2: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:40:00.34 ID:Veh8rIUF0

前回、完結と書きましたが、しれっと続きです



みほ「フリースタイルバトル?」 前編 

みほ「フリースタイルバトル?」 後編 


みほ「第2回フリースタイルMCバトル!」 前編 

みほ「第2回フリースタイルMCバトル!」 後編

の続編になります



ガルパン×咲SSです

※キャラ崩壊あり

※これガルパンと咲でやる必要なくね?

※百合要素あり

※アホみたいに長い

※ラップバトルメイン

なので苦手な方はスルー推奨です

呼称とか変な部分があったら脳内補完お願いします


3: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:40:32.04 ID:Veh8rIUF0

【大洗女子学園 戦車格納庫】

優花里「た、大変です西住どのぉ~!」

みほ「優花里さん?そんなに慌ててどうしたの?もしかして実家の理髪店の経営が行き詰まったとか……?」

優花里「い、いえ!それは大丈夫です!なんとかやっていけてますから!」

みほ「よかった。心底ホッとしたよ」ホッ

優花里「心配していただけて嬉しいですぅ!」エヘヘ

沙織「それで、大変なことってなに?」

華「わたくし、気になります」

優花里「ま、またもや!フリースタイルMCバトルが開催することが決定したそうです!」

沙織「………………」

華「…………………」

みほ「………………」

優花里「…………あ、あれ?みなさん、なんだかリアクションが芳しくないですけど……」

沙織「だって……ねえ?」

みほ「うん。前の大会で最後みたいな感じだったし。ちょっとしつこい…かも」

華「なんだか大仁田厚さんの引退宣言のようです。結局復帰ですか……という感覚しか湧きません」

優花里「そ、そこまでひどくはないと思いますが…」

沙織「でもなんでまた開催することになったの?」

優花里「前回、前々回大会の開催目的は、復活したばかりのFSR(フリースタイルロード)を盛り上げるためだったのですが、予想以上に多方面から反響があったらしいんですよぅ!それでまた大会を、ということらしいです!」

みほ「多方面?フリースタイルバトルが好きな人以外は興味ないと思ってたけど……反響あったんだ」

優花里「もちろんですぅ!我々がバトルすることをメディアが取り上げてくれたおかげで、フリースタイルバトルを知らない人の耳にもその情報が届き、こういった大会に初めて足を運んでくださった人もいるようです。そしてその中の何%かはバトルに興味を持ってくれるようになり、そこから伝播してHIPHOP熱が広がり始めているそうですぅ!」

華「最初は蕾……しかし時間が経てばその蕾はゆっくりと開き、キレイな花を咲かせる……というわけですね」

優花里「まさにその通りですぅ!」

華「その花を生けるのがわたくしです」

優花里「え、ええ。存じてますぅ」

沙織「HIPHOP熱かぁ……私の周りではあんまりいないけど。一部の限られた人が盛り上がってるんじゃない?」

優花里「……一部であるのは事実です。しかし!それでも私たちが大会に参加する前よりは注目度も上がり、活気づいてきているのは間違いありません!」

みほ「確かに。前の大会は新聞記事にも載ったみたいだし、影響は少なくないと思う。ただ、それでも沙織さんの周りにまで浸透してない理由は多分……こう言ったらなんだけど、戦車道も割とマイナーな武芸だから…」

麻子「私たちの影響力もそこそこというわけか」

沙織「麻子。起きたんだ」

麻子「秋山さんが大騒ぎしながら来た時点で目が覚めた」

優花里「そ、それは失礼しました。しかし戦車道はもっと盛り上がっていいと思うんですが……メジャーになるべきですぅ!」

麻子「戦車道は戦車を含め、設備やらなんやらで資金が必要だからな。今後プロリーグが設立されれば状況も変わってくるだろうが」

みほ「でも会長が……じゃなかった、元会長が言ってたけど、フリースタイルバトルに参加した相乗効果で、戦車道に興味を持ってくれる人が増えてるみたいだよ」

沙織「ジャンルは違っても、やっぱり表舞台に立つと注目されるってことかー。いいなー、モテそう」

4: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:41:46.00 ID:Veh8rIUF0

麻子「結果的にWin-Winというわけだな。個人的にはフリースタイルバトルは戦車道とはまた違う楽しさを味わえて満足した。だからこそ今の秋山さんの話の続きが気になるわけだが」

華「実家の理髪店の話ですか?」

優花里「冷泉殿!カットをご希望ならいつでもどうぞ!」

麻子「……その時にはな。だが私が気になっているのは秋山さんの実家ではない。またMCバトルの大会が開催されるという話だ。その内容が気になる」

優花里「あ!そうでした!一大ニュースなので早く伝えようとしていたのに!すっかり忘れていました」

みほ「早く伝えるならメールとかLINEの方がいいんじゃ……?」

沙織「みぽりん……確かにそうだけど、それはちょっとドライじゃない?」

みほ「え、そうかな」

優花里「そうですよぅ!私としては、西住殿の体を…じゃなかった、目をしっかり見ながら伝えたいと思って急いで来たのですから!」

みほ「そう」

優花里「た、淡泊ですぅ」

麻子「それで?今回は今までとどう違うんだ?」

沙織「え?なんで違うって思うの?」

麻子「ルールが少し違うくらいならあそこまで慌てないだろう」

沙織「言われてみればそうかも」

優花里「さすが冷泉殿。鋭いですねぇ。実は今回のフリースタイルバトルは、今までとは違う意味でどえらいことになってるんですぅ!」

みほ「違う意味でどえらい……?」

華「もしかして……参加選手の飼い犬同士にフリースタイルで戦ってもらう、とか?」

沙織「それはどえらすぎでしょ!」

みほ「判定が難しいね……」

麻子「……考えられることと言ったら、男女混合、参加年齢を限定しない……といったところか?3ON3は普通と言えば普通だしな」

みほ「……負けた選手は勝った学校に無理矢理転入させられる、とか……?」

沙織「ないって!非人道的だよ!」

華「あ!わかりました!お料理対決!」

沙織「根本がどっかいっちゃったよ!」

麻子「……とりあえずみんな落ち着け。秋山さんの話を聞こう」

みほ「そ、そうだね」

華「ええ。ちゃんと聞きましょうね?沙織さん」

沙織「私が一番まともだったでしょ!?」

優花里「……では、順を追って説明します。実は、今度の大会では、ある人たちと戦うことになったのです!」

みほ「ある人たち?」

沙織「誰?」

優花里「その相手とは…………麻雀部の方たちです――――」

5: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:42:13.57 ID:Veh8rIUF0

【長野 清澄高校】

和「フリースタイルMCバトル……ですか?」

久「ええ」

優希「フリースタイルってなんて意味だじょ?」

京太郎「なんでもいいってことじゃないのか?」

まこ「競泳で自由形のことをフリースタイルと言うが……MCの意味がわからんのぉ」

和「MC……咲さんはわかりますか?」

咲「わ、私?うーーん……マクドナルド、の略じゃないですよね?」

久「違うわ。というか誰も知らないのね。須賀くん辺りは知ってるかと思ったけど」

京太郎「すんません。わかんないっす」

久「フリースタイルMCバトルというのは、即興のラップで戦うこと。MCはmaster of ceremoniesの略で司会者って意味ね。でもHIPHOP的にはそれと分けてmicrophone controllerと言うことが多いわね。まぁラップする人って意味と思っていいわ」

優希「ほう」

和「……ゆーき、あまりわかってないでしょう?」

優希「バレちゃあ仕方ないじぇ」ニャハハ

咲「MCの人たちが即興のラップで戦うのが、フリースタイルMCバトルということなんですね」

久「ええ」

まこ「……で、急にそんな話を切り出してどうしたんじゃ?」

久「今度その大会が開催されるのよ」

和「?その大会が私たちにどう関わってくるのですか?観戦に行こうという話ですか?」

久「ううん、出場するからその説明をしようと思って」

和・咲・優希・まこ・京太郎「……………………」

久「…………………………」

和・咲・優希・まこ・京太郎「……………………」

久「…………………………」

和・咲・優希・まこ・京太郎「ええええええっ!!!?」

久「あっはは、やっぱ驚いた」ニヤリ

和「と、当然ですっ!何を言い出すんですか!」

咲「参加する意味がわからないです……」

優希「そうだじょ!部長はいっつも突然変なこと言い出すじぇ!」

久「あらあら。優希に言われるとはね。でも私主導の計画ではないのよ?」

6: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:42:48.50 ID:Veh8rIUF0

和「では誰が?」

久「麻雀界のお偉いさんよ。プロ雀士を束ねるような、ね。それに戦車道連盟と文科省も関わってるらしいわ」

和「なんだか大ごとですね……」

久「主な目的はFSR(フリースタイルロード)を盛り上げることでしょうけど、その一方で、戦車道のプロリーグ設立のため、若年層からの人気獲得の狙いもあるみたい」

咲「戦車道って……学園艦の学校に通ってる人たちが盛んにやってるやつですよね」

久「ええ。歴史のある武芸よ」

和「でもそれとフリースタイルがどう繋がるのですか?若い人たちから人気を得るためと言っても、戦車道全国大会がありますし、普通にしていれば人気が出るのでは……」

久「ある程度はね。でもそれじゃ足りなかったんじゃない?だからこそ違った角度からアプローチを試みた。その結果、第1回、第2回フリースタイルMCバトル大会は、戦車道の選手が参加したおかげで、大盛り上がりだったみたい」

まこ「……戦車道の子たちがバトルに出た。それはよしとする。FSRと戦車道の両方のアピールになったからのぉ。でもそれとうちらがどう繋がるんじゃ?」

久「麻雀はプロリーグがあるし、全国大会の参加校も多い。つまり、影響力があるわけ。全国に出るような高校の選手がフリースタイルバトルに参加したら盛り上がると思ったんでしょうね」

京太郎「言えてますね!」

咲「で、でも私たちはそんなことしてる場合じゃないような……」

久「いいじゃない。異文化交流ってのも」

和「異文化すぎると思います」

久「まぁまぁ。メリットもあるから」

優希「メリットってなんだじょ?」

久「参加する人の紹介文には学校名が入る。いい宣伝になるわ」

まこ「そうかのぉ?」

久「あとは………………モテる?」

和「疑問形じゃないですか」

咲「というか、2つ目でもうすでになんとか絞り出した感じですよね」

久「仕方ないじゃない。でも大人の事情的なメリットはあるはずよ。私たちにはあまり恩恵がないだけで」

まこ「そう言われて参加する気にはならんのぉ」

恵「恩恵はそれだけではないぞ」ザッ!

咲「だ、誰っ……?」ビクッ

まこ「変質者か!?誰か、さすまたを!」

優希「そんなレアな武器は持ってないじょ!」

和「ま、待ってください!」

咲「和ちゃん?」

和「この人は……私の父です」

優希「の、のどちゃんは……変質者の子供だったのか?」

恵「し、失敬な。私は変質者ではない。竹井さんに登場のタイミングを任せていたが、いつまでも呼ばれずにいたのでしびれを切らせて出てきただけだ」

7: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:43:16.46 ID:Veh8rIUF0

咲「でもどうして和ちゃんのお父さんが…?」

久「何を隠そう、原村恵さんは昔ラッパーだったのよ!」

和・咲・優希・まこ・京太郎「ええええええっ!!!?」

まこ「ラッパーから弁護士って……『理由(ワケ)あって、弁護士』ちゅうわけか」

優希「何があったんだか全然わかんないじぇ!?」

恵「単純な話だ。私は過去に『KEI RAM SHINE(ケイラムシャイン)』として短期間だがラッパーとして活動していた。もちろんMCバトルもしていた」

和「初耳です……」

恵「しかし、私が舞台袖からバトルを見ていた時、普段仲良くしているラッパーが対戦相手に押され、劣勢に立っているところに直面したのだ。その時、私は心から思った。彼を弁護したいと!私が弁護して勝たせてやりたいと!」

和「………………」

恵「そして、あーだこーだと勉強し、すったもんだの末、今に至るのだ」

久「てなわけ」

恵「私の中でKEI RAM SHINEとしてラップ漬けで過ごした日々は大きな糧になっている。だから私はフリースタイルバトルへ参加するのは大賛成だ」

和「………………」

咲「ど、どうしたの和ちゃん。さっきから黙って……」ヒソヒソ

和「いえ、あのように生き生きとしている父を見るのは初めてで、驚いてしまって……」

咲「あぁ……わかる。うちのお父さんね、私が寝たと思い込んでたからだと思うんだけど、夜中に酔っぱらったテンションで『スペクタクルショーだぜ!』とか言いながら、タバコを4本まとめて吸おうとしてものすごいむせてたの見た時、滑稽だったもん」

和「身内の……しかも父親の普段見せない姿って、娘からするとほぼ冷めますよね」

咲「うん……」

恵「和。若干聞こえていたぞ。まぁいい。とにかく、私が全面的にバックアップする。必ずや戦車道チームに勝利を収めようではないか」

和「……戦車道チームに勝利?ということは……」

咲「前の大会に出場した戦車道の人たちと戦う……?」

恵「その通りだ。今回の大会は、麻雀部チームと戦車道チームの戦いになる」

まこ「麻雀部チームっちゅうことは……」

久「そう。全国の色んな高校から選抜してチームを作るわけ。現時点で参加者もある程度決まってるわ。宮永照とか」

咲「えっ!?お姉ちゃんが!?」

まこ「およそキャラとかけ離れてるがのぅ」

久「OGから強い後押しがあったんじゃない?欲しい本をプレゼントするとか裏取引も考えられるわね」クス

咲「……お姉ちゃんも出る……じゃあ私も参加すれば同じチームになれるんだ……」グッ..

和「さ、咲さんが出るなら私も……//」

久「あ、そうそう!とりあえずどんな感じが掴めるように、知り合いからDVDを借りたから観てみましょう。これはとあるMCバトルの大会ね」

優希「戦車道の人たちが出た大会じゃないじょ?」

久「あれは商品化してないから限られた人しか持ってないか、あるいは映像として残してないと思うわ。だからとりあえずこれを観ましょう。再生、っと……――――」

8: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:43:53.25 ID:Veh8rIUF0

久「―――なるほどねぇ……」

和「……かなり高度ですね。相手の言葉に瞬時に反応する必要があります」

優希「でも思ってたより面白そうだじぇ!会場もワーワー騒いでて血がたぎるじぇ!」

京太郎「すっげぇ……」

咲「………………ちょっと怖い部分もあるけど……なんか」

和「?」

咲「楽しそう……」

久「あら」

まこ「意外じゃのぉ。相手に色々言われるのを怖がるかと思っとったが」

咲「そ、その不安もあります。大変そうっていうのもわかりますし…………でも……気持ちよさそうです」

久「そうね。スポットライトを浴びながら音に合わせて言葉を吐く。普段は味わうことのできない体験でしょうね。同じ壇上でも、学生議会長として壇上に立つ時とは違う、アドレナリンがいっぱい出るような高揚感を味わえそうな気がするわ」

咲「ですよね」ゾクゾク

和「……あの、1ついいですか?」

久「何かしら?」

和「私たちが大会に参加するとして、現時点での戦車道チームとの力の差はどの程度なのでしょうか?」

久「それは映像が無いからなんとも答えようがないけど、ネットの記事では大会の話が持ちかけられた時点では、全員が初心者で経験者は誰もいなかったと載っていたわね」

優希「ゼロからのスタートなら私らもおんなじだじぇ!」

和「ですが彼女たちの方が先に練習をし、キャリアを積んでいます。それに大会までに練習をすればさらに成長するでしょう。この遅れを取り戻すのは容易ではないと思います」

9: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:44:31.63 ID:Veh8rIUF0

久「和の言いたいことはわかるわ。私たちが大会に出たとして、戦車道チームと実力差がありすぎて惨敗という結果になれば、大会としても麻雀部チームとしても大失敗になるだろうからね」

和「はい」

久「…………確かに、数ヶ月とはいえ、向こうの方がスタートが早かった分、追いつくのは容易ではないわ……でも!」

和「?」

久「その力の差を覆すために、KEI RAM SHINEさんがいるんじゃない!」

恵「」フッ

和「………………」

久「今回、私たちは元ラッパーや現役ラッパーに練習を手伝ってもらっていいことになっているの。戦車道側は関係者の介入は禁止だから、これは大きいわ」

咲「練習の密度が濃くなれば、追いつける……いえ、追い越せるわけですね」

久「その通りよ。そしてここで私から1つ、嬉しいニュースを伝えましょう」

優希「嬉しいニュース?」

久「ええ。参加人数が限られるから、実力によっては大会に出場出来ない子もいるでしょうけど、練習にちゃんと参加して頑張った子には、出場選手選抜の有無に関わらず、食堂の全メニューを1ヶ月間無料になるチケットを贈呈しまーす!」

優希「なんと!」

和「それは……魅力的ではありますね」

咲「値段を気にせず食べられるんだ……そのお金で本も買える」

京太郎「あ、あのー、大会の参加資格ってどんな感じなんですか?」

久「麻雀部に所属してる女子で、高校生以下が対象ね」

京太郎「う……女性だけっすか。じゃあ俺は無理なのか……」ハァ

久「うーん……あ、じゃあこうしましょう!須賀君の場合、機材の搬入とか雑用を手伝ってくれればチケットをあげるわ」

京太郎「マジっすか!やった!」

久「というわけで、早速KEI RAM SHINEさんに基礎知識から教えてもらいましょう!須賀君も、客観的にアドバイス出来るようちゃんと覚えてね!」

和・咲・優希・京太郎「はい!」

まこ「………………」

まこ(なんだかんだで強引に参加する気にさせよった……部長の手腕は恐ろしいのぉ)クス

10: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:45:14.22 ID:Veh8rIUF0

【臨海女子】

ダヴァン「オー!サトハも出場するのでスカ!?」

智葉「……不本意だがな」

明華「意外です」

慧宇「最初は乗り気ではなかったようですが、サトハが出場すると思い込んだ子供たちに『頑張って』と言われて参加を決めたんですよね。優しい」クス

ネリー「へー、サトハらしいような、そうでないような。でも納得したよ。自主的に参加するキャラじゃないもんね」

智葉「そういうネリーは出ないのか?」

ネリー「お金もらえるわけじゃないし」

智葉「だろうな」フフ



【永水女子】

初美「姫様たちは出ないのですかー?」

小蒔「はい。らっぷ?というのはよくわかりませんので」

巴「ラップする姫様のイメージ湧きませんもんね」

霞「強制参加ではないわ。私たちはいつも通り、過ごしましょう」

春「賛成……」モグモグ



【宮守女子】

塞「シロは……聞くまでもないわよね」

白望「うん。ダルい……」

エイスリン「ワタシ、ダルクナイ!デモ ラップムリ!」

豊音「私も力になりたいけどー……意地悪なこと言いたくないし言われたくないよー」

胡桃「じゃあ仕方ない!私が頑張るしかないね!」

塞「あ、あんまり言い過ぎないようにね?」

白望「そういう塞も……」

塞「わ、私は相手を塞ぐ方メインだから大丈夫よ………………多分」

11: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:45:44.81 ID:Veh8rIUF0

【有珠山高校】

爽「うーん……ユキを可愛くドレスアップして目立たせたいけど……バトルさせるのはちょっと違うかな?」

揺杏「マジそれ。負けたらダメだし、でも勝ったとしてもイメージ悪いっぽい」

由暉子「ラップ出来る人ってなんかカッコいいのでやりたいんですけどね……」

誓子「まあまあ。ここは爽に任せましょ」

揺杏「そうそう」

成香「ZZZZ……」スピー



【新道寺女子高校】

哩「では、私と姫子が参加しゅるっちゆうこつで、よかか?」

美子「異議なし」コクリ

仁美「政治的に異論なし」チュゴゴゴ

煌「お2人なら活躍間違いなし!すばらですっ!」

哩「ありがとう。では姫子、2人で練習ばしよか?」

姫子「あっ……ぶちょうッ!耳元で囁かれたら……///」ビクン



【阿知賀女子】

灼「消去法で決めよう。玄と宥さんは無し。なんか2人とも……ディスられたら泣いちゃいそう」

宥「うん……私も無理だと思う……」

玄「私も…」

穏乃「灼さんは?」

灼「私も無理」

穏乃「でも、ひょいって投げたお菓子を口で直接キャッチするの上手いじゃないですか」

灼「バトルと関係ないと思…」

憧「結局、阿知賀では私だけが参加ってわけね」

穏乃「え!?私は!?」

憧「無理でしょ。しずは」

穏乃「ひどい!」

灼「……相手のディスを素直に受け止めて落ち込む穏乃を見たくないっていう憧の愛だよ」

穏乃「あ、そうなんだ……ありがと、憧!」ニコッ

憧「べ、べべ、別に愛とかそんなんじゃ……///」

12: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:46:32.41 ID:Veh8rIUF0

【龍門渕高校】

透華「目立ちたいのは山々ですけれど……難しそうですわね」

一「そうだね。挑発に弱い透華には不向きかも」

一(合宿の時の、怖いくらい冷静な透華になったとしたら話は別だけど……それでもあの状態で麻雀は打ててもラップは無理っぽいよね)

智紀「純は?」

純「俺?うーん……バトルってなんか頭使いそうじゃん?麻雀みたいに慣れてるなら別だけどさ……やめとくわ」

智紀「そうだね」

純「……納得されんのも微妙に嫌な感じだな」

一「それで、透華はどうするの?向き不向きはともかく、参加は自由みたいだけど」

透華「……やめておきますわ」

一「いいの?」

透華「れっきとした試合とはいえ、仲間や友達がディスられている姿を、衣は見たくないはずですわ」

一「確かに。じゃあうちは全員不参加だね」

透華「ええ。ただ……」

透華「せっかくの企画ですから、盛り上がるよう、景品なりなんなりを用意してでも本気でみなさんに戦っていただきましょう」

一「龍門渕グループの力を活用する気満々だね。ふふ、でも同感。本気同士の戦いの方がいいもんね」クス



【鶴賀高校】

智美「ワハハ。じゃあゆみちんにも頑張ってもらうってことで」

佳織「頑張ってください!」

睦月「誠心誠意、応援します」

ゆみ「ああ。ありがとう」

桃子「あの……大丈夫っすか?先輩」

ゆみ「問題ない。リズム音痴でもないしな。相手の矛盾点を見抜き、そこを突けばいいのだろう?」

桃子(バトルに対してもそうっすけど、2人でいられる時間が少なくなるのが……)チラ

ゆみ「……安心しろ、モモ。私たちの間をどれだけの時間が流れようとも、この気持ちは揺らぎはしない」

桃子「せんぱい……///」

智美「……ゆみちんだけじゃなくて一応私も出るんだけどなー」

佳織「わ、私は応援してるよ!頑張って!智美ちゃん!」

智美「ワハハ。佳織は優しいなー」

13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:47:12.65 ID:Veh8rIUF0

【風越女子高校】

未晴「華菜ちゃんなら出来るよ!」

華菜「うん!頑張るし!」

純代「………………」ワタシダッテ オウエン..

美穂子「ごめんなさい、華菜に任せてしまって。私が機械音痴で、マイクを扱えないから……」

華菜「いやいや、スイッチ入れるだけですから2回目からは扱えますよ!」

美穂子「でもコードを踏んでしまうし……」

華菜「踏んでも音がそこで詰まったりしません!というかキャプテンは相手を言葉で叩きのめすタイプじゃないですから参加しなくていいんです!」

美穂子「そうかしら?」

華菜「はい!見守ってもらえればそれだけで嬉しいです!」

美穂子「……その言葉で安心したわ。でもただ見守るだけじゃ申し訳ないから、フリースタイルバトル会場までの道のりをフェルトで作ってプレゼントするわね」

華菜「あ、いえ、道のり全部作ろうとすると、人生ゲーム盤みたいな感じに大きくなってかさばりそうですから大丈夫です!新幹線のホームとか背景とか大変ですし…」

美穂子「みなさんにお願いしてグルグルアースで見ながら作るわ」

華菜「グーグルアースですね。いや、でもそこまでしたらキャプテンの大切な時間が果てしなく奪われます!私はそれが嫌です!だからどうか簡単なお守りくらいのでお願いします!」

美穂子「……わかったわ。華菜がそう言うなら、道のりはやめてマイクを作るわね」ニッコリ

華菜「あ、急に普通だし………じゃなくて!ありがとうございます!」




【姫松高校】

恭子「……正直、自分がどれだけ通用するんか興味ある」

絹恵「末原先輩なら相手を冷静に圧倒できそうな気ぃします!」

洋榎「相手をへこますの得意やもんな」

恭子「主将がそれを言いますか」

漫「そういえば、フリースタイルバトルって関西勢が強いって聞きます。なんででしょう?」

由子「きっと口とガラが悪い人が多いからよー」

恭子・洋榎「偏見や!」

14: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:47:40.21 ID:Veh8rIUF0

【千里山女子高校】

浩子「うちで出場希望するのは園城寺先輩と清水谷先輩、泉、私ですね」

セーラ「俺は向いてへんからなー」

浩子「そうですか?いける思いますけどねぇ。語彙が少ないのと挑発に弱いのとリズム感が微妙なだけで」

セーラ「最悪の三拍子やないか!スリーアウトチェンジや!」

竜華「怜、ホンマ大丈夫?ステージ上、スポットライトであっついで?あ、そや!冷えピタ貼って出ればええんや!」

怜「そんなんでステージ立ったら『帰って寝ぇ』言われるわ」

竜華「そらそうか……」

怜「……ま、大丈夫や。溜まり溜まったストレスを相手にぶつけられる機会なんて滅多にないからなぁ……私はかなり燃えてるで」フフフ..

