大石｢いよいよ明日だな…｣

不二｢まさか僕らが決勝まで進めるなんてね｣

菊丸｢ここまで来たら優勝するしかないっしょ！｣

乾｢しかし相手は立海…勝率は実に50%…｣

桃城｢かぁ～！燃えてきたぜ！｣

海堂｢フシュゥゥゥ…｣

越前｢まあどこが来ても関係ないけどね｣

手塚(ついにここまで来ましたルビィ先輩…)

～決勝戦～
越前｢ぐわあああ！！！｣ﾄﾞｻｯ

幸村｢ボウヤ、俺に勝つにはまだ早いよ…｣

桃城｢越前ー！！！｣

赤也｢さすが幸村部長っス！｣

カツオ｢まさかリョーマくんが負けちゃうなんて…｣

堀尾｢ああー！もうダメだお終いだー！｣

カチロー｢だ、大丈夫！まだ手塚部長がいるもん！｣

越前｢ハアハア…すいません部長…後は頼みます…｣

手塚｢ああ…！｣ｽｯ

幸村｢じゃああとは頼んだよ真田｣

真田｢うむ！｣ｽｯ

乾｢ここまで2-2…この試合で全てが決まる…｣

菊丸｢大丈夫かな～手塚｣

大石｢当たり前だろ英二！｣

河村｢そうだよ俺たちの部長だ…！｣

海堂｢手塚部長が負けるわけねえ！｣

手塚｢いくぞ真田よ…｣ﾎﾟｰﾝ

真田｢ふん！返り討ちにしてくれるわ！｣

～
花丸｢もうー！善子ちゃんのせいで遅刻ずら！｣

善子｢だからヨハネ！しょうがないじゃない久しぶりのオフだったんだから！｣

ルビィ｢もう始まっちゃったかな…｣

善子｢だいたい何で休日にテニス見に来ないといけないのよ！｣

ルビィ｢ルビィの後輩がもうすぐ全国制覇だって言ってたから…｣

花丸｢マルの知り合いも今日出るって言ってたずら｣

善子｢てゆーかもう終わっちゃったんじゃないの？あれ大人の試合でしょ｣

ルビィ｢あ！手塚くんだ！頑張ってー！｣

花丸｢あ！真田くんずら！頑張るずら～！｣

善子(え！？どう見ても社会の荒波に揉まれてる顔してるじゃない！)

ルビィ｢花丸ちゃん今誰って言ったの？｣

花丸｢え、真田くん｣

ルビィ｢は？｣

善子(何よこの空気…)

手塚｢はっ！｣ﾊﾟｧﾝ

真田｢『侵掠すること火の如し』！｣ﾄﾞｫﾝ

ジャッカル｢いきなり風林火山かよ！｣

手塚｢…｣ｼｭｳｳｳ

桃城｢おお！百錬自得で倍返しだ！｣

手塚｢はあ！｣ﾄﾞｫﾝ

観客｢どーいう事だ一瞬にしてあそこに！？｣

真田｢『動くこと雷霆の如し』！｣ｶｯ

柳｢雷は光の速さでどこにでも現れそして…落雷にも似たほぼ直角に曲がる打球で相手を恐怖のどん底に落とす｣

菊丸｢で、でも手塚にはまだ！｣

手塚｢…｣ｺｵｵ

青学モブ｢よっしゃあ！これであと何球で決まるかが見えちまうんだ！もう勝ったも同然！｣

真田｢『知り難きこと陰の如く』｣

幸村｢一分の隙も無くし様々な行動パターンを匂わせることで｢才気｣ではダブルスのときの様に読めない｣

真田｢これが『風林火陰山雷ずら』！｣

真田｢『動くこと雷霆の如し』！｣ｶｯ

手塚｢くっ…｣

大石｢あの手塚がここまで…｣

審判｢ゲーム真田！1-0！｣

真田｢まさかこれで終わりということはないだろうな手塚｣

手塚｢…うゆ｣

ｶｯ！！！

桃城｢あ、あれは…｣

跡部｢チッ、やな事思いださせてくれるじゃねーの！｣

不二｢再び成るというのか…｣

乾｢手塚ルビ光…｣

真田(これが跡部と戦ったときに生み出したという…)

