1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:01:40.168 ID:X8G2SIJT0.net
-キャラクターショー 会場-
赤いリボンの白い猫「みんなー! 今日は来てくれてありがとう!」
(以下白い猫)
ピンクの頭巾の白いうさぎ「本当に嬉しいよー!」
(以下白いうさぎ)
ベレー帽の黄色い犬「お礼に、ぼくのとっておきの踊りを披露しちゃう!」
(以下黄色い犬)
子供たち「きゃっきゃ! すごーい!」
ヴィーネ「今日は一緒に来てくれてありがとうね、タプちゃん」
タプリス「いえいえ、わたしの方こそ、呼んでいただいてありがとうございます!」
タプリス「みんな本当にかわいらしくて、わたし大好きです!」
ヴィーネ「そう言ってもらえて、よかった」ニコッ
タプリス「でも、どうして他のみなさんに声をかけなかったんですか?」
ヴィーネ「えっとね……、たぶんみんなは、こういうのあまり好きじゃないというか」
ヴィーネ「むしろ誘ったらバカにされるというか……」
タプリス「バカにされる? こんなに面白いのにですか?」
ヴィーネ「はぁ、やっぱりタプちゃんは天使だわ」
タプリス「えっ?」
ヴィーネ「私たちがここに来たことは、みんなには内緒ね?」
タプリス「は、はぁ……わかりました」
13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:05:09.899 ID:X8G2SIJT0.net
白い猫「それじゃあみんな! また会おうね!」
白いうさぎ「よかったら、投票お願いねー! 応援よろしくー!」
黄色い犬「ばいばーい!」
タッタッタッ
子供たち「あー、楽しかったー!」
タプリス「もう終わってしまいましたね、月乃瀬先輩」
ヴィーネ「そうね。楽しい時間は、本当に早く感じられるわね」
タプリス「でも、なんでお客さんが、小さい子供たちしかいないんでしょうね」
タプリス「わたしたちくらいの人は、誰もいないです」
ヴィーネ「タプちゃん」
タプリス「はい?」
ヴィーネ「気にしたら負けよ」
タプリス「え?」
ヴィーネ「こういうのは楽しんだもん勝ちなの、他人の目を気にしてはいけないわ」
タプリス「は、はぁ……」
ヴィーネ「それより、タプちゃん、お腹すかない?」
タプリス「あ、少しすいたかもしれません」
ヴィーネ「この会場の裏に、屋台がいくつかあったから、行ってみましょうか」
タプリス「はいっ、行きましょう!」
14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:08:06.772 ID:X8G2SIJT0.net
-会場の裏-
『あの狭いステージで、勝手に踊りだされると困るんですよね』
『ちょっと最近、勝ってるからって、いい気になってんじゃないのー』
『ぼ、ぼくはそんなつもりじゃ……』
ヴィーネ「ん? この声は……」
タプリス「誰かいるみたいですね」
白い猫「まあそれよりも、あなたの方がひどいです、うさぎさん」
白い猫「ステージの上で露骨な投票催促はさすがに……」
白いうさぎ「えー、わたし頭良くないからー、よくわかんないですー」
白い猫「アァッ!? オメー、ふざけてんのかッ!?」グイッ
白いうさぎ「やんのかコラッ!?」グイッ
白い猫「ちょっとチヤホヤされてるからって、カマトトぶってんじゃねーぞゴラッ!」グイッ
白いうさぎ「アンッ!? おめーこそ猫かぶってんじゃねーよ、ボケがッ!」グイッ
ヴィーネ「」
タプリス「」
15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:11:09.447 ID:X8G2SIJT0.net
黄色い犬「ちょ、ちょっと、二人ともケンカは……」
白い猫「アァンッ!? なんか文句あんのか、コラッ!!」
白いうさぎ「あんま調子に乗ってっと容赦しねえぞ、この野郎ッ!」
黄色い犬「ひっ、ごめんなさいごめんなさい……」
ヴィーネ「……私たちは、何も見なかった、いいわね?」
タプリス「は、はい……」
ヴィーネ「そーっと、通り抜けましょう」
タプリス「そーっと、ですね」
パキッ
タプリス「あっ」
白い猫「誰だッ!?」
タプリス「ひぇっ」
黄色い犬「ただの通行人みたいだ。というか、あなたたち……」
黄色い犬「さっきステージを見てくれてましたよね」
タプリス「え、えーっと」
ヴィーネ「ひ、人違いじゃないかしら」
