8人「…」

善子「たこ焼き器、ね…」

花丸「良かったずらね、鞠莉ちゃん」

鞠莉「リアクションぺらっぺらに薄い！」

鞠莉「なによー！たこ焼き器ってシャイニーじゃない！家でもたこ焼きが作れるのよ！」

曜「うーん…なんていうか…」

果南「買ったはいいものの、大して使わなくなる電化製品第1位だと思うよ」

梨子「洗うのも大変だしね」

鞠莉「そ、そんなー！」ｶﾞｰﾝ

鞠莉「むむむ…！こうなったら意地でも使ってやるわ！」

鞠莉「ちょうどお昼だし、今からたこ焼きパーティーよ！」

千歌「やろうやろう！チカはたこ焼き大好きだよ！」

ルビィ「ルビィもあんまり食べたことないから嬉しいな」

鞠莉「千歌っちとルビィはイイ子デスネー！」ﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ダイヤ「では材料を買ってきましょう。ルビィ手伝って」

ルビィ「はーい」

果南「じゃあ私はタコ獲ってくるね」

梨子（獲ってくる…？）

しばらくして…

曜「おまたせー！ベースが出来たよー！」

花丸「ネギや紅ショウガも切れたずら！」

果南「はい！新鮮でイキのいいタコ捕まえてきたよ！」

梨子（やっぱりいま捕獲してきたのね…）

千歌「私は食後のお菓子やデザート買ってきたよー！」

鞠莉「じゃあみんなで作りましょー！」

8人「「「おー！」」」

グツグツ…

千歌「わー！だんだん焼けてきたねー！」

たこ焼き器『ウィィン…』ｸﾙｯ

ルビィ「すごーい！自動的に回転するんだ！」

梨子「温度を感知してモーターが回るみたいね」

果南「やっぱりやると面白いもんだね。鞠莉、さっきはごめんね」

鞠莉「いーのいーの！みんなでたくさん食べましょ♪」

花丸「んー♪おいしいずらー！」ﾊﾌﾊﾌ

千歌「アツアツでサイコーだね！」ﾊﾌﾊﾌ

善子「でもタコがもう無くなったわね」

曜「あちゃー、大きく切り過ぎちゃったかな」

鞠莉「フッフーン♪じゃあ代わりにこれを！」ｷﾞｭｯ

梨子「あっ！？ちょっと鞠莉さん！」

ダイヤ「何を入れましたの？」

梨子「い、イチゴを中に…」

ルビィ「えー！デザート用に買っておいたのにぃ…」

千歌「うわちゃー、どれがイチゴ入りか分かんないよ」

鞠莉「イチゴ大福があるんだからイチゴたこ焼きがあってもおかしくないでしょ？」

梨子「絶対におかしいわよ…まったく」ﾊﾟｸ

梨子「んむっ！？」ﾋﾞｸﾝ

千歌「あっ！梨子ちゃんイチゴ入りを食べたの！？」

梨子「んーーっ！」ｺｸｺｸ

果南「ホラ見なよ鞠莉！あんなに不味そうに…！」

梨子「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梨子「お…」

梨子「おいしい…かも…。このアンバランスさがクセになりそう…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

