Ｊ(#'ｰ`)し「もう！そんなに言うならたかしが自分で作りなさいよ！」

('A`)「まあ、最近は鬱の調子もいいし、明日は俺が作ってみるよ」

―― 翌日

('A`)「よし、じゃあ作りますか」

Ｊ('ｰ`)し「何か手伝うことはないかい？」

('A`)「ありがと。じゃあ、食材の下ごしらえ頼むわ。皮剥くだけでいいよ」

Ｊ('ｰ`)し「わかったわ」

・
・　・
・　・　・

Ｊ('ｰ`)し「この料理なら食材はこの切り方ね！」ｻﾞｯｸｻﾞｯｸｻﾞｯｸｻﾞｯｸ

(ﾟAﾟ)「ちがああああああああああああああああああう！！！　勝手に切ってんじゃねえぇぇええええええ！！！！」

――――

Ｊ('ｰ`)し「はい！鍋に食材入れるよ！」ｻﾞﾗｻﾞﾗｻﾞﾗ

(ﾟAﾟ)「それは今入れる奴じゃねえええええええええええええええ！！！！」

――――

Ｊ('ｰ`)し「ちょっとこれじゃ味が薄いじゃない！！」調味料ﾄﾞﾎﾞﾄﾞﾎﾞ

(ﾟAﾟ)「まだ味付けてる途中だああああああああああ！！！！勝手に突っ込むなぁあああああああああああ！！！！」

・　・　・
・　・
・

Ｊ('ｰ`)し「たかし！おいしい料理できたね！」

(#ﾟAﾟ)「うまくねーよ！結局普段と同じ味じゃねえかああああああああああああああああああああ！！！！」


誰か助けて

(#'A`)「くそっ、途中で手伝い断ったのに、なんでずっと居座ってんだよアの糞ババァ」

('A`)「まあ、今日はｶｰﾁｬﾝ習い事で居ないし、自分勝手に作りますか」

(*'∀`)「久々の食える飯だ～♪まずは冷蔵庫の食材チェック！」


Ｊ('ｰ`)し『たかしへ、料理作っておきました。食べてください』


('A`)「…………」

('A`)「……いただきます」

('A`)「食材は各生産者さんや流通業者さんの不断の努力により家庭に供給されている」

('A`)「故にどんなに不味かろうが、吐くレベルの不味さでない限り全て食べる。それが俺の流儀だ」

('A`)「だが同時に、その食材を毎日同じ加工で済ますのは失礼ではないか？というのが俺の考えだ」

('A`)「故に一人暮らしをしていた時は様々なレシピで料理を作っていた」

('A`)「食材の味、それぞれに様々な味付けで食す。それが、俺にとっての生産・流通業者様への感謝の表れだ」

('A`)「しかし……」

Ｊ('ｰ`)し「たかし、ご飯できたよ」

('A`)「いただきます」ﾊﾟｸﾘ

('A`)「…………」

('A`)（なんで、なんでｶｰﾁｬﾝの食事は見た目は違うのに味は全部同じなんだ……っ！！！）

('A`)「まあでも、ｶｰﾁｬﾝが味付けが心配っていう理由も分からない訳ではない」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

