1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:00:30.782 ID:QssJMJPA0.net
P(ある夏の日。アイドル達に、会議室に呼び出された)

P(なんでも、今度出演する番組で披露する怪談を練習しておきたいという)

no title


P(一体誰がどんな話を聞かせてくれるんだろうか……)


どの話を聞きますか?

1 トイレ
2 プール
3 美術室
4 理科室
5 階段
6 校庭
7 体育館

>>8

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:01:45.172 ID:oNg41Pqh0.net
7

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:14:10.651 ID:QssJMJPA0.net
?「くふふ! おまたせ、おやぶん!」

no title


P「おお、最初は環がお話してくれるか?」

環「うん! たまき、とーってもコワイおはなしするから、おやぶんは泣いちゃダメだぞ?」

P「泣いちゃダメかー、自信ないな」

環「くふふ♪ それじゃあ、はなすね……」

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:34:22.445 ID:QssJMJPA0.net
これは、たまきの小学校のおはなしです……あっ、えっと
今かよってる方じゃなくて、ばあちゃんのいる、四国の方! テンコーする前の学校!

それでね、体育館が2コあって、たまきたちは、いっつもあたらしい方つかってたんだ
ボロボロの方は、ボロボロだからあぶないんだって先生たちが言ってた!

でも……入っちゃダメって言われると、なんだか気になって、入っちゃった!
たまきと、友達のエリと、あと何人かで探検したんだぞ! すごいでしょー、くふふ!

ドアはカギがかかってたんだけど、床にちかいところに、ちっちゃい窓が開いてたからそこから入ったんだー
中は先生の言ってた通りボロボロで、床にいっぱい穴が開いてた!

no title


で、中に入ってみたんだけど……あんまり面白いものなかったんだ
お昼なのにくらくって、ホコリもいっぱいで、みんないっぱいクシャミしてたよ
つまんないし、たまきが「もうかえろっか」って言おうとしたときに、エリが何か見つけたの

それは……

1 放送室
2 バスケットボール
3 その他

12: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:38:44.786 ID:QssJMJPA0.net
>>15

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 22:49:44.795 ID:q1pxhf3i0.net
2

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 23:20:27.676 ID:QssJMJPA0.net
「あっ、バスケットボール」ってエリが言ったんだ

たまきがふりむいたら、ちょうど、ステージからバスケットボールがおちるところで
だーん、だーん、だん、だんってはずんで、ころがって、それでとまった

no title


ほかの子かな? って思ってステージに上がって、あっちもこっちも探したんだけど
だれもいなくて、上手くにげられちゃったんだなって思って
それで、いっしょに探検してたみんなに、一人ずつきいたんだけど
だれもそんなことしてないって言って

くらくなってきたし、こんどこそたまきが「そろそろ帰ろー!」って声かけたんだ
みんな集まってきて、虫の死体があったとか、カギがかかって入れないドアがあったとか
いろいろホーコクしあって探検はおしまいにしたの

そのあと、入って来たときと、おんなじ窓からひとりずつ出ていったんだ
たまきは隊長だから、いちばん最後までミハリしてたんだぞ!

そしたらね、また、だーん、だーん、だん、だんってバスケットボールのはずむ音がしたんだ
ふり返ったらやっぱり誰もいなくて、ステージのソデまで走っていったけどそこも誰もいなかった

おかしいなーって思ったけど、かえる時間だからたまきが窓から出たら
背中の方からだんだんだんだん! っていっぱいバスケットボールがはずむ音がしたんだ!
びっくりしてふりむいても、体育館の中にはだれもいなかった

ボールだけがいくつも、いくつも転がってたんだ……

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/08(火) 23:37:11.912 ID:QssJMJPA0.net
環「どうおやぶん、こわかった!?」

P「ははは、怖かった怖かった」

環「あ! むむむ、ぜんぜんこわがってないぞー!」

P「いやいや、本当に怖かったよ。でも環の話し方が可愛くてついそっちに気持ちが」

環「うぅ~……わかった! たまき、こわいおはなしのおけいこいーっぱいするから、また今度きいてね!」

P「うん、約束な。はーりせーんぼーんのーます」

環「ゆーび、きった! あ、おやぶんおやぶん」

P「ん?」

環「これ、その時のボール! おはなしと、それからバスケットもやろうね!」

no title


どの話を聞きますか?

