1: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:12:15.56 ID:4eA2b6UZ.net
千鶴子「酷いですわ~!」タッタッタッ

命「……?」

~~~

命「あの…今、千鶴子さんが泣いて走っていきましたけど」

仁美「知ってる」

命「いつも有り余る愛をスルーされつ続けても平気な千鶴子さんが泣くなんてよっぽどだと思うんですが」

仁美「いや、俺にも何が気に入らなかったのかサッパリわからない」

命「とりあえず話してみてくださいよ。何かわかるかもしれません」

7: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:20:50.72 ID:4eA2b6UZ.net
命「なるほど。つまり、まとめると千鶴子さんが休日デートに誘ってきたので『構わないぞ。制服でいいか?』と言ったら泣かれた…と」

仁美「ああ」

命「そりゃ泣きますよ」

仁美「なんだ。お前までアイツの肩を持つのか」

命「いいですか?デートだけなら普段の放課後でも出来るじゃないですか。それなのにわざわざ休日デートと指定した意味を考えてみてください」

仁美「???」

8: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:24:30.83 ID:4eA2b6UZ.net
命「私服!あと、朝から夜まで一緒!そういうことです!」

仁美「夜まで…って、まさか!?」

命「そこに食いつかないでください!まあ、愛が云々の千鶴子さんのことなのでそこも重要かもしれませんが」

命「要するに千鶴子さんは休日デートにすることで仁美さんが自然な流れで私服を着てくれることを期待したんですよ。それを貴女はまったく…」

仁美「なんだそりゃ。はぁ…女心ってのはやっぱりわからん」

命「貴女も女でしょう」

命(一応)

9: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:30:22.16 ID:4eA2b6UZ.net
仁美「まー、わかったわかった。要は私服で行ってやればいいんだな?」

命「どうでしょうね…千鶴子さん結構ショックだったみたいですし、それで機嫌を直してくれるかどうか」

仁美「なら、どうしろっていうんだ」

命「…よし!私に任せてください」

命「私がデートプランのサポートをします」

仁美「お前がぁ?彼女居たこともないんじゃないのか」

命「ぐぬぬ…それでも!仁美さんよりは乙女心のなんたるかを理解しているつもりですから!」

仁美「ん、それはそうかもな」

命「さあ、そうと決まればそんなところに座っていないでこっちに来てください。当日の計画を立てますよ」

仁美「なんかちょっと楽しそうだなお前」

命「気のせいです」

10: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:33:29.68 ID:4eA2b6UZ.net
~土曜日~

千鶴子(あの時は取り乱してしまいましたが、仁美さんにも悪気は無かったハズですわ…)

千鶴子(今日会ったらきちんとごめんなさいしませんと)


仁美「悪いな。待たせたか?」

千鶴子「あっ、仁美さん!一昨日は申し訳ありませ…」クルッ

千鶴子「まあ!」

仁美「いや、俺も、その…悪かった。これだろ?お前が見たかったのは」

千鶴子(仁美さんの…私服!)

11: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:39:36.05 ID:4eA2b6UZ.net
千鶴子「仁美さん!」ギュッ

仁美「なっ!?人前で抱きつくのは…」ハッ

―――

命「いいですか?折角の休日デートなんですから、普段出来ないことをさせてあげてください」

命「具体的にですか…そうですね」

命「まあ、愛の抱擁とやらくらいは許してあげてもいいんじゃないですか?」

―――

13: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:43:15.38 ID:4eA2b6UZ.net
仁美(これも千鶴子を悲しませないため…)

仁美「………」ギュッ

千鶴子「!!」

千鶴子(仁美さんが抱き返してくれました!)

千鶴子(嬉しくておかしくなってしまいそうですわ…♡)

仁美「も、もういいか…?落ち着いたら、その…行くか。休日デート」

千鶴子「はいっ♪」

14: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:49:55.45 ID:4eA2b6UZ.net
~~~

千鶴子(あの後も仁美さんはとても紳士的にエスコートしてくださいましたわ)

千鶴子(でも、仁美さん…)

仁美「………」フゥ

千鶴子(とても疲れているみたいですの)

仁美「それで、この後は…」

千鶴子「仁美さんっ!」

仁美「な、なんだ!」

千鶴子「その…少し歩き疲れてきたので、あそこの建物で休憩いたしませんか?」

16: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 20:59:17.12 ID:4eA2b6UZ.net
~~~

仁美(マズイな…このままだと計画した所を全部回れずまた千鶴子をがっかりさせてしまう)

仁美「なあ、千鶴子…」

千鶴子「仁美さん!」

仁美「ぉ…」

千鶴子「今日の仁美さん、なんだか無理してませんか…?」

仁美「な、何を言う!全然そんなこと…」

千鶴子「今日は確かに理想的な休日デートでしたわ!でも!」

千鶴子「仁美さんが、全然楽しそうじゃありませんの」

17: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 21:05:46.99 ID:4eA2b6UZ.net
仁美「いや、俺はお前に楽しんで貰おうと…」

千鶴子「えいっ♡」ギュッ

仁美「うわっ!何いきなり抱きついて!」

千鶴子「やっと、いつもの仁美さんらしい表情が見られましたわ」

千鶴子「ごめんなさい。私の我が儘のせいで今日一日とても疲れさせてしまいましたわね」

仁美「…いや、元はといえば俺が無神経なこと言ったせいだ。気にするな」

18: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 21:13:30.29 ID:4eA2b6UZ.net
シン…

千鶴子「これはお互い様、ですわね」フフッ

仁美「そういうことにしておくか」ハハハ

千鶴子「では、仁美さん。最後にもう一つだけ我が儘を言ってもよろしいですか?」

仁美「ここに入った時点でなんとなく予想はできてたけどな。言ってみろ」

千鶴子「私と……してくださいませんか」

仁美「…ああ、いいぜ。来いよ」

19: 名無しで叶える物語 2017/06/13(火) 21:25:14.40 ID:4eA2b6UZ.net
~朝~

チュンチュン

仁美(結局、こいつのペースに呑まれてしまった)

千鶴子「ん…おはようございます。仁美さん♡」

仁美「…ああ」

仁美(惚れた方の負け、って言うからな。勝負事に負けるのは好きじゃないが)

ワシャワシャ

千鶴子「きゃっ、どうしましたの?」

仁美「なんでもない。もう一眠りするか」

千鶴子「ふふ、では私もそうしますわ」

仁美(こいつになら、たまに負けてやる日があってもいいか)


~おしまい~

引用元: 千鶴子「仁美さんを休日デートにお誘いしますわ」