曜「えー！？ウソだーー！」

鞠莉「ホラ見なさーい！ダイタンな味の変化があった方が美味しいのよ！」ﾄﾞﾔｧ

鞠莉「もっと色んなの入れてみましょ♪なにか冷蔵庫にあったかしら？」ｶﾞｻｺﾞｿ

ダイヤ「また鞠莉さんがおかしなことを始めましたわね」ﾊｧ

善子「でも面白そうじゃない。じゃあヨハネはコレよっ！」ｷﾞｭｯ

花丸「善子ちゃん、なに入れたずら？」

善子「クックック…！ヨハネが生み出した暗黒物質“ダークマター”を注入したわ」

ルビィ「チョコボールね」

鞠莉「ハイッ！とりあえず冷蔵庫にあったものを一通り持ってきたわよー！」ﾄﾞｻｯ

曜「じゃあ私は…これ！チーズを入れてみようっと！」ｷﾞｭｯ

梨子「魚肉ソーセージもイケるかもね」ｷﾞｭｯ

鞠莉「じゃあマリーは梅干し！種入り和風たこ焼きよ！」ｷﾞｭｯ

果南「えー！私、梅干し嫌いなんだけどなぁ…」

鞠莉「たこ焼きに入れたら食べられるんじゃないかしら？」

果南「余計に食べられないよ！じゃあ私は鞠莉が嫌いなこれを入れるからね！」ﾄﾞﾛｰ

鞠莉「ノー！？納豆はNGデース！」

鞠莉「こーなったらコレよ！果南のたこ焼きには練りカラシを一本分入れるわ！」ﾌﾞﾁｭｰ

梨子「ちょっと鞠莉さん！こっちの生地にまで入ってるわよ！」

千歌「やったなー！それならタバスコを一本分入れるからね！」ﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞ

鞠莉「だったらお返しで生わさびを2本分入れるわよー！」ﾌﾞﾁｭｰ

果南「そうくるなら激辛のチリペッパーソースも！」ﾄﾞﾊﾞﾄﾞﾊﾞ

曜「それならこっちはタバスコの2倍の辛さのハバネロペッパーソースを…！」ﾄﾞﾊﾞｰ

善子「ならば！古より伝わる死の魔薬、ウルトラハイパーデスソースを残りに…！」ﾄﾞﾊﾞｰ

＜ｷﾞｬｰ!ｷﾞｬｰ!

花丸・ルビィ「あわわわわ…」

ダイヤ「…」ﾌﾟﾙﾌﾟﾙ

ダイヤ「いい加減にしなさーい！食べ物で遊ぶんじゃありません！」ﾄﾞﾝｯ

6人「「「！！」」」ﾋﾞｸｯ

ダイヤ「まったく！子供じゃないんですわよ！」

6人「ご、ごめんなさい…」

ダイヤ「作ったたこ焼きは全部責任もって食べなさい！いいですわね！」

鞠莉「わ、わかったわよー！」

梨子「でも、どれがどれだか分からなくなっちゃった…」

果南「外見はみんな同じだからね…」

千歌「どうしよう？ジャンケンして順に食べてく？」

善子「それがいいわね…」

全員「「「ジャンケン…ポン！」」」

花丸「ずらあっ！？マルの一人負けずら！」

ルビィ「は、花丸ちゃん！頑張って！」

曜「一口で食べて一気に飲み込んだ方がいいよ！」

花丸「じゃあ…これ！」ﾊﾟｸ

花丸「…！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

千歌「ど、どう？」

花丸「よ、良かったー！チョコボールだったずら！」

鞠莉「花丸、ベリーラッキーね！次は時計回りでルビィよ！」

ルビィ「うーんと…じゃあ、これで…」

ルビィ「い、いただきまーす…」ﾊﾟｸ

ルビィ「…」

ルビィ「」ｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀｶﾞﾀ

曜「ど、どうしたのルビィちゃん！？」

果南「固まったまま物凄い勢いで痙攣してるよ！？」

ルビィ「ピ…」

善子「ぴ？」

ルビィ「ピギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア！！！！！」

ルビィ「み、み、み、みず！みずみずみずみずみ水みず水水ミズーーーーー！」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ダダダダ…