1 トイレ
2 プール
3 美術室
4 理科室
5 階段
6 校庭

>>20

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 00:12:16.425 ID:J3NaYyB90.net
?「次は私の番ですね」

no title


P「お、今度は春香か」

春香「はい♪ 環の怪談、怖かったですか?」

P「話術がもう少しあれば、ってところだなあ。題材は良かったんだけど」

春香「ふふ、じゃあ環の分まで私がプロデューサーさんを怖がらせちゃいますね」

P「張り切らなくて大丈夫だぞ、ゾッとする思いはさっきしたから」

春香「? よく分かりませんけど、それじゃあ話しますね……」

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 00:36:30.404 ID:J3NaYyB90.net
これは私の通っていた中学の話です
トイレの花子さん、って聞いたことありますよね?
はい、あの有名な花子さんです

うちの中学も他の学校と同じく、そういう噂があったんです
四番目のトイレにーとか、ノックを四回するとーとか
話す人によって少しずつ内容が違ってるのが可笑しかったですけど

私のクラスで多数派を占めていたトイレの噂は、「ノックを返すと」でした

場所も時間も関係なく、トイレに入っている時にノックされたら必ずノック以外で返さないといけない
さもないと、恐ろしいことが起きるって……そう噂されていたんです

恐ろしいことって何だろう? それは実際に遭った人しか分からない
なんて、怪談なのに詳しい話は出て来ないんです、可笑しいですよね

でも、なんとなく信憑性があったというか、あの年頃ってそういうの信じちゃうじゃないですか?
はい、私も信じてる側の人間です。えへへ

……信じずにはいられないです。だって、私は身をもって体験したんですから

その日は妙に肌寒くて……冷えちゃったんですね、急にお手洗いに行きたくなったんです
他の人も同じだったみたいで、どのドアも閉まってるんです

他の階に行っても同じだろうと思って、そのまま手洗い場の所で待ってたんです
不意に、並んでいる個室の一つから、コンコン、コンコンってノックする音がしました

no title

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 00:58:47.610 ID:J3NaYyB90.net
そのノックの音はどんどん大きくなって、コンコン、コンコン
ドンドン、ドンドンドン……バンバンバン!
手のひらをドアに叩きつけるような音に変わっていったんです

中で何かあったのか、具合が悪いのかと思ってすぐに駆け寄りました
「大丈夫ですか?」「何かあったんですか?」「具合が悪いんですか?」
何を聞いても返答はありませんでした
ただノック……じゃないですね、ドアを叩く音だけがずっと鳴っていました

喋られないぐらい苦しいのかと思ってドアを開けようとしたんですが、開きません
何度も開けようとドアを引きますが、カギはかかったままです
「大丈夫ですか!? カギを開けてください!」
そう声をかけて、私もドアを叩こうとした時です

no title


笑う声が聞こえたんです

思わず固まっちゃいました
個室の中で誰かが倒れそうになっている時に、のんびりなんてしていられない時なのに
でも、トイレの中からも音がしなくなっていたんです
まるで、私がドアを叩くのを待っているかのように……

プロデューサーさん、私、どうしたと思います?

1 ドアを叩いた
2 トイレから飛び出した
3 その他


28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 01:04:26.106 ID:+JvJtZop0.net

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 01:41:27.362 ID:J3NaYyB90.net
構わずにドアを叩いたんです
「カギを開けてください! 大丈夫ですか!?」
ドアを叩きながら、持ち手を引っ張りながら、何度も声をかけました

すると突然ドアが開いたんです
カギが壊れたのかもしれないけど、そんなの人の命に比べたらどうでもいいことです
急いで個室の中に飛び込みました

でも苦しんでいる人は中にいませんでした
ええ、誰もいなかったんです
狭い個室の中、どこにも隠れる場所なんてないのに
誰もいなかったんです

no title


私は、しばらく呆然としていました
混乱しながらも外へ出ようとしたら、出られませんでした
カギもかかっていないのに、ドアがビクともしないんです

上や下から抜けられないか試しましたがダメでした
何度も人を呼んだり、ドアに体当たりましたが開きませんでした

もう訳が分からなくなって、しゃがみこんで泣いてる内に眠ってしまいました……

目を覚ました時にはドアは開いていて……
今話したことが全部ウソみたいに、簡単に外に出られたんです

これが私の体験した、怖い話です

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 01:56:54.300 ID:J3NaYyB90.net
P「……」