泉「私かって、一発カマすつもりで参加しますよ!」

浩子「まあ、誰が選ばれるかはわかりませんが、選抜メンバーに入れるよう頑張りますか」



【白糸台高校】

淡「むっふっふ~!ついに私の出番!」

菫「そうだな」

照「うん」

尭深「そうだね」

誠子「頑張れー」

淡「ぶー!リアクションが薄ーい!」

菫「当然だろう。誰が参加を申し込むかが決まっただけで大はしゃぎされてもな」

淡「冷たーい。菫先輩の雪女~」

菫「熱いお茶を飲む雪女はいないだろう。尭深、このお茶美味しいな」

尭深「ありがとうございます」

淡「ふーんだ。いいもん、私はテルと仲良くするから」

照「今は本読んでるからあとで」

淡「もー!」

誠子「……それにしてもイガ意外です。淡はともかく、宮永先輩と弘世先輩が出場を決めるとは」

菫「あくまで参加希望なだけで出場できると決まってはいないがな」

誠子「だとしてもビックリですよ。どうしてまた?」

菫「それは……」チラ

照「…………今までの自分という殻を破れるような……そんな気がしただけ」

菫「……だそうだ。私も似たような理由だがな」

誠子「な、なるほどホドです……」

照「………………」

菫「………………」チラ

菫(本当は、雑誌で西住姉妹がフリースタイルを通じて絆を深めたという記事を読んだのが多分に影響しているのだろうが……口に出すのはやめた方がいいな)

15: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:48:10.09 ID:Veh8rIUF0

【大洗女子学園 生徒会室】

杏「やー、大変なことになったねぇ」

桃「内地の人間と交流が無かったわけではありませんが……麻雀の競技者とは縁がありませんでした」

柚子「テレビでは観るけど、実際会う機会ないもんね」

みほ「でも、そもそも私たちもですけど、麻雀の人たちもラップは専門外ですよね?それがどうして結びついたんでしょうか?」

千代「その説明は私からします」

みほ「わ、びっくりした」

沙織「愛里寿ちゃんのお母さん、だよね?」

華「ええ。一応、そういうことになっていますね」

優花里「え?それって…」

千代「一応ではなく確実に母ですわ。含みをもたさないでくださいな」

優花里「ですよね!?び、びっくりしましたぁ……何故島田殿が大洗に?」

千代「私が戦車道チームの監督を務めることが決定したからです」

麻子「監督?」

華「というと、ホームベースを土で隠したりするのでしょうか」

優花里「マーティ・ブラウン監督はやりますけどスタンダードじゃないですから」

沙織「キャプテンとかそういうのじゃないんですね?」

千代「ええ。今回は戦車道側、麻雀側の両チームに監督をおき、メンバーの選出、采配をすることになっています」

杏「島田さんは元ラッパーだし、異存はないと思って頼んだんだ。いいよね?」

みほ「はい」

千代「ただ、私は監督ですが、練習内容に口出しすることは出来ません。アドバイス等は禁じられています」

沙織「ど、どうしてですか?」

みほ「私たちの方が麻雀部の人たちより先に始めたでしょ?それに加えて経験者のサポートが付くと有利すぎるからじゃないかな?」

千代「ええ、その通りです」

沙織「なるほど……」

麻子「監督に関しては全く異論は無い。ただ今回の大会を開催するにあたっていくつか疑問がある。質問してもいいですか?」

千代「構いません。どうぞ」

麻子「どうして麻雀部側と対戦することになったか、その理由と経緯が知りたい。戦車道側はプロリーグ設立へ向けた話題作りや、お互いマイナー競技であるFSRを支援するという目的だからわかる。しかし麻雀はプロリーグもあり、競技人口も戦車道の比では無い。ジャンル違いに顔を出す必要性が見出せないんだが」

千代「……そうね。確かに、彼女たちが参加する必然性は無いわ。ただ、戦車道は麻雀同様世界でも行われている競技。そしてその関係者、企業、スポンサー等はそれぞれ毛色が違うわ」

千代「だから麻雀界としては、今回の企画をきっかけに戦車道関連企業とのパイプを作るつもりだと思います。そうすれば、麻雀のみではなく、他のビジネスに発展する可能性も得られるわけです。今後、スポンサーを集めやすくもなりますし」

華「ビジネスですか?あまりピンときませんが…」

千代「プロ雀士がグラビアをやったり、お菓子のおまけカードになったりしているでしょう?それの延長線上といったところですね。もっとはっきり言ってしまえば、参加する子たちにメリットがあるというより、麻雀界を動かしている人たちにメリットがあるということになるわ」

沙織「うーん……なんかモヤモヤするー。でもそれもしょうがないのかなぁ」

麻子「それでは選手たちはモチベーションが上がらない気がするな」

杏「と思うっしょ?でも意外とそうでもないらしいよー?」

麻子「?」

杏「参加校は勝った時用のご褒美を用意してるらしいよ?まぁプロ麻雀連盟とか戦車道連盟とかFSR関連企業から多少なりとも貰ってるだろうから、参加者にはせめてちょっとした還元を、ってくらいだろうけどね」

華「ご褒美とはなんでしょう?通知表オール4とかでしょうか?」

沙織「それはダメでしょ!というか5じゃないところが逆に工作の匂いがプンプンするよ!」

16: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:48:37.95 ID:Veh8rIUF0

杏「白糸台は大量のお菓子が貰える、だったかな?」

みほ「……それでやる気出るのかな」

杏「臨海女子は忍者装束とか金券、刀を研ぐための砥石とか、のど飴10キロ分だったかな」

優花里「のど飴をキロ単位ですか……」

杏「まぁ、あくまで噂だけど、他にも色々あるらしいよ。参加賞と、勝った時の賞品って感じで」

麻子「私たちには無いのか?」

杏「んー、そだね。勝ったら何かしらいいものをプレゼントすることにしよう!」

みほ「わ、楽しみ」

麻子「……みんなで過ごした楽しい思い出がプレゼント、なんてこと言わないだろうな」

杏「……………………」

麻子「おい」

杏「それよりも!大事な話があるんだよぅ!ほら見てみなよ、島田さんが手持ち無沙汰で、手袋の指先を余らせたり詰めたりしてるよ」

沙織「よっぽどやることが無い時にやるやつだ……」

麻子「……まぁいい。そっちの話を聞こう」

桃「島田さん、お待たせしました。説明をお願いします」

千代「わかったわ。まず今回の大会のルールを発表します。バトルは全て1ON1。戦車道チームと麻雀部チームのチーム対抗戦です」

麻子「シングル戦はシンプルでやりやすいな」

優花里「さすが冷泉殿!普通の会話でも韻を踏むとは!」

麻子「……そのつもりは無かったんだが」

千代「今回は勝ち抜き形式になります。試合で勝った選手は、そのまま残り、次の相手と戦う。相手チームの選手が全員敗れた時点で勝敗が決まる形ね」

みほ「殲滅戦ってことですね」

千代「そうね」

華「チームは何人で形成されるのですか?」

千代「17人ね。補欠は無し。欠場者が出た場合は不戦敗よ」

沙織「わ、厳しい」

みほ「ずいぶん人数多いんですね。トーナメントじゃなくて勝ち抜きだから……すっごく長くなりそう」

優花里「メンバーは決まっているのですか?」

千代「麻雀部の方はわからないけれど、私たちの方は決まっているわ。それを今から発表するために来たの。出来ればみんながいる場所が良かったのだけれど、そうもいかなくてね。わざわざ学園艦を集めるのも一苦労。だから他校にはメールで報告をすることになっています」

華「でしたら最初から大洗にいらっしゃらなくても良かったような……」

みほ「……多分だけど、ボコミュージアムで今週スタンプラリーやってるから、景品を手に入れた足でここに来たんだと思う」

沙織「なるほど……愛里寿ちゃんへのプレゼントだね。優しいお母さんだ」

千代「こほん。では発表します」

17: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:49:07.15 ID:Veh8rIUF0

【戦車道チーム メンバー】

みほ、麻子

杏、桂利奈

まほ、エリカ

カチューシャ、ノンナ

愛里寿、オレンジペコ

アッサム、アンチョビ

カルパッチョ、ケイ

ミカ、ナオミ、アリサ


千代「以上の17名よ」

桂利奈「やったーーー!出れたーー!!」

華「……阪口さん、この場でまたしても大の話を…」

沙織「してないから!」

みほ「あれ!?お姉ちゃんも出るんですか!?」

千代「あたりきしゃりきのこんこんちき……じゃなかったわ。当たり前よ」

優花里「嬉しいですぅ!もう大会には出ないとおっしゃってましたから!」

華「あっさりと撤回……こちらも大仁田厚のようですね」

みほ「ち、違うよ全然!お姉ちゃんの場合は宮崎駿監督だよ!世界だよ!」

沙織「何度も引退撤回してる点では一緒だけどね」

18: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:49:36.08 ID:Veh8rIUF0

千代「彼女には最初断られたのだけど、しぽり……西住しほさんの説得によって折れてくれたみたいね」

みほ「お母さんの説得……?」

千代「ええ。彼女は……」


しほ『撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心 それが西住流……当然わかっているわよね?』

まほ『はい』

しほ『それはつまり、引退を宣言したとしても!しれっとした顔で復帰し、周りに何を言われても進む姿を乱さず、何を言われても鋼の心でやんわりと受け流す守りの固さを持ち、あまりにしつこく言ってくる輩には必中のナニカで生意気な口を聞けなくすればいい、ということなのよ』

まほ『しかし……』

しほ『何を言われようとも私の気持ちは変わりません。だって鋼の心なんだから』

まほ『………………』

しほ『まほ。戦車道は麻雀ほどメジャーな競技ではないわ。直接戦う機会も無い。だからこそ、今回の大会で麻雀部の者たちを全力で叩き潰し、戦車道がどれだけ人間的な成長を促すかを証明するのよ!』

まほ『……ですがお母様。人間としての成熟を目指すのならば、一度一線を退くと宣言した私が再び舞い戻るのは…』

しほ『西住流とは!』

まほ『え』

しほ『撃てば必中 守りは固く 進む姿は乱れ無し 鉄の掟 鋼の心……』

まほ『……しかしお母様。私が今後大会に参加しないと決めたのも鋼の心で…』

しほ『私の方が長く生きてる!!』カッ!

まほ『っ……』

しほ『……だから元祖に近い。つまり私の鋼の心の方がまほの鋼の心より強いの。早く生まれた分だけね。それも鉄の掟。保身のための守りは固い。我が道を進む姿には乱れ無しだわ』

まほ『……………………』

しほ『だから大会での活躍を期待しているわ。西住流の誇りを胸に、戦ってきなさい』

まほ『……………………………………………………………………はい』



千代「……見事なまで説得を成功させてくれたわ。最終的にまほさんも『参加するしかないと決まった以上、全力で勝ちに行く』と言っていたわ。だからモチベーションの問題はクリア。本番ではガンバルマンでしょうね」

みほ「が、がんばるまん?」

千代「っ!な、なんでもないわ!とにかく参加者は決定!本番まで練習しましょう!」

沙織「私はバトルの練習は手伝えないから……栄養あるご飯とか作って持ってこうかな」

華「ありがとうございます!」ニッコリ

沙織「いや、華は選手じゃないでしょ。まぁ……華の分も作ったげるけどさ」

優花里「武部殿は調理技術が卓越していて羨ましい限りですぅ。私では大したお手伝いが出来ず、心苦しい毎日を過ごすしかないのでしょうか……」ハァ

千代「いえ、秋山さんには重要な任務をお願いするつもりよ」

優花里「え?重要な任務……?」

千代「ええ。その任務とは――――」

19: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:50:06.41 ID:Veh8rIUF0

大会当日

【ライブハウス 舞台袖 戦車道側】

千代「ついに来たわね」

カチューシャ「ふん!今度こそ私が優勝してやるんだから!」

ノンナ「カチューシャ。これはチーム戦です。カチューシャだけが優勝するのは不可能ですよ」

カチューシャ「わ、わかってるわよそんなこと!」

みほ「お姉ちゃんは宮崎駿監督だからね?気にしないでね!」

まほ「なんのことかイマイチわからんが……」

アンチョビ「麻雀部チームは向こう側の舞台袖に集まっているんだよな……なんだか強いオーラ的なのをひしひし感じるぞ」

ミカ「同感だね。相対する前から強敵であるとわかるよ」

アキ「……でもミカが素直に参加するなんて……前回もそうだけどホント意外」

ミカ「フリースタイルバトルには人生で大切な全てのことが詰まっている。チーム対抗戦の場合はさらに山盛りで詰まっているからね」

沙織「あのー、私たち選手じゃないんですけど、ここにいていいんですか?」

千代「ええ。関係者は許可されています。ただスペースに限りがありますから、ある程度の人数までとなっていますわ」

ケイ「各校、基本的には出場する選手とプラス何人か、ぐらいだね」

杏「でも大洗の場合は参加者のいるチームメンバーはみんな集まっちゃってるねぃ」

麻子「あんこう、ウサギさん、カメさんチームがそうだな。しかしそれ以外にもカモさんチームとカバさんチームの面々がいるが…」

そど子「べ、別にいいじゃない!近くで応援したいのよ!それに、たくさんの学校が集まって風紀が乱れてないかチェックが必要だもの!」

ゴモヨ「はいはい、わかったよそど子」

ダージリン「うふふ、賑やかでいいと思うわ」クス

オレンジペコ「他の人たちは客席で応援してくれているみたいですね」

みほ「客席で応援してくれるのも嬉しいけど、舞台袖で直前まで一緒にいられるのも、勇気が出てありがたいよ」

沙織「みぽりん……」

20: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:50:35.05 ID:Veh8rIUF0

麻子「だそうだ。勇気をくれよそど子~」ダキッ

そど子「ちょ、ちょっと冷泉さん!抱きつくのをやめなさいよ!」カァァ..

千代「……アベックぶりを見せつけるのはその辺りにしてもらえるかしら?そろそろ本番ですよ?」

そど子「す、すみません」

麻子「あべっく……?」

千代「こほん。それでは、前にも説明したけれど、大会のルールを改めて確認しておきましょう」

千代「まず、バトルは各チーム17人ずつのチーム対抗戦で、1ON1の勝ち抜き戦です。選手が出る順番はその都度決めていいことになっています。あらかじめオーダーを提出する必要はありません」

千代「勝ち抜き戦のため、勝った選手はそのまま次のバトルに出ますが、相手チームはその相手を見て、誰を当てるかを選べます。なので相性の見極めが重要ね」

ケイ「1回出て勝ったらもう引っ込めないのよねー。強い子をあとに取っておけばいいっていう単純な話じゃないのが難しい!」

ナオミ「スキルで多少劣っていても相性の差で覆せるからね」

千代「ええ。そこで、このわら半紙が重要になってくるわけです」ニコリ

まほ「わらばんし……?プリントのことか?」

桂利奈「わら半紙ってなんですかー!?」

千代「!?こ、細かいことはいいのです!とにかく、渡す際にも話しましたが、この紙に記載されている相手のデータを元に戦略を練ります」

みほ「これ、情報が細かく書いてあって本当にすごいよね」

エリカ「この情報収集能力……敵に回したら厄介だけど、味方にしたら頼もしいわね」

千代「ええ。データを作成してくれた秋山さんとカバさんチームのみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです」

優花里「いえいえ!私に出来ることをしたまでですぅ!」

おりょう「しかし……潜入は大変だったぜよ」

左衛門佐「見つかった時は死を覚悟したな」

エルヴィン「うむ。風越の……久保さんと言ったか?彼女は凄まじかったな」

カエサル「見つかった瞬間、言い訳をする前にビンタが飛んできて……これがまた痛かった」

優花里「ええ……罵声につぐ罵声でした……」

麻子「戦車道と違って、麻雀部は偵察を許可してないから怒るのも当然か……もちろんビンタはダメだが」

カエサル「しかし!そこで怒られ、ビンタされたことが功を奏したのだ!」

優花里「はい!ビンタや罵声を浴びせられているやりとりをICレコーダーに録音していることを告げ、私たちを解放しない場合は、しかるべき機関に提出すると言ったところ、なんとか話し合いに持ち込めましたからねぇ!」

千代「イマドキっぽくて怖いくらいよね」フフ

優花里「それを告げた時の久保さんは『リモコン類は腹立つ』と叫んでなおも激高していましたが、その場にいた麻雀部チームの監督を務める、赤土晴絵さんがなんとか久保さんをなだめてくださり九死に一生を得ました」

エルヴィン「その後のグデーリアンの交渉は見事だったな」

左衛門佐「『麻雀部チーム側の練習風景を見学させてもらう代わりに、前回、前々大会に出場した時のうちらのDVDを相手に渡す』というやつだな」

おりょう「どちらか一方が有利になりすぎない、上手い落としどころぜよ」

優花里「私の功績ではありません。元より、島田殿からそのように交渉するように言われておりましたから」

あゆみ「あれ?でも麻雀部の情報を得ることよりも、こっちの試合のDVDを渡す方がマイナスじゃ
ないですか?」

あや「そうだよね!大会の動画はアップされてないって言ってた。なのにDVDあげちゃったら敵に研究されちゃう!」

千代「確かにそう言えなくもないわ。でも、赤土さんなら、あの手この手でDVDを手に入れると思うの。所持している人は数人いますからね。その場合、こちらは相手のデータが無いけれど、向こうはこっちのデータがあるという状態になるわ」

21: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:51:09.16 ID:Veh8rIUF0

麻子「なるほど。どちらにせよDVDは向こうの手元に渡ると考え、それならばこちらから先に交換条件を持ち出してDVDと引き換えに相手の情報を手に入れる権利を得る、というわけか」

千代「その通り」

カエサル「もうすでに戦いは始まっているというわけだ」

沙織「そっかぁ。ゆかりんたちは麻雀部の人たちの練習を見てたから戻ってこなかったんだね」

優花里「ええ。赤土さんはこちらの提案を受け入れてくださいまして、合同練習の見学を許可されましたぁ!」

桂利奈「見学ってことは、撮影はダメだったんですか?」

優花里「うん……フリースタイルバトルに関して我々より後発であるため、撮影までは許可できないと……そのラインはどうしても譲れないと言われました。その代わり、向こうはこちらを偵察しないということです」

左衛門佐「ただその答えは想定済み」

エルヴィン「だからこそ島田監督は私たちを従軍させたのだ」

カエサル「観察眼に優れた我々ならば、かなりの情報を得られるとな!」

おりょう「名采配ここに極まれり、ぜよ」

千代「……偵察部隊のみなさんが、苦労しながらも本番1週間前まで偵察してくれたおかげで、このデータが我々の元に届きました。そして、すでに内容は頭に叩き込んでいると思います」

まほ「対戦相手の情報の有無は勝敗に多大な影響をもたらす……秋山さんとカバさんチームの苦労を無駄にはしないように戦うつもりだ」

優花里「西住まほさんにそこまでおっしゃっていただけるなんてぇ!光栄ですぅ!」

エルヴィン「く……このカリスマ性……」

カエサル「尽くしたくなってしまいそうだ……カエサルともあろう者が……っ」

スタッフ「すみません、そろそろ大会が始まります。1戦目の選手の方、こちらへお願いします」

みほ「わ、もう始まるんだ」

小梅「最初は両チームとも相手が誰かわからない状態だから難しいですね」

千代「……ここは安定感のあるアッサムさんにお願いします」

アッサム「わ、私がトップバッターですか?」

ダージリン「さすがアッサムね。アッサムの『ア』は安定感の『ア』だもの」

オレンジペコ「初めて聞きましたよそれ。でしたら『サ』は何なんですか?」

ダージリン「サムシングよ」

オレンジペコ「……そうですか。あ、話の腰を折ってしまってすみません。続きをお願いします」

ダージリン「ムは聞かないの?」

オレンジペコ「はい。もういいです」

ダージリン「あら残念。ムは誰もが予想だにしない意味だというのに」

オレンジペコ「監督、お願いします」

ダージリン「つれないペコ」ウフフ

千代「アッサムさんはバランスに優れており、対応力があります。ですので先鋒として適任と私は考えます。行ってもらえるかしら?」

アッサム「……は、はい。出来る限り頑張ります」

アッサム(初戦は大事。惨敗して相手を勢いづかせるわけにはいけない)ギュッ..

ケイ「いきなり18人抜きしちゃってもいいわよー?」

アッサム「1人多いです。監督も倒しちゃってますよ」

ケイ「あっはは!間違えちゃったー!」

アッサム「…………ふふっ」クス

アッサム(ケイさんのこの天性の明るさは何なのでしょうか。私の気負いをあっさりと吹き飛ばしてくれた……ダージリンとはまた違ったカリスマ性の持ち主ですね)

アッサム「それでは行ってきます」ザッ

22: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:51:39.13 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

晴絵「初戦の選手だけど、まず相手がどう出るか…」

淡「そんなの私が出るしかないでしょ!」ドドーン!

照「………………」

菫「淡……勝手に決めるんじゃない。こういうのは監督が決めるものだ」

淡「えー!いいじゃないですかぁ!ね?監督♪」ニコー

晴絵「………………」

晴絵(ここで止めると彼女自身のモチベーションが下がるのは間違いなさそうね。本当ならもう少し後まで残したい子なんだけど……)

晴絵「そうね。栄えあるトップバッターは大星さんに任せるわ」

淡「やたーーー!栄えあるだってー!聞いた?テルー!」

照「聞いた」

淡「やったーー!聞いてたー!」

晴絵「一番手は責任重大だけど……大星さんなら大丈夫よね?」

淡「ふふん!当然ですっ!」

晴絵「……油断はしないようにね」

淡「しませんよー!だって」チラ

穏乃「?」

淡「前みたいに悔しい思いしたくないからねっ」

穏乃「あ、あはは」

23: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:52:55.07 ID:Veh8rIUF0

◇◇◇◇◇◇このSSにおけるフリースタイルバトルの説明◇◇◇◇◇


バトル中のセリフは全てラップです。実際に声に出してラップも出来るようになってます

バトルは8小節毎で交代のターン制です

1小節とは「いち、にー、さん、しー」の4拍のことです。4拍×8回で8小節になります。8小節でスクラッチが入り、相手とターンが替わります



ちなみに、このSSをまとめサイトで読む場合、スマホの方はPC用のサイトで見ると読みやすいです。スマホ用ページの場合、ページ切り替え時に動画が止まるので(まとめてもらえるかはわかりませんが)。PCではリンク先を別タブで開きながら読んでもらえると、より楽しめると思います


ビートはYoutubeのリンク先の動画です。ラウンド毎にリンクを貼っています

リンク先の動画が削除された場合のため、URLの横に動画の時間を記載してます。もしリンク先が削除されていたら、同じくらいの時間のビート用動画で代用できます

記載してある時間は基本的に『8小節4本の場合』ですので、4本以上ある動画の場合、同じくらいの秒数でもテンポが合わない(早い)のでご注意ください



★バトル時★

みほ「○○○○○○○○○○○○」 この1行で1小節になっています。文字数によって早口だったりゆっくりだったりします。多めのスペースが挟んである場合は、間を意味してます

「」内に♪が入る場合は、サンプリング(引用)。右に曲名・アーティスト名を記載します

みほ「○○○○○○○○○○○○」×8で1バース終了。スクラッチきっかけで、次は相手のバースになります。3ターン(往復)でバトル終了です


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

24: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:53:25.19 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

役人「……さあ!いよいよ始まりの時が近付いてきました!」ワァァァァ!

役人「まさかまさか!こんな大会が実現するとは思いもよりませんでした!」

役人「戦車道チームと麻雀部チームがフリースタイルバトルを行うとは、誰も予想だにしなかったでしょう!それがこれから始まるのです!」

ワァァァァ!

役人「……OK、お客さんは最高に盛り上がってますね!では試合開始前に、少しだけ審査に関する説明をさせてもらいます!」

役人「この大会では審査員5人とお客さんの歓声で勝敗を決するシステムです」

役人「お客さんが支持したら1ポイント獲得。同様に、審査員が支持した人数が多い方に1ポイント入り、2ポイント獲得した選手の勝利になります」

役人「お客さんと審査員の判定が割れ、1対1になった場合、延長戦を行います」

役人「ちなみに審査員による判定は、公正を期すため、お客さんに判定を聞く前に審査を済ませてもらい、歓声や空気によって判定が変わることがないようになっています。このようにしなくても、審査員の方々は正しい判定を下していただけるのですが、わかりやすい形で示すため、このような方法をとらせていただきました」

役人「……以上、審査方法はそういった感じです。では5人の審査員をここで紹介しましょう!」

役人「撃墜率120%を誇るだけではなく、ラップスキルも抜群だとのクチコミが60億来ているとかそうでないとか!蝶野亜美さんです!」ワァァァ

亜美「みなさん!今日は楽しみましょう!イッツファインデイ!」ワァァァ

役人「そして、昔はラッパーKODAMAとして活躍していました、『ハゲの極み着物』こと戦車道連盟理事長、児玉さん!」ワァァァ!

理事長「よ、よろしくお願いします」ペコリ

役人「さあ、麻雀部側からはこの人!カップラーメン通でドリンク好き、麻雀の実力と指導力は折り紙付き!しかも昔はフリースタイルバトルにも関わっていたといいます!宮守女子顧問、熊倉トシさん!」ワァァァ!

トシ「HIPHOPのライブもカップラーメンも似ているところがあるのさ」

役人「え?それはどういうことでしょう?」

トシ「Say Ho!(製法)が大事ということさ」フッ

役人「……………………」

シーン..

トシ「…………年寄りは静けさに強いのさ。白けて黙り込まれたって何も堪えてないよ。耳が遠くなる準備は出来てる」

役人「い、いえ!みなさん感銘を受けて黙ってしまっただけですよ!はい!つ、次の方を紹介しましょう!」

役人「この方も以前ラッパーとしても活動されていたプロ雀士、『オオぬマシュウ』こと、大沼秋一郎さんです!」ワァァァ

秋一郎「……昔は今ほど麻雀が盛んでは無かった。そのため、麻雀だけではなく多方面での活動を余儀なくされていた時代でね……今の若い人は知らないだろうが、私が関わった様々な仕事の中でも、ラッパーとしてはかなり精力的な活動をしてきた。だからそれなりの耳と目と知識は持っているつもりだ。公正な審査をすると誓おう」ワァァァァ!

役人「ありがとうございます!えー、最後の審査員ですが……この人もプロ雀士です!かつてはラッパー兼トラックメイカー、NANPOO(なんぽー)として活躍されていました、南浦聡さんです!」ワァァァ!

南浦「……よろしく」ペコリ

ワァァァ!

役人「ありがとうございます!以上、5名の審査員とお客さんの歓声によって勝敗が決まりますのでよろしくお願いします!」

ワァァァァ!

25: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:53:57.22 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

塞「大沼プロだけじゃなくて南浦プロもラッパーだったなんて……」

晴絵「あれ、そう?割と知られてると思ってた。南浦プロの家では常にHIPHOPが流れてて、孫娘の名前を『南浦NAS(ナズ)絵』にしようとしてたって話は有名だよ」

塞「……その名前はちょっと……」

白望「両親の猛反対にあって、響きだけ残して『南浦数絵』になったらしい」

豊音「よかったよー」

エイスリン「ナズエノガイイ……」

胡桃「え、エイちゃん?」

塞「って、それより試合試合!」



【ステージ】

役人「……あ、選手たちの準備が出来たようです!みなさんお待たせしました!」

ワァァァ!

役人「それではこれより、フリースタイルMCバトル特別編!戦車道チームVS麻雀部チームを行います!」ワァァァァア!

役人「第1戦の選手!麻雀部チーム AWA-AWA!戦車道チーム アッサム!入場してください!」

淡「ふふふ」ザッ!

アッサム「…………」ザッ!

ワァァァァ!

アッサム(!大星淡……)

淡「へえー、あんたが一番手なんだ。ま、いいか」ブワッ..

アッサム(む……前方から風を受けたように髪の毛が広がって……同時に凄まじいプレッシャーが……!そしてこの人のスタイルの特徴は…)

アッサム(相手に威圧感を与えること。麻雀では相手の手牌を悪くさせ、さらに自分の手牌をかなり整った状態にすること。フリースタイルでもその支配力は健在とのこと。秋山さんたちのデータによると…)


『大星淡と対戦する相手は、実力を発揮しづらい状況になると思われます。ライムのストックが思い出せなかったり、言葉自体が浮かびにくくなるようです。対して大星淡は、2バース分は高い完成度を見せます。おそらく、自身の記憶にある言葉を類まれな集中力で引き出していると推測されます』


アッサム(と、書いてあったわね。相手を弱体化した上で自分は圧倒的リードを得る。麻雀の時と同じようですね……問題は、こちらへの影響がどれほどのモノか……)

淡「17人抜きまで一気に行くからね」ニヤリ

アッサム「……そんなことさせるわけにはいきません」

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

淡「にひひ……当然先攻!」

役人「OK!ではいよいよ始まります!先攻 AWA-AWA!後攻 アッサム!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

26: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:54:26.38 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=HWC0nmxMJiI
2:46

<第1戦 先攻 AWA-AWA VS 後攻 アッサム>

淡「開幕戦から ゲットしちゃう 楽々天下だ」ワァァ!

淡「天高く 舞い上がりライムで 泣く泣く点火」ワァァァ!

淡「策略 なんてないけど 活躍 させないよ」ワァァ!

淡「こうして 立つ前線 私は高校 100年生!」ワァァァァ!

淡「レベル違いすぎるね 天下人と一般人」

淡「弱っちいスキルなのに参加してる 異端児」ワァァ!

淡「自分の喪に服してるのかなぁ? ブラックリボン」ワァ!

淡「私と戦うイコール スクラップ希望」ワァァァ!



アッサム「スクラップ なんてなるわけがない」

アッサム「絶対に勝つつもり だからすぐラップ」ワァ

アッサム「なんかよくわからない感じで天下人」

アッサム「気取っちゃう時点で あなたって変な人」ワァァ!

アッサム「だから……絶対負けないに決まってる」

アッサム「今すぐ引導を渡すべきだというヒント」

アッサム「ピントを合わせるために ビンゴのような韻を」ワァァ

アッサム「繋いでいく…のは辛いけど 真の道を行く」



淡「生き生きと進む その真の道は通行止め」ワァァ!

淡「っつーことで 不幸の手紙でも」ワァァ

淡「貰ったような 不景気な顔 当たり前か~」

淡「もう出番終了で スゲー暇だもん」ワァァァ!

淡「でもラッキーかも 紅茶飲み放題」

淡「参加したこと 1人後悔 してるような状態」ワァァ

淡「私はこのまま進んで 全員抜きでしょ」ワァァ!

淡「これは栄光への メイキングビデオ」ワァァァァ!

27: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:54:53.64 ID:Veh8rIUF0

アッサム「そのメイキングビデオ 主役は 戦車道」ワァ

アッサム「演者を 間違えてる やっぱりあなた 変な子」ワァ

アッサム「紅茶よりも この場は勝利が 主成分」

アッサム「HIPHOPとバトルに言いたい 『ジュテーム』」ワァァァ!

アッサム「暇になるのは AWA-AWAの方になる」

アッサム「慌てて 倒れて あなたは タオル」

アッサム「投げ込まれて 才能開花 させずに手折る」ワァァ!

アッサム「お調子者の転落劇に 思わず 会場沸いた」ワァァァ!



淡「沸いたのは会場 だったら誤解なくしましょ」

淡「それでその勢いで快勝しちゃう」ワァァ

淡「ズバーッと一直線 フワーッと浮上して」

淡「簡単に勝っちゃう AWA-AWAの勝利だよ」ワァァ

淡「そんな感じで 何度も繰り返して勝利する」

淡「その度に強くなって みんなもう無理と言う」ワァ

淡「高校100年生 100年に1人のすっごい子」

淡「負けるとしたら 毒みたいな ずっこいの ぐらい」ワァ



アッサム「毒 つまりディスリスペクト 効くと認めてる」ワァ

アッサム「正攻法で勝てると宣言 自分の首締めてる」

アッサム「言ったもん勝ちの振り逃げですか? 無理ですか?」ワァァ!

アッサム「諦めなさい 敗北認めさせ 次へ繋ぐ」ワァァ

アッサム「100年に1人の才能が ずっこい策で負ける?」ワァァ

アッサム「恍惚な夢 見てるだけと 報告」ワァァ

アッサム「紅茶なら 勝利した時に 飲み込むから」

アッサム「このあとに ゆっくりと いただきます ご馳走様」ワァァ



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

28: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:55:30.07 ID:Veh8rIUF0

淡「ふう……」

アッサム「…………」

アッサム(思った以上に厄介ですね……言葉が浮かばなかった……いえ、それ以上に関係ない言葉が次々浮かんで邪魔してくる……)

アッサム(そのせいで、ビートに対して遅れ気味な合わせ方になってしまった)

役人「では判定に入ります!みなさんいいですか?先攻、AWA-AWAが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、アッサムが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「まずはAWA-AWAに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「AWA-AWA」

理事長「AWA-AWA」

トシ「AWA-AWA」

秋一郎「アッサム」

南浦「AWA-AWA」

役人「勝者、AWA-AWA!」ワァァァ!

