1: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:38:21.448 ID:VdS4H9Id0.net
ーガヴリールの家ー

ジワジワ

ガヴリール「……う、うぅん」

ジワジワジワ

ガヴリール「……くっ。あ~……暑い……」

ジワジワジワジワ

ガヴリール「だぁ~! エアコン仕事しろよっ!!」ガバッ

シーン……

ガヴリール「止まってる!? 嘘だろ!? おい!」

ピッ ウイーン

ガヴリール「よかった、壊れてなかった。そうか、タイマーつけてたんだっけ……」

スマホ ポチッ

ガヴリール「夜中の3時かよ……。中途半端な時間に起きちゃったな……」

2: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:40:17.647 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「喉乾いたな……」

ガチャ

クイッ

コポコポコポ……

ゴキュッ ゴキュッ ゴキュッ

ガヴリール「ぷはぁ~、生き返った~」

ウイーン

ガヴリール「部屋が冷えるまでまだかかりそうだな……」

ドサッ

ガヴリール「はぁ、なんだか目が覚めちゃった……」

4: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:41:08.437 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「今からネトゲ……は気分が乗らないな」

ガヴリール「暇だな……」

ガヴリール「朝までどうしよう……」

シーン……

ガヴリール「……」

ガヴリール「誰か起きてないかな……」

ガヴリール「電話してみようかな……」

ガヴリール「ヴィーネ……は寝てるだろうな」

ガヴリール「悪魔のくせに規則正しい生活しやがって……」

ガヴリール「……まぁ、そういう真面目なところが好きなんだけどな……」

5: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:42:00.895 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「ラフィは起きてるかもしれないな」

ガヴリール「あいつ、なんか夜な夜な怪しいことしてそうだし……」

ガヴリール「天界にいた頃は真面目な優等生だったのにな」

ガヴリール「下界に来てからなんか妙に生き生きしちゃって」

ガヴリール「あいつも変わったなぁ」

ガヴリール「まぁ、お前が言うなって話だけど」ニシシ

6: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:42:51.994 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「タプリスは下界の暮らしには慣れたかな」

ガヴリール「あんまりあいつの私生活のこと知らないなぁ」

ガヴリール「天使学校では結構優秀ぽかったけど」

ガヴリール「警戒心が強すぎて周りの人たちと交流できてるのかな」

ガヴリール「たまには先輩らしく後輩の相談とか乗ったほうがいいのかな?」

ガヴリール「やっぱ面倒くさいな。そういうのはヴィーネとラフィに任せよう」

8: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:44:11.405 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「残るはサターニャか」

ガヴリール「別にあいつと話すことなんか無いけど」

ガヴリール「あいつなら寝てるところを起こしてもいいだろう」

プルルルルル

プルルルルル

ガヴリール「やっぱ寝てるのか……」

プルル ピッ

サターニャ『ふぁい? もしもし……?』

ガヴリール「……」

10: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:45:02.604 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール(ホントに出ちゃった……えと、どうしよう……)

サターニャ『もしもし? ガヴリール? どうしたのよこんな遅くに……』

ガヴリール「あ~、えぇと、寝てた?」

サターニャ『そりゃそうよ……。ふぁ~、それで?』

ガヴリール「え?」

サターニャ『え? じゃないわよ。何か用があって電話してきたんでしょ?』

ガヴリール「あ、いや、特に用ってわけじゃないんだけど……」

ガヴリール(ノープランでかけたから話題が浮かばない……)

11: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:46:08.526 ID:VdS4H9Id0.net
サターニャ『何よそれ……。用がないなら切るわよ』

ガヴリール「あー、ちょっと待てよ」

ガヴリール(せっかくだから、ちょっとからかってやるか……)

ガヴリール「その、サターニャの声が聴きたくなってな……」

サターニャ『……』

ガヴリール「もしもし?」

ガヴリール(やばい、滑ったかな……)

サターニャ『……そう。それで?』

ガヴリール「は?」

サターニャ『は? じゃなくて。お喋りしたいんでしょう? 付き合ってあげるわよ』

12: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:47:52.247 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「え? こんな夜中に電話したのに怒らないのか?」

サターニャ『怒らないわよ別に。私は大悪魔ですもの』

ガヴリール「なんだそれ」クスッ

サターニャ『そっちからかけてきたんだから、何か喋りなさいよ』

ガヴリール「うーん……、最近どう?」

サターニャ『話下手ね』クスクス

ガヴリール「う、うるさいな……」

サターニャ『そうね、最近というか、下界に来てからは毎日が楽しいわ』

ガヴリール「へぇ……」

サターニャ『あんたのおかげよガヴリール』

ガヴリール「ええっ!?」

13: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:48:59.506 ID:VdS4H9Id0.net
サターニャ『いつも私と勝負してくれるじゃない。毎日退屈せずにいられるのはあんたがいるからよ』

ガヴリール「私は半分迷惑なんだけど」

サターニャ『半分? じゃあ残りの半分は?』

ガヴリール「そりゃ、まあ……半分は楽しいかな……って何言わせるんだよ!」

サターニャ『ふふふ、素直になりなさいよガヴリール……』

ガヴリール(サターニャのやつ、なんか変だぞ?)