春香「ど、どうでした?」

P「怖いっていうか、不思議?」

春香「ですよねー! うぅ」

P「いや、怖かったのは怖かったぞ? その後、同じような目に遭った子とかは?」

春香「私だけだと思います。はぁ、やっぱりこんな話じゃ怖いよりも頭おかしいって思われますよね……」

P「そ、そんなに落ち込むなよ。だって、春香は体験したままを話したんだろ? 何もおかしくないよ」

春香「ほんとにそう思ってますか?」

P「ほんとほんと!」

no title


春香「……1時間以上はあの中にいたのに、外に出てみたら5分も経ってなかった、って言っても?」

P「え」

春香「流石に信じてもらえないと思って、さっきは言いませんでしたけど……これも本当なんです」

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 02:14:23.643 ID:J3NaYyB90.net
?「あたしの番だねぇ、けっぱるよぉ」

no title


P「ひなたか。あんまり怖い話のイメージないけど、大丈夫か?」

ひなた「心配してくれてありがとねぇ、プロデューサー」

P(ひなたと話してると癒されるなあ)

ひなた「なまら怖いお話だから、夜眠れなくなったらあたしに電話してねぇ」

P「頼もしいな。よしこい!」

ひなた「それじゃあ始めるべさ。このお話は……」

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 02:55:51.482 ID:J3NaYyB90.net
あたしの学校の階段は、踊り場に大きな鏡が1枚ずつつけられてるんだぁ
身だしなみに気を使いましょう、って校則にも書いてあっから、その為なんだねぇ

no title


でも1枚だけ、鏡がない踊り場があるんだ
ううん、ないっていうんじゃないね
段ボールで……隠してる?塞いでる?少しも見えないようにしてあるんだあ
南校舎の3階から4階に上がる階段なんだけどね

昔、そこで1人の生徒が落っこちたんだって
放課後の屋上から階段を下りる途中、足を滑らせて頭から鏡に、どーんって

丁度今頃の、夏の盛りのことでねえ
見回りの人も来なくって、やっと見つかった時にはぐずぐずに崩れてひどい有様だったんだと

それ以来その鏡にはある噂が出来たんだって
屋上からの階段を下りて、その鏡の前に立つと自分の死んでいくまでが映し出される、って

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 03:29:21.136 ID:J3NaYyB90.net
そんなことがあったからか、そんな噂が立ったからか、鏡は新しくなった後に段ボールが付けられてねぇ
屋上にも勝手に出入り出来ないようにして、生徒が近付かないようにしたんだと

でも何かの用事で通らなきゃいけないこともあるから
そういう時はみんな、鏡を見ないようにしてたんだって

ある時にね、体のおっきな、男の体育のセンセが数人の生徒さんとそこを通りかかったんだって
生徒さんはみんな、下を向いたり、目を瞑ったり、横を向いたりして見ないようにしてたんだぁ
男のセンセだけ、噂を信じてないから「なんだこんな鏡」って、塞いでる段ボールをポーンと叩いたんだって

したっけ、弾みで留めてたテープが取れて、鏡が見えるようになったんだわぁ
センセも慌てて段ボールを付け直そうとしたんだって

生徒さんたちも手伝って段ボールを持ち上げたりしたんだぁ
その時、1人の生徒さんがうっかり鏡に映った先生を見ちゃったんだねぇ

no title


そこには……センセの首を絞めようとする歪な手が見えたんだって
ねえプロデューサー? このセンセ、このあとどうなったと思う?

