恵美「怪奇ハタ人間!」 前編

392: 矢橋P 24/06/14(金) 01:06:22 ID:2wK2
4日目終わりです
プロフィール追加します

393: 矢橋P 24/06/14(金) 01:10:33 ID:2wK2
椿     ぶっきらぼうな傭兵

凄腕の傭兵。歳は40を超えている
主に銃器の扱いが得意でいくつもの戦場を生き抜いてきた
特にグレネードランチャーを片手で自在に操る技は彼の十八番である
裏切り、嘘等汚い手段に全く抵抗が無い性格だが全く人に配慮が出来ないわけではない
今回の任務はとある財閥党首が絡んでおり気が乗らないようであったが
星梨花の執事牧村が関わっていたことが決め手になっていたようだ 

394: 矢橋P 24/06/14(金) 01:17:23 ID:plmT
双海真美     AS見習い隊員

ASの隊員一人……なのだが13歳なので見習い扱いのようである
……流石に亜美真美を成人扱いは無理っしょ
彼女らの能力はテレキネシスよりはサイコキネシスの方が近いのだが本人達は頑なにテレキネシスと呼んでいる
サイコキネシスだと某ポ〇モンと被るかららしい
亜美と真美、両方とも無機物にしか能力を使えないがこれは制約等の問題ではなく
幼い頃能力を何気なしに使った際、誤って他の子供の腕をねじ曲げてしまい、以降生物に能力を使うのがトラウマになっているからである

395: 矢橋P 24/06/14(金) 10:10:18 ID:plmT

8月25日 AM 7:00 パライソ倉庫街 とあるコンテナの中



真美「昨日は久しぶりによく寝られたっしょ~」ウーン

カンタ「真美お姉ちゃん、こないだの恵美お姉ちゃんと同じリアクションしてるー」

環「くふふ、ほんとだぞ~」

396: 矢橋P 24/06/14(金) 10:12:37 ID:plmT
伊織「はいはい、あんたが1番起きるのが遅いのよ。外に蛇口あるから顔洗ってきなさい」

真美「ふぁーい」ゴシゴシ

響「ほら、ご飯の準備は出来てるぞ」

真美「ん……ってそういうことは早く言ってよ」ダダダッ

恵美「みんなご飯のことになると我に返るよね」

響「今までひもじいご飯食べてきたならなおさらさー」

397: 矢橋P 24/06/14(金) 10:14:54 ID:plmT
本日の朝食   レトルトのハヤシライス


真美「うま、うま、めちゃうま!」バクバク

カンタ「さっきからそれしか言ってないよ」

響「気持ちはわかるぞ……」モグモグ

伊織「ええ……痛いほどにね」モグモグ

恵美「そういえば今日はどうするの?また夜に向けて準備?」

真美「あ、それにゃんだげど」ガバッ

伊織「口に物を入れて喋るなー!」

398: 矢橋P 24/06/14(金) 10:18:03 ID:plmT

食事終了


真美「真美、まこちんを助けに行きたいんだ」

響「真の居場所分かるのか!」

真美「実はうちゅー人に捕まってた時に真美のそばにまこりんが居て真美を逃がしてくれたんだ」

真美「……まこちんは逃げることが出来なかったけど……」

真美「その時真美が連れていかれそうだったところに、もしかしたらまこちんが代わりに連れて行かれたんだと思う」

399: 矢橋P 24/06/14(金) 10:22:48 ID:plmT
環「そのまこちんもASなのー?」

伊織「そう、この島にいる残るASは菊地真と如月千早の二人よ」

恵美「なら助けに行かないとね」

響「これは自分達の問題だぞ。恵美達が無理に関わる必要はないけど……」

恵美「もう、そんなの関係ないよ」

環「めぐみが行くならたまき行くぞ!」

カンタ(これぼくも行かないといけない流れだ……)

400: 矢橋P 24/06/14(金) 10:23:30 ID:plmT
伊織「本当は一般人を巻き込みたくないけどもうそう言ってられないしね。協力してちょうだい」

恵美「うん、任せてよ」

恵美「それでその場所ってどこなのかな」

真美「真美の聞いた話しだと……パライソタウンの中心街にある工場……」

恵美(中心街に工場?あーそんな建物あったような……)

真美「の地下にあるパライソ第1研究所だって」

恵美「えっ」

401: 矢橋P 24/06/14(金) 10:26:31 ID:plmT

AM 9:00 パライソ中心街




恵美(朝食を終えたアタシ達はカンタの案内でパライソ工場もといその下にあるパライソ第一研究所に向かうことになった)

響「…………」スタスタ

真美「ひびきんどったの?お顔がガッチガチだよ」

402: 矢橋P 24/06/14(金) 10:29:52 ID:plmT
伊織「…………」キョロキョロ

真美「もー、いおりんまで……」

伊織「……真美」

真美「な、何?」

伊織「訓練でも教わったわね。任務中のあたし達は時に命の危険に晒されることだってあるって」

伊織「今がその時よ。死にたくないならピリッとしなさい」

403: 矢橋P 24/06/14(金) 10:33:00 ID:plmT
真美「そ、それは分かってるけど……」

恵美(真美は一昨日の研究所であったこと知らないから……)

恵美(かく言うアタシだって気が重い……。これから行くところは宇宙人の最前線なのかもしれないから)
 

404: 矢橋P 24/06/14(金) 10:35:11 ID:plmT

環「……変だぞ」

伊織「確かにそうね」

真美「真美も気づいたよん。ハタ人間だね」

響「そう、いつもこの時間なら嫌になるぐらいたくさん居るのに……」

環「今日は一人も居ないぞ……」

伊織「流石に中心街で一人も居ないなんておかしいわ」

405: 矢橋P 24/06/14(金) 10:38:48 ID:plmT
響「カンタ、今までこんなことあった?」

カンタ「無い。ボクはずっとこの島に居たけど朝と昼間にハタ人間が一人も居なかった時なんて一回も無いよ」


「「「「………………」」」」



恵美(……どうやらこの島でまだ何かが起こるみたいだ)


 

406: 矢橋P 24/06/14(金) 10:51:51 ID:plmT

AM 10:00  パライソ工場及びパライソ第一秘密研究所跡




カンタ「ここのはずだけど……」

恵美「ここがパライソ第一研究所?」

真美「何か凄いことになってるぽいよ」

407: 矢橋P 24/06/14(金) 10:58:25 ID:plmT
恵美(カンタの案内で来たパライソ工場"だった"ところは……建物が陥没してクレーターになっていて)

恵美(クレーターの内部に工場の残骸が見えていた)

恵美「何かの間違いじゃない?ここが研究所だって思いたくないんだけど」

カンタ「でもパライソタウンに工場なんて、ここしかないよ」

カンタ「それにボクが最後に見た時はこんなんじゃなかったよ」

408: 矢橋P 24/06/14(金) 11:08:39 ID:plmT
響「それっていつ?」

カンタ「あの時は恵美お姉ちゃんに会う少し前だから5~6日ぐらい前かな」

真美「それだったら真美が聞いた時にはこんなことにはなってなかったと思うよ」

恵美「……いったい何があったらこんなことになるわけ?」


シュルシュル

409: 矢橋P 24/06/14(金) 11:11:26 ID:plmT
響「ひとまず状況を確認してみて危ないようなら引き返すぞ」

伊織「そうね。無理に危険を冒す必要はないわ」


シュルシュル

410: 矢橋P 24/06/14(金) 11:13:34 ID:plmT
環「たまき探検は好きだけど……」


シュルシュル!


環「うわっ!」

恵美「たまき、どうしたの!」

環「足に何かが……引っぱられるぞ」ズズッ

恵美(環が何かによってクレーターの中に引きずり込まれてる!)

411: 矢橋P 24/06/14(金) 11:15:14 ID:plmT
恵美「くっ……」ダッ


カンタ「恵美お姉ちゃん、環お姉ちゃん!」

伊織「もう、あの子は!」

響「真美も行くぞ」

真美「うん!」
 

412: 矢橋P 24/06/14(金) 16:07:48 ID:2wK2

パライソ第一研究所後 内部




恵美「痛てて……」

環「めぐみ、ケガは無い?」

恵美「環こそ、足に巻きついていた何かは?」

環「それが……たまきをここまで引っぱったら離してどっか行っちゃった」

413: 矢橋P 24/06/14(金) 16:08:48 ID:2wK2

<ズザザッ


伊織「二人とも無事?」

恵美「うん、全然平気だよ」

カンタ「けっこう下に降りちゃったね」

恵美(ここはクレーターに見えた穴の内部……天井があるわけじゃないけど薄暗いね)

414: 矢橋P 24/06/14(金) 16:11:46 ID:2wK2
響「……この形状」

真美「どういうことひびきん?」

響「ここの地形、ただのクレーターかと思っていたけどこの斜面まるで蟻地獄みたいだぞ」

真美「で、でもこの坂。これぐらいの角度真美達なら登れるよ」

伊織「……登ろうとすれば途中であのツタに無理やり引き戻されるでしょうね。さっきの環みたいに」

カンタ「つまりボクたちここから出られないってこと?」

伊織「ひとまず落ち着いて。暗いけどあたしが居れば光源に困ることはないしね」ピカァ

415: 矢橋P 24/06/14(金) 16:13:36 ID:2wK2

グスグス



環「……ん」

環「聞こえる……奥から誰かの泣き声が聞こえるぞ」

416: 矢橋P 24/06/14(金) 16:15:36 ID:2wK2
恵美「あっ……本当だ」

伊織「あたし達以外にもここに引きずり込まれた人がいるかもしれないわね」

真美「そんじゃ真美達ASとしてはレスキューしないとだね」

恵美「そうだね。行ってみよう」

417: 矢橋P 24/06/14(金) 16:18:07 ID:2wK2




エリ「ううぅ……」グスグス




真美「泣いてるあの子だね」ヒソヒソ

恵美「あの子一人だけかな?」ヒソヒソ

恵美「この環境であの子一人じゃ厳しいよ」ヒソヒソ

伊織(確かに一人で生き残れそうな人物には見えないわね……)

響「他に仲間がいたけどはぐれたのかもしれないぞ」ヒソヒソ

418: 矢橋P 24/06/14(金) 16:22:36 ID:2wK2
カンタ「それじゃ声をかけて……」

響「待った。あの子怯えてるでしょ。いきなり声かけたら驚いて逃げちゃうよ」

響「だから……ハム蔵!」

ハム蔵「ヂュイ!」トコトコ
 

419: 矢橋P 24/06/14(金) 16:25:48 ID:2wK2



エリ「ぐすっ……心細いよぅ」

ハム蔵「ヂュイヂュイ!」

エリ「ひいっ。何?」

ハム蔵「ヂュイ」フリフリ

エリ「……ハムスター?」

420: 矢橋P 24/06/14(金) 16:30:15 ID:2wK2
エリ「なんだか……かわいいかも」

ハム蔵「ヂュイヂュイ」コクコク

ハム蔵「ヂュイ!」ピョン

エリ「あ、待って」

421: 矢橋P 24/06/14(金) 16:32:50 ID:2wK2
響「ハム蔵は自分の家族なんだ」

エリ「うわぁ!」ブルブル

響「驚かせてごめん。自分達は君を救出に来たんだ、信じてほしいぞ」

ハム蔵「ヂュイ!」コクコク

エリ「本当に?わたしのこと食べたりしない?」ウルウル

カンタ(この子ものすごい泣き虫でやんす……)

真美(ひびきん、アニマルセラピーみごとですなぁ)

伊織(そのために救出作戦に抜擢されたのよ。当然でしょ)

422: 矢橋P 24/06/14(金) 16:37:21 ID:2wK2



エリ「私の名前は白木恵理(しらきえり)中学生です……」
※エリの本名は漢字ですが恵美と恵理が並ぶと紛らわしいのでエリだけカタカナ表記で行きます

恵美「中学生かぁ。アタシより年下だけど年が近くて親近感沸くよ」

エリ(この人チハヤちゃんに似てるかも)

エリ「そうなの?」

環「たまきとカンタから見たらお姉ちゃんだぞ」

エリ「えへへ……お姉ちゃん」

423: 矢橋P 24/06/14(金) 16:41:36 ID:2wK2
恵美「エリは一人?誰かと一緒じゃ無かったの?」

エリ「あっ……ううっ……」グスグス

恵美「あ……」

424: 矢橋P 24/06/14(金) 16:43:44 ID:2wK2

エリ「うわーーーん。チハヤちゃんがチハヤちゃんがー!」

伊織「千早ちゃん……ってあんた千早を知ってるの!?」

エリ「チハヤちゃんが私を庇って化け物に……ううっ」グスグス

伊織「……そう、千早が……」

425: 矢橋P 24/06/14(金) 16:47:11 ID:2wK2



真美「ひびきん、千早お姉ちゃんは無事だよね?ね?」

響「……まだ分からない」

伊織(もし……だったら春香になんて言えばいいのよ……)

426: 矢橋P 24/06/14(金) 17:52:55 ID:2wK2
グルルルルル



エリ「うえ……」

真美「エリっちの泣き声に呼ばれてここの住民のお出ましのようですなー」


?宇宙魔獣1「グルル………」
?宇宙魔獣2「グルル………」

 

427: 矢橋P 24/06/14(金) 17:54:13 ID:2wK2
エリ「あああ……わたしのせいで……」

響「エリ、心配はいらないさー自分達を信じてよ」

響「真美、武器をお願い!」

真美「任せるっしょ!」バキバキベコン


恵美(すごい、瓦礫の一部だった鉄パイプをへし折って先端を潰して尖らせて即席の槍にしちゃった)

恵美(これが真美のテレキネシス)

428: 矢橋P 24/06/14(金) 17:56:22 ID:2wK2

ドコッ


?宇宙魔獣1「グルァ……」


響「動物だからって容赦はしないぞ」

真美「ひびきんナイス!」


?宇宙魔獣2「ガルル!」

429: 矢橋P 24/06/14(金) 17:58:32 ID:2wK2
カンタ「一匹こっちに来たよ!」


パァン


恵美「来ないでよ。化け物」チャキ


?宇宙魔獣2「ギャン……」

430: 矢橋P 24/06/14(金) 18:00:14 ID:2wK2
恵美「環、あとはクリアワルザーで!」

環「うん!まかせて」バシュバシュ


?宇宙魔獣2「グルゥ……」バタン



伊織(一応構えていたけど必要無かったわね。それにしても……)

伊織(恵美には驚きね。完全に拳銃を使いこなしてるじゃない)

431: 矢橋P 24/06/14(金) 18:02:55 ID:2wK2
?宇宙魔獣1「ギャンギャン!」



真美「あーっ、逃げた」

響「いいよ。放っておこう」

エリ「すごい……皆さん強いんだ……」

432: 矢橋P 24/06/14(金) 18:04:37 ID:2wK2
伊織「まだまだね、第二陣のお出ましよ」

カンタ「第二陣?」



ハッパ1「ピー」ピョコピョコ

ハッパ2「ピー」ピョコピョコ

433: 矢橋P 24/06/14(金) 18:06:17 ID:2wK2
恵美「植物が歩いてる?」

環「ちょっとかわいいぞ」

響(見たことない生物だ。おそらく宇宙人が地球に持ち込んだ生物みたいだね)

伊織(こちらの様子を窺ってるだけて敵意は感じられないけど……)


カサカサ……

434: 矢橋P 24/06/14(金) 18:08:20 ID:2wK2
響「ん?」

カサカサカサカ……

恵美「生理的に受けつけない音がするような……」

カサカサカサカサカサカサ……

伊織「鳥肌が立って来たわ……」
 



宇宙ゴキブリ1「…………」カサカサ


恵美・響・伊織「ぎゃーーーー!」

435: 矢橋P 24/06/14(金) 18:10:45 ID:2wK2

恵美「ご、ゴキブリぃ!?」パァンパァン

真美「めぐちん落ち着いて!」



宇宙ゴキブリ1「…………」ヒョイ

ハッパ1「ピー?」

ハッパ2「ピッ」ドスッ

恵美(あ、植物の方に当たっちゃった)

436: 矢橋P 24/06/14(金) 18:12:31 ID:2wK2

ハッパ2「ピ……」

ハッパ2「ピーーーーーーーーーッ!!!」



伊織「何なのよこの悲鳴は」耳塞ぎ

真美(まるでゲームで出てくるマンドレイクみたいだね)耳塞ぎ

437: 矢橋P 24/06/14(金) 18:14:38 ID:2wK2
カサカサカサカサカサカサ


カンタ「まさか今の悲鳴で……」


宇宙ゴキブリ2「…………」カサカサ

宇宙ゴキブリ3「…………」カサカサ

宇宙ゴキブリ4「…………」カサカサ

宇宙ゴキブリ5「…………」カサカサ

×30以下省略

恵美・響・伊織「うぎゃーーーーーーーー!!!!」

438: 矢橋P 24/06/14(金) 18:16:32 ID:2wK2
恵美「無理無理無理無理ぃ」

エリ「…………」バタン

カンタ「エリお姉ちゃんが気絶したでやんす!」

響「逃げるぞ!エリは自分が背負うから!」ダダダダッ

環「う、うん」ダダダダッ
 

439: 矢橋P 24/06/14(金) 18:19:08 ID:2wK2
カサカサカサカサカサカサカサカサ


恵美「ひぃっ、追ってくる」ダダダダッ

伊織「響、あんたの能力で何とかしなさいよーー」ダダダダッ

響「自分の能力は昆虫には効かないって知ってるでしょーーー」ダダダダッ

伊織「だいたい何あのゴキブリの大きさ。犬ぐらいの大きさはあるわよ」ダダダダッ

真美「あれぐらい大きかったら人間だってガジッと食べちゃいそうだよーー」ダダダダッ

恵美「嫌ー!考えたくないこと言わないでーーー」ダダダダッ

440: 矢橋P 24/06/14(金) 18:21:35 ID:2wK2

???「情けねーな」


ポイ


\ドッカーーン/


恵美「爆弾!?」

441: 矢橋P 24/06/14(金) 18:23:12 ID:2wK2

ササササッ



カンタ「ゴキブリ達が逃げていくでやんす」

ブラッド「アイツら臆病だから脅してやれば逃げるんだよ」

ブラッド「ハッパが混じる場合はハッパには攻撃しないように気をつける必要があるけどな」

響「助かったぞ……」

442: 矢橋P 24/06/14(金) 18:25:44 ID:2wK2
恵美「助かったよ、ありがとう」

ブラッド「お礼の言葉もいいけどお金でくれりゃもっと嬉しいね」

恵美「へー、こんなところでもお金欲しいんだ?」

ブラッド「冗談だよ。あんたの言う通りこんなところで金貰ったって飯のタネにもならないしな」

ブラッド「俺はブラッド。元傭兵で今は一応防衛局に所属している」

443: 矢橋P 24/06/14(金) 19:21:17 ID:plmT
伊織「……あんた防衛局所属って言ったわね」

ブラッド「ああそうだよ……ってお前らその格好はASか?」

真美「今さら気付いても遅いよ~ん」

ブラッド(ちっ、まさかASとはな。めんどくせぇな、適当なこと言って別れようかな)