('A`)「なんて言ったって、鬱の時に俺が要求する味はちょっと一般的常識から外れている」ｶﾁﾁﾁﾁﾁ……ﾎﾞｯ

('A`)「例えば今作ってる野菜炒め」ｼﾞｭﾜｧｧｧｧｧｯ！！

('A`)「これに普通の味付けをした場合、匂いや味の刺激で俺は途中で飯が食えなくなる」ｼｬｰｯ！ｼｬｰｯ！

('A`)「また、食感も適度な硬度がないと途中で吐き気がしてくるため、加熱しすぎには注意だ」ｼﾞｭﾜﾜﾜﾜﾜ！！

('A`)「よって、特定の食材を特定の調理方法で加工しないと俺が食える飯はできない」ｼｬｰｯ！ｼｬｰｯ！

('A`)「まあ、味を出さず、匂いも抑えるよう調理して、加熱しすぎに注意するだけなんだがな」ｶｰﾁｬﾝﾆﾊｿﾚｶﾞﾜｶﾗﾝﾖｳｽ

('A`)「だからｶｰﾁｬﾝには、俺が食べれる味を代表するものとして一度これを振る舞った」ｶﾁｯ

('A`)「『野菜炒めただけ定食！』」

('∀`)「一切の調味料を加えず、鶏肉とキャベツ、ピーマン、もやしを俺にとって適度な加減で加熱しただけ！」

('∀`)「素材が持つ味と香りだけしかしない、一般人は味が無くてまず食いきれない一品だ！」

('∀`)「ちなみに味を見たｶｰﾁｬﾝは一口食べて、二度と俺の料理は食べないとまで言って来た！」

('∀`)「まあ、ちゃんと味付けしたｶｰﾁｬﾝの分も用意しておいたので、俺が料理下手とかっていう誤解は生まなかったけどな！」ﾊｯﾊｯﾊｯﾊ！

('∀`)「ああ！久々に食える味の料理はうまいなぁ！」ｼｬｷｼｬｷﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｊ('ｰ`)し「ただいまたかし。あら、料理自分で作ったんだね」

('∀`)「お帰りｶｰﾁｬﾝ！悪いけど勝手に作らせてもらったよ！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

Ｊ('ｰ`)し「いいのよ、たかしがやりやすいようにすれば」

Ｊ('ｰ`)し「そうだ、食器とかの片づけはｶｰﾁｬﾝやってあげるから、たかしは食べ終わったら休んでなさい」

('∀`)「悪いねｶｰﾁｬﾝ。じゃあ、お言葉に甘えさせてもらうわ」

Ｊ('ｰ`)し「うふふいいのよ。じゃあ、まずは調理器具洗ってくるわね」

('∀`)「おねがいしまーす」

('∀`)(ｶｰﾁｬﾝはやっぱ優しいなぁ……あれ、でもなんか忘れてるような)ﾓｸﾞﾓｸﾞ

(i|i'A`)「……あﾞっ」

(i|i'A`)「ｶｰﾁｬﾝ待った！！中華鍋だけは俺が自分で……っ！！！」

Ｊ('ｰ`)し　ｺﾞｼｺﾞｼｺﾞｼｺﾞｼ
つ[[中華鍋]←泡だらけ

(i|i'A`)「あﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞあﾞ！！！　ｶｰﾁｬﾝ中華鍋は洗剤で洗っちゃダメって前も言ったでしょおおおおおおおおお！！！！」

昨日洗われた
鬱だ

('A`)「とりあえず協議の結果、調子がいい時は俺が飯を作り、調子が悪い時はｶｰﾁｬﾝが作るか弁当ということで落ち着いた」

('A`)「というわけで、ｶｰﾁｬﾝが帰ってくる前に下ごしらえを済ませておこうと思う」

('A`)「まずは肉だな。冷凍庫にあるはず」ｶﾞﾁｬ

　　　　　　 ＿＿＿＿_
　　　　　　|　|l´￣￣￣｀l
　　　　　　|　||¶　　　　　|　　ガチャ
　　　　　　|　||＿＿＿___|
　　　　　　|　||;;肉肉肉;;l|￣￣￣ｌ|
冷凍した .|　||肉肉肉肉l　 　 　 ||
.肉大量→|　|||´・ω・｀(`　 ).　 　||
　　　　　　|　|| 肉肉 とi　　|)　　,,||
　　　　　 └┴――― U U ￣


　　　　　　 ＿＿＿＿_
　　　　　　|　|l´￣￣￣｀l
　　　　　　|　||¶　　　　　|
　　　　　　|　||＿＿＿___|　　パタン
　　　　　　|　|l´￣￣￣｀l　彡
　　　　　　|　||¶　　 　　｜
　　　　　　|　||　　　　(`　 )
　　　　　　|　||＿_　 と　　|）
　　　　　 └┴――'　U U

