――――――　一週間前
（ ´∀｀）「たかし、大変だ！この家、取り壊しが決まった！」

('A`)「えっ！？なんでだよ！」

（ ´∀｀）「老朽化のため取り壊しするそうだ…」

('A`)「」

（ ；∀；）「ｳﾁにはもう…引っ越す費用もない…」

('A`)「ﾄｰﾁｬﾝ…」

（ 　　）「こういうとき、お前が働いてくれていたら…な…」

('A`)「わ、わかった！すぐ見つけてくるよ！」

――――――派遣業者

川 ﾟ -ﾟ)「なるほど、分かりました。現在、あなたに紹介できるところは…二件ですね…。」

('A`)「う…ん…、どこも厳しいなぁ…」

('A`)「わかりました。では、こちらの求人でよろしくお願いします。」ｽｯ

川 ﾟ -ﾟ)「承りました。では後日、工場の担当の方からご連絡が入ると思います。」

('A`)「はい…わかりました。本日はありがとうございました。」

('A`)「ふぅ…派遣登録の面接終わったぞ…」

('A`)「案外、あっさりしたもんだな。」

('A`)「次は工場の面接か…久々だから緊張するなぁ…」

―――――――帰宅

('A`)「さて、どうしたもんか…」

（ ´∀｀）「おや？たかし、どこ行ってたんだ？」

(# 'A`)「ど、どこだっていいだろ…」ﾀﾞｯ


（ ´∀｀）「なんだ、あいつ」

J('ｰ`)し「変な子ねぇ」

――――――――自室
('A`)「さて、親にはまだ言うわけにはいかないからな…」

('A`)「もし落ちたら悲しませるだけだもんな…」

――――――――回想3
('A`)「ﾄｰﾁｬﾝ！ハローワークに行ってきたよ」

（ ´∀｀）「ほぉ、で、いいところ見つかったかい？」

('∀`)「うん、明日ここに面接行くことにしたよ」

（ ´∀｀）「よし、じゃ明日連れて行ってやろう」

('∀`)「ありがとう！」
　　　　　　　・
　　　　　　　・
　　　　　　　・
―――――後日
（ ´∀｀）「いいか、たかし、面接の時はしっかり受け答えするんだぞ」