ガヴリール(いつもギャンギャンうるさいヤツなのに)

ガヴリール(今は妙に落ち着いた口調で。まるで別人だ)

14: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:50:30.294 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「なあ、サター……

サターニャ『ねぇ、ガヴリール。私と一つにならない?』

ガヴリール「はあ?」

サターニャ『駄目な天使じゃなく、ホントに堕天して私と一緒に世界を掌握しましょう』

ガヴリール「な、何言ってんだお前……」

サターニャ『あんたには才能がある。天使ではなく悪魔の素質がね』

ガヴリール「お前、おかしいぞ? 急にどうしちゃったんだよ? 寝ぼけてるのか?」


サターニャ『夜は……悪魔の時間よ?』


ガヴリール「!?」ゾクッ

16: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:53:48.543 ID:VdS4H9Id0.net
サターニャ『いいでしょ? ガヴリール~。あんたとなら何でもやれそうだわ~』

ガヴリール「冗談はよせ! もう電話切るぞ!?」


サターニャ『じゃあ いまから そっちに いくわ 』


ガヴリール「!?」ビクッ

サターニャ『夜の力を得た悪魔からは逃げられないわよ~?』

ガヴリール「や、やめろっ! 来るな!」

サターニャ『どうしたのガヴリール? 声が震えているわよ……?』

ガヴリール「お前は、一体誰だ!?」

17: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:55:32.799 ID:VdS4H9Id0.net
サターニャ『くっくっく、我が名は胡桃沢=サタニキア=マクドウェル。地獄の支配……ん?』

ガヴリール「……?」

サターニャ『ぎゃあああああああああああああああ!』

ガヴリール「何だ!?」

サターニャ『ちょっとあんた!一体どっから入ってきたのよ!?』

ラフィエル『普通に窓からお邪魔しましたよ~』

サターニャ『それ立派な犯罪じゃない!』

ガヴリール(ラフィか!?)

18: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:56:36.626 ID:VdS4H9Id0.net
サターニャ『勝手に入ってこないでよ! とっとと帰りなさいよ!』

ラフィエル『まあまあ、そんなこと言わずに……あら? 読書されてたんですか?』

サターニャ『あっ、それは!』

ラフィエル『『完全悪魔マニュアル~これであなたも大悪魔!~』ですか?』

サターニャ『ああああああああああ!』

ラフィエル『このページに折り目が。ふむふむ、相手に優しく語り掛け、心を掴む。時にはハッタリも必要……』

サターニャ『わあああああああああ!』

ガヴリール「なるほど、そういうことだったのか……」

20: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:57:41.197 ID:VdS4H9Id0.net
ガヴリール「おい、ラフィ。聞こえるか?」

ラフィエル『あら? ガヴちゃんですか? 電話中でしたか』

ガヴリール「その本没収しろ。碌なことが書いてないからな」

ラフィエル『はい、分かりました♪ そういうことですサターニャさん』

サターニャ『ちょっと何でよ! 私が大悪魔になるのに必要なのよ!』

ガヴリール「私を実験台にしようとした罰だ。悔い改めろ」

サターニャ『くううううう、もう少しでガヴリールを篭絡できるところだったのに!』

ガヴリール「お前、明日覚えてろよ!」

21: ◆tc6/59leHM 2017/07/18(火) 22:58:48.844 ID:VdS4H9Id0.net
ー翌日 学校ー

ヴィーネ「それで三人とも眠そうなのね」

サターニャ「うう、授業中に寝ただけでめっちゃ怒られたわ……」

ガヴリール「自業自得だろ」

ラフィエル「さすがの私も眠りを堪えるのに必死でした」

サターニャ「もとはといえばガヴリールが夜中に電話かけてきたせいじゃない!」

ガヴリール「私が電話しなくても、どうせラフィに起こされてただろ」

ラフィエル「いえいえ、サターニャさんの寝顔を拝もうと思っていたので、起こすつもりはないですよ~」

サターニャ「やめなさいよ! あんた本当に天使なの!?」

ラフィエル「……そうですね。やはりご迷惑ですよね。分かりました、もうしません。今までごめんなさい……」

サターニャ「え? そう? 分かればいいのよ! 許してあげるわ! 大悪魔は心が広いのよ!」

ラフィエル「さすがサターニャさん!」


ラフィエル(うふふ、この本さえあれば……)

ガヴリールドロップアウト

『あくまでも参考程度に』

ー完ー

引用元: 【ガヴドロ】ガヴリール「くそっ、眠れない……」