1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 01:50:13.816 ID:lT1ljNhl0.net
タプリス「最近天真先輩寝不足で辛そうですし…使ってみたら楽になれるかなって」

ガヴ「へぇ、なんだそれ?天界のエナジードリンクか?」

タプリス「いえ、人間界のお薬なんですが…気持ちいいんですよ~。吸った瞬間、高揚感が湧き上がってきて、何でもできちゃう気がして…」

ガヴ「…おい、そ、それって」

タプリス「あ、興味湧きました?だったら私お店一つ紹介しますよ!」

ガヴ「い、いや…私はいいわ。金ないし…」

タプリス「だーいじょうぶですっ!そのお店、一袋だけは無料で貰えるので!」

ガヴ「……へ、へぇ、そうなんだぁ」

タプリス「私も最初は抵抗あったんですけど、タダならいいかなって思って…大正解でした!いやぁ、もう私、この薬なしでは生きていけませんよ~」

ガヴ「……そうか、そりゃ良かった……あは、あははは…」ガタガタ

2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 01:50:57.723 ID:lT1ljNhl0.net
タプリス「あっ、じゃあ天真先輩も、顧客になってくれるんですね?」

ガヴ「……なんだ、何を…」

タプリス「やったぁ♪これで、またたくさんお薬貰える…♪」

タプリス「最近仕送りだけじゃ足りなくなってきてたんですよね~。天真先輩が顧客になってくれれば、勧誘ボーナスが貰えるので、もうしばらくは持ちそうです」

ガヴ「……お前、いつから、いつからなんだ」

タプリス「下界に来てすぐの頃ですかね。親切なおじさんが、私にこの薬を紹介してくれて…」

ガヴ「……誰だ。お前にそいつを渡したのは…!」

タプリス「さぁ…名前も知りませんよ。でも、優しいおじさんだったってことは覚えてます♪」

ガヴ「……薬を渡されただけか?それ以上のことは何も…」

タプリス「あっ、ごめんなさい、天真先輩。そろそろ約束が……あ、お店の名前教えておきますね」

タプリス「あと、お薬を貰うときは、私の名前を言ってください。『千咲さんの紹介で来ました』って。絶対ですよ!」

ガヴ「ま、まて、タプ、タプリス…」


ガヴ「……ど、どうすりゃいいんだ」

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 01:53:37.211 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ(……これ、絶対、あれだよな)

ガヴ(下界の人間共が使ってるっていう…法律で禁止されてる、あれ)

ガヴ(いや…最近では、法で規制できないものの方が多いのか)

ガヴ(…な、何にせよ、やばいだろ。そわなもんに、ハマったら…)

ガヴ(……さすがに見過ごせない。あれでも私の後輩だ)

ガヴ(あいつの純粋さにつけ込んだ奴らは…絶対に許さない)

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 01:55:28.526 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ(……ここが例の店か)

ガヴ(…一見普通のドラッグストア。タチ悪いな。…こういう奴らがいるから、私たちの仕事は絶えないんだ)


ガヴ「………」

男「いらっしゃいませー」

ガヴ「…『千咲さんの紹介で来ました』」

男「!!」

5: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 01:58:34.574 ID:lT1ljNhl0.net
男「……どういうのをお求めで?」

ガヴ「…よくわかんないんで、とりあえずタプリスと同じやつ」

男「ひひ、かしこまりました…」



ガヴ(後はこいつを警察に渡して…)

ガヴ(この店をしょっぴいて貰うだけだ)

ガヴ(ぶっ潰してやる。こんなもんに頼らないと生きていけないような人間は、この世に必要ない)

ガヴ(待ってろタプリス、すぐ助けてやるからな…!)

