朋「何だかプロデューサーに子供扱いされてる気がするのよ」

白菊ほたる「はぁ……」

朋「あたしを見る目がやたら慈愛に満ちてたり、すぐ頭なでてきたり！」

道明寺歌鈴「そ、そうにゃんだ……」

朋「あたしもうすぐ19歳よ？おかしくない!?」

依田芳乃「当然としか思えませぬー」

朋「というわけで、プロデューサーにあたしを大人だと思わせる方法を考えるわよ！」

鷹富士茄子「大人は朝2時にこんなことでユニット仲間を集めないと思いますよー？」

朋「そんなぁ!?」

芳乃「そもそも朋殿は大人っぽさよりもかわいらしさが魅力なのでしてー」

歌鈴「そうだよ、大人っぽい朋ちゃんなんて朋ちゃんじゃないって思うな」

ほたる「無理に路線変更しちゃうのは良くないのでは……」

朋「ぐぬぬ……」

朋「でもやっぱり子供扱いされたくない！あたしだって頼られたいの！何かいい方法考えてくれない？」

ほたる「すぅ……」ｽﾔｽﾔ

歌鈴「んにゃ……」ｽﾔｽﾔ

芳乃「そのおせんべいは……わたくしのでしてぇ……」ｽﾔｽﾔ

茄子「朋ちゃん……こんなにちっちゃくなっちゃったんですね……」ｽﾔｽﾔ

朋「」ｸﾞｽﾝ

朋「というわけで」

P「はぁ」

朋「プロデューサー、あたしを大人扱いしなさい！」ｽﾞﾋﾞｼｯ

P「直球」

P「そもそもさぁ、どう大人っぽく扱われたいんや」

朋「それは……」

P「大人っぽくなりたいってのは分からんじゃないけど、大人っぽさにも色々あるやろ。頼られるお姉さん系とか、奏みたいなお色気小悪魔系とか」

P「それが分かってからでもええんちゃうか？知らんけど」

朋「また『知らんけど』使ってる……適当に言ってるでしょ」

P「『知らんけど』＝適当な発言では無いよ？」

朋「ふーんだ。次使ったら琵琶湖の水止めてやるからね」

P「うちの実家琵琶湖の水使ってへんから関係ないんやけどなー」

朋「じゃあ琵琶湖の水使うエリアに住みなさい」

P「無茶振りが過ぎる」

※朋はレッスンに行きました

P(誕生日の午後にあいつの予定が空いてることは把握してる、そのタイミングでディナーの予約も入れたしプレゼントも用意した、これで大丈夫やろ)

P(でも『大人扱い』か……あいつにはお色気の方は似合わんし、姉の方がよさそうやな。そうなると妹は誰やろ？)

P「……せや、あいつらに妹になってもらおか」

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ…

ーそして当日ー

朋「おはようございまー…あ、ほたるちゃん！」

ほたる「あ、誕生日おめでとうございます朋お姉ちゃん！」

朋「！？」

朋(おおおおお落ち着けあたし、これはきっと聞き間違いよいくら誕生日だからってほたるちゃんが妹になるわけないじゃない)

ほたる「？」ｷｮﾄﾝ

朋「ほ、ほたるちゃん……いつもあたしのこと『お姉ちゃん』なんて呼ばないのに急にどうしたの？」

ほたる「お姉ちゃんに甘えちゃったら……だめですか？」ｼｭﾝ

朋「答えてはくれないのねそしてかわいすぎるもう無理」ﾑｷﾞｭｰ

ほたる「えへへ……」ｽﾘｽﾘ

ほたる「すぅ……」

朋「寝ちゃったわね……」

朋(膝枕しちゃってるけど……不可抗力だし、別にいいわよね？)ﾖｼﾖｼ

ｶﾞﾁｬ

芳乃「おはようございますー」

朋「芳乃ちゃん、おはよう」

芳乃「お誕生日おめでとうございますねね様―、ところでほたるちゃんに何をしているのでしてー？」

朋「芳乃ちゃんも?」

朋「芳乃ちゃん、ほたるちゃんが寝てるからボリューム抑えてくれる？」

芳乃「わかったのでしてー」

朋「それにしてもほたるちゃん、こんなに幸せそうな顔しちゃって……」ﾑﾆﾑﾆ

ほたる「ほたっ」

朋「ちゃんと幸せそうじゃない、いつも『不幸なんです……』って嘆いてるのに」ﾖｼﾖｼ

芳乃「」ﾌﾟｸｰｯ

朋「……芳乃ちゃん？」

芳乃「……でしてー」

朋「え？」

芳乃「ねね様はー、わたくしのことももっと甘やかしたりするべきなのでしてー！」

朋「流れ変わったわね」

芳乃「ほたる殿ばかりはずるいのでしてー！」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

朋「こらこら暴れないのプロヂューサーの机とか椅子とかソファーとかありすちゃんとか吹っ飛んでるから」ﾀﾁﾊﾞﾅﾃﾞｽｰｯ!?

