2: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:45:27.58ID:oRZwqwxd.net
Aqoursとして活動してからは時間がたつのがとっても早くて、もう2学期になちゃった

前にダイヤさんがμ's講義で彼女たちは3年生の卒業をもってμ'sはお終いにする決断をしたと言っていた

わたし達はどうするんだろう…みんなはどう思ってるんだろう

そしてその1年後にはわたしも卒業しちゃう


曜「千歌ちゃん…」


自然と幼馴染の名前、大好きな人の名前を呟いてしまう

3: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:46:55.10ID:oRZwqwxd.net
わたしは千歌ちゃんと何か一緒にやりたいとずっと思ってた

何度か部活にも誘ったけど断られちゃった

そんな千歌ちゃんが自分で見つけて本気でやりたいと思ったものがスクールアイドル

スクールアイドルにはちょっと嫉妬しちゃったけど本気の千歌ちゃんと何か一緒にやれるチャンスだった

これがわたしがスクールアイドルを始めた理由。他のAqoursのメンバーとはちょっと違うかもしれない

千歌ちゃんと、志を同じくする仲間とスクールアイドルをやってる今この一瞬一瞬が楽しくていつまでも続けばいいのにって思う

4: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:50:08.67ID:oRZwqwxd.net
でも楽しい時間はどんどん過ぎていってしまう。いつかは終わりの時が来てしまうことはわかってる

千歌ちゃんと一緒にスクールアイドルが出来る時間も限られている…その先はどうなっちゃうんだろう

3年生になったわたしと千歌ちゃんは何をしているんだろう?

卒業した後は?

そもそも卒業した後もわたしは千歌ちゃんの隣に居れるのかな?


曜「未来のわたしの隣に千歌ちゃんは居るのかな…」

占いよりももっと確実なものやんと言いながら女性は鞄から何かを取り出した

5: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:51:00.22ID:oRZwqwxd.net
>>4
最後の行は無かったことに

6: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:51:52.81ID:oRZwqwxd.net
関西弁の女「そこの悩めるお嬢さん」 

不意に声をかけられ足を止める。振り返ると怪しげな女性が立っていた

関西弁の女「未来が知りたいん?ちょうどいいものがあるんよ~」

曜「あの…占いとかはあんまり信じてないんで…」

占いよりももっと確実なものやんと言いながら女性は鞄から何かを取り出した

7: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 20:58:35.01ID:oRZwqwxd.net
関西弁の女「この砂時計は時を跳べる代物やんね。直接確かめに行けばいいやん♪」

曜「またまたそんな…いかにも怪しいですよ…」

関西弁の女「うぐっ…どこへ行っても怪しまれる…お金は要らないから砂時計は持って行って欲しいかな」

砂時計と使い方らしきメモを押し付けると女性は足早に立ち去って行った

曜「時を跳べるなんてまさかね」

豪華な装飾の施された砂時計で飾るにはアリかなと思って持って帰ることにした

8: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:00:18.62ID:oRZwqwxd.net
家に帰って夜ご飯も食べ終わって、改めて砂時計を見てみる

瓶のまわりに竜が巻き付くような装飾が施されていてなかには真っ赤な砂が入っている


曜「……まさか、ね」


まさか本当に未来に行けるとは思ってないけどメモの手順に沿って砂時計を使ってみる

9: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:02:31.18ID:oRZwqwxd.net
砂時計をひっくり返して砂を上に集めてから竜の目の中にある時計の針を逆回転させる…


曜「……!?え、何!!」


不意に視界が歪んでベッドに倒れ込んでしまう

机の上に飾られた千歌ちゃんとの思い出の写真が視界に入ったところで意識が途切れた――

11: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:23:10.22ID:oRZwqwxd.net
――――――


曜「……ここは…?」


目が覚めた

少しクラクラする頭を押さえ立ち上がるとどこかの部屋の中だった

12: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:24:24.70ID:oRZwqwxd.net
側にはベッドがあり誰かが静かに寝息を立てている

覗き込んでみたけれど顔は見えなかった

けど微かに香るみかんのような柑橘類の香りは

大好きな幼馴染の匂いだとすぐにわかった

枕元の時計を見るとまだ午前6時前。

起こしてしまうのも悪いと思って起きるのを待つことにした

13: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:31:41.55ID:oRZwqwxd.net
待っている間にだんだんと疑問が湧いてくる