444: 矢橋P 24/06/14(金) 19:23:25 ID:plmT

エリ「……ううん」

環「えりが起きたぞ」

ブラッド「!!」

ブラッド「なあ、そこの君名前なんていうんだ?」

エリ「ひっ……男の人!」

445: 矢橋P 24/06/14(金) 19:25:42 ID:plmT
ブラッド「おいおい、名前聞いただけだぞ。そんなに怯えなくてもいいじゃないか」

恵美「この子は臆病なの」スッ

ブラッド「名前だけでも教えてくれよ。な、な?」

エリ「ええっと…………ううっ……」

446: 矢橋P 24/06/14(金) 19:27:49 ID:plmT
恵美「やめなよ。困ってるでしょ」

伊織「そんなに聞きたいならまず自分のことから喋ったらどうかしら?」

ブラッド「ASに言いたくはなかったが、いいだろう」


響(ブラッドってやつエリを見てから態度が変わったぞ)

真美(これはただならぬかんけい……ぽいねぇ)

447: 矢橋P 24/06/14(金) 19:30:25 ID:plmT





ブラッド「俺、そんなに怪しい男に見えるのか」ハァ

ブラッド「サイボーグだから普通の人間とは違うけどよ」ガッカリ

448: 矢橋P 24/06/14(金) 19:32:20 ID:plmT
恵美「サイボーグ!?本当なの!」

ブラッド「なんだ、この島に来たからにはもう知ってるんじゃないのか?」

響「自分たちは知識としては知ってたけど、見るのは初めてさー」

449: 矢橋P 24/06/14(金) 19:35:00 ID:plmT
環「サイボーグって仮面ライダーみたいなもの?」

ブラッド「概ねそんな感じに思ってくれればいい」

環「ねーねー、ぶらっどはビームとか出せたりするの?」

ブラッド「出来ねえよ!初代仮面ライダーでもビームは出さなかっただろ!最近のは知らないけどな」

伊織「具体的には普通の人とどう違うのかしら?」

ブラッド「常人より筋力が30~40%ほど高いぐらいだな。俺は体の筋肉を全体的に強化しているけど」

ブラッド「それだけで特殊な能力とかは無えよ」

450: 矢橋P 24/06/14(金) 19:37:17 ID:plmT
カンタ「その身につけているパワードスーツみたいなのはなんなの?」

ブラッド「これか?傭兵やっていくのに筋力が高いだけじゃ物足りなかったからな。後付けでアーマーを着込んでいるのさ」

ブラッド「アーマーっても大したもんじゃねーよ。西洋の甲冑を現代風に再現したようなもんだ」

ブラッド「クソ重いが防御力は抜群だ。身体強化したサイボーグでもないと着れない代物だがな」

451: 矢橋P 24/06/14(金) 19:42:07 ID:plmT
真美「ほんと~にそれだけ?腕が外れてロケットパンチとか出来るんじゃないの?ブラブラ」

ブラッド「だからそんな機能は無いって言ってんだろ。って言うかブラブラって俺のことか!」

真美「そ~だよん。真美のあだ名インパクト抜群でしょ?」

ブラッド「そんなインパクトいらねえ。今すぐ改正しろ!」
 

452: 矢橋P 24/06/14(金) 19:45:30 ID:plmT

<ギャーギャー



カンタ(このブラッドって人大人なのに子供っぽいでやんす)

ブラッド「ここまで喋ったんだ。もう怪しくないだろ?」

453: 矢橋P 24/06/14(金) 19:49:11 ID:plmT
伊織「防衛局とはどういう関係なの?」

ブラッド「雇われの身ってだけだ。このハタ侵略が起きてからすぐに徴収されてこちら側に付かないかと言われたから防衛局側に付いた。忠誠心とかあまり無えよ」

カンタ「そうだ。ボクたち剣を使ってた防衛局の人に助けてもらったことあるよ」

ブラッド「へー、その人一刀流か二刀流だったか?」

カンタ「使ってた刀は1本だったかな」

ブラッド「それなら灰原隊長だな。あの人はこの島のサイボーグでも最強だからなぁ」

響「あの人もサイボーグだったのか」

454: 矢橋P 24/06/14(金) 19:52:08 ID:plmT
恵美「最後に一ついい?」

ブラッド「なんだよ。突然そんな真剣そうな顔して」

恵美「この島で……いや"人類で一番最初に宇宙人に接触したのが防衛局"ってことで間違いないよね」

ブラッド「んーそれは分からないな。なんせ俺が防衛局に雇われたのはハタ侵略が起きてからだし」

恵美「……そう」

ブラッド「あー、でも曽根村の旦那が言ってたなそんなようなこと」

恵美(やっぱり!)

455: 矢橋P 24/06/14(金) 19:55:01 ID:plmT
ブラッド「それで今度こそいいだろ?もう怪しく無いだろう?」

カンタ(少なくとも単純な野郎ってことはわかったでやんす)


エリ「うん……」

エリ「わたしの名前は白木恵理です。ブラッドさんには会ったことも無いはずですけど……」

ブラッド「白木恵理ね……」

ブラッド(そりゃ人違いだよな)

456: 矢橋P 24/06/14(金) 19:57:22 ID:plmT
ブラッド「まあいいさ。俺としてもASとつるむのは不本意だがそうも言ってる状況じゃないしな」

ブラッド「お互い協力してハームレスをぶっ倒そうぜ」



ガタッ

響「ハームレスだって!あいつの仕業か」

真美「ああ……マズいっしょ……」ガタガタ

457: 矢橋P 24/06/14(金) 19:59:29 ID:plmT
恵美「ハームレスって何?宇宙人と関係あるの?」

伊織「あたし達ASと自衛隊の救出作戦の時、最大の障害になったのがマゼンタとハームレス」

伊織「マゼンタが怪人ならハームレスは……正真正銘の化け物よ」


ブラッド「へー、アレに一度会ってるなら話しが早い。けどよく生きてたな」

真美「真美が見た時は……自衛隊のオスプレイを丸呑みしてバラバラにしてた……」ガタガタ

恵美(そんな化け物がここに……)

458: 矢橋P 24/06/14(金) 20:05:01 ID:plmT
ブラッド「そう言ってもここはハームレスの餌場だ。ハームレスを倒さなきゃ生きて出られないぜ」

ブラッド「それと、あんたらが見たハームレスってどんな姿だった?」


響「姿って……とにかく巨大だったぞ」

真美「あれはもう宇宙人の姿をしたゴジラっしょ」

459: 矢橋P 24/06/14(金) 20:09:23 ID:plmT
ブラッド「やっぱりな。それはもう古いぜ」

伊織「どういうこと?」

ブラッド「ハームレスはな。擬態も出来るんだよ」

伊織(確かにあたし達が知るハームレスはあんなツタみたいなものは伸ばさなかった)

ブラッド「一回見たけどな。今の奴の姿は人間の女だぜ」

恵美「え……?」

460: 矢橋P 24/06/14(金) 20:11:28 ID:plmT
響「人間にも擬態出来るの!?」

ブラッド「ああ。その姿で近づいて油断させてガブリとされる可能性もある」

ブラッド「だが逆に言えばチャンスよ。怪獣の姿ならともかく人間の姿ならまだ勝ち目も……」







「やあ、ハムちゃんだよ~」

461: 矢橋P 24/06/14(金) 20:13:15 ID:plmT

響・伊織・恵美・真美・ブラッド「「「「!?」」」」


恵美(あれアタシに似てる。年も同じくらいの女子高生、だけど……)

環「あの子なんだか怖いぞ……」

462: 矢橋P 24/06/14(金) 20:15:30 ID:plmT
エリ「チハヤちゃん!」ダッ

環「あ……」


ガシッ


ブラッド「バカやろう。見てわかんないか、アレがハームレスだよ!」

エリ「ううんあの姿。わたしの知ってるチハヤちゃんだよ」

463: 矢橋P 24/06/14(金) 20:17:11 ID:plmT
伊織「待って!あれは千早じゃないわ別人よ。千早は髪が青っぽくて……」

恵美「……ねえエリ。チハヤちゃんって名字はなんていうの?」

エリ「え、雨崎、雨崎千羽矢(あめざきちはや)だけど?」

響「雨崎!?如月千早じゃなくて?」

真美「まさかのちはや違い!?」
 

464: 矢橋P 24/06/14(金) 20:19:20 ID:plmT
ハームレス「ユリちゃん私が居なくて寂しかったよね。ユリってば泣き虫なんだから」

エリ「やっぱりチハヤちゃんだ」ウルウル

ハームレス「あれ、その人達は新しいお友達?」

ハームレス「ずるいなぁ……私も混ぜて」ギロリ


シュルシュルシュル

エリ「ひいっ」ビクッ

465: 矢橋P 24/06/14(金) 20:21:28 ID:plmT
恵美「………!」チャキ

パァンパァン


ハームレス「何するの?友達との感動的な再会なのに」シュゥゥ

恵美「そんな触手を振り回すダチなんてアタシ知らないよ」

恵美(避けるそぶりすらしないなんて)

恵美(そして銃弾が撃ちこまれた傷がすぐに塞がっていく。すごい再生力だね)

466: 矢橋P 24/06/14(金) 20:23:12 ID:plmT
エリ「どうなってるの?あなたはチハヤちゃんなの……?」

ハームレス「うーん。食べちゃったこの子記憶によるとこの肉体の名前はチハヤっていうみたいだけど……」

ハームレス「私は最強の捕食者ハームレスだよ」ニイッ
 

467: 矢橋P 24/06/14(金) 20:25:19 ID:plmT

ドン!

ハームレス「あれれ、鉄板が突然……」

グサッ

響「そういうことなら」

真美「遠慮なくぶっ倒せるしょ」
 

468: 矢橋P 24/06/14(金) 20:27:13 ID:plmT
ハームレス「ふふふ……私を倒す?痛くも痒くもないけど?」


伊織(真美のテレキネシスで頭に鉄板をぶつけても響が鉄パイプの槍を胴体に思い切っり刺しても痛がる気配も無しか)

ブラッド(この化け物め、これじゃまともに戦っても勝てるわけないだろ)

ブラッド「お前ら一旦退くぞ。作戦会議だ」

カンタ「そうしよう!」

469: 矢橋P 24/06/14(金) 20:30:38 ID:plmT
ハームレス「だーめ、逃がさない」


恵美「拳銃が駄目ならこれならどう?」ガッチャン


ドシュー

ハームレス「!!」

シュルシュル


恵美(あれは……)

470: 矢橋P 24/06/14(金) 20:34:00 ID:plmT


\ドッカーーン/






ハームレス「ケホケホ」

ハームレス「逃げられちゃった」

471: 矢橋P 24/06/14(金) 20:40:01 ID:plmT

ブラッド「あんたやるな。女子高生がグレネード使うなんて聞いたことないぜ」

恵美「アタシだって好きでこんな風になったわけじゃないけどさ」

恵美(でも助かった……オジサンありがと)
 

472: 矢橋P 24/06/14(金) 20:42:08 ID:plmT
カンタ「でもどうするの?あんな化け物……」

響「自分達の攻撃、全く効いてなかったよね」

ブラッド「それなんだが……見たか?奴がグレネード弾受けた瞬間」

恵美「見たよ。今までガードすらしなかったのにグレネード弾だけ触手でガードしてた」

カンタ「何でだろう?」

ブラッド「頭が弱点ってことよ。どんな生物も脳だけは再生出来ないからな」

恵美「あいつに脳があるかどうかは分からないけど核みたいなものはある可能性はあるね」

真美「なーる、それを狙えばいいんってことかんね」

473: 矢橋P 24/06/14(金) 20:44:25 ID:plmT
伊織「となると問題は火力ね。あの化け物相手にあたしのビームや拳銃やグレネード弾だけじゃ心細いわ」

ブラッド「それも何とかなりそうだぜ。運がいいことに今俺達がいるこのパライソ第一研究所は兵器開発をしていたところだからな」

ブラッド「俺のアーマーもここで作られたもの。奴に壊されて廃墟になっちまったが使えそうな武器はまだ残っているだろ」

真美「ほんとに?それならミサイル弾とかあるかも」

ブラッド「そんなのよりもっといいのがあるぜ。着いてきな」

474: 矢橋P 24/06/14(金) 20:47:20 ID:plmT




ブラッド「確かここらへんに……」ガサゴソ

伊織「暗いでしょ、照らしてあげるわ」ピカー

ブラッド「お、サンキュー」

恵美(それにしても……さっきよりますます暗くなったね壁一面に黒い物が覆っているからかな)

恵美(……ゴキブリじゃないよね)
 

475: 矢橋P 24/06/14(金) 20:52:47 ID:plmT


ブラッド「あった。対戦車用地雷だ」

ブラッド「下手な弾薬よりこいつは強力なんだぜ?」

恵美「そうなの?」

ブラッド「こいつは爆風をまき散らさない代わりに瞬間火力は高いぜ。何せ戦車を吹き飛ばすのを想定しているんだからな」

環「ブラッド詳しいね」

ブラッド「まあこれが本業なもんで。後はこれをどうやって奴にぶつけるかだが」

476: 矢橋P 24/06/14(金) 20:55:01 ID:plmT

<ギャーギャー



恵美「また始まった……。まったくこんな時なのに」ハァ

エリ「みなさん本当にあの化け物と戦うの……?」

恵美「大丈夫、エリちゃんは後ろで隠れててね」ニカッ

477: 矢橋P 24/06/14(金) 20:57:53 ID:plmT
ブラッド「この減らず口、がきんちょ」

真美「ださ男、へっぽこアーマー」

ブラッド「ふん、やっぱり俺はASがいけ好かねえ。生まれつき超能力持ちの恵まれたやつがよ」

真美「!!」

ブラッド「政府の秘蔵っ子だか知らんがたかがしれるってもんだぜ」

478: 矢橋P 24/06/14(金) 21:03:02 ID:plmT
ゴチン

ブラッド「ぐえっ。痛ってー!」

ブラッド「おまっ、石をぶつけやがったな!」

真美「バカ!アンポンタン!マヌケ!おたんこナス!」

479: 矢橋P 24/06/14(金) 21:05:15 ID:plmT
響「真美、落ち着いて。それに感情的に超能力を使っちゃダメでしょ」

真美「だってブラブラが!真美だけじゃなくASのみんなも馬鹿にしたから……」

伊織「……非難中傷されても動じない。訓練の時に言われてたでしょ」

真美「……うーっ」

480: 矢橋P 24/06/14(金) 21:07:24 ID:plmT
恵美「アタシはサイボーグでも超能力者でもないけど流石にそれは言っちゃ駄目じゃないの」

環「ブラッド大人なのにかっこ悪いぞ」


ブラッド「……ふん。確かに今のは言い過ぎた」

真美「……ふーんだ」

481: 矢橋P 24/06/14(金) 21:09:27 ID:plmT












ハームレス「エリちゃん楽しそうだね。私も混ぜて~」

482: 矢橋P 24/06/14(金) 21:17:23 ID:plmT

恵美「!!!」

エリ「っ、チハヤちゃん……」

伊織「もう来たのね。そんなにあたし達に構ってほしいのかしらね」

ハームレス「これでも準備に時間かけたんだけど?また逃げられたら困るからね」

恵美「準備?」

483: 矢橋P 24/06/14(金) 21:18:27 ID:plmT
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



響「これは……」

環「まわりがゆれてるぞ!」

ハームレス「今はこんな姿だけど私の肉体って本当はもっと大きいんだよ?」

ハームレス「じゃあ余った部分はどうなっちゃったんでしょー」

伊織「まさか……この周りの壁の黒いの全部あんたの肉体!」

484: 矢橋P 24/06/14(金) 21:23:24 ID:plmT

ハームレス「正解~。もうここは私の食卓テーブルの上なの」

ハームレス「後はナイフとフォークを入れるだけ」

響「まずい、このままだとみんなやられる!」
 

485: 矢橋P 24/06/14(金) 21:27:21 ID:plmT
恵美「あんたのディナーになるつもりはないよ!」ガッチャン


ドシューーーー     



\ドッカーーン/


ハームレス「ウフフ……」シュュウ


ハームレス「それはさっきくらったよ。それ思ったより怖くないね」

恵美(学習されたか……)

486: 矢橋P 24/06/14(金) 21:29:17 ID:plmT
響「この!」キック

伊織「くらいなさい!」ビーム


ハームレス「あはは、効かない効かない」バキッ シュュウ


シュル ドコッ

響「うぐっ」

真美「ひびきん!」

487: 矢橋P 24/06/14(金) 21:31:46 ID:plmT
ハームレス「さて誰から食べようかな~」キョロキョロ

ハームレス「やっぱり……エリちゃんから!」

エリ「うう……」ビクッ


シュルシュル!

488: 矢橋P 24/06/14(金) 21:33:39 ID:plmT
ブラッド「どけっ」ドン


恵美(ブラッドがエリを庇った)

ハームレス「おや、何で邪魔するのかな?」

ブラッド「わけありでね。俺はこいつに死なれてほしくないんだよ」

ハームレス「んん?もしかして愛の告白ってやつ?熱いね~」

ブラッド「そんなかっこいいもんじゃねえよ。未練がましさたっぷりの男のけじめってやつだ」

489: 矢橋P 24/06/14(金) 21:36:10 ID:plmT
ハームレス「よくわかんないけど、食事の邪魔だから……」


グイッ


ハームレス「ぐちゃぐちゃに潰してあげる」

恵美(ハームレスの触手が瓦礫の塊を掴んで持ち上げた!)

ブラッド(まずいな、こりゃ)

490: 矢橋P 24/06/14(金) 21:40:19 ID:plmT
ハームレス「あんたは食べても美味しくなさそうだし一人ぐらい……あれ?」


恵美(触手の動きが止まった?)

