1: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:54:42.01 ID:hHdLcnPw0
【前川みく】
前川みくは遅刻した。
だが、彼女は幸せな気分だった。
朝から猫と遊べたからだ。
彼女がその猫を見つけたのは学校に向かう途中のことだった。
前川みくはいつも通りの時間に寮を出た。
彼女は空き地のそばを通りかかった。
まんじゅうのように丸まっている猫を見つけた。
猫は三毛猫だった。
ずんぐりむっくりしていた。
猫は放置されたコンクリートブロックの上で寝ていた。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506826481
前川みくは遅刻した。
だが、彼女は幸せな気分だった。
朝から猫と遊べたからだ。
彼女がその猫を見つけたのは学校に向かう途中のことだった。
前川みくはいつも通りの時間に寮を出た。
彼女は空き地のそばを通りかかった。
まんじゅうのように丸まっている猫を見つけた。
猫は三毛猫だった。
ずんぐりむっくりしていた。
猫は放置されたコンクリートブロックの上で寝ていた。
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506826481
2: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:55:28.54 ID:hHdLcnPw0
前川みくはカバンから猫じゃらしを取り出して、近づいた。
三毛猫は目を開けた。
じっと猫じゃらしを見つめた。
トコトコ近づいてきた。
そして嬉しそうにじゃれた。
前川みくの表情は緩んだ。
夢中になった。
しばらく遊んでしまった。
2本電車に乗り遅れた。
「前川が遅刻なんて珍しいな」
担任の教師は微笑んだ。
前川みくは申し訳なさそうに頭を下げた。
だが後悔はしてなかった。
猫と過ごした時間は楽しかったからだ。
猫の写真も撮った。
あとでPチャンに話をしよう。
あとでPチャンに写真も見せてやろう。
そう考えてまた心が弾んだ。
前川みくがいなくなったあと、三毛猫はあくびをした。
眠気が覚めてしまった。
三毛猫はゆっくりと歩き始めた。
三毛猫は目を開けた。
じっと猫じゃらしを見つめた。
トコトコ近づいてきた。
そして嬉しそうにじゃれた。
前川みくの表情は緩んだ。
夢中になった。
しばらく遊んでしまった。
2本電車に乗り遅れた。
「前川が遅刻なんて珍しいな」
担任の教師は微笑んだ。
前川みくは申し訳なさそうに頭を下げた。
だが後悔はしてなかった。
猫と過ごした時間は楽しかったからだ。
猫の写真も撮った。
あとでPチャンに話をしよう。
あとでPチャンに写真も見せてやろう。
そう考えてまた心が弾んだ。
前川みくがいなくなったあと、三毛猫はあくびをした。
眠気が覚めてしまった。
三毛猫はゆっくりと歩き始めた。
3: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:56:01.68 ID:hHdLcnPw0
【島村卯月】
島村卯月は困っていた。
自分のバックの上に猫が乗っていたからだ。
彼女は公園で渋谷凛と待ち合わせをしていた。
早く来すぎていた。
トイレに行っておこうと1度その場を離れた。
持っていたバックをうっかり置いたままにしてしまった。
幸いにも盗まれることはなかった。
だが珍客が現れた。
ふてぶてしい表情の三毛猫だ。
島村卯月は困っていた。
自分のバックの上に猫が乗っていたからだ。
彼女は公園で渋谷凛と待ち合わせをしていた。
早く来すぎていた。
トイレに行っておこうと1度その場を離れた。
持っていたバックをうっかり置いたままにしてしまった。
幸いにも盗まれることはなかった。
だが珍客が現れた。
ふてぶてしい表情の三毛猫だ。
4: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:56:40.67 ID:hHdLcnPw0
三毛猫は島村卯月のバックの上で身体を丸めていた。
気持ちよさそうに目を閉じていた。
それで島村卯月は困った。