黄色い犬「いえ、そんなはずありません! 大きなお友達は珍しいですから」
ヴィーネ「……」
16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:14:11.483 ID:X8G2SIJT0.net
白い猫「私たちのステージを見てくれて、ありがとうね!」ニコッ
白いうさぎ「わたし、嬉しくて、泣いちゃうー」キャピッ
タプリス「す、すごい、変わりようです……」
白い猫「変わりようって」ニコッ
白いうさぎ「なんのこと?」ニコッ
ヴィーネ「ここまで来ると、逆に清々しいわね……」
白い猫「そうだ。あなたたち、地元の人よね?」
ヴィーネ「は、はい。一応、この街に住んでますけど……」
白い猫「だったら、話が早いわ」
白い猫「私たち、これから地方巡業の続きで、この街を回らなきゃいけないの」
白い猫「もしよかったら、道案内をお願いできないかしら」
タプリス「み、道案内ですか……?」
ヴィーネ「タプちゃん、ど、どうする?」
白いうさぎ「もし道案内してくれたら、わたしに投票する権利をあげるわー」
白い猫「そんな権利、全くお礼になってませんよね」
白いうさぎ「あなたの足りない頭では、価値がわからないみたいですねー」
白い猫「んだとゴラッ!! もういっぺん言ってみろやッ!!」
白いうさぎ「何度でも言ってやるよコラッ! この脳みそスッカスカ猫がッ!!」
17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:17:16.812 ID:X8G2SIJT0.net
タプリス「そ、それはそうと、投票って何のことですか?」
黄色い犬「ああ。今、キャラクター大賞というものが開かれていてね」
黄色い犬「一ヶ月の投票期間で、キャラクターの人気順位を決めるイベント中なんだ」
黄色い犬「そこで、一位になったキャラクターは」
黄色い犬「一年間、全てのキャラクターのトップに君臨することになり」
黄色い犬「それは、ものすごく名誉なことなんだよ」
黄色い犬「だからこうして、ぼくたちも各地を回って、PR活動をしてるんだ」
ヴィーネ「へぇ、そんな催しがあったのね」
白い猫「黙って聞いてりゃ、自慢かゴラッ!!」グイッ
黄色い犬「ひっ」
白いうさぎ「さすが二年連続トップのお犬様は余裕だな、アァンッ!?」グイッ
黄色い犬「そんなんじゃ、そんなんじゃないから!」
タプリス「まぁ、少し言動は過激ですけど……」
タプリス「一応、困っているみたいですし、わたしは道案内しても問題ないです」
タプリス「月乃瀬先輩は、どうですか?」
ヴィーネ「ええ、私もタプちゃんが大丈夫ならいいわよ」
黄色い犬「ありがとう! 本当に助かるよ」
19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:20:17.199 ID:X8G2SIJT0.net
白い猫「決めた、どっちがこの街で一番人気になれるか勝負しましょう」
黄色い犬「しょ、勝負だって?」
ヴィーネ「……まぁ、しっかりと白黒つけるのは、逆にいいかもしれないわね」
タプリス「そ、そうですかね。余計こじれなければ良いですけど……」
白いうさぎ「えー、勝負とか野蛮ですー、キモいー」
白い猫「誰がキモいだってゴラッ! しばくぞッ!」
白いうさぎ「やってみろや、コラッ! リボン、布ごと引きちぎるぞッ!」
黄色い犬「ちょっと! 喧嘩してたら、話が進まないでしょ!」
白い猫「それもそうね。で、あなたたちは、どちらにつくつもり?」
タプリス「えっ、どちらに、とは……?」
白い猫「私か、うさぎさんか、どっちにつくかって聞いているんです」
ヴィーネ「別にどっちにつかなくても良いんじゃ……」
白い猫「ダメですよ。これは真剣勝負なんですから、不公平があったらだめです」
白いうさぎ「じゃあわたしは、この黒髪のお姉さんにするー」
ヴィーネ「なっ、か、勝手に……」
白い猫「それじゃあ、私はこっちの金髪の子にするわ」
タプリス「は、はぁ……」
20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:23:11.076 ID:X8G2SIJT0.net
-グッズショップ-
白い猫「一戦目は、一時間でどれだけ自分のグッズを販売できるか」
白い猫「それで勝負よ」
白いうさぎ「面白そうじゃないですかー、いいですよー?」
黄色い犬「そういうお金が絡むのは……」
白い猫「……」ニコッ
白いうさぎ「……」ニコッ
