1: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:08:28 ID:???00
ーーーーーーーーーー
ガタンゴトン…
かのん「すぅ…」
すみれ「よく寝るわねぇ、この子は」
恋「ふふっ、まあまあ。目的地まで大分長いですから」
すみれ「まぁね…自然も増えてきて、田舎って感じ」
恋「でもトンネルを何度も通るの、ちょっと怖いです」
すみれ「分かるわ。急にふっと暗くなるからね」
フッ
「……っ、はぁ」
「こんな風にね…」
「…すみれさん」
「なぁに?」
「後ろの車両のトイレまで、着いてきてくれませんか」
「…えー、めんど」
「そんな事言わないでくださぁい!!」
「嘘よ嘘、行きましょ。暗いから手、繋いでて」
「ありがとうございますぅ…!」
「すやぁ…」
パッ
すみれ「あら、抜けたわね」
恋「あぁ、光が美しいです…」
すみれ「じゃ私は良いわよね?ついてかなくても」
恋「それとこれとは話が別だと思いませんか?」
すみれ「何で???」
フッ
「こうなるんですから!」
「あぁもう分かった分かった、ほら行くわよ…全く」
コツコツ
ガラッ
ガタンゴトン…
かのん「すぅ…」
すみれ「よく寝るわねぇ、この子は」
恋「ふふっ、まあまあ。目的地まで大分長いですから」
すみれ「まぁね…自然も増えてきて、田舎って感じ」
恋「でもトンネルを何度も通るの、ちょっと怖いです」
すみれ「分かるわ。急にふっと暗くなるからね」
フッ
「……っ、はぁ」
「こんな風にね…」
「…すみれさん」
「なぁに?」
「後ろの車両のトイレまで、着いてきてくれませんか」
「…えー、めんど」
「そんな事言わないでくださぁい!!」
「嘘よ嘘、行きましょ。暗いから手、繋いでて」
「ありがとうございますぅ…!」
「すやぁ…」
パッ
すみれ「あら、抜けたわね」
恋「あぁ、光が美しいです…」
すみれ「じゃ私は良いわよね?ついてかなくても」
恋「それとこれとは話が別だと思いませんか?」
すみれ「何で???」
フッ
「こうなるんですから!」
「あぁもう分かった分かった、ほら行くわよ…全く」
コツコツ
ガラッ
2: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:14:01 ID:???00
ーーーーーー
「琴の音だと思う、きっと」
「よく、分からなかったけど」
「多分」
ーーーーーー
「琴の音だと思う、きっと」
「よく、分からなかったけど」
「多分」
ーーーーーー
3: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:20:13 ID:???00
コツコツ…
「恋、大丈夫?」
「大丈夫です、離さないで下さい…!」
「離さないったら離さないわよ」
…~♬
「あら…車内音楽なんて流れるのね」
「キレイな音色です…ふふ、落ち着きますね」
「あ、かのんにLINEしといて。トイレ行ってるわって」
「あっ、分かりました!かのんさんが起きて私達がいなかったら、不安になりますもんね」
「そうそう。スタ爆でもしといて」
「ふふっ、了解ですっ」
「2個向こうの車両だっけ?」
「確か……そうだったと思います。行きましょう」
フッ
すみれ「あ、抜けた。目がチカチカしそうね」
恋「中々慣れませんね…」
すみれ「じゃとっとと行くわよ。手離して良いわよね?」
恋「まあ今のところは…」
フッ
ぎゅっ
「早っ」
「仕方ないじゃないですか」
「ったく……暗いわね」
4: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:29:19 ID:???00
コツコツ
「車両の間の通路って怖くない?」
「分かります、飛び越える感じが……」
ガラッ
コツコツ
「で、この車両の1番後ろよね?あ、もう1個向こうだったかしら」
「はい、向こうです」
~♬
ガタンゴトン
コツコツ
~♬
「なっがいトンネルよね…」
「はい」
コツコツ
ガタンゴトン
「車両の間の通路って怖くない?」
「分かります、飛び越える感じが……」
ガラッ
コツコツ
「で、この車両の1番後ろよね?あ、もう1個向こうだったかしら」
「はい、向こうです」
~♬
ガタンゴトン
コツコツ
~♬
「なっがいトンネルよね…」
「はい」
コツコツ
ガタンゴトン
5: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:31:20 ID:???00
ーーーーーー
「長かった」
「トンネルも」
「深海みたいに暗かった」
ーーーーーー
「長かった」
「トンネルも」
「深海みたいに暗かった」
ーーーーーー
6: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:38:31 ID:???00
ガタンゴトン
~♫
「恋」
「………はい」
「ちょっと手が疲れたわ、少し離していい?」
「いけません」
「…分かった」
コツコツ…
~♫
<ぐぉ~っ……
「…ふふっ、恋聞いた?おじさんのイビキ」