スマートフォンのカメラを起動させた。
写真を撮った。
改めてどうすべきか悩んだ。
「猫さん。すみません。それは私のバックなんです……」
彼女は控えめに猫のひたいを突っついた。
三毛猫はうっとおしそうに目を開けた。
島村卯月をいちべつするとまた目を閉じた。
彼女は狼狽した。
「……気持ちよさそうに寝てますし。起こすのはしのびないですね」
気持ちよさそうに目を閉じていた。
それで島村卯月は困った。
スマートフォンのカメラを起動させた。
写真を撮った。
改めてどうすべきか悩んだ。
「猫さん。すみません。それは私のバックなんです……」
彼女は控えめに猫のひたいを突っついた。
三毛猫はうっとおしそうに目を開けた。
島村卯月をいちべつするとまた目を閉じた。
彼女は狼狽した。
「……気持ちよさそうに寝てますし。起こすのはしのびないですね」
5: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:58:01.52 ID:hHdLcnPw0
島村卯月はバックの隣に腰を下ろした。
尻の部分が汚れないようにハンカチを引いた。
そして猫を間近で見た。
思わず笑みがこぼれた。
人差し指で猫の頭を撫でた。
毛並みは整っていた。
ツヤツヤしていた。
三毛猫はうなった。
不機嫌そうな声だった。
島村卯月はだらしなく表情が緩んだ。
まもなく渋谷凛がやってきた。
渋谷凛も表情を緩めた。
彼女は猫に反応したわけではなかった。
「卯月。何にやけてるの?」
渋谷凛は苦笑した。
島村卯月は喜んだ。
この出来事を話したくて仕方がなかった。
「あのですね。凛ちゃん♪」
2人が話している間に三毛猫はカバンから飛び降りた。移動した。
三毛猫はうるさい場所があまり好きではなかった。
尻の部分が汚れないようにハンカチを引いた。
そして猫を間近で見た。
思わず笑みがこぼれた。
人差し指で猫の頭を撫でた。
毛並みは整っていた。
ツヤツヤしていた。
三毛猫はうなった。
不機嫌そうな声だった。
島村卯月はだらしなく表情が緩んだ。
まもなく渋谷凛がやってきた。
渋谷凛も表情を緩めた。
彼女は猫に反応したわけではなかった。
「卯月。何にやけてるの?」
渋谷凛は苦笑した。
島村卯月は喜んだ。
この出来事を話したくて仕方がなかった。
「あのですね。凛ちゃん♪」
2人が話している間に三毛猫はカバンから飛び降りた。移動した。
三毛猫はうるさい場所があまり好きではなかった。
6: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:58:48.74 ID:hHdLcnPw0
【塩見周子】
塩見周子は事務所近くのベンチに座っていた。
レッスンの合間、休憩時間だった。
彼女は冷たい紅茶を飲んでいた。
コンビニで買った無糖のものだ。
飲み干すとペットボトルの飲み口を唇で覆うようにして咥えた。
そのまま上を向いた。
「んー」と喉から音を発した。
音が反響して、ペットボトルが震動した。
唇に震動が伝わって心地よかった。
塩見周子は事務所近くのベンチに座っていた。
レッスンの合間、休憩時間だった。
彼女は冷たい紅茶を飲んでいた。
コンビニで買った無糖のものだ。
飲み干すとペットボトルの飲み口を唇で覆うようにして咥えた。
そのまま上を向いた。
「んー」と喉から音を発した。
音が反響して、ペットボトルが震動した。
唇に震動が伝わって心地よかった。
7: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 11:59:33.26 ID:hHdLcnPw0
両親やプロデューサーが見たら「だらしない」と指摘されるに違いなかった。
頭を小突かれること想像して口元が緩んだ。
口からペットボトルが落ちた。
やってしまった、とペットボトルを拾おうとしてしゃがみこんだ。
三毛猫を見つけた。
塩見周子は「お」と声を漏らした。
周囲に目をやった。
ネコジャラシは生えていなかった。
残念だと思った。
頭を小突かれること想像して口元が緩んだ。
口からペットボトルが落ちた。
やってしまった、とペットボトルを拾おうとしてしゃがみこんだ。
三毛猫を見つけた。