黄色い犬「ひっ! なんでもないです!」
タプリス「なんだか黄色い犬さんが、可哀想ですね……」
ヴィーネ「まぁ気が弱そうだしね……」
白い猫「さあ、持ち場につきなさい。よーい、スタート!」
タッタッタッ
――
タプリス「それで、何か秘策はあるんですか、猫さん」
白い猫「そんなものはありません」
タプリス「えっ?」
白い猫「私は既に四十年以上の歴史を積み重ね、老若男女に愛されてきたんです」
白い猫「まあ、うさぎさんは私と一年違いですが、知名度が圧倒的に違います」
白い猫「だから小細工なんて不要ですよ」
21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:26:17.824 ID:X8G2SIJT0.net
白いうさぎ「お嬢ちゃん、こんにちはー」
女の子「こんにちはー!」
白いうさぎ「あなた、かわいいわねー」
白いうさぎ「お母さんもさぞかし美人なんでしょうねー」
女の子の母「そ、そんなことは……」
白いうさぎ「あら、あなたがお母さん? てっきりお姉さんかと思ってたわー」
女の子「ママ、うさぎさんのぬいぐるみ欲しいー」
女の子の母「もうしょうがないわね、買ってあげるわ」
女の子「わーい」
白いうさぎ「ありがとう、わたしだと思って大事にしてねー」
女の子「うんっ、ばいばい、うさぎさん!」ブンブンッ
白いうさぎ「……」ブンブンッ
白いうさぎ「はー、ちょろいちょろいー」
ヴィーネ「商魂たくましいというか、なんというか……」
ヴィーネ「私よりよっぽど、悪魔してるわね……」
――
白い猫「……」キョロキョロ
スッ ギュッギュッ
タプリス「何してるんですか?」
白い猫「えっ。な、なんでもないですよ」
タプリス「これは……うさぎさんのグッズじゃないですか!」
タプリス「棚の奥の方に押し込むなんて……小細工はしないって言ってたのに!」
22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:29:19.963 ID:X8G2SIJT0.net
白い猫「こ、小細工ではないわ、私のグッズをもっと見えやすくしていたのよ」
タプリス「そういうのを小細工っていうのでは……」
白いうさぎ「ちょっとー! わたしのグッズに何してるのよー」
白い猫「何もしてないわよ。ただ、あんたのグッズが目障りだっただけ」
白いうさぎ「そういうの営業妨害っていうんですよー」
白いうさぎ「あなたには、プライドってものがないんですかー?」
白い猫「んだとコラッ! もういっぺん言ってみろやッ!!」
白いうさぎ「プライドがねぇのかっつってんだよ、このダボッ!!」
子供「うぇーん、こわいよー」
白い猫「ほらほら、泣かないのっ」ニコッ
白いうさぎ「怖くなんて、なーいよっ」ニコッ
子供「わぁ」キラキラ
ヴィーネ「実は仲が良かったりするのかしら、この二人……」
タプリス「いや、それはないんじゃないですかね……」
黄色い犬「ほら、もう10分切ったよ!」
23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:32:17.010 ID:X8G2SIJT0.net
店員「猫さんグッズの合計額は2万5200円」
店員「うさぎさんグッズの合計額は2万2300円になります」
黄色い犬「ということで、グッズ販売勝負は、白い猫さんの勝利!」
白い猫「まぁ、当然ですね」
白いうさぎ「くーやーしーいー」
タプリス「でも、猫さんの小細工がなかったら、危なかったんじゃ……」
白い猫「余計なこと言わなくていいのよ」ニコッ
タプリス「ひっ」
ヴィーネ「まぁ、さすが猫さんね」
ヴィーネ「幅広い年代に支持されてるのが良くわかったわ」
白いうさぎ「あなたー、どちらの味方なのー? むかつくー♪」
ヴィーネ「まぁまぁ。つ、次、頑張りましょう?」
白いうさぎ「そうねー」
黄色い犬「それで次の勝負は……」
白いうさぎ「だったら今後は、わたしが決めるー」
25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:35:17.797 ID:X8G2SIJT0.net
-公園-
白いうさぎ「愛されるキャラクターにはねー」
白いうさぎ「優れたコミュニケーション能力も、備わってないとー」
白いうさぎ「だからー、一時間以内にどれだけの子供を」
白いうさぎ「集められるかで勝負よー」
ヴィーネ「たしかに、子供たちとの接し方は重要よね」