('∀`)「もう何度も言わなくてもそれくらい分かってるよ」

('∀`)（へへっ…もし受かったら、安心してくれるかな）

（ ´∀｀）「――たかし、聞いているかい？」

('∀`)「もちろんだよ！ああ、もうこの辺で良いよ！あとは歩いて行くから」

（ ´∀｀）「そうかい、頑張ってこいよ」

―――――面接
( ´･_･`)「う～ん…、なんで今まで職業経験なかったの？」

('A`)「あっあの…それは…ﾎﾞ、ﾎﾞｸにﾃﾞｷるようなｼｺﾞﾄｶﾞ…」

( ´･_･`)「あのね、そんな風じゃどこも雇い先ないよ？」

( ´･_･`)「キミの育ちからするにキミの親って随分甘いんだね」

( ´･_･`)「社会はそんなに甘くないよ」

( ´･_･`)「だいたいキミは今まで何をやってたのかね」

( ´･_･`)「そのダルけた性格が顔にまで表れてるよ」

( ´･_･`)「一目見てすぐに分かったよ」

( ´･_･`)「ったく…（こんな奴に時間が勿体ねぇ）」

( ´･_･`)「履歴書は折り曲げも良いですか？」

('A`)「ｱｯ…ﾊｲ…」

( ´･_･`)「今日はもう結構です」

('A`)「ｱﾘｶﾞﾄｳｺﾞｻﾞｲﾏｼﾀ…」

―――――
('A`)「あっ、もしもしﾄｰﾁｬﾝ？ｺﾝﾋﾞﾆいるから車持ってきて」

（ ´∀｀）「おう」

―――――帰りの車内
('A`)「」

（ ´∀｀）「」

('A`)「」

（ ´∀｀）「それで、面接どうだったんだ？」

('A`)「あっ…うん…」

('A`)（とても罵倒されたなんて言えない…）

('A`)（ましてや、親を侮辱されたなんて…とても…

('A`)「あ…まぁ、手応えはあったかな…」

（ ´∀｀）「そうか…」

('A`)「その…職歴がやっぱり無いから…厳しい感じではあったかな…」

（ ´∀｀）「はっはっはっ、まぁそこは仕方ないさ。」

('A`)「うん…」

（ ´∀｀）「俺が言ったようにしっかり受け答えできたか？」

('A`)「やっぱり緊張して…ろれつが回らなかった。」

（ ´∀｀）「そうか…」

('A`)「」

（ ´∀｀）「」

('A`)「」

（ ´∀｀）「お前が早く働いてくれると、親も安心して逝ける。」

('A`)「うん…（突然なんだろ）」

（ ´∀｀）「親だって永遠に生きてるわけじゃないんだ。」

('A`)「そりゃ…ね。」

（ ´∀｀）「まぁ…悔いの無いようにな。」

―――――回想4
('A`)「ﾄ、ﾄｰﾁｬﾝ…また、見つけたんだけど…」


（# ｀A´）「ｑあｗせｄｒｆｔｇｙふじこｌｐ！！」

J(#`д')し「あｚｓｘｄｃｆｖｇｂｈんｊｍｋ！！」


('A`)（はぁ…また夫婦ゲンカしてる…）

('A`)（あぁあぁああああ…）

('A`)（辛い…）

('A`)（2ちゃんでもやっとくか…）
　　　　　・
　　　　　・
　　　　　・
('A`)（俺、何やってんだろうな…）

('A`)（このままじゃ…ﾏｽﾞｲよな…）

('A`)（何かキッカケでもあれば…）

('A`)（あの喧嘩だってどうせﾎﾞｸの事なんだろうな…）

('A`)（ﾄｰﾁｬﾝは仕事をリストラされて、今、家の経済を支えているのは少しばかりの年金とｶｰﾁｬﾝのパートの給料だもんな…）

('A`)（これでは一家の全てなんて到底まかなえない…だから貯金を崩してるんだ…それも、もうすぐ…）

―――――回想5
('A`)（ﾄｰﾁｬﾝの機嫌が良いときに話しかけないと、ﾎﾞｸも色々言われるしな…）

('A`)（様子は…）

（ ´∀｀）ｹﾞﾗｹﾞﾗ

('A`)（…テレビを見て笑ってるな…よし、これなら）

('A`)「ﾄ、ﾄｰﾁｬﾝ…また求人見つけてきたんだ！」

（ ´∀｀）「…」

('A`)「今度は、いけると思うよ！条件も良いし…給料も悪くない…」

（ ´∀｀）「…」

('A`)「そ、それに、未経験者歓迎って…」

（ ´∀｀）「たかし…ここに座りなさい！」

('A`)（うわぁ…読みをミスったか…）ｽｯ

（ ´∀｀）「お前は、どうしていきたいんだ？」

('A`)（ど、どうって…）

('A`)「そ、そりゃ、就職して…お金稼いで…」

（ ´∀｀）「…」

('A`)「ほらっ、やっぱり、年齢も重ねていってるから早く就職したいな…と…」

（ ´∀｀）「お前には何度も言い聞かせてきたよな？」

（ ´∀｀）「毎日パソコンの前に座って遊んでばっかり！」

(# 'A`)「そ、それは仕事を探してるんだよ！」

(# 'A`)「だから、面接とか行ってるじゃないか！」