「えぇ、面白いです」
<んんん……
ぐぉぉお……>
コツコツ
ガタンゴトン
ーーーーーー
「そう、歌みたいだった」
「多分、私たちに」
ーーーーーー
7: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:44:40 ID:???00
コツコツ
「ねぇ、恋」
「はい」
「トンネル長過ぎよね?山全部堀り抜いてんのかしら」
「確かに。でも、きっとその通りですね」
「地形上登っては、下がっていく路線ですから」
「きっとすぐ見えますよ」
「ならいいけど」
コツコツ
グォ-……
~♪
「てかさ」
「はい」
「恋の自由研究。この旅行も半ば恋の研究の為だけどさ」
「………」
「…えーとタイトルが、"自然界と人間界の境界線について"だっけ?」
「……はい」
「何?意味分かんないのよね。どういうモノ?」
「この国にいる神とされるものは」
「気まぐれです」
「彼の者らは交わる」
「何かの拍子に」
「繋がりを持とうと」
「要は繋がっていれば良いんです」
8: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:51:16 ID:???00
「巫などの人に降りなければ、彼の者は我々の前に現れないでしょう?」
「人を借りる、それもまた結び付きです」
「神とは自然です。人は自然では無いが、求める」
「だから降りる」
「……降臨ってやつ?」
ガタンゴトン
~♩
<オ゛オォォォオオォオオォ…
「人を借りる、それもまた結び付きです」
「神とは自然です。人は自然では無いが、求める」
「だから降りる」
「……降臨ってやつ?」
ガタンゴトン
~♩
<オ゛オォォォオオォオオォ…
9: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:51:53 ID:???00
ーーーーーー
「どこかで知ったのかも」
「都合のいい何かを」
「どうやって?知らない。それが自然なんでしょ?」
ーーーーーー
「どこかで知ったのかも」
「都合のいい何かを」
「どうやって?知らない。それが自然なんでしょ?」
ーーーーーー
10: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 02:56:31 ID:???00
ガタンゴトン
「繋がりは自然でしょう、すみれさん」
「Liellaだって繋がりだものね」
「……はい」
「だからこそ私達は」
「求めるんです」
「神も人も、変わりはしませんね」
「分からないの」
「何がですか?」
「何で、恋なの?」
「そこにいたからです」
「何で今?」
「繋がったからです」
「いつの間に」
「飛び越えましたからね」
「コレは全部あなたが?」
「我々です」
「どうしたいの?」
「このまま」
「私と」
「向こうの車両に行きましょう」
「このまま進み続けろってこと?」
「はい」
「嫌と言ったら?」
『振り返れ』
「繋がりは自然でしょう、すみれさん」
「Liellaだって繋がりだものね」
「……はい」
「だからこそ私達は」
「求めるんです」
「神も人も、変わりはしませんね」
「分からないの」
「何がですか?」
「何で、恋なの?」
「そこにいたからです」
「何で今?」
「繋がったからです」
「いつの間に」
「飛び越えましたからね」
「コレは全部あなたが?」
「我々です」
「どうしたいの?」
「このまま」
「私と」
「向こうの車両に行きましょう」
「このまま進み続けろってこと?」
「はい」
「嫌と言ったら?」
『振り返れ』
11: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:02:11 ID:???00
「!!」
「すみれさん、早く行きましょう」
「離して」
『戻れ』
「何なの」
「すみれさん」
『戻れ』
『振り返れ』
「何なのよ」
「行きましょう」
バッ
タタタタタタッ
「はっ、はっ、はっ……!!」
ガタンゴトン
<オオォオォオォオオオォォ
~♩♩♩
♩~
♩~
♩~
ガタンゴトン
ガタンゴトン
ガタンゴトン
~♩♩♩
グゥゥウウゥウウゥウゥウゥ>
「何、何、何なの」
タタタッ
ガラッ
「すみれさん、早く行きましょう」
「離して」
『戻れ』
「何なの」
「すみれさん」
『戻れ』
『振り返れ』
「何なのよ」
「行きましょう」
バッ
タタタタタタッ
「はっ、はっ、はっ……!!」
ガタンゴトン
<オオォオォオォオオオォォ
~♩♩♩
♩~
♩~
♩~
ガタンゴトン
ガタンゴトン
ガタンゴトン
~♩♩♩
グゥゥウウゥウウゥウゥウゥ>
「何、何、何なの」
タタタッ
ガラッ
12: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:08:40 ID:???00
「……」
「何も見えない」
コツ
「暗いとかじゃない」
コツ
「何も無い」
コツ
「恋、いる?」
ぎゅっ
「…………恋、ね?」
<ピロン
「ひっ」
<ピロンピロンピロンピロンピロン…
「嫌……っ!」
<むぅ……恋ちゃん?