手塚｢6きゅうゆ…｣ｺｵｵ

真田(『才気煥発』！？しかし『陰』で俺の思考が読めるはずは…)

真田｢はあ！｣ﾊﾟｧﾝ

青学モブ｢1！｣

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

青学モブ｢2！｣

真田｢くそっ！｣ﾊﾟｧﾝ

青学モブ｢3！｣

手塚｢うんゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

青学モブ｢4！｣

真田｢『動くこと雷霆の如し』！！！｣ｶｯ

青学モブ｢5！｣

手塚｢うゆ！｣ｶｯ!

真田(く、くそ！)

桃城｢うおー！宣言通り6球！｣

河村｢『百錬自得』じゃ返せないんじゃ…｣

乾｢いや…ルビ光と化した手塚はいつもより頑張る。だから返すことができたんだ｣

ルビィ｢しゅごい！手塚くん！｣

審判｢ゲーム手塚！1-1！｣

大石｢やったな手塚！｣

桃城｢もう優勝は決まったっすよ！｣

手塚｢うゆ｣

乾(しかしなんだあの立海側の余裕は…)

柳生｢まさかあれほどとは思いませんでしたね｣

丸井｢でもあれならなんとかなるだろい｣

柳｢もう出すのか弦一郎…｣

真田｢ああ…！｣

審判｢ゲーム手塚！2-1！｣

青学モブ｢うおお！全球零式サーブ！｣

ジャッカル｢おいおいあんなの返せねーだろ｣

幸村｢返せない打球があるのは手塚だけじゃないよ｣

ルビィ｢しゅごい！これもう手塚くんの勝ちだよね！｣

花丸｢何言ってるずら！まだ始まったばかりずら！｣

善子(テニスってもっと穏やかなスポーツだと思ってた…)

真田｢はあ！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

真田｢ふん！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うんゆ！｣ｽｶｯ

手塚(な、何…)

越前｢手塚部長があんななんでもない打球を空振り？｣

手塚(まさかそんなはずが…)

手塚｢うゆ！｣ｽｶｯ

手塚(ま、また…)

乾｢ま、まさか！？｣

真田｢『薄きことずらの如し』｣

～立海～
真田｢もっと声を出さんかぁ！｣

仁王｢ライブに行ってから気合い入り過ぎぜよ｣

赤也｢もう無理っすよ真田副部長｣ﾄﾞｻ

真田｢赤也立てー！立たんかー！｣

幸村｢ふふふ相変わらずだね｣

柳｢弦一郎！大変だ！｣

柳生｢落ち着いて下さい柳くん。何があったんですか？｣

柳｢手塚が…新たな技をあみ出したらしい…｣

真田｢何！？それは本当か！？｣

柳｢跡部をあっさり倒したらしい…｣

ジャッカル｢ど、どうする真田！？｣

真田｢生み出すしかあるまい…『風林火陰山雷』をも超える新たな技を…｣

～真田家～
真田｢クソｯ！！これでは駄目だ！｣

真田｢ハアハア…息抜きにライブの動画でも見るか｣

花丸｢みんなー！元気ずらー！？｣

真田｢クククク…やはり国木田先輩の可愛いさは天井知らずずら！！！！｣

真田｢ずら？｣

～
先生｢真田？どうかしたのか？｣

ｿﾉｻｷﾆｱﾙﾉﾊ

真田｢ずらぁ！！！！！！！｣ﾊﾞｧﾝ!