ここはわたしが知ってる千歌ちゃんの部屋じゃない

でも目の前で寝ているのは間違いなく千歌ちゃんだ

これはどういうことなんだろうと思っていると千歌ちゃんが寝返りを打った


千歌「……」スースームニャムニャ


曜「……!!!」

14: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:35:26.34ID:oRZwqwxd.net
こちらを向いたのはやっぱり千歌ちゃんだった

でもわたしが知ってる千歌ちゃんとは違って

髪が肩まで伸びていて表情もどこか大人びている

寝顔にドギドキしながらもわたしはようやく

あの砂時計は本物で未来に来てしまったのだと確信した

17: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 21:58:11.80ID:oRZwqwxd.net
午前7時になって目覚まし時計が鳴り響く

全然考えてなかったけどこの状況を千歌ちゃんにどう説明しよう!?


千歌「う~~ん…眠いよ…」


こちらから声をかけてしまったほうが良いかな…


曜「えっと…千歌ちゃんおはよう」


千歌「…えっ、曜ちゃん!?えっ?どうしてここに…?それに小さくなっちゃってる!?」

18: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 22:02:59.68ID:oRZwqwxd.net
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

混乱してる千歌ちゃんに砂時計のこと、自分は高校2年の渡辺曜だってことを必死に説明した

千歌ちゃんは直ぐに落ち着きを取り戻してじっと黙って聞いてくれた


千歌「そっかぁ…信じられない話だけど実際にこうして高校生の曜ちゃんが目の前にいるもんね~」


上手く話せたかわからなかったけど伝わって良かった…


曜「ごめんね千歌ちゃん。いきなり過去から来ましたなんてビックリしたでしょ」

20: 名無しで叶える物語 2017/05/09(火) 22:09:15.24ID:oRZwqwxd.net
千歌「…ふふっ、謝らないで。ビックリしたけど可愛い曜ちゃんに会えて嬉しいよ♪」
 

わたしの知ってる千歌ちゃんよりも態度も表情も大人って感じがしてドキドキしちゃう…///


千歌「照れちゃって~やっぱり曜ちゃんは可愛いな~」


曜「……///千歌ちゃんずるいよ…」


千歌「ごめんね、高校生の曜ちゃんが可愛すぎてついつい♪他に聴きたいこと沢山あるでしょ、何でも聞いて?」」


曜「千歌ちゃん…ここは何年後の世界なの?千歌ちゃんは今なにをやってるの?」


千歌「私が21歳だから曜ちゃんにとっては4年後になるのかな?今は大学生だよ~」

35: 名無しで叶える物語 2017/05/10(水) 21:49:27.99ID:1LyIWQgu.net
曜「4年でこんなに大人っぽくなっちゃうんだね…志満姉並みに大人だよ!」


千歌「ええっ!?流石に4年前の志満姉の方が大人だと思うよ~…」


曜「今の千歌ちゃんからもすっごく大人の余裕を感じる…なんかずるい」


その後も色々な質問を投げかけてみた。ここは東京で千歌ちゃんは一人暮らしをしているらしい。

でも大学で何の勉強をしているのか聞いてもはぐらかされてしまった…どうしてだろう?

ちょっと引っかかったけど他に聞きたいこともいっぱいあるし次の質問へ移ることにする

36: 名無しで叶える物語 2017/05/10(水) 22:07:29.53ID:1LyIWQgu.net
曜「Aqoursの活動はいつまで続いたの?」


さりげなく一番知りたいことを聞いてみた

これが知りたくて未来に来たようなものだし聞かなくちゃね


一瞬千歌ちゃんの表情が強張った気がした


千歌「……それは答えられないかな」


答えてくれない。すごく気になっちゃう

37: 名無しで叶える物語 2017/05/10(水) 22:17:39.58ID:1LyIWQgu.net
曜「この時代のわたしや他のAqoursのみんなは何をしてるのかも…」


千歌「ごめんね…答えられない」


これもダメみたい


千歌「…1つ聞かせてほしいの。曜ちゃんはどうして未来に行きたいって思ったの?」


微妙な空気を切り裂くように千歌ちゃんが問いかけてきた

千歌ちゃんは真剣な眼差しでこちらをまっすぐ見ている

いちばん聞きたかった、未来へ来た理由に関する質問は全部はぐらかされちゃったけど…

正直に言ってもいいのかな…?