アッサム「っ……」

淡「ふふん!とーぜん」エッヘン

29: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:56:09.39 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

菫「淡が勝ったな」

照「うん」

憧「てか反則だよねー、あの支配力。思ったように言葉が浮かばなくなるしさ。私だったらマジバトルしたくないもん」

和「同感です。私も個人的に苦手な相手です。あ、バトルに関しては、ですが」

晴絵「大星さんにはこの調子で頑張ってほしいね。ある程度人数を減らしてもらうと後が楽になるから」

爽「でも相手チームの監督は島田千代さんですよね?早めに手を打ってくるかもしれないですよ?」

揺杏「そうそう。強敵をぶつけてくるとか」

晴絵「それはそれでいいんだよ。仮にそこで大星さんが負けたとしても、厄介な人を早い段階で引きずり出せれば、こっちもやりようがあるからね」

揺杏「はは、さすが名監督っすね」

晴絵「名監督!?もー!そんなことないってー!」アハハハ

灼「浮かれ過ぎ…」

30: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:56:38.04 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

アッサム「……すみません。負けてしまいました」

千代「いえ、仕方ありません。ここから見ていても、AWA-AWAさんの放つプレッシャーはかなりのモノでした」

アッサム「はい……データにあるように、言葉が浮かびづらくなりました。まったくではないのですが、スムーズに引き出せない感じで…」

杏「プレッシャーだけでそんな芸当出来るんかねー?超能力者とかだったりして」

柚子「またそんな冗談を…」

杏「ま、超能力はともかく、そうなるとライミングが得意な子は相性最悪っぽいね。となると一番相性がいいのは……」

まほ「私か」

杏「そだね。でも2人目で西住ちゃんのお姉ちゃんを出すのは上策じゃない。ですよね?」

千代「そうね…………あの、アッサムさん」

アッサム「?はい」

千代「あなたに1番手をお願いしたのは、実力があるのはもちろんだけれど、観察力に優れているからでもあるの。今の試合で、何か気付いた点はなかったかしら?」

アッサム「……そうですね……データにある通り、大星淡は2バース目まではかなり完成度が高いのですが、3バース目で急に失速します。そしてプレッシャーですが、1バース目から3バース目になるにつれ、徐々に弱まっていく感じでした」

アッサム「それともう1つ。彼女の放つプレッシャーですが、強敵や苦手なモノを前にした時の焦り、混乱、緊張感が全身に浮かび上がるようなイメージでした」

アッサム「彼女の持つ威圧感がそれだけ凄まじいのですが、同時にこうも思いました。『脅威ではあるものの、得体の知れない不気味さでは無い』と。私では防げませんでしたが、少なくとも、万人に通用する防御不能なモノとは感じませんでした」

千代「………なるほど。それは有力な情報だわ。ありがとう。アッサムさんに先鋒をお願いして良かったわ」ニコリ

アッサム「いえ……」

千代(アッサムさんのおかげで新たな情報を得られたのは大きいけれど……どうするべきかしら……)

ノンナ「私に行かせてください」

千代「え?」

カチューシャ「ノンナ!?どうしたのよ急に!」

ノンナ「私辺りが適任だと思ったもので」

千代「ノンナさん……」

千代(ノンナさんはその迫力から来る威圧感と、堅実なライムというスタイル。みほさんにも勝っているし、まだ出すのは早い気が………)

千代「ふふ……」

ノンナ「?」

千代(私は馬鹿ね。選抜されたメンバーだもの。誰を選んでも勿体ないと思うのは当然。その中で上手くやりくりをしなければいけないのに……今さら気付くなんて指揮官失格ね)クス

カチューシャ「な、なにを笑ってるのよ?プラウダがちゃんちゃらおかしいってわけ!?」プンスカ

千代「いいえ。ノンナさんが適任だと瞬時に判断できなかった自分のお馬鹿加減に笑ったのです」フフ

千代(威圧感には威圧感で対抗する。それに気付かないなんてね)

カチューシャ「あ、えー……」

ダージリン(あら。監督の自虐にカチューシャが言葉を選んでいるわ。成長したのね)クス

ペパロニ「監督もバカなんすか?私もよく言われるんすよー!バカ同士仲良くしましょう!」

ダージリン「」ピシッ

31: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:57:04.99 ID:Veh8rIUF0

千代「……………………」

ペパロニ「でも意外だったっすよー!監督って賢い人と思ってたっすから!でもバカなら親しみやすいっすー!」

千代「………………………………」

アンチョビ「ば、バカ!ペパロニ!今すぐ監督に『そんなことないですよ』って言え!」

ペパロニ「え?はあ…………じゃあ……そんなことないですよ」

千代「……………………ふ」

ペパロニ「?」

千代「ふふ、安心なさってくださいなペパロニさん。私は何も気にしていないのだから」

ペパロニ「あー、わかる!すぐ忘れちゃうんすよね!だからバカだって怒られるんすよー」アハハ

千代「………………」

アンチョビ「も、もう黙ってろ!か、監督!バトルに集中しましょう!」

千代「………………そうね。ではノンナさん、お願いします」チラ

千代「あら?」

みほ「あ、あの……もうとっくにステージの方に行っちゃいましたけど……」

千代「………………」

ペパロニ「そんなことないですよー」

アンチョビ「あるよ!いないんだから!あとカルパッチョ!気配を消してアンツィオじゃないフリするな!」

カルパッチョ「バレましたか」ウフフ

32: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:57:35.83 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

ノンナ「………………」

淡「ふーん、おねーさんが次の相手なんだ?へぇー」ニヤニヤ

ノンナ「…………ら……る」

淡「え?なあに?聞こえない」

ノンナ「私の前では二度と笑顔になれないくらい叩きのめしてやる、と言ったんです」

淡「っ……!」ビク

ノンナ「ふふ……冗談ですよ」

淡「え」

ノンナ「いいバトルをしましょう」

淡「………………」

淡(なんなの……わけわかんないやつ……!あんただってどうせ私の前じゃ役立たず同然になっちゃうんだから!)ブワッ..

ノンナ「!」

ノンナ(なるほど……凄まじいプレッシャーですね……不愉快な感覚)

役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

ノンナ「……後攻で」

淡「やった、先攻」

役人「OK!それでは先攻、麻雀部チーム AWA-AWA!後攻、戦車道チーム ノンナ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

33: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:58:09.47 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=T5SBY9hzLrU
2:59

<第2戦 先攻 AWA-AWA VS 後攻 ノンナ>

淡「目が合った瞬間に 絶対勝てると思った」

淡「適任がいたんじゃないのかな? 別の子が」ワァァ!

淡「この人 背がおっきいだけの 木偶の坊」ワァァ

淡「マイクで エスコート あの世へ送る デスノート」ワァァァ!

淡「クラクラ朦朧 しちゃいなよ プラウダ高校」ワァァ!

淡「うだうだどうこう 言っても勝てない 無駄無駄どんどん」ワァァ!

淡「こっちはテンション上昇 あんたは顔色が苦悶」ワァ

淡「公文式で勉強する? 教えたげようか敗北って学問」ワァァァ!



ノンナ「今のバースと さっきのバトルの3バース目」

ノンナ「完成度が全然違う 別人が書いたんですか?」ワァ

ノンナ「つまりは 外部発注の ゴーストライター?」

ノンナ「私は自分自身のみ 即興で 勝負のファイター」ワァァァァ!

ノンナ「プラウダの名に泥を塗ることは 一切しない」

ノンナ「バカみたいな わかりやすい 失敗しない」ワァァ!

ノンナ「みんな覚えて帰る AWA-AWA 白糸台」

ノンナ「フリースタイルでは お前の 時代来ない」ワァァァ!



淡「時代来ない? 違うよ 今以上High になって」ワァァ

淡「盛り上がる 適当言ってる この人 勝手放題」ワァァァ!

淡「ゴーストライターなんて 存在が どこにあるの?」

淡「ここにあるのは私のみ そのリアルを 証明する」ワァァ!

淡「あんたはルックスだけのマジで 見かけ倒し」

淡「こんなところ出て来なければ 地元で 威張れたのに」ワアァァ!

淡「私は見た目以上に敵を飲み込む ブラックホール」

淡「ブラックジョーク を真実にしちゃう活動する」ワァァ

34: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:58:37.28 ID:Veh8rIUF0

ノンナ「お前の言葉 そっくりそのまま返す」

ノンナ「こんなところ出て来なければ ネタがバレなかったのに」ワァ

ノンナ「肝心な部分は次のバースで 決まるだろうな」

ノンナ「そう つまりお前が本当に リアルかどうか」ワァァァ!

ノンナ「見かけ倒しに圧倒される 見下げたガキ」

ノンナ「小心者の小者 将来 昇進もNoだ」ワァァァ!

ノンナ「さあいよいよ 3バース目 待ちわびた 種明かし」

ノンナ「ダメじゃない と証明してみろ 出来るなら 上げな価値」ワァァ!



淡「価値はたくさん上げるよ そりゃ頑張って」

淡「だからこんな感じで ガンガンいっぱい手を振って」

淡「テーブルをガツンって叩くくらいの衝撃を与えちゃう」

淡「血とかそういう 痛い感じのあれが また出ちゃう」ワァ

淡「差が出ちゃう この人と私のでっかい実力差とか」

淡「いつも そう普段とか 実際全然違うから 能力差」

淡「そんな風に睨んだって 全然怖くないし ホントだし!」

淡「私は成り上がるもん 絶対 これで勝ち!」



ノンナ「一目瞭然 完成度が まるで別人」

ノンナ「この手詰まり感 代行頼んだのは メルカリか?」ワァァァァ!

ノンナ「落札 した時点で活躍 する権利などない 脱落だ」ワァァア!

ノンナ「お前のことだから 入札の時も汚い 雑な札」ワァァァ!

ノンナ「そんな手段で勝って 夢は成り上がり?」

ノンナ「そう甘くない 提供してくれてありがとう 笑い話」ワァァァ!

ノンナ「そんなザマで どのクチが言うんだ 高校100年生」

ノンナ「つまり90回以上留年してる バカは 隠せんねぇ」ワァァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

淡「っ……!」

ノンナ「…………」

35: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:59:08.70 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、AWA-AWAが勝ったと思う人!」

ワァァ..

役人「……後攻、ノンナが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「まずはノンナに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ノンナ」

理事長「ノンナ」

トシ「ノンナ」

秋一郎「ノンナ」

南浦「ノンナ」

役人「勝者!戦車道チーム、ノンナ!」ワァァァァ!

淡「うぅぅぅ~~!」ワナワナ

ノンナ「………………」

淡「…………あ」

ノンナ「?」

淡「あくしゅ!」バッ!

ノンナ「…………ええ」ガシッ

淡「~~~っ!」ギュウゥゥゥ!

ノンナ(……思いきり強く握ってきた……でもあまり痛くありませんね)

ノンナ(とはいえ、やられっぱなしも癪なので……)ギュゥゥゥ!

淡「痛い痛い痛い!ごめんなさい!もうしません!」

ノンナ「……おあいこです」パッ

淡「うぅぅ~……」ジロリ

ノンナ(涙目で睨まれても……)

淡「ノンナ!」ビシッ

ノンナ「……指差した上に呼び捨てですか」ギロリ

淡「っ!……さん」

ノンナ「よろしい」

淡「次は100回倒す!」

ノンナ「倒す?タメグチですか?」ギロリ

淡「たっ、倒しちゃうんですから!」

ノンナ「よろしい」

淡「うーーー……」

ノンナ「まだなにか?」

淡「うわーん!テルー!この人やだー!」ダダダダダ!

ノンナ(…………やはり少し生意気な子は可愛らしいですね。もちろん、カチューシャの方が遥かに可愛らしいですが)クス

36: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 18:59:37.13 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

淡「ごめんテルー!負けちゃった……」

照「もぐもぐ……美味しい……」モグモグ

淡「あー!ショコランタンに夢中になってる!お菓子より私を慰めてよー!」

菫「このお菓子はかなり美味しいと評判だ。だから淡が軽視されても別に傷付くことないぞ?」

淡「そういう慰め方じゃないんです!テルー!」

照「……バトルは観てた。淡は頑張ってたと思う」

淡「テルー!」パァァア..

照「だから……ショコランタンを食べた」

誠子「だからの意味がわかんないですけど……」

ゆみ「しかし、あの負け方は確かに意外だった。相手が上手かったのは事実だが、大星さんの支配力をどう凌いでいたのか……」

美穂子「相手の方もかなり威圧感のある人でしたから、支配力を相殺したということでしょうか?」

智葉「そうだろうな。麻雀の卓上であれば大星の支配力に対抗する術もないだろうが、このフリースタイルバトルでは麻雀の時ほどの支配力は発揮できなかった……そして相手は、大星の支配を跳ね除けるだけの威圧感、迫力を持っていた。だから初戦ほどの効果が得られなかったと考えるのが妥当だろう」

怜「ここから見ててもめっちゃ怖そやもんなぁあの人」

洋榎「そうか?そない悪い人に見えへんけど」

怜「それが逆に怖いねん」

洋榎「ようわからんなぁ」

久「それより、次は誰が行くのかしら?あの人と相性が良さそうなのは……DVDを見た限りでは、韻を重視したタイプが苦手みたいだけど」

晴絵「うーん……その意見もわかるけど、でもここはオーソドックスで。憧、行ける?」

憧「私?もちろん大丈夫だよ」

晴絵「じゃあ頼んだ」

憧「おっけ。任せて!」

玄「頑張って!憧ちゃん!」

宥「応援してるね」フルフル

灼「普段通りやれば勝てると思…」

穏乃「ゴーゴー!憧ー!」

憧「うんっ!」

37: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:00:16.45 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

カチューシャ「やった!ノンナが勝ったわ!」

千代「見事ね。期待に応えてくれたわ」

麻子「……舞台袖にも届くあのプレッシャーを跳ね除けるとは」

みほ「うん……すごいよね」

ケイ「このまま17人抜きしちゃうんじゃない!?」

アリサ「いえ、あと16人ですから」

ケイ「司会者も倒しちゃうとか!」

アリサ「意味わからないですって」

38: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:00:48.48 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

憧「………………」ジー..

ノンナ「?」

憧(背でかっ!ていうかスタイルいいなー、羨ましい)

役人「それでは第3戦を始めます!」

憧(っと、バトルに集中しなきゃ)

ノンナ(……この子、1年生でしたか。ずいぶん肝が据わっているようですね。舞台上でも堂々としている上、私を前にしても臆することが無い)

役人「第3戦は、ノンナ VS ATARAの試合です。先攻後攻、じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

憧「後攻でーす」

役人「OK!では先攻、戦車道チーム ノンナ!後攻、麻雀部チーム ATARA!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

39: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:01:23.89 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=WPnAvukJ2S8
3:00

<第3戦 先攻 ノンナ VS 後攻 ATARA>

ノンナ「チャラそうなヤツ 楽勝 必ず勝つ」ワァ

ノンナ「勢いに逆らわず からかわずサクッと」ワァァ!

ノンナ「デリートして3人目を 待ちわびる」

ノンナ「ステージ上でも冷静 家、学校 街やビル」ワァァァ!

ノンナ「ずっとブレない そして潰れない 鋼の心臓」

ノンナ「そして踏み続ける ヤベめの韻を」ワァァァ!

ノンナ「こうしてよく見たら ATARA可愛い」

ノンナ「でも仕留めなければいけない だから悲しい」ワァァァ!



憧「ごめん 意味がよくわかんないから 可愛いってとこだけ受け取っとく」

憧「素で褒めればポイント高め 余計なテーマ付け加えるなら ほっとく」ワァァ

憧「ヤバめの韻ってことはヤバそうなだけでヤバくは無い つまり未満」ワァ

憧「自慢か控えめか ハッキリしない 理解したいけど無理みたい」ワァァァ

憧「こうやって早口で語り掛ける ように畳みかける スタイル そして」

憧「反応確かめる 余裕と冷静もあるMCがATARAだから」ワァァァ!

憧「ここで負けて足止めされても 気付かず待ちぼうけ」ワァ

憧「その姿を待ち受け画面にして眺める ヤバイ マジウケる」ワァァ



ノンナ「お喋りな女は嫌われる 一生来ない モテ期」ワァァ

ノンナ「年取るごとに 内容が愚痴になる 当然に」ワァァ!

ノンナ「相当元気 みたいだけど 今だけというオチだ」

ノンナ「もっとどっしりと構えて 少しは 余裕もちな」ワァァァ!

ノンナ「人がただ待ってる姿を待ち受けにする 悪趣味だ」

ノンナ「もっと健全な話題に 食いつきな」ワァァ

ノンナ「というか私を待ち受け画面 つまりは ファンなのか?」

ノンナ「なら仕方ない許そう かましてきなさい あんたの番」ワァァ

40: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:01:50.33 ID:Veh8rIUF0

憧「ファンじゃないけど悪趣味を許されたなら握手しましょ」ワァァ

憧「モテ期とか もう敵に言われても 別にとしか思わない私的に」ワァァ!

憧「少なくともこのステージ上ではカッコいいフリースタイルのショー見せて」

憧「フロウを披露して勝利した方がモテると思うんだけど違う!?」ワァァァァァ!

憧「高3でどっしりとか早すぎ ペンキ塗りたて のベンチに座ったみたい」

憧「演技しすぎじゃね? それって私がやりたいスタイルじゃない」ワアァァ!

憧「年取るごとに愚痴吐く 嫌味な性格になる 事実みたい」

憧「2個上のノンナさん 説教臭い 結構ウザい 絶交したい」ワァァァァ!



ノンナ「いつ私が演技した? 言いがかりで 適当」

ノンナ「こんな敵と 真面目にやりあうのは辟易となる」ワァァ

ノンナ「情報量が多いだけで薄味 中身が無い」

ノンナ「上手く回る舌とクチだけしか 褒める箇所が無い」ワァ

ノンナ「絶交も何も今日が 初めましてのはずだ」

ノンナ「舐めた態度 こめかみ潰しに手伸ばすか」ワァァア!

ノンナ「確かに この勝負は フリースタイルバトルだ」

ノンナ「だが このまま お前は 無事に帰るかどうか!」ワァァア!



憧「『無事に帰れるかどうか』でしょ 韻のために言葉こねくり回す」

憧「全然本心とコネクト出来てない つまらないライムコレクション」ワァァ!

憧「私は舌とクチ褒められたけど ノンナさんはルックスだけ」

憧「情報量が少なくても濃くはない パンチラインも特には無いし」ワアァァ!

憧「脅しみたいなことしても今年 にそれする?ってダサイよ本当に」ワァァ!

憧「フロウ普通だし なんか一応 程度だからアンサー微妙だし」ワァァ!

憧「結局不器用で不必要な言葉 韻のために無秩序」ワァァァ!

憧「もうフリースローのよう 勝負決まったっしょ 次行こう」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

41: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:02:18.00 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ノンナが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「……後攻、ATARAが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはATARAに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ノンナ」

理事長「ATARA」

トシ「ATARA」

秋一郎「ATARA」

南浦「ATARA」

役人「勝者!麻雀部チーム、ATARA~~~~!」ワアァァァ!



【舞台袖 麻雀部側】

穏乃「うおおおお!憧が勝ったーー!かっけーーー!!」

玄「憧ちゃんすごいね?あんなにポンポン言葉が出るんだもん」

灼「同感。やっぱり憧は頭の回転が早い」

淡「ぬぬぬ……私に勝ったあの人にあっさり勝つなんて……ッ!新子憧も100回倒す!」

菫「その調子だと100回倒す人ばかりになるぞ」

照「もぐもぐ……しあわせバター味おいしい……」

42: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:02:46.51 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ノンナ「すみませんカチューシャ。負けてしまいました」

カチューシャ「ノンナは頑張ったわよ。勝負は時の運だもの。しょうがないわ」

ノンナ「……はい」

千代「お疲れ様」

ノンナ「もう1人くらい倒しておきたかったのですが」

千代「いいえ、大星さんを倒してくれただけでもとてもありがたいわ」

千代(実際、ノンナさん以外の子で相性がいいのは、まほさんくらいだろうから)

ミカ「ATARAさんもなかなか出来るようだけれど……次は誰が出るんだい?」ポロロン

千代「……そうね」

千代(ATARAさんは、あれだけの早口でありながらアンサーは的確で細かいライミングも入れてくる。あまり隙の無いオールラウンダーなタイプ……)

ナオミ「……私が行っていいですか?」

千代「ナオミさん?」

ナオミ「勝てる確信があるわけではないんですけどね、ただ戦えそうな気がするので」

ケイ「オッケー!その意気や良し!サンダース魂を見せてやりなさい!」

ナオミ「ああ!」タタッ

千代「あ、え、あの……私はゴーサインを出したわけでは……」

ペパロニ「もう行っちゃったっすよ」

千代「……まあ……彼女で問題は無いけれど。力はありますから」

ケイ「ファイトよナオミー!」



【ステージ】

役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

ナオミ「後攻を選ばせてもらうよ」

憧「ちぇっ」

役人「第4戦!先攻、麻雀部チーム ATARA!後攻、戦車道チーム ナオミ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

43: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:03:18.67 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=jKvbEIFNJqo
3:30

<第4戦 先攻 ATARA VS 後攻 ナオミ>

憧「ノるの難しそうな このビートでも攻略して 超楽にラップ」

憧「パチンコのKYORAKUより 道楽のようなノリで 勝ってナオミ ここで凋落」ワァァア!

憧「今日明日のことじゃなく この一瞬で実寸 等身大でぶつかる」ワァ

憧「負けるかもしんない なんて思わない 勝利オンリー 渾身の言葉」ワァァ!

憧「前のバトルで敵のMIHOに塩送ってた まるで上杉謙信」

憧「スポーツマンシップあるけど負けちゃダメでしょ 私はブレずに前進」ワァアァ!

憧「味方全員をけん引して勝利に導く役目 担ってます」ワァァ!

憧「悲しいかな ナオミさんは その引き立て役になってます」ワァァァ!



ナオミ「人を踏み台にしなきゃいけない その思想は病んでいる」ワァァ

ナオミ「悩んでいる か理由はわからない 私は穏やかに 佇んでいる」ワァァ!

ナオミ「自分のことだけで周りが見えてない 典型例」

ナオミ「喋りまくって相手の話を聞きやしない 0点です」ワァァ!

ナオミ「ノンナも言ってたけど 本当にいい女はあまり 喋らない」

ナオミ「メイクとかおしゃれを頑張ってたとしてもそれじゃ ダメじゃない?」ワァァ!

ナオミ「確かに上杉謙信みたいな行為をしたかもしんない」

ナオミ「でも後悔は無い 武田信玄のように強い信念を持っているからな!」ワァァァ!



憧「いい女論を勝手に展開して進言プラス因縁付けられてる」ワァァ!

憧「近年まれに見る不条理 一瞬呆れてなっちゃった無防備」ワァァ!

憧「そもそもマイク握って立ってる時点で 斬って去ってくような気分で」ワァ!

憧「ぶつかり合いしてる つまり別にモテようとして無いんですけど!?」ワァァァ!

憧「人を病んでいる 悩んでいると 思い悩んでいる人が病んでいる」ワァァ!

憧「なんていうか 不安ていうか ノープランで言うから わけわからない」ワァァ!

憧「ナオミの手には歪んだ物差し もどかしい けど想像は自由」ワァ!

憧「イメトレしてろ 自分の中だけに収めなよ どうかしてる」ワァァ!

44: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:03:50.54 ID:Veh8rIUF0

ナオミ「モテようとしてないのにモテてしまうのが 悩みのタネ」ワァァァ!

ナオミ「それが魅力ってもの お前の意思なんて微々たるモノ 意味を持たねぇ」ワァァア!

ナオミ「人を病んでいる 悩んでいると 思い悩んでいる人が病んでいる」ワァァ!

ナオミ「と思う人は病んでいるし悩んでいる 思い悩んでいる」ワァァァァ!

ナオミ「マイク握って切った張った より声出し切って勝った方がいいだろ?」ワァァ!

ナオミ「しかも去っちまったら勝者のコールさえも聞こえないだろ?」ワァァ

ナオミ「要領を得ないんだよ そんなんじゃ 許容量を超えないんだよ」ワァァァ!

ナオミ「早口上等 バトルは共同作業 このまま行く そんな衝動と願いだよ」ワァァァ!



憧「衝動と願い? 相当のエラい ナルシスト 怒鳴る必要あり」ワァァ!

憧「みんなの憧れ高嶺の花? あっそ 気にしない 情け容赦ない」ワァァ!

憧「あんたはイタイ子 耳が痛いっしょ? 理解出来た? 違いに気付けた?」

憧「どれだけモテてるのか知らないけど 私よりビートにノれてはいないわね!」ワアァァア!

憧「まだ4戦目なのに 声出し切って 燃え尽きて 灰と化す」

憧「切なすぎる 刹那主義 感情が欠落し 散らばる 愛の滓(かす)」ワァァ!

憧「私は相も変わらず 対戦相手を限界まで追い詰める」ワァァ!

憧「敏捷性とメンタル尋常でない 超ヤバイ ATARA!」ワァァ



ナオミ「ATARA、ルックス、滑舌いい かつ絶倫」ワァァァ!

ナオミ「だとしたら理想的かもね 闇夜に女体が輝く月輪」ワアァァ

ナオミ「声出し切ったとしても問題ない コップ1杯の水飲めば」

ナオミ「たちまち復活してキックする バース まるでフェニックス!」ワァァァ!

ナオミ「元気な私は すぐさま開くよ ATARAのキレイなチューリップ!」

ナオミ「享楽と快楽を挨拶代わりに決め込む 中心部!」ワァァァ!

ナオミ「チューニングを合わせるように 徐々に調整し 声で肯定を想定し」

ナオミ「フィナーレまで一気に走破 ドーパミン 分泌 止まらない冒険心」ワァァァ!



終了ーーーーーー!!!

ワァァァ!

45: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:04:18.13 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ATARAが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「……後攻、ナオミが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはナオミに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ナオミ」

理事長「ATARA」

トシ「ATARA」

秋一郎「ナオミ」

南浦「ナオミ」

役人「勝者!戦車道チーム、ナオミ~~~~~!」ワアァァァ!

憧「マジかぁー……」ガクッ

ナオミ「…………」ホッ

46: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:04:47.35 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ケイ「勝った!ナオミがやってくれたわ!」

千代「3バース目はATARAさんの1バース目のパチンコのKYORAKUを拾って、かつ下ネタ(享楽、チューリップ)に絡めつつライミング……リズムキープも上手で抑揚が効いてるフロウは安定していたわ」

アンチョビ「それにしても……まだ4回だけだが、勝って負けての繰り返しだなぁ」

杏「しゃーないっしょ。勝ち抜き方式で、オーダーはその場で決められるんだから、後出しじゃんけんみたいなもんだよ。相性とか見て、勝てそうな子をステージに送るんだしさ」

オレンジペコ「でもこのまま交互に勝ち負けが続いてしまうと、最初に勝った麻雀部チームの勝利になってしまいますね。どこかで2人抜きしなければ……」

杏「そだねぇ……ま、その辺りは島田監督に任せりゃいんじゃないかな」

千代「…………」

千代(イマドキの子に期待されているわね……その期待にジャストミートさせなければならないわ)



【舞台袖 麻雀部側】

憧「負けたー……超ショックなんだけど」

穏乃「お疲れ憧!カッコよかったよ!」

憧「ありがと…………あー、でも今のは勝ちたかった~」

晴絵「僅差だったね」

憧「…………だけど負けたのは納得できちゃうのが悔しい。あの人、結構強いよ。ハルエ、誰を当てるの?」

晴絵「そうね……ナオミさんはアンサーが上手いから…………園城寺さん、いける?」

怜「私ですか?」

晴絵「うん」

怜「もちろん行けます」

竜華「と、怜!ステージの上はあっついあっついかもしれへん!念のため、うちも一緒に出て、膝枕したままフリースタイルしよか?」

怜「嫌や。そんなんアホみたいやん。気持ちだけ受け取っとくわ」

竜華「怜……」

怜「……いや、そんな顔せんといてって。無理はせえへんから」

晴絵「園城寺さん、体調悪くなったら司会の人に言って途中棄権するんだよ?絶対無理しないようにね」

怜「ありがとうございます。ほな、行ってきます」ザッ..

竜華「怜……」

セーラ「平気やって。過保護やなぁ、竜華は。怜なら大丈夫や」

竜華「……うん、そう信じてる。でも心配なのは怜の体調のことだけやないねん」

セーラ「?他に心配することあんの?」

竜華「怜がディスられたら……うち、ステージに駆け込んで相手の頭カチ割ってまうかも……」

セーラ「こわっ!」

セーラ(怜を見守るよりも竜華を見張っとった方がええな、うん)

47: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:05:26.19 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

怜「………………」

ナオミ「………………」

ナオミ(園城寺怜さん。可愛いって以外の情報は特に無い。秋山さんのデータでは、合同練習時のバトルも平凡で『メンバーの選考外になると思われる』とあった)

ナオミ(その園城寺さんが出てくるということは、何かしら理由があるはず。心してかからないとね)

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

怜「後攻で」

ナオミ「?」

役人「あの……じゃんけんをしてからお願いします」

怜「こら迂闊……申し訳ない」

ジャンケンポン

怜「後攻で」

ナオミ「………………」

ナオミ(なんだろうか今のは……?まるで勝つことがわかっていたような……大洗の会長のような強運の持ち主……ではない気がするけど)

役人「OK!先攻、戦車道チーム ナオミ!後攻、麻雀部チーム Toki!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

48: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:05:53.69 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=pr6z6nUmHF4
2:43

<第5戦 先攻 ナオミ VS 後攻 Toki>

ナオミ「華奢でキュートな カワイコちゃん」

ナオミ「キツめのディスやめようかな 可哀想じゃん?」ワァァ!

ナオミ「およそHIPHOPとは 縁が無さそう」

ナオミ「友達とかが誘う ままここにやって来たのかも」ワァ

ナオミ「けど 私は容赦をしない」

ナオミ「紅茶飲みたい アッサムと同様 優勝したい」ワァァ!

ナオミ「躊躇もしない 急所を見たい」ワァァ!

ナオミ「…下品すぎたね でもこれも私らしいみたい」ワァァ!



怜「急所を見たい? ずっと見えてるやん ほらアゴ」ワァァァ!

怜「縁が無さそう その通り メンバーが誘う から参加」ワァァァ!

怜「可哀想とか言うといて 容赦せえへんて…」

怜「支離滅裂な人間ほど 超ヤベーねんで?」ワァァァ!

怜「確かに私はゴリゴリのHIPHOP通やないわ」

怜「けど負けるのは懲り懲りやから 語尾をきちんと踏んで」

怜「ラクロスのゴーリーより 堅い守備とゴリ押しで勝つ」ワァァァア!