8人「」ﾎﾟｶｰﾝ

ダイヤ「る、る、ルビィ！大丈夫ですのーーー！？」

梨子「ものすごい勢いで台所に駆け込んでいったわ…」

善子「あのリアクションは練りカラシ1本分かも…恐ろしいわね…」

鞠莉「これは…想像以上かもしれないデース…」ｺﾞｸﾘ

【残り8人】

千歌「だ、ダイヤちゃん…ルビィちゃんの様子は…」

ダイヤ「まだ倒れています…。いまベッドに寝かせてきましたわ」

花丸「ルビィちゃんは何もしてないのに…かわいそうずら…」

梨子「まだ爆弾がたくさん残ってるわね…」

曜「次は善子ちゃんだけど…」

善子「ふ、ふーんだ！堕天使たる私ならハズレを回避できるに決まってるわ！」

善子「これに決めたっ！この薄っすら赤いのはそう…イチゴよ！」

善子「いただきまーす！」ﾊﾟｸ

梨子「あっ…！その赤いのってもしかして…！」

果南「た、タバスコ…じゃないかな…？」

善子「え…」ｺﾞｸﾝ

善子「～～～～！？！？！？」

善子「ひ…」

善子「ひぃいいいいいいいい！？」ﾎﾞｫｵｵｵ

千歌「善子ちゃんが口から火を吹いてる！」

鞠莉「すごいわ善子！まるで本物の悪魔みたいよ！」

善子「は、は、はんひんしてるはあいひゃないへひょー！（感心してる場合じゃないでしょー！）」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

善子「ひほふのほうはにやはれふーーー！（地獄の業火に焼かれるー！）」ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

【残り7人】

善子・ルビィ「タコヤキコワイタコヤキコワイ…」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

バタン…

ダイヤ「善子さんも寝かせてきましたわ…」

花丸「2人ともうなされてたずら…」

千歌「あのさ、順番に食べるの…やめない？」

曜「そ、そう…だね…。心臓に悪いし…」

梨子「それなら…“せーの”で選んでみんな一緒に食べる？」

果南「そっちの方が良さそうだね…」

千歌「じゃあ…いくよ？」

千歌「せーのっ！」

パクッ！

千歌「…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

千歌「良かった！イチゴだ！」

千歌「み、みんなは…どう？」

ダイヤ「わ、わたくしは…どうやら納豆みたいですわね…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

花丸「マルは…チーズずら…！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

鞠莉「マリーは普通にタコだったわ！ベリーデリシャスよ！」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

梨子「私は梅干しね。美味しくはないけど助かったわ…」ﾓｸﾞﾓｸﾞ

千歌「曜ちゃんと果南ちゃんは？」

曜「…」

果南「…」

千歌「曜ちゃん？果南ちゃん？」

曜「よ、よ、よよよヨーソロロロロロロロロロロロロロロ…」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

果南「は、は、は、ハググググググググググググググググググ…」ｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸｶﾞｸ

5人「！？」

ダイヤ「だ、大丈夫ですの2人とも！？」

梨子「何が入ってるのを食べたの！？」

曜「ち、チリペッパーーーーーー！」ﾊﾞｯ

果南「は、ハバネローーーーーー！」ﾊﾞｯ

ガシャアアアアン！

5人「！？！？」

千歌「曜ちゃんと果南ちゃんが窓を突き破って外に！」

曜・果南「みずーーー！みずみずみずみずーーーーーーー！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ

バシャアアアアン！

梨子「そのまま海まで走って飛び込んだわね…」

鞠莉「水に飛び込むのが果南と曜らしいわね！」

曜・果南「」ﾋﾟｸﾋﾟｸ

花丸「…」

【残り5人】

曜・果南・善子・ルビィ「」ﾁｰﾝ

千歌「…」

梨子「…」

ダイヤ「…」

千歌「はいっ！提案ですっ！」ｽｯ

ダイヤ「…なんでしょうか千歌さん」

千歌「残りのたこ焼きは…」

千歌「ぜんぶ鞠莉ちゃんが食べればいいと思います！」

鞠莉「千歌っち！？」

千歌「そもそも…このたこ焼き器は鞠莉ちゃんが当てたものだし」

千歌「最初に辛いものを入れたのも鞠莉ちゃん…だよね？」

鞠莉「ノー！？まさか千歌っちがそんなハクジョーなことを言うなんて…！」

千歌「ごめん鞠莉ちゃん。チカね、絶対食べたくないんだコレ…」

鞠莉「そ、それなら！ダイヤだって全部食べる義務があるわよ！」

ダイヤ「は、はぁ？なぜわたくしが…！」

鞠莉「こーなったのもダイヤが『責任もって全部食べなさい！』って言ったから！」

ダイヤ「な、何を言いますの！？元はと言えばあなた達が原因でしょう！」

＜ｷﾞｬｰ!ｷﾞｬｰ!