塩見周子は「お」と声を漏らした。
周囲に目をやった。
ネコジャラシは生えていなかった。
残念だと思った。
8: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:00:14.12 ID:hHdLcnPw0
猫は気まぐれだ。
そしてこちらから関わろうとするとすぐ逃げる。
経験からなんとなくわかっていた。
だから塩見周子はベンチに戻った。
少し離れたところから三毛猫を眺めた。
日陰で丸くなっていた。
三毛猫は塩見周子のことを見ていた。
いい毛並みだなぁとぼんやり思った。
そしてこちらから関わろうとするとすぐ逃げる。
経験からなんとなくわかっていた。
だから塩見周子はベンチに戻った。
少し離れたところから三毛猫を眺めた。
日陰で丸くなっていた。
三毛猫は塩見周子のことを見ていた。
いい毛並みだなぁとぼんやり思った。
9: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:00:42.69 ID:hHdLcnPw0
5分後、猫はのっそりとした動作で歩き始めた。
塩見周子の座っているベンチに向かってきた。
ヒョイと飛び乗った。
隣で丸くなった。
塩見周子はむふふと笑った。
手を伸ばしてあごを撫でた。
猫は憮然とした表情で目を閉じていた。
「撫でてんだから喉くらい鳴らさんかーい」
彼女は優しい手つきで三毛猫を撫でていた。
レッスン再開の時間になると立ち上がった。
三毛猫がちらりとこちらを見てきた。
「じゃあね」
塩見周子は小さく手を振ってその場を離れた。
塩見周子の座っているベンチに向かってきた。
ヒョイと飛び乗った。
隣で丸くなった。
塩見周子はむふふと笑った。
手を伸ばしてあごを撫でた。
猫は憮然とした表情で目を閉じていた。
「撫でてんだから喉くらい鳴らさんかーい」
彼女は優しい手つきで三毛猫を撫でていた。
レッスン再開の時間になると立ち上がった。
三毛猫がちらりとこちらを見てきた。
「じゃあね」
塩見周子は小さく手を振ってその場を離れた。
10: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:01:26.07 ID:hHdLcnPw0
柚っ!!
11: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:01:59.41 ID:hHdLcnPw0
【喜多見柚】
喜多見柚は下校中に猫を見つけた。
友達と別の道で別れて、彼女は1人だった。
退屈していた。
喜多見柚はご機嫌になった。
三毛猫は少し太っていた。
三毛猫は威風堂々した様子で道を歩いていた。
のしのししていた。
喜多見柚は猫の後を追いかけた。
三毛猫は喜多見柚の存在に気づいた。
振り向いてじっと見た。
逃げ出すかなと喜多見柚は思った。
だが、三毛猫はまるで意に介さなかった。
ふんと鼻を鳴らしてまた歩き始めた。
喜多見柚はフンフン鼻歌を歌いながら後を付いていった。
喜多見柚は下校中に猫を見つけた。
友達と別の道で別れて、彼女は1人だった。
退屈していた。
喜多見柚はご機嫌になった。
三毛猫は少し太っていた。
三毛猫は威風堂々した様子で道を歩いていた。
のしのししていた。
喜多見柚は猫の後を追いかけた。
三毛猫は喜多見柚の存在に気づいた。
振り向いてじっと見た。
逃げ出すかなと喜多見柚は思った。
だが、三毛猫はまるで意に介さなかった。
ふんと鼻を鳴らしてまた歩き始めた。
喜多見柚はフンフン鼻歌を歌いながら後を付いていった。
12: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:02:44.78 ID:hHdLcnPw0
三毛猫は塀の前で立ち止まった。
塀は1メートルほどの高さだった。
三毛猫はじっと上を見つめた。
「おや? 上に乗りたいのカナ?」
三毛猫はやや太っていた。
身軽そうには見えない。
喜多見柚は猫の隣にしゃがみこんだ。
三毛猫の頭をわしわし撫でた。
猫は不機嫌そうに目を細めた。
だが、塀の方から目を切らなかった。
塀は1メートルほどの高さだった。
三毛猫はじっと上を見つめた。