7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:03:04.397 ID:lT1ljNhl0.net
警察「……なるほどねぇ」

ガヴ「多分この中からは違法薬物が検出されるはずです。売っていたのはあの店だ。だから、早くあそこを…」

警察「ごめんね、そういうわけにはいかないんだよ」

ガヴ「は……?」

警察「あの店が麻薬を売り捌いていることはこちらだって承知の上だよ。その上で泳がせているんだ」

ガヴ「な、なんでっ……!」

警察「理由は主に二つ。一つ目は…あそこで売られているのは『脱法ハーブ』と言ってね、今の法律では規制できない薬物なんだ」

ガヴ「……聞いたことはあるけど。でも、それじゃ何のための法律ですか…!」

警察「仕方ないんだよ。そればっかりはね。新しく規制を増やすと、また彼らは新しい薬物を作り出す。ようはいたちごっこなのさ」

ガヴ「………」

13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:08:14.930 ID:lT1ljNhl0.net
警察「…そしてもう一つは、あの店に麻薬を提供している、麻薬カルテルについて探るためさ」

ガヴ「麻薬、カルテル…?」

警察「ま、麻薬の販売元さ。ああいった店はそこから麻薬を仕入れ、売りさばいている。いくら小売店を潰そうとも、元凶である麻薬カルテルを潰さないことには、被害者を減らすことは出来ない」

ガヴ「…………」

警察「ここ最近のこの街での麻薬の流通は目を見張るものがある。必ず、この街のどこかに拠点があるはずなんだ」

警察「あの店は、カルテルを暴く重要な情報源なんだよ」

ガヴ「……私の知らない裏で、そんなことが」

警察「…この街も、昨年まではそこまで治安は悪くなかったんだがね。今年の春くらいかな…ここまで、麻薬が若い男女の間で流行り始めたのは」

ガヴ(……今年の、春?)

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:11:37.787 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ(いや、まさか、そんな…)

ガヴ(天界も魔界も下界の事情にはだいぶ疎い。そんな真似が出来るはずがない。偶然だ、偶然…)

ガヴ「……わかりました。つまり、そのカルテルって奴を見つければいいんですね」

警察「ああ、そういうことになるね」

ガヴ「……ちなみに、警察はどこまで掴んでいるんですか?」

警察「…悪いけれど、そこまで話すわけにはいかないな」

ガヴ「そうですか。有難うございました」


ガヴ(人間界は思った以上に恐ろしいところらしい…)

ガヴ(一人じゃ無理だな。あいつらを頼るか…)

15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:14:14.421 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ「ヴィーネ!ヴィーネ!」ドンドン

ヴィーネ「ちょ、ガヴ!?どうしたのよ急に!」

ガヴ「大変なんだ!タプリスが…」

ヴィーネ「た、タプちゃんがどうかしたの…?」

ガチャリ

ガヴ「詳しい話は中でする。とりあえず上がってもいいか?」

ヴィーネ「ええ、いいわよ。どうぞ」

17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:18:19.752 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ「……はぁ、はぁ」

ヴィーネ「えと、とりあえず、お茶でも飲む?ていうか走ってきたの?」

ガヴ「あ、悪い…じゃあコーヒーで」

ヴィーネ「はいはい。わかったわ」

ガヴ(………)

ガヴ(とりあえず、ヴィーネは面倒見がいいし、タプリスの身が危険ということなら絶対に協力してくれるはずだ)

ガヴ(…一つの組織を潰したいなら、戦力もいるしな)

ガヴ(まぁ、とりあえず一息つこう。長い戦いになるだろうし…)

ガヴ(……ん?)

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:19:49.500 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ(……この袋、なんだ?)

ガヴ(なんか、見覚えあるような)

ガヴ(えっと、名前は……)




ガヴ(…………おい)

ガヴ(これ、タプリスが持ってた奴じゃねぇか)

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:23:11.288 ID:lT1ljNhl0.net
ヴィーネ「ガヴー、コーヒー入ったわよ~」

ガヴ「………おい、ヴィーネ」

ヴィーネ「なに?どうしたの、そんな悪魔でも見るような顔をして…」

ガヴ「……これ、なんだ?」

ヴィーネ「ん?…あ、使ってから机の上に出しっぱなしだったわね」

ガヴ「使っ、て…?」

ヴィーネ「うん。なんでも集中力が上がるお薬だとか…流行ってるらしいから、買ってみたら結構ハマっちゃって…」

ガヴ「……お前、これが、どういうものか、わかってんのか?」

ヴィーネ「違法薬物じゃないんでしょ?なら問題ないんじゃない?」

ガヴ「…………」

22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:26:06.859 ID:lT1ljNhl0.net
ヴィーネ「そうだ、ガヴも始めてみなさいよ。アンタ、毎日毎日だるそうにしてるけど…これ使えば、しゃきっとなれるかもよ?」

