2: 家 2017/09/08(金) 23:46:44.96 ID:Bxtfy19z0.net
ダイヤ「──ああ、やはり来ましたか」
ダイヤ「ええ、聞きたいことは大体察していますわよ……あのことについて、ですわよね?」
ダイヤ「別に話しても構いませんが、少しばかり長くなりますわよ……それに」
ダイヤ「あまり聞いていて気分のいいものではないでしょう……それでも?」
ダイヤ「……成程…わかりました、そこまで言うのなら全てを隠さずお話しいたしましょう」
ダイヤ「……」フゥーッ
ダイヤ「そう…あれは今から五年ほど前のことです──」
───
──
─
ダイヤ「ええ、聞きたいことは大体察していますわよ……あのことについて、ですわよね?」
ダイヤ「別に話しても構いませんが、少しばかり長くなりますわよ……それに」
ダイヤ「あまり聞いていて気分のいいものではないでしょう……それでも?」
ダイヤ「……成程…わかりました、そこまで言うのなら全てを隠さずお話しいたしましょう」
ダイヤ「……」フゥーッ
ダイヤ「そう…あれは今から五年ほど前のことです──」
───
──
─
3: 家 2017/09/08(金) 23:52:21.50 ID:Bxtfy19z0.net
─五年前、黒澤家
ダイヤ「ルビィ、起きなさいルビィ」ユサユサ
ルビィ「……んぅ…もうちょっと…」
ダイヤ「駄目です」ガバッ
ルビィ「あぁっ…お布団さんが……ひどいよお姉ちゃん」ゴシゴシ
ダイヤ「何を言ってるの、このまま寝ていたら遅刻するでしょう」
ダイヤ「新学期そうそうに遅刻だなんて、いい笑いものになりますわよ」ハァーッ
ダイヤ「ルビィ、起きなさいルビィ」ユサユサ
ルビィ「……んぅ…もうちょっと…」
ダイヤ「駄目です」ガバッ
ルビィ「あぁっ…お布団さんが……ひどいよお姉ちゃん」ゴシゴシ
ダイヤ「何を言ってるの、このまま寝ていたら遅刻するでしょう」
ダイヤ「新学期そうそうに遅刻だなんて、いい笑いものになりますわよ」ハァーッ
4: 家 2017/09/08(金) 23:57:29.18 ID:Bxtfy19z0.net
ルビィ「うぅ……」
ダイヤ「とにかく、早く着替えて朝ごはんを食べてきなさい」
ダイヤ「わかった?」
ルビィ「はーい…」トテトテ
ダイヤ「……全くもう」
……
…
ダイヤ「とにかく、早く着替えて朝ごはんを食べてきなさい」
ダイヤ「わかった?」
ルビィ「はーい…」トテトテ
ダイヤ「……全くもう」
……
…
5: 家 2017/09/09(土) 00:03:36.53 ID:0F8/8ltA0.net
─
ダイヤ「─ところでルビィ」スタスタ
ルビィ「ん、なに?」テクテク
ダイヤ「学校の方はどうなの? 友達は?」
ルビィ「お姉ちゃん、いつもそれ聞くよね」
ダイヤ「お母様に頼まれていますので」
ダイヤ「……それに、私も心配だから」
ルビィ「…大丈夫だよ、そんなに変なこととかないし」
ダイヤ「私が聞いているのはそういうことではないのだけど」
ダイヤ「─ところでルビィ」スタスタ
ルビィ「ん、なに?」テクテク
ダイヤ「学校の方はどうなの? 友達は?」
ルビィ「お姉ちゃん、いつもそれ聞くよね」
ダイヤ「お母様に頼まれていますので」
ダイヤ「……それに、私も心配だから」
ルビィ「…大丈夫だよ、そんなに変なこととかないし」
ダイヤ「私が聞いているのはそういうことではないのだけど」
6: 家 2017/09/09(土) 00:08:55.03 ID:0F8/8ltA0.net
ルビィ「……ルビィにはできないよ」
ダイヤ「そうかしら…もしかすると貴女の話を分かってくれる人が現れるかもしれませんわよ」
ダイヤ「ルビィが一緒にいたいと思えるような、そんな人が」
ルビィ「……そうかなぁ…」
ダイヤ「ええ、きっと」
ダイヤ「そうかしら…もしかすると貴女の話を分かってくれる人が現れるかもしれませんわよ」
ダイヤ「ルビィが一緒にいたいと思えるような、そんな人が」
ルビィ「……そうかなぁ…」
ダイヤ「ええ、きっと」
7: 家 2017/09/09(土) 00:14:05.78 ID:0F8/8ltA0.net
─
ダイヤ「さ、着きましたわ」
ルビィ「うん」
ダイヤ「ルビィ、今年度から貴女も四年生…高学年としてしっかりしていかないと、ね?」
ルビィ「うん」
ダイヤ「……それじゃあ私は先に行ってるから、帰りにまた会いましょう」
ルビィ「……うん、またねお姉ちゃん」フリフリ
ダイヤ「さ、着きましたわ」
ルビィ「うん」
ダイヤ「ルビィ、今年度から貴女も四年生…高学年としてしっかりしていかないと、ね?」
ルビィ「うん」
ダイヤ「……それじゃあ私は先に行ってるから、帰りにまた会いましょう」
ルビィ「……うん、またねお姉ちゃん」フリフリ
8: 家 2017/09/09(土) 00:17:06.19 ID:0F8/8ltA0.net
ルビィ「……」
ルビィ「……四年生、かぁ…お姉ちゃんは今年で六年生なんだよね…」
ルビィ「うん、今年で……もう…」
ルビィ「…いなくなるんだ……」
ルビィ「……ルビィもいかなくちゃ」スタスタ
ルビィ「……四年生、かぁ…お姉ちゃんは今年で六年生なんだよね…」
ルビィ「うん、今年で……もう…」
ルビィ「…いなくなるんだ……」
ルビィ「……ルビィもいかなくちゃ」スタスタ
9: 家 2017/09/09(土) 00:23:39.54 ID:0F8/8ltA0.net
─教室
「ねえねえ、昨日のアレ見た?」
「うん、見た見た! 面白かったよねー!」
「それで今日の朝にね……」
「あっ、それなら帰りに──でさ……」
ワイワイガヤガヤ
ルビィ「……」ハァーッ
「ねえねえ、昨日のアレ見た?」
「うん、見た見た! 面白かったよねー!」
「それで今日の朝にね……」
「あっ、それなら帰りに──でさ……」
ワイワイガヤガヤ
ルビィ「……」ハァーッ
10: 家 2017/09/09(土) 00:29:15.74 ID:0F8/8ltA0.net
ガラッ
先生「おはようございます、新学期早々に賑やかですね」
オハヨウゴザイマス!
先生「はい宜しい、それじゃあみんな席についてー、朝の会を始めますよー」
先生「─まずは出席から取っていきますね、井上さん……」
……
…
先生「おはようございます、新学期早々に賑やかですね」
オハヨウゴザイマス!
先生「はい宜しい、それじゃあみんな席についてー、朝の会を始めますよー」
先生「─まずは出席から取っていきますね、井上さん……」
……
…
11: 家 2017/09/09(土) 00:32:59.24 ID:0F8/8ltA0.net
先生「……はい全員いますね、では次に今日の予定を…っと言いたいところなんですが」
先生「その前に、みんなにお知らせがあります」
ルビィ「……?」
先生「そのお知らせというのは─」
先生「今日、このクラスに転校生がやってきます」
ルビィ「ぇ……!?」
先生「その前に、みんなにお知らせがあります」
ルビィ「……?」
先生「そのお知らせというのは─」
先生「今日、このクラスに転校生がやってきます」
ルビィ「ぇ……!?」
12: 家 2017/09/09(土) 00:38:08.57 ID:0F8/8ltA0.net
ザワザワ
先生「ほらほら静かに…えー転校生の子ですが、内浦に来るのは初めてのようなので色々分からないことがあったらみんな助けてあげるように」
先生「それでは津島さん、入ってきてください」
ルビィ「……」
─ガラッ
善子「……」
ルビィ「!」
先生「ほらほら静かに…えー転校生の子ですが、内浦に来るのは初めてのようなので色々分からないことがあったらみんな助けてあげるように」
先生「それでは津島さん、入ってきてください」
ルビィ「……」
─ガラッ
善子「……」
ルビィ「!」
13: 家 2017/09/09(土) 00:44:30.31 ID:0F8/8ltA0.net
善子「……」スタスタ
ザワッ
「わあ…すごい可愛いね……」
「テレビに出てくる人みたい…」
ルビィ(うん、でもなんだろう…何か……)
善子「……」ピタッ
先生「転校生の津島善子さんです、みんな仲良くするように」
ザワッ
「わあ…すごい可愛いね……」
「テレビに出てくる人みたい…」
ルビィ(うん、でもなんだろう…何か……)
善子「……」ピタッ
先生「転校生の津島善子さんです、みんな仲良くするように」
14: 家 2017/09/09(土) 00:46:07.59 ID:0F8/8ltA0.net
善子「……」
先生「それでは津島さん、自己紹介をどうぞ」
善子「……クク」
先生「津島さん?」
善子「津島……いえ違うわ、我が名は堕天使ヨハネ」
善子「そして今、この場の全員に告ぐわ」
善子「堕天使ヨハネと契約して、貴女も私のリトルデーモンに…なってみない?」フッ
先生「それでは津島さん、自己紹介をどうぞ」
善子「……クク」
先生「津島さん?」
善子「津島……いえ違うわ、我が名は堕天使ヨハネ」
善子「そして今、この場の全員に告ぐわ」
善子「堕天使ヨハネと契約して、貴女も私のリトルデーモンに…なってみない?」フッ
15: 家 2017/09/09(土) 00:54:38.80 ID:0F8/8ltA0.net
シーーーン…
「「「……」」」
ルビィ「……リトルデーモン…?」
先生「……えーっと…津島さん?」
善子「…………あっ…」
善子「……」
善子「…………よろしくお願いします」ペコリ
「「「……」」」
ルビィ「……リトルデーモン…?」
先生「……えーっと…津島さん?」
善子「…………あっ…」
善子「……」
善子「…………よろしくお願いします」ペコリ
16: 家 2017/09/09(土) 00:55:55.26 ID:0F8/8ltA0.net
先生「……えー、それじゃあ津島さんの席はあそこになるけど…大丈夫?」
善子「……大丈夫です」
ルビィ(ルビィの後ろ…)
善子「……」ストン
善子「……またやってしまったわ…」ハァーッ
ルビィ「?」チラッ
先生「─さてと…今日の朝の会はこれで終わりです、係りの人は挨拶をお願いします」
……
…
善子「……大丈夫です」
ルビィ(ルビィの後ろ…)
善子「……」ストン
善子「……またやってしまったわ…」ハァーッ
ルビィ「?」チラッ
先生「─さてと…今日の朝の会はこれで終わりです、係りの人は挨拶をお願いします」
……
…
17: 家 2017/09/09(土) 01:03:57.05 ID:0F8/8ltA0.net
─それから放課後
善子「ねえちょっと」
ルビィ「……」
善子「そこのあんたよ、あんた」ポンポン
ルビィ「…え? ルビィ?」クルッ
善子「そうだけど、ルビィ? ……もしかしてそれ、名前なの?」
ルビィ「うん、そうだよ」
善子「……変わった名前ね」
善子「ねえちょっと」
ルビィ「……」
善子「そこのあんたよ、あんた」ポンポン
ルビィ「…え? ルビィ?」クルッ
善子「そうだけど、ルビィ? ……もしかしてそれ、名前なの?」
ルビィ「うん、そうだよ」
善子「……変わった名前ね」
18: 家 2017/09/09(土) 01:09:55.02 ID:0F8/8ltA0.net
ルビィ「あの、それで…ルビィになにか用?」
善子「ううん別に」
ルビィ「え?」
善子「赤い髪が目立つから気になっただけよ」
善子「ま、名前も珍しかったわけだけど」
ルビィ「そっか……やっぱり変だよね」
善子「ううん別に」
ルビィ「え?」
善子「赤い髪が目立つから気になっただけよ」
善子「ま、名前も珍しかったわけだけど」
ルビィ「そっか……やっぱり変だよね」
19: 家 2017/09/09(土) 01:12:16.44 ID:0F8/8ltA0.net
善子「ん、どうして? そんなことないわよ、むしろカッコいいじゃない」
ルビィ「!?」
善子「何その反応、私そんなにおかしなこと言ってるかしら」
善子「その他の人とは違う“特別”って感じが、見た目からもう出ているのは凄いことだと思うけど」
ルビィ「……本当に?」
善子「ええ、なに? あんたは気に入ってないの?」
ルビィ「そうじゃ、ないけど…」
善子「ならいいじゃない」
ルビィ「!?」
善子「何その反応、私そんなにおかしなこと言ってるかしら」
善子「その他の人とは違う“特別”って感じが、見た目からもう出ているのは凄いことだと思うけど」
ルビィ「……本当に?」
善子「ええ、なに? あんたは気に入ってないの?」
ルビィ「そうじゃ、ないけど…」
善子「ならいいじゃない」
20: 家 2017/09/09(土) 01:20:51.93 ID:0F8/8ltA0.net
善子「それに、その見た目なら私のリトルデーモンとしても十分、いやそれ以上に……」
ルビィ「リトルデーモン……」
善子「あっ、しまった……」パッ
ルビィ「ねえ、津島さん…そのリトルデーモンってなに? 朝のときも言ってたけど」
善子「……その手の質問は昼休みの間に嫌になるほど聞いたんだけどね」
ルビィ「ごめんなさい、ルビィあまりたくさんの人とおしゃべり出来ないから」
善子「……まあいいけど」
ルビィ「リトルデーモン……」
善子「あっ、しまった……」パッ
ルビィ「ねえ、津島さん…そのリトルデーモンってなに? 朝のときも言ってたけど」
善子「……その手の質問は昼休みの間に嫌になるほど聞いたんだけどね」
ルビィ「ごめんなさい、ルビィあまりたくさんの人とおしゃべり出来ないから」
善子「……まあいいけど」
21: 家 2017/09/09(土) 01:23:05.93 ID:0F8/8ltA0.net
善子「リトルデーモンっていうのはこの私、堕天使ヨハネに付き従う従順なしもべのことよ」
ルビィ「???」
善子「……あー、いやつまり…いつも私を支えてくれる存在というか……」
ルビィ「お友だちってこと?」
善子「そういうわけじゃないんだけど…まあ、あんたにはそれが一番わかりやすいかもね」
ルビィ「???」
善子「……あー、いやつまり…いつも私を支えてくれる存在というか……」
ルビィ「お友だちってこと?」
善子「そういうわけじゃないんだけど…まあ、あんたにはそれが一番わかりやすいかもね」
23: 家 2017/09/09(土) 01:24:30.85 ID:0F8/8ltA0.net
ルビィ「そっか…」
善子「なかなか居ないんだけどね、私のリトルデーモンに相応しい…いや、なってくれるような人って」
善子「あんたにこんなこと言っても仕方ないけど」
ルビィ「……」
善子「まあいいわ、邪魔したわね」クルッ
ルビィ「……あの! 待ってください!」
善子「なかなか居ないんだけどね、私のリトルデーモンに相応しい…いや、なってくれるような人って」
善子「あんたにこんなこと言っても仕方ないけど」
ルビィ「……」
善子「まあいいわ、邪魔したわね」クルッ
ルビィ「……あの! 待ってください!」
25: 家 2017/09/09(土) 01:26:58.10 ID:0F8/8ltA0.net
善子「なに?」
ルビィ「……あっ……あの…」
善子「何よ、どうかしたの?」
ルビィ「ル、ルビィを津島さんのリトルデーモンにしてもらえませんか!」
善子「……!?」
ルビィ「……あっ……あの…」
善子「何よ、どうかしたの?」
ルビィ「ル、ルビィを津島さんのリトルデーモンにしてもらえませんか!」
善子「……!?」
26: 家 2017/09/09(土) 01:31:49.21 ID:0F8/8ltA0.net
善子「あんた、それって…」
ルビィ「ルビィね、津島さんのこともっと知りたいの」
善子「……どうして?」
ルビィ「それは……」
ルビィ「堕天使さんってカッコいいなぁって…そう思ったから」
善子「!」
ルビィ「ルビィね、津島さんのこともっと知りたいの」
善子「……どうして?」
ルビィ「それは……」
ルビィ「堕天使さんってカッコいいなぁって…そう思ったから」
善子「!」
27: 家 2017/09/09(土) 01:32:51.52 ID:0F8/8ltA0.net
善子「……」
ルビィ「……やっぱり、ダメだよね…」
善子「…そんなことないわよ」
ルビィ「……え?」
善子「堕天使ヨハネはリトルデーモンの申し出を断ることはしないわ」
ルビィ「本当にいいの…?」
善子「…あんたはもう少し自分に自信を持ったほうがいいわね」
ルビィ「……やっぱり、ダメだよね…」
善子「…そんなことないわよ」
ルビィ「……え?」
善子「堕天使ヨハネはリトルデーモンの申し出を断ることはしないわ」
ルビィ「本当にいいの…?」
善子「…あんたはもう少し自分に自信を持ったほうがいいわね」
28: 家 2017/09/09(土) 01:34:28.12 ID:0F8/8ltA0.net
善子「とにかく、私がいいって言ったらいいのよ」
ルビィ「……ありがとう、津島さん」ニコッ
善子「っ……ただ、そうね…その津島さんって呼びかた」
善子「リトルデーモンになるからには少し硬いわね」
ルビィ「そうなの?」
善子「ええ、だからこれからは私のことをヨハネと……」
ルビィ「じゃあ善子ちゃんって呼んでいい?」
善子「…………まあ、いいけど」
ルビィ「……ありがとう、津島さん」ニコッ
善子「っ……ただ、そうね…その津島さんって呼びかた」
善子「リトルデーモンになるからには少し硬いわね」
ルビィ「そうなの?」
善子「ええ、だからこれからは私のことをヨハネと……」
ルビィ「じゃあ善子ちゃんって呼んでいい?」
善子「…………まあ、いいけど」
29: 家 2017/09/09(土) 01:35:39.49 ID:0F8/8ltA0.net
ルビィ「よかった……えへへっ」
善子「そんなに嬉しいの?」
ルビィ「うん、すごく嬉しい」
善子「…なんか、変なの」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、これからよろしくね」
善子「ん、そうね……よろしく…えーっと、ルビィ」
ルビィ「はい!」ニコッ
善子「そんなに嬉しいの?」
ルビィ「うん、すごく嬉しい」
善子「…なんか、変なの」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、これからよろしくね」
善子「ん、そうね……よろしく…えーっと、ルビィ」
ルビィ「はい!」ニコッ
30: 家 2017/09/09(土) 01:36:32.54 ID:0F8/8ltA0.net
─
善子「さて、そうなればまずは一緒に堕天使活動からかしらね」
ルビィ「……あの、ごめんなさい善子ちゃん」
善子「ん? なに?」
ルビィ「ルビィ今日は習い事があって…だからもう帰らなくちゃいけないの」
善子「……そうなの」
ルビィ「ごめんね…」
善子「別に気にしてないわよ、習い事なら仕方ないわ」
善子「じゃあ…また明日ね」
ルビィ「うん、またね善子ちゃん」タッ
善子「さて、そうなればまずは一緒に堕天使活動からかしらね」
ルビィ「……あの、ごめんなさい善子ちゃん」
善子「ん? なに?」
ルビィ「ルビィ今日は習い事があって…だからもう帰らなくちゃいけないの」
善子「……そうなの」
ルビィ「ごめんね…」
善子「別に気にしてないわよ、習い事なら仕方ないわ」
善子「じゃあ…また明日ね」
ルビィ「うん、またね善子ちゃん」タッ
31: 家 2017/09/09(土) 01:37:41.43 ID:0F8/8ltA0.net
善子「─意外と忙しいのね、あの子」
善子「それにしても……ルビィ、か…」
『ル、ルビィを津島さんのリトルデーモンにしてもらえませんか!』
『堕天使さんってカッコいいなぁって…そう思ったから』
善子「初めてね、あんなこと言ってくる子は…」
善子「フフッ……私も帰ろ」
……
…
善子「それにしても……ルビィ、か…」
『ル、ルビィを津島さんのリトルデーモンにしてもらえませんか!』