「おや? 上に乗りたいのカナ?」
三毛猫はやや太っていた。
身軽そうには見えない。
喜多見柚は猫の隣にしゃがみこんだ。
三毛猫の頭をわしわし撫でた。
猫は不機嫌そうに目を細めた。
だが、塀の方から目を切らなかった。
13: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:03:21.44 ID:hHdLcnPw0
喜多見柚は恐る恐る三毛猫を抱き抱えた。
三毛猫はされるがままだった。
だらんとしていた。
彼女は猫を塀の上に乗せてみた。
手を離すと三毛猫は塀の上を歩き始めた。
「ン? 乗りたかったの? 乗りたくなかったの?」
喜多見柚は首をひねった。
三毛猫はどちらでもよかったとでもいうように歩き始めた。
途中、民家と民家の間の狭い隙間に入って行ってしまった。
喜多見柚は猫を見送った。
今日もいいことあったなと得した気分になった。
三毛猫はされるがままだった。
だらんとしていた。
彼女は猫を塀の上に乗せてみた。
手を離すと三毛猫は塀の上を歩き始めた。
「ン? 乗りたかったの? 乗りたくなかったの?」
喜多見柚は首をひねった。
三毛猫はどちらでもよかったとでもいうように歩き始めた。
途中、民家と民家の間の狭い隙間に入って行ってしまった。
喜多見柚は猫を見送った。
今日もいいことあったなと得した気分になった。
14: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:03:56.22 ID:hHdLcnPw0
【高森藍子】
高森藍子は可愛らしい被写体を見つけた。
ころころした体型の三毛猫だった。
猫は事務所の非常階段の前で日向ぼっこをしていた。
高森藍子はそっと近づいた。
シャッターを切った。
カシャ、カシャと小さな音が鳴った。
指先に小さな震動が伝わった。
高森藍子は可愛らしい被写体を見つけた。
ころころした体型の三毛猫だった。
猫は事務所の非常階段の前で日向ぼっこをしていた。
高森藍子はそっと近づいた。
シャッターを切った。
カシャ、カシャと小さな音が鳴った。
指先に小さな震動が伝わった。
15: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:04:25.30 ID:hHdLcnPw0
三毛猫はじっと彼女の方を見た。
高森藍子は微笑んだ。
三毛猫はむすっとした。
高森藍子は相好を崩した。
三毛猫はあくびをした。
高森藍子は悩んだ。
悩んだ末にそっと手を伸ばしてみた。
三毛猫の耳の裏側を触った。
毛が伸びてフサフサしていた。
猫は嫌がらなかった。
とても触り心地が良かった。
高森藍子は幸せな気持ちになった。
しばらく猫と戯れていた。
高森藍子は微笑んだ。
三毛猫はむすっとした。
高森藍子は相好を崩した。
三毛猫はあくびをした。
高森藍子は悩んだ。
悩んだ末にそっと手を伸ばしてみた。
三毛猫の耳の裏側を触った。
毛が伸びてフサフサしていた。
猫は嫌がらなかった。
とても触り心地が良かった。
高森藍子は幸せな気持ちになった。
しばらく猫と戯れていた。
16: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:05:18.10 ID:hHdLcnPw0
「おや、藍子ちゃん。何をしてるんですか? ずいぶん嬉しそうな顔をしていますが」
高森藍子は日野茜に声をかけられた。
「茜ちゃん。あのですねーーー」
高森藍子は猫を紹介しようとした。
しかし、猫はほんの一瞬目を離した隙に立ち去っていた。
ちょっと残念だった。
「そこに三毛猫ちゃんがいたんですよ」
彼女は日野茜に写真を見せた。
日野茜も笑顔になった。
「丸々としていて美味しそうですね!」
「茜ちゃんは猫を食べるの?」
「い、いえっ! ただの比喩ですよ!?」
「知ってます♪」
2人は笑った。
高森藍子は日野茜に声をかけられた。
「茜ちゃん。あのですねーーー」
高森藍子は猫を紹介しようとした。
しかし、猫はほんの一瞬目を離した隙に立ち去っていた。
ちょっと残念だった。
「そこに三毛猫ちゃんがいたんですよ」
彼女は日野茜に写真を見せた。
日野茜も笑顔になった。