ガヴ「………ぅ、」

ガヴ「うわああああぁああっ!!!」

ヴィーネ「ちょ、ガヴ!?」

23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:28:38.809 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ「なんで、なんで、なんでっ!!」

ガヴ「タプリスだけじゃなく、ヴィーネまでっ……!」

ドンッ

ガヴ「っつ……!」

サターニャ「ガヴリールじゃん。どうしたの?」

ガヴ「……さ、サターニャ。お前こそ、こんなとこで何を…」

サターニャ「私?私は薬が切れちゃったから、買い足しに…」

ガヴ「……は」

サターニャ「どうしたの?顔青いわよ?」

ガヴ「……なんで」

ガヴ「なんでなんでなんでなんでっ!」

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:30:26.423 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ「っ、はぁ、はぁっ、ラフィ!!」

ラフィ「…ど、どうしたんですかガヴちゃん?血相を変えて…」

ガヴ「タプリスと、ヴィーネと、サターニャが……頼む、助けてくれ。もう、お前しか…」

ラフィ「何やら穏やかじゃないみたいですね」

ガヴ「頼む……こんなの、嫌だ……嫌なんだ……」

ラフィ「話してみてください」

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:32:59.033 ID:lT1ljNhl0.net
ラフィ「なるほど。…サターニャさんたちが、そんなことに」

ガヴ「今でこそあいつらは平静保ってるけど…直に正気じゃなくなる」

ラフィ「それは……経験則ですか?」

ガヴ「……似たようなもんだな。私も電子ドラッグにやられたクチだから」

ラフィ「…麻薬カルテル、ですか。心当たりがあります」

ガヴ「本当か!」

ラフィ「ええ。…サターニャさんを巻き込んだとあらば、許せませんね。潰してしまいましょう」

ガヴ「それで、ヴィーネたちは元に戻るんだな……!」

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:34:52.803 ID:lT1ljNhl0.net
ガヴ(その後ラフィの仕入れた情報を元に私たちは麻薬カルテルの拠点を突き止め、破壊した)

ガヴ(麻薬は全て回収してラフィが処分した)

ガヴ(これで全部元通りなはずだ…)

ガヴ(また、これまで通りの日常が…)

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:38:33.721 ID:lT1ljNhl0.net
【一ヶ月後】


ガヴ「……なんで」



ガヴ「なんで、ヴィーネも、サターニャも、ラフィも、タプリスも」


ガヴ「なんで、学校に来ないんだ」

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:41:31.958 ID:lT1ljNhl0.net
ヴィーネ「あ、ぁあぁあぁあっ!クスリっ、クスリを、ちょうだいっ……!」

タプリス「……い、いひひひ……ゃだ、こないでこないでこないでっ!!き、気持ち悪いよおおぉおお」

サターニャ「か、痒い……かゆいかゆいかゆいかゆい!!!あぁあぁああああっ!!!!」

「うふふ~」

ヴィーネ「……ぁ、ら、ラフィ」

サターニャ「ら、ラフィ!!おねがいっ!!おくすり、おくすりちょうらい!!」

ラフィ「あらあら、皆さん酷い姿ですね…やはり、下界は天界よりも面白い」

タプリス「……おくすり………?くすり、くれるんですかぁ!?また、おくすりうって、気持ちいいことしてくれるんですかあ!?」

ラフィ「ええ、いくらでもして差し上げますよ…」

ラフィ「…お金さえ、払ってくれればね」

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/03/10(金) 02:46:31.383 ID:lT1ljNhl0.net
ラフィ(いやー、警察に目を付けられ始めたときはどうなるかと思いましたが)

ラフィ(一回カルテルを解体し、そこで得た顧客はそのままに、新しいカルテルを別の地で作る)

ラフィ(ボロい商売ですね。仕送りなんてみみっちいこと言ってる場合じゃありませんよ)

ヴィーネ「はぁっ♡はあっ♡…おくすり、すきぃ……きもちいい……♪」

サターニャ「らふぃ……もっと。もっとぉ……」

タプリス「お願いしますっ……もう一回、もう一回……♡」

ラフィ(可愛い奴隷もたくさん手に入りましたし、これからもっと楽しくなりそうです…♪)

ラフィ(ガヴちゃんには申し訳ありませんが…)

ラフィ(ま、人生ってそんなもんですよ)

true end

引用元: ガヴリール「気持ちよくなれる薬?」タプリス「はいっ!」