1: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:42:24 ID:ndzC

2: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:42:47 ID:ndzC
~神室町・天下一通り入口~

桐生一馬「また帰って来てしまったか…この街に」

桐生(と、言っても何か事件があったわけでもない、気ままに街を探索するか)

桐生「…そう言えば、少し腹が減っていたな…」

桐生「散歩がてら、街の様子を見て、ついでに腹ごしらえも済ませてしまうか………む?」

卯月「あの、そのキグルミは大切なもので…!持っていかれちゃうと困りますっ!」

3: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:42:58 ID:ndzC
チンピラ「アァ?デケえ図体で肩ブツケたキグルミが悪いんだろうがよ!」

チンピラB「大体何だよこのブッサイクなキグルミ、どうせなら俺達がもっとイケてる感じに作り直してやろうじゃねえか」

チンピラ「いいアイデアだ!そっちのが絶対に売れ…」

卯月「うぅう~…!」ウルッ

桐生「そのキグルミから手を離せ」

卯月「え……あなたは、いつかのお兄さん…?」

4: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:43:10 ID:ndzC
チンピラ「へっ、オッサンは引っ込んでろ!これからこのキグルミで一儲けするんだよ!」

桐生「失せろ…そいつはテメェらみてえなガキが気安く触っていいモンじゃねえんだ」

チンピラB「何か言い出してっけどどうするよオイ」

チンピラ「決まってんだろ、こうなったら二人ともブッ殺して…」

卯月「ひゃあああ!」

桐生「………」カチッ スゥーッ

※おもむろに桐生はタバコに火をつけた…。

5: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:43:25 ID:ndzC
チンピラ「まずは余裕こいてるテメェからやってやらぁ!」

  △極!!

桐生「………」プッ

チンピラ「うあっつ!」ジュッ

桐生「オオッ!!」ブォッ!!

チンピラ「ぐわああ!!」ドゴオ

巻き込まれチンピラB「ぐべえ!!」ズゴオ!!

桐生「…口ほどにもねぇなぁ」スタスタ……ヒロイッ

※桐生は携帯灰皿にタバコを仕舞った…。

桐生(修学旅行の土産とかで遥に渡されたモンだが、思わぬ所で役に立つものだな)

6: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:43:43 ID:ndzC
※ヒートアクション「紫煙の極み」
喫煙の挑発アクション中に手軽に発動可能なヒートアクション。見映えもよく、渋い技。

美穂「卯月ちゃ~ん!」タッタッタッ

卯月「み、美穂ちゃ~ん!」

桐生「うん?友達と来ていたのか」

卯月「あ、はいっ…その、この辺、お手洗いが…」

桐生「ああ、そういうことか…確かに、結構歩くからな」

美穂「す、すみません、卯月ちゃんがお世話になったみたいで……私、卯月ちゃんと同じ事務所でアイドルしてます、小日向美穂です!」ペコリ

桐生「桐生だ…。卯月とは前に少しな」

7: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:43:58 ID:ndzC
卯月「ほら、前にお話した…」

美穂「じゃああなたがキグルミのお兄さんなんですね!わぁっ、会えて嬉しいですっ」

桐生「何だ、知っていたのか」

美穂「私達の事務所では語り種になってますよ!星花さんなんか、桐生さんらしいですわね、って」

桐生「星花か…そう言えば長い事、顔を見ていないな」

卯月「凄く感謝してましたよ!またご一緒に街を歩きたいですって言ってました!」

桐生「フ…アイドルがそんなんじゃ、いらねえ誤解を招いちまうと思うがな」

桐生(まぁ、あの星花に関しては家が太い分そういう心配もいらないのかもしれないが…)

8: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:44:12 ID:ndzC
桐生「………む」グウ

美穂「あ……お腹…」

卯月「桐生のお兄さん、お腹空いてたんですか?」

桐生「あ、あぁ……まぁ、色々積もる話もあるようだが、こんな所で立ち話も何だな…」

美穂「ふふっ、照れなくても大丈夫ですよ、あの、私達もこれからお昼にしようかなーって話をしていて」

卯月「でも、キグルミをどうしようってなっちゃいまして…えへへ」

桐生「成程な…なら馴染みの店がある、少しだけ歩くが…」

美穂「是非ご一緒したいです!ね、卯月ちゃん!」

9: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:44:25 ID:ndzC
卯月「うん、アレから色々あったので、桐生のお兄さんにもお話したいですし!」