タプリス「どれだけ表の顔を維持できるか、の勝負ですね……」
黄色い犬「警察沙汰になりませんように……」
白い猫「いいわ、その勝負受けてあげます」
白い猫「そして私のニ連勝で、ピリオドを打ってあげるわ」
白いうさぎ「言ってなさい、この猫かぶりー」
白い猫「あら、負け惜しみかしら、ぶりっ子」
黄色い犬「ほらほら、言ってるそばから! 勝負、始めるんでしょ?」
白い猫「なんで、あなたが仕切ってるのよ、たかが二連続優勝したくらいで」
白いうさぎ「ちょっとSNSで人気があるからって、図に乗らないでよねー」
黄色い犬「……もうやだ帰りたい」
26: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:38:16.791 ID:X8G2SIJT0.net
白いうさぎ「みんなー、集まれー♪」
白いうさぎ「わたしと一緒にー、歌って踊ろうー♪」
子供たち「きゃっきゃ!」
ヴィーネ「こういうのは、さすがという感じね……」
ヴィーネ「私もたまに、子供たちと遊ぶけど」
ヴィーネ「ここまでうまくまとめられる自信はないわ」
女の子「ねぇ、お姉さんも一緒に踊ろう?」
ヴィーネ「えっ、わ、私も?」
女の子「うんっ」
白いうさぎ「ほら、月乃瀬さんも、ワンツーワンツー♪」
ヴィーネ「うぅ、ワンツーワンツー……」カァァ
白いうさぎ「もっと、大きな声でー♪」
ヴィーネ「ワンツー! ワンツー!」
白いうさぎ「いい調子ー、いい調子ー♪」
ヴィーネ「は、恥ずかしい……」
――
タプリス「あっちは、だいぶ盛り上がってるみたいですね」
白い猫「あんなの、見掛け倒しよ。問題ないわ」
白い猫「さあ、こっちも呼び込んでいくわよ!」
白い猫「みんなー! 私のところに、集まれー!」
27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:41:19.692 ID:X8G2SIJT0.net
悪ガキ1「なんだよ、この猫。おもしれーの!」
ゲシゲシッ
白い猫「ら、乱暴はやめてねー」
悪ガキ2「ぎゃはは、かかってこいよー」
ドスドスッ
白い猫「……チッ」
タプリス「ね、猫さん、おさえておさえて!」
タプリス「子供のやることですから、ね?」
白い猫「そんなのわかってるわ」ニコッ
悪ガキ1「おい、みんなこいよ! こいつ、どんだけ殴っても大丈夫だぞー!」
悪ガキ共「ぎゃははははっ!」
ゲシッ ドスッ ドスッ
白い猫「やめてね、ほんとにやめてね」
ドスッ ドスッ ボゴッ
白い猫「やめ……や、やめ……や……」
ドスッドスッドスッドスッドスッ
白い猫「やめい言うとるじゃろうがッ、このクソガキどもがァッ!!」
悪ガキ共「ひぃっ」
白い猫「おんどりゃ、ケツの穴から手ぇ突っ込んでぇ」
白い猫「奥歯ガタガタ言わしたろか、アァンッ!!」
悪ガキ共「に、逃げろー!」
スタタターッ
タプリス「はぁ、やっぱりこうなっちゃいましたね……」
28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:44:09.565 ID:X8G2SIJT0.net
黄色い犬「白い猫さん18人、対して、白いうさぎさん52人で」
黄色い犬「子供集め対決は、白いうさぎさんの勝利です!」
白いうさぎ「圧倒的勝利すぎて、つまんなーい♪」
白い猫「……チッ」
ヴィーネ「結構、差が開いたわね」
タプリス「こちらにも、いろいろありまして……」
タプリス「それよりも月乃瀬先輩、ずいぶん晴れやかなお顔をされてますけど」
タプリス「何か良いことでもあったんですか?」
ヴィーネ「ええ。言うなれば、一皮むけた、そんな感じね」
タプリス「は、はぁ……」
黄色い犬「これで両者が一勝ずつとなりましたけど」
黄色い犬「次はどうするんですか?」
白い猫「……もう、こんな細々した勝負続けても、埒が明かないわ」
白い猫「次で、完全決着をつけましょう」
29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:47:16.098 ID:X8G2SIJT0.net
-河川敷-
白い猫「最後はね、私とうさぎさんの直接対決よ」
白い猫「この世は全て、強い者が生き、弱い者が死ぬ」
白い猫「すなわち強い者こそが、正義なのよ!」
タプリス「いやいやいや……」
ヴィーネ「キャラクターに腕っぷしの強さは必要ないでしょ……」
白いうさぎ「いいわー、シンプルで、とてもいいー」