誤魔化しても大人千歌ちゃんにはきっと見透かされちゃう、そんな気がして正直に言うことにした

40: 名無しで叶える物語 2017/05/10(水) 23:07:40.59ID:1LyIWQgu.net
曜「Aqoursのみんなと一緒に居られるのが幸せで…Aqoursの活動がすっごく楽しくて…

だけど3年生のみんなが卒業したらどうなっちゃうんだろうって。それが知りたくて未来に来たの」

曜「ううん、それだけじゃない。わたしが浦の星を卒業した後…わたしは千歌ちゃんと一緒に居られるのかなって…

それが一番知りたいの!!」

千歌ちゃんは黙って、でも優しい表情で聞いてくれた

千歌ちゃんは高校生の時と変わらないわたしがよく知っている、大好きな笑みを浮かべて…


千歌「よーちゃんっ、デートに行こっか!!」

54: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 21:08:19.47ID:kcBsdNvo.net
――――――――――――――――――――――――――――――――――――

一緒に朝ごはんを食べて、わたしはパジャマだったから千歌ちゃんの服を借りて支度をした


千歌「私が着るのと曜ちゃんが着るのじゃ全然違うね~可愛いっ♪」


曜「そうかな…///ちょっと大人っぽすぎる気がするよ~」


千歌ちゃんが選んで貸してくれたのは都会の女性が着ていそうなお洒落な服

わたしにはまだ早いよ~

55: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 21:46:15.11ID:kcBsdNvo.net
千歌「それじゃあ行こっか!!」ギュッ


曜「…!?ち、っち、千歌ちゃん!?」


千歌ちゃんがいきなり手をつないできた!!!

もう心臓バックバクだよ!!


千歌「ふふっ、やっぱり曜ちゃんは可愛いなぁ…デートだもんっ♪」


曜「……………/////」


ずっと千歌ちゃんのペースに乗せられっぱなしだよ…どこかでやり返さなくちゃ!

57: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 22:15:23.05ID:kcBsdNvo.net
千歌ちゃんの家の周りは住宅街でそこから歩いて10分ほどの所に駅があった

電車に揺られること数十分。電車の中でも千歌ちゃんはずっとわたしの手を握って離してくれなかったよ

そして降りたのはわたしでも知ってる若い女の子が集まる繁華街の駅

お洒落な恰好した若い女の子がいっぱいいるなぁ~


千歌「着いたね~いろんなお店見て回ろうかっ」


曜「うんっ!!」


こうして大人の千歌ちゃんとのデートが始まった

59: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 22:44:03.74ID:kcBsdNvo.net
千歌ちゃんは何度も来ているらしく、お勧めのお店にどんどん連れてて行ってくれる

お洒落な洋服屋さん、お洒落な雑貨屋さん…とにかく全部お洒落!!


千歌「次はここに入ろっか!」


わたしの手をしっかり握った千歌ちゃんが指をさす

その先にはお洒落なアクセサリー屋さんがあった

アクセサリー屋の中を2人で見て回っていると目に留まった商品があった

曜(このみかんのペアリングすごく可愛い…千歌ちゃんと2人で着けたい)

わたしはこっそりペアリングを買い物かごに入れた

60: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 23:23:58.89ID:kcBsdNvo.net
千歌「そろそろお昼ごはんにしよっか」


曜「うん、歩き回ってお腹空いちゃった」


近くのイタリアンレストランで昼食をとることにした


千歌「午後はどーしよう?」


曜「うーん…疲れちゃったしあまり歩き回らない方が嬉しいかも」


千歌「じゃあ映画観に行かない?ちょうど一昨日公開になった観たい映画があったんだ」


曜「映画?うんいいよ!行こう行こう!」

61: 名無しで叶える物語 2017/05/12(金) 23:55:59.50ID:kcBsdNvo.net
千歌「チケット買ってくるから待っててね~」


千歌ちゃんが観たかった映画は恋愛ものらしい

それも女の子同士の…公開初日からランキング1位の人気作みたい


千歌「お待たせ~もう中入れるし行こっか」ギュッ


曜「うんっ」


席に着いたら千歌ちゃんはまたわたしの手を握ってきた

今から女の子同士の恋愛映画を見るのにこんなのドキドキして映画どころじゃないよ…///

62: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 00:14:24.24ID:MDI+EuMd.net
千歌「面白かったし感動して涙出てきちゃったよ~」


曜「うんっ面白かったね!!告白のシーンはわたしも涙が出てきちゃったよ」


ストーリーは幼馴染の2人の女の子がお互いのことをずっと想っていたのに

素直になれなくてずっとすれ違っていたけれど、まわりの友人たちの後押しを受けて

やっと告白出来て、めでたく恋人になるという王道の恋愛映画だった


曜(わたしも千歌ちゃんに想いを素直に伝えられたらな…)