「丸々としていて美味しそうですね!」
「茜ちゃんは猫を食べるの?」
「い、いえっ! ただの比喩ですよ!?」
「知ってます♪」
2人は笑った。
17: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:05:45.77 ID:hHdLcnPw0
【一ノ瀬志希】
一ノ瀬志希は健康そうな三毛猫を見つけた。
彼女は喜んだ。
ちょうど新薬が出来たところだった。
先ほどプロデューサーに飲ませてあった。
だから生物の体調に影響を及ぼすものではないとわかっていた。
一ノ瀬志希は「おいでー♪」と手招きした。
手のひらにおやつカルパスを乗せた。
餌付けしようとした。
カルパスには副作用のない睡眠薬を練りこんであった。
だが、三毛猫は警戒していた。
一ノ瀬志希が痺れを切らして近づこうとすると逃げ出した。
残念だと思った。
彼女は三毛猫との別れをとても惜しんだ。
一ノ瀬志希は健康そうな三毛猫を見つけた。
彼女は喜んだ。
ちょうど新薬が出来たところだった。
先ほどプロデューサーに飲ませてあった。
だから生物の体調に影響を及ぼすものではないとわかっていた。
一ノ瀬志希は「おいでー♪」と手招きした。
手のひらにおやつカルパスを乗せた。
餌付けしようとした。
カルパスには副作用のない睡眠薬を練りこんであった。
だが、三毛猫は警戒していた。
一ノ瀬志希が痺れを切らして近づこうとすると逃げ出した。
残念だと思った。
彼女は三毛猫との別れをとても惜しんだ。
18: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:06:41.00 ID:hHdLcnPw0
【二宮飛鳥】
二宮飛鳥は自動販売機でコーヒーを買った。
甘めのコーヒーだ。
ベンチに腰掛けて飲んでいると三毛猫を見つけた。
彼女は周りを見渡した。
誰もいなかった。
彼女は缶を置いた。
そっと近づいて猫を抱きしめた。
二宮飛鳥は自動販売機でコーヒーを買った。
甘めのコーヒーだ。
ベンチに腰掛けて飲んでいると三毛猫を見つけた。
彼女は周りを見渡した。
誰もいなかった。
彼女は缶を置いた。
そっと近づいて猫を抱きしめた。
19: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:07:11.27 ID:hHdLcnPw0
三毛猫はゴロゴロと喉を鳴らした。
二宮飛鳥は自分の顔を猫のお腹に埋めた。
猫の体温は人間よりも高い。
ぬくぬくとしていた。
ほのかに獣臭さを感じた。
だが、毛は柔らかかった。
「に゛ぇー……」
三毛猫は変な声を出した。
二宮飛鳥は笑顔になった。
このロンリーキャットを飼ってしまおうかと悩んだ。
1匹狼同士気が合うだろうと確信した。
肉球をぷにぷに触りながら悩んだ。
二宮飛鳥は自分の顔を猫のお腹に埋めた。
猫の体温は人間よりも高い。
ぬくぬくとしていた。
ほのかに獣臭さを感じた。
だが、毛は柔らかかった。
「に゛ぇー……」
三毛猫は変な声を出した。
二宮飛鳥は笑顔になった。
このロンリーキャットを飼ってしまおうかと悩んだ。
1匹狼同士気が合うだろうと確信した。
肉球をぷにぷに触りながら悩んだ。
20: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:07:47.78 ID:hHdLcnPw0
二宮飛鳥は1度、猫を下ろした。
腕を組んで再考した。
唸っていると肩に手を置かれた。
「何してるんだ。飛鳥?」
プロデューサーに声をかけられると飛鳥は固まった。
「生物学的な興味があっただけなんだ」
二宮飛鳥は誤魔化した。
「いきなり何の話だ?」
「キミはどこから見ていたんだい?」
「いま来たばかりだけど」
「そうか」
二宮飛鳥は安心した。
三毛猫はすでにその場を去っていた。
二宮飛鳥が猫を愛でている現場を、宮本フレデリカは目撃していた。
宮本フレデリカはニッコリと笑顔を浮かべた。
腕を組んで再考した。
唸っていると肩に手を置かれた。
「何してるんだ。飛鳥?」
プロデューサーに声をかけられると飛鳥は固まった。
「生物学的な興味があっただけなんだ」
二宮飛鳥は誤魔化した。