芳乃「ずーるーいーのーでーしーてー！」

朋「うわ言うこと聞くまで止まらないやつだこれ。じゃあ芳乃ちゃんもここで寝る？」

芳乃「でしてーっ！」ﾋﾟｭｰｰﾝ

朋「うわぁすごいスピード。芳乃ちゃんってこんな早く動けたのね……」

芳乃「でしてぇ……」ｽﾔｧ

朋「寝るのも早い！」

※二時間後

朋「二人ともほんと気持ちよさそうに寝てたわねー」

ｽﾃｰﾝ! ｷｬｧｧｧｧｧ!!

朋「あ、この声は…」

歌鈴「あうぅ……」

朋「歌鈴ちゃん！大丈夫？」

歌鈴「お゛ね゛え゛ち゛ゃ゛ん゛～！」ﾀﾞｷﾂｷｯ

朋「歌鈴ちゃん!?」ﾖｼﾖｼ

歌鈴「またバナナでこけちゃいました～！」

朋(そんなに泣くことかしらそれ)

歌鈴「今日だけで11回もなんです～！」

朋「そもそもなんでそんなにバナナの皮が床に落ちてるのよ」

歌鈴「はうぅ……痛いでしっ……」ｸﾞｽﾝ

朋「そんなにこけてたら流石に痛そうね、大丈夫？」

歌鈴「大丈夫でっ」ｽﾃｰﾝ!

朋「いやそうはならないでしょ……もうあたしが手でも引いた方がいいのかしらこれ」

歌鈴「お姉ちゃん……」ｳﾙｳﾙ

朋「なぁに？」

歌鈴「手、引いてください……」ｸﾞｽﾝ

朋「ふふっ、仕方ないわね！」ﾆｺｰ

朋(もしかして誕生日だからかも知れないけど、みんなが頼ってくれてる)

朋(やっぱり頼られるのって嬉しいわね)

茄子「あら、朋ちゃん。ちょうどいいところに」

朋「茄子さんは普通なのね」

茄子「？」

朋「あー、こっちの話だから気にしないで。どうしたの？」

茄子「プロヂューサーさんが呼んでましたよ～」

朋「えっ、ほんと？ありがと！」

茄子「ふふっ、楽しんできてくださいね」

茄子「…お姉ちゃん♪」ﾆｺｯ

朋「」ｽﾞｷｭｩｩｩｩﾝ

P｢あ、やっと来た｣

朋「お待たせプロデューサー」

P「時間ぴったりに来てるしええよ。で、お姉ちゃん呼びはどうやった？」

朋「……やっぱりPの差し金だったのね」

P「大人っぽさを理解する一助になるかと思ったんや、それにミスフォのみんなも甘える機会があってええとも思ってたし」

P「だいたいみんな欲がなさすぎんねん、我慢はもっと年取ってからするもんやのに」

朋「欲がないのはPもでしょ」

P「年寄りやからええねん。で、妹できた気分はどうやった？」

朋「んー、甘えてくれるのはやっぱり嬉しかったわね。それに……」

P「それに？」

朋「さっき言ってたけどみんなしっかりしてて、たまーに無理してるように見えたこともあったから、年相応に甘えてくれて安心した」ﾆｺｯ

P「！」

P「……何や、ちゃんとお姉さんやないか」ﾎﾞｿｯ

朋「聞き取れなかったけど今プロデューサーがあたしのこと褒めた気がする！」

Ｐ「いや何でもないから」

朋「褒―めーたーでーしょー！」ｳﾃﾞﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

Ｐ「だーもう、そういうとこが子供っぽいって言われるんやぞ！」

朋「あーっ、また子ども扱いしたわね！」

ｷﾞｬｰｷﾞｬｰ

Ｐ「せっかくええ雰囲気やったのに……」

朋「あんたが子ども扱いしらのが悪いのよ」

Ｐ「あんなぁ……。てか時間やばいし行くで、せっかく小洒落て大人っぽい感じのところでディナーするんやから遅れたくないやろ」

朋「ま、それもそうね。どんな感じなの？」

Ｐ「そら着いてからのお楽しみよ……あ、忘れてた」

朋「なによ、予約忘れてたとかだったら暴れるわよ？」

Ｐ「朋、誕生日おめでとう。これからまた一年、よろしくな」

朋「ありがと、あたしもプロデューサーに今よりももっともっと成長したところ見せてあげるんだから！」

というわけでふじとも誕生日記念SSです。ふじともは彼女でも幼馴染でも妹でも姉でもあってほしい。
それではまた～