63: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 00:39:27.95ID:MDI+EuMd.net
千歌「もう夕方になってきちゃったね…晩御飯は家食べる?」


曜「うんっ、千歌ちゃんの手料理が食べたい!!」


千歌「ありがと♪じゃあ買い物に行こっか」


スーパーで千歌ちゃんはカートを押してる

カゴに入れてる食材から察するに今夜はカレーみたい


千歌「それじゃあ帰ろっか」


曜「うんっ!!」

64: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 00:40:32.05ID:MDI+EuMd.net
千歌ちゃんの家の最寄駅から家に歩いていると

行きは気が付かなかった小さな公園があった


千歌「曜ちゃん、袋も重いし少しだけ休憩していかない?」

曜「そうだねっ、わたしもちょっと疲れちゃったかな…」


2人で公園のベンチに座ったところで千歌ちゃんが切り出した


千歌「曜ちゃん…朝の質問に全然答えられなくてごめんね」


曜「ううん、大丈夫だよ。何か答えにくい理由があったんでしょ…?」

65: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 00:59:56.02ID:MDI+EuMd.net
千歌「えっとね…たぶん曜ちゃんが想像してるような理由じゃないと思うんだけど…」


曜「??」


千歌「その…過去の曜ちゃんにAqoursがどういう選択をしたのか


それを教えちゃうと何かが狂っちゃう…そんな気がしたんだ」


千歌「ううん、これも建前。本当は曜ちゃんが知りたいことを


知ったら帰っちゃうんじゃないかって思ったの。


高校生の曜ちゃんに会える機会なんてあり得ないことだしもっと一緒に居たいなって思ったんだ♪」

66: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 01:23:09.92ID:MDI+EuMd.net
曜「そういうことだったんだね~誰かの身に何か良くないことでも起こったんじゃないかって…


心配だったけど安心したよ。それにやっぱり私たちもちゃんと自分たちで考えて結論を出すべきだよね」


千歌「でもこうして4年の時を跳んでまで来てくれたのにアドバイスの1つもせずに帰すわけにはいかないよ!


過去の曜ちゃんに事実を伝えるのはやっぱりちょっと怖いんだ。でもアドバイスなら出来る…聞いてくれる?」


千歌ちゃんがいつになく真剣な表情で問いかけてくる

千歌ちゃんの推測通りならわたしはこれを聞いたら自分の時代に帰ることになるかもしれない

でもわたしはこれを聞きたくて未来まで来たんだ…!答えは決まってる


曜「千歌ちゃん…アドバイス…お願いします!」

67: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 01:48:25.42ID:MDI+EuMd.net
千歌ちゃんはすーっと深呼吸をしてから静かに語りだした

千歌「Aqoursがどういう選択をするかはね…Aqoursの全員がよく話し合って、9人が同じ気持ちにならないとダメなんだ。


9人もいれば色んな意見があると思う。みんな自分の意見をしっかりと出し合って9人全員が納得いくまで話し合ってほしいかな」


これが私から伝えられるアドバイスかなと千歌ちゃんは少し切ない笑みを浮かべた


千歌「Aqoursって、スクールアイドルって…楽しむか勝利を目指すか考え方はグループそれぞれだけどどのグループも必ず目標があるでしょ。


9人が手と手を重ねて集まれば、1人だけじゃ届かない高い壁の向こうへ飛び越えることが出来る、これってすごく楽しいことだと思うの」


千歌「Aqoursを始めてから色々なことがあった。曜ちゃんの身のもこれから色々なことが起きると思う。でもその一つ一つの出来事は積みあがっていくと


とっても大きな財産になるの。だから今は遠回りに見えても、無駄なものは何もないから起きること全てを受け止めて全力で打ち込んでほしいな」


なんか説教臭くなっちゃたね~と千歌ちゃんは笑った

68: 名無しで叶える物語 2017/05/13(土) 01:56:12.17ID:MDI+EuMd.net
千歌「あと未来の曜ちゃんが私と一緒に居られるかなってのも聞きたかったんだよね?」


