さやか「まあ、そッスね･･･確かに･･･」

さやか「･･･」

さやか「スポーツキャスターは確実ですし･･･」

マミさん「･･･」

さやか「タレントとか俳優になっちゃう人もいますしね･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「でしょ？」

さやか「･･･」

さやか「ずるいッスよね･･･確かに･･･」

まどか「･･･」

まどか「･･･」オレンジジュースｽﾞｽﾞｰ

マミさん「私たちなんて･･･ああはなれない訳じゃない･･･」

さやか「･･･」

さやか「まあ･･･」

まどか「･･･」

マミさん「私たちは結局･･･魔女になるわけでしょ？」

さやか「･･･」

さやか「ッスね･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･ﾊｧ」

さやか「まあ、魔女は魔女で･･･けっこう楽しそうですけどね･･･」


マミさん「･･･」

マミさん「･･･何を根拠に･･･」

さやか「･･･」

さやか「あの･･･５番テーブル見て下さいよ」


マミさん「･･･？」ﾁﾗｯ

ワルプルギスの夜「デエ、ミミソギチョップシタラア、マジ、ミミソイジャッテエ･･･」


シャルロッテ「マジッスカ、マジヤバイッスネ」

ゲルトルート「･･･」コーラｽﾞｽﾞｰ

マミさん「･･･」

さやか「･･･ほら」

さやか「･･･けっこう楽しそうですけど･･･」

さやか「あの魔女たち･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「でもねえ」

さやか「･･･」

さやか「･･･なんスか」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･やっぱズルいわよ」

さやか「･･･」

さやか「･･･？」

マミさん「･･･」

マミさん「スポーツ選手･･･」

さやか「･･･」

さやか「またその話スか･･･」ﾊｧ

さやか「話、一周したじゃないスか･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」紅茶ｽﾞｽﾞｰ

マミさん「･･･ﾌｩ」

マミさん「･･･」ｶﾁｬﾝ

マミさん「まるで円環の理ね」どやっ

さやか「･･･」

さやか「えっ･･･？」

マミさん「･･･」

マミさん「何でもないわ･･･」

さやか「･･･そッスか」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･ﾊｧ」

マミさん「なにか無いかしら」

さやか「･･･」

さやか「何かって･･･？」

マミさん「･･･」

マミさん「疲れないスポーツよ･･･」

さやか「･･･」

さやか「あー･･･」

まどか「･･･」

まどか「ヨガ」

さやか「･･･」

まどか「･･･」

まどか「･･･」ｽﾞｽﾞｰ

さやか「競技になるの･･･？」

さやか「あれ･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「なるでしょ」
さやか「･･･」

マミさん「１日、どれだけ少ない呼吸で過ごせるか、とか･･･」

さやか「･･･あー」

マミさん「作る？」

さやか「･･･えっ？」

マミさん「･･･」

マミさん「新競技･･･」

さやか「･･･」

さやか「何すか･･･」

マミさん「･･･いや、ね」
マミさん「私たちがオリンピックとかで熱くなれないのはね？」

さやか「･･･」

マミさん「見てて疲れるの一言につきるからだと思うの」

さやか「･･･あー」

マミさん「だったらね？」

さやか「･･･」

マミさん「見てて疲れない競技があってもいいと思うの」

さやか「･･･なるほど」

マミさん「ようは、一生懸命レベルの低い競技よね･･･」


さやか「･･･」

マミさん「汗とか筋力とは無縁のね･･･」

さやか「･･･」

さやか「･･･うーん」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･あっ」

マミさん「ネバー・スリーパー・レース」

さやか「･･･」

さやか「は･･･？」

マミさん「･･･」

マミさん「これはね･･･とっても奥深いスポーツなのよ･･･」

さやか「･･･」

マミさん「どれだけ布団の上でゴロゴロ過ごせるか競うの」

さやか「･･･」

マミさん「しかも時間、無制限で」

さやか「･･･」

さやか「いやいや･･･」

さやか「そんなの誰だってできるじゃないスか･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「甘いわね美樹さん」

さやか「･･･」

さやか「え･･･？」

マミさん「それを一生懸命、まじめに頑張ってる魔法少女にやらせるのよ」

さやか「･･･」

マミさん「見たいじゃない･･･寝ながら漫画本片手にポテチ食べてる暁美さんとか･･･」

さやか「･･･」

さやか「あー･･･」

マミさん「ジェムとかみるみる濁っていくの」

さやか「･･･」

さやか「いいッスね～」
まどか「･･･」

さやか「でもそれじゃ、アタシらの道は開けなくないスか･･･？」

マミさん「･･･」

さやか「確かに有名になって楽したいスけど･･･」
マミさん「･･･」

さやか「アタシがその競技やったら･･･アタシのジェムが汚れる訳じゃないスか」

マミさん「･･･」

マミさん「じゃあ私たちは･･･指導する側でいきましょうよ」

さやか「･･･」

さやか「あーなるほど」
マミさん「私、監督ね」
さやか「じゃあアタシ、コーチ！」

さやか「･･･」

さやか「まどかは？」

まどか「･･･」

まどか「･･･」氷ｺﾄｯ

まどか「･･･」ストローｽｯ
まどか「･･･」ジュースﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