桐生「そうか…と言っても年頃の女子高生が喜ぶ様なシャレた店じゃないんだがな」

美穂「大丈夫ですよ、むしろ、キグルミの分、ご迷惑をかけちゃうので…」

桐生「そこは気にしなくていい。少し狭い店だが、個人でやってる所だから融通が利くんだ」

~~~

10: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:44:39 ID:ndzC
~ラーメン屋・九州一番星~

桐生「よう、3人だが、いいか?」ガラッ

大将「ん、おお!兄さんか!久しぶりだなぁ」

卯月「お知り合いですか?」

大将「おう、前に兄さんにはウチの店のカップ麺の事で色々とな……」

美穂「きゅ、九州一番星!九州一番星じゃないですかっ!?」

卯月「み、美穂ちゃん!?」

桐生「どうした、テンションが高いぞ」

美穂「私っ、あの、ここのカップ麺のファンで…その、実家が九州の熊本なもので…」

11: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:44:53 ID:ndzC
大将「ほう!熊本か!アッチのラーメンも美味いよなあ」

桐生「大将、すまないが、このキグルミを置かせて貰いたいんだが」

大将「キグルミ…?」

~~~

大将「お待ちどお、ラーメン2杯と兄さんにはワンタン麺だ」

桐生「ありがとう、いただくよ」

美穂「わぁ…本物の九州一番星のラーメンだぁ…」

卯月「美穂ちゃん、そんなにラーメン好きだったっけ、あかりちゃんとかならわかるけど…」

12: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:45:06 ID:ndzC
美穂「なかなかこっちで美味しい豚骨のラーメンを食べられる所、ないから…」アハハ…

大将「嬉しいこと言ってくれるね」

桐生「カップ麺を作った弟子の植田も喜ぶだろうな、いい宣伝になったじゃないか」

大将「全くだなぁ、最初はカップ麺なんざ…とも思ったが、何がどう転ぶかわかんないもんだ」

美穂「ん~、美味しいです、叉焼もとろとろで…」

大将「へへ、ウチの自慢だからな」

桐生「で、アレからのお前達の話を聞くんだったな」

卯月「あ、はいっ…すみません、食べながらになっちゃいますけど」

13: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:45:20 ID:ndzC
桐生「伸びるからな…とりあえず、食べ終わってからにするか…すまないな大将、少しだけ時間を貰うが」

大将「なぁに、今の時間は丁度客の切れ目だ、構いやしないよ」

桐生「感謝する…」

~~~

~食後~

卯月「…って感じで、親友の美穂ちゃんともう一人、五十嵐響子ちゃんって子とユニットを組んで無事デビューできたんですっ」

桐生「ピンクチェックスクールか……ユニットの名前は初めて聞いたが、ライブなら前に少しだけ見かけたな」

14: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:45:32 ID:ndzC
美穂「本当ですか!わぁ、嬉しいなぁ」

卯月「桐生のお兄さんがあのキグルミに入ってくれて、私に勇気をくれたから…私も、怖くても笑顔で前に進むことができたんです」

桐生「よしてくれ、俺は何もやっちゃいない」

卯月「お兄さん…」

桐生「卯月、俺がやったのはあくまでティッシュ配りと宣伝だけだ。その後のお前の頑張りは、全部お前が選んで、歩いて、成し遂げた結果なんじゃないのか」

美穂「そうだよ卯月ちゃん。卯月ちゃんはいつもいつも周りに感謝ばかりしてるし、それが悪いことだとは思わないけど、少しは自分のことも認めてあげなくちゃ」

卯月「こんな私でも、いいんでしょうか…」

15: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:45:46 ID:ndzC
桐生「そんなお前がいいから、ライブであんなに観客が来ていたんだと思うぞ。自信を持て」

卯月「……はい、卯月、自信を持てるようにもっともっと頑張ります!」

美穂「あはは……何だか本末転倒な気がするなあ…私も自信はない方だから気持ちはわかるけど…」

桐生「それが卯月のいいところなのかもな。誰より謙虚で、誰よりも素直で真っ直ぐだ」

ガンガンガン!

大将「……やれやれ、またか」

桐生「どうしたんだ」

大将「近頃ヤカラっぽいのが店に来るんだよ…いや、別に誰が来ようが客なら、文句はないんだがね…」

桐生「招かれざる客、って事らしいな…二人共、少しここで待っていてくれるか」

16: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:45:59 ID:ndzC
美穂「は、はいっ!」

卯月「お兄さん…」

桐生「すぐに戻って来る、大丈夫だ」

ガラッ

~~~

~九州一番星・店前~

チンピラ「オイオイ、さっきぶりじゃねえかオッサンよお」

桐生「こっちはそう何度もテメェらに用事なんかないんだがなぁ」

チンピラ兄貴「ほお、お前が俺様の可愛い子分達をのしちゃってくれたワケか」

17: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:46:27 ID:ndzC
桐生「どこの親分だか知らねえが、子分の躾がなってないぜ」

チンピラ兄貴「チッチッチ…わかってねえな…今!ここで!躾けられるのはテメェだよ、オッサン!」

桐生「話にならねえな…すぐに帰るなら見逃してやる……だが」

チンピラ兄貴「帰るわけねえだろうが!!」

桐生「なら…これから起きることは全部テメェらが選んだ結果だ」

チンピラ兄貴「しゃらくせえ!スカしてんじゃねえぞオッサン!」ブォッ!