「いきなり何の話だ?」
「キミはどこから見ていたんだい?」
「いま来たばかりだけど」
「そうか」
二宮飛鳥は安心した。
三毛猫はすでにその場を去っていた。
二宮飛鳥が猫を愛でている現場を、宮本フレデリカは目撃していた。
宮本フレデリカはニッコリと笑顔を浮かべた。
21: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:08:42.17 ID:hHdLcnPw0
【高垣楓】
高垣楓はオープンカフェにいた。
新田美波とお茶をしていた。
高垣楓の膝の上に三毛猫は乗っていた。
いびきをかいて寝ていた。
高垣楓は猫の背中を指先で撫でた。
ゴツゴツした背骨の形がわかった。
「ねぇ。この猫ちゃん可愛いです。なんて♪」
高垣楓は嬉しそうに呟いた。
新田美波は微笑んだ。
この人は昼から飲んでいるのかもしれないと疑った。
高垣楓は酔っていなかった。
平常運転だ。
高垣楓はオープンカフェにいた。
新田美波とお茶をしていた。
高垣楓の膝の上に三毛猫は乗っていた。
いびきをかいて寝ていた。
高垣楓は猫の背中を指先で撫でた。
ゴツゴツした背骨の形がわかった。
「ねぇ。この猫ちゃん可愛いです。なんて♪」
高垣楓は嬉しそうに呟いた。
新田美波は微笑んだ。
この人は昼から飲んでいるのかもしれないと疑った。
高垣楓は酔っていなかった。
平常運転だ。
22: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:09:15.81 ID:hHdLcnPw0
「美波ちゃんも。抱いてみる?」
「気持ちよく寝ている猫ちゃんに悪いので。そっとしておいてあげましょう」
「そうですね……では、もうしばらく話していきましょうか。店員さん。お茶のおかわりをお願いします♪」
2人は帰るところだった。
だが、30分だけ時間を延ばした。
高垣楓が席を立つと、猫は礼も言わずに立ち去った。
「気持ちよく寝ている猫ちゃんに悪いので。そっとしておいてあげましょう」
「そうですね……では、もうしばらく話していきましょうか。店員さん。お茶のおかわりをお願いします♪」
2人は帰るところだった。
だが、30分だけ時間を延ばした。
高垣楓が席を立つと、猫は礼も言わずに立ち去った。
23: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:09:48.46 ID:hHdLcnPw0
【プロデューサー】
夜になるとプロデューサーは玄関のドアに向かった。
下の方に取り付けられた小さな扉の鍵を開けた。
猫用の出入り口だった。
ご飯を食べていると三毛猫は帰ってきた。
飼っている愛猫だ。
プロデューサーは満腹でベッドに倒れこんだ。
三毛猫はベッドに飛び乗ってきた。
腹の上で丸くなった。
プロデューサーは猫を撫でた。
夜になるとプロデューサーは玄関のドアに向かった。
下の方に取り付けられた小さな扉の鍵を開けた。
猫用の出入り口だった。
ご飯を食べていると三毛猫は帰ってきた。
飼っている愛猫だ。
プロデューサーは満腹でベッドに倒れこんだ。
三毛猫はベッドに飛び乗ってきた。
腹の上で丸くなった。
プロデューサーは猫を撫でた。
24: ◆hAKnaa5i0. 2017/10/01(日) 12:10:27.37 ID:hHdLcnPw0
行儀のいい三毛猫だった。
愛想もよかった。
プロデューサーによく甘えてきた。
最近、「ふてぶてしい三毛猫」の話が事務所でよく挙がった。
うちの猫とは大違いだとプロデューサーは思った。
三毛猫はプロデューサーにだけ懐いていた。
顔に近づくと?を舐めた。
しばらくするとスヤスヤと眠り始めた。
終わり
愛想もよかった。
プロデューサーによく甘えてきた。
最近、「ふてぶてしい三毛猫」の話が事務所でよく挙がった。
うちの猫とは大違いだとプロデューサーは思った。
三毛猫はプロデューサーにだけ懐いていた。
顔に近づくと?を舐めた。
しばらくするとスヤスヤと眠り始めた。
終わり
引用元: ・【モバマス】《日常と三毛猫》
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