白いうさぎ「猫さんとは一度、純粋にどっちが上か、戦ってみたかったのー」
白い猫「ふんっ、こんなところだけは気が合うのね」
黄色い犬「そ、そんな、物騒なことはやめましょう?」
白い猫「うるさいわね! あんたは黙ってなさい!」
白いうさぎ「これはね、わたしと猫さんの問題なのよ!?」
黄色い犬「き、君たちが喧嘩すると、各方面、いろいろ困るというか……」
タプリス「そうです、暴力を伴うケンカなんて、しちゃいけません!」
白い猫「仕方ないわね。わかったわ、それじゃあ……」
白い猫「正々堂々と、スポーツで勝負よ」
31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:50:14.124 ID:X8G2SIJT0.net
黄色い犬「見合って見合って……」
黄色い犬「はっけよーい、のこった!」
ドシンッ
白い猫「ぐっ……やるわね!」グイッ
白いうさぎ「そっちこそー!」グイッ
ヴィーネ「それで、なぜ相撲の流れに……」
タプリス「まぁ……殴り合いよりかは、断然マシですよ……」
ヴィーネ「確かに、こうやって端から見ているだけだと」
ヴィーネ「微笑ましい感じすら、してくるわね……」
白い猫「いい加減、負けを認めたらどう?」グイッ
白いうさぎ「そっくりそのまま、お返しするわー」グイッ
白い猫「私はね、あんたなんかに負けてられないの。いいえ……」
白い猫「誰にだって、負けてられないのよ」
白い猫「またあの頃の栄光に、返り咲いてみせるんだからッ!」グイッ
白いうさぎ「ぐっ……ば、馬鹿力に押されるーっ!」
白うさぎ「こうなったら……、ぺっ!」
白い猫「ぎゃぁぁぁ、目がぁぁぁっ!!」
白うさぎ「今がチャンスー♪」グイッ
32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:53:36.271 ID:X8G2SIJT0.net
白い猫「なにさらしとんじゃワレェッ! ぶっ殺すぞッ!!」
白うさぎ「アァンッ!? やってみろやボケカスがッ!」
白い猫「死ねやゴラッ!!」ブンッ
ドゴッ
白うさぎ「がはっ! やりやがったな、このダボがッ!!」ブンッ
バキッ
白い猫「ごはッ!」
ヴィーネ「ちょ、ちょっと、なんか殴り合いに!?」
タプリス「相撲どころじゃなくなってます! 止めないと!」
ヴィーネ「あなた、男の子でしょ! 止めてきなさい!」グイッ
黄色い犬「そ、そんな無茶苦茶な!」
タプリス「お願いします! 黄色い犬さん!」
ヴィーネ「ほら、行きなさい!」ドンッ
黄色い犬「わっ、っとっと!」
白い猫「なんじゃオメー! 邪魔する気か、この、どアホがッ!」ブンッ
白いうさぎ「真剣勝負に水差すたぁ、わかっとんのかいワレッ!」ブンッ
黄色い犬「ひぎっ、ひぎぃぃぃぃっ!!」
ドガッ バキッ ボゴッ
33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 21:56:32.252 ID:X8G2SIJT0.net
黄色い犬「」
ポツ ポツポツ
サァァァァァァ
タプリス「あ、雨が……」
ヴィーネ「だめ、もう二人を止められない……」
白い猫「何がエクササイズじゃッ! あんなの誰もできんじゃろうがッ!!」
白い猫「その耳、引きちぎってやるわ、ボケがッ!!」グイッ
白いうさぎ「てめぇのヒゲ全部引っこ抜いて」
白いうさぎ「わけわからん動物にするぞ、このタコッ!!」グイッ
ボゴッ バキィ
白い猫「邪魔者は全員、排除じゃけぇッ!!」グイッグイッ
白いうさぎ「おめーさえ、最初からいなければッ!!」グイッグイッ
タプリス「あぁ、もう何が、何だか……」
ヴィーネ「見てられないわ……」
白い猫「ぐぎぎぎぎぎぎぎぎっ!!!!」グイッグイッグイッ
白いうさぎ「ぐごごごごごごごっ!!!!」グイッグイッグイッ
ベキッ バキッ ドゴォォォォォォッ
34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/11(木) 22:00:21.769 ID:X8G2SIJT0.net
サァァァァァッ
ヴィーネ「……ほら、もっと深く掘らないと」
タプリス「はい……」
ザクッ ザクッ
ヴィーネ「……」
タプリス「……」
ファサッ ファサッ
土をかぶった綿のかたまり「」
ヴィーネ「……」
タプリス「……」
サァァァァァッ
おしまい
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