1 自殺した
2 なんともない
3 その他


35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 03:31:31.980 ID:k2iXaAsp0.net
3

36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 03:56:37.658 ID:J3NaYyB90.net
ひなた「分からない? そっかぁ、プロデューサーでも分からないことがあるんだべなぁ」

P「そりゃそうだよ、俺もただの人間だし」

ひなた「なんとか出来ればと思っていたけんども、どうにも出来なさそうだべ」

P「え? それって、どういう……」

ひなた「あのね、その首元の手を見た生徒さんってのが、あたしなんだぁ。つい昨日のことでねぇ」

P「……」

no title


ひなた「センセにも話したらば、お祓いしてもらうって飛んでったべさ。センセ、大丈夫だろか……」

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 09:44:00.916 ID:J3NaYyB90.net
?「オーッホッホッホッげほっげほっ……んん゛っ、待ちくたびれてしまいましたわ!」

no title


P「今度は千鶴さんですか、よろしくお願いします」

千鶴「背筋も凍るようなセレブな話をご期待下さいまし!」

P「この場合はセレブ感は別に」

千鶴「あ、あら? そうですの……」

P「いや、そのっ! き、聞きたいなーセレブな怪談!」

千鶴「まぁ、興味のないフリで気を引こうとしていたんですわね!」

P「そうですそうなんです」

千鶴「では、とっておきの話をお聞かせして差し上げますわ……」

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 10:22:33.513 ID:J3NaYyB90.net
これはわたくしの母校で、本当にあった話ですわ
創設者は安い墓地を買い取って学校を建て……え?
セレブの学校なのに、開校費用に糸目を付けているのがおかしい?
あ、や! 違いますわ! 当時は倹約が美とされている校風でしたの!
わたくしが入学した頃には校門からトイレットペーパーまであらゆるものが金箔

……話の続き? え、ええ、わたくしも脱線から戻ろうとしていた所ですわ
それで、無縁仏を祀っていた区域にはプールを作りましたの
元々が墓地を潰した上に建てた学校ですから、それはもう色んな噂が立ったみたいですわ

けれど、なんとかの噂も七十五日、次第にそんな話も聞かなくなって行きましたわ
プール以外は、という言葉が付きますけれど

no title


夏が来る度に、誰ともなく話し始めるんですの
夜、この学校のプールに入ると……と

入ると、どうなると思いまして?

1 無数の青白い手が
2 プールの底が遠い海に繋がって
3 その他


45: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 11:06:29.466 ID:01pRkKKn0.net
2

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 11:47:06.847 ID:J3NaYyB90.net
そう、プールの底が遠い海に繋がって、行ったが最後、戻って来られないそうなのです……
え? 戻って来られないのになんでそんな噂が広がるのか?

……確かに不自然ですわね、この話を知ってる人は戻って来られない
戻って来られないのだから、この話を出来る人はいなくなってしまいますわ

はぁ、番組の為に、久々に先輩に連絡を取って、怪談を聞き出してみましたけど
慣れないことはするものじゃありませんわね、これはとんだ作り話ですわ

? ああ、この写真は参考になるかと思って当時の写真を持ってきましたの
アルバムから引っ張り出してきましたけど無駄になってしまいましたわね

あら、ぼーっとして……オーッホッホッホッホ!
見惚れてしまうのも無理はありませんわ!
わたくしとお姉さまは当時でも「二輪の薔薇」と呼ばれ全校生徒の憧れの的でしたもの!
オーッホッホッホッホ、オーッホッホッホッホッホげほっげほほ……!

no title

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 12:04:23.141 ID:J3NaYyB90.net
千鶴「先輩? ええ、ある夏の日に何も言わず転校してしまって……連絡が取れたのもそれ以来ですわ」

P「……その先輩は、何か言っていましたか?」

千鶴「また会いたいと話してくださいましたわ! お互いこんな怪談を怖がる年でもないし、母校のプールで昔のように記念撮影しよう、とも!」

P「……」

千鶴「なんですの、そんなに眉間に皺を寄せて……ふふ、さっきのは作り話なのですから怖がることありませんのよ?」

P「いえ、この夏は、千鶴さんにいっぱい仕事が来てて……その先輩と会ってる暇はないかもな、って」

千鶴「まぁ、そうですの。残念ですけれど、お仕事なのだから仕方ありませんわね」

Pあっ、千鶴さん、携帯が」

no title


千鶴「噂をすれば、ですわね! 先輩からの着信ですわ!」

49: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 12:53:47.350 ID:J3NaYyB90.net
?「お待たせしました、プロデューサー」

no title


P「瑞希は何を話してくれるんだ?」

瑞希「はい、理科室での怪談です」

P「定番だな」

瑞希「定番です。王道は、大事」

P「ちゃんと怖いか?」

瑞希「話す私も、手が震えるくらい……ぶるぶる。それでは早速」

51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 13:26:52.925 ID:J3NaYyB90.net
これは、S県のとある学校での話です
丁度、今と同じぐらい……放課後の夕暮れ時のことです
3年生のAさんは、先生に言われて理科室の片付けを手伝っていました