怜「下品なんは見た目でわかるけど 一言ソーリーって言えや」ワアァァ!



ナオミ「OH……思ったよりキツイ言葉吐くんだね」

ナオミ「性格ってやつは人間の芯の とこから来んだぜ」ワァァア!

ナオミ「私は下品 Tokiは 性格が悪い」

ナオミ「たりないふたりだ 男なら マジナイスガイ」ワァァァ

ナオミ「でも女同士 こんなノリ で戦っていこうよ」

ナオミ「だけど私に勝つなんてのは 無駄な抵抗よ」ワァァァ!

ナオミ「正攻法 それとも奇襲戦法なんでもいい」

ナオミ「受けて立つからガンガン 立ち向かって来い」ワァァ!

49: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:06:37.76 ID:Veh8rIUF0

怜「1勝しただけでチャンピオン気取り? 寒いわ」

怜「ライラライラライラライラライか?」ワァァァ!

怜「同情出来ん トぶなら せめて合法的にしとき」ワァァ!

怜「将来 中学12年生 になってまうっちゅう危険性 あるで」ワァァァァ!

怜「けどまぁ みんなちがって、みんないい」ワァァ!

怜「わけやから 韻無しだって、めっちゃいいし」ワァァァ!

怜「こうやって CreepyNuts の フリ生かす」ワァァァ!

怜「爆ぜろ! 言われても知らん グラビティはゼロ」ワァァ!



ナオミ「グラビティはゼロ それじゃダメでしょ」ワァ

ナオミ「肩の荷 背中に仲間の気持ち 乗せてこう」ワァァ

ナオミ「別に思ってないよ チャンピオンとはさ」

ナオミ「ただ即興の発想で戦う Not 暗記王」ワァァ

ナオミ「というか忘れない チャレンジャー気質」

ナオミ「目標設定 達成するために カレンダーに印す」ワァァァ!

ナオミ「混ぜんな危険 そこらの適当なヤツと」ワァァ

ナオミ「真剣に人生を生きる こんなラスト」ワァァ!



怜「そんなとんがらずも ええやん ホンマ熱そう」ワァァァ!

怜「平熱でええねん 例年通りやれば 勝てんねん」ワァァ!

怜「『肩の荷』って言うてもうてる 仲間の想いは重荷なん?」ワァァ

怜「即興やから 芯から来てる言葉なんやろなぁ」ワァァァ!

怜「真剣に人生を生きる? あんたフェニックスやろ?」ワァァァ!

怜「不死鳥やのに そんなん言うて ホンマ適当なヤツ」ワァァァ!

怜「メチャクチャなコントラスト ええんか?そんなラスト」ワァァ!

怜「でもええか どんなヤツも みんなちがって、みんないいんやから」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!!」

ワァァァァ!

50: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:07:06.86 ID:Veh8rIUF0

役人「では早速判定に入ります!先攻、ナオミが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、Tokiが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「まずはTokiに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「Toki」

理事長「Toki」

トシ「ナオミ」

秋一郎「Toki」

南浦「Toki」

役人「勝者!麻雀部チーム、Toki~~~~~!!!」

ワァァァァ!

怜「」フー..

ナオミ「………………」

ナオミ(参ったな……)

51: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:07:38.78 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ナオミ「ただいま」

ケイ「おかえり!残念だったわね~!」

ナオミ「正直、完敗だよ。彼女、かなり強いね」

千代「ええ。声量が少し足りてないけれど、フロウのリズムが気持ち良い上に、アンサーがかなり的確ね」

杏「ナオミの『たりないふたり』から即座にCreepyNutsのたりないふたりの収録曲を含めつつライミングとかかなり高難度だよね」

愛里寿「向こうのチームのエースと言われても納得できるレベル」

みほ「うん。でもそれだと序盤に出すのはどういう狙いなんだろうって話になるけど……」

優花里「病弱で体力が無い、というのが関係しているのでしょうか?」

みほ「あ、なるほど。待ち時間で緊張して体調を崩すのを避けるため、とか?うーん……」

まほ「彼女がエースかどうかはさておき、誰が彼女に当たるべきか、そして対策を練った方がいいだろう」

麻子「……あくまで予測に過ぎないが、あの人の強さの秘密がわかったような気がする」

まほ「何?」

沙織「というかさっきから何を見てたの?」

麻子「全国高校生麻雀大会の牌譜だ。秋山さんたちの偵察によって、大星淡が麻雀の時と同様に相手を弱体化させるとわかった。つまり麻雀とバトルスタイルは一致するという仮説が成り立つ。だから一応参加校の全員分の牌譜を事前に用意してもらっていただろう?」

沙織「うん。麻子と角谷先輩と監督以外誰も見てないけどね…」

みほ「……う、麻雀わかんないから……」

麻子「それは構わない。誰かが見ればいいからな。で、私は麻雀部の偵察データにある、秋山さんたちが予想した『出場するであろう選手』の牌譜は一通りチェックしていたんだが、Tokiさんは不出場だろうとされていたから見ていなかった」

華「それで今見ていたのですね」

麻子「ああ。Tokiさんの強さには麻雀が関係しているかもしれないと思ってな。すると…」

千代「その時、特派員が見たモノとは?」

麻子「え?」

千代「…………あ………………なんでもないわ。どうぞ」

麻子「……はい」

千代(イマドキの子が『投稿!特ホウ王国』を知るはずもない……私としたことが……)

麻子「……気付いたのは、この人はまるで未来を予知しているかのような打ち方をしていたこと」

千代「な、なんだってーーー!!?」

麻子「………………」

千代「…………こほん。続けて」

麻子「……次にどの牌が来るのかがわかっているような……相手が何を切るのかを知っているとしか思えない打ち方が記録されている。そこから考えると…」

華「大会本部の人と黒い繋がりが…」

麻子「いや、それは無いと思う」

華「あら」

麻子「……未来予知が出来るのではないか、という話だ」

みほ「ま、まさかそんな……」

52: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:08:06.12 ID:Veh8rIUF0

麻子「あくまで一巡先、らしいがな」

ミカ「一巡先?来世までわかるのかな?」ポロロン

麻子「麻雀で言う1周のことだ。ちなみに、牌譜以外にネットで調べた結果、三尋木というプロ雀士が解説で『一巡先を見る者』と全国放送で言っている」

みほ「うわ、バラされちゃったんだ……」

優花里「秘匿情報を第三者が漏らすなんてぇ!非道ですぅ!」

ナオミ「……なるほど。麻雀での才能はフリースタイルバトルでも応用出来るとすれば、一巡先を見るというのはつまり……」

アリサ「1バース先……つまり相手が何を言うか事前にわかるってことでしょうね」

ケイ「ンー……相手が何言うかわかってればアンサーは返しやすいわね。どのタイミングでわかるのか知らないけど、相手のバースを聞かなくてもわかるなら、相手の番の時に、次に何言おうか考えられる」

エリカ「何よそれ!不公平だわ!」

小梅「でも、相手のバースって30秒あるかないかくらいだし…」

カチューシャ「充分よ!普通ならラップ聴きながらしゅしゃせんたくとかしなきゃいけないんだから!」

ミッコ「でもこれって、対処しようがないんじゃ?」

愛里寿「……総合力で叩き潰すか、矛盾を生まないようにして付け込む隙を与えないようにする……ぐらい?」

ダージリン「ふふふ……みなさんお悩みのようね」

まほ「ダージリン……何かいい策があるのか?」

ダージリン「いえ?ただ現状を言葉に出してみただけ」

まほ「………………そうか」

千代「………………」

千代(冷泉さんの予測が正しければ、Tokiさんを倒すにはスキルで上回りつつ、彼女に負けないレベルのアンサーを返す必要がある。あるいはバイブスで押し込むか)

千代(または、彼女と同じくアンサーが得意で、若干捻くれた性格の子……)チラ

アリサ「…………」

オレンジペコ「…………」

千代「…………アリサさん、行けるかしら?」

アリサ「え、私ですか?」

千代「ええ。あなたなら勝てると私は思うのだけど」

アリサ「は、はい!期待に応えられるよう頑張ります!」

ケイ「ワオ!サンダースが2連続!次が私なら大当たりね!」

アリサ「大当たりの意味がわかりませんよ」

千代「…………」

千代(アリサさんは意外とライミングも上手……勝機はあるはずよ)

53: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:08:37.52 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

怜「…………」

アリサ「…………」

アリサ(この人、体力無いのよね?だったらここで色々アクシデントを装って時間を稼いで、長時間照明を浴びさせれば消耗させられるかも……)

アリサ(って、それはさすがに卑怯よね。監督もそんなつもりで私を選んだわけじゃないし。たまには素直に期待に応えるわ!)

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

怜「後攻」

アリサ「…………」

アリサ(もしかして、じゃんけんでも相手が何を出すか予知出来てるわけ?いや、そんな非科学的なことあるわけ……)

役人「OK!先攻、戦車道チーム アリサ!後攻、麻雀部チーム Toki!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

54: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:09:05.40 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=naMH64YmShw
2:57

<第6戦 先攻 アリサ VS 後攻 Toki>

アリサ「儚げな表情 似合いそう 麦わら帽子」

アリサ「でもステージ映えせず お払い箱 次からもういい」ワァァ!

アリサ「まず あんたは全っ然 声出てない」

アリサ「それでバトル勝とうだなんて おめでてーなあ!」ワァァ!

アリサ「ジャンケン勝って後攻 2連続のパイセン」

アリサ「そんなんじゃ 絶対になれやしないわね マイメン」ワァ!

アリサ「というか そもそもなんか気に入らない 関西弁」ワァァ!

アリサ「新喜劇みたいに 笑わせてみなさいよ 団体芸」ワァァ!



怜「え、私芸人ちゃうねんけど? 誰と間違うてんの?」ワァァ!

怜「関西人イコール芸人 古い価値観もうええよ」ワァァ!

怜「パイセンらしせなアカン? ならあんたも 敬語使いぃな」ワァァ!

怜「声出てへんねん とか 偏見とか めんどくさい~わ」ワァァァ!

怜「マイメンなりたない 私の採点じゃ あんた30点や」

怜「おめでてーあんたより ナオミの方を愛でてぇわ」ワァァァ!

怜「新喜劇的よりも韻奇跡なほど重ねたり」ワァァ

怜「重ねへんかったり 変化あったり……かったりぃ」ワァァァ!



アリサ「かったるいんだったら 今すぐ帰りなさいよ!」ワァ

アリサ「韻を重ねるかどうかも悩むなら 帰りは迷子!」ワァァ!

アリサ「あんたの偏見も相当ね 私の点数が30点?」

アリサ「50はあるでしょう? ディスるための採点と勘ぐってる」ワァァァ!

アリサ「声が出てないって言ったらスネる」

アリサ「イタいガキと同レベル つまり 互角です」ワァ!

アリサ「きっと甘やかされて育った 産湯は 水素水とか?」ワァ!

アリサ「常識知らずな内容を 不意のツイートだ」ワァァァ!

55: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:09:47.79 ID:Veh8rIUF0

怜「不意のツイート? ちゅうか敬語の話 無理そう不履行」ワァァァ!

怜「己で決め付けて重ねんなや 罪と罪を」ワァァァ!

怜「水素水とか迷子とか知らんやろ いつ確認 したんや?」

怜「ツイッターってスマホやろ? ほなら使うわ 地図アプリ」ワァァァァ!

怜「かったりぃのはお前の相手や 適当になんや誤魔化す」ワァ!

怜「こんなんやで?『お前が嘘つくたび増えるで そばかす』」ワァァァ!

怜「なんでもありで声デカイ方が勝つとか おもんないわ」ワァァ!

怜「内容とかアンサーとかそういうとこ汲み取って 慮(おもんぱか)りな」ワァァァァ!



アリサ「慮りな? あんた何様? 私の 顧問か何か?」ワァァァァ!

アリサ「さすがパイセン 権力あるけど発言 ほとんど間違い」ワァァ

アリサ「誤魔化してんのは あんたでしょ めんどいで全部 片付けてる」

アリサ「正面から向き合わないで 斜に構えて やっぱスネてる」ワァ!

アリサ「ズレてる感覚 気付いてない そんなタイプ」

アリサ「あんたの面白いってのが世間では全く おもんない」ワァ!

アリサ「だからここで門前払い 縁が無い って話」ワァ

アリサ「私は結果出して 残して 飛び出して 上り詰める!」



怜「最後『上り詰める!』って大声しか手が無かったやんな?」ワァァ

怜「ごめんな? 別に追いつめる!…つもりなかってんけどな」ワァァァ!

怜「私はパイセンやけど 悲しいくらいに 権力あれへんよ?」

怜「っちゅうか権力なくても勝てるし 全力出せへんよ?」ワァァァァ!

怜「後半、言うこと無くなってもうて もはや 消化試合」ワァ

怜「もう勝ちたい 気持ち無かってんやろ? 無理やもんな お立ち台」ワァァァ!

怜「けど最後まで戦ったから 一応、称賛 送るで?」

怜「全部踏まえた上での採点 再計算 60点」ワァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァァ!

アリサ「っ…………」

怜「…はぁぁ………しんど」

56: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:10:17.84 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、アリサが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、Tokiが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはTokiに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「Toki」

理事長「Toki」

トシ「Toki」

秋一郎「Toki」

南浦「Toki」

役人「勝者!麻雀部チーム、Toki~~~~~!!!」

ワァァァァ!

57: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:10:54.53 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

竜華「怜……大丈夫やろか?」

セーラ「団体練習ん時は偵察がおったから力は使わへんかってんやろ?限界はどんくらいなん?」

竜華「夜に部屋で試した時は5試合分くらいは全然平気言うてたけど……」

セーラ「本番なったら消耗は激しいやろうな……怜のやつ、2バース先とか視てへんやろな」

竜華「あ、それは無理や言うてたで。視ることは出来るらしいねんけど、麻雀の場合はどの牌を切るかと鳴くか鳴かへんくらいの選択肢やけど、フリースタイルバトルの場合は怜の言葉によって内容がガラッと変わってまうらしいわ。せやから1バース先以外意味ないって」

セーラ「なるほどな……」

竜華「危ない思ったらすぐに力使うのやめるよう言うてあるけど……もし無理して倒れそうなったらうちがすぐに飛び出して止める!」

穏乃「…………」

穏乃(前に怜さんが倒れそうになった時に助けるところを見たことがあるけど、竜華さんの瞬発力はすごい。山育ちとして負けられない!)メラメラ

憧「?なんでしずが張り切ってるの?」

灼「さあ」

58: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:11:22.38 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

アリサ「すみません……ダメでした……」

ケイ「ドンマイ!アリサは頑張ったわよ!ナイスファイト!」

アリサ「でも正直……Tokiさんの言葉通り、言うことが無くなってしまって……上手い具合に返せなかったです。それと、じゃんけんで何を出すのかも予知されてるかもしれません」

杏「それじゃ絶対じゃんけん勝てないじゃん。うっわ、ずりー」

柚子「会長が言いますか……」

杏「もう会長じゃないよん?」

柚子「わ、わかってますけど……ついクセで」

千代「……やはり先読みは相当厄介ね。それに調子が上がってきたのか、さっきの試合よりフロウが鋭くなっていたわ」

カルパッチョ「ノリやすいビートだったというのもあるでしょうけどね」

愛里寿「お母様。次負けてしまうと3人抜きになってしまいます。これ以上は…」

千代「わかっているわ」

沙織「だ、誰が次に行くんですか?みぽりんなら勝てるかも!」

みほ「ど、どうだろう?何を言うかバレてる人相手に勝つ自信は無いなぁ…」

千代「………………」

スタッフ「次の選手、そろそろ準備をお願いします」

アンチョビ「監督……」

ケイ「決まらないなら私が行こっか?」

千代「……いえ、もう決まっています」

ペパロニ「誰っすか?ドゥーチェっすか?」

千代「違うわ」

ペパロニ「ドゥーチェじゃダメみたいっす」

アンチョビ「ダメとは言ってないだろ!傷付くからやめろ!」

千代「…………あなたに託すわ」

千代「ロサ・カリーナさん」

桂利奈「えっ?わ、私ですかぁ!?」

千代「ええ。今の状況から考えて、ロサ・カリーナさんがベストだと私は思うわ」

桂利奈「で、でも……」

スタッフ「すみません、そろそろ……」

千代「自信を持って。あなたらしさを見せつけるのよ」ニコリ

桂利奈「わ、わかりました……!」

梓「頑張って!」

優季「絶対勝てるよ~♪」

あや「ファイト!」

紗希「………………」

あゆみ「紗希も応援するって言ってるよ!」

桂利奈「あ、あいーーーー!頑張る!行ってきます!」タタッ!

59: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:11:55.45 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

役人「さあ、Tokiさんが2人抜きを達成しましたが、次の試合はどうなるでしょうか?」

怜「…………」

桂利奈「…………」ドキドキ

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

怜「後攻」

桂利奈(!やっぱり未来がわかるの!?そんな人に勝てるわけ……)

桂利奈(…………ううん、監督は『自信を持ってあなたらしく』って言った。だったら私は言われた通り頑張る!)

役人「OK!では始めます!先攻、戦車道チーム ロサ・カリーナ!後攻、麻雀部チーム Toki!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

60: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:12:39.22 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=P0mDuaDdIWc
2:33

<第7戦 先攻 ロサ・カリーナ VS 後攻 Toki>

桂利奈「ジャンケン強い アンサー上手い Toki」

桂利奈「まるで未来予知 ジョジョのトト神」ワァ!

桂利奈「オインゴボインゴブラザーズ」ワァ

桂利奈「ペース乱すため Tokiの ブラ触る」ワァァ!

桂利奈「それは冗談 ちゃんとオーラを持って」

桂利奈「挑む 勝ち負けは コインの裏表」ワァァ!

桂利奈「逆にTokiに使う 北斗有情拳」ワアァ!

桂利奈「この人 言葉キツイけど 朴訥(ぼくとつ)そうです」ワァァァァ!



怜「ほくとうじょうけん? 知らんわ 有頂天」

怜「なっとるお前はアホ 私は凄腕」ワァァァ!

怜「ロサ・カリーナ 全然あれへんオーラ」

怜「このバトルも 私の連勝や」ワァァァ!

怜「ブラ触る より ぶら下がる のがお似合いや」ワァ!

怜「チンパンジー お前に感じひん シンパシー」ワァァ!

怜「審査員 も同じや せやから 連勝確定」ワァァ!

怜「ちゅうかブラ触って汚したら 弁償さすで?」ワァァァ!



桂利奈「関西弁って踏みやすそう 便利やなぁ」

桂利奈「元気が無い 帰ったら? 千里山」ワァァァ!

桂利奈「足りない声量 陰気くさくなる」ワァ

桂利奈「だから派手にかます 筋肉バスター!」ワァァァァ!

桂利奈「クール気取ってたら いつか散る」

桂利奈「というか今散る 私の熱さ キルラキル」ワァァ

桂利奈「チンパンジー? 確かに うるさい野人 かも」

桂利奈「でも実は どんどん強くなってゆくサイヤ人」ワァァァァ!

61: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:13:24.59 ID:Veh8rIUF0

怜「なんやアホくさい キルラキルってなんやねん」

怜「知らんことペラペラ なんの話してんねん」

怜「天然なんか? このサイヤ人」

怜「思いっきりぶつけたろか? この際、野次」ワァァァ!

怜「お前こそ熱すぎて 陽気くさくなる」

怜「汗だくでダルい 正直ウザくなる」ワァァ

怜「いつか散る より私は 5日Chillする」ワアァァ!

怜「うるさいアホは いつか朽ちるわ」ワァァァ



桂利奈「盛り上げまくる アホの出番だ」

桂利奈「めちゃくちゃ身軽な 早乙女乱馬!」ワァァァ!

桂利奈「2分の1 以上 気分を必死 に高める」ワァァ!

桂利奈「戦車道・アニメ・ラップが 自分の道!」ワァァァァァ!

桂利奈「最後まで カマすかワンバース」

桂利奈「色んな声のパターン あしゅら男爵!」ワァァ!

桂利奈「みたいに 喜怒哀楽を表現」

桂利奈「上限無しに ラップに籠めてTokiに勝つよ!」ワァァァ!



怜「……っ………………そう、勝つんかい」

怜「ならもっと ガツンと来んかい」ワァ

怜「早乙女とか誰か知らんけど 何が言いたいねん」

怜「エアコンきつくて寒なってきた 霧ヶ峰?」ワァァ

怜「お前 声デカイだけのパターンにハマるクチ」

怜「気合いだけ叫んどけっちゅうねん アニマル浜口」ワァァア!

怜「ちんまいお前の上限は 私の肩口や」ワァ!

怜「下がる気は 無い 通用せえへんで このアホが……」



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

怜「はぁ……はぁ……」

桂利奈「………………」

62: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:14:11.91 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ロサ・カリーナが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「……後攻、Tokiが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「まずはロサ・カリーナに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ロサ・カリーナ」

理事長「ロサ・カリーナ」

トシ「ロサ・カリーナ」

秋一郎「ロサ・カリーナ」

南浦「Toki」

役人「勝者!麻雀部チーム、ロサ・カリーナ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

桂利奈「や、やった……っ!」

怜「……しゃあないか……」ハァ..



【舞台袖 戦車道側】

沙織「や、やった!桂利奈ちゃんが勝ったよ!」

みほ「すごい!」

千代「ええ」ホッ

アンチョビ「なるほどなぁ。例え1バース先が視えたとしても、アニメ知識が無ければ上手くアンサー出来ないというわけか!向こうからすれば相性が悪い相手だったんだな!」

まほ「アンサーに自信があるだけに、真正面から受け止めてしまったな。知らない話なら突っぱねるという戦い方もあるが」

ミカ「私は3バース目の入りで黙ってしまったのが気になったね」

まほ「そうだな。さらに言うなら、この試合では相性以上に調子を崩していたように見えたが……」

63: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:15:04.41 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

怜「ただいま~……」

竜華「怜!」ダキッ!

怜「大げさやって……ちょっと疲れただけや」

竜華「…………ホンマ?」ジッ

怜「……ホンマや。無理はせんかったからな。今の試合、相手の2バース目を視たくらいでかなり体がしんどなっとってん。せやから最後はもう1バース先を視いひんかった。それでも疲れが出てもうて一瞬ボーッとしてもうたけど…」

竜華「ほな……」

怜「限界を超えるような無茶はしてへん。せやから倒れたりせえへんよ」

竜華「……うん。けど少し休もな?膝枕する」

怜「ん……」

洋榎「しっかし、結構やるやないか。あのロサ・カリーナっちゅうの」

怜「せやな。アニメとか全然わからんし……万全の状態でも負けとったかもな」

セーラ「そうか?疲れてへんかったら上手いこと誤魔化して勝ってたんちゃうかって俺は思うけどな」

怜「ま、終わったことを言うてもしゃあないて。それより、次は誰が行くん?」

晴絵「………弘世さん、行ける?」

菫「はい。準備は常に出来ています」

怜「……なるほどな、適任やわ」フッ

晴絵「じゃあお願いね」

菫「はい。じゃあ行ってくる…」チラ

照「ひってらっひゃい」モグモグ

淡「どぞー……」

菫「照……パイの実を無策で食べるんじゃない。床にこぼれまくっているだろう」

照「それがパイの実の宿命」

菫「罪を被せるな。お前がだらしないだけだろう…………まあ、いい。行ってくる」クス

64: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:15:34.21 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

千代「弘世 菫……」

エリカ「麻雀では1人を狙い打ちにするのが得意なんでしたっけ」

オレンジペコ「1対1のフリースタイルバトルではそれがどう生きるのでしょう?」

ダージリン「ふふっ……ふふふふ」

優花里「おおっ!?ダージリンさん、その笑み、何かに気付い…」

オレンジペコ「秋山さん。そこまでにしてください」

優花里「な、なんですか?」

オレンジペコ「ダージリン様は笑っただけです。意味ありげに笑い、存在感を押し出しつつも何も語らないという処世術です。深く追求するのは野暮ですよ?」

優花里「や、野暮なのですか……な、なるほど」

ダージリン「……ペコ」

オレンジペコ「はい」

アッサム(今のはさすがに少し失礼だわ。お灸をすえるのかしら?)

ダージリン「……ありがとう」ニッコリ

アッサム(お礼!?やっぱり何も知らずに笑っただけ!?)

65: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:16:05.78 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

菫「………………」

桂利奈「………………」

桂利奈(スラッとしててクールっぽくてキレーなお姉さんだぁ……ハマーン様みたい)

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

菫「……後攻願います」

役人「OK!先攻、戦車道チーム ロサ・カリーナ!後攻、麻雀部チーム HERO-Se(ヒロセ)!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

66: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:16:33.69 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=bvnTetFGWBo
2:45

<第8戦 先攻 ロサ・カリーナ VS 後攻 HERO-Se>

桂利奈「キレイなおねーさん ロングスカート」

桂利奈「素で『なんでだ?』 スケ番刑事(デカ)?」ワァァァ!

桂利奈「こっち気楽にやる 両津勘吉」

桂利奈「即興 一発 ノープラン維持」ワァァァ!

桂利奈「じっと見つめてるね 熱い視線」

桂利奈「もっと力を抜いて 楽にして?」ワァァ

桂利奈「2人抜きで大騒ぎ 戦犯探そう」

桂利奈「ずっと先まで進む 戦艦ヤマト」ワァァァ!



菫「スケ番刑事ではない その証拠に」

菫「私はヨー、ヨー(YO!YO!)使わない 言わない」ワァァァ!

菫「ノープラン? どこが? ほぼアニメネタ」ワァ

菫「舞台袖で聞いてた みんな 呆れてた」ワァァァ!

菫「アニメ関係の韻以外は 平凡未満」

菫「1勝で終わるんだ お前の 生存期間」ワァァァァ!

菫「さあ どう返す? ロサ・カリーナ」

菫「どうせアニメネタしか無いんだろうがな」ワァァ



桂利奈「そんなことない 普通に 戦える」

桂利奈「というか なんでアニメが 叩かれる?」ワァァ

桂利奈「あとずっと見てくるのなんなの? 威圧感」

桂利奈「別に怖くないし 逃げないよ 地下深く」ワァ

桂利奈「セントラルドグマなんて行かない ここでやる」

桂利奈「圧力を突破して 速攻制圧」ワァァ

桂利奈「目つき鋭いけど名前が変 HERO-Se(ヒロセ)?」

桂利奈「1個も無いじゃん ヒーロー性」ワァァァ!

67: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:17:03.06 ID:Veh8rIUF0

菫「アニメ用語の方か? セントラルドグマ」

菫「やはり使ったな 遠慮なく即座に」ワァァァァ!

菫「今のバース、平凡で普通で凡庸」ワァァ

菫「魅力あるのは お前じゃなくてアニメの方だ」ワァァ

菫「知ってるキャラや 作品名だから盛り上がってる」ワァァ

菫「ネタは上がってる もっとスキルを見せてくれ」ワァァ

菫「ヒーロー性は これから手にしていく」

菫「現在進行形 矢を放つ ロサ・カリーナの心臓へ」ワァァァ!



桂利奈「矢とか言ってる それジョジョに出てくる」

桂利奈「自分もアニメの話 しちゃってるじゃん」ワァ!

桂利奈「人のこと言えないで 落ちちゃう 落とし穴」

桂利奈「もう出れない 這い上がる手段 そこには無い」ワァァ

桂利奈「そっちこそ 睨むしか出来てない ダメなMC」

桂利奈「スキル全然無いこと だってバレるし」ワァァ

桂利奈「私の方が小さいけど 格上」

桂利奈「見た目以上にスキルあるし絶対に かっけー!」ワァ!



菫「いや、お前には度胸が欠けてる だから」ワアァ!

菫「視線だけで崩れる ザコの成れの果て」ワァァァ!

菫「矢がアニメの話とか 憐れで悲しい」ワァ

菫「だったら度胸もアニメか? 人間のキャラには大体ある」ワァァ!

菫「結局 最後のバースも 体勢立て直せず」

菫「指で軽く押したら おそらく倒れる」ワァ

菫「慌てて逃げる まさに 両津勘吉」

菫「でももう遅い すでに 総スカン気味」ワァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

桂利奈「っ……」

菫「………………」

68: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:17:29.99 ID:Veh8rIUF0

役人「判定に入ります!先攻、ロサ・カリーナが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、HERO-Seが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはHERO-Seに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「HERO-Se」

理事長「ロサ・カリーナ」

トシ「HERO-Se」

秋一郎「HERO-Se」

南浦「HERO-Se」

役人「勝者!麻雀部チーム、HERO-Se~~~~~!!!」ワァァァァ!