「何も見えない」
コツ
「暗いとかじゃない」
コツ
「何も無い」
コツ
「恋、いる?」
ぎゅっ
「…………恋、ね?」
<ピロン
「ひっ」
<ピロンピロンピロンピロンピロン…
「嫌……っ!」
<むぅ……恋ちゃん?
13: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:14:01 ID:???00
「……かのん?」
コツ…
『グソクムシ!』
「え」
バッ
「あっ」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
15: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:20:50 ID:???00
ガタンゴトン
かのん「ねぇ、すみれちゃん」
すみれ「なに?」
かのん「恋ちゃん」
恋「はい」
ガタンゴトン
かのん「トイレ行ってたんじゃないの?」
すみれ「ええ、行ってきたわよ」
かのん「……」
恋「かのんさんこそ、寝ていたのでは?」
かのん「トンネル通る音で起きた」
かのん「あといびき、も……」
すみれ「うるさかったわね」
~♬
かのん「……」
チラッ
【恋ちゃん からのトーク通知】
【49件】
<《間もなく、はすのそら、はすのそら》
16: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:28:07 ID:???00
かのん「……次の駅で、お弁当買ってこようかな」
すみれ「ちょっと、電車降りる気?間に合うの?」
かのん「行けるよ、多分」
恋「かのんさんなら大丈夫でしょう」
かのん「……」
すみれ「それもそうね、急いで行きなさい」
恋「早めに降りなければですね」
かのん「……」
すみれ「かのん?」
かのん「……皆で行かな」
すみれ「いって」
恋「いって下さい」
かのん「っえ」
フッ
「ひっ、何で!?トンネルじゃないのに……!?」
17: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:32:59 ID:???00
「早く」
「早く」
「お願いだから」
「お願いします」
「………っあ……!」
<プシュー
<《はすのそら、はすのそら》
「出て」
「出て下さい」
「早く」
「間に合わない様に」
「ここは」
「暗いです」
「っ、い……!!」
タタッ!!
かのん「はっ、はっ……!!」
プシュー>
バタンッ>
かのん「恋、ちゃん……すみれちゃん」
18: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:34:45 ID:???00
「………………」パクパク>
かのん「……なんて言ってるの、聞こえないよ」
かのん「なんで笑ってんの……なんで、泣いてんの」
「……」パクパク>
かのん「……"ま・た・ね"って、言ってくれてるの?」
「……」パクパク>
かのん「……また、会えるの?ねぇ」
ガタンゴトン…>
かのん「また」
かのん「きっと……」
『振り返れ』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
19: 名無しで叶える物語◆07bIdWHv★ 2024/06/14(金) 03:36:08 ID:???00
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーCASTー
平安名すみれ
葉月恋
澁谷かのん
いびき:穂乃果パパ
ーBased on a story byー
ラブライブ!スーパースター!!
ーー ーー
ーCASTー
平安名すみれ
葉月恋
澁谷かのん
いびき:穂乃果パパ
ーBased on a story byー
ラブライブ!スーパースター!!
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