先生と一緒に、ビーカーやフラスコを洗浄し、薬品の瓶を棚に戻し、天秤を片付けました
あと少しで終わり、という所で先生の携帯電話が鳴ります
急な来客で、急いで職員室に戻らなくてはならないと言います
「悪いが戸締り頼むな!」
そう言って、先生はAさんに理科室のカギを渡し、ドタバタと部屋を出て行きました

「ああ、あと準備室の方も、ついでに整理しておいてくれー」
姿の見えなくなった先生に、廊下からそう言われ、Aさんは独り言のように返事をしたそうです

準備室に入ってみると、人体模型のパーツがバラバラに散らばっていました
Aさんは溜息をつきながら、一つ一つ戻していったそうです

no title


眼球、脳、肺、肝臓……バラバラだったパーツは集まって1人の人間になっていきます
ところが、全てのパーツを当てはめ終えたと思った時に、コロリ、とまた別のパーツが転がっているのに気づきました

外側のパーツが全て埋まっているので内側の方のパーツなのでしょう
一度外側を外してから戻さないと片付けられません
Aさんは……どうしたと思いますか?

1 早く帰りたかったので、パーツを机の上に置いて帰った
2 きちんとすべてのパーツを戻してから帰った
3 その他


52: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 13:31:38.030 ID:A4aYImI30.net
1

53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 14:21:20.940 ID:J3NaYyB90.net
正解です……ぴんぽん
Aさんは、落ちていたパーツを机の上に置いて帰りました

その夜の事です
夜中の2時を過ぎた頃、Aさんは不意に目が覚めました

まだこんな時間……そう思って寝直そうとしましたが
誰かに呼ばれているような気がして、気持ちがザワつき眠れなかったんだそうです

何度もベッドの中で寝がえりを打つ内に、窓の外から声が聞こえていることに気付きました
酔っぱらいがうろういているんだろう、そう自分に言い聞かせ、また寝返りを打ちます

窓の外の声は段々と近づいてきます、もう家のすぐ前まで来ています
しかし、声はぼそぼそと呻くようで、何を言っているのかはっきりとしません

文句を言ってやろうと勢いよく窓を開けたAさんは、その声が何を言っているのかようやく理解できました
そして、その声の主の正体も

「心臓をくれ」
「心臓をくれ」
「心臓を、くれぇ」

no title

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 15:05:15.096 ID:J3NaYyB90.net
瑞希「以上です……ぶるぶる」

P「大丈夫か瑞希」

瑞希「話している内に震えてしまいました。でも最後まで噛みませんでぴぱ」

P「でぴぱ?」

no title


瑞希「……でした」

P「よく頑張ったな、お疲れさま」

瑞希「ありがとうございます。プロデューサーも、心臓はお大事に」

P「ああ、まあ、はい。言われなくても」

56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 15:33:28.464 ID:J3NaYyB90.net
?「よっ、プロデューサー! ヘバっていないかー?」

no title


P「昴も参加してたんだな」

昴「おう! とびっきり怖い話用意してるから、覚悟しとけよー?」

P「手加減してくれよ?」

昴「オレはいつでも、全力投球だ!」

P「……まぁ、よろしく頼むよ」

昴「よーし、行っくぜー!」

59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 16:14:43.420 ID:J3NaYyB90.net
野球部の練習ってさ、照明さえついてれば夜でも全然出来るんだよ
要はボールさえ見えてれば出来るからさ

オレの学校はそんなに金ないみたいでさ~、日が暮れたらもう走り込みぐらいしかすることないんだよ
で、その走り込みも暗いとこけたりしたら危ないって言うんで禁止されそうになってる
禁止されたら公園で走るんだから結局同じだよなぁ?