菫「」フゥ

桂利奈「うぅ……」ガックリ

69: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:18:20.18 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

桂利奈「……ごめんなさい……ダメでした……」ショボン

沙織「ううん、園城寺さんに勝っただけでもすごいよ!ね?」

華「もちろんです。なんかボーッと見ちゃいました」

沙織「褒め方!もっといい感じにしようよ!」

華「夢中だったという意味なのですが……」

みほ「今のバトル、HERO-Seさんは完全に阪口さんの突かれたくないところを狙い打ちにした感じでしたね」

オレンジペコ「はい。アニメネタはロサ・カリーナさんの大きな武器ですが、今みたいに封じられてしまうと戦い方の幅が狭くなってしまいますね」

アッサム「相手の弱点を見抜く才能に恵まれているのでしょうね……」

みほ「ここから観た限りでは、阪口さんのバースで、視線や体を動かしたりして、少しずつ相手に威圧感を与えていっている印象を受けました」

エリカ「何よそれ!反則じゃないの!?」

まほ「いや、あからさまな妨害行為でも無ければ問題はない」

エリカ「まほ先輩が言うならそうなのよ!わかった!?」

みほ「…………はい」

千代(みほさんの言う通り。今の試合では、ロサ・カリーナさんをずっと見つめることで相手を焦らせ、さらに表情やリアクションで相手のペースを乱し、自分の思惑通りにアニメネタを使いづらい空気だと思わせた)

千代(次から次へと個性的で厄介な子たちが出てくるわね)フッ

ペパロニ「監督ぁー!どうするんすかぁ!?次は誰っすか?」

千代「そうね。もう決まっているわ…………カルパッチョさん」

カルパッチョ「はい」

麻子「む。もうカルパッチョが出るのか」

桂利奈「カルパッチョさぁん!カタキをとってください……」

カルパッチョ「うん、任せて」ナデナデ

アンチョビ「カルパッチョなら大丈夫だと思うが、油断するなよ?」

カルパッチョ「はい。行ってきます」ザッ

愛里寿「………………」

愛里寿(彼女の武器はライム。とても強力な武器)

愛里寿(……でも、だからこそ)

愛里寿(その武器を奪われたら………ううん、悪いことを考えるのはよそう。ただ応援する、それでいい)

70: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:18:48.85 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

菫「…………」

カルパッチョ「…………」

役人「さあ!第9戦です!先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

カルパッチョ「先攻で」

菫(!ほう……あえて先攻を選ぶか)

役人「OK!先攻、戦車道チーム カルパッチョ!後攻、麻雀部チーム HERO-Se!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

71: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:19:16.68 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=sT_szUarrNc
3:57

<第9戦 先攻 カルパッチョ VS 後攻 HERO-Se>

カルパッチョ「HERO-Se 学校にあるらしい ファンクラブ」

カルパッチョ「でも私の ダンスやる ような華麗な格闘技 まるで パンクラス」ワァァァ!

カルパッチョ「まず常人 より 虜に 持ち込み 勝つ競技」ワァァァ!

カルパッチョ「ようやく同志 集まったから 躍動し 放つ この場での 主役押韻」ワァァァ!

カルパッチョ「弱小チーム どころか白糸台 でも持ってない 王者のメンタル」ワァァァ!

カルパッチョ「相手の得意技 越す力 持つ韻なら 私 強打を連発」ワァァァ!

カルパッチョ「敵の弱体化なんて 迫害は せずに 勝つライマー が繋いだ」ワァァァ!

カルパッチョ「アンサー待つ間 じっと見ているよ 視線 鋭さ ジャックナイフだ」ワァァァァ!



菫「ライムライムライム しつこい 胃もたれしそうな 嫌な思想だ」ワァァ!

菫「ピュアな理想かもしれないが 満足してるのは お前だけのようだ」ワァァ!

菫「弱体化 狙ってない 勝手に自滅してる それをただ見てる」ワァァ!

菫「これこそむしろ王者だろう? 吐いた言葉に 効果があろう となかろうと待つ」ワァァァ!

菫「本当の強打なら 一撃で仕留めるはずだ 違うならジャブだ」ワァァァ!

菫「異論挟むなら ご自由に 馬鹿の一つ覚えでライムを連呼」ワァァ!

菫「地面を踏むだけでは ずっと定位置 蹴り出すから前に進める」ワァァ!

菫「韻を踏むのみじゃ 成長出来ない 第2ラウンド 目論見 崩れる」ワァァ!



カルパッチョ「目論見 を黒に 即ノリ 飛ぶ鳥 落とすように 灰になるの も」ワァアァ!

カルパッチョ「恐れずに第2ラウンド も全開 支持者 倍にカウント」ワァァァァ!

カルパッチョ「『韻を踏むだけ』 それが出来ないからクレーム 真のクズだね」ワァァァ!

カルパッチョ「踏めないなら努力して 進歩するだけ じゃなきゃ深まらない 親睦すらね」ワァァァァ!

カルパッチョ「成長出来ないのはHERO-Se お客さんシーンとして 黙るのが」

カルパッチョ「浸透して しまうのも当然 HIPHOPシーンとして 見ても 芯通してない」ワァァァァァ!

カルパッチョ「馬鹿の一つ覚えも突き進めば たどり着く 職人芸」ワァァァ!

カルパッチョ「極貧生活 な独身で あろうとライム重ね 幸せに過ごす人生」ワァァァァ!

72: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:19:54.61 ID:Veh8rIUF0

菫「これはバトル 幸せな方が勝ちではない わかるか?」ワァァ!

菫「代わる代わる ズレる言葉 ライム重ねまくりでは 味が変わるな」ワァァ

菫「ぐるぐる回る 堂々巡り 結局何が言いたいのかが不透明」

菫「視点が散る 疑問が満ちる 要点絞れ でないと無得点」ワァァ!

菫「チャンスを重ねるより 目指す成功を得る方が重要だ」

菫「お前はチャンスの数に執着して 目的を忘れている それでは空洞」ワァァ

菫「ライムが浮かばないと無力 くどく踏んだ分 ミスで奈落へ」ワァァ

菫「次のバースは大丈夫か? どこ拾うんだ? ストックか? 頑張ってみろ」



カルパッチョ「最上部だ 狙うのはヒーローだ ストップは 無しなんだって言おう」ワァァァァァ!

カルパッチョ「美味しいところ 全部頂く それに飽き足らず 決して間違わず」ワァァ!

カルパッチョ「エールに応える メールでも踏める セーブせず 即興で全部行ける生物」ワァァァ!

カルパッチョ「もはや芸術 名物 制するゲーム この先も次々 ブレイクスルー」ワァァァ!

カルパッチョ「ライム重視が邪道だろうが そんなもんは 脳が凌駕」ワァァァ!

カルパッチョ「思い付かなければ他で補う フロウやアンサーで担う 等価交換」ワァァァ!

カルパッチョ「ラストバース 向かってくるHERO-Seの 無駄な抵抗、萌える私」

カルパッチョ「だってこっちはライムでチャンスを重ねつつ 成功も得る形」ワァァァァァ!



菫「その成功は幻想 現状を知れ 歓声に 囚われるな」ワァァ

菫「目先の韻に飛び付くだけだ 審査員は目利き そりゃバレるさ」ワァァ

菫「『これだけ踏んだら勝ちだよな』とか時代が違う 自己陶酔はやめろ」

菫「大事な勝敗の境界を 見切れるのが 真の勝負師だ」ワァァァ!

菫「ラストバースでも自分のペース崩さずに 向かい合う」

菫「慢心のまま 満身創痍になる 最悪な結末を贈ろう」

菫「蹴躓(けつまず)いてじゃすまない 石ころではない 巨大な岩石」

菫「カルパッチョ下し 振り返らず 止まらず 歩もう 半世紀」ワァァ



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

73: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:20:25.57 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「……後攻、HERO-Seが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「まずはカルパッチョに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「カルパッチョ」

理事長「HERO-Se」

トシ「カルパッチョ」

秋一郎「カルパッチョ」

南浦「カルパッチョ」

役人「勝者!戦車道チーム、カルパッチョ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

菫(……強いな。ライムに比重が寄り過ぎなスタイルを射抜くつもりだったが……怒濤のライミングで弾き返されてしまったか……)フゥ

74: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:21:06.43 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

咲「カルパッチョさん、相変わらずというか……すごいライミング」

和「……ええ。是非戦ってみたい相手です」チラ

晴絵「選んでほしそうな目されてもねー。次はもう決めてるからさ」

華菜「私だし!」

美穂子「華菜なの?頑張ってね」ニッコリ

華菜「はい!」

晴絵「いや、池田さんじゃないよ?」

華菜「そんなぁ!」

晴絵「まぁまぁ。出たいのはわかるけど落ち着きなって。次に出てもらうのは……白水さん!」

哩「私か」

姫子「部長!」キュン

哩「やっと私の…」

姫子「ぁ……っ//」キュン

哩「出番…」

姫子「んぁ…っ……///」キュン

哩「か」

姫子「はぁんっ……!素敵です部長!」キュンキュン

晴絵「頼むよ。カルパッチョさんを勢いに乗せたくないから」

哩「はい。では行ってくるよ、姫子」

姫子「は、はい!部長の帰りをずっと……ずっとずっと待ってます……///」モジモジ

哩「そげな可愛いかこと言われたら行けんようなるな」ナデナデ

姫子「本当は行ってほしくなかです……///」

晴絵「いや、勝つにしてもそんな長い時間かからないけどね」

憧「やめときなって。あの2人、完全に自分たちの世界に浸っちゃってるから何言っても聞いてないよ」

哩「そげなこつなか」

憧「わぁ!聞こえてた!」

晴絵「聞こえてるなら再確認。難しいかもしれないけど、バトルの時は……」

哩「わかっとう……いや、わかっています。方言はあまり強くならないようにする、ですね?」

晴絵「うん。イントネーションはともかく、お客さんに意味が通じないっていうのは避けたいからね。関西弁はまだテレビとかで馴染みがあるけど…」

ゆみ「TOKONA-Xの名古屋弁はとてもカッコよく聴こえるが……あの声質とカリスマ性あってのものか」

晴絵「白水さん的にはやりにくいと思うけど……」

哩「問題なかです。あ、そや。姫子」

姫子「?はい」

哩「こん試合…――――」

75: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:21:35.11 ID:Veh8rIUF0

智葉「――――………やっと行ってくれたか」

明華「?シローズさんが苦手なのですか」

智葉「いや、そうではない。たださっきから隅っこでコソコソベタベタとイチャついていてな」

明華「それが問題ですか?」

智葉「問題といえば問題だな。どう対応していいかわからん」

明華「何故?」

智葉「何故、と問われると……即答は難しいが……」

竜華「わかるで!」

智葉「っ!清水谷……いつの間に……」

竜華「辻垣内さんもイチャイチャしたいんやろ?」

智葉「は?」

竜華「うちも怜とイチャイチャしたいけど我慢しててん!せやのにあの2人は堂々としとってめっちゃズルい思た!辻垣内さんもおんなじ気持ちやってんな!嬉しいわぁ!」

智葉「……待て。何を勝手に……」

竜華「相手は誰なん?」

明華「……多分私です」

智葉「はああ!?おい、明華……」

竜華「わあ!辻垣内さんも隅におけへんなぁ!」ニコニコ

明華「ふふ」クス

智葉「くっ……私で遊ぶとはいい度胸………ん?」

照「………………」ジー..

智葉「み、宮永!?」

照「………………どうぞ」スッ(ポッキーを差し出す)

智葉「いらん!ポッキーゲームなどするか!」

明華「?しないんですか?」

智葉「しない!というか試合を観ろ!」

竜華「ケンカするほど仲がええんやなぁ♪」ニコニコ

76: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:22:05.82 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

みほ「ライム重視を突かれるのを承知の上で自分のスタイルを貫いた……カルパッチョさんすごい」

沙織「カッコいいよね!」

麻子「沙織よりモテるはずだ」

沙織「やめてよもー!麻子!」

まほ「次の相手は白水哩、か」

エリカ「スタイルはライミング重視派……」

優花里「はい!練習時にかなり決めてました!」

エリカ「カルパッチョにぶつけてくるなんて、ライム勝負で勝つ自信があるわけ?生意気な先輩だわ」

小梅「……白水さんからしたら逸見さんのその言い方の方が生意気だと思う……」ボソッ

エリカ「ん?なんか言った?」

小梅「い、いえ!いいえ!」

千代「……そういえば秋山さんが気になる情報を持ってきてくれてたわね」

優花里「はい!白水さんは鶴田さんとのコンビネーションが強力らしいのです!あ、これは麻雀での話ですが」

まほ「……コンビ打ちというやつか。4人で卓を囲む際、2人でサインを出すなどして有利に勝負を進めるという…」

優花里「いえ、彼女たちの場合は、同卓でなくとも有効なコンビネーションらしいです」

まほ「……同卓ではないコンビネーション?よくわからないな。そのような芸当が可能なのか?」

優花里「そのようです。団体戦の際、白水さん、鶴田さんの順で対局する場合のみ効果を発揮するようですが………あ、ちなみに本人たちの口から聞いたわけではないので確定情報ではありませんけど」

まほ「構わない。説明してくれ」

優花里「了解であります!それでその効果ですが、彼女たちの間には、あるルールを設けることで対局を有利に運べるスキルを共有しているらしいのです!」

まほ「ふむ」

優花里「鍵を握っているのは白水さんらしいのですが、白水さんが配牌……牌が配られた状態のことですね。この時点でいくつの飜数で……あ、飜数というのは役の点数のようなものです。ポーカーで言うワンペアやスリーカードと同じで、難易度が高い役ほど点数が高いわけです…」

優花里「それで、白水さんがその手牌を見て『3飜以上で和了る』などの縛りを付け、達成することで、鶴田さんも同じ局でその倍の飜数で和了れるとかなんとか!」

沙織「局ってなに?」

優花里「東1局、2局といった区切りです。第1試合、第2試合のようなものですね。麻雀の場合、親と子があり、親が和了れば東1局の1本場という具合に東1局が続き、子が和了ると局が進んで東2局になります」

沙織「なるほど」

まほ「…………説明を聞いてギミックはわかったが、何故そのようなことが可能なのかわからないな……」

華「わたくしのお母様がお茶碗1杯のご飯を1分で食べるという縛りをかけて達成すると、わたくしはお茶碗2杯を30秒で食べられる、ということですよ」ニッコリ

まほ「計算的にも色々と違う気もするが……まぁいい。とにかく、今までの相手が麻雀でのスタイルをバトルに反映させていたのは事実。白水哩の場合もその可能性があると考慮すべきなのは間違いないな」

優花里「ええ!ただ、フリースタイルバトルの場合はどう縛りをかけるのでしょうか……?」ウーム

77: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:22:34.38 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

哩「………………」

カルパッチョ「………………」

哩(相手が誰であろうと私らしく……いや、姫子と私の力を合わせて……2人で勝つ!)ギラリ!

役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

哩「!後攻」

哩(よかった……)ホッ

役人「OK!では先攻、戦車道チーム カルパッチョ!後攻、麻雀部チーム 白鶴(はくつる)!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

78: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:23:20.04 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=HKATb1DfwOY
3:31

<第10戦 先攻 カルパッチョ VS 後攻 白鶴>

カルパッチョ「白鶴 脳内をハックする 倒せば 箔付く」ワァァ!

カルパッチョ「隠すつもりない 白昼堂々 搾取 消耗」ワァァァ!

カルパッチョ「新道寺女子 倒す私は 韻脅威の新境地」ワァァァ!

カルパッチョ「19歳の 誕生日には 役目終えてる 九州代表」ワァッァア! 

カルパッチョ「私はレペゼン アンツィオ高校 浴びるよ 賛美を堂々」ワァァァ!

カルパッチョ「賛否も要領 よく 流して 目指すは東 3時の方向」ワァァァ!

カルパッチョ「個人的な趣味 日課はフリークライミング」

カルパッチョ「自分を追い込み鍛える 倒さない リクライニング」ワァァァ!




哩「リクライニング にもたれて 瞑想し深い韻踏む」ワァァァ!

哩「それは大人子供 全員に 効くライミング」ワァァァァ!

哩「白鶴 背負ってる レペゼン 新道寺女子」

哩「緊張しそうに なるが乗り越えれば 心臓に良い」ワァァァ!

哩「全てが試練 麻雀も 戦車道もそう」

哩「修羅場抜けた私たちから 一言 喧嘩上等」ワァァァァ!

哩「カルパッチョ 韻脅威 かもしれないが 深層心理 に語り掛ける」ワァァ

哩「型に嵌める と言うより ライミングに縛られた 形だね」ワァァァ!



カルパッチョ「喧嘩上等? 韻が暴走 テンパろうと 因果応報」ワァァァ!

カルパッチョ「典型的な 口だけ番長 白鶴じゃ 無理だ下手くそ」ワァァァ!

カルパッチョ「限界を 教える ワンランク上の ライムを連打しよう」

カルパッチョ「福岡県代表 恋しくなったでしょう? 明太子」ワァァァ!

カルパッチョ「縛られてる 身構えてる ではなくライムを 身に纏(まと)ってる」ワァァ!

カルパッチョ「差は歴然 麻雀だったら 白鶴は 一気にハコってく」ワアァァ!

カルパッチョ「頑張って『ばってん』とか方言 使わず 戦ってんだって」

カルパッチョ「でも最後に 待ってんのは罰点(バッテン)」ワァァァ!

79: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:23:46.89 ID:Veh8rIUF0

哩「勝手に罰点? 威張ってんなっテンパッてんなっ面罵ってか?」ワァァァァ!

哩「福岡県代表 は冷静に述べる 事件概要」ワァァ!

哩「身に纏ってる そのライム プロップスごと すでに過疎ってる」ワァァ

哩「サドンデス まで行かない ここで敗者の道を 辿ってく」ワァァァ!

哩「先輩と して明太子 メンバーにも 配って 宴会を 開く」ワァァァ!

哩「舐めるな福岡 北部九州 どんなスタイルもすぐ吸収」ワァァァ

哩「カルパッチョ 麻雀ならハコテン 何箱も重ねる」

哩「まるで出前の蕎麦蒸籠(そばせいろ) もう積めないレベル その程度」ワァァ!



カルパッチョ「蕎麦蒸籠(そばせいろ)? ご家庭の みなさんわかるのかな こりゃ迷路」ワァァァ

カルパッチョ「他へ行こう もっと強くなって 目指す 黄金色(こがねいろ)」ワァァァァ!

カルパッチョ「北部九州 がどれほどの 特殊ルール で来ようが」ワァァ

カルパッチョ「自分らしくマイク使う すごくスムーズ に送るルール」ワァァァ!

カルパッチョ「そこから飛翔 自称じゃなく実証 必勝 フィット 引用」ワァァ

カルパッチョ「引出しから 見出したら 連勝 ミイラにならないミイラ取り」ワァァァ!

カルパッチョ「貫く自分のやり方を ライムは バリカタよ」ワァァァ!

カルパッチョ「濃厚なとんこつラーメン 白鶴の方が ホントつまんねー」ワァァァ!



哩「あんたが ポンコツなんで ホントつまんね 大体 本場知らんね」ワァァ

哩「ミイラ取り よりも リーダーのリ の字が大事 仲間背負う覚悟」ワァァ!

哩「引き出しから 飛び出すのは 単なる指示待ちじゃなく 指示出しだ」ワァァ!

哩「満ち足りた 勝利を味わうため このステージに来ました」ワァァァ!

哩「新道寺女子 繋がりは凝固と言えるほどに 相当、強固」ワァァァ!

哩「それと同様 絆に満ちた 麻雀部チームの状況」ワァァ

哩「観客の浮動票 かっさらう 役満級スキルを拡散中」ワァァァ!

哩「約何十年後 も語り継がれる大会になると確信中!」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

カルパッチョ「………………」

カルパッチョ(この人、強い……データではライミングが得意と載っていたけど、ここまでとは…)

80: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:24:46.34 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「……後攻、白鶴が勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはカルパッチョに1ポイント入ります」

カルパッチョ「」ホッ

哩「…………」

役人「では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「カルパッチョ」

理事長「白鶴」

トシ「カルパッチョ」

秋一郎「カルパッチョ」

南浦「白鶴」

役人「3対2!勝者!戦車道チーム、カルパッチョ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

カルパッチョ(良かった……勝てた)

哩(……みんな、すまん……2人抜きを許した……)

81: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:25:24.92 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

豊音「ぅわあー。2人抜きだー。ちょーつよいよー」

塞「うん、強敵だね」

白望「……あれだけ韻踏まれるとダルい……」

エイスリン「……フマナカッタラ?」

白望「ダルい……」

胡桃「結局同じ!」

淡「むー。普段からあんだけ出来るのずっこい」

菫「力を使った状態の淡以上だものな。しかしこのままだと勢いに乗ってさらに勝利を重ねられる可能性があるが……」

照「……うん。でも多分、次に出るのは……」

姫子「私に行かせてください///」ザッ

菫「だろうな」フフ

塞「……というかなんか顔赤くない?熱があるんじゃ」

姫子「そ、そげんことなか!…………です///」

胡桃「でも赤い!」

姫子「そ、れは……さっきまで……///」

塞・胡桃「??」

照「……鶴田さんなら大丈夫」

塞「宮永さん……?」

胡桃「根拠は何!」

照「…………………………大丈夫」

胡桃「適当この人!ちゃんと説明して!」

照「…………………………もぐもぐ」パラパラ..

胡桃「話の途中!ふんわり名人きなこ餅食べないで!それと粉こぼしすぎ!」

姫子「と、とにかく行ってきます!あ、ステージに、という意味ですから!」タタッ

晴絵「……うん、意味を深く聞くのはやめとく。頼むね」

82: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:25:59.58 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

カルパッチョ「………………」

姫子「…………//」ハァ..ハァ..

カルパッチョ(走ってステージまで来たという理由だけとは思えないほど顔が赤く、息切れしていますね……体調不良でしょうか?)

姫子「………………ふー……」


哩『すまん姫子。負けてしもた。後は頼む』


姫子(部長の魂ば私が背負います!絶対勝つ!)ギラリ

カルパッチョ(……体調不良ではなさそうですね。勝負熱、というものかもしれません……油断は禁物。全力で当たります)

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

姫子「この人に後攻をお任せします」

カルパッチョ「……ええと、どういう……」

姫子「あ、その……先攻で//」

役人「OK!先攻、麻雀部チーム 舞姫(まいひめ)!後攻、戦車道チーム カルパッチョ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

83: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:26:29.83 ID:Veh8rIUF0

https://www.youtube.com/watch?v=BPkdRCkjuQI
2:51

<第11戦 先攻 舞姫 VS 後攻 カルパッチョ>

姫子「勝利宣言 私は カルパッチョ倒す舞姫」

姫子「白鶴の傷を 軽々と治すナイチンゲール」ワァァァ!

姫子「その後 カタキ討ち 見せつける 福岡の誇り」

姫子「を旗印に カルパッチョは無残 虚ろな小踊り」ワァァァ!

姫子「パッと見 カッコいい カルパッチョに 楽々勝利」ワァァ!

姫子「集まる同志 と活躍大いに 祝う用意」ワァァァ!

姫子「観客の 期待が変化 舞姫のが凄い 違いませんか?」ワァァ!

姫子「履帯が劣化 未来はねぇんだ 潰す イタリア戦車!」ワァァァァ!



カルパッチョ「履帯が劣化 したりはせんな」ワァァ!

カルパッチョ「常にリストアで 満ち足りた現場」ワァァァ!

カルパッチョ「パッと見 じゃなく フラットに スマートに スパッと韻」ワァァ!

カルパッチョ「落とし込んで そこに本音 詰めてこそ基本です」ワァァァ!

カルパッチョ「その理論で 突き進む ライミング道」ワァァ

カルパッチョ「耐震偽装 的な嘘は無し まい進するよ」ワアァァ!

カルパッチョ「カタキ討ち 明らかに 時代遅れ」

カルパッチョ「胸には罪悪感 だからまともな 未来送れ」ワァァ!



姫子「罪悪感 なら最悪じゃん でもこれは違う 改革案」ワァァ!

姫子「みたいなもの 栄光との間繋ぐ 開花プラン」ワァァァ!

姫子「耐震偽装 より内心希望 するのは 将来人気もん」ワァァァ!

姫子「ライミング異常 あんたじゃ 辿りつけない蜃気楼」ワァァァァ!

姫子「リストア前にリストラ いつも輝く ビーツとライム」ワァァァ!

姫子「あなたに 出来るのは エキストラ」ワァァァ!

姫子「センス& リズム フロウ ライム 全部甘露」ワァァ!

姫子「手数の多さ まるで 千手観音」ワァァァァ!

85: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:26:57.06 ID:Veh8rIUF0

カルパッチョ「主役すぐパクッと食べちゃう エキストラ」

カルパッチョ「主人公チェンジ 脚本家 テキストは 書き直す」ワァァ

カルパッチョ「何がどうする わけでもないけど」

カルパッチョ「リストラされても起業して 上昇して とうとう東証上場」ワァァァァ

カルパッチョ「そんな感じの反骨精神 例え 監獄へ行き」ワァァ

カルパッチョ「真っ暗闇でも 蘇り 書きます ちゃんとすげぇ詞」ワァァァ!

カルパッチョ「いつどこからでも復活出来る 開運状態」

カルパッチョ「もっと踏もう これは楽しい ライム大運動会」ワァァァ



姫子「大運動会 盛り上がる シャイ君もダイブ」ワァァァ!

姫子「する会場の熱気 素敵なほど 毎分増大」ワァァァア!

姫子「客、寝~とる子 無視し 100メートル走」ワァァア!

姫子「ギャングに闘争 とは正反対 楽しい パン食い競争」ワァァァ!

姫子「障害物 乗り越えなきゃ 生涯ブス 崩壊、鬱」ワァァァ!

姫子「状態すぐ 越え 超がいくつ も付くような理屈で」ワァァァァ!

姫子「制覇して一言 『賞状無いと死んでやる』」

姫子「そんな執念に『はいチーズ』表彰台と金メダル」ワァァァァァ!



カルパッチョ「その金メダルには 待ったをかける」

カルパッチョ「発破をかけず とも パッパと勝てる」ワァァァァ!

カルパッチョ「強化さほど無し でも 豪華なフォロワーに」ワァァ

カルパッチョ「支えられ 圧勝する 大玉転がし」ワァァァ

カルパッチョ「騎馬戦 には全開 の火加減 戦略 間違えん」ワァァァ

カルパッチョ「十日後に やっと倒れるようなノリ の棒倒し」ワァァ

カルパッチョ「大運動会 締めくくり ラストはリレー」

カルパッチョ「結局カルパッチョが 勝つのが既定」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

姫子「………………」

カルパッチョ「………………」

86: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:27:39.19 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、舞姫が勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「……後攻、カルパッチョが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

カルパッチョ「っ!」

役人「まずは舞姫に1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「カルパッチョ」

理事長「舞姫」

トシ「舞姫」

秋一郎「舞姫」

南浦「カルパッチョ」

役人「勝者!麻雀部チーム、舞姫~~~~~!!!」

ワァァァァ!

カルパッチョ(っ……ライミング勝負で負けた……悔しい……!)

姫子(部長!私、果てま……じゃなか!勝てました!)グッ!

87: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:28:26.22 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

穏乃「3人抜きを止めた!!うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

憧「しず、うるさい」

哩「……………………」



哩『あ、そや。姫子』

姫子『?はい』

哩『こん試合……相手は強敵カルパッチョ。リザベーションば使わなければ勝てん。5文字の縛りばかけるつもりだ』

姫子『……そう、ですか』

哩『ああ。フリースタイルでのリザベーションは、相手ん使った言葉で何文字以上の韻ば踏むかで縛る……そいで達成すれば、姫子はそん文字数以上の韻ば即座に思い付けるごとなる』

姫子『はい。私の頭ん中にあっけん言葉ん中から浮かび上がってくる、不思議な感じとです』

哩『だから私がえらいたくさんの文字数で縛りば達成すれば、姫子は安定してカルパッチョと同等以上に戦えるだろう』

姫子『でも……5文字だと……1バースで相手ん言葉ば拾っち5文字以上で踏むのを5回しないといけないじゃなかですか。しかもそいば3バース全て、そん条件ば達成せんと失敗になる。厳しいですよ……』

哩『そうだな。ばってん、カルパッチョは韻重視なだけあって、踏みやすい言葉ば使ってくる。相手が西住まほやオレンジペコよりも言葉ば拾いやすか』

姫子『そいはそうですが……』

哩『私もリザベーション達成のために韻ば猛練習した。監督のこん采配、リザベーションだけが目的やない。私がカルパッチョに勝つことも期待しとってくれとう』

姫子『はい……』

哩『やけどもし負けたら……あとは姫子に託すしかない。だからせめて姫子が確実に勝てるよう、無茶させてもらう!』

姫子『部長……///』キュン



哩「……姫子……」

哩(はよ会いたい……よく頑張ったと抱きしめたい。ばってん、まだ試合ば残っちょる……我慢せんとな)

88: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:28:53.92 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

麻子「おい。鶴田姫子があそこまで強いというデータは無いぞ」

優花里「は、はい。私が見学していた限りでは、もっと普通ぐらいの実力でした」

麻子「例によって、麻雀でのスタイルが影響しているのか?まあいい。とにかく、カルパッチョが負けた以上、私がカルパッチョの無念を晴らす」

沙織「ちょ、麻子!やる気があるのはいいけど、出番は監督が決めるんだよ?」

千代「………………」

愛里寿「お母様?どうしましたか?」

千代「……ちょっと気になることがあってね」

華「世界情勢ですか?」

千代「違うわ。いえ、日常的に気にはしているけれど、今この瞬間には気になっていないわ」

愛里寿「では何を?」

華「他に気になることなんてありえるでしょうか……」

沙織「ありえるよ!」

千代「……舞姫さん、試合前はここから観ても凄まじいオーラのような力を感じたわ。でも今はそれが霧散しているの」

華「はて?力を使い果たしてしまったということですか?1試合しかしてませんけど……」

千代「………………」

麻子「……監督。誰が行くんですか」

千代「そうね…………アンチョビさんにお願いするわ」

アンチョビ「わ、私か!?」

ペパロニ「他にアンチョビさんなんていないじゃないっすかー!あ!でも誰かがa.k.aアンチョビって名乗ってるかもしれないっす!誰だ!本物の姐さんはここにいるっすよ!」

アンチョビ「いいから静かにしてろ!」

ペパロニ「了解っす」

89: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:29:20.60 ID:Veh8rIUF0

アンチョビ「……っと、監督。私はやる気があるんだが……今の感じだと私では難しい気がするぞ……タイプ的にケイとかオレンジペコとかの方がいいんじゃないか?」

千代「いえ、アンチョビさんにお願いするわ」

アンチョビ「……わ、わかった。監督がそこまで言うなら……カルパッチョの雪辱を晴らしたい気持ちもあるしな」

麻子「………………」

千代「ごめんなさいね、冷泉さん」

麻子「いや、問題ないです。カルパッチョと似たスタイルの私では同じ轍を踏む可能性があるのも事実…」

千代「そういう理由で決めたわけではないわ」

麻子「?」

千代「これは直感による決断だけれど……でも確信に近いわ。それが次の試合で証明されると思うの」

麻子「…………そう、ですか」

麻子(よくわからんが、この人は島田流家元。その直感には確かな何かがあるのだろう。その何かとは一体……)

アンチョビ「じゃ、じゃあ行ってくる!」

ペパロニ「ファイトっすドゥーチェ!あ、忘れ物ないっすか?」

アンチョビ「ステージに何持ってくんだよ!って、あ……水忘れてた」

ペパロニ「もー!しょうがないドゥーチェっすね。これ水っす」

アンチョビ「ん、ありがとう」テクテク

麻子「………………」

麻子「……少し気負いがあるようだが……」

千代「そうね。今の試合を観て、少し緊張しているのかもしれないわ。自分では勝てないかもしれないとこぼしてもいた」

麻子「それでも監督はあの人がいいと判断したわけですか」

千代「その通り。彼女ならステージに立つまでの短い間に精神を整えて全力を尽くしてくれると思うわ」

90: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:29:47.80 ID:Veh8rIUF0

アンチョビ「う~……あの舞姫ってやつは超強いだろ……カルパッチョに韻で勝つとか……」テクテク

アンチョビ「そんな相手に私が勝てるのか?真っ向勝負を避けるにしても……うーん……」

カルパッチョ「あ、ドゥーチェ……」

アンチョビ「お、カルパッチョ」

カルパッチョ「……負けてしまいました」

アンチョビ「…………うん、見てた」

カルパッチョ「悔しいですね。やっぱり」

アンチョビ「…………そう、だよな」

カルパッチョ「でも良かった」

アンチョビ「え?」

カルパッチョ「ドゥーチェならきっと勝ってくれますから」ニッコリ

アンチョビ「な……なんでそんな言いきれるんだ?私のスキルはカルパッチョに比べて……」

カルパッチョ「そうですね。ラップ自体は私の方が上手いです」

アンチョビ「ぐ…」

カルパッチョ「ですが……」

アンチョビ「?」

カルパッチョ「それでもドゥーチェなら勝ってくれる、と思ってしまうんですよね」

アンチョビ「カルパッチョ……」

カルパッチョ「なんと言っても、私たちのドゥーチェですから」ニコリ

アンチョビ「………………」

アンチョビ「…………ふふ」

アンチョビ「当たり前じゃないか!アンツィオは弱くない!じゃなかった強い!それに私も結構……いや、かなり強い!カルパッチョよりラップが下手でも、なんか知らないけど勝つ!」

カルパッチョ「その通りです」フフ

アンチョビ「カルパッチョの分まで戦ってくるからな!見てろよー!」テクテクテク!