『堕天使さんってカッコいいなぁって…そう思ったから』
善子「初めてね、あんなこと言ってくる子は…」
善子「フフッ……私も帰ろ」
……
…
37: 家 2017/09/09(土) 12:27:43.19 ID:okWdET0A0.net
─黒澤家
ルビィ「……ふう」コトン
ダイヤ「─お疲れ様、ルビィ」
ルビィ「あっ、お姉ちゃん」
ダイヤ「……何かいいことでもあった?」
ルビィ「…? なんで?」
ダイヤ「そういう顔をしてますもの、習い事も、今日はあまり辛そうに見えなかったわ」
ルビィ「……そっか」
ルビィ「……ふう」コトン
ダイヤ「─お疲れ様、ルビィ」
ルビィ「あっ、お姉ちゃん」
ダイヤ「……何かいいことでもあった?」
ルビィ「…? なんで?」
ダイヤ「そういう顔をしてますもの、習い事も、今日はあまり辛そうに見えなかったわ」
ルビィ「……そっか」
38: 家 2017/09/09(土) 12:28:42.38 ID:okWdET0A0.net
ルビィ「あのね、今日ルビィのクラスに転校生が来たの」
ルビィ「それでね、その子とお友だちになったんだぁ」
ダイヤ「へえ、転校生と……どんな子なの?」
ルビィ「うん、とにかくすごい女の子だったよ」
ダイヤ「はあ…」
ルビィ「それでね、その子とお友だちになったんだぁ」
ダイヤ「へえ、転校生と……どんな子なの?」
ルビィ「うん、とにかくすごい女の子だったよ」
ダイヤ「はあ…」
39: 家 2017/09/09(土) 12:29:36.33 ID:okWdET0A0.net
ダイヤ「ねえルビィ、何がどう凄いのか言ってもらわないとこっちには伝わりませんわよ」
ルビィ「あっそうだね、えーっとね…まずはすごい美人さんでね」
ルビィ「でもね、すごいカッコいいの」
ダイヤ「美人でカッコいい、ですか」
ルビィ「うん、お姉ちゃんみたいだよね」クス
ダイヤ「……まあそれは置いておくとして…それから?」
ルビィ「あっそうだね、えーっとね…まずはすごい美人さんでね」
ルビィ「でもね、すごいカッコいいの」
ダイヤ「美人でカッコいい、ですか」
ルビィ「うん、お姉ちゃんみたいだよね」クス
ダイヤ「……まあそれは置いておくとして…それから?」
40: 家 2017/09/09(土) 12:30:24.76 ID:okWdET0A0.net
ルビィ「んーとね、あとは……そう、カッコいいなぁって」
ダイヤ「それはさっき聞いたけど」
ルビィ「ううん見た目の話じゃなくて…その子ね、善子ちゃんっていうんだけど」
ルビィ「善子ちゃん、凄いところから来たの」
ダイヤ「それはさっき聞いたけど」
ルビィ「ううん見た目の話じゃなくて…その子ね、善子ちゃんっていうんだけど」
ルビィ「善子ちゃん、凄いところから来たの」
41: 家 2017/09/09(土) 12:31:12.07 ID:okWdET0A0.net
ダイヤ「凄いところ……外国とか?」
ルビィ「ううん、お空から」
ダイヤ「……ルビィ、今なんて?」
ルビィ「善子ちゃんはね、天界から追放された堕天使なんだって!」
ルビィ「それでね、ルビィは善子ちゃんのリトルデーモンなんだぁ!」パァッ
ダイヤ「……………………は?」ポカン
ルビィ「ううん、お空から」
ダイヤ「……ルビィ、今なんて?」
ルビィ「善子ちゃんはね、天界から追放された堕天使なんだって!」
ルビィ「それでね、ルビィは善子ちゃんのリトルデーモンなんだぁ!」パァッ
ダイヤ「……………………は?」ポカン
42: 家 2017/09/09(土) 12:32:06.12 ID:okWdET0A0.net
─津島家
善子「ただいまー」
善子母「おかえり善子、どうだった学校は?」
善子「……まあまあってところ」
善子母「そう」
善子「……あー、でも」
善子母「?」
善子「ただいまー」
善子母「おかえり善子、どうだった学校は?」
善子「……まあまあってところ」
善子母「そう」
善子「……あー、でも」
善子母「?」
43: 家 2017/09/09(土) 12:33:05.44 ID:okWdET0A0.net
善子「少し、変わった子がいたわね」
善子母「変わった子?」
善子「うん、私の言ってることを全部信じた子……初めて見た」
善子母「……善子もしかして、また堕天使って言っちゃったの?」
善子「うっ…自己紹介のときはやめようって思ってたんだけど」
善子母「…また変な目で見られたんじゃないの?」
善子「今までよりはだいぶマシだったけどね……でも」
善子母「さっき言ったその子だけは、そういう目で見なかったのね」
善子「……うん」
善子母「変わった子?」
善子「うん、私の言ってることを全部信じた子……初めて見た」
善子母「……善子もしかして、また堕天使って言っちゃったの?」
善子「うっ…自己紹介のときはやめようって思ってたんだけど」
善子母「…また変な目で見られたんじゃないの?」
善子「今までよりはだいぶマシだったけどね……でも」
善子母「さっき言ったその子だけは、そういう目で見なかったのね」
善子「……うん」
49: 家 2017/09/09(土) 13:32:45.78 ID:okWdET0A0.net
善子母「よかったじゃない」
善子「うん……ホント、変わってるわ」
善子「髪の色も赤くて……なんか大人しいのにそれだけで目を引くっていうか」
善子母「赤い髪の毛……珍しいわね」
善子「うん、それに名前も普通の人とはちょっと違うし」
善子母「へえ……名前、なんていうの?」
善子「ルビィって言ってたわ」
善子母「そう、ルビィちゃんっていうのね」
45: 家 2017/09/09(土) 12:34:35.55 ID:okWdET0A0.net
善子「…あれ? ママ、あまり驚かないのね? 私は結構変わった名前だと思ってたのに」
善子母「あら、そうかしら? まあ確かに珍しいものね」
善子「じゃあどうして?」
善子母「うーん、そうね……前に似たような名前を聞いたことがあるから、かしらね」
善子「ふーん…?」
善子母「あら、そうかしら? まあ確かに珍しいものね」
善子「じゃあどうして?」
善子母「うーん、そうね……前に似たような名前を聞いたことがあるから、かしらね」
善子「ふーん…?」
46: 家 2017/09/09(土) 12:36:12.94 ID:okWdET0A0.net
善子母「とにかく、お友達が出来たみたいでよかったわ」
善子「まだ知り合ったばかりだけどね」
善子母「いいじゃない、これから仲良くなっていけば」
善子「……ま、考えておくわ…一応私のリトルデーモンだし、ね」
善子「じゃあ私、部屋に戻るから」スタスタ
善子母「あっ……もう、変なところで素直じゃないんだから」フフッ
善子母「……それにしても…赤色、か」
善子母「─懐かしいわね、色々……」
善子「まだ知り合ったばかりだけどね」
善子母「いいじゃない、これから仲良くなっていけば」
善子「……ま、考えておくわ…一応私のリトルデーモンだし、ね」
善子「じゃあ私、部屋に戻るから」スタスタ
善子母「あっ……もう、変なところで素直じゃないんだから」フフッ
善子母「……それにしても…赤色、か」
善子母「─懐かしいわね、色々……」
54: 家 2017/09/10(日) 00:18:06.17 ID:5B1D8iTo0.net
─翌日、学校
善子「うーん……かなり早い時間から来てしまったわ」
善子「別に用事なんてないけど…」
善子「なんか早く行かないと落ち着かないのよねえ……」
善子「ま、一人だけの時間っていうのもそれはそれで悪くないけどね」ガラッ
善子「ククク……堕天使ヨハネ、降臨! ってね」
ルビィ「あっ善子ちゃんだ、おはよう」ニコッ
善子「」
善子「うーん……かなり早い時間から来てしまったわ」
善子「別に用事なんてないけど…」
善子「なんか早く行かないと落ち着かないのよねえ……」
善子「ま、一人だけの時間っていうのもそれはそれで悪くないけどね」ガラッ
善子「ククク……堕天使ヨハネ、降臨! ってね」
ルビィ「あっ善子ちゃんだ、おはよう」ニコッ
善子「」
55: 家 2017/09/10(日) 00:20:23.86 ID:5B1D8iTo0.net
善子「……おはよう、ルビィって学校に来るの早いのね」
ルビィ「うーん、今日はたまたまかなぁ…いつもはそんなに早くないの」
善子「ならいつも通りでよかったのに…」
ルビィ「え?」
善子「ううん、なんでもないわ……それより」
ルビィ「うーん、今日はたまたまかなぁ…いつもはそんなに早くないの」
善子「ならいつも通りでよかったのに…」
ルビィ「え?」
善子「ううん、なんでもないわ……それより」
56: 家 2017/09/10(日) 00:21:36.13 ID:5B1D8iTo0.net
善子「ねえ、勉強してるの?」ズイッ
ルビィ「うん、ルビィはあんまり頭がよくないから」
善子「ふーん、真面目なことね」
ルビィ「えっ、普通じゃないの?」
善子「……まあ、そうね」
善子(…昨日の習い事もそうだけど、ルビィの家って意外とそういうのに厳しい家庭なのかしら?)
ルビィ「うん、ルビィはあんまり頭がよくないから」
善子「ふーん、真面目なことね」
ルビィ「えっ、普通じゃないの?」
善子「……まあ、そうね」
善子(…昨日の習い事もそうだけど、ルビィの家って意外とそういうのに厳しい家庭なのかしら?)
57: 家 2017/09/10(日) 00:22:30.81 ID:5B1D8iTo0.net
ルビィ「……」カキカキ
善子「……」ジーッ
善子「ねえ」
ルビィ「なに?」
善子「そこ、間違えてるわよ」
ルビィ「えっ、どこ?」
善子「ここよ、正しくはこう」サラサラ
善子「……」ジーッ
善子「ねえ」
ルビィ「なに?」
善子「そこ、間違えてるわよ」
ルビィ「えっ、どこ?」
善子「ここよ、正しくはこう」サラサラ
58: 家 2017/09/10(日) 00:24:21.75 ID:5B1D8iTo0.net
ルビィ「わっ、本当だ…すごい、善子ちゃんって頭がいいんだね!」
善子「っ……いや、まあそれほどでもないわよ」
善子「その、親が教師だから…私もそれなりに勉強が出来るようになったってだけ」
ルビィ「善子ちゃんのお父さんとお母さんって先生なの?」
善子「母親のほうだけ、お父さんは違う仕事」ガタン
ルビィ「そうなんだ」
善子「っ……いや、まあそれほどでもないわよ」
善子「その、親が教師だから…私もそれなりに勉強が出来るようになったってだけ」
ルビィ「善子ちゃんのお父さんとお母さんって先生なの?」
善子「母親のほうだけ、お父さんは違う仕事」ガタン
ルビィ「そうなんだ」
59: 家 2017/09/10(日) 00:26:04.85 ID:5B1D8iTo0.net
善子「隣、座るわよ」ストン
ルビィ「うん」
善子「実を言うとね、その仕事の都合でこっちに転校することになったのよ私」
ルビィ「そうなの?」
善子「なんか教師の人手が不足しているとか何とかでさ、そんなの別に断ればいいのにって私は思ったんだけど」
善子「でも私のママ…ここの偉い人達に昔けっこうお世話になってたんだって」
ルビィ「うん」
善子「実を言うとね、その仕事の都合でこっちに転校することになったのよ私」
ルビィ「そうなの?」
善子「なんか教師の人手が不足しているとか何とかでさ、そんなの別に断ればいいのにって私は思ったんだけど」
善子「でも私のママ…ここの偉い人達に昔けっこうお世話になってたんだって」
60: 家 2017/09/10(日) 00:29:46.15 ID:5B1D8iTo0.net
ルビィ「偉い人たちって?」
善子「私もあんまり知らないけど……とにかくそういうのがあったせいか、断らないでこっちに越すことになったってわけ」
ルビィ「そうだったんだ…」
善子「引っ越すって最初に聞いたときは私の不幸が遂にママにまで影響したのかと思ったけど」
善子「……」チラッ
ルビィ「?」
善子「どうやら私の勘違いだったみたい、転校っていうのも中々いいものね」クスッ
善子「私もあんまり知らないけど……とにかくそういうのがあったせいか、断らないでこっちに越すことになったってわけ」
ルビィ「そうだったんだ…」
善子「引っ越すって最初に聞いたときは私の不幸が遂にママにまで影響したのかと思ったけど」
善子「……」チラッ
ルビィ「?」
善子「どうやら私の勘違いだったみたい、転校っていうのも中々いいものね」クスッ
66: 家 2017/09/10(日) 13:43:46.88 ID:S91TCxAm0.net
善子「─あっそうだ、ねえルビィ」
ルビィ「なに?」
善子「今日の放課後、時間ある? 昨日は無理だったから今日やりたいんだけど」
ルビィ「……それは…」
善子「…もしかして今日も?」
ルビィ「うん…」
ルビィ「なに?」
善子「今日の放課後、時間ある? 昨日は無理だったから今日やりたいんだけど」
ルビィ「……それは…」
善子「…もしかして今日も?」
ルビィ「うん…」
67: 家 2017/09/10(日) 13:44:36.00 ID:S91TCxAm0.net
善子「そう…ルビィ、習い事っていつお休みなの?」
ルビィ「…土曜日と日曜日」
善子「はあ!? じゃあ休日以外の日は全部習い事やってるの!?」
ルビィ「うん」
善子「これは…流石に予想外だったわ……」
善子(ルビィにあまり友達がいないのって性格だけが原因じゃなさそうね…平日の放課後に遊べないんだもの)
ルビィ「…土曜日と日曜日」
善子「はあ!? じゃあ休日以外の日は全部習い事やってるの!?」
ルビィ「うん」
善子「これは…流石に予想外だったわ……」
善子(ルビィにあまり友達がいないのって性格だけが原因じゃなさそうね…平日の放課後に遊べないんだもの)
68: 家 2017/09/10(日) 13:45:28.93 ID:S91TCxAm0.net
善子「……」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子(私が思った通りだった、やっぱり…ルビィは他の子とは違う)
善子(この子は……一人なんだ)
善子「…ならそうね、休日は?」
ルビィ「え?」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子(私が思った通りだった、やっぱり…ルビィは他の子とは違う)
善子(この子は……一人なんだ)
善子「…ならそうね、休日は?」
ルビィ「え?」
69: 家 2017/09/10(日) 13:46:22.18 ID:S91TCxAm0.net
善子「土曜日と日曜日は習い事ないんでしょ? 学校もお休みだし、たくさん遊べるじゃない」
ルビィ「それは、そうだけど…」
善子「なら決まりね」
ルビィ「ま、待って善子ちゃん…まだ、いいって言われてないから」
善子「大丈夫よ、子供は遊ぶのが仕事なのよ? なら私たちにだって都合があったっていいと思わない?」
ルビィ「!」
ルビィ「それは、そうだけど…」
善子「なら決まりね」
ルビィ「ま、待って善子ちゃん…まだ、いいって言われてないから」
善子「大丈夫よ、子供は遊ぶのが仕事なのよ? なら私たちにだって都合があったっていいと思わない?」
ルビィ「!」
70: 家 2017/09/10(日) 13:47:20.67 ID:S91TCxAm0.net
善子「フフッ…ほら、やっぱりあんたもそう思ってるんじゃない」
ルビィ「善子ちゃん…」
善子「少しくらい我がまま言ってもバチは当たらないわよ、ね?」
ルビィ「……うん分かった、ルビィ言ってみる」
ルビィ「善は急げっていうもんね」ニコッ
善子「私はその対極に位置する堕天使なんだけどね、まあいいわ」
善子「それじゃあルビィ、そろそろみんなが来そうだからまた後でね」ガタン
ルビィ「うん、また…」
ルビィ「善子ちゃん…」
善子「少しくらい我がまま言ってもバチは当たらないわよ、ね?」
ルビィ「……うん分かった、ルビィ言ってみる」
ルビィ「善は急げっていうもんね」ニコッ
善子「私はその対極に位置する堕天使なんだけどね、まあいいわ」
善子「それじゃあルビィ、そろそろみんなが来そうだからまた後でね」ガタン
ルビィ「うん、また…」
71: 家 2017/09/10(日) 13:48:14.73 ID:S91TCxAm0.net
ルビィ「……」
ルビィ「善子ちゃん、ルビィのために…」
ルビィ「ありがとう…」
ルビィ「……きめた」
ルビィ「ルビィも頑張らなくっちゃ」
……
…
ルビィ「善子ちゃん、ルビィのために…」
ルビィ「ありがとう…」
ルビィ「……きめた」
ルビィ「ルビィも頑張らなくっちゃ」
……
…
72: 家 2017/09/10(日) 13:48:53.03 ID:S91TCxAm0.net
─黒澤家
ダイヤ「失礼します」ガラッ
黒澤母「あら、ダイヤさん」
ダイヤ「お母様、今日の習い事…二人とも終わりました」
黒澤母「そう、お疲れ様でした」
ダイヤ「いえ、いつものことですから……?」
黒澤母「どうかしましたか?」
ダイヤ「失礼します」ガラッ
黒澤母「あら、ダイヤさん」
ダイヤ「お母様、今日の習い事…二人とも終わりました」
黒澤母「そう、お疲れ様でした」
ダイヤ「いえ、いつものことですから……?」
黒澤母「どうかしましたか?」
73: 家 2017/09/10(日) 13:49:22.51 ID:S91TCxAm0.net
ダイヤ「あの、それ…」
黒澤母「ああ…これはアルバムですよ」
ダイヤ「アルバム…お母様の?」
黒澤母「ええ、ダイヤさんも見ていきますか?」ニコッ
ダイヤ「はい……ぜひ」
黒澤母「ああ…これはアルバムですよ」
ダイヤ「アルバム…お母様の?」
黒澤母「ええ、ダイヤさんも見ていきますか?」ニコッ
ダイヤ「はい……ぜひ」
74: 家 2017/09/10(日) 13:50:58.59 ID:S91TCxAm0.net
ダイヤ「─これは?」
黒澤母「私とお父様が知り合った頃の写真ですわね」
黒澤母「こうしてみると、本当…ダイヤさんは昔の私によく似ています」
ダイヤ「……光栄です」
黒澤母「そんなに畏まらなくてもいいのに」
ダイヤ「……あの、でしたらルビィはお父様に似ているのでしょうか?」
黒澤母「私とお父様が知り合った頃の写真ですわね」
黒澤母「こうしてみると、本当…ダイヤさんは昔の私によく似ています」
ダイヤ「……光栄です」
黒澤母「そんなに畏まらなくてもいいのに」
ダイヤ「……あの、でしたらルビィはお父様に似ているのでしょうか?」
75: 家 2017/09/10(日) 13:51:37.94 ID:S91TCxAm0.net
黒澤母「そうですね、ルビィさんはどちらかと言うと父親譲りでしょう…髪の色もそうですが」
黒澤母「なんとなく放っておけない感じも、よく似ています」
黒澤母「ダイヤさんもルビィさんに対してはそうでしょう?」
ダイヤ「……はい」
黒澤母「どうしてでしょうね…最終的には許してしまうというか、どんなに厳しく律しても…根負けするのはこちらの方なんです」
ダイヤ「確かに…」
黒澤母「不公平ですわよね」クス
黒澤母「なんとなく放っておけない感じも、よく似ています」
黒澤母「ダイヤさんもルビィさんに対してはそうでしょう?」
ダイヤ「……はい」
黒澤母「どうしてでしょうね…最終的には許してしまうというか、どんなに厳しく律しても…根負けするのはこちらの方なんです」
ダイヤ「確かに…」
黒澤母「不公平ですわよね」クス
76: 家 2017/09/10(日) 13:52:33.26 ID:S91TCxAm0.net
ダイヤ「しかし、今の話を聞いていると…つまり赤髪の人というのは」
ダイヤ「女泣かせ、ということになるのでしょうか……?」
黒澤母「……フフッ! 成程、女泣かせですか! ダイヤさんなかなか上手いことを言いますね」
ダイヤ「お、お母様? ……そんなに可笑しかったでしょうか?」