柳生｢！？｣ﾋﾞｸ

先生｢…｣ﾋﾗ
～
真田(ま、まさか…)ﾀﾞｯ

真田｢ハアハア…いける！いけるぞぉ！｣

大石｢でもなんで手塚が当てることすらできないんだ…｣

乾｢風で飛ばされるカツラの様なひ弱な打球をあえて打つことで手塚がスイングしたときにボールが避けてしまうんだろう｣

海堂｢でもスイングスピードを遅くして避けないようにすれば…｣

真田｢『薄きことずらの如し』！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うゆ…｣ﾎﾟﾝ

河村｢あ、当たった！｣

越前｢いや…｣

真田｢ふふふ無様だな手塚よ｣

不二｢軽く打つと相手コートまで届かないのか…｣

真田｢『薄きことずらの』…｣ｽｯ

手塚｢うゆ！｣ﾀﾞｯ

菊丸｢手塚が前に詰めた！｣

大石｢そうか！最初から前に行けば打球が弱くても…｣

真田｢『動くこと雷霆の如し』！！！！｣ｶｯ

手塚｢ピギャアアアア！！！｣ﾄﾞｻ

乾｢あれほど前に出てしまえば『雷』の倍返しもできない…｣

桃城｢じゃああれを返すのは…｣

乾｢不可能だろう｣

大石｢手塚ー！！！！｣

真田｢どうした手塚、推しが赤いぞ？｣

花丸｢あれれルビィちゃんどっちが勝ちそうって言ってたずら？｣

ルビィ｢ぅゆ…まだわからないし…｣

善子(もう帰りたい…)

幸村｢あの打球は俺にも返せない…｣

柳｢ああだがそれは手塚も同じ｣

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

桃城｢おお！零式サーブ！｣

真田(これだけは返せんｯ！！！)

真田(フッだがこれがいつまでもつかな)

桃城｢おおー！これなら『ずら』が返せなくても…｣

乾｢いや…問題はそこじゃない…｣

不二｢どういうことだい乾？｣

乾｢実力が拮抗するものライバー同士が最後どう差が付くか分かるかな越前？｣

越前｢さあ…使ってきた金とかじゃないんすか｣

海堂｢人気…｣

乾｢そう…メンバーの人気だ｣

河村｢確かこの前の第2回センター投票の結果は…｣

乾｢真田の推す花丸の順位は3位｣

菊丸｢じ、じゃあルビィちゃんは…｣

乾｢9…｣

桃城｢そ、そんな！9人中9位ってことっすか！？｣

大石｢中間発表では良い取ってたりするんだろう？中間に慢心したファンがサボって…｣

不二｢いや｣

乾｢中間も9位だ…｣

越前｢じゃあ部長が勝つにはどうすれば…｣

乾｢乗り換えるしかない…推しを…！｣

審判｢ゲーム手塚！5-4！｣

桃城｢今は頑張って零式サーブ打ってますけど推しが変わるとどうなるんすか？｣

乾｢手塚はもう…頑張れない…！｣

真田｢『薄きことずらの如し』！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢くっ…｣ｽｶｯ

審判｢ゲーム真田！5-5！｣

乾｢推しを変えるなら今しかない…これ以上ルビ光を続けると今までの負担で潰れてしまう｣

海堂｢でも俺たちのために推しを変えてくれなんて…｣

桃城｢言えるわけねえ…！｣

ルビィ｢手塚くん！｣

手塚｢ルビィ…先輩！｣

ルビィ｢善子ちゃんを応援して！｣

善子｢え？私！？｣

桃城｢本物のルビィちゃん！？｣

海堂｢なんでこんなところに…｣

不二｢よ、善子ちゃん！？急いでサインを…｣

ルビィ｢善子ちゃんなら花丸ちゃんに勝てりゅ！｣

乾｢確かに善子の最終順位は2位…人気は花丸を上回っている｣

善子｢そ、そうよ！このヨハネのリトルデーモンになるならずら丸に勝たせてあげるわ！｣

越前(相手真田さんなんスけど…)

手塚｢俺の心はもう決まっている…｣ｽｯ

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

大石｢零式サーブ…｣

河村｢あくまでも手塚はルビィちゃんを推す気だ…｣

不二｢青学の勝利よりも自分の推しを選ぶんだね…｣

審判｢ゲーム手塚！6-5！｣

乾｢もう駄目だ…推しを変えるには遅すぎる上にもう手塚の腕は頑張ってなんとかなるものじゃない…｣

海堂｢もう零式サーブは無理ってことっすか…｣

真田｢フッフッフどうやらここまでの様だな手塚ぁ！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢う、うゆ…｣ﾊﾟｧﾝ