真美「んんーーっ!!」

伊織「真美、あんた……」

響(そうか、ハームレスの触手自体は生物だから真美のテレキネシスの対象外だけど瓦礫なら対象内だ。それで抵抗しているのか)

伊織(でも真美のテレキネシスは亜美と違って力比べ向きじゃない。長くは持たないわ)

491: 矢橋P 24/06/14(金) 21:44:00 ID:plmT
ブラッド「っ、これでもくらえ!」ポイ

ハームレス「!!」シュルシュル


\ドーン/


恵美(ブラッドがさっき言ってた対戦車機雷ってやつを投げつけたけど触手でガードされた)

恵美(でも言ってたほど威力が無いね)

492: 矢橋P 24/06/14(金) 21:50:24 ID:plmT
ハームレス「なんだ、これじゃさっきの女の子の砲弾の方がすごかった」

ハームレス「警戒して損しちゃったよ」

ブラッド「ちくしょう……もう終わりだ」

ハームレス「ふふふ……」

真美「真美の方も限界……」プルプル

493: 矢橋P 24/06/14(金) 21:51:06 ID:plmT
ブラッド「せめて残りのこいつもくれてやるよ」ポイ

ハームレス「無駄無駄、そんなので気を引こうって魂胆だろうけど……」

ブラッド「みんな離れろ!」エリヲツカミ

恵美「えっ、うん環伏せて」ガバッ

伊織「なるほどね」ダッ

494: 矢橋P 24/06/14(金) 21:53:49 ID:plmT



\ドゴーーーーーーーーン/




環「うわーっ」

恵美(さっきと違ってすごい爆発)

495: 矢橋P 24/06/14(金) 21:55:22 ID:plmT
ハームレス「な、どうして……」ベキベキ

響(おそらく一番最初の爆発はダミー。手榴弾かなんかを偽装してぶつけたんだろうね)

ブラッド「へっ、初回は警戒しても二回目以降は油断するってお嬢ちゃんのおかげで把握していたからな」

ブラッド「たたみかけるぞ、……真美」

真美「ようやく真美の偉大さがわかったみたいだね、ブラブラ」

ブラッド「この……まあいい。残り三個だ。ありったけぶつけろ!」

真美「りょーかい」
 

496: 矢橋P 24/06/14(金) 21:58:16 ID:plmT
ハームレス「コノ……サセナ……」



\ドゴーーーーーーーーン/
\ドゴーーーーーーーーン/
\ドゴーーーーーーーーン/

 

497: 矢橋P 24/06/14(金) 22:02:19 ID:plmT
恵美(ブラッドの指示で少し離れていたけど少し吹き飛ばされたぐらいすごい爆発だった)

恵美(でもアタシより一番近くに居たエリと真美とブラッドの方が心配だ)

恵美「真美、ブラッド大丈夫?」

ブラッド「何とか大丈夫だ。一張羅のアーマーがボロボロだぜ」

エリ「ブラッドさん、わたしと真美ちゃんを庇って……」

ブラッド「そのためのアーマーだろ。気にすんな」

498: 矢橋P 24/06/14(金) 22:04:23 ID:plmT
真美「……ブラブラ、ごめん」

ブラッド「俺の方こそな……っていうかそう思うならブラブラは辞めろ」

真美「それはそれこれはこれだよ」

ブラッド「はーあ、少しは気を許しかけたのが引っ込んだぜ」
 

499: 矢橋P 24/06/14(金) 22:07:13 ID:plmT
伊織(ハームレスの方はどうなったかしら)

響「あれじゃないかな」

伊織(ハームレスが居たところに肉塊が残ってる)

響(あれほどの爆発でも全部を吹き飛すには至らなかったみたいだけど)

伊織(動かないところをみると核らしいものの破壊は成功したみたいね)

500: 矢橋P 24/06/14(金) 22:09:35 ID:plmT
伊織「みんな、ハームレスの本体を倒したかもしれないけど肉体が全部消えたわけじゃないわ」

響「ここから早く脱出するぞ」





シュルシュルシュル

501: 矢橋P 24/06/14(金) 22:12:22 ID:plmT
恵美「えっ」

カンタ「うわっ」

環「このっ」


恵美(そんな……倒したと思ったハームレスの肉体から触手が出て……)

恵美(油断していたアタシ達は全員捉えられてしまった)

502: 矢橋P 24/06/14(金) 22:14:29 ID:plmT
グチャグチャグチャグチャ


真美「うえ……」

ユリ「ひいぃ……」

ハームレス「ククク……」

伊織「その姿は……」

503: 矢橋P 24/06/14(金) 22:22:02 ID:plmT
ハームレス「アノ皮ハ気ニイッテイタノダガナ」


伊織(あれは……大きさこそ違うけど救出作戦の時に見たハームレスの姿だわ)

恵美(ハームレスの姿はエリちゃんの友達チハヤの姿ではなく宇宙人そっくりの姿になっていた)

504: 矢橋P 24/06/14(金) 22:24:24 ID:plmT
ブラッド「馬鹿な!脳は吹き飛したはずだろ」

ハームレス「脳?ソンナモノ我ニハ無イ」

ブラッド「はあ?今こうして喋ってるだろ。その知識はどこから来るんだよ」

ハームレス「コノ姿モ、今コウシテ言語ヲ操ッナイルノモ、何十何百ト喰ラッテキタギャスビゴー星人ヲ"再現"シテイルダケニスギナイ」

ハームレス「イカナル外傷モ我ニハ致命傷ニナラズ即座ニ再生可能」

ハームレス「ダカラ我ノ名前ハ、"ハームレス(無害)"」

ハームレス「アラユル攻撃モ我ニハ無害デシカナイ」

505: 矢橋P 24/06/14(金) 22:27:14 ID:plmT


ブラッド「マジか…………」ブルブル

伊織(……見誤った。こいつを撃破するには……兵器レベルの火力がいる)

響(ぐ……こんな化け物、最初から戦うべきじゃなかった)

506: 矢橋P 24/06/14(金) 22:30:50 ID:plmT
ハームレス「サテ、前ノ皮ハ人間寄りダッタセイカお前達ニ対シテ手加減シテイタヨウダガ」

ハームレス「モウ我ハ容赦シナイ。直グニ食べテ……」



カシュ

507: 矢橋P 24/06/14(金) 22:33:45 ID:plmT
ハームレス「ン?」

恵美「…………」チャキ

ブラッド(拳銃?今さら拳銃なんか構えてどうなるってんだ)

環(あの銃はりおからもらったもう一つの銃……)

508: 矢橋P 24/06/14(金) 22:35:34 ID:plmT
パシュ

ハームレス「何ダソレハ、ソンナ攻撃豆鉄砲……イヤそよ風ホドノ意味モナイ」

ハームレス「ダガ下等生物ノ分際デマダ反抗サレルノガ気ニクワン。イイダロウ、先ニ貴様カラ食べテヤル」


ドシン

509: 矢橋P 24/06/14(金) 22:37:44 ID:plmT
ブラッド(奴の言葉とは裏腹にあのお嬢ちゃんだけ離しやがった。どうなってるんだ)

ハームレス「……何故ダ、アノ部分ダケガ動カナイ」

恵美「痛てて……。でもやっぱりそうだ」

恵美「莉緒さんの手帳に書いてあった通りだったね!」

510: 矢橋P 24/06/14(金) 22:40:33 ID:plmT
伊織「どういうこと?」

恵美「莉緒さんの手帳に書いてあったんだ。パライソ第2研究所の保管室で冷凍保存されてたもの……」

恵美「それは宇宙人の死体だった!」
 

511: 矢橋P 24/06/14(金) 22:42:17 ID:plmT
恵美(今回のハタ侵略。始まりはこの地球に初めて到達したギャスビゴー星人のUFOがこの島に飛来して)

恵美(それを軍事訓練していた防衛局がたまたま撃墜してしまった)

恵美(だから防衛局は人類で一番始めに宇宙人の存在を知っていたんだ)

恵美(そして……世界でこのパライソタウンが一番始めに侵略されたのも、その仕返しと考えれば辻褄が合う)
 

512: 矢橋P 24/06/14(金) 22:50:29 ID:2wK2
恵美(そして撃墜したUFOはこの島の上層部が秘密裏に回収し研究材料にすることになった)

恵美(でもそこで事件が起きた。UFOを調べていた研究員が謎のウイルスにかかったんだ)

恵美(おそらく伊織さんに投与された宇宙ウイルスに感染してしまったのだろう。あわや研究どころじゃ無く大惨事なりかけたところで)

恵美(同じくUFOの中にあった宇宙人の死体からあの万能ワクチンを作ったんだ)

恵美「つまり、この万能ワクチンは"対宇宙人物質"だったってこと!」

513: 矢橋P 24/06/14(金) 22:53:16 ID:2wK2
恵美「だからあの時ワクチンを取りにきたアタシ達を慌てて潰しに来たんでしょ」チャキ

恵美(莉緒さんはそのことに気付いてた。莉緒さんが残してくれたもう一つの拳銃も万能ワクチンを弾丸として発射するためのもの)

ハームレス「キサマ何ヲ言ッテイル!」

恵美「ハームレスだっけ。このワクチンはあんたにも効果抜群みたいだね!」

514: 矢橋P 24/06/14(金) 22:56:18 ID:2wK2
パシュパシュ

ハームレス「グググ……」

ハームレス「馬鹿ナ我ニ効クモノナドコノ世界ニアルハズガ……」


真美「めぐちんそのワクチン何本かちょうだい」

真美「こういうのは真美の独壇場しょ!」

恵美「そっか、やっちゃって!」ブン

515: 矢橋P 24/06/14(金) 23:02:28 ID:2wK2
エリ(恵美さんが十本のワクチンが入ったケースを投げると)

真美「いっけーーっ」

エリ(それが真美ちゃんの指示のもとあの化け物に一斉に向かって行きました)

ブス ブス ブスリ

ハームレス「オノレ!オノレ!オノレ!」

真美「これでとどめ!」

ブス ブス ブスリ

516: 矢橋P 24/06/14(金) 23:06:39 ID:2wK2

ハームレス「グゴゴゴゴ……」




ブラッド「なんてこったい」

伊織(ハームレスが、あの化け物が崩れていく……)

517: 矢橋P 24/06/14(金) 23:15:28 ID:2wK2




PM16:00 パライソタウン中心街



ブラッド「それじゃ、お別れだな」

伊織「ええ」

環「ブラッドはたまき達と一緒に来ないの?」

ブラッド「一応防衛局所属ってことになっていて裏切るわけにはいかないしな」

環「そーか。しかたないね」

518: 矢橋P 24/06/14(金) 23:23:54 ID:2wK2
ブラッド「エリもこっちで預かる。なーにこの島で生き残ってる奴らに中学生が中心のグループがあってな。そのグループに合流させる予定だ」

真美「ブラブラ。最後にそのエリっちと何があったの~?」

ブラッド「な、何もねえぞ!」

響(あれで隠すつもりなのが悲しいぞ)

519: 矢橋P 24/06/14(金) 23:27:10 ID:2wK2
エリ「わたしも知りたいですブラッドさん」ジーッ

ブラッド「うっ……」

ブラッド「別れた元カノに瓜二つなんだよ!だーっ言っちまった」

エリ「ええっ!」

カンタ「そんな理由?」

520: 矢橋P 24/06/14(金) 23:32:03 ID:2wK2
ブラッド「そんな理由じゃねえ。別れたくはなかったさ、ただサイボーグになっちまった以上迷惑かけたくなくて無理やり別れたんだよ……」

真美「ブラブラにそんなすっぱい過去が……」

ブラッド「すっぱいって何だよ。じゃあな!」

恵美「エリちゃんまたいつか会えるといいね」

エリ「うん!」

521: 矢橋P 24/06/14(金) 23:35:06 ID:2wK2
PM19:00

パライソタウン倉庫街 とあるコンテナの中

環「でも今回はめぐみ、かっこよかったぞ」

恵美「全部莉緒さんのおかげだよ」

恵美(あと椿のオジサンも)

522: 矢橋P 24/06/14(金) 23:39:46 ID:2wK2
真美「真美も活躍したでしょ~」

伊織「あんたは自慢しない。でも恵美のいう通りならそのワクチン正に人類の切り札になるわね」

響「ああ。絶対倒せないと思ってたハームレスを倒してしまったくらいだしな」

恵美「今回でちょっと使ってしまったけどまだ半分は残っているしね」

真美「そーいえばまこちんいなかったね……」

伊織「仕方ないわ。また別なところを探しましょう」


 

523: 矢橋P 24/06/14(金) 23:41:40 ID:2wK2




恵美(莉緒さんの残してくれたワクチンでまた一つ希望が生まれた)

恵美(防衛局の人とも会ったけどそこまで悪い人じゃないみたい)

恵美(目的だったASには会えなかったけどあの化け物を倒せて本当によかったと思う)

恵美(でもなんだか疲れちゃった寝よう)

恵美(……………………琴葉、エレナ)

524: 矢橋P 24/06/15(土) 00:06:07 ID:uzWC
5日目終わりです

小杉(ブラッド)と恵理との絡みを書くことが出来て嬉しかった
「わ,私…もう何が何だか分からないよ。ただ,今ここにいるあなたが好き!」って台詞は今でも好きです
スレ数が前作超えちゃったけどもう少しだけ続きます

525: 矢橋P 24/06/15(土) 00:08:29 ID:uzWC
白木恵理      泣き虫な中学生

非常に臆病な女の子。実はパライソ中学生で昴達と同級生だったりする
パライソ会館で避難生活をしていたが食料調達で町に出たところを千羽矢ともどもハームレスに狙われてしまった
ブラッドに対しては困惑したもののそこまで悪い印象は持ってない様子
男嫌いな恵理からしてはそれだけで珍しいのだが恋愛感情までには至ってない
もっともブラッドの方も流石に中学生の恵理を複雑な感情こそあれ恋愛対象に見る気はないようだ

526: 矢橋P 24/06/15(土) 00:09:48 ID:uzWC
ブラッド  コンプレックスを抱えたサイボーグ

パライソタウンで生み出された戦闘用サイボーグの一人。歳は23歳で本名は小杉優作
サイボーグ化した後色んなものを捨てて傭兵になり今は防衛局に所属している。本名もその時に捨てた
本人自体は明るくさっぱりとした性格なのだが、サイボーグとしては初期の方でサイボーグ適合率もさほど高くないせいで
サイボーグ化してたくさんの物を切り捨てた割にはあまり強くないと劣等感を抱えてており
アーマーで肉付けしたりASに卑屈な感情を抱いていたのもそのためである

527: 矢橋P 24/06/15(土) 00:12:13 ID:uzWC
雨崎千羽矢    恵理の親友

パライソ高校で通っていた高校生で17歳。野球部の兄がいる
恵理とは学年が違うもののこの怪異で知り合いこの怪異から生き抜くうちに深い友情が生まれていた
ハームレスの時にも表れていたように性格は明るく友達思いで恵美に通ずるものがあり、容姿も恵美に似ていて作者も驚いているほど
このSSの最大の被害者かもしれない。千羽矢ファンの方ごめんなさい

528: 矢橋P 24/06/15(土) 00:14:48 ID:uzWC
ハームレス  宇宙最大の捕食者

宇宙人がとある惑星で遭遇してしまった最悪の化け物
ギャスビゴー星人ですら手に負えない存在だったが何十何百のギャスビゴー星人を食らった結果、
知能と呼べれるものが出来て何とか制御出来るようになった
ギャスビゴー星人の地球侵略の目的の一つがハームレスの餌場の確保だったりする
行動理由は食欲しかなくて本来の巨体も擬態の能力もうわべの知識も全ては食欲を満たすための道具でしかなく
ハームレスが進んで千羽矢の姿になったのも巨体の姿より燃費が良いからであった
因みにワクチンが効いたのはギャスビゴー星人を細胞レベルで再現していたからで最初の千羽矢の姿ではワクチンは効かなかったであろうし、
実はエリに対してためらいがあった千羽矢の姿でなかったら恵美達も有無も言わさず捕食していただろう
今回の勝利はいくつかの要素が重なった奇跡的であるのだが、もしギャスビゴー星人が彼を何も考えず人間が大勢いる市街地のど真ん中に投入してた場合……
甚大な被害が出ていただろう

529: 矢橋P 24/06/15(土) 14:34:05 ID:k4hv

8月26日 AM 3:00ぐらい パライソ倉庫街とあるコンテナの中




環「…………」

環「…………」ムズムズ

環「ん……なんだか眠れないぞ」パチクリ

530: 矢橋P 24/06/15(土) 14:37:06 ID:k4hv
恵美「う……ううっ……」


環「め、めぐみ!」

環(めぐみが苦しそうにもだえてるぞ)

環(これってうなされてるっていうんだよね……)


恵美「琴葉……エレナ……」

環(………………)

531: 矢橋P 24/06/15(土) 14:39:27 ID:k4hv

AM7:00



恵美「みんなおはよー!」

響「およはうだぞ」

恵美「なんか朝早く目が覚めっちゃってさ、ご飯はもう作ってあるんだ。レトルトだけど」

真美「めぐちん気が利く~。いいお嫁さんになるよ」

532: 矢橋P 24/06/15(土) 14:41:04 ID:k4hv
カンタ「それじゃ早く食べよ……」

カンタ「環お姉ちゃんどうかしたの?」

環「ううん。何でもないぞ」

環(朝になっておきためぐみは笑顔で、昨日と変わらないようにみえた。けど……)
 

533: 矢橋P 24/06/15(土) 14:42:36 ID:k4hv


朝食終了


響「今日はこの島をもう一度探索し直そうと思うんだ」

カンタ「あれ、それって今までやってるよ」

伊織「説明不足だったわね、昨日ハタ人間が全く居なかったでしょ?」

響「つまりこの島でまだ何かが起きてる可能性が高いぞ」

534: 矢橋P 24/06/15(土) 14:44:25 ID:k4hv
伊織「それにハームレスの暴走。あれも宇宙人にとっては不測の事態だったと思うのよ」

真美「ってことはもしかしたら宇宙人の中でゴタゴタが起きているかも。つまりチャンスじゃな~い?」

響「流石にそこまで都合のいいことにはなってはいないと思うけどね。でも調べる価値はあるぞ」

伊織「あと宇宙人の本拠地も掴んでおかないと。真と千早はおそらくそこにいる」

535: 矢橋P 24/06/15(土) 14:46:08 ID:k4hv
恵美「わかったよ。今日はそれでいこう」


環「……ねぇ、めぐみ」

恵美「どしたの環」

環「めぐみはそれでいいの?」

環「めぐみ、本当はお友達のことが……」

536: 矢橋P 24/06/15(土) 14:47:48 ID:k4hv


ウーーー!ウーーー!ウーーー!