黒澤母「ええ、だって実際その通りなんですもの」クスクス
ダイヤ「女泣かせ、ということになるのでしょうか……?」
黒澤母「……フフッ! 成程、女泣かせですか! ダイヤさんなかなか上手いことを言いますね」
ダイヤ「お、お母様? ……そんなに可笑しかったでしょうか?」
黒澤母「ええ、だって実際その通りなんですもの」クスクス
77: 家 2017/09/10(日) 13:53:13.51 ID:S91TCxAm0.net
黒澤母「貴方たちのお父様はね、まさにその様な感じの人でした」
黒澤母「あの人に惹かれた女性は数知れず…たとえそれが、叶うことのない夢物語であったとしても」
黒澤母「それでもなお…引き下がらずに彼を求めた方もいたくらいですから」
ダイヤ「そんなに……?」
黒澤母「ええ、本当に……罪な人です」
黒澤母「あの人に惹かれた女性は数知れず…たとえそれが、叶うことのない夢物語であったとしても」
黒澤母「それでもなお…引き下がらずに彼を求めた方もいたくらいですから」
ダイヤ「そんなに……?」
黒澤母「ええ、本当に……罪な人です」
78: 家 2017/09/10(日) 13:53:48.42 ID:S91TCxAm0.net
ダイヤ「あの、お母様……少し、ルビィが心配になってきましたわ」
黒澤母「そうですね、ルビィさんはあの人に似てますから」
黒澤母「何かを決意した際の行動力は特に」
ダイヤ「……?」
黒澤母「クスッ…いえね、先程ルビィさんからお話しがあったんですよ、友達と遊びたいから休日に家を出てもいいですかって」
黒澤母「そうですね、ルビィさんはあの人に似てますから」
黒澤母「何かを決意した際の行動力は特に」
ダイヤ「……?」
黒澤母「クスッ…いえね、先程ルビィさんからお話しがあったんですよ、友達と遊びたいから休日に家を出てもいいですかって」
79: 家 2017/09/10(日) 13:54:27.49 ID:S91TCxAm0.net
ダイヤ「ルビィが!? ……だから機嫌が良かったのね」
黒澤母「はい、その時のルビィさんの目があの時の彼とあまりにも似ていたものですから」
黒澤母「ちょっと昔のことを思い出しまして」
ダイヤ「それで写真を……?」
黒澤母「ええ、少し懐かしくなったんですよ……色々と、ね」
……
…
黒澤母「はい、その時のルビィさんの目があの時の彼とあまりにも似ていたものですから」
黒澤母「ちょっと昔のことを思い出しまして」
ダイヤ「それで写真を……?」
黒澤母「ええ、少し懐かしくなったんですよ……色々と、ね」
……
…
85: 家 2017/09/11(月) 02:30:25.37 ID:0djoKKWj0.net
─数日後、日曜日
善子「……」
ルビィ「善子ちゃんっ!」タッ
善子「あらルビィ、早かったのね」
ルビィ「善子ちゃんのほうが先に着いてるけど」
善子「私はいいのよ、ほら、早く行きましょう?」
ルビィ「うん」
善子「……」
ルビィ「善子ちゃんっ!」タッ
善子「あらルビィ、早かったのね」
ルビィ「善子ちゃんのほうが先に着いてるけど」
善子「私はいいのよ、ほら、早く行きましょう?」
ルビィ「うん」
86: 家 2017/09/11(月) 02:31:47.88 ID:0djoKKWj0.net
ルビィ「─ねえ善子ちゃん」スタスタ
善子「なに?」
ルビィ「どこに行くの? ルビィ、あんまりこういうところ行かないからよく分からなくて…」
善子「そうだろうと思ったわ、大丈夫よちゃんと考えてあるから」
ルビィ「……善子ちゃんってすごいね、何でも出来ちゃうんだ」
ルビィ(本当にお姉ちゃんみたい…)
善子「そうでもないわよ、今日の計画だって何回も考えなおしたし」
善子「なに?」
ルビィ「どこに行くの? ルビィ、あんまりこういうところ行かないからよく分からなくて…」
善子「そうだろうと思ったわ、大丈夫よちゃんと考えてあるから」
ルビィ「……善子ちゃんってすごいね、何でも出来ちゃうんだ」
ルビィ(本当にお姉ちゃんみたい…)
善子「そうでもないわよ、今日の計画だって何回も考えなおしたし」
87: 家 2017/09/11(月) 02:32:34.60 ID:0djoKKWj0.net
ルビィ「そうなの?」
善子「ええ、でもせっかくルビィと遊べるわけだしちゃんとしなきゃって……」
ルビィ「え?」
善子「…いや、なんでもないわ……それより見なさい、そろそろ着くわよ」
ルビィ「あっ、何か見えてきた」
善子「アイスクリーム屋よ、私あそこのチョコレートが大好きなの」
ルビィ「アイス……うん、ルビィも好き」
善子「ええ、でもせっかくルビィと遊べるわけだしちゃんとしなきゃって……」
ルビィ「え?」
善子「…いや、なんでもないわ……それより見なさい、そろそろ着くわよ」
ルビィ「あっ、何か見えてきた」
善子「アイスクリーム屋よ、私あそこのチョコレートが大好きなの」
ルビィ「アイス……うん、ルビィも好き」
88: 家 2017/09/11(月) 02:33:16.88 ID:0djoKKWj0.net
善子「そう、なら良かったわ」
ルビィ「えへへっ、ありがとう善子ちゃん」
善子「…お礼を言うのはまだ早いでしょ、ほら何食べたい?」
ルビィ「えーっとね、ルビィはいちごにする」
善子「イチゴか、いいチョイスしてるわね」
善子「すみません、チョコレートとストロベリー、一つずつください」
ルビィ「えへへっ、ありがとう善子ちゃん」
善子「…お礼を言うのはまだ早いでしょ、ほら何食べたい?」
ルビィ「えーっとね、ルビィはいちごにする」
善子「イチゴか、いいチョイスしてるわね」
善子「すみません、チョコレートとストロベリー、一つずつください」
89: 家 2017/09/11(月) 02:34:33.38 ID:0djoKKWj0.net
ルビィ「美味しいね」パクパク
善子「そうでしょう?」
ルビィ「ねぇ、善子ちゃんのアイスもちょっと貰っていい?」
善子「それならルビィのも一口貰えるかしら? 私イチゴも好きなのよね」
ルビィ「いいよ、はい」
善子「ん…やっぱりイチゴもいいわね、はいルビィ」
ルビィ「あむ……美味しい」
善子「そうでしょう?」
ルビィ「ねぇ、善子ちゃんのアイスもちょっと貰っていい?」
善子「それならルビィのも一口貰えるかしら? 私イチゴも好きなのよね」
ルビィ「いいよ、はい」
善子「ん…やっぱりイチゴもいいわね、はいルビィ」
ルビィ「あむ……美味しい」
90: 家 2017/09/11(月) 02:35:15.76 ID:0djoKKWj0.net
ルビィ「……ふふっ」
善子「なに? そんなに美味しかった?」
ルビィ「ううん、違うの…こういうこと友達としたことなかったから嬉しくて」
善子「そう……」
ルビィ「ねえ、次はどこに行くの?」
善子「買い物、見るだけでも結構楽しいわよ」
善子「行きましょ」スッ
ルビィ「うん!」ギュッ
善子「なに? そんなに美味しかった?」
ルビィ「ううん、違うの…こういうこと友達としたことなかったから嬉しくて」
善子「そう……」
ルビィ「ねえ、次はどこに行くの?」
善子「買い物、見るだけでも結構楽しいわよ」
善子「行きましょ」スッ
ルビィ「うん!」ギュッ
91: 家 2017/09/11(月) 02:36:19.03 ID:0djoKKWj0.net
─
ルビィ「あっ、この服かわいいなぁ…」
善子「さっきから見ていて思ったけど、ルビィって洋服が好きなのね」
ルビィ「うん、自分で作ってみたりもするんだぁ」
善子「自分で!? ……凄いこと出来るのね」
ルビィ「お裁縫とかは得意だから……あとね」
善子「?」
ルビィ「ルビィ…アイドルとかが好きだから」
ルビィ「あっ、この服かわいいなぁ…」
善子「さっきから見ていて思ったけど、ルビィって洋服が好きなのね」
ルビィ「うん、自分で作ってみたりもするんだぁ」
善子「自分で!? ……凄いこと出来るのね」
ルビィ「お裁縫とかは得意だから……あとね」
善子「?」
ルビィ「ルビィ…アイドルとかが好きだから」
92: 家 2017/09/11(月) 02:37:46.46 ID:0djoKKWj0.net
善子「アイドル…あーなんとなく分かるかも、あんた可愛いし」
ルビィ「えっ」
善子「あっ、いや違っ…可愛いのが好きみたいだしって言おうとしたのよ」
ルビィ「そっか、そうだよね」
善子(なに必死になって弁解してるのかしら、私……)
ルビィ「えっ」
善子「あっ、いや違っ…可愛いのが好きみたいだしって言おうとしたのよ」
ルビィ「そっか、そうだよね」
善子(なに必死になって弁解してるのかしら、私……)
93: 家 2017/09/11(月) 02:39:02.40 ID:0djoKKWj0.net
ルビィ「それでね、いつかスクールアイドルの衣装を作ってみたいなぁって思ってるの」
善子「スクールアイドル? なにそれ」
ルビィ「学校でアイドル活動をしている人達のこと、まだ出来たばかりであんまり有名じゃないんだけど」
ルビィ「でも凄いんだよ、自分たちで曲を作って、歌詞を書いて、衣装を作って、歌って、踊るの」
善子「……事務所とかに入ってるわけでもないのに、そんなこと出来るの?」
ルビィ「だから凄いんだよ、ルビィはね…いつかそんなスクールアイドルになってみたいの」
ルビィ「ルビィのお家はそういうのに厳しいから、無理かもしれないけど…」
善子「ふーん……」
善子「スクールアイドル? なにそれ」
ルビィ「学校でアイドル活動をしている人達のこと、まだ出来たばかりであんまり有名じゃないんだけど」
ルビィ「でも凄いんだよ、自分たちで曲を作って、歌詞を書いて、衣装を作って、歌って、踊るの」
善子「……事務所とかに入ってるわけでもないのに、そんなこと出来るの?」
ルビィ「だから凄いんだよ、ルビィはね…いつかそんなスクールアイドルになってみたいの」
ルビィ「ルビィのお家はそういうのに厳しいから、無理かもしれないけど…」
善子「ふーん……」
97: 家 2017/09/11(月) 13:37:03.31 ID:UFTH9HlD0.net
善子「なりたいならなればいいのに」
ルビィ「そんなに簡単じゃないよ…」
善子「それでも好きだからまだ諦めきれてないんでしょ? ルビィの家の事情はあまりよく分からないけど」
善子「だからって何もしないままだったら、アイドルになんてなれるわけないわ」
ルビィ「!」
善子「あっ、ゴメン……言い過ぎた」
ルビィ「ううん、善子ちゃんの言う通りだから」
ルビィ「そんなに簡単じゃないよ…」
善子「それでも好きだからまだ諦めきれてないんでしょ? ルビィの家の事情はあまりよく分からないけど」
善子「だからって何もしないままだったら、アイドルになんてなれるわけないわ」
ルビィ「!」
善子「あっ、ゴメン……言い過ぎた」
ルビィ「ううん、善子ちゃんの言う通りだから」
98: 家 2017/09/11(月) 13:37:45.60 ID:UFTH9HlD0.net
ルビィ「ルビィもうちょっと考えてみるね、ありがとう善子ちゃん」
善子「……ううん」
善子「次、行きましょうか」
ルビィ「次はどこに行くの?」
善子「……公園」
善子「……ううん」
善子「次、行きましょうか」
ルビィ「次はどこに行くの?」
善子「……公園」
99: 家 2017/09/11(月) 13:39:05.37 ID:UFTH9HlD0.net
─
ルビィ「ここならルビィも何回か来たことあるよ」
善子「そう」
ルビィ「うん、よくお姉ちゃんと一緒に遊んだの」
善子「へえー、ルビィってお姉さんがいるのね……どんな人なの?」
ルビィ「あのね、ルビィと違って綺麗でカッコよくて、何でも出来て……ルビィの憧れなんだぁ」
ルビィ「今の善子ちゃんにちょっと似てるかも」
善子「私に? 私はそこまで凄い人間じゃないけど」
ルビィ「ここならルビィも何回か来たことあるよ」
善子「そう」
ルビィ「うん、よくお姉ちゃんと一緒に遊んだの」
善子「へえー、ルビィってお姉さんがいるのね……どんな人なの?」
ルビィ「あのね、ルビィと違って綺麗でカッコよくて、何でも出来て……ルビィの憧れなんだぁ」
ルビィ「今の善子ちゃんにちょっと似てるかも」
善子「私に? 私はそこまで凄い人間じゃないけど」
100: 家 2017/09/11(月) 13:40:53.63 ID:UFTH9HlD0.net
ルビィ「そんなことないよ、ルビィね今日善子ちゃんと遊んでみて思ったの」
ルビィ「当たり前だけどやっぱり善子ちゃんはお姉ちゃんとは違ってて、でも」
ルビィ「善子ちゃんといるとルビィはすごく楽しいの、どこにいても、何をしていても」
ルビィ「だから善子ちゃんは凄いよ、まるで─」
ルビィ「魔法使いさんみたい」ニコッ
善子「っ!?」ドクンッ
ルビィ「当たり前だけどやっぱり善子ちゃんはお姉ちゃんとは違ってて、でも」
ルビィ「善子ちゃんといるとルビィはすごく楽しいの、どこにいても、何をしていても」
ルビィ「だから善子ちゃんは凄いよ、まるで─」
ルビィ「魔法使いさんみたい」ニコッ
善子「っ!?」ドクンッ
101: 家 2017/09/11(月) 13:41:51.67 ID:UFTH9HlD0.net
ルビィ「……あれ? どうしたの善子ちゃん」
善子「え、いやその……」
善子「……あのさルビィ…」
ルビィー! ルビィー!
善子「!?」
ルビィ「あ、お姉ちゃんだ」
善子「え、いやその……」
善子「……あのさルビィ…」
ルビィー! ルビィー!
善子「!?」
ルビィ「あ、お姉ちゃんだ」
102: 家 2017/09/11(月) 13:42:59.55 ID:UFTH9HlD0.net
ダイヤ「ルビィ…こんなところにいたのですか、探したわよ」
ダイヤ「そろそろ門限の時間になりますわ、早く帰りましょう」
ルビィ「えっ、もうそんな時間なんだ」
善子「嘘、ちょっと早くない? まだ夕方でしょ?」
ダイヤ「遅くまで子供を出歩かせるわけにはいかない、家の指針です」
善子「……やっぱり厳しいのね」
ダイヤ「そろそろ門限の時間になりますわ、早く帰りましょう」
ルビィ「えっ、もうそんな時間なんだ」
善子「嘘、ちょっと早くない? まだ夕方でしょ?」
ダイヤ「遅くまで子供を出歩かせるわけにはいかない、家の指針です」
善子「……やっぱり厳しいのね」
103: 家 2017/09/11(月) 13:43:51.60 ID:UFTH9HlD0.net
ダイヤ「ところで貴女は?」
ルビィ「善子ちゃんだよ、堕天使さんの」
ダイヤ「ああ貴女が……初めまして、黒澤ダイヤと申します。いつもルビィがお世話になっております」ペコリ
善子「…どうも」
ダイヤ「…………?」ジーッ
善子「…あの、なにか?」
ルビィ「善子ちゃんだよ、堕天使さんの」
ダイヤ「ああ貴女が……初めまして、黒澤ダイヤと申します。いつもルビィがお世話になっております」ペコリ
善子「…どうも」
ダイヤ「…………?」ジーッ
善子「…あの、なにか?」
104: 家 2017/09/11(月) 13:44:32.54 ID:UFTH9HlD0.net
ダイヤ「……善子さん、つかぬ事をお聞きしますが…」
善子「え?」
ダイヤ「貴女、以前どこかで私とお会いしたことがありましたか?」
善子「? いや…多分今日初めて会ったと思うんだけど…」
ダイヤ「そうですか……その顔に見覚えがあったような気がしたのですが」
ダイヤ「きっと私の勘違いでしょうね」
善子「え?」
ダイヤ「貴女、以前どこかで私とお会いしたことがありましたか?」
善子「? いや…多分今日初めて会ったと思うんだけど…」
ダイヤ「そうですか……その顔に見覚えがあったような気がしたのですが」
ダイヤ「きっと私の勘違いでしょうね」
105: 家 2017/09/11(月) 13:46:06.63 ID:UFTH9HlD0.net
ダイヤ「それでは失礼いたします、ルビィ行きましょう」
ルビィ「また明日ね、善子ちゃん」フリフリ
善子「……うん」テヲフリ
善子「……なんか、あっという間…」
善子「…私も帰ろ……」
ルビィ「また明日ね、善子ちゃん」フリフリ
善子「……うん」テヲフリ
善子「……なんか、あっという間…」
善子「…私も帰ろ……」
106: 家 2017/09/11(月) 13:47:15.97 ID:UFTH9HlD0.net
─
ルビィ「~♪ ~~♪」
ダイヤ「ずいぶんご機嫌ね」
ルビィ「楽しかったから」
ダイヤ「そう、良かったわね」
ルビィ「来週も遊べるかなぁ」
ダイヤ「きちんとやることをやっていれば大丈夫ですわよ、私も掛け合ってみるから」
ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」
ルビィ「~♪ ~~♪」
ダイヤ「ずいぶんご機嫌ね」
ルビィ「楽しかったから」
ダイヤ「そう、良かったわね」
ルビィ「来週も遊べるかなぁ」
ダイヤ「きちんとやることをやっていれば大丈夫ですわよ、私も掛け合ってみるから」
ルビィ「ありがとう、お姉ちゃん」
107: 家 2017/09/11(月) 13:47:43.99 ID:UFTH9HlD0.net
ルビィ「ねえお姉ちゃん」
ダイヤ「なに?」
ルビィ「善子ちゃん綺麗だったでしょ?」
ダイヤ「え? まあ確かにとても整った顔立ちをされていましたが」
ダイヤ「ただ……どこかで、見たことがあるような…」
ルビィ「やっぱり知り合いなの?」
ダイヤ「なに?」
ルビィ「善子ちゃん綺麗だったでしょ?」
ダイヤ「え? まあ確かにとても整った顔立ちをされていましたが」
ダイヤ「ただ……どこかで、見たことがあるような…」
ルビィ「やっぱり知り合いなの?」
108: 家 2017/09/11(月) 13:48:33.76 ID:UFTH9HlD0.net
ダイヤ「……どうかしら、私にもよく分からないわ」
ルビィ「お姉ちゃんが分からないなんて、珍しいね」
ダイヤ「……そうですわね」
ダイヤ(まあ気にしていても仕方ないでしょう、それほど大したことではなさそうですし…何より)
ダイヤ(今のルビィが楽しく毎日を送っているのは、彼女のおかげなのだから)
ルビィ「お姉ちゃんが分からないなんて、珍しいね」
ダイヤ「……そうですわね」
ダイヤ(まあ気にしていても仕方ないでしょう、それほど大したことではなさそうですし…何より)
ダイヤ(今のルビィが楽しく毎日を送っているのは、彼女のおかげなのだから)
113: 家 2017/09/12(火) 02:53:08.65 ID:MMWVTlrX0.net
─それから数ヶ月が経ち…
─津島家
善子「おはようママ」フワァー
善子母「おはよう、学校今日で最後だったわよね? お昼ご飯作ってあるからね」
善子「ありがと……そうだ、ねえママ」
善子母「ん?」
善子「今日さ、家に友達呼ぶから」
─津島家
善子「おはようママ」フワァー
善子母「おはよう、学校今日で最後だったわよね? お昼ご飯作ってあるからね」
善子「ありがと……そうだ、ねえママ」
善子母「ん?」
善子「今日さ、家に友達呼ぶから」
114: 家 2017/09/12(火) 02:53:55.80 ID:MMWVTlrX0.net
善子母「あら、そうなの?」
善子「ええ、ちょっとの間だけだけど」
善子母「そう、ルビィちゃん?」
善子「……まあ」
善子母「分かるわよ、最近の善子の話はそればっかりだもの」フフッ
善子「ええ、ちょっとの間だけだけど」
善子母「そう、ルビィちゃん?」
善子「……まあ」
善子母「分かるわよ、最近の善子の話はそればっかりだもの」フフッ
115: 家 2017/09/12(火) 02:55:37.88 ID:MMWVTlrX0.net
善子「そんなこと…」
善子母「部屋、キレイにしておかないと嫌われちゃうかもよ?」
善子「~~っ! もううるさい! いってきます!」ガチャ バタン!