（# ｀A ´）「面接行ってる？実を結んでないじゃないか！」

(# 'A`)「だって、それは…ぼくだって…雇い先があれば…すぐにだって…！」

（# ｀A ´）「お前のような奴なんて、誰も雇わない！俺だって雇わない！」

（# ｀A ´）「考えが甘すぎるんだ！」

（# ｀A ´）「どうして、一生懸命生きないんだ！」

(# 'A`)「ﾄｰﾁｬﾝだって、俺と似たような境遇じゃないか！」

（# ｀A ´）「俺のこと心配してんのか？余計なお世話だ！」

（# ｀A ´）「毎日誰のおかげで飯が食えてると思ってんだ！」

(# 'A`)「」

（ ´A｀）「だいたい俺のように歳食った人間はもう年金貰って引退よ」

（ ´A｀）「雇い先だって、事実上の年齢制限でもうだめなんだ」

（ ´A｀）「でも、お前はまだ若い…これから何十年と生きていくんだ」

('A`)「それは…」

（ ´A｀）「お前が、今のようにいつまでも部屋に閉じこもって、月日ばかりが無駄に過ぎていってる」

（ ´A｀）「俺は、それを嘆いてるんだ」

（ ´A｀）「お前には俺のように育って欲しくない、もっと良い暮らしをして欲しい…そう願っているんだ」

('A`)「…だって、俺だって就職先さえ見つかれば…」

（# ｀A ´）「また同じ事言わせるのか？」

（# ｀A ´）「いったいいつになったら分かってくれるんだ！」

('A`)「…なんて…俺なんて生まれてこなきゃ良かったんだ！」

　 （# ｀A ´）　ﾊﾞｶﾔﾛｰ!!!!
　　⊂彡☆))Д´;）
　ﾊﾟｰﾝ

('A`)「なんだよﾄｰﾁｬﾝ！俺だって好きで生まれたわけじゃないんだ！」

('A`)「そんなに俺が気にくわないなら殺せよ！！！俺を殺せーーーっ！！！！」

（# ｀A ´）「！！！」

J('ｰ`)し「たかし、悪いのはあんただよ」

('A`)「なんでなんだよ！俺は爪弾きにされたんだ！その気持ちも知らないくせに！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞｯ

J('ｰ`)し「たかし！！」
　　　　　　・
　　　　　　・
　　　　　　・
('A`)「ほっといてくれよもう…」

（ ´A｀）「まったく…あいつは…いったいどうしてあんな風に育ってしまったのか…」

J('ｰ`)し「仕方ないわ…」

（ ´A｀）「…（ちょっとやり過ぎたかな…）」


―――――自室

('A`)「あぁ…もうどっと疲れた…」

('A`)「この求人……もういいや…」

('A`)「そんな気分じゃなくなった…」

('A`)「この家に…俺の居場所は…もうないな…」

('A`)「出て行こう…なるべく遠くに…」

('A`)「どこに行こうかな…」


('A`)「どこでもいいや…もう…」

('A`)「つっても金がねぇしな…なんか良い方法はないかな」

('A`)「そうだ！県外の派遣に行くという手もあるな！調べてみるか…」
　　　　　　　　・
　　　　　　　　・
　　　　　　　　・
('A`)「やっぱ、仕事はキツそうだな…金は貰えるが…」

('A`)「…でも、そうしたら、親が心配するだろうな…」

('A`)「どうしよう…」

('A`)「この家を…出て行く…のか…」

('A`)「怖いな…とても怖い」

('A`)「見知らぬ土地で、何が起きるのかそういう不安が怖い…」

('A`)「…何か、キッカケがあれば…何か…」

　　　　　　・
　　　　　　・
　　　　　　・

（ ´∀｀）「たかし、いるか？」

('A`)「う、うん…」

（ ´∀｀）「ほれ、」ｽｯ

('A`)「！（1000円札だ）」

（ ´∀｀）「何かコンビニで美味いもんでも買ってくるといい」

('A`)「…」

（ ´∀｀）「…さっきは…叩いたりして悪かったな」

('A`)「う、うん…」

（ ´∀｀）「」ﾀｯﾀｯﾀｯ


('A`)「…なんか、買ってくるか…」

―――――コンビニへの道中
('A`)（う…ん…なんか、出て行くと決めた割りには、後ろ髪を引かれる思いだな…）

('A`)（なんだろう…この気持ち…）

（（ ´∀｀）「お前は、どうしていきたいんだ？」）

('A`)「俺は、どうしていきたいんだろう…」

('A`)「俺は、どうしたいんだろう…」

('A`)「俺は…」

―――――コンビニ
('A`)（まぁ今はいいや…後で考えよう）
　　　　　　・
　　　　　　・
　　　　　　・
('A`)（そうだ、求人誌！これを見てどこ行くか決めよう）

