっと素直になってくれたんだもん!」

吟子「…」

花帆「あ、そうだ。今から少し時間あるかな?」

吟子「え?まああるけど」

花帆「じゃあさ、あたしの部屋に来ない?あともう少しだけ、お話しない?」

花帆先輩からの嬉しい提案に頷く私。

花帆「そうと決まったら行こう」

吟子「あ、ちょっとっ」

花帆先輩に手を引かれて部屋に向かう私。
まあ、たまにはこんな夜もあってもいいかもね?


おしまい

引用元: SS 吟子「素直になりたいのに…」