2: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:11:24 ID:8RiYQ8S.Sr
5月22日。
今日は何の日かというと―

そう、あたし、日野下花帆の誕生日なのです!

というわけで、練習を普段よりかなり早めに切り上げた後部室にてあたしのためにクラブのみんながお祝いをしてくれていたんだけども。

さやか「花帆さん花帆さん」

瑠璃乃「花帆ちゃ~ん」

部室での誕生日会の最後にさやかちゃん、瑠璃乃ちゃんの同級生2人に呼び出された。

花帆「2人とも、どうしたの?」

さやか「花帆さん、今夜お時間は空いていますか?」

瑠璃乃「みんなでこうしてお祝いするのも超たのしーけど、ほらルリたち2年生会もしたいじゃんってなってさ」

5: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:13:32 ID:8RiYQ8S.Sr
どうやらさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんはあたしに内緒で色々と考えてくれていたようだ。
でも、あたしには今夜、スリーズブーケでの配信があるんだけどなあ…

花帆「夜ね、スリーズブーケの配信があるんだ…」

さやか「そういえばそうでしたね…」

瑠璃乃「あっちゃ~。ルリたち、やってしまいましたなあ…」

明らかに残念がる2人…
スリーズブーケも、同級生もどっちもあたしにとってはかけがえのないものであって…
2人の気持ちも嬉しくて、大事にしてあげたくて。

6: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:15:50 ID:8RiYQ8S.Sr
だからあたしはこう言ったんだ。

花帆「2人の気持ちはとっても嬉しいよ。だからね、配信終わった後なら、時間を作れるかな?」

そう、あたしがとった選択は、今から配信までの数時間は吟子ちゃん、梢センパイのスリーズブーケで過ごして、配信終わってからはさやかちゃん、瑠璃乃ちゃんの同級生3人組で過ごすという、何とも贅沢なものだったの。
えへへ、あたしってこんなにみんなから好かれているんだなあと改めて嬉しくなる。
みんなの愛情を独り占めにしちゃうぞ~~~

さやか「でもスリーズブーケとして過ごした方がいいのではないですか?」

瑠璃乃「こずこずパイセンも、吟子ちゃんもそのつもりでいるんじゃないかな?」

なんて2人は言うものだけど、あたしにとってはどちらか一方なんて選べるはずもなく。
どっちも欲しい。
物凄く欲張りなことは言っているんだけど、誕生日だからワガママ、許してほしいなって。
だからあたしはこう答えたんだ。

7: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:16:52 ID:8RiYQ8S.Sr
花帆「もちろん、吟子ちゃんも梢センパイも大好きだし、一緒に過ごしたいよ!でもあたしは2人のことも同じくらい大好きだから、2人とも過ごしたいの。ちょっぴり欲張りで、ワガママな花帆だけど、だめかな?」ウワメヅカイ

さやるり「「花帆さん(ちゃん)」」

花帆「とりあえず、吟子ちゃんと梢センパイにも事情を話してくるね」

さやるり「「無理はしないで下さい(でね)!」」

さやかちゃん、瑠璃乃ちゃんの気遣い、優しさに涙が出そうになるよ…

8: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:18:13 ID:8RiYQ8S.Sr
―――20分後―――

さやか「花帆さん、どうでした?」

花帆「吟子ちゃんも、梢センパイも了承してくれたよ!配信終わった後は、あたしたち3人でいっぱいお話ししようね!」

さやるり「「はい(うん)!」」

花帆「じゃあ、一旦スリーズブーケの方に行ってくるね」

こうして多方面で愛されているあたしは、まずはスリーズブーケの方に向かうのでした!

9: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:19:27 ID:8RiYQ8S.Sr
~5時間後~

スリーズブーケでもたっぷりとお祝いをしてもらい、また、配信でもお祝いをしてもらってゴキゲンな花帆は、今度はさやかちゃんと瑠璃乃ちゃんの待つ会場、さやかちゃんの部屋に向かうのでした。
何でもそうと決まればさやかちゃんがどうしても手料理を振舞いたいとのことで必然的に同級生会の会場はさやかちゃんの部屋になったんだ。


~さやかの部屋~

さやか「今日のスリーズブーケの配信、よかったですね」

瑠璃乃「3人の関係、尊かったぜぃ…ルリまで泣けてきた…」

さやか「ふふっ。そろそろ花帆さんが来る頃ですかね」

10: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:22:55 ID:8RiYQ8S.Sr
コンコン