('A`)（買い物はこれくらいにして…と）

―――――帰宅
　　　　　　・
　　　　　　・
　　　　　　・
('A`)（やっぱり、バイトの求人ではどうしてもやっていけないな…）

('A`)（この派遣業者ってよく見かけるな…いざとなったら、ここにいくか）

―――――そして時は現在に戻る

ﾌﾟﾙﾙﾙｯ…ﾌﾟﾙﾙﾙｯ…ｶﾞﾁｬｯ

('A`)「はい、もしもし」

( ^ω^)「おっ、○○のお宅かお？」

('A`)「ﾊｲ、ｿｳﾃﾞｽｹﾄﾞ…」

( ^ω^)「おっおっおっ、某派遣株式会社へ求人を出していた荒巻製造工場の採用担当、内藤だお」

('A`)「ﾊｲ、応募ｼﾃｲﾀたかし…ﾄ、ﾓｳｼﾏｽ。ﾖﾛｼｸｵﾈｶﾞｲｼﾏｽ。」

( ^ω^)「おっ、今まで働いた経験は無い…ということですか」

('A`)「ﾊｲ…何分、就職活動が思うようにいかなくて…」

( ^ω^)「バイトもかお？」

('A`)「ええ…資格の勉強とか…ｼﾃﾏｼﾃ…」

('A`)（ああ…やっぱ社会人未経験について突っ込まれたぁ…オワタ～よ～オワタ）

( ^ω^)「なるほど…えーとですね。私共としましては、たかしさんに是非来て頂きたいと思っておりまして…」

('A`)「」

( ^ω^)「ですので、今もお気持ちに変わりがないのであれば、…」

('A`)（こ、これは…つまり…その…なんというか…ぇぇぇぇええええええぇぇえっぇえ！？）

('∀`)「本当ですか！ありがとうございます！」

( ^ω^)「いえいえ、こちらこそありがとうございます。ではつきまして、仕事内容についてのお話をさせていただくお。」
　　　　　　　　・
　　　　　　　　・
　　　　　　　　・
( ^ω^)「赴任は一ヶ月後だお。寮については後日に別の担当から連絡あるお。では、本日はありがとうございました。」

('∀`)「はいっ！ありがとうございました！」ｶﾞﾁｬｯ

('∀`)「やった！これでこの家ともおさらばだ！」

('∀`)「おさらばだ…」

('A`)「…おさらば…なのか…」

('A`)（ﾄｰﾁｬﾝ…ｶｰﾁｬﾝ…俺、決まったよ…）

('A`)（…ど、どうしよう…何て報告すれば…）

('A`)（そもそも、親は派遣業についてどう考えてるんだろう？）

('A`)（やっぱ、一族の恥とか思われるんかな…？）

('∀`)（それとも、喜んでくれるのかな？）

('A`)（う～ん…まぁどのみちバレることだから言っておくか…）

('∀`)「ﾄｰﾁｬﾝ、ｶｰﾁｬﾝ」

（ ´∀｀）「？」

J('ｰ`)し「？」

('∀`)「決まったよ」

（ ´∀｀）「何がだい？」


('∀`)「…仕事」

（ ´∀｀）「なんの仕事だい？」

J('ｰ`)し「いつ面接行ったんだい？」

('∀`)「ほら、先日出かけたじゃん？あの時だよ」

('∀`)「んで、仕事は派遣業者から応募して、荒巻製造工場の契約社員になったんだ」

('∀`)「来月赴任することになるよ」

（ ´∀｀）「そうか…派遣か…」

J('ｰ`)し「工場はキツいよ？大丈夫？」

('A`)「う、うん…」

('A`)「じゃ、そういうことだから…」

（ ´∀｀）「生活は大丈夫かい？県外で頼る者が誰もいない独り暮らしになるんだぞ？」

('A`)「…なんとか、やってみるよ」

（ ´∀｀）「そうか…」

―――――廊下

('A`)「ふぅ…」

('A`)（これで、良かったんだ…）

('A`)（それになにより、この家にはきっと、俺の居場所なんて…もう、どこにも…）

('A`)（だから、これで良かったんだ…これで…）

('A`)（向こうに行ったら、何か新しいことを始めてみようかな…？）

('A`)（そして、できれば資格取って転職を考えよう…）

('A`)（やれるかな？）

('A`)（いや、やるしかない…そういうところに自分を押し込んだんだから…）

―――――

（ ´∀｀）「たかしがもうすぐ独り立ちか…」

J('ｰ`)し「そうね…」

　　　　　　　　・

　　　　　　　　・

　　　　　　　　・

―――――そして月日は流れ、出発の日
('A`)「じゃ、もう行くよ」

（ ´∀｀）「確か、数年いる感じになるんだろ？契約切れた頃にはもうこの家は無くなってるな」ｹﾀｹﾀｹﾀ

('A`)「うん…見納めだね……」

J('ｰ`)し「たかし…」

('∀`)「心配要らないよ。きっと大丈夫だから…。」

('A`)「…じゃ、……これまで色々と…世話に…なった」

（ ´∀｀）「ああ、行ってこい」

('A`)（これで終わりじゃない、これから始まるんだ…俺の新しい人生が…！）

('A`)（色々あったけど、どれも皆懐かしい）

('A`)（そうか…俺の後ろ髪を引いていた物は、親の気持ちを思いやったものだったんだ…）

('A`)（なんだかんだで、俺は……そういうことだったんだな…）

('A`)（…さぁ、新天地へ行こうか！）

-Fin-
ご愛読ありがとうございました

ごめん、実のところ、もう疲れた
第1章-旅立ち編-はここで終わりだけど、
第2章-地獄の派遣業編-はこれから紡ぐ物語なんだ
経験者がいるなら続きを頼む
俺はこれ以上書けないんだすまん