1: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 20:40:26.03 ID:L4ThEu9wo
P「さあ天海春香、その魂を代価にして君は何を願う?」

春香「私…」

春香「すべての巨 を、育つ前に消し去りたい」

春香「すべての宇宙、過去と未来の巨 を、この手で」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503142825

2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 20:41:14.70 ID:L4ThEu9wo
P「その祈りは、そんな祈りが叶うとすれば、それは貧 なんてレベルじゃない!    そのものに対する反逆だ!」

P「君は本当に72になるつもりかい?」

春香「72でもなんでもいい」

春香「今日まで巨 と戦ってきたみんなを、(    が大きくなる)希望を信じた千早ちゃんを、私は泣かせたくない。最後まで笑顔でいてほしい」

春香「それを邪魔する巨 なんて壊してみせる、変えてみせる」

春香「これが私の祈り、私の願い」

春香「さあ!叶えてよ、プロデューサー!!」

3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 20:46:50.27 ID:L4ThEu9wo
春香「あなた達の    体操を、絶望で終わらせたりしない」

春香「あなた達は、誰も呪わない、祟らない。巨 はすべて、私が受け止める。だからお願い、最後まで、貧 を信じて」

春香「もういいの」

春香「もう、いいんだよ」

春香「もう誰も恨まなくていいの。誰も、呪わなくていいんだよ。そんな姿になる前に、あなたは、私が受け止めてあげるから」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 20:59:45.56 ID:L4ThEu9wo
P「春香」

P「これで君のアイドル人生は、始まりも、終わりもなくなった」 

P「この世界に生きたプロフィールも、そのバストサイズも、もう何処にも残されていない」 

P「君という存在は、一つ上の領域にシフトして、ただのリボンモブに成り果ててしまった」 

P「もう誰も君を認識できないし、君もまた、誰にも干渉できない」 

P「君はこのステージの一員では、なくなった」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:00:52.41 ID:L4ThEu9wo
千早「何よそれ…」 

千早「これが春香の望んだ結末だって言うの?こんな終わり方で、春香は報われるの!?冗談じゃないわ!」 

千早「これじゃ、貧 よりも…もっとひどい…ひどい…」

春香「ううん。違うよ、千早ちゃん」 

春香「今の私にはね、過去と未来の全てが見えるの。かつてあった巨 も、いつかあり得るかもしれない貧 も、みんな」

千早「春香…」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:02:36.92 ID:L4ThEu9wo
春香「だからね、全部わかったよ。いくつもの時間で千早ちゃんが、 のためにがんばってくれたこと、何もかも」

春香「何度も泣いて、傷だらけになりながら、それでも のために」

春香「ずっと気づけなくてごめん…ごめんね」

春香「今の私になったから、本当の貧 を知ることができた。私には、こんなにも大切な友達がいてくれたんだって。だから嬉しいよ」

春香「千早ちゃん、ありがとう」

春香「あなたはわたしの、最高の友達だったんだね」

千早「春香、行かないで!」

春香「ごめんね。私、みんなを迎えに行かないと」

春香「いつかまた、もう一度千早ちゃんとも会えるから。それまでは、ほんのちょっとだけお別れだね」

千早「春香あぁぁぁっ!!」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:20:25.92 ID:L4ThEu9wo
浩司「はるか、はるか!」

千早「うん、そうだね。そっくりだよ」

やよい「こらっ、だめでしょ浩司。女の人の髪を引っ張ったらメッ、だよ」

浩司「はるかはるか!はるかぁ!」

やよい「えっとすみません、大丈夫でしたか?」

千早「いえ、こちらこそお邪魔してしまって」

千早「春香、だね」

浩司「はい!」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:22:30.93 ID:L4ThEu9wo
やよい「その、浩司が一人遊びするときの見えないお友達っていうんですか?小さい頃はよくあることらしいんですけど」

千早「ええ。私にも覚えがあります」

やよい「はるか、ってあなたも知っているんですか?テレビのアイドルか何かとか?」

千早「さあ…どうだったかしら。聞き覚えがあるような、ないような」

やよい「そうですかー。私もどこかで浩司と一緒にみたのかもしれません」

やよい「たまに、すごーく懐かしい響きだなって思うんですよ。はるか、さん」

千早「そうですか」

やよい「うっわぁー!そのリボン、すっごくかわいいですね!とっても似合ってます!」

千早「あなたの方が似合うと思うわ。差し上げましょうか」

やよい「わたしは、お気に入りの髪留めなので、これが一番かなーって」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:25:40.11 ID:L4ThEu9wo
P「ふうん、なるほどね」

P「確かに君の話は、一つの仮説としては成り立つね」

千早「仮説じゃなくて、本当のことよ」

P「だとしても、証明しようがないよ」

P「君が言うように、ステージのルールが書き換えられてしまったのだとすれば、今の僕らにそれを確かめる手段なんてない訳だし」

P「君だけがその記憶を持ち越しているのだとしても、それは君の頭の中にしかない夢物語と区別がつかない」

ほむら「ふん」

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:27:47.90 ID:L4ThEu9wo
P「まあ確かに、発散しきれなくなった女性ホルモンが、何故消滅してしまうのか。その原理は僕たちでも解明できてない」

P「その点、君の話にあった『    』の概念は、中々興味深くはある」

P「人間の欲望エネルギーを収集する方法としては、確かに魅力的だ」

P「そんな上手い方法があるなら、僕たちのプロデュースも、もっと違ったものになっただろうね」

ほむら「そうね。あなたたちはそういう奴らよね」

P「君が言う、『巨 』のいた世界では、今僕らが戦っているような『デカ尻』なんて、存在しなかったんだろう?」

P「欲望を集める方法としては、余程手っ取り早いじゃないか」

ほむら「そう簡単じゃなかったわ。あなたたちとの関係だって、かなり複雑だったし」

P「ふうん」

P「やっぱり理解できないなあ、人間の価値観は」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:30:59.79 ID:L4ThEu9wo
千早(たとえ、巨 が生まれなくなった世界でも、それで人の欲望が消え失せるわけではない)

ほむら(世界の歪みは形を変えて、デカ尻という形となって、今も欲望の底へと人々を狙っている)

P「今夜はつくづく熱気がすごいね」

オシリチーン! コッチニデカシリムケテー! シリガサイコーニユレテルゼ!

P「デカ尻スキーどもも、次から次へと湧いてくる。幾ら通報倒してもキリがない」

千早「ボヤいたって仕方ないわ。さあ、行くわよ」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:32:54.24 ID:L4ThEu9wo
千早(DLCと課金ばかりを繰り返す、救いようのない世界だけれど)

千早(だとしてもここは、かつてあの子が守ろうとしたステージなんだ)

千早(それを、覚えてる)

千早(決して、忘れたりしない)

千早(だから私は、歌い続ける)


春香「がんばって」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 21:45:59.47 ID:L4ThEu9wo
魔法アイドル はるか☆マギカ

―完―

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/08/19(土) 22:00:19.30 ID:L4ThEu9wo
千早「私たちは、歌い続ける」

♪「カラフル」ClariS

貴音「こんな回りくどい手口を使って、いったい何が目的なのです」

美希「また自分だけの歌に逃げ込むつもりなの?」

響「これは、幻覚か何かか?」

貴音「いつかわたくし達を導く、円環(バスト)の断り」

春香「ひとりぼっちになったら、ダメだよ」

劇場版
魔法アイドル はるか☆マギカ
[ 新 編 ]   逆 の 物 語

P「信じられない、72が起きているんだ」

引用元: 天海春香「私、やっとわかったの。叶えたい願い事見つけたの」