カルパッチョ「はい!」

91: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:30:14.68 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

姫子「………………」

アンチョビ「………………」ザッ!

役人「それでは…」

アンチョビ「私はドゥーチェ・アンチョビ!お前の名前は!?」

姫子「え?鶴田……やなかった。舞姫……」

アンチョビ「そうか!」

姫子(……なして今さら確認?さっきの試合ば観てなかったんちゃろうか?)

役人「え、ええと……先攻後攻を決めてください」

ジャンケンポン

アンチョビ「やった!勝ったぞお!後攻だあ!」

姫子(ばり喜んでる……素直な人)

役人「では始めます!先攻、麻雀部チーム 舞姫!後攻、戦車道チーム アンチョビ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

92: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:30:42.41 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=rKeHvCYChvs
2:48

<第12戦 先攻 舞姫 VS 後攻 アンチョビ>

姫子「お相手はドゥーチェ 総統、首領?」

姫子「どっちでもいい どうせ 相当無能」ワァァ!

姫子「闘争本能 ずっと ばり継続中」

姫子「規模 勢い 増す 広める勢力図」ワァァ!

姫子「続けてのアンツィオに お腹いっぱい」

姫子「アンチョビさん自体に 別に 話無い」ワァァ

姫子「だからもう失態 の前に辞退 してしまいなさい」ワァァ!

姫子「次回 の相手に期待 気持ち向けていきたい」ワァァ!



アンチョビ「おいおい! 大丈夫か!? 勢い落ちまくってるぞぉ!?」ワァァ!

アンチョビ「バトル前に 脅したみたいに思われたらどーする!」ワァァ!

アンチョビ「『ずりー』とか言われちゃうだろ! 私はずっとクリーン!」ワァァ!

アンチョビ「グレーゾーンじゃない オールグリーン でも勝ち方は蹂躙!」ワァァァ!

アンチョビ「これ たまに出ちゃう 戦車乗りの残忍性」

アンチョビ「でもバトルだから許してくれ 堪忍してくれ」ワァァァ!

アンチョビ「調子悪い相手でも 私はちゃんとリスペクト」

アンチョビ「次回の相手のことは知らない 舞姫だけを見てるぞ!」ワァァァァ!



姫子「私もしてるリスペクト だからこそのアドバイス」

姫子「ショック和らげる だって落ち込ませたくなど無い」ワァァ

姫子「箱買いする アイス 患部冷やしてあげたい」

姫子「でもその前に白鶴の傷を 癒してあげたい」ワァァ

姫子「いくら残忍性 があっても 関係ない」

姫子「逐一 チクっちゃう 担任へ そして反省会」ワァァァ!

姫子「バトル前に脅されてはないけど 馴れ馴れしさに」

姫子「ビックリして呆れた ため息プラス『やれやれ』言いたい」ワァァァ

93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:31:20.68 ID:Veh8rIUF0

アンチョビ「あの程度の挨拶で文句言う コミュ障」

アンチョビ「こっちが呆れる ずっと黙ってるのか? 虚無僧 みたいに」ワァァァ!

アンチョビ「昔から言うだろ? 袖すり合うも他生の縁」

アンチョビ「すぐ拒むとかもったいない というかしょうもねー!」ワァァァア!

アンチョビ「舞姫 姫さんなのにチクるなんて陰湿だろ」

アンチョビ「見た目可愛いけど言ってること 低品質だよ」ワァァァア!

アンチョビ「もっかい言うけど さっきから調子落とし過ぎ」ワァァ!

アンチョビ「前のバトルはまぐれだったんだと 全員知るだろう!」ワァァァァ!



姫子「あんたも 見た目 お嬢様みたいなパーマ」

姫子「でも意外だ じゃじゃ馬 性格が地雷だ」ワァァァ

姫子「恋人にいちいち わめき散らしそう」

姫子「容易に想像 最後は逃げられちゃう なんて未来像」ワァァ

姫子「調子落とした? 違う あんたに合わした」

姫子「強い人じゃなきゃ 本気になれないだけ」ワァァァ!

姫子「慣れ合いなんて いらない それもお腹いっぱい」

姫子「アンツィオの連携なんて 叩き返す」ワァァ



アンチョビ「身体細すぎる だからすぐ満腹になる」ワァ

アンチョビ「もっと食べろ ジャンクフード でもいいから」ワァァ

アンチョビ「強い人じゃなきゃダメと来たか へぇー」

アンチョビ「お前これで私に負けたら 赤っ恥だぞ!?」ワァァァァ!

アンチョビ「そもそも先攻がお前なのに 私に合わせるとか変だろ」ワァァ!

アンチョビ「これってあれだよな? 言い訳ってんだろ?」ワァァァ!

アンチョビ「叩き返せないよう潰す ドゥーチェ・アンチョビ」ワァァ

アンチョビ「見せるぞ 勝利への執念、完コピ!」ワァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァ!

94: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:31:48.57 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、舞姫が勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、アンチョビが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

アンチョビ「よぉし!」グッ

役人「まずはアンチョビに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「アンチョビ」

理事長「アンチョビ」

トシ「アンチョビ」

秋一郎「アンチョビ」

南浦「アンチョビ」

役人「勝者!戦車道チーム、アンチョビ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

アンチョビ「勝ったぞぉーーーー!」

姫子「っ……」

姫子(部長……みなさん、すみません……)

95: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:32:24.67 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

みほ「アンチョビさんが勝った!」

ペパロニ「いやー、姐さんは出来る子だと思ってたんすよー!」

オレンジペコ「すごい上から目線ですね……」

アリサ「それにしても舞姫、急激に調子を落としたというか……別人みたいだったわね」

華「双子……!」ハッ!

沙織「なわけないでしょ!ずっとステージにいたじゃん!」

麻子「いや、五十鈴さんの言ってることもあながち的外れではないかもしれない」

沙織「ええ!?どこが!?」

麻子「もしかしたら、彼女は二重人格のようなもので、条件を満たした場合のみ、カルパッチョ戦のような戦い方が出来る、とかな」

沙織「な、なるほど……確かにそれはあり得るかも」

麻子「……いや、冗談なんだが」

沙織「ええっ!?」

麻子「おそらく麻雀での彼女の才能が反映された結果、カルパッチョとのバトルでは実力以上の力を発揮できたが、今のバトルでは普段のままで挑まざるを得なくなった、というようなことだと思う。沙織、人を信用するのはいいが、過ぎると騙されるぞ?」

沙織「だ、騙されないよ!…………多分」

華「わたくしわたくし詐欺などに気を付けてくださいね?」

沙織「それ華が犯人!他にわたくしって言う人あんまり知らない!」

96: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:32:56.13 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

哩「姫子……っ」

哩(リザベーションの効果は1戦のみ。シラフの状態ではきつかか)

晴絵「うーん……お客さんからの支持を保てばいけるかもって思ったんだけど……相手がその辺のアピール上手かったね」

智葉「だが、カルパッチョを倒したのは大きい。韻だけが決め手では無いが、あれだけ踏まれるとやりづらいからな」

淡「ふふん!でも良かった~」

菫「良かった?何がだ?負けてしまったというのに。淡は実は嫌な子なのか?」

淡「ち、違いますよー。新道寺のアレでカルパッチョを倒したことが良かったってことです。だって……」

菫「だって……?」

淡「新道寺のアレを止めるのは私なんですから。私が止めるまで、誰にも破られてほしくない」ギラリ

菫「……なるほどな」

憧「で、ハルエ。今度は誰が行くの?まだこっちがリードしてるけど」

照「私が行っていいですか」スッ

憧「み、宮永照!?……さん」

穏乃「私が……倒すべき相手だ!」

灼「それ、違うと思…」

菫「照?」

照「この辺りで出ておかないと……」

晴絵「……んー、確かに。じゃあお願いするわ」

照「…………」コクリ

菫「あ、待て照」

照「なに」

菫「お前、パイの実とふんわり名人きなこ餅を食べたあと、ルマンドとアイスのザクリッチも食べただろ。床が食べカスだらけだ。掃除してから行け」

照「でも…………………………………………………………」

菫「反論する言葉が浮かんでこない時点でお前に非があるとわかるだろう。今すぐ…」

美穂子「大丈夫です。私が掃除しておきました」ニッコリ

菫「え、今の一瞬でか?」

美穂子「はい。ですから宮永さんはステージに向かってください」ニコニコ

97: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:33:24.11 ID:Veh8rIUF0

照「ありがとう。菫より遥かに優しい福路さん」

菫「お、お前な……私は照が自分で片付けられるように成長を促すために……」

照「行ってくる」ザッ!

菫「……まったく」フゥ

美穂子「ちなみに、鷺森さんのボウリング用のグローブも洗濯しておきました」ニッコリ

灼「え、ありがとうございます…」

灼(気配りが出来てとても優しい人だけど…………なんで今洗濯?というかどこで?)

菫「それにしても………おい淡。照のMCネーム、お前が付けたんだろう?どうなってる。なんなんだ『TELU-Biscuits(テル・ビスケット)』って」

淡「だってテルお菓子好きだし」

菫「いや、そうなんだが……」

淡「あ、ちなみにRじゃなくてLなのは『ラブリー』のLって意味ですよ♪」

菫「……あのな?白糸台内ではともかく、外での照のクールでミステリアスなイメージが…」

淡「本人気に入ってたよ。亦野先輩にステッカーとか作ってもらえないか頼んでた」

菫「あいつは……そういうセンスはアレだからな。周りが気を遣ってやらないと……」ブツブツ..

誠子「私もやめた方がいいと思って答えをはぐらかしました。ステッカーの相談から話を反らして、おもちゃの缶詰に何が入っているか談義へ持ち込んでうやむやにしました」

菫「ナイスだ亦野」

憧「…………インターハイチャンピオン、すごい言われよう。なんかイメージと違うね」

穏乃「うん。その辺を踏まえると、やっぱり私の倒すべき…」

宥「あったか~い」

穏乃「急にカットイン!?」

98: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:33:54.84 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

アンチョビ「………………」

アンチョビ(さあ、誰が出てくる?)ワクワク

照「」ザッ

アンチョビ「!」ゾワッ..

アンチョビ(な、なんだ?この圧倒的なオーラは!西住まほ並じゃないか?)

アンチョビ(……いや、麻雀界では超有名人で実力者だからオーラがあるのは当然。でもそれとバトルは別だ!うん、だから大丈夫!)



【舞台袖 戦車道側】

杏「宮永照か。ほー、このタイミングかぁ」

ケイ「もっと後じゃないのね」

ナオミ「ここからでも迫力が感じられるね。それでいて可愛いんだからたまらないよ。お持ち帰りしたいくらいだ」

ケイ「んー、言えてるわね。ちょっかいかけた時のリアクションが見たい」

アリサ「ちょっと、やめてくださいよ。サンダースが誤解されます」

優花里「大丈夫ですよぅ。みなさん、サンダースはそんな感じだと思ってますから。誤解はありません」

アリサ「それが嫌だっつってんのよ!誤解されてるされてないじゃなくてそのイメージが嫌!」



【ステージ】

役人「それでは、じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

アンチョビ「!後攻だ!」

照「…………」ジー

アンチョビ「い、いいだろ!じゃんけん勝ったんだから!」

役人「OK!先攻、麻雀部チーム TELU・Biscuits(テル・ビスケット)!後攻、戦車道チーム アンチョビ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

99: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:34:29.08 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=HNjpGkwF3qc&t=25s
3:10

<第13戦 先攻 TELU-Biscuits VS 後攻 アンチョビ>

照「舞姫 撃破 調子づいた 敵が 佇む 目の前」

照「夢見る2人抜き 無理 浮かれ過ぎ 絵に描いたような餅」ワァァ!

照「昭和 バブル イケイケ お前から感じる浮かれた空気」ワァァ!

照「自意識の塊 発想 視野 定点カメラのようで 退屈さ」ワァ

照「いくつ数えても足りない能力 希望を背に笑う 凡人」

照「本人は 無自覚 故に 人生で披露してしまう とんち」ワァァ!

照「アンチョビのフリースタイルのフリーは 自由でなくて無料だ」ワァァ!

照「後発組 ようやく到着した時点で 軽く凌駕」ワァァァア!



アンチョビ「喋ってるだけでフロウも無しでいいのか?」

アンチョビ「私は勝つ気満々 意地背負ってる 仲間 全員のな」ワァァ!

アンチョビ「何が言いたいのかわかんない 説明してくれよ」

アンチョビ「それか地面にデッカく描いてほしい クレヨン」ワァ

アンチョビ「白糸台のヤツ 出場しすぎだろ もう3人目」

アンチョビ「こんなんばっか相手にするのか? もう堪忍して」ワァァ!

アンチョビ「TELU-Biscuits(テル・ビスケット) パサパサで バラバラで バカバカしい」ワァァ!

アンチョビ「浅はか こんなヤツ 案内するのは 墓場だ そして鼻高々」ワァァァ!



照「さっきも使った堪忍 自分をカンニング 摩耗 ダメージ」

照「ボキャブラリーの蔵書 棚1つ 私はノーダメージ」ワァァ!

照「脳が提示 勝利の道筋 扇状 どの道もゴール」ワァァ!

照「迷いはまぶたの裏 目を閉じなければ 不安は生じない」ワァァ!

照「浅はか バラバラ 稚拙な韻 鼻高々でラップ」ワァァアァ!

照「スラップスティック 主演・監督 ドゥーチェ・アンチョビ」ワァァァ!

照「白糸台 三者三様 見抜けてない 節穴 暗黒に 埋没」ワァァ

照「感覚 おざなり 看過 才能無い 幕引き 敗北」ワァァ!

100: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:34:56.79 ID:Veh8rIUF0

アンチョビ「ちゃんと見えてる お前のハッタリっぷりもな!」

アンチョビ「あっさりと倒して すぐに準備するよ 次のな!」ワァァ

アンチョビ「韻もまともに踏めてないくせに 説教は 10年早いわ!」

アンチョビ「お前が出られるってことは参加は 抽選じゃないか?」ワァァ

アンチョビ「言葉数は多いのに 最初からずっと 表情は豊か」

アンチョビ「じゃなかった、全然変わらない だから 頂上は無駄だ」ワァ

アンチョビ「表彰があるから 今日の帰りは 遅くなりそうと」

アンチョビ「仲間に連絡 それじゃまたな 孤独な美少女」ワァァァ!



照「私の瞳を覗き込め 映るお前の姿を見ろ」

照「用意された言葉 はしゃぐ手足 滑稽 処刑」ワァァァ!

照「今のお前の8小節 全てコピーしてもいい」

照「まさに自虐ディス 自爆 私へのエールと案内人」ワァァァ!

照「お前は今夜眠れない 黒い羊 数え 悪夢を見る」ワァァ

照「お前は今夜眠れない 網膜に屈辱が貼りついている」ワァァァ!

照「アンツィオ 2人目 ランクダウン 斜陽 監督は惑う」ワァァ!

照「ここから勝とうとする設計図 不出来なコラージュのよう」ワァァァァ!



アンチョビ「コラージュなわけないだろ むしろノブレス・オブリージュ」

アンチョビ「だからこそ ノーマルな状態で勝利にフォーカス」ワァァ

アンチョビ「8小節コピーするとか言って結局してないぞ 嘘つき!」

アンチョビ「そんな根性無しは 一口で食べてしまうぞ? いいのか!?」

アンチョビ「眠れないわけもない 毎日快眠だし 安眠だ!」ワァ

アンチョビ「確かに肝心な 時に寝過ごしたが それでも最近は無い!」ワァァ!

アンチョビ「いいか? お前こそ今日は眠れないぞ TELU-Biscuits(テル・ビスケット)」

アンチョビ「悔しがるのはそっちだ ここでケリつけるぞ!」ワァァ



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァ!

101: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:35:28.22 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、TELU-Biscuitsが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「……後攻、アンチョビが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「まずはTELU-Biscuitsに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「TELU-Biscuits」

理事長「TELU-Biscuits」

トシ「アンチョビ」

秋一郎「TELU-Biscuits」

南浦「TELU-Biscuits」

役人「勝者!麻雀部チーム、TELU-Biscuits~~~~~!!!」

ワァァァァ!

102: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:35:56.47 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ペパロニ「ああー!姐さんが!」

カルパッチョ「4対1……ですか」

ミカ「なかなか今までいなかったタイプだね」

千代「……ライムは所々に織り込まれていて、フロウでわかりやすくする時もあれば自然に流すような場合もある。とはいえ、ライム自体は量、質ともにそれほどでは無い…」

千代「でも言葉の表現が一味違うわね……ディスも少し捻っていてわかりづらいけれど、明快でないこと自体が彼女のキャラクターとマッチしていて、意味がわからないからお客さんが沸かないという流れにならなかった」

杏「そうっすね。逆にこっちが普通すぎて退屈だと思われちゃうかも。早いとこ止めないと危険かなぁ」

千代「ええ。なので……逸見さん」

エリカ「!は、はい!」

千代「出番です。お願いしますね」

エリカ「わかりました!」

まほ「相手に合わせず、エリカらしく行くんだぞ」

エリカ「は、はい!勝って見せます!」ダッ!

杏(お客さんが宮永照のスタイルに引き込まれる前に、バイブスでガツーンと倒しちゃおうって作戦か。納得)

103: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:36:27.91 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

照「………………」

エリカ(すました顔してるわね……私をナメてるのかしら?絶対勝ってやるわ)ギラリ

役人「先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

エリカ「……先攻!」

エリカ(今の気持ちをぶつけてやる!その上で会場の空気もかっさらう!)

役人「OK!先攻、戦車道チーム エリカ!後攻、麻雀部チーム TELU-Biscuits!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

104: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:37:05.55 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=xI9-Bk0X_lQ
2:52

<第14戦 先攻 エリカ VS 後攻 TELU-Biscuits>

エリカ「1勝おめでとう TELU-Biscuits」

エリカ「でも言ってること なんかくどくど しつけーぞ!」ワァァ

エリカ「インハイで活躍 名門の 白糸台」

エリカ「でもこのステージ あんたの幸せ 今以上無い!」ワァァ!

エリカ「冷めた態度で クールぶってる 痛い女!」

エリカ「審査員もお客さんも そんな人間 見たいのか?」ワァァ

エリカ「ここで私が熱くさせる 会場全体」

エリカ「燃やす炎! あんたを焼き尽くす 内容展開」ワァァ!



照「炎上するエリカ 今の時代 叩かれて泣きを見る」ワァァア!

照「その落差 ビフォーアフター 幸不幸を客も見たがってる」ワァァァ!

照「冷静をクール 騒音を熱さ 誤変換の不味さ」

照「ボタンの掛け違い 固定観念の暖簾(のれん)だ」ワァァ

照「他校のあんた 今のワンバース 最後の多幸感」ワァァ!

照「燃えかすになり気付く 360度 いないサポーター」ワァァァ!

照「白糸台 黒森峰 明暗くっきり分かれた 白黒」ワァ

照「めくる時刻表 数分後 開けた視界を進むのみ」ワァァァ!



エリカ「その時刻表は古いのよ! 今すぐ出す改訂版!」ワァ

エリカ「あんたは敗北して 次のダイヤは無くなる 最低だ!」ワァァ

エリカ「多幸感は これから高まっていく そんな野望だ!」ワァァ

エリカ「楽しそうに見えないあんたの方がアホだ!この雑魚が!」ワァ

エリカ「炎上したら巻き込んで 一緒に燃え上がってやる!」

エリカ「熱さに弱いあんたはくたばる それで勝ってやる!」ワァァ

エリカ「炎のように 赤い薔薇の トゲを突き刺す」

エリカ「そんなディスをかまして勝つ それも悔いなく!」ワァァ!

105: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:37:32.82 ID:Veh8rIUF0

照「悔いなくという言葉 『ここで負けても』 と括弧(かっこ)されてる」ワァァ

照「先、越されてると 本能が察知 理性が無視 帰結」ワァァァ!

照「エリカ トゲのみ 華が無い薔薇 それはただの剣山」ワァァァ!

照「研鑽(けんさん) 見えず 怒鳴るだけでは 花言葉すら貰えない」ワァァァ!

照「空 願い 込めて 強がり吐き出したが 徒労」

照「トロフィー は星の彼方 相反する フィロソフィー」ワァ ※哲学、ものの考え方

照「現時点 私は オッズ1.2倍の勝ち馬」

照「称号は金(きん) エリカは鈍色に世界映すシルバー」ワァァァ!



エリカ「シルバー? そんなの知るか!バカ!」ワアァァ!

エリカ「てめぇのシナリオなんか読んでられねぇよ クソアマ!」ワァァア!

エリカ「悔いなくっつーのは 遺恨残さないためって意味だよ!」

エリカ「そんなこともわかんないなら 今すぐ 死になよ!」ワァァ

エリカ「花言葉 なんていらないから! バカのまま だろうと」

エリカ「あんたをブチのめす それが私のやり方だから!」ワァァ

エリカ「花が無くても トゲを突き刺して与える 致命傷」

エリカ「自明の理ってやつで勝利 ここで上げるわ 知名度!」ワァァァ!



照「キンキンと鼓膜打つ 金切り声 で話聞こえない」ワァァ!

照「ハウリングのモノマネ 不快感を 表現 何故?」ワァァァ!

照「知名度に こびりつく汚名 落とさず浸かる湯船」

照「落とすのは品格 バカを認知 行き先は ただのピンチ」ワァァァ!

照「シナリオ 相手次第 この場合 ワンサイドゲーム」ワァァ!

照「助演に非難集中 閉鎖続く ファンサイト」ワァァァ!

照「自明の理 既成の死 市井の人 変わらぬ日常」ワァァァ!

照「虚しく去る エリカと砂煙 願う 無垢な眠り」ワァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

106: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:38:10.07 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、エリカが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、TELU-Biscuitsが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「まずはTELU-Biscuitsに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「TELU-Biscuits」

理事長「TELU-Biscuits」

トシ「TELU-Biscuits」

秋一郎「TELU-Biscuits」

南浦「TELU-Biscuits」

役人「勝者!麻雀部チーム、TELU-Biscuits~~~~~!!!」

ワァァァァ!

照「…………」

エリカ「くっ!」

107: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:38:47.79 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

千代「2人抜き……」

杏「んー、逸見ちゃん、気合入ってたんだけど……すかされた感じかな?」

まほ「……若干、圧力に押されたようにも見えた」

杏「強いよねぇ。逸見ちゃんのディスに全く動じず、淡々と返してくる」

オレンジペコ「……というか、さっきのバトルより調子良くなってきてませんか?」

ナオミ「言えてるね。相性の問題かな?」

ダージリン「そういえば」

アッサム「どうしました?ダージリン」

ダージリン「宮永さんの麻雀でのスタイルは、連続で和了ることだったわよね?」

みほ「ずっと親を続けちゃうんですよね。周りの人、大変そう……」

華「夕ご飯までに帰してもらえないとなると困りますね」

沙織「夕飯はともかく。え、待って。連続で和了るということは…」

愛里寿「……フリースタイルバトルにその特性が反映されているとしたら、戦うほどに調子を上げてくる」

華「アグレッシブですわね」

麻子「それ、意外と便利な言葉だな。割と色々当てはまる」

沙織「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!ど、どうするの!?次は今よりもっと強くなっちゃうってことだよ!?」

優花里「となると、ここらで止めなければ手の付けようがなくなる可能性がありますぅ」

千代「………………」

桃「か、監督……」

杏(重要な局面だねぃ。冷泉ちゃんのライミングで押すか、バイブス繋がりでカチューシャか、それとも西住まほか…)

カチューシャ「ここはもう私が行くしかないわね!」

ノンナ「カチューシャ。秘密兵器はもう少し後ろに控えるべきですよ?」

カチューシャ「ひ、秘密兵器!じゃあしょうがないわね!」フフン

千代「……決めました」

全員「………………」ゴクリ

千代「…………ケイさん」

ケイ「お、私?」ニヤ

千代「ええ。お願いします」

ケイ「オッケー!3人抜きなんてさせないから!」

杏(おケイ……うん、相手を翻弄しつつもアンサーの上手いおケイならなんとかなるかも)

108: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:39:21.32 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

照「………………」

ケイ「あなた強いわねー!でも負けないわよ~♪」

照「………………」

役人「じゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

照「…………後攻で」

ケイ「えー!?私、先攻なの?後攻が良かったんだけど。ま、いっか」

役人「ではよろしいですか?」

ケイ「オッケー!」

照「………………」コクリ

役人「先攻、戦車道チーム ケイ!後攻、麻雀部チーム TELU-Biscuits!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:39:52.07 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=YJRVbyFMP9I
3:30

<第15戦 先攻 ケイ VS 後攻 TELU-Biscuits>

ケイ「3人抜きなんて ゼッタイゼッタイさせないよ~?」

ケイ「ハテナな言葉ばっか 疑問が晴れないよ」ワァァ

ケイ「お客さん 興味あるのかな この子の 朗読劇」ワァァ!

ケイ「消毒液 かけちゃおうかな? って 冒涜的~!」ワァァァ!

ケイ「もっと声張ってこうよ 若さが足りないよ?」ワァァ

ケイ「根暗っぽく過ごしてる? お肌のハリないよ?」ワァァァ!

ケイ「いつも最高 そう言えるくらいのアゲアゲな気分だわ」

ケイ「あなたもそれぐらいハッピーなら みんなも話 聞くんじゃない?」ワァァア!



照「ハテナばかりなのはケイ 語尾 基本 疑問形」ワァァ!

照「自論展開 演説 低レベル ノリ(糊)で穴を塗り ツギハギ」ワァァ

照「弱者の遠吠え 本音 ふと目を向ける 元気よく三振するケイ(K)」

照「声量 責める傾向 参加する気は皆無 大声コンテスト」ワァァァ!

照「セルフプロデュースの未来地図 客観視で描(えが)くように」ワァァァ!

照「根暗がステージへ それこそ シンデレラストーリー」ワァァァァ!

照「ケイ 若さ 肌のハリ ノリ 手荷物は立派に でも一般人」ワァァ!

照「私の出世街道 見送る 将来 後悔と懐古」ワァァ!



ケイ「出世街道とか意味わからない キミバカじゃない?」ワァァァ!

ケイ「シンデレラ なるのは無理 次々ガックリ てか 韻練れば?」ワァァァァ!

ケイ「声量いるのよ最低限 じゃなきゃ聞こえない全然」ワァァ!

ケイ「依然変なことばっかり 頭良いアピールって嫌い~」ワァァ!

ケイ「私は懐古しない 今を見てます」

ケイ「毎日努力して 少しずつ伸びてます」ワァァ

ケイ「麻雀界では なんかあるっぽく見せてる カリスマ性」

ケイ「でもここで私に食われちゃうんだよ 家畜だね~」ワァァ

110: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:40:20.14 ID:Veh8rIUF0

照「カリスマ性 有無 興味ないが 本質 シンプル」

照「ふと振り向き 画角 変わる 映る 知る 背中を追ってきていた人数」ワァァァァ!

照「努力自慢 まるで インスタ映え 気にする女子」ワァ

照「否定はしないが その自己主張 私にとって 禁句なだけ」ワァァァ!