 

537: 矢橋P 24/06/15(土) 14:49:26 ID:k4hv
恵美「何!」

カンタ「これ、島のサイレンだよ。防災訓練の時に聞いたことある」

カンタ「でも、今までハタ現象が起きた時でさえ鳴らなかったのに……」

惠美(何だろう、胸騒ぎがする……)

真美「ひびきん、いおりん、どうしよう」

響「ひとまず様子を探ってみよう。準備が出来たら外の様子を見に行くぞ」
 

538: 矢橋P 24/06/15(土) 14:51:03 ID:k4hv









「……目標が動き出しました」

「そうか。それじゃ始めようかパーティーをね」
 

539: 矢橋P 24/06/15(土) 14:53:01 ID:k4hv

AM 9:30 パライソタウン中心街



カンタ「昨日と同じでハタ人間居ないね」キョロキョロ

伊織「それに不気味なくらい静かだわ」

恵美「確かにそうなんだけど……何だろう。昨日と何か違う」

響「恵美も気付いたか。これよくない予感がするぞ……」

真美「えー、真美にはわかんないんだけど説明してよ」

恵美「うまく言葉に出来ないんだけど、なんだか作為的というか仕組まれているっていうか……」
 

540: 矢橋P 24/06/15(土) 14:54:23 ID:k4hv


?ハタ人間1「ハタ無し!」

?ハタ人間2「ハタ無し!」

?ハタ人間3「ハタ無し!」

 

541: 矢橋P 24/06/15(土) 14:55:28 ID:k4hv
カンタ「ハタ人間だ!」

恵美「もう、突然現れないでよ」

環「よし、ハタ人間ならたまきにまかせて」チャキ

伊織「いえ、なんだか変だわ。下手に戦わないで逃げるわよ」

環「そうか、わかったぞ」

542: 矢橋P 24/06/15(土) 14:56:38 ID:k4hv
真美「じゃまずそこの路地に……」


?ハタ人間4「ハタ無し!」

?ハタ人間5「ハタ無し!」

?ハタ人間6「ハタ無し!」

?ハタ人間7「ハタ無し!」

543: 矢橋P 24/06/15(土) 14:56:50 ID:k4hv

真美「うえっ、こっちからも出た!」

響「中心街はもう危険だ。一旦倉庫街に戻ろう」ダダダッ

恵美「そうだね」ダダダッ

544: 矢橋P 24/06/15(土) 14:58:18 ID:k4hv





恵美「何とかハタ人間巻けた。これで倉庫街に……」ハアハア


?ハタ人間8「ハタ無し!」

?ハタ人間9「ハタ無し!」

?ハタ人間10「ハタ無し!」
×10 以下省略

545: 矢橋P 24/06/15(土) 15:00:07 ID:k4hv
カンタ「そんな、倉庫街の入り口に大量のハタ人間が……」

伊織(どういうことなの、動きが読まれ過ぎてる)ゾクッ

真美「いおりん、ひびきん、これじゃ……」

響「今は余計なことを考えちゃ駄目。とにかく少しでも逃げるぞ」ダダダッ

環「うん……」ダダダッ

 

546: 矢橋P 24/06/15(土) 20:30:58 ID:uzWC


「こっちの道は……」

?ハタ人間「ハタ無し!」

?ハタ人間「ハタ無し!」

?ハタ人間「ハタ無し!」

?ハタ人間「ハタ無し!」


「駄目か……」
 

547: 矢橋P 24/06/15(土) 20:32:29 ID:uzWC
ここなら……」


?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」
?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」
?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」?ハタ人間「ハタ無し!」


「ここも駄目だ……」
 

548: 矢橋P 24/06/15(土) 20:35:37 ID:uzWC
ーーーーーーーー
ーーーーーー
ーーーー
ーー

 

549: 矢橋P 24/06/15(土) 20:37:17 ID:uzWC

パライソタウン中心街 バスターミナル広場


恵美「…………」ハアハア

響「………………」ハアハア

伊織「…………」ハアハア

真美「…………」ハアハア

カンタ「…………」ハアハア
 

550: 矢橋P 24/06/15(土) 20:37:24 ID:uzWC
恵美(路地みたいな狭いところを避けて逃げていたらここまで来ちゃったな)

恵美(ここはパライソタウンバスの集合地)

恵美(パライソタウンは電車も地下鉄も無いからこのバスターミナルが実質パライソタウンの駅みたいなものだ)

恵美(そのためバスターミナルの前は大きな広場になっていてベンチやモニュメント、噴水まである)

恵美(本土から来た人間がパライソタウンで待ち合わせする場所は大抵この場所になる。アタシだって毎回この場所で……)

恵美(いけない、思い出を振り返っている場合じゃない)

551: 矢橋P 24/06/15(土) 20:40:55 ID:uzWC
真美「もう……限界だよ」

伊織「……ここが終着点みたいね。ここの周りハタ人間に包囲されてるわ。もう出ることも出きなそうね……」

恵美「まんまとここにおびき寄せられたってこと?」

恵美(いったい何の為に……)

552: 矢橋P 24/06/15(土) 20:44:23 ID:uzWC
マゼンタ「その通り。せっかくの舞台だもの、どうせなら広い方がいいじゃないか」

真美「ああ……」ビクッ

伊織「出たわね」

恵美「マゼンタ……」

553: 矢橋P 24/06/15(土) 20:46:42 ID:uzWC
マゼンタ「君たちがまさかハームレスを倒してしまうなんて驚いたよ」

マゼンタ「アレはボク達でも手に負えなかったから君たちが倒してくれて助かったけどね」

マゼンタ「ここまで泳がせておいてよかったよ」

恵美「あんたらのためにやったわけじゃない!」チャキ

554: 矢橋P 24/06/15(土) 20:49:37 ID:uzWC

マゼンタ「フフフ…もう良い夢は充分見ただろう」

マゼンタ「これからは悪夢を見る時間さ」

恵美「何言っているのさ……」


「メグミーー」

555: 矢橋P 24/06/15(土) 20:52:42 ID:uzWC

恵美「え……」ガタッ

恵美(まさかまさかまさか)ガタガタ



?エレナ「久しぶりだネ」

恵美「エ……レナ?」
 

556: 矢橋P 24/06/15(土) 20:55:36 ID:uzWC

?権田正男「おー、カンタ」

カンタ「お父ちゃん!?」

?権田奈津姫「カンタ、元気にしてた?」

カンタ「あれ、お母ちゃん病気で島に居ないはずじゃ……」

?奈津姫「そんなことありません、ずっと島にいました。それより……」

?奈津姫「カンタ、何でハタを付けてないの」

557: 矢橋P 24/06/15(土) 20:57:16 ID:uzWC

真美「まこりん!」

響「遅かったか……」グッ

?真「やあ響、真美、伊織、しばらくぶりだね」

?真「ってハタを付けて無いじゃないか。駄目だよ、ぼく達ASが模範を見せないと」
 

558: 矢橋P 24/06/15(土) 21:00:47 ID:uzWC

伊織「みんな、落ち着きなさい!」

伊織「彼らは偽物よ。あたし達に都合いいハタ人間を短時間で複数も用意出来るわけないわ」
 

559: 矢橋P 24/06/15(土) 21:03:59 ID:uzWC
?エレナ「むー、失礼だネ。メグミ~」

ギュッ

恵美「!!」


?エレナ「これでもワタシ偽物かナ?」

恵美(間違いない。本物のエレナだ)

惠美(だとしたらもう……)


ガクッ

環「めぐみ!」

560: 矢橋P 24/06/15(土) 21:06:12 ID:uzWC

?真「ボクもちょっとショックだよ……。そうだ、響ならこれでわかってくれるよね?」

響「!!」

バキッ ドカッ


真美「ひびきん!」

響「っ、いきなりだね真」

?真「さすが響だ。腕は鈍ってないようだね」

561: 矢橋P 24/06/15(土) 21:08:09 ID:uzWC
響「伊織……、あの真は本物だ。真と何度も組み手しているから間違えるわけないぞ」

伊織「ぐっ。どうして……」




ルチア「ケケケ、種明かしをしてやろうカ?」スッ

562: 矢橋P 24/06/15(土) 21:10:58 ID:uzWC
響「お前は……ルチア!?」

伊織「何であんたがこんなところに居るのよ」

環「あの人だれ?」

響「“南米の魔女“と呼ばれる超能力者だぞ」

真美「そのうえで世界中であばれてるテロリスト。真美たちチョー能力者のかざかみにも置きたくないね」

伊織「あんたみたいな超能力者がどれほど超能力者への偏見を生んだかわかっているの!」

563: 矢橋P 24/06/15(土) 21:12:45 ID:uzWC

ルチア「ケケケ、今は超能力者談義をしている場合じゃないだロ」

伊織「そうか、あんたが絡んでいるならこの状況も納得だわ」

カンタ「ねぇ、あの人なんなの?超能力ってどういうこと……」
 

564: 矢橋P 24/06/15(土) 21:16:00 ID:uzWC
響「ルチアはリーディングの能力者さ」

カンタ「りーでぃんぐ?」

伊織「テレパシーの一種よ。例えば今頭に浮かんでいる思考を読むのが一般的に知られているテレパシーでしょ?」

伊織「それとはちょっと違ってリーディングは相手の心の深層を覗くことが出来る能力なのよ」

真美「例えるなら頭の中をパソコンだとして、通常のテレパシーが開いているディスク画面を覗く能力ならリーディングはしまってるファイルの中を覗く能力ってところだね」

565: 矢橋P 24/06/15(土) 21:18:11 ID:uzWC

ルチア「そう、それが凡俗なリーディング。だがルチアのリーディングは相手に触れずに“視る“だけで心の中を覗くことが出来ル」

伊織「彼女にかかれば人の思い出、境遇、ステータス等あらゆる情報が丸裸にされるのよ。あたし達の情報だってもう筒抜けでしょうね」

マゼンタ「まあまあ、解説はそれまでにして続けようじゃないかこの悪夢を」

 

566: 矢橋P 24/06/15(土) 21:20:37 ID:uzWC


?エレナ「ネー、メグミ。何ですぐこの島に来なかったノ?夏休み入ったらコトハに会いに行こうって言ったのメグミだよネ」

恵美「それは……用事があってちょっと遅れて……」

?エレナ「フーン、メグミが遅れてる間にワタシハタ付けられちゃったヨ。メグミが居てくれたらそうならなかったかもしれないのにネ」

恵美「うう……」

?エレナ「コトハはすぐにワタシの元に来てくれたヨ?メグミって薄情なんだネ」

恵美「そんなこと……」

567: 矢橋P 24/06/15(土) 21:23:52 ID:uzWC
?エレナ「ワタシ寂しかったんだヨ?安全なところでノホホンとしてたメグミにはわからないだろうけどネ」

恵美「ごめんエレナ……」

?エレナ「いまさら謝ってももう遅いヨ。ネ、コトハ」

恵美「あ……」


?琴葉「恵美」スッ

恵美「琴葉……」

568: 矢橋P 24/06/15(土) 21:26:45 ID:uzWC


環「ひびき!めぐみが、めぐみがたいへんなんだ」

響「あれが恵美の言ってた友達か」

環「たぶん。めぐみ、友だちを思う気持ちは人一倍強くてずっと、なやんでた。」

環「でも最近はりおのこととか色々あってその気持ちを表に出さないでがまんしてたんだ」

伊織「押し殺して張り詰めてた気持ちが最悪の形で決壊したのね。あの子あのままじゃまずいわ」

569: 矢橋P 24/06/15(土) 21:29:11 ID:uzWC
?真「おっと、邪魔はさせないよ」スッ

響「真こそ、そこをどいて!」

?真「二人とも無粋だなぁ。あの子達を邪魔しちゃだめだよ」

?真「千早もそう思うでしょ」



?千早「……そうね」スッ

真美「千早お姉ちゃん!?」
 

570: 矢橋P 24/06/15(土) 21:31:45 ID:uzWC
マゼンタ「あれは幻覚かい?ルチア」

ルチア「そうダ、幻覚の一種だヨ」

ルチア「人間には思い込みというものがあるだロ」

ルチア「物を無くした時、有りもしないところにあそこに置いたはずた!とかあそこにしまったはずなのに!とかナ」

ルチア「ルチアのリーディングは人の心を読むだけじゃなく心の奥にしまった思いを引きずり出して具現化させることも出来るんだナ」

ルチア「人間には心の奥に閉じ込めているやましい気持ちが一つや二つはあるだろウ?それを無理やりさらけ出すのがルチアの真骨頂なのダ」

ルチア「例えバ……」カッ!

571: 矢橋P 24/06/15(土) 21:33:37 ID:uzWC


自衛官1「…………」スッ

自衛官2「…………」スッ

自衛官3「…………」スッ


響「っ…………」

伊織「あなた達は……」

572: 矢橋P 24/06/15(土) 21:35:35 ID:uzWC

自衛官1「ASと一緒なら大丈夫だと思っていたのに!」

自衛官2「お前達がしっかりしないからあの時俺はマゼンタに殺された!」

自衛官3「俺はハームレスに食われた!」


真美「うう……」

自衛官1「なのになぜお前達は生き残っているんだ!」
 

573: 矢橋P 24/06/15(土) 21:38:08 ID:uzWC

ルチア「あれはASの心の奥底にあった任務を果たせず少しでも犠牲者を出してしまった自責の念サ。それをちょっと具現化させてやっタ」

マゼンタ「でも本人の心の中から無理やり出した幻覚ならすぐに幻覚だとばれないかい?」

ルチア「ケケケ、問題ないサ。始めに現実を見せつけその後に幻覚を見せる。そうすると現実と幻覚の境界線が曖昧になって何が現実でどれが幻覚かわからなくなるのダ」

ルチア「ルチアはこのやり方で何十人の人間の心を壊してきた」 

ルチア「人間は体を傷つけられることよりも心を覗かれることの方が何倍も苦しいのサ。それが出来るルチアの能力こそ地上最凶の能力なのダ」

マゼンタ「クク……確かにそうだね。人類の中で君だけは敵に回したくないよ」
 

574: 矢橋P 24/06/15(土) 21:41:15 ID:uzWC
?琴葉「恵美、遅かったじゃない。私とエレナを1カ月も放っていたくせに今さら何で来たの?」

?エレナ「ほーんとだネ、待ちくたびれてどうでもよくなったヨ」

恵美「……そんなことない」グス

恵美「二人を見捨ててなんていないよ!アタシは二人を助けるためにここまで来たんだ!」

?琴葉「もう手遅れなのに?」

恵美「あ……」

?エレナ「ワタシ達がハタ人間になっているところを見て満足した?メグミの冒険はこれで終わりだネ」


 

575: 矢橋P 24/06/15(土) 21:43:15 ID:uzWC



?正男「カンタこっちに来い」

?奈津姫「お母さん達があなたにハタを付けてあげますからね」

カンタ「うん……」フラー

環「カンタ!行っちゃダメだぞ!」ガシッ

カンタ「でも……もう……」

576: 矢橋P 24/06/15(土) 21:45:32 ID:uzWC
マゼンタ「そうだよ。全てを諦めて楽になりな」

マゼンタ「だいたい反抗してどうするつもりだい?ここには島中のハタ人間が包囲しているんだ。ざっと1万人以上のね」

マゼンタ「それら全員をけしかければ君たちなんてあっという間さ。だから最後ぐらい最も親しい人間に合わせてあげようっていうボクなりの気遣いなんだけどなぁ」

マゼンタ「最後に目標の人物に会えてよかったじゃないか、さあ諦めな」

マゼンタ「そして絶望しろ!絶望仕切った後にハタ人間にしてやるよ」
 

577: 矢橋P 24/06/15(土) 21:47:45 ID:uzWC
環「いやだ!ぜったいに諦めるもんか!」

マゼンタ「うざいなぁ……ルチア」

ルチア「まかせろ」カッ!



?海美「たまき~」

578: 矢橋P 24/06/15(土) 21:49:16 ID:uzWC
環「うみみ!」グラッ

?海美「やっと会えたね。でも……」

?海美「私、ハタ立てられちゃった。もう環とは遊べないかな」

環「…………」

?海美「そうだ!環もハタを立てればいいんだよ!私が付けてあげ……」


バシュッ

?海美「」シュウウウウ

環「そんなこと、うみみは言わないぞ」チャキ

579: 矢橋P 24/06/15(土) 21:51:11 ID:uzWC

マゼンタ「これは驚いた。キミのことはあの女の金魚のフンだと思っていたけど。この中で一番心折れなさそうなのは意外だった」

ルチア「ケケケ、番狂わせってヤツカ」
 

580: 矢橋P 24/06/15(土) 21:53:25 ID:uzWC
環「めぐみを傷つけるんならめぐみの友だちでもようしゃできないぞ」バシュッバシュッ

?琴葉「」シュウウウウ

?エレナ「おっと、危ないヨ」ヒョイ


環「めぐみ!しっかりして」ダダッ

恵美「……環?」

581: 矢橋P 24/06/15(土) 21:57:06 ID:uzWC
環「めぐみがここで折れたら……みんな助からないよ」

恵美「ごめん環。アタシはもう……どうなってもいいや」

環「りおに大事なものたくされたんでしょ!つばきのおじちゃんにだって!」

恵美「……あ」

582: 矢橋P 24/06/15(土) 21:59:17 ID:uzWC
マゼンタ「友情かい?そういうの見たくないんだよなぁ」

マゼンタ「そうだこれを見せればもっと絶望するだろ。莉緒!」

シュタッ

?莉緒「……はい」


環「りお!」

恵美「莉緒さん!」

583: 矢橋P 24/06/15(土) 22:04:05 ID:uzWC

マゼンタ「本当は殺すつもりだったんだけどさあ。みんなに敵対するぐらいなら死んだ方がましよ なんて言うもんだから生かしてハタ人間にしてやったよ」

マゼンタ「ちなみに君たちの拠点などの細かい情報もこいつから聞き出したんだよ。どうだい仲間に裏切られる気分は?」

恵美「莉緒さん……」
 

584: 矢橋P 24/06/15(土) 22:06:41 ID:uzWC
環「……いくらりおでも宇宙人の味方するなら敵だぞ」チャキ

マゼンタ「莉緒、あのガキを取り押さえろ」

?莉緒「……わかったわ」

環「りお、ごめん」バシュッ

?莉緒「…………」サッ

バシン

環「あっ」

585: 矢橋P 24/06/15(土) 22:10:14 ID:uzWC
恵美(莉緒さんが環のクリアワルザーを蹴り飛ばした……)

?莉緒「…………」ガシッ

環「りおーーはなしてー」ジタバタ

マゼンタ(そして後ろから羽交い締めか。あのガキを一回も傷つけずに無力化させたね。確かにボクの命令には違反はしてないけどさ……)

マゼンタ(子供好きな意識がまだ残っているようだね)

