善子「マリー、あれ貸してあげたら?」

鞠莉「アレ? どれのこと?」

善子「アレよアレ。マリーのコレクション」

鞠莉「!?　ア、アレ!?　アレはちょっと、梨子が求めてるものとは違うんじゃない?」

善子「だからこそよ。リリーは今、これまでのやり方で壁にぶつかってるの。そういうときは、新しい風を取り込むことで発想の幅を広げるのもアリなんじゃない?」

梨子「新しい風…。そう、それだわ!　よっちゃん!」

梨子「鞠莉さん、お願いします!」

鞠莉「え、えぇー…」

善子「ふふ…迷えるリトルデーモンに道を示すのもまた、堕天使の務め…!」ﾖﾊﾋﾟｰｽ!

小原家
鞠莉の部屋

鞠莉「うーん…。マリーのコレは、School Idolの歌う曲としてはちょぉーっと違う気がするのよねぇ…」ｺﾞｿｺﾞｿ

鞠莉「でも、善子が言ってたことも一理ある!　梨子には少し刺激が強いかもだけど、参考にするくらいなら大丈夫…かな」

鞠莉「あっ、コレ、懐かし～!　Wow!　コレも!　久しぶりに、聴いちゃおうかしら!」

オーディオ「ｷﾞｭｲｨｨｰﾝﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺｳﾞｫｫｵｵｳﾞｫｫｵｵ」

鞠莉「ぅう～ん、やっぱり名盤ね!」ｳｯﾄﾘ

翌日

鞠莉「ハァイ、梨子!　昨日言ってたMary's Collection!　少しだけだけど、持ってきてみたわ!」

梨子「あっ、ありがとうございます!」

ダイヤ「コレクション?」

曜「お、なになに?　CDがたくさん!」

千歌「作曲のヒントにするの?」

梨子「ええ、ちょっと今までとは違う視点とかも取り入れてみたくって、お願いしてたの」

果南「え゛、ちょっと待って!　….鞠莉に?」

梨子「はい。外国の文化にも明るい鞠莉さんなら、これまでのaqoursにはなかった風を入れてくれるんじゃないか…な……って………!?」ｼﾞｬｹﾁﾗ

鞠莉「そゆことそゆこと～。じゃ、早速だしちょっと聴いてみましょ～☆　まずは、コレ!」ｺﾝﾎﾟﾎﾟﾁｯ

コンポ「ｷﾞｭｨｲｰﾝﾍﾞｷﾍﾞｷﾍﾞｷｽﾞｯｼｬｽﾞｯｼｬﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺｳﾞｫｱｧｱｱｱｳﾞｫｫｵｵｵｳﾞｫｵｵｵ」

梨子「」

一年生教室

花丸「善子ちゃん、早く部室に行くずら」

善子「ちょっと待ちなさい!　今日は荷物があるのよ。あと私はヨハネ!」ﾆﾓﾂｾｵｲｯ

ルビィ「わわっ、重そうだね…。何が入ってるの?」

善子「ふふふ…。昏き永久凍土の白夜より語りかける、絶望と悔恨の多重奏を封じた円盤よ……」

花丸「どーせロクなものじゃないずら。あと暗くなったらそれは白夜じゃないずら」

ルビィ（なんだろうなぁ…?）

部室

千歌「なっ、ななな何これ!?」ﾐﾐﾌｻｷﾞ

曜「すっごいうるさい!　めちゃめちゃうるさい!　あと何言ってるかわかんない!」ｵﾛｵﾛ

鞠莉「ぅう～ん、このBlast beat!!　地鳴りのようなBase line!!　ああっ、もう……最っっ高!?」

ｳﾞｫｯｳﾞｫｯｳﾞｫｯ!ｳﾞｧｳﾞｫｳﾞｫｫｳﾞｫｵｵｵ!ﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺｷﾞｭﾙﾙﾙﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷ

果南「あーあ……」

ダイヤ「」

梨子「」

善子「ヨハネ降臨!!」ｶﾞﾗｯ

千歌「ひぃいいい…」

曜「あわわわわ…」

ﾊﾞｷﾊﾞｷﾊﾞｷﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺﾄﾞｺｷｨｨｨｲｲﾝ

ルビィ「!!??」

花丸「な…何事ずら…!?」

善子「マリー!?」

鞠莉「What?」

善子「これ、先週出た新譜ね!?」

鞠莉「Yeeeees!!☆」

善子「あの、フィンランドの!!!」

鞠莉「そうだよー!」

善子「さすがね。まだ輸入盤しか無い知名度の彼らを知っているなんて…」

鞠莉「善子もね!」

鞠莉「ところで善子、その荷物はもしかして…」

善子「くくく…そうよ、私も持ってきたの」

善子「罪深き黄昏に捧ぐ、慟哭の旋律を…!!」

鞠莉「慟哭の…旋律!」

花丸「何を言ってるのかさっぱりわからないずら…」

曜「い、いいから…花丸ちゃん、コレ止めて…」

ｽﾀｰﾌｧｶｰｽﾞ!ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾝ!ｽﾀｰﾌｧｶｰｽﾞ!ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾝ!

ルビィ「…」

ダイヤ「」

果南「とりあえず、一旦消すよー」ﾎﾟﾁｯ

善子「そしてすかさず次をセット」ｶﾁｬﾎﾟﾁｯ

果南「あ、こら!」

コンポ「ｳﾞｧｱｧｱｱ…ｳﾞｫｵｵｵｵ…ｽﾞｩｩｩｳﾝ…ｽﾞｩｳｳｳｳﾝ……」

千歌「こ、今度は何ぃい……」

曜「さっきよりはうるさくないけど…ぶ、不気味……」

花丸「なんか新手の読経みたいずら」

善子「マリーはメタルでもインダストリアルやグラインド寄りだからね。私は敢えてドゥームやゴシックを揃えてきたわ」

鞠莉「善子、Punk Rockは持ってきた!?」

善子「愚問ね。選りすぐりのハードコアを詰めてきたわ」

鞠莉「Coolよ、善子。いえ……堕天使ヨハネ!」

善子「ふっ」ﾖﾊﾋﾟｰｽ!

花丸「もうなにがなにやら」

ルビィ「…」

果南「はいはい、そこまでだよ」ﾎﾟﾁｯ

鞠莉「で、梨子ー!　どうだった?　参考にはなった?」

曜「いや、いやいやいや」

果南「なるわけが」

梨子「ーーーーー……こ」

千歌「ん?」

梨子「これだわッ!!!!」

ようちか「!?!?!?」

花丸「ええー」

果南「あちゃー」

よしマリ「!!」ｸﾞｯ!

後日
黒澤邸

ダイヤ「ハァ…あのあと、aqoursをメタルバンドにしようとする梨子さんたちを正気に戻すのには苦労しましたわ…」

ダイヤ「μ'sも一時期迷走してロックバンドみたいな格好をしようとした…なんて噂がありますけど」

ダイヤ「まぁ、賢い可愛いエリーチカがそんなこと許すはずがありませんし、悪質なデマですわ」

ルビィ「ｽﾔｧ…」

ダイヤ「あら、ルビィったら居間で寝るなんてはしたない」

ダイヤ「ふふふ…また雑誌を読みながら寝ちゃいましたのね。これは今月号のスクールアイドル誌かしら」ﾍﾟﾗｯ

『BURRN!』

ダイヤ「」


おわり

ラブレスとASNは完全にメタルですね
あとストトラ最高