善子母「クスッ、そこまで照れなくてもいいのに」
善子母「……」
善子母「ねえ善子、友達…なのよね?」
善子母「それ以上、なんてないわよね? そうよ…だって貴女は私とは違う」
善子母「善い子…なんだから」
善子母「部屋、キレイにしておかないと嫌われちゃうかもよ?」
善子「~~っ! もううるさい! いってきます!」ガチャ バタン!
善子母「クスッ、そこまで照れなくてもいいのに」
善子母「……」
善子母「ねえ善子、友達…なのよね?」
善子母「それ以上、なんてないわよね? そうよ…だって貴女は私とは違う」
善子母「善い子…なんだから」
116: 家 2017/09/12(火) 02:56:51.21 ID:MMWVTlrX0.net
─学校
先生「─はい、それでは明日から夏休みに入るわけですが」
先生「あまり羽目を外しすぎないように」
先生「心ゆくまで遊ぶのは大いに結構ですが、夏休みの宿題もしっかり取り組むこと、いいですね?」
ハーイ!
先生「いい返事ですねえ、これなら先生も安心できそうです……あーそうそう、まさかないとは思いますが」
先生「もし…忘れた方は特上の肝試しを味わうことになりますからそのつもりで」ニコッ
善子(怖っ)
先生「さて…以上で先生の話は終わりです、皆さんよい夏休みを」
……
…
先生「─はい、それでは明日から夏休みに入るわけですが」
先生「あまり羽目を外しすぎないように」
先生「心ゆくまで遊ぶのは大いに結構ですが、夏休みの宿題もしっかり取り組むこと、いいですね?」
ハーイ!
先生「いい返事ですねえ、これなら先生も安心できそうです……あーそうそう、まさかないとは思いますが」
先生「もし…忘れた方は特上の肝試しを味わうことになりますからそのつもりで」ニコッ
善子(怖っ)
先生「さて…以上で先生の話は終わりです、皆さんよい夏休みを」
……
…
117: 家 2017/09/12(火) 02:57:39.20 ID:MMWVTlrX0.net
─
善子「宿題ねえ…教科のやつとかは簡単なんだけど、自由研究がどうも苦手なのよね」スタスタ
ルビィ「そうなの?」テクテク
善子「見つけにくいのよ、そういうの」
ルビィ「へえ~、ルビィはスクールアイドルのことについて研究しようと思うんだぁ」
善子「なるほど、自分の好きなものなら捗りそうね」
善子「……黒魔術って、アリかしら」
ルビィ「うーん、ナシだと思う」
善子「やっぱりそうよね……はぁーっ…」
善子「宿題ねえ…教科のやつとかは簡単なんだけど、自由研究がどうも苦手なのよね」スタスタ
ルビィ「そうなの?」テクテク
善子「見つけにくいのよ、そういうの」
ルビィ「へえ~、ルビィはスクールアイドルのことについて研究しようと思うんだぁ」
善子「なるほど、自分の好きなものなら捗りそうね」
善子「……黒魔術って、アリかしら」
ルビィ「うーん、ナシだと思う」
善子「やっぱりそうよね……はぁーっ…」
118: 家 2017/09/12(火) 02:58:23.76 ID:MMWVTlrX0.net
善子「ま、それは後で考えればいいか」
ルビィ「いいのかなぁ」
善子「少なくとも今はこれから遊ぶんだから、そんなに頭固くしなくていいのよ」
ルビィ「ん、それもそうだね」
善子「ええ、そうと決まれば早く行くわよ! あんた今日も習い事あるんだからグズグズしてると勿体ないわ!」ダッ
ルビィ「わっ! 待ってよ善子ちゃん、急に走らないでよー!」タッタッタ
……
…
ルビィ「いいのかなぁ」
善子「少なくとも今はこれから遊ぶんだから、そんなに頭固くしなくていいのよ」
ルビィ「ん、それもそうだね」
善子「ええ、そうと決まれば早く行くわよ! あんた今日も習い事あるんだからグズグズしてると勿体ないわ!」ダッ
ルビィ「わっ! 待ってよ善子ちゃん、急に走らないでよー!」タッタッタ
……
…
119: 家 2017/09/12(火) 02:59:36.88 ID:MMWVTlrX0.net
─善子の家
ルビィ「お、お邪魔します…」ガチャ
善子「誰もいないけどね」
ルビィ「お父さんとお母さんは?」
善子「仕事、うちは基本的に帰ってくるの遅いの」
ルビィ「そうなんだ…」
善子「さ、早く私の部屋に行きましょ」
ルビィ「お、お邪魔します…」ガチャ
善子「誰もいないけどね」
ルビィ「お父さんとお母さんは?」
善子「仕事、うちは基本的に帰ってくるの遅いの」
ルビィ「そうなんだ…」
善子「さ、早く私の部屋に行きましょ」
120: 家 2017/09/12(火) 03:00:19.14 ID:MMWVTlrX0.net
─善子の部屋
ルビィ「善子ちゃん、このゲーム面白いね」カチカチ
善子「そうね、初心者向けのやつだから」
ルビィ「他にもたくさんあるよね…すごいなぁ」
善子「色んな種類のゲームがあるから好きなのやっていいわよ」
ルビィ「善子ちゃん、このゲーム面白いね」カチカチ
善子「そうね、初心者向けのやつだから」
ルビィ「他にもたくさんあるよね…すごいなぁ」
善子「色んな種類のゲームがあるから好きなのやっていいわよ」
121: 家 2017/09/12(火) 03:00:59.30 ID:MMWVTlrX0.net
ルビィ「うーんどれにしよう……あっ! ねえ善子ちゃんあれ!」
善子「え? ……あれなの?」
ルビィ「うん!」
善子「……いやいや、あれはゲームじゃなくて…」
善子(私が儀式に使ってる道具の一式なんだけど…)
善子「え? ……あれなの?」
ルビィ「うん!」
善子「……いやいや、あれはゲームじゃなくて…」
善子(私が儀式に使ってる道具の一式なんだけど…)
122: 家 2017/09/12(火) 03:02:07.08 ID:MMWVTlrX0.net
ルビィ「あれって堕天使さんのやつでしょ! ルビィ、やってみたい!」
善子「やってみたいって……なんでよ?」
ルビィ「善子ちゃんのリトルデーモンだから!」
善子「! ……しょうがないわね、特別よ?」
ルビィ「うん、ありがとう善子ちゃん!」ニコッ
善子「っ……」
善子(ねえルビィ…どうしてそこまで私が言ったことを信じてくれるの?)
善子(やめてよ、そんな顔で言われたら……もう私は…貴女のこと……)
善子(本当に友達として見れなくなる)
善子「やってみたいって……なんでよ?」
ルビィ「善子ちゃんのリトルデーモンだから!」
善子「! ……しょうがないわね、特別よ?」
ルビィ「うん、ありがとう善子ちゃん!」ニコッ
善子「っ……」
善子(ねえルビィ…どうしてそこまで私が言ったことを信じてくれるの?)
善子(やめてよ、そんな顔で言われたら……もう私は…貴女のこと……)
善子(本当に友達として見れなくなる)
123: 家 2017/09/12(火) 03:03:04.81 ID:MMWVTlrX0.net
善子「……」
ルビィ「えーっと…ここは、こうして…」
善子「……ねえ、ルビィ」
ルビィ「…ん? なに、善子ちゃん?」クルッ
善子「夏祭り、あるじゃない? ……あれにさ」
善子「あんたと二人で行きたいから……時間、取ってもらえないかしら」
ルビィ「うんわかった、お母さんに話してみるね」
ルビィ「えへへっ、善子ちゃんと一緒に夏祭りかぁ…」
ルビィ「楽しみだね!」
善子「……そうね」
ルビィ「えーっと…ここは、こうして…」
善子「……ねえ、ルビィ」
ルビィ「…ん? なに、善子ちゃん?」クルッ
善子「夏祭り、あるじゃない? ……あれにさ」
善子「あんたと二人で行きたいから……時間、取ってもらえないかしら」
ルビィ「うんわかった、お母さんに話してみるね」
ルビィ「えへへっ、善子ちゃんと一緒に夏祭りかぁ…」
ルビィ「楽しみだね!」
善子「……そうね」
124: 家 2017/09/12(火) 03:04:24.71 ID:MMWVTlrX0.net
─
ルビィ「じゃあ時間だから、ルビィそろそろ帰るね」
善子「ええ、習い事頑張って」
ルビィ「ありがとう善子ちゃん! またね!」ガチャ
バタン
善子「……そんなに嬉しそうにしないでよ」
善子「本当…どうしよう、夏祭り」
善子「……」
善子(ちゃんと決めておかなくちゃ…何をするのか、私が……何をしたいのか)
ルビィ「じゃあ時間だから、ルビィそろそろ帰るね」
善子「ええ、習い事頑張って」
ルビィ「ありがとう善子ちゃん! またね!」ガチャ
バタン
善子「……そんなに嬉しそうにしないでよ」
善子「本当…どうしよう、夏祭り」
善子「……」
善子(ちゃんと決めておかなくちゃ…何をするのか、私が……何をしたいのか)
125: 家 2017/09/12(火) 03:05:59.13 ID:MMWVTlrX0.net
ガチャ
善子「!?」ビクッ
善子母「ただいまー」
善子「あっ、ママか……おかえり、今日は早いんだ」
善子母「私のところも終業式だったからね」
善子「そっか、そうよね」
善子「!?」ビクッ
善子母「ただいまー」
善子「あっ、ママか……おかえり、今日は早いんだ」
善子母「私のところも終業式だったからね」
善子「そっか、そうよね」
126: 家 2017/09/12(火) 03:06:47.05 ID:MMWVTlrX0.net
善子母「何かあったの?」
善子「ん、別に? 夏祭りに二人で行こうって約束しただけよ、いいでしょ?」
善子母「それは構わないけど……」
善子母「……ねえ善子」
善子「なに?」
善子母「今、好きな人っているの?」
善子「…どうしたの、急にそんなこと」
善子「ん、別に? 夏祭りに二人で行こうって約束しただけよ、いいでしょ?」
善子母「それは構わないけど……」
善子母「……ねえ善子」
善子「なに?」
善子母「今、好きな人っているの?」
善子「…どうしたの、急にそんなこと」
127: 家 2017/09/12(火) 03:07:38.65 ID:MMWVTlrX0.net
善子母「母親としては気になるじゃない? ほら、善子も年頃の女の子なんだから」
善子「……いるわけないでしょ、私は堕天使ヨハネ、私のリトルデーモンみんなのものなのよ」
善子「誰か一人に特別心を動かされるなんて、あるわけない」
善子母「それを……肯定してくれる人がいても?」
善子「……もちろん」
善子「……いるわけないでしょ、私は堕天使ヨハネ、私のリトルデーモンみんなのものなのよ」
善子「誰か一人に特別心を動かされるなんて、あるわけない」
善子母「それを……肯定してくれる人がいても?」
善子「……もちろん」
128: 家 2017/09/12(火) 03:08:19.40 ID:MMWVTlrX0.net
善子母「そう…ごめんね急にこんなこと聞いて」
善子「ううん、気にしてないから……部屋戻ってるね」スタスタ
善子母「ええ」
善子母「……善子」
善子母「……その言葉、信じさせてね」
善子「ううん、気にしてないから……部屋戻ってるね」スタスタ
善子母「ええ」
善子母「……善子」
善子母「……その言葉、信じさせてね」
129: 家 2017/09/12(火) 03:09:49.33 ID:MMWVTlrX0.net
バタンッ
善子「……」
善子「…………」
善子「…………ごめんなさい、ママ」
善子「嘘ついて、ごめん」
善子「……」
善子「…………」
善子「…………ごめんなさい、ママ」
善子「嘘ついて、ごめん」
138: 家 2017/09/12(火) 22:49:28.01 ID:HueVyRPi0.net
─そして日は過ぎ……夏祭り当日
ルビィ「お待たせ、善子ちゃん」
善子「こんばんはルビィ……浴衣、似合ってるわね」
ルビィ「えへへっ、ありがとう善子ちゃん」
ルビィ「善子ちゃんもすごい綺麗だよ……あっ、それ」
善子「なに?」
ルビィ「その髪飾り、ルビィがあげたやつだよね? …付けてくれたんだ」
ルビィ「お待たせ、善子ちゃん」
善子「こんばんはルビィ……浴衣、似合ってるわね」
ルビィ「えへへっ、ありがとう善子ちゃん」
ルビィ「善子ちゃんもすごい綺麗だよ……あっ、それ」
善子「なに?」
ルビィ「その髪飾り、ルビィがあげたやつだよね? …付けてくれたんだ」
139: 家 2017/09/12(火) 22:50:23.21 ID:HueVyRPi0.net
善子「ま、あんたが私の誕生日にくれたものだからね」
善子「だから…今日付けたいと思ったのよ」
ルビィ「え?」
善子「さあ、行きましょう」ギュッ
ルビィ「わっとと……うん、行こっか」ニコッ
善子「だから…今日付けたいと思ったのよ」
ルビィ「え?」
善子「さあ、行きましょう」ギュッ
ルビィ「わっとと……うん、行こっか」ニコッ
140: 家 2017/09/12(火) 22:52:09.24 ID:HueVyRPi0.net
─
ワイワイガヤガヤ
善子母「いい雰囲気ね、昔から変わってない」
善子母「……いや、変わっていないのは…」
「あら、そこの方…どうかされましたか?」
善子母「! その声…」クルッ
黒澤母「おや……懐かしい顔ですね」
善子母「……お久しぶりです」ペコリ
ワイワイガヤガヤ
善子母「いい雰囲気ね、昔から変わってない」
善子母「……いや、変わっていないのは…」
「あら、そこの方…どうかされましたか?」
善子母「! その声…」クルッ
黒澤母「おや……懐かしい顔ですね」
善子母「……お久しぶりです」ペコリ
141: 家 2017/09/12(火) 22:53:45.10 ID:HueVyRPi0.net
黒澤母「そうですね、こうして顔を合わせるのはもう何年ぶりか…」
善子母「はい…」
黒澤母「…まあ積もる話は置いておきましょう、ここへは何をしに?」
黒澤母「単にお祭りを楽しみに来ただけですか? それとも別のご用件でも?」
善子母「……娘の同伴です、夜も遅いですし心配なので、あの子の用が済むまでここで待っているんです」
黒澤母「そうでしたか、確かに夜道は危険ですからね」
善子母「……そちらは?」
善子母「はい…」
黒澤母「…まあ積もる話は置いておきましょう、ここへは何をしに?」
黒澤母「単にお祭りを楽しみに来ただけですか? それとも別のご用件でも?」
善子母「……娘の同伴です、夜も遅いですし心配なので、あの子の用が済むまでここで待っているんです」
黒澤母「そうでしたか、確かに夜道は危険ですからね」
善子母「……そちらは?」
142: 家 2017/09/12(火) 22:54:32.69 ID:HueVyRPi0.net
黒澤母「似たようなものですよ、それと各屋台の売り上げの確認を少々」
善子母「……お変わりないようで安心しました」
黒澤母「ええ、私も……ところで」
オカアサマー オカアサマー
善子母「!」
黒澤母「あらあら」
ダイヤ「あっ、見つけましたわ」タッ
善子母「……お変わりないようで安心しました」
黒澤母「ええ、私も……ところで」
オカアサマー オカアサマー
善子母「!」
黒澤母「あらあら」
ダイヤ「あっ、見つけましたわ」タッ
143: 家 2017/09/12(火) 22:55:25.67 ID:HueVyRPi0.net
黒澤母「ダイヤさん、どうかなさいました?」
ダイヤ「金魚すくいがあまり上手くいかないんです……教えて貰えないでしょうか?」
黒澤母「ええ、いいですよ」フフッ
ダイヤ「…あの、そちらの方は?」
黒澤母「え? ああ、昔ながらの知り合いですよ」
善子母「こんばんは」ニコッ
ダイヤ「あっ…初めまして、私は黒澤ダイヤと申します」ペコリ
ダイヤ「金魚すくいがあまり上手くいかないんです……教えて貰えないでしょうか?」
黒澤母「ええ、いいですよ」フフッ
ダイヤ「…あの、そちらの方は?」
黒澤母「え? ああ、昔ながらの知り合いですよ」
善子母「こんばんは」ニコッ
ダイヤ「あっ…初めまして、私は黒澤ダイヤと申します」ペコリ
144: 家 2017/09/12(火) 22:56:35.32 ID:HueVyRPi0.net
善子母「ええ、知ってるわよ…大きくなったわね、ダイヤちゃん」
ダイヤ「え?」
黒澤母「…それでは私はこれで、ダイヤさん行きましょうか」
ダイヤ「あっ、はい…」スタスタ
ダイヤ「……」チラッ
善子母「……」
ダイヤ「え?」
黒澤母「…それでは私はこれで、ダイヤさん行きましょうか」
ダイヤ「あっ、はい…」スタスタ
ダイヤ「……」チラッ
善子母「……」
145: 家 2017/09/12(火) 22:57:33.17 ID:HueVyRPi0.net
ダイヤ「……あの、お母様」
黒澤母「はい」
ダイヤ「さっきの方のことですけど…」
黒澤母「……」
ダイヤ「思い出しました…以前、お母様のアルバムを見せていただいたときに」
ダイヤ「あの方の姿がよく写っていたことを」
黒澤母「よく覚えていましたわね、流石ダイヤさんです」
ダイヤ「いえ…通りで、見覚えがあると思いました……」
ダイヤ(だからあの時……)
黒澤母「はい」
ダイヤ「さっきの方のことですけど…」
黒澤母「……」
ダイヤ「思い出しました…以前、お母様のアルバムを見せていただいたときに」
ダイヤ「あの方の姿がよく写っていたことを」
黒澤母「よく覚えていましたわね、流石ダイヤさんです」
ダイヤ「いえ…通りで、見覚えがあると思いました……」
ダイヤ(だからあの時……)
146: 家 2017/09/12(火) 22:58:25.89 ID:HueVyRPi0.net
ダイヤ「…………あの」
黒澤母「今はお祭りを楽しみなさい」
ダイヤ「!」
黒澤母「そちらの方がよろしいですよ、今のダイヤさんにこの話は必要ありません…後でいくらでも聞けますからね」
ダイヤ「…わかりました」
黒澤母「では気を取り直して行きましょうか、確かこちらでしたよね?」
ダイヤ「いえ、その……逆です、お母様」
黒澤母「え?」ポカン
黒澤母「今はお祭りを楽しみなさい」
ダイヤ「!」
黒澤母「そちらの方がよろしいですよ、今のダイヤさんにこの話は必要ありません…後でいくらでも聞けますからね」
ダイヤ「…わかりました」
黒澤母「では気を取り直して行きましょうか、確かこちらでしたよね?」
ダイヤ「いえ、その……逆です、お母様」
黒澤母「え?」ポカン
152: 家 2017/09/13(水) 11:35:14.69 ID:Y5liPXrv0.net
─
ルビィ「善子ちゃん、たくさん食べたね……」
善子「そうね…安くなってるからと言っても食べ過ぎは良くなかったわ」
ルビィ「うん、ルビィちょっと苦しいや…」
善子「でもさ、ルビィの家って凄いのね…黒澤家がここの屋台の提供とかしてくれてるから」
善子「娘のあんたに特別割り引いてくれるなんて」
ルビィ「毎年そうなの、でもタダにはしてもらえなくて…ちゃんと支払いなさいってお母さんが」
善子「まあ幼いうちから無償で与えるっていうのもどうかと思うし…」
ルビィ「善子ちゃん、たくさん食べたね……」
善子「そうね…安くなってるからと言っても食べ過ぎは良くなかったわ」
ルビィ「うん、ルビィちょっと苦しいや…」
善子「でもさ、ルビィの家って凄いのね…黒澤家がここの屋台の提供とかしてくれてるから」
善子「娘のあんたに特別割り引いてくれるなんて」
