綴理「う～ん…」

綴理先輩も悩んでいます。

綴理「あ。」

綴理先輩、何か閃いたようです。

綴理「分かったかも、さやを照れさせる方法」

小鈴「何ですか」ｽﾞｲｯ

綴理「うん。あのね。さやに直接大好きだよって言ってみるのってどうかな？名付けて、大好き宣言作戦。」

小鈴「なるほど…」

確かにいきなり徒町達2人で大好き宣言をしたら効果はてきめんかもしれません。
しかし、この作戦を実行するには徒町自身もちょ～っと恥ずかしい気がします。

綴理「すず」

小鈴「はい！」

綴理「大丈夫だよ、きっと。」

小鈴「そうでしょうか…」

綴理「それにね」

小鈴「はい」

綴理「ボクは、すずが照れてるところも見たいな？」

小鈴「徒町の照れてるところですか？」

綴理「うん。さやの照れてるところと、すずの照れてるところ見れたら２回おいしい」

おいしい、ですか。
綴理先輩にそんなに期待されてしまっては徒町も頑張って照れなければいけないですかね。
いやいや、徒町が照れるかどうかはさておき、まずはさやか先輩を照れさせることが先です。

さやか先輩を照れさせるためにこの作戦が有効なのであれば、徒町は実行するのみです。

小鈴「綴理先輩。分かりました。この、大好き宣言作戦、実行しましょう！」

綴理「お～」

というわけで、大好き宣言作戦の決行が決まりました。
決行場所は徒町の部屋になりました。
決行日に関してですが肝心のさやか先輩の予定が空いているときでないと意味がありません。
徒町、早速、さやか先輩に連絡を入れます。

小鈴：さやか先輩。
　　　お願いがあるのですが。

すぐに既読が付き、返信が来ます。

さやか：はい、何でしょうか。

小鈴：さやか先輩に折り入ってお話があり、練習後にぜひ徒町の部屋に来てもらいたいのですが、いつなら空いていますか？

さやか：わたしはいつでもいいですよ。明日とかどうですか？

小鈴：では、明日お願いします！

決行日、明日に決まりました。
無事にさやか先輩を照れさせることが出来るでしょうか…
なんだか徒町、緊張してきました。

綴理「すず。」

小鈴「はい。何でしょうか？」

綴理「明日、頑張ろうね」

小鈴「はい。」

綴理先輩にそう言われて、なんだか大丈夫なような気がしてきました。

―――――――――――――――
翌日　練習後　小鈴の部屋

さあ、チャレンジの時が近づいてまいりました。
さやか先輩はいったん自分の部屋に戻って諸々準備してから来るとのこと。
緊張でカチカチの徒町になっております。

綴理「すず。大丈夫。君ならきっとさやを照れさせることが出来る」

先に徒町の部屋に来ていた綴理先輩がそう言ってくれます。
ちなみに、さやか先輩には綴理先輩もここにいることは言っていません。
びっくりするかな…

綴理「さやが入ってきたら、一旦ボクは隠れるね。すずが大好き宣言したらボクも出てくから」

小鈴「はい。分かりました」

その方がよりサプライズ感がありそうですね。

綴理「そろそろさやが来る頃だと思うな？」

綴理先輩がそう言ってすぐに

ｺﾝｺﾝ

あ、さやか先輩だ。

綴理「さあ、勝負の時が来た」ｷﾘｯ

綴理「じゃあ、すず、頑張ってね」

はい。徒町、頑張ります。ちぇすと～～～！！

小鈴「さやか先輩ですか？」

さやか「はい。そうです」

小鈴「入ってください」

ｶﾞﾁｬ

さやか「では、お邪魔しますね」

さやか「それで、私に話とは一体なんですか？」

いきなり本題に入られちゃいました！
どうしようどうしよう、徒町、心の準備が…

さやか「あの、小鈴さん？」

小鈴「ひゃい！」

しまった。
変な返事をしてしまいました。

仕方がありません。
ここは腹をくくりましょう。

さやか「？？」

小鈴「あの、さやか先輩！」

さやか「はい」

小鈴「徒町、可愛いさやか先輩のことが、大好きですっ！！！」

言ってしまいました…

さやか「えっと… ////」

あ、照れた。
照れましたよ綴理先輩。って綴理先輩はどこですか？
と思っていたらいきなり現れました。

綴理「ボクも、大好きだよ、可愛いさや」

さやか「！？！？///」

さやか先輩、びっくりしてます。
慌てふためくさやか先輩も可愛いですね。

さやか「綴理先輩？なぜ、ここに？///」

綴理「すず、そろそろ言おうか」

小鈴「はい」

さやか「何ですか？」

小鈴「徒町、さやか先輩を照れさせるチャレンジをしていたんです。それで綴理先輩にも協力してもらって…」

綴理「いぇい」

さやか「えっと、その///」

綴理「照れてるさや、可愛いよ？」

さやか「//」

小鈴「はい。可愛いですさやか先輩」

徒町チャレンジ、大成功です。
おまけに綴理先輩には申し訳ありませんが、徒町自身は照れることなく言えました。

さやか「お２人とも、何ですか何ですか////」

綴理「えいっ」ｷﾞｭ~

さやか「ちょっと綴理先輩？//小鈴さんの前で何してるんです？//」

小鈴「綴理先輩、ずるいです。徒町も！えいっ」ｷﾞｭｯ

徒町と綴理先輩でさやか先輩を挟み込むように抱きしめる。
なんとも暖かい空間が出来上がりました。

さやか先輩はと言えば、さっきから照れっぱなしです。
珍しいですがいいものを見れた気がします。

さやか「もうっ。わたしだって、お２人のこと、大好きなんですからね！//」

照れながらそう言うさやか先輩はやはり最高に可愛くて、勿論反対側からさやか先輩を抱きしめている綴理先輩も可愛くて、徒町は最高に幸せな夜を迎えたのでした。


おしまい