照「狼を家畜 勘違い 目の劣化 遠回しのアピール」ワァァ!

照「シンメトリーの価値観 反転の 醍醐味も無しだ」ワァ

照「最後にもがき出す 分針の音 時すでに遅し」ワァァ!

照「背後に伸ばした 影 惨敗 狂う イデオロギー」ワァァ!



ケイ「最後に、ってまだワンバース残ってる焦りすぎ」

ケイ「フライング気味 今の状況が辛いんですねキミ」ワァァ

ケイ「私はやらないんだよね インスタグラム」

ケイ「そんなのより私はこの場 韻上手くやる」ワァァァァ!

ケイ「努力を語る気分 だっただけ 別に感じてないからカタルシス」ワァァ

ケイ「自己満足じゃないわ あなたのディスこそ三振 空振りする」ワァァァァ!

ケイ「なんか難しいこと言ってるけど この人 ホントにカッコいい?」ワァァ

ケイ「聴いてて楽しくない ディスも痛くないと思われてる 自覚も無~い!」ワァァァ!



照「ケイ 確かに楽しそう 眩しく思う 優雅と」

照「ただ内容は虚無 闇夜 ポツリと立つ誘蛾灯」ワァァァ!

照「一晩経てば忘れる 暗記すらされない参考書」ワァ

照「目で愛でる 鑑賞用 のみの用途 価値はノミのようと 言える」ワァァァ!

照「ディスの効果報告 副作用 状況 何も言うまいよ」

照「そういうマインド 毎夜 努力、アピール 止めはしない」ワァァ

照「生き方 道のりも 人それぞれ 無駄 効率も隣り合わせ」

照「でもケイのスタイルのこと 好むのは 一定数のマニアだけ」ワァァァ



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

111: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:40:51.79 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ケイが勝ったと思う人!」

ワァァ!

役人「……後攻、TELU-Biscuitsが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはTELU-Biscuitsに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「TELU-Biscuits」

理事長「TELU-Biscuits」

トシ「TELU-Biscuits」

秋一郎「ケイ」

南浦「TELU-Biscuits」

役人「勝者!麻雀部チーム、TELU-Biscuits~~~~~!!!」

ワァァァァ!

照「………………」

ケイ「うーーー……悔しいけど負けたわ!あなた強いわね!」

照「……ありがとう」

ケイ「勝ったんだからもっと喜ばないと!ほらほら、笑って笑って!」

照「……充分喜んでるから、その……大丈夫」

ケイ「えー!すっごい笑顔になってるの見たい!」

照「そう言われても……」

ケイ「あ、試合後の握手忘れてた。はい」スッ

照「ん……」ガシッ

ケイ「…それと」

照「?」

ケイ「健闘を称えるハグ!」ダキッ

照「っ!?」ビクン

ケイ「んー♪ツンケンしてる感じだけど柔らかくて抱き心地がいいわね~」

照「……っ……その……困る……」

ケイ「えー、なんでー?あ、   な気分になっちゃうとか?」

照「ならない。絶対ならない」

ケイ「あっはは!ムキになっちゃって可愛い~♪」

役人「あ、あの……そろそろ次の試合に移りたいのでその辺で……」

ケイ「えー」

照「」ホッ

112: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:41:33.20 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ケイ「ただいま!負けちゃったわ。すっごく悔しいわ!」

アリサ「いや、そのあと相手に抱きついて生き生きとはしゃいでたじゃないですか……」

ケイ「それはそれ」

杏「なんかノリきれない感じだったっぽいけど?ビートがやりにくかった?」

ケイ「それよりもテルと相対して呑まれちゃった、って言うのが正しいかな?」

みほ「呑まれた?ケイさんが、ですか?」

ケイ「そ。テルの淡々としたラップに対抗するように明るく攻めようとしたんだけど、気付いたらテルの土俵に引きずり込まれてて、そこでもがいてたら終わってたようなイメージね」

ナオミ「隊長の長所を潰し、自分の長所を生かすような空気を作り出しているように思えるね」

アッサム「決してバトル向きな派手なスタイルではないけれど、声質や雰囲気、そして彼女の麻雀で培ってきた存在感が説得力とカッコよさをもたらしているような気がします」

ダージリン「一語一句、アッサムと同意見よ。というか、わたくしが先に思ったわ」

オレンジペコ「思っただけじゃ権利は得られませんよ?」

千代「……それと今の試合を観て確信したのだけど、麻雀での彼女のスタイル同様、右肩上がりに調子を上げてきているわね。1戦ごとに強さが増しているわ」

麻子「ライムに関しては顕著だな。『遠吠え 本音 ふと』と『大声コンテスト』であったり、フロウで『(客観)視で描(えが)くように』、『シンデレラストーリー』や、『醍醐味も無しだ』『最後にもがき出す』『背後に伸ばした』と質、量ともに前の試合以上に上乗せしてきている」

愛里寿「このままだと危険……」

千代「……そうね」

エリカ「こうなったら確実に勝つために、まほ先輩が出るしか……」

ポロロン..

優花里「この音は一体!?誰だ!隠れてないで出てこい!」

ミカ「右隣にジャストさ」フフ

優花里「ミカさん!」

沙織「……というかゆかりん、わかってて言ったでしょ」

優花里「えへへ……『隠れてないで出てこい』って言ってみたかったんですよぅ」

華「……優花里さん?年上にタメグチを聞くとムナグラを掴まれてウラミチに連れてかれてシメラレてしまいますよ?」

優花里「はっ!?も、申し訳ありませんでしたミカさん!」ペコペコ!

ミカ「大丈夫。カンテレを持っていると胸倉は掴みにくい。カンテレを落としちゃうからね」ニコリ

優花里「ありがとうございます!」

エリカ「……で?なんで音鳴らしたのよ?まほ先輩の前で音鳴らすとか、ケンカ売ってるわけ?」

まほ「やめろエリカ。わかりやすく感じ悪いぞ」

エリカ「す、すみません!」

まほ「……何か言いたいことがあるのだろう?」

ミカ「…………まぁね」

113: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:42:02.44 ID:Veh8rIUF0

まほ「一体なんだ?」

ミカ「次は私が行く」

まほ「!」

ミカ「……宮永照は強い。これ以上勝たせたら全員負けてしまうかもしれない。だからここで私が出るべきだと思ってね」

カチューシャ「何よあんた。自分なら勝てるって言いたいわけ?」

ミカ「いや、私は負けるだろう」

カチューシャ「え……?」

ミカ「ただ、少しは雰囲気を戦車道側に寄せるつもりさ。彼女のパワーアップ以上に、こちらに流れをもたらす。そうすれば次で勝てるからね」

アンチョビ「そんなことしなくてもいいんじゃないか?負けるとわかっているなら、勝てる人間を出せばいい」

杏「それが落とし穴なんじゃないかな?」

アンチョビ「……なんで」ム

杏「ぶっちゃけさ、逸見さんもおケイも、宮永照に勝てると思ったから送り出したわけっしょ?でも結果は負けた。それは宮永照が戦うほど強くなるからってのもあるけど、それよりも会場の雰囲気や空気を巧みにコントロールしてるからって感じがするんだよね」

アンチョビ「??」

杏「なんて言うのかな、お客さん、審査員、相手選手全てをコントロールして『宮永照が勝つ流れ』を作り上げたって感じ?麻雀みたいな運の要素が強く絡む競技で戦って磨かれた力なんだろうけど……極端に言えば、今は誰が出ても負ける気がする」

アンチョビ「そんなバカな!」

杏「会場の空気を一気に変えるおケイでも本領発揮することが出来なかったのは、そういう空間の中だったからだと思う。だから宮永照の本当の特性ってのはさ、1戦ごとに強くなる以上に、その場を宮永照を頂点とする空間に塗り替えることじゃないかな」

アンチョビ「………………」

杏「で、そんな雰囲気を察したからこそ、負けると確信しつつも、その流れを乱して……いや、思いきり断ち切って、次の選手で勝てるようにと、ミカさんが名乗りを上げてくれたんだと思うよ?って、違ってたらカッコわりーけど」アハハ

ミカ「……ふふ、さすが角谷さんだね。見透かされて気持ちがいいなんて初めてだよ」クス

ミッコ「つまり……初体験!」

アキ「なんでそのワードチョイスで強調するの!?」

優花里「??どこかで聞いたフレーズですねぇ」

ミッコ「麻雀部の研究のために観たテレビでね」

優花里「なるほど」クス

ミカ「……とにかく行ってくる」

ミカ「………………」

ミカ「カチューシャ」

カチューシャ「な、なによ」

ミカ「私が負けた後は頼んだよ」ザッ!

カチューシャ「!あんた……!」

カチューシャ「~~~~っ!」

カチューシャ(何よ!カッコつけて!わかったわよ!あんたがもし負けたら私が宮永照を倒してやるわ!)

千代「………………」

千代(監督の私をほっぽって勝手に決め、そして行ってしまったわね。人選に反論は無いけれど、本来なら監督に一言くらい言わせるのが筋なはず……やはり怖いわね、イマドキの子って)フ..

114: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:42:30.24 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

照「………………」

ミカ「……………」

ミカ(やはり……ステージに立った瞬間、ものすごい圧と違和感を覚える。ここは自分の居場所で無いと勝手に思わされるような)

役人「それでは始めましょう。先攻後攻を決めてください」

ジャンケンポン

ミカ「後攻にするよ」

役人「OK!先攻、麻雀部チーム TELU-Biscuits!後攻、戦車道チーム ミカ!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

115: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:43:01.70 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=ppv-GRImruw
3:00

<第16戦 先攻 TELU-Biscuits VS 後攻 ミカ>

照「フィンランドの楽器持つ 昼行燈(ひるあんどん)」

照「装い 余所余所しい いつ何時 も飄々と行動」ワァァ!

照「一方 戦車道 バトル 見せる ひたむきさ 磨く牙」ワァァ

照「ここで砕く 飛散するカケラ 美観 勝利損なう 悲惨さ」ワァァァ!

照「継続高校 エースも 制御不能の 私は止められない」ワァァァ!

照「と警告 早々と 隷属 願望に気付く時だ」ワァァァ!

照「舞台袖の者たちに告ぐ 準備しろ5人目」ワァァ

照「勝ちに次ぐ勝ち 睨み終わらせる バジリスク」ワァァァ!



ミカ「制御不能な ら 自滅するまで 待つよ」ワァァ!

ミカ「止めない ご勝手に 座っテい~~い?」ワァァァ!

ミカ「い(っ)ぱいこトば ペラペラ と 疲レた~ぁ」ワァァ

ミカ「そゆこと言うためにマイク持つなんて意味がわからないホントわからないよモウ」ワァァァ!

ミカ「バジリ~スク ほん とならリス クある ケど」ワァ

ミカ「違う・あなた・人間・でしょ」ワァァァァ!

ミカ「言葉ババババ 嘘 つき 次 々 と ぉ ~」ワァァ!

ミカ「3人抜きだけホントのことー!」ワァァァァ!



照「ミカは勝利 捨てた うたうたい たゆたい 遊び」

照「過去の功績 帳消し どうせ消える道化師」ワァァァ!

照「壇上 賛同もイマイチ 得られず 落とす肩 ひどく孤独」ワァ

照「感情 置き場 無くし ラップしたことも後悔を呼ぶ」ワァァ!

照「異常なまでに 言葉足らず それを二乗」

照「フロウで逆手に 無駄 見せかけ 奇行 情けない」ワァァ!

照「間の無駄遣い 得るモノが無じゃ辛い」ワアァ!

照「2度目のバース 敗北必至と 教え込む ヒトゲノム」ワァァ!

116: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:43:29.76 ID:Veh8rIUF0

ミカ「コト バた らず でも 楽しくない?」ワァァァ!

ミカ「間がムダとか 音楽~をわかってない!」ワァァァァ!

ミカ「お客さんは ここに何シに来たの?」

ミカ「あなたの講演会 見に来たわけジャナいんだよ~!?」ワァァァァァ!

ミカ「あーだ こーだと全 部を説明」

ミカ「しちゃ 蛇足だ~ 即イヤにな る」ワァァ!

ミカ「あなたは照様 私 は道化師」ワァァ

ミカ「それでもいい みんな楽しませたいぃ~!」ワァァァァァ!



照「全部説明 していない 残してる 想像の余地」

照「言葉の余韻 規定外 ノーマルも提示し パッケージ」ワァァ!

照「内から沸く言葉 飽くことなく 堂々説く」ワァ

照「声 リズム ライム 聞き手が引き出す想像力」ワァァァ!

照「講演会では当然ない ただ1人 表現者がいるだけだ」ワァァァ!

照「道筋と結果で証明 だから 発足する 後援会」ワァァ!

照「フロウで誤魔化すのは恥ずべき行為 わかるか?」

照「今度はうちの舞台袖に告げる 勝者が 座る席、用意 しろ」ワァァァ!



ミカ「♪ラララ ララララ ララ ララ ララ~」

ミカ「これこそ聞き手に与える想像力」ワァァァァァァ!

ミカ「各々(おのおの)の 思う ところの」

ミカ「言葉を浮かべ てくれ りゃいーのーさ」ワァァァ!

ミカ「大事な のは インスピレ~~~ション」ワァァ!

ミカ「直感が 一番 大事 じゃないのか~な?」ワァァァ!

ミカ「こ のフロウは キミのコトバを超える」ワァァァァ!

ミカ「日本語わからなくても 脳がヨロコぶ~!」ワァァァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァァ!

照「………………」

ミカ「………………」

117: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:44:00.23 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、TELU-Biscuitsが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「……後攻、ミカが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

役人「まずはミカに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ミカ」

理事長「TELU-Biscuits」

トシ「ミカ」

秋一郎「TELU-Biscuits」

南浦「ミカ」

役人「勝者!戦車道チーム、ミカ~~~~~!!!」

ワァァァァァァ!

照「………………」

ミカ「ふふっ」

照「……前の大会とスタイルが違う」

ミカ「そうだね。前のやり方では勝てないからね」

照「……策士」

ミカ「褒め言葉かな?」

照「一応」スッ

ミカ「ありがとう」ガシッ

118: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:44:42.82 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

アキ「やったーー!ミカが勝ったーーー!」

ミッコ「すっげーー!!」

カチューシャ「あ、あいつ……!負けるつもりなんか最初っから無かったんだわ!そのくせあんなこと言って……!」ワナワナ..

まほ「ふふっ、彼女らしいではないか」

みほ「練習ではあんなフロウ、一度も見せなかったのに……」

オレンジペコ「奥の手というわけですね」

千代「……むしろあれが彼女の本来のフロウなのかもしれないわね。今までは、フロウとはこういうものであるという先入観に縛られていたけれど、その考えを捨て、自分自身の自然なスタイルを表現したように感じるわ」

アキ「あ、それわかります。今のってすっごくミカっぽいですから!」

千代「それにしても……見事の一言に尽きるわね。宮永照さんの作り上げた流れを変えるほどのフロウ、そして天性のリズム感と音感……底が知れないわ」

ケイ「テルを倒したことで会場の空気もミカがかっさらって味方に付けたみたいだし、このまま勝ち抜いていってほしいわね」ニコニコ

119: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:45:19.38 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

照「ただいま」

淡「おかえりー♪テルー」

誠子「お疲れ様サマです」

菫「あそこまで流れを作った照が負けるとは思わなかった」

照「……バトルの前までは私も勝てると思ったんだけど」

智葉「ヤツのフロウが奇抜すぎた。まともにやるのがバカらしくなるほどにな」

照「うん、まったくもって」

淡「ああー!それ私の『まったくもって』だよ~!」

照「うん、使っちゃった」

淡「あ!でもお揃いだからいっか!」

照「まったくもって」

智葉「やれやれ……試合時の緊張感はどこへやらだな」

120: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:45:47.57 ID:Veh8rIUF0

照「そうだ。菫、お菓子……」

菫「試合前に食べただろう?やめておけ」

照「……本当に心の底から、製造・販売している全てのメーカーに感謝をしている」

菫「だからなんだ」

照「おかし食べたい」

菫「ダメだ」

照「……………………」

菫「……………………」

穏乃「……あ、あの!」

照「?」

穏乃「わ、私……意外と知られてないんですけど、和菓子屋の娘で……」

照「!」

穏乃「宮永さんさえよければ食べますか?これ、どっかの銘菓です」

智美「どこのか判明してないのか」ワハハ

照「ありがとう。いただきます」モグモグ

憧「………………」

照「…………美味しい」

穏乃「よ、よかった」ホッ

照「東鳩さん、ありがとう」

穏乃「ち、違います。高鴨です。鳩と鴨は鳥ですけど…」

照「ジョーク」

穏乃「え?そうだったんですか?あっはは!意外とお茶目なんですね~」

照「まったくもって」

穏乃「あははは」

照「」モグモグ..

穏乃「…………あ、あのっ!」

照「?」

穏乃「……その……このタイミングで言いにくいんですけど……」

照「…………お菓子の代金?」

穏乃「いえ!違います!質問があって……試合後にすぐってのも悪いと思ったんですけど気になって……」

照「別にいい。何?」

穏乃「ありがとうございます!その……宮永さんって、相手のことをすぐわかっちゃうんですよね?」

照「菫が怒りっぽいとか?」

菫「おい」

穏乃「そういうのではなくて……」

菫「鏡のことを言っているんだろう」ヒソ

照「あ……」

121: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:46:23.84 ID:Veh8rIUF0

菫「……ここは上手くはぐらかしておけ。今後、麻雀を打つ時に不利になるような情報は…」

照「うん。鏡でばっちり」

菫「おい照!」

穏乃「鏡?」

照「そう。その鏡でその人を見ると、結構色々なことがわかる仕組み」

穏乃「やっぱり!すごいです宮永さん!」

照「……そうでもない。でも…………追加でお菓子を貰えるくらいの芸ではあるかもしれない」

穏乃「じゃあこれ、東か西の地方の銘菓です」

照「催促したみたいで申し訳ない。いただきます」

穏乃「あ、すみません。話が終わってから渡しますので」

照「………………」

穏乃「う!あの、宮永さんが貰っておいて話さない人だなんて心配してないんです!でも、東京の人ってそういう人多いって聞くので……」

智葉「偏見がひどいな。鹿せんべいが主食の奈良県民はこれだから困る」

灼「それのがひどい偏見だと思…」

智葉「ふっ、戯れだ」

灼(わずらわし…)

照「……じゃあ教えたらお菓子ください」

穏乃「もちろんです!」

照「それで、質問は?」

穏乃「……なんでフリースタイルバトルでは鏡を使わないんですか?使ってたらミカさんの情報が事前にわかったはずですよね?」

照「確かに。でも理由がある」

穏乃「理由?」

照「うん。鏡を使うには、麻雀で言えば1局を見(けん)に回らなければいけない。それはフリースタイルバトルでも同じ。ただ、バトルの場合だと、1バース丸々潰さないと鏡を使えない」

穏乃「あー……なるほど」

照「1バースずっと無言だと絶対負ける」

久「般若の『小節の無駄遣い』をサンプリングしたという風にしても無理がある長さよね」

照「それに、ある事件があってからは鏡を使うのを少し躊躇うようになった」

穏乃「事件!?」

照「」コクリ

穏乃「事件って一体…………」

照「……………………」

穏乃「…………あのー?」

照「鏡について話した。この続きはまた別」

穏乃「あ、お菓子……はい、どうぞ」

122: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:46:50.63 ID:Veh8rIUF0

照「ありがとう。その事件と言うのは……」チラ

哩・姫子「」

穏乃「?白水さんと鶴田さんがどうかしましたか?」

照「……鏡を使った時に見えた光景が忘れられない」

穏乃「どんな光景だったんですか?」

照「…………言いづらい。1つ言えるとすれば、喉が渇きそうなことしてた」

穏乃「???」

照「とにかく、そんな姿を見せつけられてからは、それっぽい人の時には覚悟して鏡を使ってる。これは内緒の話だけど、準決勝で園城寺さんに使った時はちょっと警戒してた。清水谷さんと浪速の感じでアレコレしてる可能性大だったから」

穏乃「浪速?????」

菫「まとめると、フリースタイルバトルでは不向きだったというわけだ。そうだろう?照」

照「うん」

菫「わかってくれたか?わかってくれたよな?もう質問は無いな?」

穏乃「は、はい……色々ありがとうございました」

照「こちらこそ。お菓子、美味しい。またあとで質問してほしいくらい」モグモグ

穏乃「本当ですか?わー、嬉しい。聞きたいこと結構あるんですよ!まだお菓子あるので、また後でお願いします!」

照「うん」モグモグ


玄「ぅわわ……穏乃ちゃん、宮永さん相手に堂々としててすごいなぁ。私、宮永さんの前に立つだけで怖くて震えちゃいそうになるのに」

宥「あんな風に楽しそうにお喋り出来る穏乃ちゃんが羨ましい……」

憧「………………」ム

晴絵「確かにしずは物怖じしないよね。誰とでもすぐ仲良くなれる感じ。宮永照もすんなり心を許してるっぽいし」

憧「………………」ムムム


照「」モグモグ

穏乃「」アハハ


憧「…………こほんっ!」

照「?」

穏乃「?」

憧「あ、ああ~、なんか私お腹減ったなぁ~」チラ

穏乃「?」

憧「我慢できないから、何か食べたいなー。このままじゃお腹空きすぎて倒れちゃうかも~。でも何も持ってきてないやー。誰かに貰うしかないかもねー」

やえ「ふっ、心配しなさんな。豆パンを買ってあるから食べるといい」バァァァン!

憧「グギギ……」ギリギリギリ..

やえ「えっ!?な、何故そんな顔をされる!?私が何かしたか!?」

煌「すばらです」

やえ「どっちに対してだ!?」

123: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:47:17.70 ID:Veh8rIUF0

白望「………………」

白望(宮永照が負けたことに関して、チーム内のショックはさほどでは無い、か。宮永照が率先してそうなるよう振る舞った……という感じでもないけど……というか、なんかあの人、性格が丸くなった?まぁ……よく知ってるわけではないけど)

エイスリン「カントク!」

晴絵「ん?どうしたのエイスリンさん」

エイスリン「メガネ!」

晴絵「え?」

エイスリン「ヨンデル!」

晴絵「ああー!役人さんが早く選手出せって言ってるのね!いっけない。すっかり和んじゃってたわ~」

洋榎「選手と一緒になって雑談に聞き耳を立てる監督……」

胡桃「職務怠慢!」

洋榎「いや、めっちゃええやん!フレンドリーでええわ~!ジュースとかすぐおごってくれそうやし」

豊音「そ、それより、メガネさんちょー困ってるよー?ミカさん、微笑みながら待ってるだけで、メガネさんが場を繋いでるけどー…」

由子「クソぐだぐだよー」

美穂子「監督。誰が向かうのですか?」

晴絵「え?ああ、それは決まってるんだ」

優希「仕方ない……真打ちは遅れて…」

晴絵「竹井さん、お願い」

優希「じょ!?」

久「私ですか?」

晴絵「そ。頼むね」

久「……わかりました」

久(ここで私か……正直予想外)

美穂子「あの、久……これ、良かったらステージ上で飲んでください。ノドにいい成分が入ってます」

久「お、美穂子お手製のドリンク?ありがと、いただくわ」

美穂子「頑張ってください。帰りを待っています」ニコリ

久「……うん。じゃあ行ってくる」ザッ


照「…………」モグモグ

菫「どうした照。竹井久をじっと見て。何かあるのか?」

照「……彼女も危険」

菫「危険!?どういう意味だ?」

照「鏡で見たら、結構色々としてそう……」

菫「??」

124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:47:52.69 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

久「お待たせしました!」

ミカ「気にすることはないよ。私は待っていない。それどころか、ステージに1人佇むことを本心で望んでいたのかと思うほど心穏やかだったからね」

久「……そっか」クス

久(相変わらず不思議な雰囲気の子ね)

久(……しっかし、ここで私……監督は何を思って起用したのかしら?)

久(私のスタイルはオーソドックス。なんなら、補欠かもと思ってたんだけどね)

役人「よかった……っ!何かトラブルがあったのかと思いましたよ」ホッ

久「申し訳ありません。諸事情で遅れました。以後気を付けます」ペコリ

久(諸事情っていうか宮永照と高鴨さんのやりとりを見て、ほんわかしてただけなんだけど)

役人「い、いえ!問題なければ結構ですから!準備はよろしいですか?」

久「はい」

ミカ「準備……どこまでを準備と言うのだろう?勝利に対する準備なら、相手の実力やバックボーンを知らなければ準備をしようがないけれど」

役人「あ、その…………じゃんけんしてください!」

久(相手するのをやめた……でも正解ね。というか、私もこの子のペースに呑まれないようにしないと)

ジャンケンポン

久「!後攻にします」

久(とりあえず後攻ゲット。彼女のフロウで会場を支配されないように対抗しないと……やれるだけやってみますか!)

役人「では先攻、戦車道チーム ミカ!後攻、麻雀部チーム ミーホヒーサー!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

125: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:48:19.95 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=Y6cLPSN85gE
2:10

<第17戦 先攻 ミカ VS 後攻 ミーホヒーサー>

ミカ「打って 変わ って って ってな感じって」ワァァ

ミカ「ノリノリの地の利 生かすように」ワァァ!

ミカ「楽し げ じゃなくて楽しい」ワァァ

ミカ「さっきの余韻 がポイン ト」ワァァァ!

ミカ「ミーホヒーサー 時間が か か か か った」

ミカ「もしかして キンチョウし~た~?」ワァァァ!

ミカ「私は ここが ご近所~みたい」

ミカ「そんな、ショーし た~~い です」ワアァァ!



久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァ!

久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァア!

久「フロウがダメならリズムで勝負」ワァァ!

久「プラス、ライムとパンチラインで勝負」ワァァ!

久「時間かかった お待たせしました」

久「リラックスしすぎた ご近所な気分」ワァァ!

久「身分はイーブン 気楽にもう一度」

久「♪ずんずんずんずんずんずんたった」ワァァァ!



ミカ「ずんずん しすぎてどこ行くの?」

ミカ「通りすぎチャッてるんじゃなイのかな?」ワァァ

ミカ「私はず っと立ったまんま~」

ミカ「たった ワンバ~ スで勝っちゃう」ワァァァ!

ミカ「キミ なんだ か奇抜 な印象」

ミカ「注・意 ギャンブル依存症」ワァァ!

ミカ「わたし音に合わせまくり盛り上げてくこの場かなり」ワァァ!

ミカ「熱くさせて軽く上げて必ずもらう価値ある勝ち」ワァァァ!

126: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:48:46.25 ID:Veh8rIUF0

久「ずんずん通り過ぎた先で 待ってます」ワァァ!

久「振り向き 止まってます」ワァァ!

久「追いついてから せーので差を付ける」

久「ギリギリの勝負 バトル依存症!」ワァァァ!

久「フロウ特化 その他は 超特価」ワァァ!

久「尖りすぎて 横殴りで折れそうだ」ワァァ!

久「だけど別に私もその早めフロウ出来るからさ」ワァァァ!

久「あなただけのモノでないことをここで見せつける!」ワァァァ!



ミカ「見せつけたと見せかけて間違いだとバレてしまう」ワァァア!

ミカ「い まか ら そうする」ワァァ!

ミカ「こやって イケる とこ 行く」ワァァァ1

ミカ「キミは モノマネ 似てない」ワァァ!

ミカ「このフロウ 横殴り 無理 熱さ」

ミカ「常夏 そっくり モノマネ女王」ワァァァ!

ミカ「折れそ で折れない のね これ」ワァァ!

ミカ「ごめん とゆ ことで シユーアゲイン」ワァァァ!



久「また会ったわね お久しぶり」

久「さよならの向こう側から来ました」ワァァァ!

久「勝ち逃げ以前の言い逃げにゲッと」

久「なるけど 持ってるよ 後攻のチケット」ワァァァ!

久「審査員と観客票もゲット」ワァァ!

久「下馬評を覆し 飛び立つよジェット」ワァァァ!

久「優勝したい だから倒す」ワァァ!

久「ミカさん個性派 でも ガラパゴス」ワァァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

ミカ「………………」

久「………………」

127: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:49:19.34 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、ミカが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、ミーホヒーサーが勝ったと思う人!」

ワァァァァァ!

久「!」

役人「まずはミーホヒーサーに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「ミカ」

理事長「ミーホヒーサー」

トシ「ミーホヒーサー」

秋一郎「ミーホヒーサー」

南浦「ミカ」

役人「勝者!麻雀部チーム、ミーホヒーサ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

久「勝っ……た?」

ミカ「そうだね。キミの勝ちさ」

久「ミカさん……」

ミカ「素直に認められる負けだよ」スッ

久「あ、ありがとう」ガシッ

ミカ「それでは、敗者は去るとしようか。だが覚えておくといい」

久「え?」

ミカ「風は移りゆくもの……そしてその風には強弱だけではなく、色や匂いもある。五感をすり抜けてしまう類のモノもね」

久「………………そうね!わかるわ!」

ミカ「うん、それでいい」テクテク..

久「………………」

久(天江さんみたいな感じなのね、きっと。うん)

久(……それにしても……今になってやっと気付いたわ)

久(今のバトルが始まる前は、宮永照が負けたこと、そして破った相手が奇抜なフロウのミカさんだったことで、会場の空気は一気に戦車道チームに寄った…)

久(つまり、麻雀部チームにとってアウェイも同然だった。もっとミカさんのバトルが見たいという雰囲気になっていた…)

久(その場に出ていき、ミカさんと戦うということは圧倒的な不利を意味する。でもそれは、言い換えれば…………悪待ちと似ている!)

久(だから監督は私を選んだ。そして、私はその期待にちゃんと応えられた)チラ

ワァァァァ!

久「~~~~っ!」ブルルッ!

久(この感じ!負けると思われてた状況からひっくり返してお客さんに支持されること!自分の仕事を全うしたこと!気持ち良すぎる!!脳からなんか出てる~!)ゾクゾクゾクッ!

