……

ｺﾞｿｺﾞｿ…ｼﾞｰｯ…


ヴィーネ「う、うぅ……思ったよりちっさいわね……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ヴィーネ（思わずガヴのジャージを着てしまったわ、一体私は何を考えているのかしら……）

ヴィーネ「………」

ヴィーネ（ガヴは普段この格好でベッドで寝ているのよね……？だったら……）

ヴィーネ「……えいっ！」

ﾎﾞﾌｯ

ヴィーネ「えへへー、ガヴのベッドだぁ……」ｺﾞﾛｺﾞﾛ

ヴィーネ（ベッドもジャージもガヴの匂い………今私はガヴに包まれてるんだ…）

ヴィーネ「……ヴィーネー、起こしてー………」ﾎﾞｿｯ

ヴィーネ「………ふふっ」

………

ﾎﾟﾘﾎﾟﾘ……

ヴィーネ「けっ、このポテチまっずいなー、二度と買わねーよ」ﾎﾟｲｯ

ヴィーネ「………」

ヴィーネ（今の凄くガヴっぽかったわ！！かなり再現度高いかも！！）

ヴィーネ「………」

ヴィーネ「……はぁー、暇だ、ネトゲでもするかー」

ヴィーネ「………」ｽｯ

ヴィーネ「………カタカタカタ…（エアタイピング）」

ヴィーネ「ちっ、使えねえなこいつら、ラッパ吹くぞヒューマン共……」

ヴィーネ「………」

ヴィーネ「………これ、いい…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ


ヴィーネ（私今ガヴリールになっちゃってる……なんだか凄くドキドキするわ…！）

ヴィーネ「………はぁ……はぁ…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ヴィーネ（ガヴを再現するためにジャージの下を脱いでしまったわ、なんだかこの格好凄く恥ずかしいわね……）

ヴィーネ（それにしてもガヴになりきるだけで何でここまで気持ちが昂るのかしら……胸が張り裂けそうな気分だわ……）

ヴィーネ「んっ………」ﾋﾟｸｯ

ヴィーネ「………私はガヴじゃない、ガヴなわけないのに……」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ヴィーネ（絶対に違うのに、私はガヴじゃないのに………！今の自分と重ねる事によって生まれるこの錯覚！！自分はガヴリールなんじゃないか？と思わせるこの感覚こそが………！最っっっ高に気持ちいいわっ！！）

ヴィーネ「ああああ………っ！！」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

……

「あざっしたー」


ガヴリール「ふぅ、危ない危ない、今月の月額課金切らすところだったわ…」

ガヴリール「ウェブマネーも買ったし、さっさと家に帰って仮眠をとって………ん？」

ガヴリール（そういえばなにか忘れているような………）

ガヴリール「………あっ！！」

ガヴリール「しまった！今日はヴィーネと遊びに行く約束してたんだった！！」


ガヴリール「くそっ、とりあえず携帯だけ家に取りに帰ってさっさと駅前に行かないと………！」ﾀﾞｯ

…

ｺﾞｼｺﾞｼ……

ヴィーネ「……ガヴっぽい寝癖をセットしてしまったわ…」

ヴィーネ「…今私、本当にガヴリールになってるんだ…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ヴィーネ（どうしよう、胸の鼓動が収まらないわ…こんなにも他人になりきるのが気持ちいいなんて、コスプレとかする人もこんな気持ちなのかな…？）

ヴィーネ（…自分が自分じゃない誰かになるのって、こんなに気持ちいいものなのね…）

ヴィーネ「ふーっ……ふーっ…」ﾄﾞｷﾄﾞｷ

ヴィーネ「だめっ………もう我慢できないわ………」ｻﾜｯ



ｶﾞﾁｬｯ‼



ガヴリール「やっべー、携帯どこにおいたっけ………」ｷｮﾛｷｮﾛ

ガヴリール「………ん？」



ヴィーネ「」

…

ガヴリール「…ヴィーネ…？」

ヴィーネ「……え、えっと…」

ガヴリール「何で家にいるんだよ、それにその格好………」

ヴィーネ「ち、ちち、違うのよガヴっ！私はあんたがいつまでも来ないから仕方なくガヴの家に迎えに来ただけで……っ！！」

ガヴリール「……うん、それはいいんだけどさ…」

ガヴリール「何で私のジャージ着てるの…？」

ヴィーネ「え、えっとそれは…」

ヴィーネ「……っ！そう、暖めておいてあげたのよ！ガヴがいつ着ても寒い思いをしなくてすむように…っ！暖めておいてあげたの！！」

ヴィーネ「と、というわけだから…」

ﾇｷﾞﾇｷﾞ

ヴィーネ「ほらっ！着てもいいわよ！！」



ガヴリール「は？」



完