まどか「･･･」ジュースﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

まどか「･･･」ジュースﾎﾟﾀﾎﾟﾀ

まどか「･･･」

まどか「よし、できたっ」

さやか「･･･まどか？」

まどか「はい」氷ｽｯ

さやか「･･･え？」

マミさん「何？･･･これ」
まどか「･･･」

まどか「プチジュースです」

さやか「･･･」

まどか「おいしいですよ」

マミさん「･･･」

３人の夜は更けていく

深夜 ファミレス

マミさん「･･･連れ？」

さやか「･･･はい」

マミさん「･･･」

さやか「連れが歩くの遅いから、そっちいくのもう少し時間かかるって･･･メールでまどかが･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「ちょっと･･･何よそれ」

さやか「･･･」

マミさん「まさか私の知らない子、連れてくるんじゃないでしょうね･･･」
さやか「･･･」

さやか「･･･」

さやか「あっ、まど･･･」
さやか「！？」

マミさん「･･･」

マミさん「何よ･･･」ﾁﾗｯ

まどか「･･･」

ゆま「･･･」

マミさん・さやか「･･･」

マミさん・さやか「･･･」

マミさん・さやか「･･･誰？」


まどか「ゆまちゃん」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･親戚の･･･子？」

まどか「･･･」

まどか「ううん･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「！！！」

マミさん「まさか鹿目さんのっ･･･？」ｺｿｺｿ

さやか「いやっ･･･でも、まだ中学生だしっ･･･」ｺｿｺｿ

さやか「･･･」

さやか「･･･」

さやか「ですかね･･･？」
マミさん「･･･」

まどか「･･･」

まどか「まいごです」

マミさん「･･･」

マミさん「あっ･･･」

さやか「･･･ココの！？」
ゆま「･･･」首ﾌﾞﾝﾌﾞﾝ

さやか「･･･」

まどか「･･･駅前の･･･スーパーで･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」時計ﾁﾗｯ

時計「朝６時」

マミさん「･･･」

さやか「･･･」

まどか「･･･」

ゆま「･･･」

３人の夜は更けていく

深夜 ファミレス

まどか「･･･」頭ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

マミさん「･･･」

さやか「･･･」

まどか「･･･のに･･･って･･･」ﾌﾞﾂﾌﾞﾂ

マミさん「･･･」

さやか「･･･」

さやか「ど･･･どした？まどか？」

まどか「･･･」

まどか「何だかわかんないんだけどさ･･･」

さやか「･･･」

まどか「イライラするんだよね･･･さっきから･･･」

さやか「･･･」

マミさん「･･･」

まどか「･･･」頭ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

マミさん「コレじゃない？」

店のBGM「ﾀｰﾀｰﾀｰ･･ﾀｰﾀﾀｰﾀｰﾀｰﾀﾀｰﾀｰ」

さやか「･･･」

さやか「叛逆のやつだよね･･･これ･･･」

まどか「･･･チッ」

さやか「･･･」

さやか「そ･･･そんな嫌？」


マミさん「･･･ま、まあ映画も終わってしばらく経つし･･･」

マミさん「今さら流さなくてもいいわよねえ･･･」
まどか「･･･」

まどか「叛逆、叛逆ってさあ･･･」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

さやか「･･･」

まどか「テレビ版では概念になってまで皆を助けようと頑張ったのにさあ･･･」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

マミさん「･･･」

まどか「それなのに映画では、重要な主人公とかラスボスの座をぜんぶほむらちゃんに奪われちゃってたしさあ･･･」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