ルチア「よい手際ダ。いい手駒を手に入れたナ、マゼンタ」
 

586: 矢橋P 24/06/15(土) 22:12:58 ID:uzWC





<ワーワー

マゼンタ「なんだうるさいな」

ルチア「広場の方からだナ」

587: 矢橋P 24/06/15(土) 22:16:17 ID:uzWC

?エレナ「はーぁ、メグミはワタシ達よりもあの子の方が大事なんだネ」

恵美「アタシは……友達に優劣なんか……付けてない」グス

?エレナ「もういいヨ、メグミの自己満足はもうやめてワタシ達と一緒にハタ人間になった方がハッピーだヨ~」

恵美「そうだね……」フラフラ

?エレナ「あっコトハ!!」
 

588: 矢橋P 24/06/15(土) 22:18:32 ID:uzWC

琴葉「……」スッ

恵美「……」チラ

恵美(そうだアタシもハタ人間になって二人と一緒に……)

589: 矢橋P 24/06/15(土) 22:19:39 ID:uzWC

ガシッ グイッ



恵美「こ、琴葉?」

琴葉「恵美、私の頭をちゃんと見て。ハタ立ってないでしょ」

恵美「あ、ああ……」
 

590: 矢橋P 24/06/15(土) 22:22:07 ID:uzWC


ギュッ


琴葉「恵美のことエリさんから聞いたよ。今までよく頑張ったね」


恵美「ご、琴葉ーーーっ」

591: 矢橋P 24/06/15(土) 22:24:42 ID:uzWC
恵美「ごめんごめんごめん!二人を置き去りにしたのアタシのせいなんだ」

琴葉「そんなことないよ。こうして会いに来てくれたじゃない」

恵美「でも、エレナが。エレナがハタ人間に」

琴葉「それは私の責任。パライソ高校で立て籠もった時、エレナも一緒にいたの。でもその時私はエレナを守れなかった……」

592: 矢橋P 24/06/15(土) 22:28:02 ID:uzWC
琴葉「聞いて恵美。ハタ人間のハタは取り除けるの。だからエレナは助けられる」

恵美「本当に!」

琴葉「でもそれは後。今は手を貸して!」
 

593: 矢橋P 24/06/15(土) 22:30:34 ID:uzWC
海美「環ーー」

環「うみみー」


ドカッ


海美「痛たた……。もう環はどこでも元気だね」

環「うみみ……偽物じゃないよね?」

海美「何言ってんのこの私を忘れたかーっ」グシャグシャ

環「あー、本物のうみみだぞ」

594: 矢橋P 24/06/15(土) 22:32:22 ID:uzWC
バシュッ バシュッ バシュッ バシュッ

?莉緒「っ……」サッ

環「緩んだ」ダッ


マゼンタ「何だこれは!」

杏奈「イェーイ!クリアワルザーを改造して作った新型クリアランチャー凄い性能だね……って海美さん!?」

595: 矢橋P 24/06/15(土) 22:34:51 ID:uzWC
>>593>>594の順番逆です。
すみません

596: 矢橋P 24/06/15(土) 22:39:11 ID:uzWC
のり子「まったく、二人ともいきなり飛び出しちゃうんだから。ま、気持ちは分かるけどね」

杏奈「もう、杏奈達のサポートがなかったからやばかったよ」

瑞希「私も田中さんの方に加勢しに行きますので高山さんもそっちの準備お願いします。今回の作戦の肝ですから」

紗代子「うん、まかせて!」
 

597: 矢橋P 24/06/15(土) 22:41:40 ID:uzWC
パァン パァン パァン


自衛官1「」シュウウウウ
自衛官2「」シュウウウウ
自衛官3「」シュウウウウ

?千早「」シュウウウウ

?真「くっ」サッ


ヘルガ「邪魔者は片付けた……会いに行ってやれ」

千早「ええ」

598: 矢橋P 24/06/15(土) 22:44:08 ID:uzWC
真美「ホンモノの千早お姉ちゃんだ!」

伊織「本当に千早なのね」

響「でも真が……」

千早「菊地さんは大丈夫。元に戻せるわ」

千早「水瀬さんに我那覇さん、それに真美」

千早「つらいかもしれないけど……力を貸して。今大事な時なの」

響「久しぶりに会ってさっそくそれ?でも千早らしいぞ」

真美「とーぜんだよ。なんてったって真美達は平和を守るASだもの」
 

599: 矢橋P 24/06/15(土) 22:46:46 ID:uzWC



ルチア「ナンダナンダ!どういうことダ!?」

マゼンタ「クックックッ……」

ルチア「マゼンタ?」

マゼンタ「ようやく現れてくれたね。この島の上層部の最後の生き残り達!」

マゼンタ「しかも防衛局の連中までいるじゃないか。最高だ、最高だよ!」

マゼンタ「さあ、ハタ人間達よ!もう遠慮は要らない。こいつらをやっつけろ!」
 

600: 矢橋P 24/06/15(土) 22:50:26 ID:uzWC

?ハタ人間達「ハタ無しハタ無し……」


ガガガガガガガガガガッ

ワークポット×10「ゴゴゴ……」


?ハタ人間達「………………!」
 

601: 矢橋P 24/06/15(土) 22:52:10 ID:uzWC
恵美(アタシ達にハタ人間が殺到する前に戦車達がハタ人間の行く手を遮った)


ブラッド「よう!早い再会になっちまったな」

恵美「ブラッドまで!これどういうこと?」

ブラッド「心配するな。こいつらは宇宙人から拝借したやつで今は俺達の管理下さ」

ブラッド「始まるぜ。生き残りの全てを使った最大の作戦が」

602: 矢橋P 24/06/15(土) 22:53:47 ID:uzWC



可憐「電源完了。マイクコード準備出来ました」

亜利沙「スピーカー設置完了。音響もオッケーです!」

百合子「私にも手伝えることないかな」ゴホゴホ

エリ「百合子は病人なんだから出てきちゃだめだよ」

※恵理は百合子達と同級生で顔見知りです

百合子「うん、でもこんな時に私だけ黙っているわけにはいかないよ」
 

603: 矢橋P 24/06/15(土) 22:56:34 ID:uzWC
紗代子「千早さん準備出来たよ」

響「千早、何をするつもりなの?その機材は何?」

千早「私は今から歌を歌い続けるからみんなには私とその周りの人達を守ってほしいの」

伊織「歌を?……そうか、わかったわ」

響「あ、……まてよ。でもそんなこと可能なのか?」

真美「なになにどういうこと?真美にも説明してよーー」
 

604: 矢橋P 24/06/15(土) 22:58:49 ID:uzWC

マゼンタ「チッ、この広場の入り口をワークポットで塞がれたか」

マゼンタ「だが、そんなのただの時間稼ぎだろ」

琴葉「時間を稼ぐだけで充分よ」

マゼンタ「何!?」

ヘルガ「準備は整った。始めようか反転攻勢を!」
 

605: 矢橋P 24/06/15(土) 23:01:51 ID:uzWC

ら~ら~ら~


カンタ「綺麗な歌……」

ルチア「ヤツらスピーカーを用意して歌を流してるゾ」

マゼンタ「気が狂って狂詩曲?それとも自分達の葬送曲?」

マゼンタ「何でもいい、ふざけるなよ!…………ん?」


(みなさん聞こえますか)

マゼンタ「これは……」

606: 矢橋P 24/06/15(土) 23:03:26 ID:uzWC

(聞こえてるのなら……自分の意識をしっかり持ってください)


ルチア「これはテレパシーか。同じテレパスのルチアには分かるゾ」

伊織「奇遇だったわね。千早もテレパスなのよ、あんたとは正反対だけどね!」

響「ルチア、君が人の心を覗く能力なら千早は自分の心を相手に伝える能力なんだぞ」

真美「しかも千早お姉ちゃんは歌に自分の思いを乗せることが出来るっしょ!」

ルチア「何だト!」

607: 矢橋P 24/06/15(土) 23:05:52 ID:uzWC

(お願いです)

(どうかハタに支配されないで)

(強い意志を持ってください)




?ハタ人間達「うーん……」 「俺は……」 「私は何を……」
 

608: 矢橋P 24/06/15(土) 23:08:02 ID:uzWC

ルチア「おいマゼンタ。ハタ人間が正気に戻ってるゾ」

マゼンタ「馬鹿な、そんなことがあるっていうのか……」


琴葉「ハタ人間にされた人達を救う方法を模索していた私達はハタに支配されない麗花さんを見て」

琴葉「ハタの意志にに介入出来たならハタの支配に抗えることを知った」

琴葉「そして千早さんと出会ってその方法に辿り着いた。まさか貴方達がハタ人間を一カ所に集めてくれるとは思わなかったけど」

海美「おかげでいっぺんにハタ人間にされた人達を解放出来て良かったよ!」

609: 矢橋P 24/06/15(土) 23:11:25 ID:uzWC
マゼンタ「いや、まだだ。お前達」


?エレナ「頭が痛いヨ……」

?正男・奈津姫「どうなっているんだ・いるの」

?真「ボクは……」

?莉緒「環ちゃん……」


マゼンタ「フフ……ハタ人間の権限はボクが持っている。外の連中はともかく中のこいつらはボクの命令には逆らえない」

マゼンタ「要はその歌を止めればいいんだろ?やってしまえ」

610: 矢橋P 24/06/15(土) 23:13:09 ID:uzWC

惠美「琴葉、アタシはエレナを止める」

琴葉「恵美大丈夫なの?」

恵美「大丈夫、やらせて」

琴葉「わかった、私は正男さんを止める」

カンタ「ぼくも手伝うよ」

611: 矢橋P 24/06/15(土) 23:15:09 ID:uzWC

瑞希「高坂さん、一緒に百瀬さんを止めましょう」

海美「わかったよ。…環もやるんでしょ」

環「うん、これ以上りおをあいつらの好きにはさせはたくないぞ」
 

612: 矢橋P 24/06/15(土) 23:17:52 ID:uzWC

?真「……千早」ウーン

伊織「あんたのこんなに情けない姿を見る日が来るなんてね」

伊織「…でもあたし達はたまたまハタを付けられなかっただけ」

響「助けに行ってあげれなくてごめんね真」

真美「今楽にさせてあげるからね、まこりん!」
 

613: 矢橋P 24/06/15(土) 23:20:53 ID:uzWC


恵美「エレナ!」

?エレナ「うー、メグミ。ハタを付けなきゃ、ハタを付けなきゃ」


ギュッ

?エレナ「メ……グミ」

614: 矢橋P 24/06/15(土) 23:24:19 ID:uzWC
恵美「にゃはは。さっきのお返し」

恵美「もうアタシ、エレナを一人にしないよ」

恵美「ごめん、寂しかったよねエレナ」

?エレナ「……メグミーー」ダキッ


 

615: 矢橋P 24/06/15(土) 23:27:16 ID:uzWC


ルチア「こうなったラ……」カッ!

ルチア「如月千早!キサマは幼少期に大切な弟を亡くしているだろウ」


如月優「お姉ちゃん……」スッ

616: 矢橋P 24/06/15(土) 23:30:25 ID:uzWC

千早「……無駄よルチア」

千早「あなたの能力は心の弱った人間なら効果的なのだろうけど」

千早「私には果たすべき使命と支えてくれる仲間がいる」


如月優「……」ニッコリ

如月優「……」シュウウウウ

617: 矢橋P 24/06/15(土) 23:33:21 ID:uzWC

ルチア「クッ……」


(ルチア、出身地は南国のとある島)

ルチア「ナッ!?」

(出生時からリーディングの能力に目覚め、島の人達から巫女と崇められる)


ルチア「何故キサマがルチアの過去を知っていル!」

ルチア「心カ、ルチアの心を読んだのカ?」

618: 矢橋P 24/06/15(土) 23:36:13 ID:uzWC
千早「違う」

千早「自分と同じテレパスの人間。あなたのことは前から気になって調べていたの」

(だけどそれに目を付けたアメリカの超能力研究所が無理やり拘束して……)


ルチア「ヤメロ、ヤメロヤメロヤメロ!」


響「ルチアの過去が千早のテレパシーを通じて自分達も伝わってくるぞ」

伊織「わざとみんなの心に暴露するなんて。千早、相当ルチアに怒っているようね」

真美「千早お姉ちゃんおっかない~」

619: 矢橋P 24/06/15(土) 23:38:35 ID:uzWC
(数々の実験に使われたのち、幸せ草で作られた超能力を無理やり強化する薬を飲まされて超能力が更に強力になった。だけど……)

(薬の副作用で人格は完全に歪んでしまった)

ルチア「それ以上ハ……」

(そして何とか研究所を抜け出して故郷に帰ると……故郷の島は別の実験場になっていた)

ルチア「チックショーー」ジタバタ


(それ以後世界中に憎悪を向けるテロリストになった。可哀想な女性よ)

ルチア「ウググ……」

マゼンタ(ルチアはもう駄目そうだね)

620: 矢橋P 24/06/15(土) 23:41:04 ID:uzWC

?莉緒「環ちゃん……ありがとう」バタン

海美「やったね」

環「りお……」




?正男「カンタ強くなったなぁ……」
バタン

?奈津姫「ほんとね……」バタン

カンタ「お父ちゃんお母ちゃん……」




響「捕まえたぞ」ガシィ

?真「……いいよ響。ボクをそのまま押さえてて。あの子がボクを止めるまで」

杏奈「ごめんね」バシュッ

?真「後は頼んだよ」バタン
 

621: 矢橋P 24/06/15(土) 23:44:11 ID:uzWC


琴葉「恵美そろそろ……」

恵美「エレナ、ちょっと眠っててくれる?」

?エレナ「もうちょっとこうしていたかったけど仕方ないネ」

?エレナ「まだ言いたいことあるし後で3人でじっくり話そうヨ」

恵美「約束する。今度こそね!」

バシュッ

622: 矢橋P 24/06/15(土) 23:47:08 ID:uzWC

恵美「最後はあんただけだよマゼンタ」

マゼンタ「ボクだけ?まだボクが残ってるの間違いだろ?」

マゼンタ「実際そこまで慌ててもいないんだよ。ボク一人で君たちを皆殺しにすればいいだけだからね!」
 

624: 矢橋P 24/06/16(日) 07:50:58 ID:YoMw
島原エレナ  恵美と琴葉の親友

琴葉と並び恵美の大親友。中学生の頃は三人共に同じ学校でずっと一緒だった
琴葉が一人パライソ高校に行っても三人の距離は変わることはなかったが
今回行動力がある彼女は恵美を待ちきれず単独でパライソタウンに向かってしまったことで1ヶ月のすれ違いが生まれてしまった
ハタ怪異が起きた際は素早く琴葉と合流出来たのだが、パライソ高校ワークポット襲撃事件でハタ人間化してしまい
その事が琴葉がパライソホールでの防衛局との対決を決意させた
彼女がこの物語に与えた影響は大きい

625: 矢橋P 24/06/16(日) 07:53:55 ID:YoMw
菊池真  パワフルなAS隊員

響と対を成す肉弾戦を得意とするAS隊員
作中では語られなかったが有している能力は硬質化(オリハルコン・ミューテーション)であり
攻撃目的では無く専ら防御に使用されることが多い
最大限活用すれば銃弾すら弾く硬度になるため(ただし、かなり痛いらしい)護衛においても防弾チョッキ無しで体を張り対象者を保護する事も出来る
他のAS隊員より早い段階で拘束から脱出したものの、彼女の戦闘能力の高さに危惧したギャスビゴー星人から早々にハタを立てられてしまった

626: 矢橋P 24/06/16(日) 08:02:18 ID:YoMw
如月千早  思いを伝えるAS隊員

AS13人の中でも実質副リーダー的存在であり、今回の自衛隊・AS救出作戦のリーダーでもある
戦闘や応用能力こそ低いものの彼女の能力、共感(エンパシー)は指揮や連絡等には最適で部隊の指令の要になる
そのため本人も常に冷静で適切な判断が出来るような精神を心がけている
更に自身の誇りでもある歌に共感を乗せることで能力の範囲と対象が飛躍的に上昇するようだ
海美達が偶然にも彼女を囚われているのを発見し救助したのち
琴葉や瑞希らと協議の末、今回のハタ人間解放作戦の要になった

627: 矢橋P 24/06/16(日) 08:19:00 ID:YoMw
ルチア  南米の魔女

褐色でやや幼さを残した南国の出身を思わせる女性だが世界中の人間を憎むテロリスト
言葉が片言で言動にも幼さを感じさせるが性格も大分歪んでしまっている
マゼンタとは自分に近いものを感じており、彼の考えがより人類を恐怖に落とし入れれると彼のスカウトを受け意気投合している
彼女の能力は使い方次第で心を閉ざした人を開いて救う聖母のような使い方も出来るはずだが使う意志一つで邪悪な結果をもたらしてしまう
例えば作中での?琴葉の幻覚は恵美の心の奥にあった 
 もしかしたら琴葉とエレナはハタ人間化しているかもしれない 一時期でも二人を放ってしまって自分を恨んでるかもしれない 
という物語開始から恵美が抱えていた心の不安を具現化させたもの。これは?エレナにも伝えられて恵美を追い詰める材料にされた
その心の闇のような部分を現実に無理やり引きずり出すという普通のテレパスをはるかに超えた能力を薬や”ある人物”によって人格が歪む変わりに得てしまった
余談だがあの世界では日本と違いアメリカではサイボーグより超能力者に比重を置いており研究員ら強硬な思想がこのような悲劇が生み出してしまった

628: 矢橋P 24/06/16(日) 20:52:19 ID:YoMw


琴葉「ねえ恵美、あのマゼンタについて何か知ってる?」

恵美「一回だけ対峙したことあるけど……よくわからない」

恵美「宇宙人ぽくはないけど、あいつ普通の人間じゃない」
 

629: 矢橋P 24/06/16(日) 20:54:47 ID:YoMw
マゼンタ「さ~あ~目覚めよ~、悪夢を見る時間は終わり。これからは血を見る時間、だ」チャキ

瑞希「二本の剣……それがあなたの武器ですかマゼンタさん」

マゼンタ「おや、瑞希。キミにはまだ見せてなかったかな」

瑞希(マゼンタさんとは初対面だったと思うのですが……)

琴葉「危ない!」
 

630: 矢橋P 24/06/16(日) 20:58:54 ID:YoMw

ガキン


恵美(マゼンタがいきなり振り下ろした二本の剣を瑞希さんのステッキ?と琴葉のサーブルの二人がかりで受け止めていた)

琴葉「瑞希さん大丈夫?」ググッ

瑞希「ええ……。このバトンを対戦闘用に新調したかいがありましたね」ググッ

琴葉「私も。前の戦いの時にへし折られてから実戦用にしてもらった」ググッ

マゼンタ「二人がかりでもボクの斬撃を受け止めたのは大したものだよ。でも……」ニュルニュル

631: 矢橋P 24/06/16(日) 21:06:59 ID:YoMw
マゼンタ「ボクの流派は四刀流さ!」チャキ


恵美(マゼンタの背中から剣を掴んだ二本のアームが伸びてきた!)