ルビィ「毎年そうなの、でもタダにはしてもらえなくて…ちゃんと支払いなさいってお母さんが」
善子「まあ幼いうちから無償で与えるっていうのもどうかと思うし…」
153: 家 2017/09/13(水) 11:35:56.32 ID:Y5liPXrv0.net
善子「……なんていうかさ」
ルビィ「え?」
善子「買い物にしてもそうだけど…貴女の親って凄くしっかりしてるのよね、バランスが取れてるっていうの?」
善子「甘やかしているわけではないけど、縛り付けてもいない…みたいな」
ルビィ「うーん、よく分からないけど……」
善子「…とにかくルビィの家はとんでもないってこと、あんたから見たら普通かもしれないけどね」
ルビィ「ふーん…」
ルビィ「え?」
善子「買い物にしてもそうだけど…貴女の親って凄くしっかりしてるのよね、バランスが取れてるっていうの?」
善子「甘やかしているわけではないけど、縛り付けてもいない…みたいな」
ルビィ「うーん、よく分からないけど……」
善子「…とにかくルビィの家はとんでもないってこと、あんたから見たら普通かもしれないけどね」
ルビィ「ふーん…」
154: 家 2017/09/13(水) 11:36:37.41 ID:Y5liPXrv0.net
善子「…そして普通じゃないのは多分……私も」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「…聞いて」ギュッ
ルビィ「う、うん…」
善子「ねえルビィ、あんたはさ……」
善子「もし、私が女の子のことが好きって……」
善子「─ルビィのことが好きだって言ったら……笑う?」
ルビィ「善子ちゃん?」
善子「…聞いて」ギュッ
ルビィ「う、うん…」
善子「ねえルビィ、あんたはさ……」
善子「もし、私が女の子のことが好きって……」
善子「─ルビィのことが好きだって言ったら……笑う?」
155: 家 2017/09/13(水) 11:37:33.42 ID:Y5liPXrv0.net
ルビィ「……え?」
善子「……」
ルビィ「笑わないよ? だってルビィも善子ちゃんのことが「違うの」
善子「そうじゃないのよ、私が言いたいのは」
ルビィ「……善子ちゃん?」
善子「私はルビィと、友達じゃなくて……」
善子「恋人に、なりたいの」
ルビィ「!?」
善子「……」
ルビィ「笑わないよ? だってルビィも善子ちゃんのことが「違うの」
善子「そうじゃないのよ、私が言いたいのは」
ルビィ「……善子ちゃん?」
善子「私はルビィと、友達じゃなくて……」
善子「恋人に、なりたいの」
ルビィ「!?」
156: 家 2017/09/13(水) 11:38:38.13 ID:Y5liPXrv0.net
ルビィ「え……恋…人……?」
善子「普通じゃないのは分かってる、女の子のこと、そういう目で見るなんて可笑しいから」
善子「でも、他の子と話しても…学校で人気の男子を見ても」
善子「全然そんな気持ちにならなくて……ルビィだけで…!」
ルビィ「……」
善子「ルビィはこんなこと言われて嫌かもしれない! 困ってるかもしれない! でもっ…!」
善子「やっぱり私は自分の気持ちに嘘を吐きたくないの……!」ポロポロ
善子「普通じゃないのは分かってる、女の子のこと、そういう目で見るなんて可笑しいから」
善子「でも、他の子と話しても…学校で人気の男子を見ても」
善子「全然そんな気持ちにならなくて……ルビィだけで…!」
ルビィ「……」
善子「ルビィはこんなこと言われて嫌かもしれない! 困ってるかもしれない! でもっ…!」
善子「やっぱり私は自分の気持ちに嘘を吐きたくないの……!」ポロポロ
157: 家 2017/09/13(水) 11:39:37.29 ID:Y5liPXrv0.net
ルビィ「善子ちゃん…泣かないで」ダキッ
善子「うぅっ…ごめ……私……」
ルビィ「辛かったんだね…ごめんね、ルビィのせいで」サスサス
善子「ちがうの……ちがう…私が、すきだから」
ルビィ「ありがとう善子ちゃん」
ルビィ「ルビィは……いいよ」
善子「ぐすっ……え…?」
ルビィ「ねぇ…ルビィ言ったよね、ルビィも善子ちゃんのことが好きだって」
ルビィ「だから、恋人になろうよ…善子ちゃん」
善子「うぅっ…ごめ……私……」
ルビィ「辛かったんだね…ごめんね、ルビィのせいで」サスサス
善子「ちがうの……ちがう…私が、すきだから」
ルビィ「ありがとう善子ちゃん」
ルビィ「ルビィは……いいよ」
善子「ぐすっ……え…?」
ルビィ「ねぇ…ルビィ言ったよね、ルビィも善子ちゃんのことが好きだって」
ルビィ「だから、恋人になろうよ…善子ちゃん」
158: 家 2017/09/13(水) 11:40:25.09 ID:Y5liPXrv0.net
善子「でも……」
ルビィ「大丈夫だよ、これからのことはまた後で考えようよ」
ルビィ「今は善子ちゃんの気持ちの方が大事だもん」
善子「ルビィ……ありがとう」
ルビィ「ううん、元気になってよかった」ニコッ
善子「……ねえルビィ」
ルビィ「大丈夫だよ、これからのことはまた後で考えようよ」
ルビィ「今は善子ちゃんの気持ちの方が大事だもん」
善子「ルビィ……ありがとう」
ルビィ「ううん、元気になってよかった」ニコッ
善子「……ねえルビィ」
159: 家 2017/09/13(水) 11:41:13.39 ID:Y5liPXrv0.net
ルビィ「なに?」
善子「キス、していい?」
ルビィ「……いいよ」
善子「……ありがとう」
ルビィ「じゃあ、目…閉じるね」
善子「うん…………大好きよ、ルビィ」スッ
善子(ああ…これでもう──)
戻れない。
善子「キス、していい?」
ルビィ「……いいよ」
善子「……ありがとう」
ルビィ「じゃあ、目…閉じるね」
善子「うん…………大好きよ、ルビィ」スッ
善子(ああ…これでもう──)
戻れない。
160: 家 2017/09/13(水) 11:42:13.66 ID:Y5liPXrv0.net
─
善子母「……」
スタスタ
善子「お待たせ、ママ」
善子母「善子…終わったのね、楽しかった?」
善子「うん、凄く楽しかったわ……ね? ルビィ」
善子母「えっ」
ルビィ「は、初めまして…黒澤ルビィです」ヒョコッ
善子母「─!?」
善子母「……」
スタスタ
善子「お待たせ、ママ」
善子母「善子…終わったのね、楽しかった?」
善子「うん、凄く楽しかったわ……ね? ルビィ」
善子母「えっ」
ルビィ「は、初めまして…黒澤ルビィです」ヒョコッ
善子母「─!?」
161: 家 2017/09/13(水) 11:43:22.16 ID:Y5liPXrv0.net
ルビィ「…? あ、あの……」
善子母「……直接会うのは今日が初めてね、こんばんはルビィちゃん、貴女のことは善子からよく聞いているわ」
善子母「善子のこと、いつもありがとうね」
ルビィ「そんなこと、ないです…ルビィのほうが助けられてますから」
善子母「そう……やっぱりそうなのね」
善子「……ママ?」
善子母「ううん何でもないのよ、それよりルビィちゃん帰り道わかる? 送ってあげましょうか?」
ルビィ「あの、大丈夫です…道のりは分かるから」
善子母「……直接会うのは今日が初めてね、こんばんはルビィちゃん、貴女のことは善子からよく聞いているわ」
善子母「善子のこと、いつもありがとうね」
ルビィ「そんなこと、ないです…ルビィのほうが助けられてますから」
善子母「そう……やっぱりそうなのね」
善子「……ママ?」
善子母「ううん何でもないのよ、それよりルビィちゃん帰り道わかる? 送ってあげましょうか?」
ルビィ「あの、大丈夫です…道のりは分かるから」
162: 家 2017/09/13(水) 11:43:49.41 ID:Y5liPXrv0.net
善子母「そう、気をつけてね」
ルビィ「はい、ありがとうございます」ペコリ
ルビィ「善子ちゃん、またね」
善子「ええ……また」
ルビィ「はい、ありがとうございます」ペコリ
ルビィ「善子ちゃん、またね」
善子「ええ……また」
163: 家 2017/09/13(水) 11:44:21.88 ID:Y5liPXrv0.net
善子「……」
善子母「まだ一緒にいたかった?」
善子「それはまあ、友達だし……でももういいのよ」
善子「一緒にいたいならまた会いに行けばいいんだから」
善子母「……そうね」
善子母「……私も、そうだったわ」
善子母「まだ一緒にいたかった?」
善子「それはまあ、友達だし……でももういいのよ」
善子「一緒にいたいならまた会いに行けばいいんだから」
善子母「……そうね」
善子母「……私も、そうだったわ」
164: 家 2017/09/13(水) 11:45:07.21 ID:Y5liPXrv0.net
善子「…? なにが?」
善子母「昔の私たちのはなし、俗に言う青春の一ページってやつよ」
善子「…私とルビィはそんな関係じゃないわ」
善子母「ええ、そうね……そうであってほしいもの」
善子「…なんか、今日のママちょっと変よ?」
善子母「ごめんなさい、少し…色々あって」
善子母「昔の私たちのはなし、俗に言う青春の一ページってやつよ」
善子「…私とルビィはそんな関係じゃないわ」
善子母「ええ、そうね……そうであってほしいもの」
善子「…なんか、今日のママちょっと変よ?」
善子母「ごめんなさい、少し…色々あって」
165: 家 2017/09/13(水) 11:45:58.00 ID:Y5liPXrv0.net
善子「大丈夫?」
善子母「大丈夫よ、さあ私たちもそろそろ帰りましょう」
善子「うん」スタスタ
善子母「……」
善子母「……血ってこんなにもはっきり…別れるものなのね」ボソッ
善子母「本当に、そっくりよ……ルビィちゃん」スタスタ
善子母「大丈夫よ、さあ私たちもそろそろ帰りましょう」
善子「うん」スタスタ
善子母「……」
善子母「……血ってこんなにもはっきり…別れるものなのね」ボソッ
善子母「本当に、そっくりよ……ルビィちゃん」スタスタ
2: 家 2017/09/15(金) 06:18:50.28 ID:c/hqAerg.net
─
ルビィ「お母さん、お姉ちゃん、ただいま」
ダイヤ「ルビィ! やっと戻ってきたのね、心配したんだから」ダキッ
ルビィ「お、大袈裟だよ…お姉ちゃん」
黒澤母「クスッ、ダイヤさんは本当に妹思いですね……ねえ、ルビィさん」
ルビィ「なに?」
黒澤母「友達とのお祭りはどうでしたか?」
ルビィ「うん、すごく楽しかったよ」ニコッ
黒澤母「そうですか、それは何よりです」
ルビィ「お母さん、お姉ちゃん、ただいま」
ダイヤ「ルビィ! やっと戻ってきたのね、心配したんだから」ダキッ
ルビィ「お、大袈裟だよ…お姉ちゃん」
黒澤母「クスッ、ダイヤさんは本当に妹思いですね……ねえ、ルビィさん」
ルビィ「なに?」
黒澤母「友達とのお祭りはどうでしたか?」
ルビィ「うん、すごく楽しかったよ」ニコッ
黒澤母「そうですか、それは何よりです」
3: 家 2017/09/15(金) 06:19:55.21 ID:c/hqAerg.net
ルビィ「お母さんたちは?」
黒澤母「ええ、久々に…熱が入ってしまいました」
黒澤母「いい息抜きになりましたよ」
ダイヤ「私も、お母様の意外な一面が見られて少し嬉しいです」
黒澤母「……いや、思ったより道が複雑でしてね…恥ずかしいところをお見せしました」
ダイヤ「いえいえ、そんな」クスクス
ルビィ「……?」キョトン
黒澤母「ええ、久々に…熱が入ってしまいました」
黒澤母「いい息抜きになりましたよ」
ダイヤ「私も、お母様の意外な一面が見られて少し嬉しいです」
黒澤母「……いや、思ったより道が複雑でしてね…恥ずかしいところをお見せしました」
ダイヤ「いえいえ、そんな」クスクス
ルビィ「……?」キョトン
4: 家 2017/09/15(金) 06:20:58.48 ID:c/hqAerg.net
ルビィ「あっ、そうだ……ねえお母さん」
黒澤母「何でしょうか、ルビィさん」
ルビィ「あのね、お友達がルビィの誕生日をお祝いしたいんだって」
黒澤母「ええ」
ルビィ「それでね、新年のお祝いのこと話したの」
ルビィ「ルビィの家って誕生日の考えとか、ちょっと変わってるから」
黒澤母「成程、確かに私達の家は他とは違ってダイヤさんの誕生日と同時にルビィさんの年を増やしてますからね」
黒澤母「何でしょうか、ルビィさん」
ルビィ「あのね、お友達がルビィの誕生日をお祝いしたいんだって」
黒澤母「ええ」
ルビィ「それでね、新年のお祝いのこと話したの」
ルビィ「ルビィの家って誕生日の考えとか、ちょっと変わってるから」
黒澤母「成程、確かに私達の家は他とは違ってダイヤさんの誕生日と同時にルビィさんの年を増やしてますからね」
5: 家 2017/09/15(金) 06:21:35.96 ID:c/hqAerg.net
ルビィ「だからあの…その新年のお祝いに、お友達を呼んでいいかなって…」
黒澤母「そうですね…まあ、挨拶程度なら問題ないでしょう」
黒澤母「ですが、あまり時間はありませんよ?」
ルビィ「うん、ありがとうお母さん」
黒澤母「いえいえ…余程好きなのですね、そのお友達が」
ルビィ「……そうだね」
ダイヤ「……ルビィ?」
黒澤母「そうですね…まあ、挨拶程度なら問題ないでしょう」
黒澤母「ですが、あまり時間はありませんよ?」
ルビィ「うん、ありがとうお母さん」
黒澤母「いえいえ…余程好きなのですね、そのお友達が」
ルビィ「……そうだね」
ダイヤ「……ルビィ?」
6: 家 2017/09/15(金) 06:22:30.08 ID:c/hqAerg.net
ルビィ「ううん何でもないの、ちょっと疲れちゃって」
ダイヤ「そう? ならいいのだけど」
黒澤母「では少し急ぎましょうか、夜は冷えますし、風邪でも引いてしまったら余韻が台無しですからね」
ダイヤ「はい、ほらルビィ行きましょう」スッ
ルビィ「うん、お姉ちゃん」ギュッ
ルビィ(そう……好きだよ、お母さんよりも…お姉ちゃんよりも……ずっと、ずっと)
ルビィ(大好きなんだよ……でもね、言えないの)
ルビィ(それがルビィたちの決めたことだから…………だから、ごめんなさい)
……
…
ダイヤ「そう? ならいいのだけど」
黒澤母「では少し急ぎましょうか、夜は冷えますし、風邪でも引いてしまったら余韻が台無しですからね」
ダイヤ「はい、ほらルビィ行きましょう」スッ
ルビィ「うん、お姉ちゃん」ギュッ
ルビィ(そう……好きだよ、お母さんよりも…お姉ちゃんよりも……ずっと、ずっと)
ルビィ(大好きなんだよ……でもね、言えないの)
ルビィ(それがルビィたちの決めたことだから…………だから、ごめんなさい)
……
…
7: 家 2017/09/15(金) 06:22:58.59 ID:c/hqAerg.net
─それから季節は巡り……ついには年の瀬を迎え、そして……
─ 一月一日、新年 ─
─ 一月一日、新年 ─
8: 家 2017/09/15(金) 06:23:51.46 ID:c/hqAerg.net
─黒澤家
ダイヤ「……数え年、それは元旦を迎えたときに自分の年を一歳増やす…そんな数え方をするものらしいですわ」
ダイヤ「今となっては珍しいですが、昔はよく使われていたとか」
ルビィ「へえ~…だからルビィも一緒に年をとっていたんだね」
黒澤母「まあこれも伝統の名残みたいなものですから」シュルシュル
ダイヤ「この家の風習、ですか?」
黒澤母「そんなところです」キュッ
ダイヤ「……数え年、それは元旦を迎えたときに自分の年を一歳増やす…そんな数え方をするものらしいですわ」
ダイヤ「今となっては珍しいですが、昔はよく使われていたとか」
ルビィ「へえ~…だからルビィも一緒に年をとっていたんだね」
黒澤母「まあこれも伝統の名残みたいなものですから」シュルシュル
ダイヤ「この家の風習、ですか?」
黒澤母「そんなところです」キュッ
9: 家 2017/09/15(金) 06:24:18.20 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……はい出来ましたよ、これで着付けは終わりです」ポンポン
黒澤母「二人ともよく似合っていますよ」
ダイヤ「ありがとうございます」
ルビィ「うーん、やっぱりちょっと動きにくいかも…」
ダイヤ「ルビィ…駄目ですわよちゃんとしなきゃ、新年の挨拶には私たちも出向くことになっているのよ」
ダイヤ「知り合いの方々にみっともない所を見せるわけにはいかない、分かるでしょう?」
黒澤母「二人ともよく似合っていますよ」
ダイヤ「ありがとうございます」
ルビィ「うーん、やっぱりちょっと動きにくいかも…」
ダイヤ「ルビィ…駄目ですわよちゃんとしなきゃ、新年の挨拶には私たちも出向くことになっているのよ」
ダイヤ「知り合いの方々にみっともない所を見せるわけにはいかない、分かるでしょう?」
10: 家 2017/09/15(金) 06:25:29.35 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「ルビィさん今日限りの辛抱ですから、ね?」
ルビィ「…うんそうだよね、それに今日はお姉ちゃんの誕生日だもん…ルビィも頑張らないと」
ダイヤ「ルビィ……」
黒澤母「フフッ…さあ二人とも挨拶回りに行きますよ、その後はダイヤさんのお祝いですから頑張りましょうね」
ルビィ・ダイヤ「はい!」
ルビィ「…うんそうだよね、それに今日はお姉ちゃんの誕生日だもん…ルビィも頑張らないと」
ダイヤ「ルビィ……」
黒澤母「フフッ…さあ二人とも挨拶回りに行きますよ、その後はダイヤさんのお祝いですから頑張りましょうね」
ルビィ・ダイヤ「はい!」
11: 家 2017/09/15(金) 06:27:16.76 ID:c/hqAerg.net
─
善子「あー寒っ……日が昇ってこんなに明るいっていうのに、外は冷え切ってるのね…はぁーっ嫌だわ」スタスタ
善子「…けど、あの子の顔を見れないよりマシよね」
善子「だから私は今、外に出ているわけで」
善子「…ええ、そうよ……そうなんだけど…」
善子「これは流石に入りづらいというか……ねえ?」
善子「なにこの部外者は立ち入り厳禁みたいなオーラが漂う場所……これが、黒澤家なのね…」
善子「あー寒っ……日が昇ってこんなに明るいっていうのに、外は冷え切ってるのね…はぁーっ嫌だわ」スタスタ
善子「…けど、あの子の顔を見れないよりマシよね」
善子「だから私は今、外に出ているわけで」
善子「…ええ、そうよ……そうなんだけど…」
善子「これは流石に入りづらいというか……ねえ?」
善子「なにこの部外者は立ち入り厳禁みたいなオーラが漂う場所……これが、黒澤家なのね…」
12: 家 2017/09/15(金) 06:29:16.96 ID:c/hqAerg.net
善子「何度も思ったし今さらすぎるけど…本当にとんでもないところだわ」
善子「そしてそんな家の娘が、ルビィなのよね…」
善子「……ま、だからどうしたって話だけど」
「……あれ? 善子ちゃん?」
善子「!」
ルビィ「来てくれたんだね」クス
善子「ルビィ……ええ貴女に会いに来たわ、明けましておめでとう」フッ