それで、えーと……そうそう、禁止されそうだけど、まだ禁止にはなってないんだよ、夜の走り込み
オレの家、学校のすぐ近くだからさ、暇な時はたまに忍び込んで、グラウンド走ってるんだ
いつも使ってる校庭だから、どのぐらい走ったか分かって便利なんだよ

そんな感じで気が向いた時に走ってたんだけど、この前めちゃくちゃ怖い目にあってさ!
これ聞いたらプロデューサーも絶対怖いって言うぜ!?

その日、晩飯食い終わって、風呂入ろうと思ったら兄ちゃんが先に入ってたんだよ
兄ちゃん、長風呂だから俺も暇になってさー
腹ごなしにちょっと走ることにしたんだ、11時頃だったかな?

no title


月も隠れてていつもより暗くてさ、トラックだけ目印にひたすら走ってたんだ

61: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 16:38:27.200 ID:J3NaYyB90.net
20分か30分か、ずーっと走り続けてた
でも何かおかしいんだよ
何だろなーって考えながら走ってて、やっと気付いた

……足音が多いんだ

no title


慌てて周りを見回したけど、さっきも言った通り暗くてよく分かんないんだよ
あ、人かな? って思ったら木が風で揺れてるだけだったりさ
でもまぁオレが走ってるくらいだし、他に誰か走っててもおかしくないよな
そう思ってまた何も考えないで走り続けた

そうこうしてる内にその足音も遠ざかって行って
「あー家帰ったんだな、オレもそろそろ帰るかな、兄ちゃん風呂出たかなー」ってぼんやり考えてた
そしたら急に! 急にだよ!? その足音がオレの後ろの方に来てさ!
来たっていうか! こう、瞬間移動したみたいに足音がこっちに来たんだよ!

1 それで、昴は走って帰ったのか?
2 それで、昴は立ち止まって相手を確かめたのか?
3 その他


62: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 18:23:47.135 ID:RT5caYl70.net
1

65: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 19:04:21.168 ID:J3NaYyB90.net
そりゃそうだよ! こんなの追いつかれたら絶対やばい奴じゃん!?
オレが今まで生きて来た中で、1番早く走った!

でも、どんどん後ろから足音が近づいて来るんだよ……!
オレが1歩進む間に向こうは2歩ぐらいのスピードで近づいて来るんだ!

もう息もしないで必死で走って、走って、走り抜いて、それでももうすぐ後ろまで足音が来てて
うわー! もうダメだー! みんなゴメン! って心の中で祈ったんだ!

no title


そのまま足音は……骨のお化けは、オレを追い抜いて行って
フワッと空気に消えるように消えたんだ……

な!? 怖いだろ!? めっちゃくちゃ怖いだろー!?

66: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 19:18:23.561 ID:J3NaYyB90.net
P「怖かった」

昴「だろー!? オレも流石にもうダメだと思ったよ」

P「本当に何事もなくてよかったよ、安心した」

昴「んじゃ、次の奴呼んで来るぜ。次がラストイニングだから、プロデューサーも気合入れてけよ!」

P「あ、昴」

昴「ん、どした?」

P「……いや見間違いか。ごめん、何でもない」

no title


昴「何だよ、変なプロデューサーだなぁ」

68: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 19:47:37.086 ID:J3NaYyB90.net
?「あれ? お疲れ様です、プロデューサーさんもダンスレッスンですか?」

no title


P「お疲れさま、未来。どういうことだ?」

未来「だって静香ちゃんがレッスン室で一緒にダンス……あ、でへへ~。プロデューサーさんが指導してくれるんですね」

P「未来……ここ、会議室だぞ?」

未来「え? あわわ、間違えちゃった! それはそうとプロデューサーさんはここで何してるんですか?」

P「今度心霊番組に出る子たちの怪談練習に付き合ってるんだ」

未来「へー! 私も怪談知ってますよ! 七不思議を全部知っちゃった人は死んじゃうんですって!」

P「あーはいはい、分かった分かった。自主練頑張れよー」

未来「はーい、行ってきまーす!」

73: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 21:27:29.319 ID:J3NaYyB90.net
?「にひひ、お待たせ」