カンタ「まるでテレビで出てくる怪人みたい……」

環「まずいぞ!」

瑞希(私と田中さん二人がかりでも二刀抑えるのが限界。その上二刀も増えるんですか)ギリッ

632: 矢橋P 24/06/16(日) 21:09:51 ID:YoMw

恵美「この化け物!」パァンパァン

マゼンタ「目障りだ、いい加減学習してほしいなぁ」キーン キーン


杏奈「銃弾が効かない!?」

恵美(あー、そうだ。前対峙した時もこいつに莉緒さんの拳銃効かなかったじゃん)

恵美(でも琴葉や瑞希さんが傍に居る以上グレネード弾使うわけにもいかないし……)

633: 矢橋P 24/06/16(日) 21:11:20 ID:YoMw
マゼンタ「まずは二人……おや忘れてたASが居るんだったね」ググググッ


真美「二人とも……今のうちに……」ウーン

恵美(そっか、ロボットのアームなら真美の能力の範囲内だ)

恵美「琴葉に瑞希さん!真美のテレキネシスで動きを止めてるうちに離れて!」

琴葉「うん、わかった!」サッ

瑞希「助かりました」サッ

634: 矢橋P 24/06/16(日) 21:17:06 ID:YoMw
マゼンタ「…………」プルプル

マゼンタ「フン…」ブン

真美「…………」ハァハァハァ

恵美(真美のテレキネシスでもちょっとの時間稼ぎにしかならなかった。むしろ真美の体力消耗の方が激しい……)


海美(一瞬の攻防なのに私なんて見ているだけでいっぱいいっぱいだよ……)

のり子(とても援護なんて出来るもんじゃないね。丸腰でいったら確実に切られる)

635: 矢橋P 24/06/16(日) 21:20:56 ID:YoMw
マゼンタ「ようやく動けるよ。……それにしてもこの下りまた繰り返す気かい?」

恵美「この下り?」

伊織「……あたし達は一回マゼンタと戦っているのよ。救出作戦の時に」

響「あの時は自分と真で正面は抑えて真美のテレキネシスで援護、と伊織のビームと千早の射撃で後方攻撃をした」

マゼンタ「”でも勝てませんでした”……だろう?」

響「ぐっ……」

636: 矢橋P 24/06/16(日) 21:22:50 ID:YoMw
マゼンタ「その時からまるで進歩してない。こんなに雁首揃えてもこの程度か……」ハァ

恵美(悔しいけどマゼンタの言う通りだ。抑えるだけで精一杯じゃこのまま漠然と戦っても……勝てない)


マゼンタ「人間の手数を超えたボクの四刀流に死角はないよ。ボクの相手になりそうなのは灰原くらいさ」
 
 

637: 矢橋P 24/06/16(日) 21:25:27 ID:YoMw


灰原「呼んだか?」サッ

恵美「あんたは……」

カンタ「あの時のおじちゃん!」

灰原「宇宙人をそれなりに斬ってきたから遅くなった」

638: 矢橋P 24/06/16(日) 21:27:36 ID:YoMw
瑞希「灰原さん。そちらの方の作戦はうまくいきましたか」

灰原「ああ、箱崎星梨花は無事本土に送り届けた」

灰原「……まったく、あの北上とかいう女には参ったがな」

瑞希「ふふ、そうですか。それで北上さんはそのまま本土の方に?」

灰原「いや、誰かに呼ばれたとか言ってこっちに戻ってどこかに行ったが……」
 

639: 矢橋P 24/06/16(日) 21:30:20 ID:YoMw

マゼンタ「アハハ、アハハハハハッ!来た、本当に来たな灰原!」

恵美(何だマゼンタの態度が変貌した)

マゼンタ「ボクはキミと闘いたかったんだよ。こんな雑魚共じゃなくてさぁ!」チャキ

灰原「貴様に覚えはないがそんなに俺と闘いたいなら相手にしてやる」チャキ
 

640: 矢橋P 24/06/16(日) 21:33:02 ID:YoMw
ブラッド(すげぇ、この島最強のサイボーグと宇宙人による謎の怪人の対決か。どっちが強いんだ)

恵美「琴葉、あの灰原って人を一人で戦わせて大丈夫なの?」

琴葉「あの人の強さは私も一度戦ったからわかるの。4人がかりでまるで相手にならなかった」

恵美「戦ったって……琴葉もアタシが知らないうちにアグレッシブになったね」



マゼンタ「嬉しいよ。キミを倒すこの時をどれほど待ちわびたことか!」ガチャ

灰原「……ごちゃごちゃうるさい奴だ。こい」スッ

641: 矢橋P 24/06/16(日) 21:35:50 ID:YoMw
琴葉(それから二人の攻防は目で追うのが難しいぐらいの攻防……)

琴葉(私達はマゼンタの四刀流を刀一本で捌く灰原さんを見守ることしか出来ません……)



ガキン


マゼンタ「やるね……。正直ここまでとは思わなかったよ」ハァハァ

灰原「……俺は1度剣を交えた者の太刀筋は忘れないたちでな」フゥ

642: 矢橋P 24/06/16(日) 21:38:55 ID:YoMw
マゼンタ「あん?」

灰原「姿や声が変わっても太刀筋までは変わっていない、お前コウシだな」

瑞希「!!」

瑞希「灰原さん、それ本当ですか」

ブラッド「あいつがコウシだって?確かにコウシは二刀流だったが……」

恵美「コウシって誰さ」

瑞希「私達サイボーグの仲間の一人です。この怪異が起きてから行方不明でしたが……」

 

643: 矢橋P 24/06/16(日) 21:41:09 ID:YoMw
マゼンタ「アハハハハハハハハ!やっと気付いたか。そうさ、そうだよ。何度も闘ってもあんたに勝てなかった万年2位のコウシさ」

マゼンタ「でもそれも過去の話。裏切る見返りにこの星のなまっちょろい改造じゃなく宇宙人の科学力を存分に提供させてもらってさ。サイボーグ比率70%以上だよ。今のボクは弱者のコウシじゃない。最強のサイボーグ、マゼンタなんだよ!」

ブラッド「70%以上だと!?馬鹿げてやがる」

644: 矢橋P 24/06/16(日) 21:43:56 ID:YoMw
琴葉「瑞希さんそれってどういうこと」

瑞希「サイボーグ比率とは私達サイボーグが元の肉体からどれほど機械や人工筋肉等に置き換えたかを表す数値です」

瑞希「……私の知る限りでは改造比率は30~35%が限界。40%以上超えると拒否反応が出てしまい50%以上も改造した人はもれなく死亡しています」

瑞希「それを70%以上も……」

※捕捉
瑞希 24% ブラッド 20% 灰原 32%

645: 矢橋P 24/06/16(日) 21:47:20 ID:YoMw
マゼンタ「そうさ、ボクは脳と主要な臓器以外はあらかた改造されてもはや人間じゃないんだ。人間を超えた化け物になったんだよ!」

灰原「強さが欲しいあまり人の道すら捨てたか」

マゼンタ「ククク……悪いかい?」

灰原「……俺も強さのために進んでこの身をサイボーグにした。今更そのことを否定するつもりはない」

灰原「お互い闘いにしか生きられぬ者。答えは闘いの後に出るだろう」チャキ

マゼンタ「初めてキミと気が合ったよ。さあ続けようじゃないか」チャキ
 

646: 矢橋P 24/06/16(日) 21:50:14 ID:YoMw


恵美(そうして二人の闘いがまた始まった。アタシ達は見ているだけしか出来ない……)

環「ねえ、おじさんは勝てるの?」

恵美「それは……わかんないよ……」

琴葉「……このままだとまずいかもしれない」

海美「ど、どうして?」

647: 矢橋P 24/06/16(日) 21:52:57 ID:YoMw
瑞希「灰原さんは強い。剣技においてはマゼンタより僅かにですが上です。実際何度もマゼンタさんに攻撃が届いてはいます」

琴葉「だけど致命傷どころかダメージにもなってない」

恵美「銃撃すら傷つかないもんねあいつ、いったいどんな体してんのよ」

瑞希「それに気付いたのか先ほどからマゼンタの戦術も変化してます」

のり子「動きが大胆になっているね。ダメージにならない細かい攻撃は無視し、致命傷だけは避けて攻撃に振ってる。防御力に自信があるからこそ取れる戦術だね」

ブラッド「片やこちらは一撃でもくらえば大ダメージか。このまま続けたらいくら灰原隊長でも不利だ」

648: 矢橋P 24/06/16(日) 21:55:44 ID:YoMw
伊織「前回のあたし達も格闘技、銃撃、爆弾、やれる手は全てぶつけた。でも結局あいつにダメージと呼べる一撃を一回も与えられなかった」

琴葉「今灰原さんが抑えているうちにマゼンタの攻略法を見つけないといけないけど……」

真美「なんか、なんかないの?あいつの弱点とか、とっておきの秘密兵器とか」

瑞希「………………」

恵美「そんなこと言ったって……」

恵美(所詮アタシ達は一般人だ。超能力者でかつ特殊部隊の訓練を受けたASですら敵わない相手に有効打なんて……)

 

649: 矢橋P 24/06/16(日) 22:00:31 ID:YoMw

ズバッ


恵美(あ……)

灰原「っ……」ブシュー

マゼンタ「やった!アハハ!これが答えさ」

マゼンタ「ようやくキミに一撃を入れる間にボクは何回もキミに斬られている」

マゼンタ「でもボクは平気だ。ボクが人間を捨てていなかったらキミの勝ちだったよ」

マゼンタ「答えはこれさ!結局は力が全て!どんなことをしようが力が強いやつが生き残るのさ」フ

マゼンタ「あばよ灰原。人間の中でもキミのことは忘れないよ」ブン

瑞希「灰原さん!」
 

650: 矢橋P 24/06/16(日) 22:02:24 ID:YoMw

昴「おりゃぁぁぁっ!」


ギュイーーーーーン!


マゼンタ「ウガッ」ドゴッ

マゼンタ「や、野球ボールだと……」グラッ
 

651: 矢橋P 24/06/16(日) 22:04:56 ID:YoMw
琴葉「この魔球は……パライソホールの時と同じ」

海美「すばるん!!!」

百合子「昴さん!!!」

昴「ま、間に合ったぜ。サンキュー麗花」

?麗花「みんなお待たせー」

ロコ「スバルとレイカはアンリーズナブルですぅ」ゲッソリ
 

652: 矢橋P 24/06/16(日) 22:06:53 ID:YoMw
ダダダッ

昴「久しぶりだなー……って。み、みんなどうしたんだ」

海美「すばるん、ハピネスPの薬の副作用の治療をしているはずじゃなかったの?」

杏奈「あれから……昴さん医療練に移って……会えなくなって」

百合子「みんな昴さんにずっと会いたいって思っていたんですよ!」

昴「ち、ちょっとみんな落ち着けよ。それに薬の副作用なんて一日で治ったぜ?」

海美「あれ?だって薬の副作用で療養してるから会えないって聞いたけど……」

昴「あー、さてはみんなには黙ってたな絵垣のやろー」

653: 矢橋P 24/06/16(日) 22:08:59 ID:YoMw
恵美「ど、どういうこと?」

琴葉「昴ちゃん……療養しているはずじゃ……」

マゼンタ「このボクが野球ボールごときに……」プルプル

マゼンタ「馬鹿にするなよ!」ブン

ビュン

瑞希(しまった、目を離した隙に永吉さんの方に剣が……)

654: 矢橋P 24/06/16(日) 22:10:07 ID:YoMw
パシッ


昴「あぶねー」

マゼンタ「は……?」

マゼンタ(見間違えか?ボクの全力の剣の投合をガキが素手で掴んだのか?)

ゴロッ

マゼンタ「これはあのガキが投げた野球ボール……じゃなく鉄球だと!」

655: 矢橋P 24/06/16(日) 22:12:18 ID:YoMw
昴「瑞希の真似をしてみたぜ」

瑞希「永吉さんまさか……」

昴「そうだよ」

昴「オレもサイボーグになったんだ」

656: 矢橋P 24/06/16(日) 22:15:03 ID:YoMw
海美「ええーっ!!!」

百合子「どういうことなんですか!?」

昴「あとでちゃんと説明するって。それよりロコ、ボールくれよ」

ロコ「……」ツーン

昴「ロコ?」

ロコ「ロコもシークレットにされたことにはコンヴィンスなんですよ」ツーン

昴「ああもう。オレだってみんなに会いたかったけどサイボーグ手術受けて術後はしばらく動けなかったんだ、仕方ないだろ」
 

657: 矢橋P 24/06/16(日) 22:18:05 ID:YoMw
マゼンタ「いくら鉄球だろうが爆弾すら耐えれるこのボクの装甲にガキの玉投げが通用するはずがない。さっきは不意打ちで食らっただけさ」

昴「へっ、それはどうかな」ブン


ギュイーーーーーン



マゼンタ「何っ!」

カンタ「わっ!アニメみたい」

恵美(あの子が投げたボールが漫画みたいに炎を纏って回転しながらマゼンタに向かっていく)


ドゴッ

マゼンタ「ぐはっ」

658: 矢橋P 24/06/16(日) 22:20:51 ID:YoMw
伊織「凄い……あれはサイボーグだからというだけじゃない。超能力によるものだわ」

真美「うん、それも具現化系だね」

響「サイボーグで超能力者なんて前代未聞だぞ……」

琴葉「そして何より……あの攻撃マゼンタに効いてる!」

瑞希「拳ほどの鉄球があれほどの速度と回転を纏って向かって来るんです。直撃した衝撃は戦車の砲撃と同等かそれ以上かもしれません」
 

659: 矢橋P 24/06/16(日) 22:22:58 ID:YoMw
ブラッド「大丈夫かよ灰原隊長」

灰原「致命傷までにはなってない」

灰原(あの娘に助けられる時がくるとはな。……見てるか曽根村)

ヘルガ「まったく、彼女は私の想像を軽々に超えて来る」

ヘルガ「灰原、まだやれるか」

灰原「当然だ」スッ

ヘルガ「なら……彼女を全力で援護しろ」
 

660: 矢橋P 24/06/16(日) 22:25:13 ID:YoMw

マゼンタ「殺す殺す殺す殺す!」

マゼンタ「あのガキ、バラバラにしてやる!」チャキ



恵美「マゼンタのやつ完全に殺る気だよ」

琴葉「瑞希さんなんとしてでもマゼンタを食い止めないと」

瑞希「そうですね。私もお姉さんとしてあの子達だけに任せるなんて出来ないぞ」

661: 矢橋P 24/06/16(日) 22:27:10 ID:YoMw
灰原「俺も加勢させてもらおう」

瑞希「灰原さん、その怪我で戦っても大丈夫なんですか」

灰原「先ほどまでの動きは無理だ。だが奴の四本の刀のうち二本は抑えられる。残り二本頼めるか」

琴葉「二本も止めてくれれば充分よ」

灰原「……お前達とは一度は殺し合った仲だが今は共闘している。妙なものだな」

瑞希「人間とはそんなもんですよ。コウシさんみたいに人間を辞めてなければですけど」

響「自分達も参加するぞ」

真美「真美達もりべんじ果たせてないかんね!」

662: 矢橋P 24/06/16(日) 22:29:27 ID:YoMw
マゼンタ「死ねぇ!」ダッ

灰原「させん」ガキン

マゼンタ「……つ、灰原ぁ」ニュルニュル


琴葉「私達も」ガキン

瑞希「います」ガキン

マゼンタ「なっ、お前ら……」

663: 矢橋P 24/06/16(日) 22:31:18 ID:YoMw
ギュイーーーン


マゼンタ(来る!だがボクの正面にはこいつらがいるんだぞ。こいつらを盾にすれば……)


ギュイーーーーーン


マゼンタ(やはりね。こいつらに当てないよう明後日の方向に投げやがった)
 

664: 矢橋P 24/06/16(日) 22:33:39 ID:YoMw

ギューーーググーーッ


マゼンタ(はぁ?弾が曲がって……)

ドゴッ

マゼンタ「ぐぁ……」
 

665: 矢橋P 24/06/16(日) 22:36:05 ID:YoMw
環「すごい!カーブの魔球だぞ」

昴「へへっ、カーブじゃなくてスライダーなんだけどな」

恵美(琴葉達を華麗に避けてマゼンタだけに命中させてる。球速だけじゃなく弾道まで自由自在だ……)

昴「よーし、ロコもう1球」

ロコ「ノーモアですよスバル」

昴「マジで?」

ロコ「そう何個もアイアンボールをプレバレイション出来るわけないです」

海美「えーまさかの弾切れ!」

666: 矢橋P 24/06/16(日) 22:38:13 ID:YoMw


マゼンタ「…………」ゴゴゴ

琴葉「相手はもう言葉を喋る余裕もないみたい」

瑞希「ですが一番危険な状態です。手負いの獣と同じですからね」
 

667: 矢橋P 24/06/16(日) 22:40:00 ID:YoMw
恵美「ねえ、弾があればいいんでしょ」

昴「そうだけど……」

恵美「真美、こないだ響さんの武器作ったみたいに作れないかな。」

真美「ふっふ~ん。当然出来るしょ!」

真美「材料は……そこの支柱を借りるよーん」


バキン  グチャッ ボコッ 

真美「三個出来たよこれでどーお?」

668: 矢橋P 24/06/16(日) 22:42:34 ID:YoMw

昴「ごめん、球体だったらいいってわけじゃなくてさ。野球ボールかそれに似ている必要があるんだ」

ロコ「だからロコがアイアンボールにペイントしてデザイニングしていたんです」

恵美「ペイントが投げるのに関係あるの」

響「具現化系の超能力じゃ珍しくもないことだぞ」

669: 矢橋P 24/06/16(日) 22:44:41 ID:YoMw
海美「具現化系?」

伊織「おそらくその子の超能力は投げた球をイメージ通りに再現出来る能力。あたし達の超能力とは根本的に異なるのよ」

真美「具現化系はイメージが大事なのだよめぐちん。だからなるべくイメージに近づけないと成功しない。だからその子の能力は野球ボールかそれに近い物じゃないと発動しないっぽいよ?」

※捕捉
具現化系と出ましたがHUNTER×HUNTERの用語ではなくパワポケの用語です
オカルトテクノロジーに近く、もっと言えばエスパー寄りではなく魔法に近い能力ということです