大将「お待ちどお、特製のアツアツだ」ガラッ

美穂「き、桐生さんっ!」ポーイッ

「あつあつラーメン」

  △極!!

桐生「……ふっ!!」パシィッ

チンピラ兄貴「え……」

桐生「特製一丁!!!」バシャア!!

チンピラ兄貴「ぐわあああちちあちあち!!」ジタバタ

※ヒートアクション「麺の極み」
本来は九州一番星の大将との馴染みヒートアクション。熱々のラーメンを敵の顔面に力任せに叩きつける技。

18: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:46:46 ID:ndzC
チンピラ「よ、よくも兄貴をっ!!」ダッ

桐生「丁度俺も良いものを持っていてな」スッ

チンピラ「はぁ?フザケん……いでででで!!」グイーッ

※ヒートアクション「箸捌きの極み」
箸で器用に敵の指を掴みそのまま腕を極めるテクニカルな技。

チンピラB「よ、よくも兄貴達を……この野郎!!」

桐生「お前にはコレだ」スッ

チンピラB「な、何を」グイッ

桐生「オラァ!!」パッパッ

チンピラB「ギャアアア!目が!!目がァ!!」

※ヒートアクション「塩の極み」
卓上塩を使ったヒートアクション。相手の眼球目掛けて食塩をふりかける恐ろしい技。
だが桐生一馬のヒートアクションの中ではまだ優しい部類である。

19: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 14:47:01 ID:ndzC
チンピラ兄貴「こ、この……よくもやりやがったな!」ヒュッ……

桐生「……寝てろ」ブォッ

チンピラ達「ごはあああ!!」「ぎにゃああ」「ぐべえええ」ドゴゴゴゴオン!!

※ヒートアクション「星拳絶華の極み」
当シリーズオリジナル技。星花の剣捌きから天啓を得て編み出したフェイントからの拳圧(正確には剣圧)飛ばし。
詳細はシリーズ第3話参照。

桐生「…時間食っちまった」

美穂「……すごーい…」

大将「へ、これだけされちゃ二度とウチにゃ寄り付かないだろうぜ…いいお灸だ」

卯月「あ、あはは……ラーメン、でしたけどね…」

20: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 21:12:30 ID:ndzC
~~~

~昭和通り東・タクシー乗り場~

美穂「じゃあ、今日はありがとうございました」

卯月「また機会があったら、一緒にお話させて下さい!」

桐生「そうだな、できれば今回みたいな厄介事がなければ良いんだがな」

美穂「あはは、それは確かにそうかも…でも、何だか流れるような動きで、まるで役者さんの演技を見てるみたいでしたよ」

桐生「役者か……」

桐生(そう言えば以前、映画の代役を頼まれて大立ち回りを演じた事もあったな…フッ、懐かしい話だ)

21: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 21:12:47 ID:ndzC
卯月「本当に今日はありがとうございました!」

桐生「ああ…じゃあな、事務所の仲間達にもよろしく言っておいてくれ」

卯月「はい、ほたるちゃんと悠貴ちゃん、星花さんですね♪」

桐生「何でことごとく同じ事務所の連中なのかはわからないが…とにかくそういうことだ」

美穂「あ、そうだ、あの、よかったらこれ…」ガサゴソ

桐生「ん?」

美穂「さっきお店で食べた後じゃ、お礼にはならないかもしれませんけど、えへっ」

桐生「フ…そんなことはないさ、これはこれでいいものだからな、貰っておこう」

・「九州一番星のカップ麺」を手に入れた。

おわれ。

22: ◆6RLd267PvQ 24/06/12(水) 21:14:14 ID:ndzC
このシリーズ描いたの2年くらい前っぽいですねえ
時が流れるのは早いもので、龍が如く8はEXHARDでクリア、トロコンもさせていただいてます。

ではでは、お目汚し失礼をば。

引用元: サブストーリー005「目指せアイドル一番星」(龍が如く?デレマス)