('A`)「あのババァ、俺が一人暮らしている間にまた安売りしてる肉大量に買いだめやがった……」肉ｲｶﾞｲﾊｲｯﾃﾈｪ

('A`)「まあいい。とりあえず古いのから消費だ」ﾋｮｲ

('A`)「これは、賞味期限以内」←鶏ﾓﾓ肉

('A`)「これは賞味期限1か月過ぎてる」←豚生姜焼き用

('A`)「これは3か月」←鶏ﾓﾓ肉

('A`)「奥の方の怪しいこれは……」

('A`)「1年」←豚ｼｬﾌﾞｼｬﾌﾞ用

('A`)「…………」



('A`)「もっと古いのがあるはずだな。探そう」

('A`)「探索の結果、賞味期限から2年5ヶ月経っているこちらの鶏もも肉を使うことにした」

('A`)「なお、我が家では肉の賞味期限が切れているのは当たり前で、俺を含め家族全員それを消費する事には特に抵抗を感じない」

('A`)「ちなみに、期限切れの最高記録は確か6年近った」

('A`)「しかもそれは、きっちりと食卓に上り消費されている」

('A`)「さらに乾物系だと20年近く賞味期限が切れている物があるが、これもいつか消費するからと捨てずにとっておいてある」

('A`)「これに関しては食卓に上ったら断固摂取を拒否する予定だ」

('A`)「正直、邪魔なだけなので捨てたいのだが、捨てるとどこぞの半島民以上に暴れ狂うので保管しておくしかないのだ」

('A`)「そんなｶｰﾁｬﾝの迷言が『乾物は腐らない』『冷凍しておけばいつまでも食べれる』」

('A`)「なんというか、団塊の『もったいない精神』はまさしく驚異的とため息が出てしまうな」

>>29
実際には1週間ぐらい使って鍋が馴染んできたところでやられたからな
話にするうえで時系列を無視した

('A`)「というか、肉のラインナップが鶏ももと豚生姜焼きと豚しゃぶしゃぶ用しかなかったんだが頭大丈夫なのかあの人……」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

('A`)「まあ、愚痴はこれくらいにして、とりあえず、肉は決まった」ﾚﾝｼﾞﾃﾞ ｶｲﾄｳｽﾙ

('A`)「そして調理方法だが、焼くと恐らくパッサパサの肉が出来上がるだろうから、煮込み料理に使う」

('A`)「具体的には俺の好物、鶏のトマトスープ煮込みだ」

('A`)「材料はこちら」

・カットトマト1缶
・賞味期限切れ鶏もも肉300gぐらい
・玉ねぎ1個
・ピーマン3個
・ニンジン1本
・コンソメブロック1.5個
・ニンニク1片
・ローレル0.5枚
・オレガノ少々

('A`)「これで大体2人前程度」

('A`)「好みによって具材の量はもっと増やしても大丈夫だ」

('A`)「そして調理の方法だが、これは至極簡単」

('A`)「まず、野菜類をカット」ｼｬｷｼｬｷｼｬｷ

('A`)「これは各個人の好みのサイズに刻めばいいが、俺は食べる時にある程度の食感が欲しいので、
　　　　大体厚さが3㎜程、幅1.5㎝の長さ4㎝程の短冊状にカットしている」ﾋﾟｰﾏﾝﾊｽｺｼﾎｿﾒ

('A`)「ちなみにｶｰﾁｬﾝには食感が味に影響するという概念はないので、熱が通りやすいよう全て細かい形にカットする」

('A`)「そのため、どんな食事でも食感は均一」ｸｿｶﾞ

('A`)「ああ、ニンニクは皮をむいてみじん切りな」ﾄﾝﾄﾝﾄﾝﾄﾝ

('A`)「そして、鶏肉は半解凍の状態で大体3cm程のブロック状にカット」ｻﾞｸｻﾞｸ

('A`)「鍋の中で溶けると、くっつき合ってた肉がバラけてサイズが変わるが、そこまで気にして加工するのは面倒なので妥協」

('A`)「つーか、肉買ったら取り出して平らにしてから冷凍しろよ」ｸｿﾊﾞﾊﾞｧﾒ

('A`)「とまあ、食材の加工は以上で終了」ｶﾝﾀﾝ

('A`)「あとは調理だ」

('A`)「まずは大きめのホーロー鍋をセット」

('A`)「火をつけ弱火にして、オリーブオイルを垂らしてから刻んだニンニクを投入」ｼﾞｮﾜﾜﾜﾜﾜ

('A`)「ある程度焦げたら、トマト缶の中身を1/3程入れる」ﾋﾞｼｬﾋﾞｼｬ

('A`)「そこにテキトーに均一に混ぜた野菜と肉をﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞｯといれ、トマト缶の残りを上からﾄﾞｼｬｰっと掛ける」