ルビィ「うん、おめでとうございます」ニコッ
善子「そしてそんな家の娘が、ルビィなのよね…」
善子「……ま、だからどうしたって話だけど」
「……あれ? 善子ちゃん?」
善子「!」
ルビィ「来てくれたんだね」クス
善子「ルビィ……ええ貴女に会いに来たわ、明けましておめでとう」フッ
ルビィ「うん、おめでとうございます」ニコッ
13: 家 2017/09/15(金) 06:31:11.55 ID:c/hqAerg.net
善子「でもどうしてここに? ダイヤさんのお祝いがあったんじゃないの?」
ルビィ「うん今もやってるよ、でも今は親戚の人たちの番だから」
ルビィ「それにルビィは先にお祝いしてもう終わってるから、少しだけ時間を貰ったんだ」
善子「私に会うために…?」
ルビィ「もちろん」
善子「そっか…」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、ちょっとだけ上がっていかない?」
善子「……ええ、そうさせてもらうわ」
ルビィ「うん今もやってるよ、でも今は親戚の人たちの番だから」
ルビィ「それにルビィは先にお祝いしてもう終わってるから、少しだけ時間を貰ったんだ」
善子「私に会うために…?」
ルビィ「もちろん」
善子「そっか…」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、ちょっとだけ上がっていかない?」
善子「……ええ、そうさせてもらうわ」
14: 家 2017/09/15(金) 06:31:52.20 ID:c/hqAerg.net
善子「お祝い自体は神社の境内でやってるのね」
ルビィ「新年の挨拶も兼ねてるからそっちのほうがいいんだって」
善子「へえ、せっかくだからお参りしていこうかしら」
ルビィ「じゃあルビィも」
ルビィ「新年の挨拶も兼ねてるからそっちのほうがいいんだって」
善子「へえ、せっかくだからお参りしていこうかしら」
ルビィ「じゃあルビィも」
16: 家 2017/09/15(金) 06:33:22.11 ID:c/hqAerg.net
パンパンッ
善子・ルビィ「……」
善子「…なにお願いしたの?」
ルビィ「ずっと一緒にいられますようにって」
善子「そう…私もよ」
ルビィ「じゃあ、約束だね」
善子「ええ、約束…」
善子・ルビィ「……」
善子「…なにお願いしたの?」
ルビィ「ずっと一緒にいられますようにって」
善子「そう…私もよ」
ルビィ「じゃあ、約束だね」
善子「ええ、約束…」
17: 家 2017/09/15(金) 06:34:05.43 ID:c/hqAerg.net
─
ダイヤ「……ふぅ」
黒澤母「お疲れ様でした、ダイヤさん」ドウゾ
ダイヤ「ありがとうございます……あの、今年は例年より人が多いように感じられましたが」
黒澤母「いい賑わいですものね」
ダイヤ「どうして今年はそんなに多いのでしょうか?」プハッ
ダイヤ「……ふぅ」
黒澤母「お疲れ様でした、ダイヤさん」ドウゾ
ダイヤ「ありがとうございます……あの、今年は例年より人が多いように感じられましたが」
黒澤母「いい賑わいですものね」
ダイヤ「どうして今年はそんなに多いのでしょうか?」プハッ
18: 家 2017/09/15(金) 06:35:11.87 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「それはきっと、ダイヤさんを一目見たいと思っている方が沢山いるからでしょうね」
ダイヤ「私をですか? 一体なぜ?」
黒澤母「ダイヤさんは今年で小学校を卒業し、中学生になるわけですからね」
黒澤母「皆さんはまた一つ成長したその晴れ姿を見ておきたかったのでしょう」
ダイヤ「……そういうものでしょうか」
黒澤母「ええ、ダイヤさんも大人になれば分かりますよ」フフッ
ダイヤ「私をですか? 一体なぜ?」
黒澤母「ダイヤさんは今年で小学校を卒業し、中学生になるわけですからね」
黒澤母「皆さんはまた一つ成長したその晴れ姿を見ておきたかったのでしょう」
ダイヤ「……そういうものでしょうか」
黒澤母「ええ、ダイヤさんも大人になれば分かりますよ」フフッ
19: 家 2017/09/15(金) 06:35:46.59 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「…ところで、ルビィさんは今どちらに? そろそろ時間なのですが見当たらなくて」
ダイヤ「恐らく、お友達の善子さんと一緒にいると思いますが……あっ、いました」
黒澤母「え? どこですか?」
ダイヤ「あちらです、ほらあそこの……」
黒澤母「ああ、あそこでした…か…………!?」
ダイヤ「お母様?」
ダイヤ「恐らく、お友達の善子さんと一緒にいると思いますが……あっ、いました」
黒澤母「え? どこですか?」
ダイヤ「あちらです、ほらあそこの……」
黒澤母「ああ、あそこでした…か…………!?」
ダイヤ「お母様?」
20: 家 2017/09/15(金) 06:37:12.59 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「ダイヤさん……隣にいるのは?」
ダイヤ「お友達の善子さんですね」
黒澤母「善子……あの子が…?」
黒澤母「…………姓は?」
ダイヤ「え?」
黒澤母「彼女の姓は津島、と言いませんか?」
ダイヤ「ええ、確か…そうだったような気が…私もルビィからほとんど名前しか聞いていなかったので正確には知りませんが」
ダイヤ「お友達の善子さんですね」
黒澤母「善子……あの子が…?」
黒澤母「…………姓は?」
ダイヤ「え?」
黒澤母「彼女の姓は津島、と言いませんか?」
ダイヤ「ええ、確か…そうだったような気が…私もルビィからほとんど名前しか聞いていなかったので正確には知りませんが」
21: 家 2017/09/15(金) 06:37:59.38 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「そうですか」
ダイヤ「あの、それが何か…?」
黒澤母「ダイヤさん」
ダイヤ「は、はい」
黒澤母「私はあの子に挨拶をしていきますから少し外しますね」
ダイヤ「え、ええ…わかりました」
黒澤母「では後ほど…」スタスタ
ダイヤ「……お母様、一体どうしたんでしょうか」
ダイヤ(今、一瞬だけ…とても怖かった……)
ダイヤ「あの、それが何か…?」
黒澤母「ダイヤさん」
ダイヤ「は、はい」
黒澤母「私はあの子に挨拶をしていきますから少し外しますね」
ダイヤ「え、ええ…わかりました」
黒澤母「では後ほど…」スタスタ
ダイヤ「……お母様、一体どうしたんでしょうか」
ダイヤ(今、一瞬だけ…とても怖かった……)
22: 家 2017/09/15(金) 06:39:34.51 ID:c/hqAerg.net
─
ルビィ「それでね、この間お姉ちゃんが……」
「ルビィさん」
黒澤母「そろそろお時間ですよ」
ルビィ「あっ、お母さん」
善子「お母さん? この人が……」
善子(確かにダイヤさんによく似てるわね…)
黒澤母(成程、間違いありませんね…)
ルビィ「それでね、この間お姉ちゃんが……」
「ルビィさん」
黒澤母「そろそろお時間ですよ」
ルビィ「あっ、お母さん」
善子「お母さん? この人が……」
善子(確かにダイヤさんによく似てるわね…)
黒澤母(成程、間違いありませんね…)
23: 家 2017/09/15(金) 06:40:54.69 ID:c/hqAerg.net
善子「あの、初めまして…津島善子です」
黒澤母「ええ…存じていますよ、ルビィさんから貴女の話はよく聞いていますから」
黒澤母「ルビィさんのことをいつも気に掛けてくれているとか」
善子「いえそんな…」
黒澤母「フフッ、謙遜することはありませんよ」
黒澤母「…………ルビィさんのこと、好きなのですね」
善子「……友達、ですから」
黒澤母「ええ…存じていますよ、ルビィさんから貴女の話はよく聞いていますから」
黒澤母「ルビィさんのことをいつも気に掛けてくれているとか」
善子「いえそんな…」
黒澤母「フフッ、謙遜することはありませんよ」
黒澤母「…………ルビィさんのこと、好きなのですね」
善子「……友達、ですから」
24: 家 2017/09/15(金) 06:41:38.33 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……」
黒澤母「そうですか、ありがとうございます……それと」
黒澤母「─ごめんなさいね」
善子「え?」
黒澤母「…ここから先は身内の者だけで行うことになっておりますので」
善子「成程…分かりました、お暇させていただきます」
黒澤母「そうですか、ありがとうございます……それと」
黒澤母「─ごめんなさいね」
善子「え?」
黒澤母「…ここから先は身内の者だけで行うことになっておりますので」
善子「成程…分かりました、お暇させていただきます」
25: 家 2017/09/15(金) 06:42:13.23 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「話が早くて助かります、さあルビィさん…」
ルビィ「はい」
善子「……ルビィ!」
ルビィ「ん?」クルッ
善子「またね」ニコッ
黒澤母「……」
ルビィ「うん、またね!」ニコッ
ルビィ「はい」
善子「……ルビィ!」
ルビィ「ん?」クルッ
善子「またね」ニコッ
黒澤母「……」
ルビィ「うん、またね!」ニコッ
26: 家 2017/09/15(金) 06:42:56.97 ID:c/hqAerg.net
─
黒澤母「ダイヤさん、お待たせしました……時間は?」
ダイヤ「まだ余裕があるみたいです、一息入れるくらいなら可能かと」
黒澤母「それならよかった」
ダイヤ「あら…? ルビィ、どうしたのその髪飾り」
ルビィ「えへへっ…さっき善子ちゃんに貰ったんだぁ、色違いのお揃いなんだって!」
ダイヤ「そう、よかったわね」
ルビィ「うん!」
黒澤母「……」
黒澤母「ダイヤさん、お待たせしました……時間は?」
ダイヤ「まだ余裕があるみたいです、一息入れるくらいなら可能かと」
黒澤母「それならよかった」
ダイヤ「あら…? ルビィ、どうしたのその髪飾り」
ルビィ「えへへっ…さっき善子ちゃんに貰ったんだぁ、色違いのお揃いなんだって!」
ダイヤ「そう、よかったわね」
ルビィ「うん!」
黒澤母「……」
27: 家 2017/09/15(金) 06:43:40.28 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「では時間が来るまで二人はそこで待っていてくださいね、私は用事を済ませてきますから」
ダイヤ「はい」
ルビィ「うん、待ってる」
黒澤母「……」
黒澤母「……ああ、その前に聞いておきたいことがありました」
ダイヤ・ルビィ「?」
黒澤母「ルビィさん、今善子さんがどちらに住んでいらっしゃるか…分かりますか?」
……
…
ダイヤ「はい」
ルビィ「うん、待ってる」
黒澤母「……」
黒澤母「……ああ、その前に聞いておきたいことがありました」
ダイヤ・ルビィ「?」
黒澤母「ルビィさん、今善子さんがどちらに住んでいらっしゃるか…分かりますか?」
……
…
28: 家 2017/09/15(金) 06:44:30.25 ID:c/hqAerg.net
─それから数日後、黒澤家
黒澤母「……来ましたね」
善子母「……ご用件とは何でしょうか」
黒澤母「聞かなくても分かるのでは? 私が手紙を寄越した理由も察しているのでしょう?」
善子母「……」
黒澤母「…取り敢えずそこにお掛けになって下さい、お茶程度なら出します」
善子母「……お心遣い痛み入ります」
黒澤母「……来ましたね」
善子母「……ご用件とは何でしょうか」
黒澤母「聞かなくても分かるのでは? 私が手紙を寄越した理由も察しているのでしょう?」
善子母「……」
黒澤母「…取り敢えずそこにお掛けになって下さい、お茶程度なら出します」
善子母「……お心遣い痛み入ります」
29: 家 2017/09/15(金) 06:45:04.04 ID:c/hqAerg.net
─
ダイヤ「あら……今日はお客人がいるのね、この期間じゃ珍しいですけど」
ダイヤ「一体誰が……」
……デショウカ キカナクテモ…
ダイヤ「……ん? 話し声? ……一人はお母様ですわね」
ダイヤ「それともう一人……確か、この声は……」ソッ
ダイヤ「あら……今日はお客人がいるのね、この期間じゃ珍しいですけど」
ダイヤ「一体誰が……」
……デショウカ キカナクテモ…
ダイヤ「……ん? 話し声? ……一人はお母様ですわね」
ダイヤ「それともう一人……確か、この声は……」ソッ
30: 家 2017/09/15(金) 06:46:03.41 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「どうぞ」コトン
善子母「ありがとうございます」
ダイヤ(やはり善子さんの…)
黒澤母「いえ、私も少し落ち着きたかったので……」ズズッ
善子母「……」ズズッ
黒澤母「ハァーッ……さて、では本題に入りましょう……と言いたいところですが」
黒澤母「その前にいくつか質問をさせていただいてもよろしいですか?」
善子母「はい、どうぞ気の済むまで」
善子母「ありがとうございます」
ダイヤ(やはり善子さんの…)
黒澤母「いえ、私も少し落ち着きたかったので……」ズズッ
善子母「……」ズズッ
黒澤母「ハァーッ……さて、では本題に入りましょう……と言いたいところですが」
黒澤母「その前にいくつか質問をさせていただいてもよろしいですか?」
善子母「はい、どうぞ気の済むまで」
31: 家 2017/09/15(金) 06:46:52.97 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「では一つ目、ルビィさんのことについてです」
黒澤母「いつから気づいていました?」
善子母「四月です、確信に至ったのは娘から色々話を聞いたあとですが」
黒澤母「……二つ目、その娘さんとルビィさんの関係について」
ダイヤ(……え? …今、なんて……)
黒澤母「これはいつから存じておりましたか」
善子母「七月には大方…はっきりと分かったのは八月の夏祭り、でしょうか」
黒澤母「いつから気づいていました?」
善子母「四月です、確信に至ったのは娘から色々話を聞いたあとですが」
黒澤母「……二つ目、その娘さんとルビィさんの関係について」
ダイヤ(……え? …今、なんて……)
黒澤母「これはいつから存じておりましたか」
善子母「七月には大方…はっきりと分かったのは八月の夏祭り、でしょうか」
32: 家 2017/09/15(金) 06:47:41.81 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……成程、よく分かりました」
黒澤母「では最後にもう一つだけ……」
善子母「…はい」
黒澤母「……」フゥーッ
黒澤母「どうしてああなるまで放っておいたんですか!」
善子母「っ……!」
黒澤母「では最後にもう一つだけ……」
善子母「…はい」
黒澤母「……」フゥーッ
黒澤母「どうしてああなるまで放っておいたんですか!」
善子母「っ……!」
33: 家 2017/09/15(金) 06:48:21.27 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「七月には大体察していたと言いましたね? 何故そのときに娘さんを止めなかったのですか!」
黒澤母「あの娘がルビィさんを見る目はもう完全に友達に対するそれじゃない! ルビィさんが善子さんを見る目もそうです!」
ダイヤ(!!)
黒澤母「一体何を考えているんですか貴女は!」
善子母「それはっ……」
黒澤母「あの娘がルビィさんを見る目はもう完全に友達に対するそれじゃない! ルビィさんが善子さんを見る目もそうです!」
ダイヤ(!!)
黒澤母「一体何を考えているんですか貴女は!」
善子母「それはっ……」
34: 家 2017/09/15(金) 06:48:59.14 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……女性同士なら大丈夫だと高を括っていましたか」
黒澤母「…あるいは所詮小学生のままごとだと、現状に対して…見て見ぬふりをしていたのですか」
黒澤母「それとも……まさかとは思いますが」
黒澤母「愛情さえあれば乗り越えていけると…そんなご自身の理想に囚われた妄言を吐くつもりではないでしょうね」
黒澤母「─あの時と同じように」
善子母「っ!!」
黒澤母「…あるいは所詮小学生のままごとだと、現状に対して…見て見ぬふりをしていたのですか」
黒澤母「それとも……まさかとは思いますが」
黒澤母「愛情さえあれば乗り越えていけると…そんなご自身の理想に囚われた妄言を吐くつもりではないでしょうね」
黒澤母「─あの時と同じように」
善子母「っ!!」
35: 家 2017/09/15(金) 06:50:18.28 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……またですか」
黒澤母「津島さん、貴女教師ですよね? 人にものを教える立場でありながら、貴女はあの騒動から何ひとつ学んでいない」
善子母「……」
黒澤母「また同じことを繰り返すおつもりですか、サファイア」
ダイヤ(サファイア……?)
善子母「……」
黒澤母「……何か言ったらどうです」
善子母「……仰る通りです、弁解の余地もありません…」
黒澤母「津島さん、貴女教師ですよね? 人にものを教える立場でありながら、貴女はあの騒動から何ひとつ学んでいない」
善子母「……」
黒澤母「また同じことを繰り返すおつもりですか、サファイア」
ダイヤ(サファイア……?)
善子母「……」
黒澤母「……何か言ったらどうです」
善子母「……仰る通りです、弁解の余地もありません…」
36: 家 2017/09/15(金) 06:51:08.91 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「……貴女は女性である前に、一人の娘の親でしょう」
善子母「…はい、本当に……申し訳ありませんでした…」
黒澤母「それならば私の言いたいことも分かりますよね?」
善子母「……はい」
黒澤母「では本題です…今すぐ二人を別れさせなさい」
ダイヤ(!?)
黒澤母「今ならまだ最低限の傷だけで済みます…そうでしょう?」
黒澤母「貴方が望んでいることは、十やそこらの子供が背負うには余りにも業が深すぎる」
善子母「…はい、本当に……申し訳ありませんでした…」
黒澤母「それならば私の言いたいことも分かりますよね?」
善子母「……はい」
黒澤母「では本題です…今すぐ二人を別れさせなさい」
ダイヤ(!?)