no title


P「最後は伊織か……ん、なんか雰囲気変わった?」

伊織「何よ、レディの顔マジマジと見つめちゃって。魅力的なのは分かるけどマナーは守りなさいよね?」

P「あ、ああ。それで伊織はどんな話を聞かせてくれるだ?」

伊織「そうねえ。美術室の噂、なんてどう?」

P「これまた定番だな。まぁテレビでは定番の方が受けるのかもな」

伊織「……にひひっ。私の話は怖いわよ? 本当に聞きたい?」

P「なんだよ、随分もったいぶるなあ」

伊織「準備はいいってわけね。じゃあ話すわ……」

75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 22:22:52.832 ID:J3NaYyB90.net
モナリザの目が動く、石膏像が喋る、美術室はほんと定番よね
絵を描くのに熱中しすぎて倒れた生徒が、そのまま亡くなったり
あんたの学校にもそんな話、あったんじゃない?
これから話すのもそんな定番も定番、ド定番の話よ……

メトロポリタン美術館って曲、知ってる?
にひ、あんたは丁度世代なのかも知れないわね
私も何かの拍子でその曲を聞いて……ゾッとしたわ
だって私がこれから話すのと同じ結末だったんだもの

その子は……仮にMさんとしましょうか
Mさんは教養が高くて、芸術にも造詣が深かったそうよ
Mさんはお嬢様学校に通っていて、美術室にも本物の美術作品が飾ってあったそうだわ

並んだ絵画の中で1枚、Mさんがとても気に入ったものがあってね
無名の画家の遺作だったんだけど、理事長の一声で飾られることになったんだって
Mさんもその絵を、1日1回は見ないと落ち着かなくなっちゃったの

no title

76: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 23:09:58.373 ID:J3NaYyB90.net
日曜日も、祝日も、本当に毎日のように絵を見に来てたわ
本当に毎日、毎日……通い詰めている内にMさんはその絵の中に入りたいとすら思うようになったわ

この美しい絵の中に入れたら、絵の一部になれたらどんなに素晴らしいだろう
そんなMさんの気持ちを、絵の方も汲み取ったのね

ある日、絵はMさんを自分の中に招待したわ

no title


Mさんも最初はびっくりしていたけれど、やがて絵の一部になれたことを喜んだわ
心も、魂も、絵の具の中に溶け込んで、絵と一つになったの!
そう、歌と同じように大好きな絵の中に閉じ込められちゃったのよ

残ったのは空っぽの体だけ
にひひ♪

1 それからどうなったんだ?
2 ……お前は誰だ?
3 その他


77: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/09(水) 23:34:39.714 ID:xcT+XmzS0.net
1

80: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/10(木) 00:35:56.978 ID:XRMOwr7h0.net
伊織「どうもしないわよ、にひひ」

P「怪談は終わりってことか?」

伊織「そうね、何もかもお終い。一件落着♪」

P「なんだか引っかかる物の言い方だな。めでたしって終わり方でもなかったし」

伊織「あんた、今日いくつ階段を聞いた?」

P「ひぃ、ふぅ……10個ぐらい?」

伊織「何言ってんのよしっかりしなさい、7つでしょう?」

P「そうだったかも」

伊織「学校の七不思議、全部知ったらどうなるでしょう?」

P「ああ、未来がなんかそんなこと言ってたっけ。確か……全部知った人は死ん」

no title


伊織「正解。にひひ、にひひひ♪」

83: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/10(木) 00:57:18.767 ID:XRMOwr7h0.net
「チコクだぞ~! もうまちくたびれたよ~!」

「え? 待ち合わせは7時……」

「しちじじゃなくて、いちじだべさ」

「まぁまぁ、今からでも自主練していかない?」

「遅刻でも折角来たんですもの、一汗流していってはいかが?」

「私も、お手伝いしみゃす……しますので」

「オレもオレも!」

「でへへ~、みんなありがとう! ん、今日は8人でやるんじゃなかったっけ。また私勘違いしてる?」

「あれ? 私もそう聞いてたけど……でも全員揃ってるよ?」

「言われてみると誰か足りないような、そうでもないような」

「まぁいいや! 遅れてきた分取り返すぞー!」

no title




おわり

87: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/08/10(木) 01:14:36.222 ID:XRMOwr7h0.net
ホラー的にはこれでTrueかなーって
なんにせよおしまいです
長時間お付き合いありがとうございました、お疲れさまでした
じゃあの

おまけ
レス待たずに間違えて描いた環
no title

引用元: P「お化けの話かぁ」