さやか「花帆さんですかね?」

さやか「はーい」

花帆「お待たせ~~お邪魔します!」

さやか「花帆さん、いらっしゃい。」ニコッ

瑠璃乃「おお~花帆ちゃん待ってたぜぃ~」

花帆「瑠璃乃ちゃんもお待たせ~」

あたしはさやかちゃんの部屋の奥へと入っていく。
部屋には沢山の手料理やら、お菓子やらが沢山用意されていた。

花帆「凄い…これ全部さやかちゃんが作ったの?」

さやか「瑠璃乃さんにも手伝ってもらいましたよ」ニコッ

11: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:23:40 ID:8RiYQ8S.Sr
瑠璃乃「いやあ、ルリはほんのちょ~っぴり?手伝ったってーか。ほぼほぼさやかちゃんだよ」

さやか「そんなことありませんよ。瑠璃乃さんだって色々とやってくれていたではないですか」

2人ともあたしのためにここまでやってくれるなんて…
目から汗が…

さやか「花帆さん?」

瑠璃乃「花帆ちゃん、泣くのはまだ早いぜ~」

花帆「泣いてないもん!」

さやるり「「ふふっ」」

12: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:24:38 ID:8RiYQ8S.Sr
さやか「さ、始めましょうか。わたし達3人の、誕生日会」

かほるり「「うん!!」」

まずは、ジュースで乾杯する。

さやるり「「花帆さん(ちゃん)、お誕生日、おめでとう(ございます)。乾杯!」

花帆「さやかちゃんに瑠璃乃ちゃん。ありがとう!乾杯!」

ワイワイキャッキャ

さやか「わたしは、花帆さんのお祝いをするの2回目ですね」フフッ

花帆「そうだね~。2回目だねっ!」

瑠璃乃「ルリは初めてだ…」シュンッ

そういえば、去年の今頃は瑠璃乃ちゃんまだ蓮ノ空に来ていなかったもんね。
でもそんな顔しないでほしいな…

13: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:25:39 ID:8RiYQ8S.Sr
花帆「瑠璃乃ちゃん、回数じゃないよ!今日こうして誕生日会を開いてくれて、とっても嬉しいよ」

瑠璃乃「ルリも、花帆ちゃんのお祝いをできて嬉しい!」

さやか「ふふっ。お2人とも、笑顔が似合いますね」ニコッ

かほるり「「さやかちゃんもね!」」

さやか「そ、そうでしょうか…//」

かほるり「「照れているさやかちゃん可愛い!」」

14: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:26:37 ID:8RiYQ8S.Sr
さやか「もう、何ですか何なんですか//からかわないでください//」

からかわないでくださいって言われたって、それは無理だよさやかちゃん。
さやかちゃんのこんなに可愛い顔を見ることができるのなら何回だってからかいたくなっちゃうよ。

瑠璃乃ちゃんもニヤニヤしながらさやかちゃんの方を見ているから、きっと同じことを思っているんだと思う。

あたし達はそれからひとしきり雑談に花を咲かせた。
会話が落ち着いた頃合いを見計らってあたしは口を開いた。

花帆「あたしね、スクールアイドルになってよかったと1年経った今、改めて思うの」

15: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:27:30 ID:8RiYQ8S.Sr
さやるり「「そうですね(だね)」」

花帆「だって、スクールアイドルになっていなければクラブのみんなや、さやかちゃんや瑠璃乃ちゃんにだって出会えてなくて。せっかくの誕生日も一人で寂しく過ごしていたかもしれないと思うと… 人生を変えてくれたスクールアイドルクラブには本当に感謝しないとね」

人生を変えてくれた。
そう、それはあたしにとって決して大袈裟なことではなかった。

蓮ノ空に入学したてのあの頃、この学校に何も希望ももてなかったあたしの高校生活をこんなにも明るく輝いたものにしてくれたのはスクールアイドルクラブや、周りのみんなのおかげ。

だから、改めてお礼を言いたいんだ…

さやか「花帆さん。でも現実にはこうしてみんな集まって楽しく過ごせています。わたしも、花帆さんや瑠璃乃さん、クラブの皆さんに出会えてよかったと思いますよ」ニコッ

瑠璃乃「ルリだって同じ気持ちだぜ!心折れかけていたルリを救ってくれた花帆ちゃんやさやかちゃんは本当にルリの救世主なんだぜぇ」

16: さやかほるり (オッペケ b0af-501c) 2024/05/22(水) 23:28:39 ID:8RiYQ8S.Sr
花帆「2人とも…」

なんだか無性にこの時間が愛おしくなってきた…

花帆「本当にありがとう~~~」ダキッ

気が付いたら両手で2人を思い切り抱きしめていた。

さやか「ちょっ、花帆さん」

瑠璃乃「花帆ちゃんちょっとたんまたんま。ルリ苦しいぜ」

2人はそう言っていたけどあたしはそのまま抱きしめていた。


今日の昼間から何人にお祝いしてもらっただろうか。
こんなにも盛大にお祝いしてくれる仲間がいて、あたしはきっと世界一の幸せ者だね。




おしまい

引用元: SS 花帆「たくさんの愛情に感謝」