128: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:49:52.66 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

晴絵「竹井さんがやってくれたね」ニコリ

憧「ハルエの狙い通りバッチリって感じ?」

塞「智将と呼ばれる監督だけあってお見事でした」

晴絵「まぁね」アハハ

竜華「?智将なんて呼ばれとった?」

セーラ「知らん」

白望「塞は、たまに心にもないこと言う……」

塞「い、言わないわよ!雑誌に書いてあったの!それに本心!」

灼「もし雑誌に載ってなくても、智将という評価は間違ってない。ハルちゃんは頭いい。普通免許だって持ってる」

智美「ワハハ。免許なら私も持ってるぞー」

灼「………………」

智美「何故黙るのか」

煌「車を買わない若者が増えている昨今において、高校生でありながら免許を取得するとは、まさにすばらです」

智美「…………褒められた」

佳織「良かったね」ニコリ

晴絵(……竹井さんはバランスがいいし、器用だから相手に合わせて戦える。ここで3人抜きくらいしてくれればかなり後が楽だけど……さて、相手はどう出るか)

129: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:50:19.66 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

ミカ「ただいま。勝利というのは難しいね。手中にしたと思っても、隙間からサラサラと砂のように零れ落ちてしまった」

ペパロニ「えー!なんでギュッて握ってなかったんすかぁ?簡単っすよ?ホラ」ギュッ

ミカ「それは……まぁ…………そういう表現というか」

ペパロニ「握力足んないんすか?それならトレーニングするっすよ。こうやって手をグーパーするんす」

ミカ「……ありがとう。今度やってみるよ」

ペパロニ「そうやって後回しにしてるからダメなんすよ~!今すぐやるっす!はい、グーパーグーパー」

ミカ「…………アキ、ミッコ」

アキ「ごめんなさいペパロニさん。ミカ、試合後で疲れてるみたいで…」サッ

ミッコ「ペパロニさん!こっちで遊びましょうよ!折り紙でハンドスピナーみたいなの作ったんです!」

ペパロニ「マジっすか!折り紙ハンパねーっすね!今すぐ行くっす!」タタタタ

ミカ「………ふう……例え1つでここまで巻き込まれるとは」ハァ..

アキ「ミカの回りくどさも原因だよ?」

ミカ「……人生は回り道の連続だ。最短距離が心に豊かさをもたらしてくれるとは限らないよ」

ケイ「そうなの?最短距離ってどういうルート?」??

ミカ「………………」

アキ(深く考えずに言っちゃったんだろうなぁ。困ってる……でも今度は助けないからね)

ケイ「人生の回り道っていうのも教えてよー!」

ミカ「……今がその状態さ」

ケイ「?もっと具体的にプリーズ!」

ミカ「……………アキ……」チラ

アキ(すぐ思わせぶりなこと言うからだよ。ちょっと反省してもらうからね)

130: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:50:51.56 ID:Veh8rIUF0

エリカ「ったく……バトル終わってすぐ雑談なんて大したものですよね」

まほ「試合での労をねぎらおうと機会を待っていたが……不要のようだ」

エリカ「それにしても、あいつが負けるとは思いませんでした。すごくいい流れだったのに……」

まほ「そうだな。だが相手もなかなかやる。アンサーが出来ているし、フロウも標準以上。ユーモアの効いたパンチラインもあった」

エリカ「『シーユーアゲイン』に対する『さよならの向こう側から来ました』とかですか……確かにアンサーは結構上手いみたいですね」

まほ「ちなみに『フロウがダメならリズムで勝負』の部分はライムスターの『K.U.F.U』の『声が無いならリズムで勝負』のサンプリングでもある」

エリカ「気付かなかったです……ちなみに次の試合、誰をぶつけると思いますか?」

まほ「そうだな……ミーホヒーサーは、なんでもそつなくこなせる器用なタイプ。となると…」

まほ「角谷杏」
千代「角谷さん」

杏「ふぁい」モグモグ

千代「その干し芋を食べ終わったら出番よ」

杏「もぐもぐ……ごくん。がってん承知!」

エリカ「まほ先輩!当たりましたね!」

まほ「うむ。総合力ではかなり優れている上に適応力が高いからな。別のスタイルをぶつけてスタイルウォーズで返り討ちに遭う危険性を避けたのだろう」

エリカ「……あの人なら、と信頼されてるってことですね」

131: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:51:18.36 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

久「お」

杏「どもー」ザッ

久(この子かぁ~……なるほどね)

杏「よろしくぅ」

久「ええ、よろしく」

役人「それではじゃんけんをお願いします」

ジャンケンポン

杏「後攻~」

久「…………」

久(DVDで観た時もそうだったけど、あいこにすら持ち込めないのね……なんなのかしら?この強さは)

役人「OK!先攻、麻雀部チーム ミーホヒーサー!後攻、戦車道チーム アンジー!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

132: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:51:48.20 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=7292oxSQZ4Y
2:45

<第18戦 先攻 ミーホヒーサー VS 後攻 アンジー>

久「じゃんけん強いんだもの 後攻とるわよね」

久「でもそれを 卑怯・卑劣・愚か・愚策・恥とは思わない」ワァアァァァ!

久「だからここで先攻 落ち着いた戦法で勝つ」

久「遠慮しない 謙虚でもない ただただ連勝」ワァァ!

久「私と同じ髪を二つ結び でも印象違う」

久「『幼さと あどけなさと 法に触れたさ?』」ワァァア!

久「髪型が相まって 小学生みたいよ?」ワァァ

久「私はシンプル 問題ない そんな 学生議会長」ワァァァア!



杏「え? なんだって? ごちゃごちゃ言ってる 学生議会長」

杏「よく聞こえない 拡声器無いと ダメっぽいね」ワァァァ!

杏「学生の模範の真逆 アイタタな異常行動」

杏「大会で牌を叩き付けてた 牌が可哀想よ~?」ワァァァァ!

杏「法に触れる? そんなん よく言えるなぁ でも」ワァ

杏「今はお好きにどうぞ 20年後たっぷり味わうよ 優越感」ワァァ!

杏「MCネーム ミーホヒーサーだっけ?」ワァァ

杏「センス疑っちゃう ひーどいーなーまえ」ワァァ!



久「そういう意見 まぁわかるわ でも 君の名は?」

久「身体入れ替わって 理由聞いて回りたいくらいの 意味の無さ」ワァァァ!

久「新海さん よりも信頼が 無くて ニンマリわ らってる」ワァァ

久「その笑顔似合ってる でも 遠慮せずに勝ってく」ワァァ

久「幼さと若さは別物 ですのよ? 奥様」ワァァ

久「年とれば老ける マンガみたいにならない ご苦労様」ワァァ!

久「叩き付けた牌 確かにそう でもあの牌たち」

久「私に叩かれて悦んでた ドMだから大丈夫~」ワァァァ

133: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:52:15.63 ID:Veh8rIUF0

杏「全国大会で なんですんの SMプレイ」ワァァ

杏「チームメイトのみなさん 早く 決別すればいい」ワァァァ!

杏「一索(イーソー)なら いっそ 欠けても いいっしょ? とか言いそう」ワァァァ

杏「物は大切に 解説しなくてもわかるっしょ と言いましょう」ワァァァァ!

杏「シーソー のように傾く勝敗の行方 厳しそうと」ワァァ

杏「思ったけど なんか勝ち目ありそう 叶いそう理想」ワァァァ!

杏「牌を叩いた 今度は 私に叩かれる番」ワァァ

杏「でも実は隠れドMだから 大丈夫かぁ!」ワァァァ!



久「そう言いつつ逆転されるの望んでそう この子」

久「追い詰めて 閉じ込めちゃおうか 倉庫の方」ワァァ

久「でも喜んでそう アンジーの方が 隠れドM」

久「理想は裏切られる 期待外れのゲーム」ワァァァ!

久「叩かれてもいい でもそれは意味が違う」

久「叩かれて伸びるタイプってこと わかります?」ワァァァ!

久「アンジー 干し芋ばかり食べて 高カロリー」

久「私 女の子にモテるタイプ 超カッコいい~」ワァァァ!



杏「高カロリーをエネルギーに変えて こんなノリ 貫く」ワァ

杏「冗談を言い つつも 本歌取り(ほんかどり) しない オリジナル」ワァァ ※本歌取り・・・有名な古歌(本歌)の1句もしくは2句を取り入れて作歌を行う方法。

杏「あんたって メンタル弱そうだから 叩かれて」

杏「伸びるのは 精神的なリハビリ期間ぐらいでしょ」ワァァァァ!

杏「お腹空いてるから 物に当たるんじゃないっすか~?」ワァァ

杏「干し芋が嫌なら 黒糖 モグモグと食べてればいいよ」ワァァァ!

杏「あと最後に一言 お願いを聞いてね?」

杏「負けても マイクだけは 叩き付けないでね?」ワァァァアァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

134: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:52:43.37 ID:Veh8rIUF0

役人「それでは判定に入ります!先攻、ミーホヒーサーが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「……後攻、アンジーが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「まずはアンジーに1ポイント入ります。では審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「アンジー」

理事長「アンジー」

トシ「アンジー」

秋一郎「アンジー」

南浦「ミーホヒーサー」

役人「勝者!戦車道チーム、アンジ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

久(……負けちゃったか……)フー..

杏「お疲れ。ほい」スッ

久「え?この袋は……干し芋?」

杏「そ。負けた相手に貰うのも微妙かもしれないけどさ、お近づきの印にって思ってね」

久「美味しそう。ありがたくいただくわ」ニコッ

杏「よかった。あとで渡してもよかったんだけど、なんかあんたとは気が合いそうだからさ、出来れば直接渡したいな、って」

久「あ、実は私もそんな気がしてたの。なんとなくの感覚だけど」

杏「やっぱり?」ニヒヒ

久「……だからペットボトルに立てかけるように置いてあったのね。延長になったら食べるの?って不思議に思ってたのよ」

杏「やー、バトル後の給水はしても、さすがに食べはしないって~」アハハ

久「それもそうよね」アハハハ

杏「あ、そうそう、干し芋も美味いけど、大洗には他にも結構色々食べ物があってさ~」

久「そうなの?教えて教えて?」

杏「うちの近くの店だと…――――」

久「うわー、食べたい!でもうちも結構隠れスポット的なお店もあるんだけど、あ、そういえばウチの学食にはタコスもあってね…―――」

役人「………………」

役人(試合後の多少のやりとりは構わないが、いくらなんでも長すぎるのではないだろうか?主婦同士の会話のようだ……しかし、矢継ぎ早に言葉が飛び交っていて、止めるタイミングが掴めない……)

135: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:54:10.77 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

久「ただいま~!ごめんなさい、負けちゃった」

咲「でも可愛かったです」

久「お、可愛いかぁ」

咲「はい!」

まこ「負けた直後のそれは褒めとるんか?」

洋榎「あの子強いなぁ。あんたも悪なかってんけど」

久「そうね。負けて悔しいけど、なんだか楽しかったわ。そうそう、あとで連絡先交換する約束したのよ」ニコニコ

美穂子「……」ピクン

久「なんだかいい友達になれそう」

ゆみ「ひ、久。もっと『友達』という部分を強調するんだ」

久「え?なんで?」

ゆみ「それは……」チラ

美穂子「心配しなくても平気です。私は久をずっと待ち続けるから。例えどんな姿になっても」ニコリ

ゆみ「そ、そうか……」

136: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:54:55.12 ID:Veh8rIUF0

久「ま、それはそれとして……監督、すみませんでした。ご期待に応えられず」ペコリ

晴絵「そんなことないって。充分期待に応えてくれたよ」ニコリ

久「…そう言ってもらえるとありがたいです。2人抜き3人抜きを狙ってたから正直悔しいんですけどね」

照「仕方ない。アンジーさんは強い。そして優しいから」

久「優しい?」

照「自分の右手を見て」

久「右手?あぁ、干し芋くれたわね」

照「………………」

久「…………1ついる?」

照「うん」

久「じゃあほら、あーん」

久(なんてね。ちょっとからかってから普通にあげ…)

照「…………あー……」

久「!!」

久(宮永照があーんした!?)

久「ど、どうぞー」スッ

照「んむ。もぐもぐ…………美味」

久「………………」

久(こういうの、ギャップ萌えっていうのかしら?怪物じみた強さのイメージが強かった分、今の姿はなんか可愛く見えるわ)

美穂子「………………華菜」

華菜「は、はい!」

美穂子「干し芋のレシピをその手の平メカで調べてもらえるかしら?」

華菜「手の平メカ?あぁ、スマホですね?わかりました」

ゆみ「ほ、干し芋を作るのか?」

美穂子「……久の胃袋を支配するためには頑張らないといけませんから」

ゆみ(胃袋を掴むとは言うが、支配とは物騒な……)

137: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:55:21.22 ID:Veh8rIUF0

揺杏「ウケる。マジラブコメじゃね?」

爽「うん。でも上手くバランスがとれている。傍から見ていると、とても楽しい」

誓子「悪趣味…」

成香「そういえば、こういう合同チームでの試合にありがちな、負けたあとのギスギス感が無いですね。ホッとします」

由暉子「確かに短期間だけの即席チームでは言い争いがデフォな感じがしますね」

爽「でも私たちは勝利を目指して一丸となってる。理想的だな」

揺杏「一丸、かな?あっち寝てる子いるし」

爽「小瀬川さんはいいんだよ。寝顔可愛いし。口元の緩さ加減がはしたないまでいかないのが絶妙!」

誓子「なんで寝てる子の口元とか見てるの……」

成香(……私も寝てる時に見られてたのでしょうか……//)ドキドキ

晴絵「獅子原さん」

爽「!おっと」

揺杏「これは…」

成香「出番ですか?」

爽「みたいだね。手招きしてる」

由暉子「ついに、ですね」

爽「うん」

爽「……………………」

爽「…………ユキ」

由暉子「はい」

爽「……『家は香油の香りでいっぱいになった』」 ※新約聖書『ヨハネによる福音書』12章3節

由暉子「『夕べがあり、朝があった』」※旧約聖書『創世記』 1章5節

誓子「チョイス間違えてるよね?」

揺杏「他にもあるだろねー」パタパタ

成香「……どころで、このMCネームはどういう意味ですか?」

誓子「『爽P(さわやぴー)』のPって何?」

爽「プロデューサーのPだよ!ユキのな!」

由暉子「ステージに立つ爽先輩が主役なんですから、その名前は変なのでは?」

爽「いやいや!私が活躍することで『誰をプロデュースしてるんですか?』、『実はね、ウチにいい子がいるんですよ』って会話になるだろ?」

誓子「ならないと思うけど」

爽「そうかな?ま、とにかく!出来るだけのことはやってみるよ」ザッ!

由暉子「お気を付けて」

揺杏「いってら~」パタパタ

成香「応援してます」

誓子「頑張ってね」

爽「おう!」ザッ

138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:56:04.37 ID:Veh8rIUF0



爽「…………」テクテク..

爽(連れて来れたカムイは数体……でも実際にバトルで活かせるのは3体かな。1体はライムとフロウ、そしてもう1体はパンチラインに繋がる発想力を私の実力に上乗せ出来る…)

爽(そしてホヤウで相手のディスを無効化。冷静さを保てる)

爽(カムイの力が使えるのは4試合ってところか。延長戦まで決着が長びいたとしても2試合はもつ。2人抜きはしたいね)

139: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:56:48.24 ID:Veh8rIUF0

【ステージ】

爽「………………」

杏「!…………」

杏(この子、選ばれたんだ。秋山ちゃんたちの情報では、実力はそこそこって話だったけど……偵察中は手の内を隠してたっぽいね)

役人「それでは先攻後攻じゃんけんをお願いします」

ジャンケン..

爽「ポン」(パー)
杏「ポン」(グー)

爽「勝った」ニコ

杏「!!!」

140: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:57:32.39 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

柚子「うそっ!?」

桃「そんな!!」

沙織「角谷先輩がじゃんけん負けるの初めて見た」

柚子「私も初めてだよ……」

桃「引き分けすら滅多にないというのに……何者なんだあいつは……」

麻子(Tokiさんと同様、未来予知か?いや、まさかな)



【ステージ】

杏「………………」

爽「お?ずいぶん驚いてるみたいだね」

杏「……まぁね。私、じゃんけん強いから」

爽「うん、なんとなくわかる。でも残念だったね」

杏「………………」

爽「私って、なんか見えないモノに守られてるからさ」フフ

杏「………………」

爽(……思いがけないダメージを与えたみたい。意図的ではないにせよ、これで冷静さを欠いてくれれば戦いやす…)

杏「……へぇ。じゃあ…」

爽「?」

杏「キミの力で勝ったんじゃないんだね」クス

爽「――――」

杏「…………」ニッ

爽「……ははっ。言ってくれるね」ニヤ

役人「爽Pはどちらを選びますか?」

爽「後攻っ!」

爽(そして……カムイを使う!最初から全力だ!)ゴッ!

役人「OK!先攻、戦車道チーム アンジー!後攻、麻雀部チーム 爽P!DJルミ、かまーせー!」

ルミ「っ!」

141: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:58:20.90 ID:Veh8rIUF0

http://www.youtube.com/watch?v=33N0_SX_kXI
3:25

<第19戦 先攻 アンジー VS 後攻 爽P>

杏「負けるために 出てきちゃった 爽P」

杏「私の方が歓声上がる いい意味で 騒がしい」ワァァ!

杏「キミの見せ場は もう終わった さっき勝った じゃんけんだけ」ワァ

杏「実力発揮しても いかんせん 不完全な出来」ワァァ!

杏「未完成 未成熟 全然無いね 芸術性」ワァァ

杏「すっげー うっせータイプか 静かなタイプか イマイチわかんないけど」

杏「そもそも この子の 名前、爽やかって字が全部物語ってる」

杏「×(ばつ)が4つも入ってる時点で勝てるはずないじゃん?」ワァァァァ!



爽「バツなはずがないよ これはX(エックス)です 4XL」ワァァ!

爽「くらいの器 万能性は マイクロソフトの Excel」ワァァァ!

爽「しかもX以外に『大きい』って字も入ってる」

爽「この1文字でわかる ハンパないデカさ 気合いも増してく」ワァァ!

爽「歓声が騒がしい のは そろそろ 打ち止め」

爽「この試合 差はガチ で開き 私はすぐに次のフェイズ」ワァァァ!

爽「マグダラのマリアの出番は無い アンジーの復活祭」

爽「なんて行われない 言葉が出ない 屈託ない 笑顔もう見れない」ワァァ!



杏「何言ってんのキミ? マグダラのマリア?」

杏「Pを名乗る アイドル好きの グダグダのマニアがさぁ」ワァァァ!

杏「器がデカくても モノ言うのは 内容量だから」ワァァ!

杏「私みたくちっこくても 味があれば 大好評につき再登場」ワァァァ!

杏「Excelも使いこなせてるか 怪しいもんだー」

杏「関数なんて ちんぷんかんぷん 的な 悲しい女だったり?」ワァァ!

杏「歓声が打ち止めって言ったね 全然沸いてるけど?」ワァァァ!

杏「確変状態だよ あーあ、この子 適当な言葉 吐いてる外道~」ワァァァ!

142: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:59:07.96 ID:Veh8rIUF0

爽「確変状態 勘違い 大ぼら吹き 隠せん正体」ワァァ

爽「しょうもなすぎ 正午は過ぎ もう寝ぼけてる時間じゃないよな?」ワァァ!

爽「再登場はいいけど それって 一度負けてるよな?」ワァァ!

爽「そんな才覚、無くて どうすんの? 勝てないよ 敗者復活戦」ワァァァ!

爽「私は別に否定しないよ 確かに グダグダのマニア」

爽「でもアンジーにはノセられない 嘘スレスレの 迂闊な冗談には」ワァァァ!

爽「外道っての 言いがかりでしょ 押し付けの超エゴ」ワァァ

爽「でも 気にしねぇよ だって へのつっぱりは いらねぇもん」ワァァ!



杏「おお!言葉の意味はわからんが とにかくすごい自信だ!」

杏「でも負けちゃうんだから 人生上手くいかないね 悲しスグル」

杏「ってお客さん意味が通じてない 今のやりとりは キン肉マン」

杏「信じるか 信じないかはあなた次第 でも私の勝ちは 真実だ」ワァァァァ!

杏「それと再登場は負けたわけじゃない 単なるお色直し」ワァァ!

杏「わかる? 坊ちゃん その決め付け 視界が狭いぞなもし」ワァァァ!

杏「そもそも プロデューサーが表に出て 制服がステージ衣装」

杏「なんなの? 担当いないの? プロデューサーって もしかして~自称?」ワァァァア!



爽「プロデュースしてる子はいる でもそれは麻雀界での話」

爽「見ても可愛い 声だって可愛い すぐそばで匂いを 嗅いでも可愛い」ワァァァ!

爽「そんな子を磨いてる だから私はマジで プロデューサーだ」

爽「でもそれに加えて 表舞台でも戦う余裕あんだ」ワァァ!

爽「視界は広い なんたって正真正銘の道民」ワァ!

爽「アンジー 調子ん乗ってる 押韻で 放心状態にする方針」ワァァァ!

爽「変化 効いた 言葉の連打 浴びせる 元気消耗」ワァァ

爽「そしてKO後 爽Pの世界観 作り上げる 天地創造」ワァァ!



役人「終了ーーーーーー!!!」

ワァァァァ!

爽「………………」

杏「………………」

143: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 19:59:50.48 ID:Veh8rIUF0

役人「では判定に入ります!先攻、アンジーが勝ったと思う人!」

ワァァァァ!

役人「……後攻、爽Pが勝ったと思う人!」

ワァァァ!

役人「まずはアンジーに1ポイント入ります」

爽(っ!1ポイント取られたか)

役人「それでは審査員のみなさん、判定をお願いします!」

ババン!

亜美「爽P」

理事長「アンジー」

トシ「アンジー」

秋一郎「爽P」

南浦「アンジー」

役人「3対2!勝者!戦車道チーム、アンジ~~~~~!!!」

ワァァァァ!

杏「………ふぃ~、あっぶなかった」

爽「!!」

爽(後攻で、しかもカムイを持ってしても勝てなかった……それほどの実力差があるってーの?いや、そうは思えない……でも負けは事実か……はぁぁ……)

144: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 20:00:32.13 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 戦車道側】

柚子「やった!勝った!」

桃「じゃんけんに負けても挫けずに倒し切る!さすが会長!」

桂利奈「そこにシビれる!あこがれるゥ!」

あや「ど、どうしたの急に?」

桂利奈「あ、ううん、なんでもない……」

桂利奈(元ネタを知らない人の反応、冷たすぎ……?)

千代「相当拮抗した試合だったけれど、アンジーさんのアンサーとユーモアが勝利の決め手になったわね」

優花里「ユーモアと言いますと?」

千代「爽Pさんの『へのつっぱりは いらねぇもん』というセリフに対し『おお!言葉の意味はわからんが とにかくすごい自信だ!』と返したのは、キン肉マンに出てきたやりとりなの。相手の最後のワードに一瞬で反応して返した上に『人生上手くいかないね 悲しスグル』と、キン肉マンの主人公、キン肉スグルの名前をもじったもの…」

千代「しかもそれに無反応のお客さんに対して説明しつつ、『信じるか 信じないかはあなた次第』とテレビ番組のフレーズを用いながらライミングも絡めて、繋がりのあるラインを決めた」

千代「細かいところでは、そのあとの『坊ちゃん その決め付け 視界が狭いぞなもし』は、言葉として聞くことの少ない『ぞなもし』を使っていて、さらにその『ぞなもし』がよく出てくる、夏目漱石の『坊っちゃん』から来ていて、わかる人はニヤリとしてしまう感じね」

優花里「なるほど……色々と仕掛けがあったのですね」

ミカ「それに、フロウも心地よく決まっていたよ。相手もかなり上手にビートにハメてきていたけれどね」

桃「これで2人抜き!いや、会長ならさらなる活躍が望める!」

柚子「桃ちゃん。さっきも言ってたけど、今の会長は五十鈴さんだよ?」

桃「わ、わかってる!だが急に呼び方を変えるのは難しいんだ!というか、会長は会長!五十鈴は新会長でいいだろう!」

沙織「なんかややこしいような……」

華「わたくしは気にしません。カスとかクズとか呼ばれるのでなければ」

沙織「極端な例すぎるよ!」

そど子「……もう結構な数の試合をやったけれど、現状はどうなってるのかしら?ゴモヨ、パゾ美!」

ゴモヨ「えっとね…」

パゾ美「こんな感じだよ」

145: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 20:01:00.02 ID:Veh8rIUF0

<ここまでの試合>

アッサム VS AWA-AWA(大星 淡)○

○ノンナ VS AWA-AWA(大星 淡)

ノンナ VS ATARA(新子 憧)○

○ナオミ VS ATARA(新子 憧)

ナオミ VS Toki(園城寺 怜)○

アリサ VS Toki(園城寺 怜)○

○ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS Toki(園城寺 怜)

ロサ・カリーナ(阪口 桂利奈) VS HERO-Se(弘世 菫)○

○カルパッチョ VS HERO-Se(弘世 菫)

○カルパッチョ VS 白鶴(白水 哩)

カルパッチョ VS 舞姫(鶴田 姫子)○

○アンチョビ VS 舞姫(鶴田 姫子)

アンチョビ VS TELU-Biscuits(宮永 照)○

エリカ VS TELU-Biscuits(宮永 照)○

ケイ VS TELU-Biscuits(宮永 照)○

○ミカ VS TELU-Biscuits(宮永 照)

ミカ VS ミーホヒーサー(竹井 久)○

○アンジー(角谷 杏) VS ミーホヒーサー(竹井 久)

○アンジー(角谷 杏) VS 爽P(獅子原 爽)


戦車道チーム 9勝

麻雀部チーム 10勝



パゾ美「……といった感じ」

そど子「現時点ではリードされてるのね」

麻子「だが差は1勝だ。次勝てば同点になる」

千代(うちは残り7人。向こうは8人……さて、どう戦っていこうかしらね)フム

146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 20:01:37.87 ID:Veh8rIUF0

【舞台袖 麻雀部側】

爽「……すいません、負けましたー」

由暉子「惜しかったです」

揺杏「そうそう。きわどかったと思うよ」

晴絵「そうだね。勝っててもおかしくなかった」

爽「……ありがとうございます」

ネリー「……ねぇ、獅子原」

爽「ん?何?」

ネリー「あの隠してるやつ、どうして使わなかった?使ってれば勝てたでしょ」

爽「…………まぁ、確かにね。でも相手を妨害するのは卑怯だと思ったから」

ネリー「………ふーん」

菫「……淡、気にするなよ?人それぞれ生き方が違うんだからな」

淡「べ、別に私のはズルじゃないですもん!」

菫「だが相手の思考に影響するではないか」

淡「むぅぅ……テルー!菫先輩がいじめるー!」

菫「やれやれ……」

147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/24(金) 20:02:22.17 ID:Veh8rIUF0

晴絵「…………」

晴絵(相手への妨害は抜きにしても、獅子原さんならアンジーさんに勝てると思ったんだけど……上手くかわされたみたいだ)

晴絵(……何を話したのかわからないけど、バトル前の会話で、獅子原さんはほんの少し顔を強張らせた。おそらく、挑発か獅子原さんのプライドに関わるような話と思うけど…)

晴絵(その会話によって迷いが生まれたんだろうね。完全には力を発揮出来ていなかった。そのせいで、わずかな差ながら負けてしまった)

晴絵(……バトルの前から勝負は始まってる。アンジーさんは大洗を廃校の危機から守るために奮闘したみたいだし、大人との腹の探り合いで駆け引きは慣れてるみたいだ)


智葉「……次負けたら3人抜きだ。チームとしての成績ではイーブンになるだけだが、これ以上勢いをつけさせるわけにはいくまい」

ネリー「サトハが出ればいいんじゃない?そしたら止められるよ」

智葉「監督が望むならそうするつもりだが」チラ

晴絵「………その提案も悪くないんだけど、今回は別の子に出てもらうよ」

ネリー「へぇ……確実なチャンスを逃すんだ?スポンサーがいたら切られちゃうよ?」

灼「だ、だめっ!」

ネリー「え?」

晴絵「灼?」

灼「ハルちゃんは実業団リーグの時に、親会社の不振で解散という辛い目に遭ってる!もしスポンサーがいたらなんとかなってた!でも現実はダメだった!責めないで!」

晴絵「い、いや、それは……間違ってないけど……うん、でもそうやってかばわれると辛いから、ね?」

灼「私はエバーグリーンを忘れない!タオルとか今でも使ってる!確かに色落ちしやすいのは納得出来ません!でも落ちないよう気を付けてる!」

玄「あ、灼ちゃん。その辺にしておこう?赤土さん困ってるから」グイグイ

灼「いきなりエバーグリーンが解散した時は困ったと思う。その時のハルちゃんの心情は想像するに…」ズルズル..

智葉「………………」

ネリー「………………」

晴絵「……し、仕切り直すね」

ネリー「うん。で、誰を出すの?サトハより強い子なんて…」

晴絵「辻垣内さんよりどうこうじゃなくて、私が思う最善の人選だよ……………和!」

和「!私、ですか?」

晴絵「そ。アンジーさんを止めてきてよ」

和「…………私に務まるかはわかりませんが……精一杯戦います」キリッ!

智葉「……ふっ、絶対に勝てよ?」

和「そのような約束はできませんが、私自身はできるだけがんばるつもりです」

智葉「ならいい」クス

ネリー「……ま、サトハがいいなら文句ないけど」

和「咲さん、行ってきます。あの……エトペンを預ってもらっていいですか?」

咲「うん、もちろん。和ちゃん、応援してるね。頑張って!」

和「はいっ!」

灼「ハルちゃんも頑張って!人生!」

晴絵「う、うん。ありがと」