黒澤母「今ならまだ最低限の傷だけで済みます…そうでしょう?」
黒澤母「貴方が望んでいることは、十やそこらの子供が背負うには余りにも業が深すぎる」
37: 家 2017/09/15(金) 06:52:12.32 ID:c/hqAerg.net
善子母「……ですが、私はあの子たちを…」
黒澤母「何ですか、彼女たちの関係を隠し通せるとでも? だとすれば見当違いも甚だしい」
黒澤母「たとえ今はよくても…いずれ周囲に知れ渡ります、それは貴女が一番よく分かっているはずですが?」
善子母「っ……」
黒澤母「何度も同じことを言わせないでください…さあ、返事は?」
善子母「……分かりまし「待ってください!」
黒澤母「何ですか、彼女たちの関係を隠し通せるとでも? だとすれば見当違いも甚だしい」
黒澤母「たとえ今はよくても…いずれ周囲に知れ渡ります、それは貴女が一番よく分かっているはずですが?」
善子母「っ……」
黒澤母「何度も同じことを言わせないでください…さあ、返事は?」
善子母「……分かりまし「待ってください!」
38: 家 2017/09/15(金) 06:52:51.55 ID:c/hqAerg.net
善子母「……!」
黒澤母「……人の大事な話に聞き耳を立てるとは、感心しませんね」
ダイヤ「どういう、ことですか……」
ダイヤ「お母様…今の話は、本当に……!」
黒澤母「……私の用件はこれで終わりです…津島さん」
黒澤母「あとは貴女に任せます、今日はもう下がってください」
善子母「……はい、失礼しました…」
黒澤母「……人の大事な話に聞き耳を立てるとは、感心しませんね」
ダイヤ「どういう、ことですか……」
ダイヤ「お母様…今の話は、本当に……!」
黒澤母「……私の用件はこれで終わりです…津島さん」
黒澤母「あとは貴女に任せます、今日はもう下がってください」
善子母「……はい、失礼しました…」
39: 家 2017/09/15(金) 06:54:18.73 ID:c/hqAerg.net
─ピシャッ
黒澤母「……さて、いつから聞いていました?」
ダイヤ「……最初からです」
黒澤母「……そんな子に育てた覚えはないのですがね」
ダイヤ「申し訳ございません……ですが」
ダイヤ「私にも知る権利はあると思います」
黒澤母「…そうですね」
黒澤母「……さて、いつから聞いていました?」
ダイヤ「……最初からです」
黒澤母「……そんな子に育てた覚えはないのですがね」
ダイヤ「申し訳ございません……ですが」
ダイヤ「私にも知る権利はあると思います」
黒澤母「…そうですね」
41: 家 2017/09/15(金) 06:54:50.47 ID:c/hqAerg.net
ダイヤ「お母様、詳しく聞かせてください」
ダイヤ「このままでは……納得出来ません」
黒澤母「…聞いても納得出来ないかもしれませんよ?」
ダイヤ「それでも構いません」
ダイヤ「私にお母様のことを…教えてください」
ダイヤ「このままでは……納得出来ません」
黒澤母「…聞いても納得出来ないかもしれませんよ?」
ダイヤ「それでも構いません」
ダイヤ「私にお母様のことを…教えてください」
42: 家 2017/09/15(金) 06:55:44.57 ID:c/hqAerg.net
黒澤母「…本当はこんな形で真相を告げたくはなかったのですがね……いいでしょう」
黒澤母「聞いて後悔しても、もう遅いですよ?」
ダイヤ「……」
黒澤母「では始めましょうか…そう、あれは今から十年以上前の話です──」
……
…
黒澤母「聞いて後悔しても、もう遅いですよ?」
ダイヤ「……」
黒澤母「では始めましょうか…そう、あれは今から十年以上前の話です──」
……
…
43: 家 2017/09/15(金) 06:56:39.50 ID:c/hqAerg.net
─津島家
善子「─なに? 大事な話って」
善子母「……ルビィちゃんのことよ」
善子「えっ」
善子母「付き合ってるのよね、貴女たち」
善子「─なに? 大事な話って」
善子母「……ルビィちゃんのことよ」
善子「えっ」
善子母「付き合ってるのよね、貴女たち」
44: 家 2017/09/15(金) 06:57:15.98 ID:c/hqAerg.net
善子「…何言ってるの? 私とルビィはただの友達で「善子」
善子母「もう全部…分かってるのよ」
善子「……」
善子母「そして、その上で言わせてもらうわ」
善子「……何を?」
善子母「…善子、ルビィちゃんと別れて」
善子「…………は?」
善子母「もう全部…分かってるのよ」
善子「……」
善子母「そして、その上で言わせてもらうわ」
善子「……何を?」
善子母「…善子、ルビィちゃんと別れて」
善子「…………は?」
45: 家 2017/09/15(金) 06:58:00.84 ID:c/hqAerg.net
善子「ママ……何言って…ねえ、なんで?」
善子母「……」
善子「か、隠してたことなら謝るから……それとも、やっぱり女の子同士だから?」
善子「そのことだって…私はちゃんと……」
善子母「……そもそも、ルビィちゃんが善子のこと…そこまで好きじゃないとしたら?」
善子「…は? ちょっと何言ってるの、いくらママでも流石に怒るわよ」
善子母「……」
善子「か、隠してたことなら謝るから……それとも、やっぱり女の子同士だから?」
善子「そのことだって…私はちゃんと……」
善子母「……そもそも、ルビィちゃんが善子のこと…そこまで好きじゃないとしたら?」
善子「…は? ちょっと何言ってるの、いくらママでも流石に怒るわよ」
46: 家 2017/09/15(金) 06:58:51.03 ID:c/hqAerg.net
善子母「だから、善子が一方的に好意を向けてるだけじゃないのって」
善子「っ! ちょっと本当に怒るわよ!! 大体何を根拠にそんなこと言ってるわけ!?」
善子「一方的? ふざけないでよ、そんなことないっ! ルビィだって私のことが……!」
善子母「ええ、好きでしょうね…でもそれ以上に─」
善子母「善子、貴女がルビィちゃんに惹かれすぎているのよ…どうしようもないほどにね」
善子「っ!? 何を……」
善子母「違うの? 今までの貴女たちがやってきたことだって、全部善子からの言葉がきっかけなんじゃないの?」
善子「私からって……!」
善子「っ! ちょっと本当に怒るわよ!! 大体何を根拠にそんなこと言ってるわけ!?」
善子「一方的? ふざけないでよ、そんなことないっ! ルビィだって私のことが……!」
善子母「ええ、好きでしょうね…でもそれ以上に─」
善子母「善子、貴女がルビィちゃんに惹かれすぎているのよ…どうしようもないほどにね」
善子「っ!? 何を……」
善子母「違うの? 今までの貴女たちがやってきたことだって、全部善子からの言葉がきっかけなんじゃないの?」
善子「私からって……!」
47: 家 2017/09/15(金) 06:59:28.29 ID:c/hqAerg.net
─
『ねえちょっと……そこのあんたよ、あんた』
『それに、その見た目なら私のリトルデーモンとしても十分、いやそれ以上に……』
『…ならそうね、休日は?』
『夏祭り、あるじゃない? あんたと二人で行きたいから……』
『─ねえルビィ、あんたはさ……もし、私が女の子のことが好きって……』
『ルビィのことが好きだって言ったら……笑う?』
─
『ねえちょっと……そこのあんたよ、あんた』
『それに、その見た目なら私のリトルデーモンとしても十分、いやそれ以上に……』
『…ならそうね、休日は?』
『夏祭り、あるじゃない? あんたと二人で行きたいから……』
『─ねえルビィ、あんたはさ……もし、私が女の子のことが好きって……』
『ルビィのことが好きだって言ったら……笑う?』
─
48: 家 2017/09/15(金) 07:00:33.01 ID:c/hqAerg.net
善子「──!!」
善子母「……やっぱり」
善子「あっ……ち、違う! 違う……違う! そんなことない! 適当なことばかり言わないでよ!」
善子「黙って聞いていればなによ! それだって勝手な推測なんじゃないの!? ママは私たちのこと、何も知らないくせに!」
善子母「……分かるわよ、だって今の善子─」
善子母「昔の私にそっくりなんだもの…」
善子「……え……?」
善子母「……やっぱり」
善子「あっ……ち、違う! 違う……違う! そんなことない! 適当なことばかり言わないでよ!」
善子「黙って聞いていればなによ! それだって勝手な推測なんじゃないの!? ママは私たちのこと、何も知らないくせに!」
善子母「……分かるわよ、だって今の善子─」
善子母「昔の私にそっくりなんだもの…」
善子「……え……?」
49: 家 2017/09/15(金) 07:01:34.36 ID:c/hqAerg.net
善子「なに…昔って……」
善子母「……お姉様の言った通りね、やっぱり私には…隠し通せなかった」
善子「何言ってるの…ねえママ、ちゃんと説明してよっ!」
善子「何がそっくりなの!」
善子母「……昔、好きな人がいたわ」
善子「! 何を急に……」
善子母「その人はね、善子が好きになった人と同じ……」
善子母「赤い髪をしていたのよ」
善子「……っ!?」
善子母「……お姉様の言った通りね、やっぱり私には…隠し通せなかった」
善子「何言ってるの…ねえママ、ちゃんと説明してよっ!」
善子「何がそっくりなの!」
善子母「……昔、好きな人がいたわ」
善子「! 何を急に……」
善子母「その人はね、善子が好きになった人と同じ……」
善子母「赤い髪をしていたのよ」
善子「……っ!?」
60: 家 2017/09/15(金) 12:20:09.62 ID:eKU0lMHm.net
─
黒澤母「いいですかダイヤさん、黒澤家は代々…その長男が領主の跡を継ぐことになるのですが」
黒澤母「私たちの代…まあ今もですが、生まれてきたのは女性だけ…男に恵まれなかったわけです」
黒澤母「その場合、婿養子を取ってその方に跡を継がせるのですが…貴女たちの父親、つまり私の主人がこれに当て嵌まるわけですね」
黒澤母「ここまでは分かりますか?」
ダイヤ「はい」
黒澤母「いいですかダイヤさん、黒澤家は代々…その長男が領主の跡を継ぐことになるのですが」
黒澤母「私たちの代…まあ今もですが、生まれてきたのは女性だけ…男に恵まれなかったわけです」
黒澤母「その場合、婿養子を取ってその方に跡を継がせるのですが…貴女たちの父親、つまり私の主人がこれに当て嵌まるわけですね」
黒澤母「ここまでは分かりますか?」
ダイヤ「はい」
61: 家 2017/09/15(金) 12:21:05.09 ID:eKU0lMHm.net
黒澤母「では続けましょう、そのように決められた形式ではあったものの、私はお父様と結ばれることについては特に不満はありませんでした」
黒澤母「領主となるに相応しい、器量を持ち合わせていましたからね」
ダイヤ「……」
黒澤母「そんなものですから交際自体は至って順調に進みました……ですが」
黒澤母「一つ、大きな問題があったのです」
ダイヤ「……あの、それは…?」
黒澤母「……」
黒澤母「今は無き、黒澤家…分家側の一人娘」
黒澤母「黒澤サファイア……善子さんの、母親ですよ」
ダイヤ「─!?」
黒澤母「領主となるに相応しい、器量を持ち合わせていましたからね」
ダイヤ「……」
黒澤母「そんなものですから交際自体は至って順調に進みました……ですが」
黒澤母「一つ、大きな問題があったのです」
ダイヤ「……あの、それは…?」
黒澤母「……」
黒澤母「今は無き、黒澤家…分家側の一人娘」
黒澤母「黒澤サファイア……善子さんの、母親ですよ」
ダイヤ「─!?」
62: 家 2017/09/15(金) 12:21:43.77 ID:eKU0lMHm.net
─
善子「黒澤……え…? それってルビィの名字、よね……何で…」
善子母「善子、今は嫁いで姓を変えてるけど…私は元々黒澤家の人間なの」
善子母「と言っても私は分家の方だったんだけどね」
善子「分家……」
善子母「そう、そしてその頃の私の許婚が今の善子のお父さん」
善子「なっ……!」
善子「黒澤……え…? それってルビィの名字、よね……何で…」
善子母「善子、今は嫁いで姓を変えてるけど…私は元々黒澤家の人間なの」
善子母「と言っても私は分家の方だったんだけどね」
善子「分家……」
善子母「そう、そしてその頃の私の許婚が今の善子のお父さん」
善子「なっ……!」
63: 家 2017/09/15(金) 12:22:20.00 ID:eKU0lMHm.net
善子母「ちなみにルビィちゃんのお母さんは本家の人、私とは…再従姉妹(はとこ)の関係ね」
善子「え、じゃあ…私とルビィは親戚ってことになるの…? そんなの……」
善子母「……いいえ、違うわ」
善子「違うって……いや、だって私はお父さんとお母さんの子供で…」
善子母「……そこが違うのよ」
善子「……何、言ってるの…」
善子「え、じゃあ…私とルビィは親戚ってことになるの…? そんなの……」
善子母「……いいえ、違うわ」
善子「違うって……いや、だって私はお父さんとお母さんの子供で…」
善子母「……そこが違うのよ」
善子「……何、言ってるの…」
64: 家 2017/09/15(金) 12:23:02.86 ID:eKU0lMHm.net
─
黒澤母「分家のサファイアにも許婚がいました、今の善子さんのお父様です」
ダイヤ「成程…だから今、津島と…」
黒澤母「ええ、その通りです……当時サファイアはその津島さんと結ばれるはずだったのですが」
黒澤母「生憎と彼女が愛していたのは別の人物でした」
ダイヤ「まさか……」
黒澤母「そう、貴女たちのお父様ですよ」
ダイヤ「!」
黒澤母「分家のサファイアにも許婚がいました、今の善子さんのお父様です」
ダイヤ「成程…だから今、津島と…」
黒澤母「ええ、その通りです……当時サファイアはその津島さんと結ばれるはずだったのですが」
黒澤母「生憎と彼女が愛していたのは別の人物でした」
ダイヤ「まさか……」
黒澤母「そう、貴女たちのお父様ですよ」
ダイヤ「!」
65: 家 2017/09/15(金) 12:23:41.83 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「そんな…」
黒澤母「まあそのこと自体はさして珍しいものではありませんよ、両親が婚約相手を決めるというしきたりの中ではしばしば起きることですからね」
黒澤母「自分の恋心を抑えて、一族の繁栄のために婚約相手と結婚するという事例だっていくらでもあります」
黒澤母「ですから、問題なのはそこではない」
ダイヤ「……」
黒澤母「この際に最も懸念すべきものはですね…その恋心が抑えきれないということなんですよ」
黒澤母「まあそのこと自体はさして珍しいものではありませんよ、両親が婚約相手を決めるというしきたりの中ではしばしば起きることですからね」
黒澤母「自分の恋心を抑えて、一族の繁栄のために婚約相手と結婚するという事例だっていくらでもあります」
黒澤母「ですから、問題なのはそこではない」
ダイヤ「……」
黒澤母「この際に最も懸念すべきものはですね…その恋心が抑えきれないということなんですよ」
66: 家 2017/09/15(金) 12:24:22.79 ID:eKU0lMHm.net
黒澤母「つまり…一族の未来よりも、自分自身のエゴを優先するわけです」
黒澤母「そしてサファイアはその感情に従った」
黒澤母「貴女たちの父親を…諦めきれなかったんですよ」
黒澤母「それによって生まれたのが……もうお気づきでしょう」
ダイヤ「……」ギュッ
黒澤母「津島…善子さんです」
黒澤母「そしてサファイアはその感情に従った」
黒澤母「貴女たちの父親を…諦めきれなかったんですよ」
黒澤母「それによって生まれたのが……もうお気づきでしょう」
ダイヤ「……」ギュッ
黒澤母「津島…善子さんです」
67: 家 2017/09/15(金) 12:25:11.43 ID:eKU0lMHm.net
─
善子母「当然すぐにバレたわ、お父さんに身に覚えがなかったからね」
善子母「そしてその事実は一気に広まって、ダイヤちゃんが生まれたことで幸せに満ちていた空気が一変…重苦しいものになった」
善子母「そのときになってようやく気付いたの、自分のしでかした罪の重さに」
善子「……」
善子母「結果私はそれが原因で黒澤家から勘当され、津島として生きることになった」
善子母「─これが私の昔の話よ」
善子母「当然すぐにバレたわ、お父さんに身に覚えがなかったからね」
善子母「そしてその事実は一気に広まって、ダイヤちゃんが生まれたことで幸せに満ちていた空気が一変…重苦しいものになった」
善子母「そのときになってようやく気付いたの、自分のしでかした罪の重さに」
善子「……」
善子母「結果私はそれが原因で黒澤家から勘当され、津島として生きることになった」
善子母「─これが私の昔の話よ」
68: 家 2017/09/15(金) 12:25:51.38 ID:eKU0lMHm.net
善子「……」
善子母「だから別れてって言ったの、だって貴女は「やめてよ」
善子「ねえママ、さっきから何言ってるの?」
善子「本家とか分家とか、なにそれ……そんなの私知らないし」
善子「意味が、分からないんだけど…」
善子母「……」
『……貴女は女性である前に、一人の娘の親でしょう』
善子母「……なら、もっと分かりやすく、はっきりと…言ってあげましょうか?」
善子母「だから別れてって言ったの、だって貴女は「やめてよ」
善子「ねえママ、さっきから何言ってるの?」
善子「本家とか分家とか、なにそれ……そんなの私知らないし」
善子「意味が、分からないんだけど…」
善子母「……」
『……貴女は女性である前に、一人の娘の親でしょう』
善子母「……なら、もっと分かりやすく、はっきりと…言ってあげましょうか?」
69: 家 2017/09/15(金) 12:26:33.26 ID:eKU0lMHm.net
善子「……やめて」
善子母「…善子」
善子「嫌だ」
善子母「貴女には」
善子「言わないでよ……!」
善子母「……ルビィちゃんと同じ血が流れている」
善子「~~ッ!!!」
─パアンッ!
善子母「っ……」
善子「ふざけるなぁっ!!」ポロポロ
善子母「…善子」
善子「嫌だ」
善子母「貴女には」
善子「言わないでよ……!」
善子母「……ルビィちゃんと同じ血が流れている」
善子「~~ッ!!!」
─パアンッ!