曜「うん…///」


やっぱり千歌ちゃん本人から言われると恥ずかしい…


千歌「これも今のことは言えないけど…曜ちゃんはもっと思ったことを素直に私にぶつけてほしいかな」


曜「どういうこと?」


千歌「これは後から聞いた話だけど梨子ちゃんのピアノコンクール出場の件の時曜ちゃんかなり悩んでいたらしいね」


曜「っ…!!うん、あの時はかなり悩んでたかな…」


千歌「曜ちゃんが私と何かをずっとやりたかったように私も曜ちゃんと何かやりたいってずっと思ってたんだよ


曜ちゃんが私にして欲しいことは私が曜ちゃんにして欲しいことときっと同じだから…もっと想いをぶつけて欲しい」

74: 名無しで叶える物語 2017/05/14(日) 11:47:13.89ID:znywi8ym.net
千歌「私と曜ちゃんは同じことを思っているのにずっとすれ違ってるの。だから曜ちゃんから一歩を踏み出して欲しいな…


曜ちゃんのことが大好きなのに一歩が踏み出せない私からのワガママなお願いでした!」


千歌ちゃんはわたしと同じ思い…わたしの大好きは普通の大好きじゃないけどそこまで同じなのかな…?

この気持ちは伝えちゃっていいの?


曜「千歌ちゃん…!!千歌ちゃんの言ってる大好きは…っ!?」


突然視界が歪んできた…砂時計を使ったときと同じ


待って…今一番大事なことを聞きいてるところなのに…!!!

75: 名無しで叶える物語 2017/05/14(日) 12:23:13.73ID:znywi8ym.net
千歌「曜ちゃんどうしたの!?…大丈夫!?」


曜「たぶん元の時代に連れ戻されちゃいそう…」


千歌「!!…そっか…やっぱり目的を果たしたら帰っちゃうんだね…もう少し一緒に居たかったな」


曜「まだ…聞きたいことはたくさんあるのに…!」


千歌「さっき言いかけてた問いかけは曜ちゃんの時代の私にしてあげて?きっと一歩が踏み出せるから」


曜「千歌ちゃん…わかった。自分の気持ちを千歌ちゃんにぶつけてくるよ…!!」


そろそろ視界の歪みも限界かな…意識も少しずつ薄れてきちゃった…


千歌「最後に1つだけ教えてあげるね。私は今大学でスポーツ栄養学を専攻してるんだ」


曜「スポーツ…栄養学?」


千歌「頑張り屋さんを食事から支えてあげたいんだよ…またね曜ちゃん、過去の私にもよろしくね!!」

80: 名無しで叶える物語 2017/05/15(月) 00:06:13.00ID:dqV32AHY.net
――――――

曜「………ここは…わたしの部屋…?」


目を覚ますと千歌ちゃんとの思い出の写真が視界に入った

元の時代に戻ってきたみたい

時計を見てみると砂時計を使ってから1時間くらいしか経っていないようだ


曜「砂時計は…」


上に溜まっていた砂は全て落ちきって砂の色も赤から白に変わっていた


曜(たぶんもう時を跳ぶことは出来ないね)


ベッドには向こうで買ったみかんのペアリングが転がっていた

あの大人の千歌ちゃんと過ごした1日は夢なんかじゃないってことをこのリングは物語っている

81: 名無しで叶える物語 2017/05/15(月) 00:35:47.67ID:dqV32AHY.net
千歌ちゃんに思っていることを素直にぶつけて欲しいってアドバイスを他ならぬ千歌ちゃん自身から貰ってしまった

未来の千歌ちゃんは未来のわたしとどんな関係でいるんだろう?

あれこれ疑問が浮かんで頭の中がごちゃごちゃしちゃう

でも、わたしが大好きで誰よりも信頼している千歌ちゃんからもらったアドバイスを信じてわたしは千歌ちゃんに想いをぶつけるよ!!

このみかんのペアリングはその時のプレゼントにしようかな♪

Aqoursのみんなとよく話し合って欲しいとも言ってた。気持ちを隠さず打ち明けることが大事なんだよね


曜(こういうのは勢いが大事!!早速千歌ちゃんにLINEしちゃおう!!!)

82: 名無しで叶える物語 2017/05/15(月) 00:50:02.18ID:dqV32AHY.net
YOUソロー:明日練習お休みだけど放課後一緒に沼津行かない?

ちかちー:いいよ!

YOUソロー:大事な話があるんだ

ちかちー:わかった。心の準備しておくね!


約束してしまった。しかも大事な話があると言ってしまった!

もうこれで逃げられないね

千歌ちゃんとの約束通り一歩を踏み出すよ!

千歌ちゃんと、Aqoursのみんなとの間にこれからどんなことが起こるんだろう

わからない、わからないけど大丈夫、ありのままに包み隠さないわたしでいれば道はずっと続いていくんだよね…!!


おしまい

引用元: 曜「もしも時を跳べたら」