670: 矢橋P 24/06/16(日) 22:46:28 ID:YoMw
環「よくわかんないけど、その石を野球ボールみたいにすればいいの?だったら、たまきやるー」

百合子「私も手伝います!」ゴホゴホ

海美「そうだねみんなでやろうよ」

ロコ「アートの道具は沢山あるのでノープロブレムです」


恵美「それじゃアタシ達は」

のり子「完成するまであいつを抑えればいいんだね」

671: 矢橋P 24/06/16(日) 22:48:27 ID:YoMw


マゼンタ「……センノヤイバ」

琴葉(マゼンタの背中にあるアームから小型の刃が精製されてる)

瑞希「おそらくあれがマゼンタさんの切り札でしょう。ここが正念場ですね」


マゼンタ「………死ね」ブン

瑞希(これは先ほど永吉さんに使った刃による投合)

琴葉(一旦距離を取って避けないと……)

672: 矢橋P 24/06/16(日) 22:50:12 ID:YoMw
マゼンタ「…………」チャキ

灰原「お前達は一旦下がれ」

ガキン


マゼンタ「流石に察しがいいな灰原ぁ」ググッ

瑞希(四刀流を二刀流に戻して後ろの二本のアームは投合に切り替えですか)

琴葉(接近戦と遠距離攻撃を同時に仕掛けてくるなんて……。今までの接近戦一辺倒よりよっぽど厄介ね)

673: 矢橋P 24/06/16(日) 22:52:24 ID:YoMw
マゼンタ「斬撃は抑えられても背中のアームによる投合までは止めれないだろ。後ろではしゃいでいる奴らを一人ずつ串刺しにしてやる」ブン

ヒュン ヒュン

バァン バァン


ボトリ

マゼンタ「何!」

ヘルガ「こちらに届く前に拳銃で撃ち落とさせてもらった」チャキ

杏奈「遠距離攻撃はそっちの専売特許じゃないよ!」チャキ

674: 矢橋P 24/06/16(日) 22:54:07 ID:YoMw
伊織「確かにそうよね。 ビーム!」ピカッ

マゼンタ「グッ……」


伊織(効いてる!魔球によるダメージでマゼンタの装甲にも綻んでいるんだわ)

響「今だ、いくぞ!」バキッ

のり子「オッケー」ガシッ

真美「真美も援護するよ!」

675: 矢橋P 24/06/17(月) 01:02:52 ID:efDg
琴葉(響さんが攻撃した隙にのり子さんがマゼンタのアームの一本を掴んだ)

伊織(もう一つのアームも真美の超能力で封じてる)


のり子「うりゃっ」

ボギィ

マゼンタ「グゲッ」

真美「やった、アームの一つをへし折ったよ」

響「ナイス連携!」

のり子「相性良いかもねアタシ達」


マゼンタ「キ、キサマら……」

676: 矢橋P 24/06/17(月) 01:04:47 ID:efDg

環「よしボールが完成したぞ」

マゼンタ「!!」


昴「いくぞマゼンタ!」


マゼンタ(ボクは最強のサイボーグだ、こんなガキの攻撃なんか……)

677: 矢橋P 24/06/17(月) 01:06:08 ID:efDg
昴「まず1球」ブン



ギュイーーーーーン



マゼンタ(速い!)

ボコッ

マゼンタ「グハッ」

678: 矢橋P 24/06/17(月) 01:07:30 ID:efDg
昴「もう1球!」


ギュイーーーーーン


マゼンタ(こんなガキに……)


ドコッ


マゼンタ「ググァ」


琴葉「あと一息ね」

679: 矢橋P 24/06/17(月) 01:09:04 ID:efDg

昴「……」

昴「もうやめようぜマゼンタ。降伏してハタ人間を解放してくれよ」


マゼンタ「フ……」ググッ

マゼンタ「ダレガソンナコトヲスルカ」チャキ

マゼンタ「キサマラゼンインコロシテヤル!

680: 矢橋P 24/06/17(月) 01:11:07 ID:efDg

ドシューッ


マゼンタ「ガ……」


\ドッカーン/



琴葉「恵美……それグレネード」

恵美「グッバイマゼンタ……最後まで最低なやつだった」

681: 矢橋P 24/06/17(月) 01:12:26 ID:efDg






682: 矢橋P 24/06/17(月) 18:00:03 ID:efDg

千早「皆さんありがとうございます。ここに集められた全てのハタ人間のハタの支配から解放できました」

千早「松田さんや高山さんや可憐さんも最後までサポートしてくれてありがとう」

紗代子「そんなことないです」

可憐「み、みんなのお役に立てて良かったです」

亜利沙「いやー、千早さんの生歌聞けただけで役得でしたよ」

683: 矢橋P 24/06/17(月) 18:03:10 ID:efDg
ヘルガ「問題はどう収拾つけるかだな。ここまで一度に解放出来るとは想定していなかった」

紗代子「ハタから解放した人達をパライソホールや市役所等に収拾し終えたけど、まだまだやらなきゃいけないことがあるんですよね」

瑞希「我々だけではお手上げです。本土からの応援が必要ですね」

瑞希(箱崎さん頼みましたよ)

 

684: 矢橋P 24/06/17(月) 18:05:35 ID:efDg



百合子「でも何で昴さんサイボーグに?」ゴホゴホ

昴「サイボーグっても主に両腕を強化しただけだよ。体がメタリックになったわけじゃないさ」

昴「瑞希を改造した絵垣ってやつが治療の際にオレのサイボーグ適応力を調べていたみたいでさ。適応力が高いからぜひ改造しないかって誘われたんだ」

昴「……実はさ、あのパライソホールの時に魔球を投げたろ?」

昴「俺の超能力。生身で使うには凄い負担がかかるみたいなんだ。あの投げた時点で肩がやられちゃったみたいでさ」

昴「サイボーグ化するしかなかったんだよ」

685: 矢橋P 24/06/17(月) 18:10:28 ID:efDg
杏奈「でもみんなに一言言って欲しかった……」

昴「それは本当にごめん」

海美「でもすばるん。サイボーグ化したってことは……」

昴「ああ、もうオレは野球の公式試合は出れねーな」

ロコ「スバル……」

昴「まあ試合に出れなくてもみんなとキャッチボールなら出来るし」

昴「野球が駄目ならアイドルでも目指してみるかな!」
 

686: 矢橋P 24/06/17(月) 18:13:16 ID:efDg
恵美「そうだ。そこの君」

百合子「私ですか?」ゴホゴホ

恵美「多分その症状宇宙ウイルスでしょ?アタシワクチン持ってるから打ってあげる」

琴葉「すごい。恵美いつの間にそんなことを」

恵美「みんなのおかげだけどね」

瑞希「そのワクチンは私達も追い求めてた物です。それがあればこの事件に決着をつけれるかもしれません」

 

687: 矢橋P 24/06/17(月) 18:15:26 ID:efDg

伊織「そういえばルチアが居ないわね」

響「どっかに逃げたかな……」

 

688: 矢橋P 24/06/17(月) 18:18:24 ID:efDg

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




みんな「「「「!!!!!」」」」
 

689: 矢橋P 24/06/17(月) 18:21:24 ID:efDg
恵美「何この地響き」

環「あそこ!」



\ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ/


杏奈「あれって……」

690: 矢橋P 24/06/17(月) 18:23:09 ID:efDg

ギャスビゴー星人「フハハ!マゼンタマデヤラレルトハナ」

ギャスビゴー星人「ダガ、我々ガ下級生物ニ頼りッキリダト思っタカ」

ギャスビゴー星人「コノ島ノハタ人間ヲ総動員シテ作ッタ巨大兵器デキサマラ全員マトメテ潰シテヤル!」
 

691: 矢橋P 24/06/17(月) 18:25:16 ID:efDg
恵美「…………」

琴葉「…………」

環「…………」

昴「…………」

ロコ「…………」

百合子「…………」

692: 矢橋P 24/06/17(月) 18:27:14 ID:efDg
海美「あれって……あれだよね?」

昴「ああ、あれだな」

ロコ「あれですよね」

カンタ「ぼくテレビで見たことあるよ」

杏奈「……ガ〇ダムそっくり。体型がずんぐりだけど」

百合子「言っちゃった!」

のり子「まだそうと決まったわけじゃ……」

693: 矢橋P 24/06/17(月) 18:29:09 ID:efDg
ギャスビゴー星人「コノ”ガンダーロボ”デ踏みつぶサレルコトヲ光栄ニ思うガイイ」ズシン



恵美「うわーー、やっぱモロだ!」

伊織「ちょっと!版権的に大丈夫なのあれ!」

真美「オマージュ!オマージュだから大丈夫なんだよ!……多分」

694: 矢橋P 24/06/17(月) 18:32:13 ID:efDg
ブラット「ていうかそんなこと気にしてる場合じゃないだろ」

灰原「流石にアレには勝てんな」

琴葉「くっ、せっかくハタ人間を解放したのに……」




ヒュー


琴葉「あっ」

695: 矢橋P 24/06/17(月) 18:34:52 ID:efDg

ビューーーーーー

?麗花「風だー」


ビュウゥゥゥーーーーーーッ


ロコ「ストロングなガストウィンドです!」

海美「何で……さっきまで晴天だったのに」

のり子「立っていられないよ。みんな伏せて」
 

696: 矢橋P 24/06/17(月) 18:36:39 ID:efDg


ビュウゥゥゥーーーーーーッ


ギャスビゴー星人「何ダ、コノ天気ノ荒レヨウハ!コレデハマトモニ動ケン」
 

697: 矢橋P 24/06/17(月) 18:39:16 ID:efDg

千早「……春香だわ」


ヘルガ「……春香だと?」ハッ

ヘルガ「まさかその春香とは天海春香のことか」

瑞希「この風、天海さんが起こしたものですか」

ブラット「マジかよ。天海春香がここに来たのか!」

698: 矢橋P 24/06/17(月) 18:40:36 ID:efDg
伊織「にひひっ。あんた達も春香のことは知ってるみたいね」

真美「さっすが我らリーダーはるるんだね」

灰原「我々の世界でも有名だ。世界でも十本指に入る超能力者なのだからな」

699: 矢橋P 24/06/17(月) 20:56:18 ID:HQUK
恵美「でも、何でそんなすごい人が今回の救出作戦に参加してないの?しかもリーダーなんでしょ」

響「あー」

真美「うん……」

伊織「それはね……。7月の頭に超巨大台風が沖縄に接近したってニュースあったでしょ?」

琴葉「ありました。でも沖縄に接触した途端消滅したはずですが……」

700: 矢橋P 24/06/17(月) 21:39:29 ID:HQUK

伊織「それ春香がやったのよ」

琴葉「え……」

恵美「はい!?」

701: 矢橋P 24/06/17(月) 21:41:21 ID:HQUK
響「人類史上でも最強の天候操作(ウェザー・コントロール)の能力者、それが春香さ」

伊織「でもあれは結果的に失敗だった。台風という大型低気圧を無理やり高気圧に変えちゃった反動でね、沖縄が2週間ぐらいずっと晴れて雨降らなくなってしまったの」

千早「春香の能力は持続しない。だから沖縄に雨降らせるために沖縄に付きっきりで……」

真美「その時にこの救出作戦とかち合ってしまったわけですな」

恵美「……ってことは逆に言うと台風も起こせるんだよね。……アタシ達まずくない?」

ブラット「だから焦っているんだよ!」

702: 矢橋P 24/06/17(月) 21:50:17 ID:HQUK

\ゴロゴロピッシャーン/




百合子「ひぃぃ、これも春香さんの能力ですか」

杏奈「でも落ちてきてる雷全部あのロボットに当たってるよ。おかげであのロボットも困ってるみたい」

海美「それに風も収まってきた」

昴「みんな、今のうちに路地へ逃げよう」





ギャスビゴー星人「クソッ、アイツラドコへ消エタ」
 

703: 矢橋P 24/06/18(火) 18:27:00 ID:RuKG




恵美「何とかみんな隠れる事が出来たけど」

琴葉「表にはまだハタ人間にされた人達がいる。早く何とかしないと」



<ピーー ガガガ……

<千早、響、伊織、真、真美

<応答してください

704: 矢橋P 24/06/18(火) 18:29:55 ID:RuKG
恵美「無線の音!?いったいどこから……」

亜利沙「そこです」ピクピク



?麗花「あ……」<ガガガ

?麗花「本土に行った時ASの誰かに渡してくれって言われてたの忘れてました~」っ無線機

伊織「それを早く言いなさいよ!」

恵美(あれ?でも無線等のたぐいはこの島じゃ使えないはずだけど)

705: 矢橋P 24/06/18(火) 18:34:14 ID:RuKG

千早「こちらAS、救出作戦のリーダー如月千早です」

<千早ちゃん、無事だったんだね!

<他のみんなは!

千早「春香、今任務中だし他の人達も聞いているのよ?」
 

706: 矢橋P 24/06/18(火) 18:37:15 ID:RuKG
<……

<ゴホン。如月隊員、状況を説明せよ

千早「ASの隊員五名全員無事です」

<そうか。私の能力でパライソタウンを覆っていた怪しい霧は風で全て吹き飛した

ブラッド「無茶苦茶だ……」


<それにつき通信機能は回復したと思われる

<更に人工衛星やドローンによる映像解析も可能となった。順次、島の状況もこちらで把握出来るであろう

千早「春香。私情が出ないのなら喋り方は普段通りでいいのよ」

707: 矢橋P 24/06/18(火) 18:39:28 ID:RuKG

<千早ちゃんにはかなわないなぁ

<箱崎星梨花ちゃんがね。強く訴えてくれたから私達もようやく出動出来たの

千早「箱崎さん……」
 

708: 矢橋P 24/06/18(火) 18:41:23 ID:RuKG
千早「春香、島の中央に巨大なロボット兵器が出現したの。把握出来てるかしら」

<それについてはこちらも把握してるよ

<今政府でも対応を協議中

<でも……、もしかしたら戦闘機等で爆撃するかもって。元々パライソタウン自体この状況が続くなら宇宙人ごと島を爆破するつもりで用意していたみたい

709: 矢橋P 24/06/18(火) 18:43:20 ID:RuKG
千早「それは駄目!町にはまだハタの支配から解いたばかりの行動出来ない人達が1万人以上居るのよ」

<私もそう思う


伊織「政府が動く前に私達で何とかするしかないわね……」

響「いっつも肝心な時に政府は当てにならないぞ」

710: 矢橋P 24/06/18(火) 18:46:07 ID:RuKG
ヘルガ「その話しなら……手が無いわけでは無いぞ」

千早「本当ですか」

ヘルガ「このアンテナをあのロボットに付けることが出来れば壊さずとも無力化出来る」

ヘルガ「あのロボットも乗車しないで遠隔操作するタイプだろう。奴らは決してリスクを負うことはしないからな」

琴葉「そういうタイプなら遠隔操作を受けるアンテナがあのロボットにもあるってことですね」

ヘルガ「そうだ。そのアンテナをこのアンテナにすげ替えればいい」

711: 矢橋P 24/06/18(火) 18:48:23 ID:RuKG
?麗花「アンテナに近づくなら私に任せて」ピョーンピョーン

ヘルガ「麗花と一緒に付いてアンテナを設置する作業をするのは……瑞希、君が適任だと思うが」

瑞希「手先の器用さなら負けません。引き受けました」

百合子「なんだか光明が差してきました」

712: 矢橋P 24/06/18(火) 18:51:36 ID:RuKG
千早「しかしいくら北上さんでもあのロボットに近づくのは容易ではないかと」

?麗花「うーん、流石にあの巨体で振り払われたら痛たた……じゃ済みそうにないですね」


真美「それなら……はるるん!あずさお姉ちゃんのテレポートで亜美をこの島に連れてこれる?」

<一人くらいなら出来るけど

伊織「あんたまさか……フルパワー出すつもりなの」

真美「今はそれしかないしょ?真美の全力久しぶりに見せちゃうよ」

713: 矢橋P 24/06/18(火) 18:56:15 ID:RuKG

<あっ、ちょっと!亜美ー

<話は聞いたよん。真美久しぶり~

<べ、別に心配だったわけじゃないよ!もー、ゆきぴょんもやよいっちもからかわないでよー

<それで、亜美の力が必要みたいだね

<あずさお姉ちゃんもいいってさ。いおりんお願いね~

714: 矢橋P 24/06/18(火) 18:59:51 ID:RuKG
千早「春香隊長の意見は」

<あーもういいですよ、許可します。でも後で律子さんにしぼってもらおうかな

<わ-それはかんにんしてー


灰原「ぐだぐだだな」

響「自分たちはいつもこんなだぞ」

715: 矢橋P 24/06/18(火) 19:00:24 ID:RuKG
伊織「まったく……」ピカー

琴葉「空に向かって光を……。合図ですか」

伊織「そう。こうして位置を伝えておけば……」

ピュン

あずさ「みんなお待たせ」

亜美「うげー。やっぱ慣れない……」ゲソー

伊織「ってわけなのよ」

琴葉「…………」唖然

716: 矢橋P 24/06/18(火) 19:03:47 ID:RuKG

あずさ「一日に何度も使えないんですけどね。慣れないうちは亜美ちゃんみたいに酔ってしまいますし」

真美「何してんの亜美。時間無いんだからさっさと始めるよ」

亜美「うあうあ~。真美がしばらく会わないうちにストマックになったよ~」

恵美(ストイックね。それにしても本当に双子だったんだ)
 

717: 矢橋P 24/06/18(火) 19:17:01 ID:RuKG

琴葉「私達にも出来ることはないですか」

ヘルガ「君達は十分に頑張ってくれた」

千早「後は私達ASと……」

瑞希「お姉さん達に任せてください」
 

718: 矢橋P 24/06/18(火) 19:58:53 ID:RuKG


あずさ「私が二人を連れて上空までワープさせます。ただロボットに衝突するリスクがありますのであまり近くはワープ出来ません。私は自力で帰還出来るのでワープしたら上空で乗り捨ててください。酔いは覚悟してくださいね」