('A`)「さらに開いたトマト缶に水を入れ、中を洗ったらその水も鍋の中に投入」

('A`)「この時、缶に入れる水は缶の1/3ぐらいまでにしよう」

('A`)「そしてコンソメ1.5個とローレルを投入し、軽くかき混ぜて、蓋」ｶﾎﾟﾝ

('A`)「ほんでもってあとは煮立ったら、とろ火にして15分加熱」ｸﾞﾂｸﾞﾂ

('A`)「加熱中は焦げ付かないように時折かき混ぜよう」

('A`)「で、15分加熱したら終わり……ではない」

('A`)「ここから一旦常温にまで冷ましてから、食べる直前に再度加熱する」

('A`)「これにより、具に味がしみこむだけではなく、トマトスープの角が取れてよりおいしいスープに仕上がるのだ」

('A`)「よって、調理するのは簡単なんだが、トータルの時間は最低でも2時間ほど掛かるのがこの料理の欠点だ」

('A`)「かわりにご飯やパンなどの炭水化物との相性は抜群。何杯でもおかわり出来るぞ」

('A`)「ちなみに、ｶｰﾁｬﾝは煮込み料理は何でも最低1時間以上煮込むため、食材の食感もクソも無い凄い料理に仕上げてくれる素晴らしい人だ」

('∀`)「というわけで調理完了！後はｶｰﾁｬﾝが帰ってきたら再加熱するだけだから、パン屋でバケットでも買ってくるかな！」

('∀`)「具を上にのっけて食べると旨いんだな～これが」ｳﾋｮﾋｮﾋｮ

('∀`)「あ、そうそう、再加熱する前に味見するのは忘れんなよ！もし味が足りないようだったら、コンソメを適量追加してくれ！」

＜ｼﾞｬｱﾅｰ、ｲｯﾃｷﾏｰｽ


～～～～～～

＜ｶﾞﾁｬ

Ｊ('ｰ`)し「ただいまたかし……あら、いないみたいね」

Ｊ('ｰ`)し「あら、たかしったらこんな料理作ってくれたのね」

Ｊ('ｰ`)し「でもこれ、冷えちゃってるわねぇ……そうだ、たかしが帰ってくるまでに温めてあげましょ」

Ｊ('ｰ`)し「焦げ付かないように水を追加して」ﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞ

　ｶﾁﾁﾁｯ、ﾎﾞｯ

ｱﾗ味ｶﾞﾁｮｯﾄﾀﾘﾅｲﾜﾈ……
　　ﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞ

　具ﾓ……
　　ﾎﾞﾁｬﾝﾎﾞﾁｬﾝ

～～～～～～～

('∀`)「ただいまー」

Ｊ('ｰ`)し「おかえりたかし」

(；ﾟAﾟ)「！？」

Ｊ('ｰ`)し「？　どうしたのたかし？」

(；ﾟAﾟ)「か、ｶｰﾁｬﾝ！？帰ってたの！？」

Ｊ('ｰ`)し「帰ってちゃだめかい？」

(；ﾟAﾟ)「りょ、料理は！？」

Ｊ('ｰ`)し「今温めてるわ。それと、味付けもすこしやりなおしｔ」(i|iﾟAﾟ)「ああああああああああああ！！！！やっぱりいいいいいいいいいいいいいい！！！」ﾄﾞﾀﾊﾞﾀﾄﾞﾀﾊﾞﾀ

＜ｷﾞｬｰ！ｸﾞｶﾞｾﾞﾝﾌﾞｸﾀｸﾀﾆ！
　　　　　　　＜ｿﾉﾎｳｶﾞ ｵｲｼｲﾃﾞｼｮ？

＜ｷﾞｬｰ！ｲﾛｶﾞﾅﾝｶ違ｳ！！
　　　　　　　＜牛乳ｦｲﾚﾃｺｸｦ ﾀﾞｼﾀﾉﾖ

＜ｷﾞｬｰ！味ｶﾞﾌﾀﾝﾄｲｯｼｮﾀﾞｰ！！
　　　　　　　＜ｶｰﾁｬﾝｽｺﾞｲﾃﾞｼｮ





　　　　　　　　　　　　　　　　　(i|i'A`)「ｶｰﾁｬﾝの馬鹿ぁああああああああああああああああああああ！！！！」



　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　たかしの苦行は終わらない
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　-The End-