善子母「っ……」
善子「ふざけるなぁっ!!」ポロポロ
70: 家 2017/09/15(金) 12:28:24.99 ID:eKU0lMHm.net
善子「なんで……なんでっ! 私が! 私たちが!! そんな思いしなきゃならないのよ!」
善子「じゃあなに!? 私がルビィを好きになったのはママの遺伝でっ! 惹かれていたのは同じ血が流れていたからだって言うの!?」
善子「そんなの茶番にも程があるでしょっ!!」
善子母「……善子」
善子「うるさい! 黙れ! 違うんだ! 私はっ!! ママとは違う!」
善子「遺伝なんかじゃない! 血なんて関係ない! 私は……私はっ、本気であの子のことを……! ルビィを……!」
善子「すきに…なっ…たのに……! どう…して……」
善子「じゃあなに!? 私がルビィを好きになったのはママの遺伝でっ! 惹かれていたのは同じ血が流れていたからだって言うの!?」
善子「そんなの茶番にも程があるでしょっ!!」
善子母「……善子」
善子「うるさい! 黙れ! 違うんだ! 私はっ!! ママとは違う!」
善子「遺伝なんかじゃない! 血なんて関係ない! 私は……私はっ、本気であの子のことを……! ルビィを……!」
善子「すきに…なっ…たのに……! どう…して……」
71: 家 2017/09/15(金) 12:29:09.81 ID:eKU0lMHm.net
善子母「……」
善子「……ねえ…おしえてよ」
善子「これからどんな顔して…ルビィに会えばいいの……」
善子「もう…わからないよぉ……」
善子「……うぅっ……ああああぁぁぁぁ…………!」
善子母「……前と同じじゃない…私のやってることは…」
善子母「…もっと、最低なものだったわ…………」
善子母「こんなことを言っても…許してもらえないのは分かってる……でも」
善子母「……本当に……ごめんなさいっ……」
善子「……ねえ…おしえてよ」
善子「これからどんな顔して…ルビィに会えばいいの……」
善子「もう…わからないよぉ……」
善子「……うぅっ……ああああぁぁぁぁ…………!」
善子母「……前と同じじゃない…私のやってることは…」
善子母「…もっと、最低なものだったわ…………」
善子母「こんなことを言っても…許してもらえないのは分かってる……でも」
善子母「……本当に……ごめんなさいっ……」
72: 家 2017/09/15(金) 12:29:58.27 ID:eKU0lMHm.net
─
黒澤母「以上が事の顛末です」
ダイヤ「……よく、分かりました」
ダイヤ「お母様が二人を別れさせたがっていた理由も…納得、いきました」
ダイヤ「……ですが……ですがっ!!」
ダイヤ「こんなのはあんまりすぎます!!」ポロポロ
黒澤母「以上が事の顛末です」
ダイヤ「……よく、分かりました」
ダイヤ「お母様が二人を別れさせたがっていた理由も…納得、いきました」
ダイヤ「……ですが……ですがっ!!」
ダイヤ「こんなのはあんまりすぎます!!」ポロポロ
73: 家 2017/09/15(金) 12:30:48.21 ID:eKU0lMHm.net
黒澤母「……」
ダイヤ「あの子にはっ…ルビィには……初めて出来た友達でっ! やっと…やっとよく笑うようになったのに!」
ダイヤ「このままではルビィも善子さんも可哀想すぎます!!」
ダイヤ「お母様! お願いします! どうか……どうか別の方法を…!」
黒澤母「……ありません」
ダイヤ「っ…!!」
ダイヤ「あの子にはっ…ルビィには……初めて出来た友達でっ! やっと…やっとよく笑うようになったのに!」
ダイヤ「このままではルビィも善子さんも可哀想すぎます!!」
ダイヤ「お母様! お願いします! どうか……どうか別の方法を…!」
黒澤母「……ありません」
ダイヤ「っ…!!」
74: 家 2017/09/15(金) 12:31:52.03 ID:eKU0lMHm.net
黒澤母「このまま私たちが匿うとして、それがいつまで続きますか?」
黒澤母「そして彼女たちの関係が周囲に知られたら、どう思われます?」
黒澤母「耐えられると? 同性愛だけではない、彼女たちは血が繋がっている姉妹です」
黒澤母「それに向けられる目が如何程のものか…経験などなくとも分かるでしょう」
黒澤母「今までのことを無かったことにして、関係を断ち切る……今後の彼女たちのためにも、そうするのが一番いい」
黒澤母「…世の中には、知らないほうがいいこともあります」
黒澤母「そして彼女たちの関係が周囲に知られたら、どう思われます?」
黒澤母「耐えられると? 同性愛だけではない、彼女たちは血が繋がっている姉妹です」
黒澤母「それに向けられる目が如何程のものか…経験などなくとも分かるでしょう」
黒澤母「今までのことを無かったことにして、関係を断ち切る……今後の彼女たちのためにも、そうするのが一番いい」
黒澤母「…世の中には、知らないほうがいいこともあります」
75: 家 2017/09/15(金) 12:32:32.67 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「しかしっ…!」
黒澤母「……でしたら、言えますか?」
ダイヤ「えっ…」
黒澤母「今のルビィさんに、ここで聞いたことを全て…包み隠さず」
黒澤母「打ち明けることが……ダイヤさんには出来ますか?」
ダイヤ「─!!」
黒澤母「……そういうことです」
黒澤母「……でしたら、言えますか?」
ダイヤ「えっ…」
黒澤母「今のルビィさんに、ここで聞いたことを全て…包み隠さず」
黒澤母「打ち明けることが……ダイヤさんには出来ますか?」
ダイヤ「─!!」
黒澤母「……そういうことです」
76: 家 2017/09/15(金) 12:33:06.45 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「………っくぅ……! ……うぅっ…!」ポロポロ
黒澤母「……ダイヤさん、ダイヤさんは本当に…いいお姉さんですよ」
黒澤母「妹のために、辛いことを……代わりに背負ってくれるのですから」
ダイヤ「ああああああああ! わあああああああああん!!」
黒澤母「今は思い切り泣いてしまいなさい、ここで全て……次にまた、笑えるように」ギュッ
……
…
黒澤母「……ダイヤさん、ダイヤさんは本当に…いいお姉さんですよ」
黒澤母「妹のために、辛いことを……代わりに背負ってくれるのですから」
ダイヤ「ああああああああ! わあああああああああん!!」
黒澤母「今は思い切り泣いてしまいなさい、ここで全て……次にまた、笑えるように」ギュッ
……
…
77: 家 2017/09/15(金) 12:34:18.45 ID:eKU0lMHm.net
─それから一ヶ月の時間が過ぎ……
善子母「……そろそろ時間ね」
善子「……うん」
善子母「お別れの挨拶は言ったの?」
善子「……何も、そっちのほうが…いいと思ったから」
善子母「そう……」
善子母「……そろそろ時間ね」
善子「……うん」
善子母「お別れの挨拶は言ったの?」
善子「……何も、そっちのほうが…いいと思ったから」
善子母「そう……」
78: 家 2017/09/15(金) 12:34:55.48 ID:eKU0lMHm.net
善子「……行きましょう」
「待って! 善子ちゃん!」
善子「!! ……なんで」
ルビィ「はあっ……はあっ……間に合った…」
善子母「……善子」
善子「…先に行ってて」
善子「……まさか来るとは思わなかったわ」
ルビィ「先生に聞いたんだよ、そしたら善子ちゃん…今日出るっていうから……」
「待って! 善子ちゃん!」
善子「!! ……なんで」
ルビィ「はあっ……はあっ……間に合った…」
善子母「……善子」
善子「…先に行ってて」
善子「……まさか来るとは思わなかったわ」
ルビィ「先生に聞いたんだよ、そしたら善子ちゃん…今日出るっていうから……」
79: 家 2017/09/15(金) 12:35:32.07 ID:eKU0lMHm.net
善子「…ええ、そうよ…今日でこの町ともお別れ」
ルビィ「……ルビィ、本当は善子ちゃんと離れるのは嫌だけど……でも」
ルビィ「ちゃんと、お別れが言いたくて…」
ルビィ「だからっ……! 会いに来たの!」
善子「っ……!」ジワッ
善子(ここ一ヶ月…碌に口もきかなかったのに……!)
ルビィ「……ルビィ、本当は善子ちゃんと離れるのは嫌だけど……でも」
ルビィ「ちゃんと、お別れが言いたくて…」
ルビィ「だからっ……! 会いに来たの!」
善子「っ……!」ジワッ
善子(ここ一ヶ月…碌に口もきかなかったのに……!)
80: 家 2017/09/15(金) 12:36:06.29 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「善子ちゃん……ルビィね、善子ちゃんに言いたいことがあるの」
善子「……なに?」
ルビィ「善子ちゃん、今までたくさんルビィと一緒にいてくれてありがとう」
ルビィ「ルビィね、善子ちゃんと一緒にいた日が…一番幸せだったよ!」ニコッ
善子「!!」
善子「……なに?」
ルビィ「善子ちゃん、今までたくさんルビィと一緒にいてくれてありがとう」
ルビィ「ルビィね、善子ちゃんと一緒にいた日が…一番幸せだったよ!」ニコッ
善子「!!」
81: 家 2017/09/15(金) 12:36:35.56 ID:eKU0lMHm.net
善子「そう……私もね、ルビィに言いたいことがあるのよ」
ルビィ「うん……なに?」
善子「……」
善子「…………っ」ギュゥ
ルビィ「……善子ちゃん?」
ルビィ「うん……なに?」
善子「……」
善子「…………っ」ギュゥ
ルビィ「……善子ちゃん?」
82: 家 2017/09/15(金) 12:37:29.83 ID:eKU0lMHm.net
─
『……また引っ越し、か…』
『はぁーっ…結局、こうなるのよね……ま、それはそうか』
『本当のことなんて知ったら…ルビィ、耐えられないもの』
『…でもね、それは私だって同じなのよ……』
『今だってずっと嘘だと思ってる、これが嘘ならどんなに…どんなにいいか』
『でも嘘じゃなくて、どうしようもなくて……だからねルビィ、私…ときどき、こう考えちゃうのよ』
『こんな思いをするくらいなら……最初から──』
─
『……また引っ越し、か…』
『はぁーっ…結局、こうなるのよね……ま、それはそうか』
『本当のことなんて知ったら…ルビィ、耐えられないもの』
『…でもね、それは私だって同じなのよ……』
『今だってずっと嘘だと思ってる、これが嘘ならどんなに…どんなにいいか』
『でも嘘じゃなくて、どうしようもなくて……だからねルビィ、私…ときどき、こう考えちゃうのよ』
『こんな思いをするくらいなら……最初から──』
─
83: 家 2017/09/15(金) 12:38:11.00 ID:eKU0lMHm.net
善子「──あんたに…出会わなければよかった」
ルビィ「…ぇ……?」
善子「もううんざりなのよ、早く私の前からいなくなって」
ルビィ「そんな…嘘だよね? …ねえ善子ちゃん、嘘なんだよね?」
ルビィ「だって言ったよね? 約束したよね? ルビィと……」
善子「忘れたわ」
ルビィ「ずっと一緒に……って」
善子「…忘れたわ」
ルビィ「……大好きだって言ったのに!!」
善子「忘れたって言ってるでしょ!!」
ルビィ「…ぇ……?」
善子「もううんざりなのよ、早く私の前からいなくなって」
ルビィ「そんな…嘘だよね? …ねえ善子ちゃん、嘘なんだよね?」
ルビィ「だって言ったよね? 約束したよね? ルビィと……」
善子「忘れたわ」
ルビィ「ずっと一緒に……って」
善子「…忘れたわ」
ルビィ「……大好きだって言ったのに!!」
善子「忘れたって言ってるでしょ!!」
84: 家 2017/09/15(金) 12:38:46.11 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「!!」
ルビィ「…じゃあ、夏祭りのことは……?」
善子「…知らない」
ルビィ「お誕生日は…?」
善子「……あったかしら?」
ルビィ「っ……お正月に…ルビィに、くれた……髪飾りは……?」
善子「そんなもの…覚えてないわよっ!」
ルビィ「…じゃあ、夏祭りのことは……?」
善子「…知らない」
ルビィ「お誕生日は…?」
善子「……あったかしら?」
ルビィ「っ……お正月に…ルビィに、くれた……髪飾りは……?」
善子「そんなもの…覚えてないわよっ!」
85: 家 2017/09/15(金) 12:39:33.81 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「……!」
善子「…もういいでしょ、私…行かなきゃいけないから」
ルビィ「……まって」
ルビィ「ねえ、善子ちゃん…………それでも」
ルビィ「ルビィは…ルビィはね……」
善子(ルビィ…なんで……どうしてまだ嫌いにならないのよ…)
善子(私…今最低なことを貴女に言っているのよ……なのに)
善子「…もういいでしょ、私…行かなきゃいけないから」
ルビィ「……まって」
ルビィ「ねえ、善子ちゃん…………それでも」
ルビィ「ルビィは…ルビィはね……」
善子(ルビィ…なんで……どうしてまだ嫌いにならないのよ…)
善子(私…今最低なことを貴女に言っているのよ……なのに)
86: 家 2017/09/15(金) 12:40:14.92 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「善子ちゃんのことが……」
善子「……嫌い」
ルビィ「…………ぇ?」
善子「あんたのこと、嫌いだから」クルッ
善子「だから、それ以上……言うのは、やめて…」
善子「……虫唾が走るわ」
ルビィ「──!!」
善子「……嫌い」
ルビィ「…………ぇ?」
善子「あんたのこと、嫌いだから」クルッ
善子「だから、それ以上……言うのは、やめて…」
善子「……虫唾が走るわ」
ルビィ「──!!」
87: 家 2017/09/15(金) 12:41:17.26 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「あ………あぁ………っ……」
ルビィ「……な……んで……」
善子「じゃあね、もう二度と、会うことはないでしょうけど」
ルビィ「……ま、って……ダメ、ぃか…ないで……」
善子「……」スタスタ
ルビィ「……ょしこ、ちゃん……よしこちゃん……善子ちゃんっ!!」ダッ
ルビィ「嫌だ!嫌だよぉ!……まだっ!…行かないで……!」ダキッ
善子「……っ…うるさい、うるさいうるさいうるさい!!」
善子「いい加減にしてよ! だから嫌いなのよ!! もうこれ以上、私の足を止めるようなことをするなっ!!」バシッ
ルビィ「……な……んで……」
善子「じゃあね、もう二度と、会うことはないでしょうけど」
ルビィ「……ま、って……ダメ、ぃか…ないで……」
善子「……」スタスタ
ルビィ「……ょしこ、ちゃん……よしこちゃん……善子ちゃんっ!!」ダッ
ルビィ「嫌だ!嫌だよぉ!……まだっ!…行かないで……!」ダキッ
善子「……っ…うるさい、うるさいうるさいうるさい!!」
善子「いい加減にしてよ! だから嫌いなのよ!! もうこれ以上、私の足を止めるようなことをするなっ!!」バシッ
88: 家 2017/09/15(金) 12:42:19.10 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「ぅあっ……!」ドサッ
善子「あっ……! ルビィ…!」
ルビィ「ぅう……善子ちゃん…」ヨロッ
善子「! ……さよならっ…」タッ
ルビィ「…………あ……あぁ…」
ルビィ「………よ…しこ……ちゃん…!」ポロポロ
善子「あっ……! ルビィ…!」
ルビィ「ぅう……善子ちゃん…」ヨロッ
善子「! ……さよならっ…」タッ
ルビィ「…………あ……あぁ…」
ルビィ「………よ…しこ……ちゃん…!」ポロポロ
89: 家 2017/09/15(金) 12:43:02.41 ID:eKU0lMHm.net
─
善子「……お待たせ」
善子母「……もう、いいのね?」
善子「…………いいもなにも」
善子「こうするしかっ…ないじゃない……!!」ポロポロ
善子「ルビィっ……ごめん……わた…し………うぅっ…」
善子「わたしも…好きよ……すき……だい、すきなのよ……っ…!」
善子母「……」ギュッ
善子「うわあああああああああああああああああああん!!! ルビィ! ……ルビィっ! ああああああああああああ!!」ボロボロ
……
…
善子「……お待たせ」
善子母「……もう、いいのね?」
善子「…………いいもなにも」
善子「こうするしかっ…ないじゃない……!!」ポロポロ
善子「ルビィっ……ごめん……わた…し………うぅっ…」
善子「わたしも…好きよ……すき……だい、すきなのよ……っ…!」
善子母「……」ギュッ
善子「うわあああああああああああああああああああん!!! ルビィ! ……ルビィっ! ああああああああああああ!!」ボロボロ
……
…
90: 家 2017/09/15(金) 12:43:47.16 ID:eKU0lMHm.net
─そして二年後、黒澤家
ルビィ「……」
ダイヤ「ルビィ、入りますわよ」ガチャ
ルビィ「あっ、お姉ちゃん…なに?」
ダイヤ「いえ…明日から中学生になるでしょう? 気を引き締めるようにと言いに来たのだけど…」
ルビィ「えへへっ、大丈夫だよ…心配いらないから」
ルビィ「……」
ダイヤ「ルビィ、入りますわよ」ガチャ
ルビィ「あっ、お姉ちゃん…なに?」
ダイヤ「いえ…明日から中学生になるでしょう? 気を引き締めるようにと言いに来たのだけど…」
ルビィ「えへへっ、大丈夫だよ…心配いらないから」
91: 家 2017/09/15(金) 12:44:18.52 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「ならいいのだけど……」
ダイヤ「……ねえ」
ルビィ「なに?」
ダイヤ「…どうしたの、その髪」
ルビィ「うん、切っちゃった」
ダイヤ「……ねえ」
ルビィ「なに?」
ダイヤ「…どうしたの、その髪」
ルビィ「うん、切っちゃった」
92: 家 2017/09/15(金) 12:45:13.90 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「……習い事も全てやめたそうですわね、お母様から聞きました」
ルビィ「うん」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「……これで本当にさよなら」
ダイヤ「!」
ルビィ「学校も、習い事も、この…思い出も全部」
ルビィ「今日でおしまい」
ルビィ「うん」
ダイヤ「ルビィ……」
ルビィ「……これで本当にさよなら」
ダイヤ「!」
ルビィ「学校も、習い事も、この…思い出も全部」
ルビィ「今日でおしまい」
93: 家 2017/09/15(金) 12:46:05.90 ID:eKU0lMHm.net
ルビィ「だからね、ルビィは今から生まれ変わるの、新しい……ルビィになるんだよ」
ダイヤ「……そう……ねえ、ルビィ」
ダキッ
ダイヤ「今日までよく頑張りましたわね、本当に」
ダイヤ「だから……もう、いいのよ?」ナデナデ
ルビィ「っ! ……ぉねえちゃ…」
ルビィ「……ぅう…!……うんっ…!」ポロポロ
ルビィ「うわああああああん!! ああああああああああ!!!」ボロボロ
───
──
─
ダイヤ「……そう……ねえ、ルビィ」
ダキッ
ダイヤ「今日までよく頑張りましたわね、本当に」
ダイヤ「だから……もう、いいのよ?」ナデナデ
ルビィ「っ! ……ぉねえちゃ…」
ルビィ「……ぅう…!……うんっ…!」ポロポロ
ルビィ「うわああああああん!! ああああああああああ!!!」ボロボロ
───
──
─
94: 家 2017/09/15(金) 12:46:52.21 ID:eKU0lMHm.net
それからのことは、ご存知でしょう。
浦の星に入学したルビィは貴女たちに誘われ、晴れて念願のスクールアイドルになることが出来た。
……そして、彼女と約五年ぶりの再会を果たしたことを。
浦の星に入学したルビィは貴女たちに誘われ、晴れて念願のスクールアイドルになることが出来た。
……そして、彼女と約五年ぶりの再会を果たしたことを。
95: 家 2017/09/15(金) 12:47:30.37 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「─以上が私の知っている全てです……よく、耐えましたわね」
ダイヤ「ですがこれで分かったでしょう…? ここで再会した二人が、何故」
ダイヤ「あのような行動を取ったのかが」
ダイヤ「……確かに常人には理解しがたいでしょう、しかし…彼女たちはその経緯からして普通ではありません」
ダイヤ「それでも……なにか私に出来ることはないかと、考えはしたのですがね」
ダイヤ「ですがこれで分かったでしょう…? ここで再会した二人が、何故」
ダイヤ「あのような行動を取ったのかが」
ダイヤ「……確かに常人には理解しがたいでしょう、しかし…彼女たちはその経緯からして普通ではありません」
ダイヤ「それでも……なにか私に出来ることはないかと、考えはしたのですがね」
96: 家 2017/09/15(金) 12:48:02.12 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「結果はご覧の通りです、彼女たちの過去を知っていながら尚……私は二人を止められなかった」
ダイヤ「…そうですね、どうしてこうなってしまったのでしょうか」
ダイヤ「それは私にも分かりません」
ダイヤ「結局先のことなど、誰も知ることは出来ないのだから」
ダイヤ「…ですが、一つだけ……」
ダイヤ「…そうですね、どうしてこうなってしまったのでしょうか」
ダイヤ「それは私にも分かりません」
ダイヤ「結局先のことなど、誰も知ることは出来ないのだから」
ダイヤ「…ですが、一つだけ……」
97: 家 2017/09/15(金) 12:48:45.44 ID:eKU0lMHm.net
ダイヤ「そう、ただ……一つだけ思ったことは」
ダイヤ「彼女はやはり、自分自身のエゴを捨てることは出来なかったのだろうと……そして─」
ダイヤ「あの子は…私が思っていた以上に」
ダイヤ「女泣かせだったということです」
ダイヤ「──ええ、そうでしょうね」
ダイヤ「本当に……罪な人達よ」
ダイヤ「彼女はやはり、自分自身のエゴを捨てることは出来なかったのだろうと……そして─」
ダイヤ「あの子は…私が思っていた以上に」
ダイヤ「女泣かせだったということです」
ダイヤ「──ええ、そうでしょうね」
ダイヤ「本当に……罪な人達よ」
98: 家 2017/09/15(金) 12:50:43.33 ID:eKU0lMHm.net
終わりです。ここまでお付き合いいただきありがとうございました
ハッピーエンドのよしルビが見たい方はこちらをどうぞ。
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善子・ルビィ「未来通信」
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