マミさん「･･･」

まどか「結局ただの被害者で終わるしさあ･･･」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

マミさん「･･･」

マミさん「か、鹿目さん･･･爪から血が･･･」

まどか「･･･」ｶﾞﾘｶﾞﾘｶﾞﾘ

まどか「新キャラも登場で完全にモブだよ私･･･」ﾊｧ

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」紅茶ｽﾞｽﾞｰ


マミさん「･･･ﾌｩ」

マミさん「･･･」ｶﾁｬﾝ

マミさん「まあ新キャラのベベってのは確かにちょっと･･･」

マミさん「急だったわよね･･･」

まどか「･･･」

さやか「でもアタシあの子結構すきかな･･･」

さやか「･･･」

さやか「なぎさちゃんだっけ･･･」

マミさん「あー私あの子苦手･･･」


マミさん「なんか見た瞬間、断末魔聞こえたもの･･･わたしの･･･」

まどか「･･･」

さやか「あの子ってやっぱり･･･マミさんしたキャラだから映画出れたんですかね･･･？」

マミさん「じゃないの？･･･ほらきっと･･･超カッコいい先輩キャラの私を倒した敵ってことで、人気もその分･･･」

まどか「･･･」机ダンッ

マミさん・さやか「っ」
まどか「･･･」

店のBGM「ふーれーたー･･･こーころーはーかーがーやーいたー」

まどか「･･･」

まどか「終わったと思ったらまた叛逆ソングだよ･･･」

マミさん「･･･」

まどか「しかも歌つき･･･」

さやか「･･･」

まどか「ターターターター、うっさいなあ･･･」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ


マミさん「･･･」

さやか「･･･」

まどか「･･･」

まどか「･･･」ｺﾞｿｺﾞｿ

さやか「･･･」

まどか「･･･」ｺﾞｿｺﾞｿ

まどか「･･･」ｽｯ

さやか「･･･」

さやか「･･･なに、それ？」ﾁﾗｯ

CD「稲川淳二の怖い話 呪いの生き人形編」

まどか「･･･」

まどか「いなじゅんだよ、いなじゅん･･･」

まどか「･･･」ｶﾞﾀｯ

さやか「･･･」

さやか「まどか？」

まどか「･･･替えてくるから」ｽﾀｽﾀｶﾞﾁｬｯ


マミさん「･･･キッチンに･･･」

さやか「ちょっ、まどかー！」


店員１「お、お客様あ！？」

店員２「お客様！！」

マミさん「･･･」

さやか「･･･」

３人の夜は更けていく

深夜 ファミレス

マミさん「お金集めちゃおっか」

さやか「･･･」

さやか「え･･･？」

マミさん「･･･」

マミさん「コレ、コレ･･･お勘定」

さやか「･･･」

さやか「いや、別にいいじゃないすか･･･いつも通りで･･･」

マミさん「･･･」

さやか「３人別々に払えば････」

マミさん「･･･」

マミさん「いや」

さやか「･･･えっ」

マミさん「わたし、気づいちゃったの」

さやか「･･･え？」

マミさん「やっぱり女３人がレジでもたついてるのってね」

マミさん「すごいカッコ悪いと思うのよ･･･」

さやか「･･･」

さやか「まあ･･･」

マミさん「えっと･･･」ｺﾞｿｺﾞｿ

さやか「･･･」ｺﾞｿｺﾞｿ

さやか「あっ･･･」

さやか「アタシ細かいのないや･･･」

マミさん「･･･じゃあ･･･」

マミさん「美樹さんにお金渡したらいいのよね･･･」

マミさん「･･･」ｽｯ

さやか「･･･」ﾁｬｯ

マミさん「あと美樹さんアレよ？今日･･･」

さやか「･･･」

マミさん「ホットココアの一気飲み負けたんだから･･･深夜料金はアナタ持ちね？」

さやか「あっ、ハイ」

さやか「･･･」

さやか「まどかは３２０円ね」

まどか「え？」

まどか「何･･･さやかちゃん」

さやか「･･･」

さやか「いや･･･ドリバ代･･･」

まどか「･･･」

まどか「あ、そっか･･･」
まどか「･･･」ｺﾞｿｺﾞｿ

まどか「ハイ」ｽｯ

さやか「うん」ﾁｬｯ

さやか「よし、これで･･･あっ」

さやか「･･･」

さやか「まどか･･･い、いいの？･･･コレ」

まどか「･･･」

まどか「いいよ」

さやか「いや、でも、コレ･･･」

さやか「見滝原万博の記念コインだよ！？」

まどか「･･･」

まどか「知ってるよ」

さやか「･･･」

さやか「あっ、じゃあ･･･ハイ、返すから･･･」

まどか「･･･」

まどか「･･･」

まどか「いや、いいよ･･･」


さやか「･･･」

まどか「持ってないんだ･･･それしか･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」ｽﾞｽﾞｰ

さやか「で･･･でも･･･」

まどか「･･･」

さやか「さすがに使えないって･･･コレは･･･」

まどか「･･･」

まどか「いや･･･でも、それしかないし･･･」

さやか「･･･」

さやか「あっ･･･じゃあアタシ貸す！」

まどか「･･･」

まどか「ううん･･･」

まどか「わたし、親友同士でお金の貸し借りはするなって･･･」

まどか「ママに言われてるから･･･」

さやか「･･･」

さやか「まどか･･･」

まどか「･･･」

さやか「あっ･･･じゃあ、今日はさやかちゃんがおごったげる！」

まどか「･･･」

さやか「ねっ！？」

まどか「･･･」

まどか「ううん･･･いいの･･･」ﾌﾙﾌﾙ

さやか「･･･」

さやか「いや、おごらせてよ、たまにはさ！」

まどか「･･･」

まどか「ううん･･･ママと約束してるから･･･」

マミさん「･･･」

マミさん「･･･」紅茶ｽﾞｽﾞｰ

マミさん「･･･ﾌｩ」

マミさん「待っててあげるわよ･･･」

さやか「･･･」

さやか「･･･え？」

マミさん「銀行あくまで･･･一緒に朝まで待ってあげるわよ」

さやか「･･･」

さやか「あー･･･」

まどか「･･･」

まどか「ありがとうございます･･･」

マミさん「･･･」

さやか「･･･」

まどか「･･･」

３人の夜は更けていく


おしまい