梨子「ち、ちょっとみんな…！」ｵﾛｵﾛ

花丸「…」

花丸「もうやめるずら！」

4人「！？」ﾋﾞｸｯ

花丸「こんな争いはもうイヤずら…！Aqours同士で喧嘩してほしくないずら！」

花丸「だからっ！こうするずら！」ﾊﾞｯ

パクッ！

花丸「ん゛～～～～～～！？」ｼﾞﾀﾊﾞﾀ

ダイヤ「は、花丸さん！？」

千歌「じ、自分から辛いのを食べたの！？」

花丸「はぁ…はぁ…」ﾂｰﾝ

花丸「よ、よかったずら…あと辛いのは生わさびのたこ焼きだけだったから…」

花丸「緑っぽいのを食べたら…当たったずら…もうこれで…無意味な戦いが終わるずらね…」

千歌「そんな…！自分が犠牲になって戦いを止めたんだ…！」

ダイヤ「なんとこと…なんてことですの！」

鞠莉「花丸！しっかりして！ウェーイクアーップ！」ﾕｻﾕｻ

花丸「鞠莉ちゃん…あとは辛いのが無いから…みんなで美味しく食べてほしいずら…」

花丸「たこ焼きパーティー…楽しかった…ずら…」

鞠莉「花丸ーーーーー！」ﾜｰﾝ

梨子「えっと…それがね花丸ちゃん…」

梨子「実はまだ…よっちゃんが入れたデスソースたこ焼きが残ってるはずなのよ…」

花丸「！？」

花丸「マルの屍を超えていくずら…」ｶﾞｸｯ

千歌「花丸ちゃーーーーーん！？」

【残り4人】

ダイヤ「…」

鞠莉「…」

梨子「残りのたこ焼きは…」

千歌「あと4つ…」

ダイヤ「デスソースが当たる確率は4分の1ですか…」

千歌「…」

千歌「私…食べる！」

千歌「もう逃げない！みんなの犠牲を…無駄にしたくない！」

鞠莉「千歌っち…！」

ダイヤ「そうですわね…ここで逃げたら倒れた5人に顔向けできませんわ！」

鞠莉「マリーも覚悟決めたわ！どれに当たっても恨みっこなしよ！」

千歌「ダイヤちゃん…！鞠莉ちゃん…！」

鞠莉「さぁ梨子も！みんなで…最後の戦いに挑むわよ！」ｻﾑｽﾞｱｯﾌﾟ

梨子「いや、私はイヤですけど」

千歌「じゃあ1人一個、取るよ…」ｺﾞｸﾘ

梨子「わ、わかったわ…」

ダイヤ「この中のどれか一つに…」

鞠莉「デスソース入りたこ焼きが…」

千歌「…せーのっ！」

4人「「「これに決めた！」」」

パクッ

4人「…」

4人「「「！？！？！？」」」


鞠莉（そう…まさに誤算だった…。てっきり善子の入れたデスソースのたこ焼きは一つだけだと思っていた…）

鞠莉（でもまさか…）


鞠莉（残りのたこ焼き、全てに入っていたなんて…）

ダイヤ「ピギィイイイイ！か、からいからい辛いですわーーーーー！」

千歌「わーーん！な、なんで全部にデスソースが入ってるのーーーーー！？」

梨子「よっ、よっちゃん…恨むわよーーーーー！！」

4人「み、み、み、水ーーーーーー！！」ﾀﾞﾀﾞﾀﾞﾀﾞ


鞠莉「なんで福引きの景品でこんな目に会わなきゃならないのー！」ﾜｰﾝ

鞠莉「もうたこ焼きなんてこりごりよーーー！」



おわり