?麗花「大丈夫だよ」

瑞希「少しどきどきします。……緊張と興奮で」

千早「亜美に真美。あまり無理しては駄目よ」

亜美「亜美達が全力出せる時なんてめったにないかんね」

真美「存分に暴れちゃうよ!」

ヘルガ「作戦開始だ」
 

719: 矢橋P 24/06/18(火) 20:03:16 ID:RuKG

※ギャスビゴー星人はガンダーロボに付いてるカメラからの映像を見ながら操作してます


ギャスビゴー星人「先程アソコラ辺に光ガ見エタ、ヤツラハソコカ」

ビル<ゴゴゴ

ギャスビゴー星人「ン?ビルガ勝手ニ……動イタダト!?」

720: 矢橋P 24/06/18(火) 20:07:32 ID:RuKG

ズズン

ギャスビゴー星人「ビルが体当たりシテクルトハ……」

ギャスビゴー星人「ダガソノ程度デ壊れルガンダーロボデハナイ」

ビル<ゴゴゴ

ビル<ゴゴゴ

ビル<ゴゴゴ

ギャスビゴー星人「ナンダナンダ?ドウナッテイル!」

721: 矢橋P 24/06/18(火) 20:15:37 ID:RuKG


亜美「よーしもう一丁!」

真美「まだまだ!」

百合子「あわわ……」

ブラット「すげぇ、ビルがピンボールみたいに……」

伊織「あまりやり過ぎると被害が大きくなるのよ。少し加減しなさい」

722: 矢橋P 24/06/18(火) 20:19:53 ID:RuKG
瑞希「陽動としては十分ですね。北上さんそろそろ行きましょうか」

?麗花「うん。二人で空中散歩だね」

あずさ「二人しっかり気を持ってくださいね」


 

723: 矢橋P 24/06/18(火) 20:22:15 ID:RuKG
ピュン


瑞希「っ、確かに効きますね」

?麗花「瑞希ちゃん。今は我慢だよ」

あずさ「後は頼みました」ピュン

?麗花「すっごい眺めだね」ピョーンピョーン

724: 矢橋P 24/06/18(火) 20:35:33 ID:RuKG
瑞希「ところで北上さん」

?麗花「なーに?」ピョーンピョーン

瑞希「ハタ付けたままなんですね。研究所でハタを外せたはずですが」

?麗花「始めはダサいって思ってたけどなんだか可愛くなってきちゃって」ピョーンピョーン

瑞希「……私もハタを付けた姿が北上さんらしいって思えるようになってしまいました」

?麗花「でしょ?……ってそろそろ着くよ」ピョーンピョーン
 

725: 矢橋P 24/06/18(火) 20:38:58 ID:RuKG
ギャスビゴー星人「ヤツラハ!ヤツラハドコダ!」

ギャスビゴー星人2「ガンダーロボに備えテアルカメラだけデハ視界ニ限界ガアル」

ギャスビゴー星人3「高度ナ熱源レーダーデモ付けレバ良かっタカ」

ギャスビゴー星人2「ソレナラ我らが母艦ヲ浮上サセヨウ。母艦ニハ高度ナレーダーやセンサーガ搭載サレテイルシ爆撃モ出来ル」

ギャスビゴー星人「ソウダナ。コノ島ヲ我らが前線基地ニシヨウト思ってイタガソロソロ潮時ダ。引っ越シノツイデニ派手ニ爆破シテヤロウジャナイカ」
 

726: 矢橋P 24/06/18(火) 20:44:10 ID:RuKG
真美「もう限界しょ……」

亜美「一回ストップだね真美」

ブラット「かなり派手にやったな。この島が大分平らになったぜ」



\ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ/


恵美「また地鳴りが……」

727: 矢橋P 24/06/18(火) 20:46:55 ID:RuKG
ミョンミョンミョンミョン



ヘルガ「あれは……」

ロコ「ギガントなUFOです」

千早「あんな物がこの島の地下にあったなんて……」

灰原「あれが奴らの母艦か」

728: 矢橋P 24/06/18(火) 20:59:48 ID:RuKG
ギャスビゴー星人「サーテ、ヤツラノ位置ハ……」

ガンダーロボ「…………」

ガシッ

ギャスビゴー星人2「オイ、ガンダーロボヲ勝手ニ動カスナ」

ギャスビゴー星人「イヤ、コレハ私ノ操縦デハナイ」

ギャスビゴー星人「トイウカサッキカラ動カナインダガ……」

729: 矢橋P 24/06/18(火) 21:01:53 ID:RuKG
ガンダーロボ「…………」パンチ

\ボコッ/

ギャスビゴー星人3「ナゼガンダーロボガコチラヲ攻撃スル!」

ギャスビゴー星人2「マサカヤツラノ支配化ニ!?」
 

730: 矢橋P 24/06/18(火) 21:19:17 ID:RuKG


瑞希「うまくいったみたいですね」フゥ

カンタ「やった!」

昴「いけーーーー」

のり子「いいぞ、やれーーー」

環「ゴーゴーガンダー!」

731: 矢橋P 24/06/18(火) 21:22:35 ID:RuKG

ギャスビゴー星人2「マズイ、離脱シナクテハ……」

ヘルガ「させると思うか」ゴニョゴニョ

\ドゴン/

ギャスビゴー星人3「ウギャーァ」


ヘルガ「この島を傷つけたくはないのでな。幸い太平洋がすぐ傍だ」ゴニョゴニョ


ギャスビゴー星人「ヤメローーーー」

ヘルガ「海の底に沈めてやる」ゴニョゴニョ

732: 矢橋P 24/06/18(火) 21:34:23 ID:RuKG

ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………ン





恵美「そこまでしなくても……」


<あーどうしようこれ……

響「……派手にやり過ぎだぞ」

千早「そっちも政府やマスコミの対応で忙しくなりそうね」

<他人事みたいに言わないでよーー
 

733: 矢橋P 24/06/18(火) 21:38:32 ID:RuKG
琴葉「でもこれで宇宙人の脅威は終わったんですよね?」

ヘルガ「まあ残党はいるかもしれないがな。さて……」

ヘルガ「お別れだ」


千早「ヘルガさん……」

ヘルガ「思いがけずこのような超兵器が手に入った。これを持って防衛局は解散し私と灰原とブラッドは残りのサイボーグを集め”サイボーグ同盟”を新たに結成する」

ヘルガ「どこの政府にも属さない組織だ。思い切って世界征服でも狙ってみるかな」

伊織「あんた……」ギリッ

734: 矢橋P 24/06/18(火) 21:43:48 ID:RuKG
瑞希「ヘルガさん。その思惑は何ですか?」

ヘルガ「……まあ息巻いてみたが最大の理由は我々の処遇だな」

ヘルガ「事件は解決したがこの島で生み出されたサイボーグは日本政府の闇。一部とはいえ明るみに出てしまった以上どのような処分になるかわからない」

ヘルガ「この島の上層部も再編成を迫られるだろう。サイボーグではないが防衛局の私もどうなるかわからない。……曽根村ももう居ないしな」

ヘルガ「君達みたいに我々はもう元には戻れないのだよ」

恵美「…………」

735: 矢橋P 24/06/18(火) 22:11:36 ID:RuKG
ヘルガ「出来れば瑞希、君も加わって欲しい」

瑞希「ヘルガさん。今回の決戦はおそらく人類史上でも超能力者とサイボーグが共闘した初めてのケースだと思うのです」

瑞希「でも超能力者もサイボーグも手を取り合えた」

千早「私からも政府に説得します。考え直してくれないかしら」

736: 矢橋P 24/06/18(火) 22:28:20 ID:RuKG
ヘルガ「……そこのガンダーロボ。今の人類ではオーバーテクノロジーだ。これについてはどうする?」

ヘルガ「このままいけば日本政府が所有することになるだろう。だが国内外問わず争いの種にしかならないぞ」

ヘルガ「それなら我々で預からせてもらう。今の状況ではそれがいいんだ」

恵美「さっきUFOを無理やり海に沈めてたのもそういうこと?」

ヘルガ「そうだ。あれも例えスクラップでも人類の手に渡らせる物ではないだろう」

737: 矢橋P 24/06/18(火) 22:32:37 ID:RuKG
昴「前にオレと話してた時に語ったあんたの野望もあるんじゃないのか?」

ヘルガ「フッ、察しがいいな。それも無くはない」

ヘルガ「だがまあ今はそんな気分じゃない」

ヘルガ(君にも来て欲しかったが……聞くまでもないか)

ヘルガ「しばらくは傭兵みたいなことをしようと思っている。まあお前達の頼みなら手を貸してやる。何かあったら呼べ」

灰原「……さらばだ」

738: 矢橋P 24/06/18(火) 22:36:24 ID:RuKG



環「おじさん行っちゃった……」

琴葉「のはいいけど……後始末手伝ってくれないのね」

杏奈「あんなこと言っても後始末が嫌で逃げ出したんじゃ……」

恵美「あはは、そうかもね」

昴「疲れたー。あの超能力すっげー疲れるんだ。オレもうダメかも」

海美「あーすばるんもサボろうとしてる~」

紗代子「千早さんは?」

亜利沙「無線機でせわしなくやりとりしてます。あれは大変そうですよ」

百合子「結局ハタ人間から解放された人達の世話は私達でやるんですね……」ハァ

恵美「んーそれじゃアタシはエレナの様子を見に行こうかな」

琴葉「そうね恵美」

環「たまきはりおに会いたいぞ~」

カンタ「ぼくもお母ちゃんとお父ちゃんに会いに行こー」



これでやっと……

739: 矢橋P 24/06/19(水) 09:05:39 ID:G0Dw


そうしてアタシの冒険は終わった
奇妙で過激な夏休みになっちゃって……
いやちょっと夏休みをオーバーしちゃって両親にこっぴどく叱られたんだけど。嘘ついたこともばれたし

740: 矢橋P 24/06/19(水) 09:07:48 ID:G0Dw
あの後も収拾が大変だったんだけど瑞希さんやASの方が尽力して何とかなった
琴葉やエレナを含めた消息不明になった人々が一挙に戻ってきた時は日本中が大騒ぎだったけど日本政府もあまり表沙汰に出さない方針にしたらしく政府の働きもあってかアタシ達の活躍は闇の中に。
ネットで微かに解放に活躍したグループがあるって都市伝説になったくらいかな

741: 矢橋P 24/06/19(水) 09:09:38 ID:G0Dw



それから2ヶ月後
アタシは今……みんなと星を見に来てる

騒動がやや落ち着いた先々週ぐらいに連絡が来て
あの時のみんなで集まることになったらしい
何でもあの事件のさなかで決まってたことらしい
 

742: 矢橋P 24/06/19(水) 09:12:05 ID:G0Dw

10月20日 19:00 とある丘



昴「おせーぞ恵美。琴葉やエレナはもう来てるぜ」

恵美「ごめんごめん。あれから外出の許可取るのが難しくなっちゃって両親の説得に時間かかってさ」

743: 矢橋P 24/06/19(水) 09:14:52 ID:G0Dw
エレナ「メグミ~、あまりにワタシと琴葉を待たせるとまたハタ人間になっちゃうヨ?」

琴葉「エレナ、冗談でも言っちゃ駄目よ。恵美が青ざめてるじゃない」

エレナ「わわっ、ごめんメグミ」

琴葉「もう。今は一緒の学校通っているんだよ?あんなことは起きないから」

744: 矢橋P 24/06/19(水) 09:17:00 ID:G0Dw
恵美(そう、今パライソタウンの小中高大全ての学校は休校している)

恵美(事故処理等もあって再開にはまだ時間がかかる)

恵美(それで生徒には残留するか特別に無償で他の学校に転校するか迫られたらしい)

恵美(琴葉は転校することを選んだ。卒業を控えた状態で停滞するのを避けるためと)

恵美(アタシとエレナと同じ学校に通うためだ。あれからエレナはアタシ達から離れることをひどく恐れるようになった)

恵美(それで少しでも傍にいれるようにとのことらしい)

745: 矢橋P 24/06/19(水) 09:19:07 ID:G0Dw


星梨花「恵美さんも来ましたし後は瑞希さんが来れば全員揃うんですけどやっぱり忙しいんでしょうか」

昴「オレ達は学校無くて暇だからなー」

海美「部活も無くて毎日キャッチボールしてるね」

ロコ「ロコもアート三昧です」

杏奈「……杏奈も百合子さんとゲーム三昧」

百合子「うう……みんなごめんね。私のために」

昴「いいって、オレ達が転校したら百合子が独りぼっちになっちゃうだろ?」

746: 矢橋P 24/06/19(水) 09:21:01 ID:G0Dw
昴(オレ達はパライソ中学校に残ることにした。別に学校に恨みやトラウマがあるわけじゃないし)

昴(転校したら島で暮らしている百合子や杏奈と別れちまうからな)

昴(瑞希は相変わらず島でエージェントを続けているらしくてたまに島の裏側の情報を伝えてくれる)

昴(瑞希の情報によれば数あるパライソ秘密研究所も閉鎖されるみたいだ。まあ第一研究所と第二研究所は元々宇宙人によって破壊されてたらしいけど)

747: 矢橋P 24/06/19(水) 09:24:37 ID:G0Dw

瑞希「皆さんお待たせしました」

のり子「やーっと来た!久しぶりだね」

可憐「それじゃ始めますよ……」

紗代子「そうだね」

のり子(瑞希、ところでさ。昴のこと大丈夫なの)ヒソヒソ

瑞希(永吉さんのサイボーグ化は非公式で行われましたから我々と絵垣さんが黙っていれば問題無いと思います)ヒソヒソ

748: 矢橋P 24/06/19(水) 09:26:17 ID:G0Dw
?麗花「それじゃ私はテント作っているからねー」

紗代子「私も手伝います」

亜利沙「亜利沙がこんな陽キャラみたいなことしていいんでしょうか」パシャパシャ


 

749: 矢橋P 24/06/19(水) 09:28:12 ID:G0Dw




環「それでね……あ、めぐみ~」ダダダッ

カンタ「恵美お姉ちゃん」

恵美「うわっ、環も久しぶりだね」

環「会えてうれしいぞ~」ギュー

750: 矢橋P 24/06/19(水) 09:33:40 ID:G0Dw
カンタ「響お姉ちゃんや伊織お姉ちゃんや真美お姉ちゃんは来れないみたいだけど……」

恵美「仕方ないよ。あれから大変そうだもん」

莉緒「あら、私はいるわよ」

恵美「えっ、莉緒さん居たの!?」

莉緒「こっそり会いに来ちゃった」ギュー

環「りおー」ギュー

751: 矢橋P 24/06/19(水) 09:36:37 ID:G0Dw
莉緒「スパイは休業中でね……というかクライアントからの任務達成出来なかったからね」

莉緒「クライアントに謝るのもめんどくさいから百瀬莉緒はパライソタウンで消息不明……ってことにしたわ」

恵美「……そうなんだ」

莉緒「……暇だったしサイボーグ同盟のその後どうしているか調べてみたけど今はとある南国の島に拠点を置いてるみたいよ。まあ表舞台に出るのはまだ先のことでしょうね」

752: 矢橋P 24/06/19(水) 09:40:06 ID:G0Dw
恵美「そっか……」

恵美「……なんだかすっごく大変だったけど色んな人に知り合えたなー」

琴葉「スパイに特殊チームにサイボーグと何でもありだものね」

環「たまきもめぐみやカンタや莉緒に会えてよかったぞ」

恵美「感謝しなきゃだね」

エレナ「宇宙人ニ?」

恵美「違うよ、運命にさ」

恵美「怪奇ハタ人間!」     


         -完-

  

753: 矢橋P 24/06/19(水) 09:45:01 ID:G0Dw
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天海春香   ASのリーダー

ASの隊長で表では日本最強の能力者
彼女の能力天候操作(ウェザー・コントロール)は規模も広大でコントロールも抜群
持続性が弱いのが玉に瑕なぐらいである
ちなみに島が無人だった場合、ガンダーは氷点下50度の環境にして氷付けにしたあと
竜巻と雷で破壊するつもりだったらしい
普段はESPジャマー(超能力を抑える機械)を身につけており政府の許可がない限り超能力を使用するのが禁じられている
ASのリーダーとしては悪戦苦闘中
千早や律子の助けを借りてみんなをまとめている

754: 矢橋P 24/06/19(水) 09:50:59 ID:G0Dw
双海亜美   もう一人のAS見習い

テレキネシス双海姉妹のせくしー……ではなく力担当。真美は技
彼女のテレキネシスはパワーが強いが複数の物を動かせず、ごく至近距離の物しか対象出来ない
しかし二人が揃ってシンクロすれば可動範囲は広がり倍増どころでない程のパワーも発揮出来る
それゆえに他のASは二人が軽はずみに力を使わないよう目を光らせている
あまりやり過ぎると彼女らもESPジャマーを常に付けて生活しなければならないのだから……

755: 矢橋P 24/06/19(水) 10:27:07 ID:G0Dw
三浦あずさ   最年長で癒し系のAS隊員

ASでは最年長。最近本気で運命の人を探している
彼女の能力はテレポーテーション
発動条件はなくすごく便利なのだが酔いを伴うのと正確な位置把握が求められる
とてもじゃないが戦闘では使えず主に移動に用いられる
本編では省かれているが伊織の合図だけでなく人工衛星等から得られた情報を活用し
位置を正確に把握して初めて島に移動出来た
彼女のおおらかな性格が酔いの克服と安定した運用を可能にしている

756: 矢橋P 24/06/19(水) 10:32:43 ID:G0Dw
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マゼンタ        怪人

本名はコウシ・マカイヴァ
灰原と同期でサイボーグになった生い立ちも同じ
だが強さのためなら手段は問わないところが義は通す灰原との最大の違いで
宇宙人と遭遇した時に人類を見限り宇宙人側に付いた
宇宙人に肉体改造を受けた際、宇宙人側に意図的に精神を歪められてしまった
結果強さへの貪欲さはそのままで、強さが全てで弱い者は虐げて当然という残忍で傲慢な性格になって
自分より弱くなった宇宙人を見下すようになったのは宇宙人にとっても予想外のことであった
超能力者という別の職種のルチアと意気投合出来たのは双方とも実験によって精神が歪んだ者同士だったためである

757: 矢橋P 24/06/19(水) 15:43:00 ID:6LZZ
後書き

長々と投下していましたが、怪奇ハタ人間シリーズはこれで終わりになります
投下し終わるまで20日かかりましたが本編は書き上げるまでに半年かかりました
4回ほど行き詰まりそのうち1回は逃亡しようとも考えましたが何とか完結までいけました
元々創作活動をする人間ではなかったのでミリオンSSどころかネットに上げる事さえ初めての試みで今見直すと拙いところもあります
正直この作品で創作は最初で最後のつもりで書いて自分の持てる知識とネタを全て詰め込んだつもりですがそれで何とか人様に見せれる者にはなったと思います

最後に…… すばるん、めぐみぃお疲れ様
君達を主人公抜擢して色々と背負わせたりしてしまったけどごめんね

一応続編をあるんですが……あれは完結するかな?
それではまた別の作品で

引用元: 恵美「怪奇ハタ人間!」