真田｢『薄きことずらの』…｣

真田｢くっ！｣ﾊﾟｧﾝ

桃城｢ふ、普通の打球だ！｣

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

審判｢15-0！｣

乾｢そ、そうか！真田もこの試合ずっと『雷』と『ずら』の連発！体力が続くはずはなかったんだ！｣

真田｢『薄きことずらの如し』！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うゆ…｣ｽｶ

審判｢15-15！｣

菊丸｢な、なんて精神力だ…｣

ルビィ｢ぅゆ…やっぱり勝てないのかなぁ…｣

花丸｢当然ずら！真田くんのテニスは格闘家より強いずら！｣

善子(知らない私はそんなテニス知らない)

ルビィ｢て、手塚くんだって！｣
～

ルビィ(中3)｢や、やめてよぉ～｣

不良A｢やーいやーい！｣

ルビィ(中3)｢ぅゆ…おねぃちゃぁ…｣

不良B｢こんなところに来るわけねーだろ！｣

手塚(中2)｢何をしている？｣

不良A｢クソｯ！どーする？テニス部だぜ…｣

不良B｢おらぁ！｣ﾋｮｲ

ルビィ(中3)｢ああ！ラケットが…｣

不良B｢へへ！テニス部なんてラケットが無きゃなんでも…グフォォォ！！！｣ﾄﾞｻ

不良A｢そ、そんな…無我の爆発的なパワーを左手1本に凝縮してそのまま殴ってくるなんて…｣

手塚(中2)｢大丈夫か？｣
～

ルビィ｢大丈夫！絶対手塚くんが勝つ！｣

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

大石｢手塚が前に詰めた！｣

真田｢馬鹿め！『動くこと雷霆の如し』！！！！｣ｶｯ

審判｢アウト！30-15！｣

真田｢くそおおおお！！！｣

乾｢真田が『雷』を打つと見越してのファントム…しかしもう同じ手は通用しない｣

真田｢はあ！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うゆ！｣ｺｵｵ

桃城｢あれは『才気煥発の極み』！｣

真田｢クソ！｣ﾊﾟｧﾝ

手塚｢うゆ！｣ﾋﾟｷﾞｨ

審判｢40-15！マッチポイント手塚！｣

真田(ここで才気を使ってくるとは完全に予想外だった…！)

桃城｢うおおお！！！あと1ポイント！｣

幸村｢真田…ドリンクだ｣

真田｢あ、ああ…すまない｣

越前｢部長、部長が高架下のコートで言ったこと覚えてますか？｣

手塚｢…うゆ｣
～
手塚｢越前…｣

手塚｢頑張ルビィ｣

真田｢いくぞ手塚ぁ！｣ﾊﾟｧﾝ

菊丸｢えー！？真田の体力が戻ってる！？｣

乾｢まさかあのドリンク…｣

大石｢真田がさっき飲んだのはたぶん熱いお茶だったんだ！｣

不二｢くっ！卑怯な！｣

手塚｢うゆ！｣ﾀﾞｯ

桃城｢手塚部長！また前に詰めた！｣

真田｢血迷ったか手塚ぁ！これで葬ってやる！『動くこと雷霆の如し』！！！｣ｶｯ

手塚(頑張るだけが…ルビィ先輩じゃない！)

手塚｢踏ん張ルビィ！！！！！｣

手塚｢くっ…｣ｷﾞﾘｷﾞﾘ

ルビィ｢手塚くーん！踏ん張ルビィー！｣

手塚(ルビィ先輩！？)

手塚｢ピギャアアアア！！！！！！｣ﾊﾟｧﾝ

真田｢な、何ィ！？｣

審判｢ゲームセット！7-5！ウォンバイ手塚｣

大石｢か、勝った…｣

桃城｢うおおお！やった！やったぜ！｣

手塚｢勝った…のか｣

真田｢手塚見せてもらったぞお前の推しへの気持ち｣

手塚｢真田…｣

真田｢だが次のセンターは国木田先輩が貰うぞ｣ｽｯ

手塚｢フッ次こそセンターはルビィ先輩に歌っていただくさ｣ｶﾞｼ

花丸｢ルビィちゃん。マルの負けずらおめでとう！｣

ルビィ｢は、花丸ちゃん…ありがとう！｣

善子(私何しに来たんだろう…)

～完～