可可「ア！　ついに可可の秘密に触れてくれやがりマシタねすみれ…！」

すみれ「いや秘密って、アンタが勝手に言ったんじゃないのよ…」

可可「どうであれオトメの秘密を知るというのは万死に値する大罪デス！　覚悟するデスよ！」

すみれ「ホント物騒な言葉ばっか覚えてるわね…ただ口をついて出ただけの言葉でしょ？　気にすることないじゃない」

可可「…おほ、それは可可が中国にいた頃の口癖デス。感嘆驚嘆相槌エトセトラエトセトラ、日本に来てからは抑えていたのデスが…」

すみれ「口癖ぇ？　それくらい誰だってあるったらあるでしょ」

可可「…すみれのソレやギャラクシーを聞いていたらなんだか余計に恥ずかしくなってキテ…」

すみれ「人の口癖を恥ずかしいとか言うな！」

可可「トニカク、この口癖のことは他のみんなに内緒デスよ！　破ったらそのカチューシャをデコデコにしてやりマス！」

すみれ「なにその嫌がらせ…言われなくたって言いやしないわよ」

可可「よろしい！　トコロで、すみれはなにか用事があるのデハ？」

すみれ「あっ、忘れてた！　じゃあさっき教えた通りにやればできるから、あと頼むわね！」

可可「おほ！」

すみれ「出てる出てる」

　～～～

すみれ（あれからしばらく可可の様子を見てたけど…）

かのん『可可ちゃん、歌詞のアイデアありがとう！　おかげでどうにか形にできそうだよ！』

可可『イエイエ、かのんのお役に立ててなによりデス！』

すみれ（出ない）


千砂都『可可ちゃん！　ターンワンテンポ遅れてるよ！』

可可『はいデス…！』

すみれ（出ない）

恋『ではそのイメージを取り入れると…こんな感じでしょうか』ﾎﾟﾛﾛﾝ

可可『流石レンレン、一気にしっくりきまシタ！』

すみれ（出ない、のに…）


すみれ「この戦いは面白い逸話があってね、敵地にいる妹から小豆を入れて両端を縛った袋が送られてきたことがきっかけで謀反に気づいたって話があるの」

可可「おほー…」

すみれ（二人きりだと出ちゃうのよね…）

 
すみれ「また出てるわよ、口癖」

可可「アイヤー…すみまセン…」

すみれ「私はいいけど…でもどうして私と一緒のときだけ出ちゃうのかしら。気をつけてないわけじゃないでしょうに」

可可「…もしかするト、すみれにはもう隠しても仕方がないと思ってしまっているのかも知れまセン…」

すみれ「それあんまりよくないんじゃない？　今は二人だからいいけど、もし外で私と話してるときに出ちゃったら──」

すみれ『ギャラクシー！』

可可『おほ！』

かのちされん『おほ…？』

すみれ「──みたいなことに…」

可可「ギャラクシーには呼応しまセン！」

可可「…トハイエ、すみれの言う通りこのままだとポロッと出てしまいそうデス…これからはより気をつけなけレバ…」

すみれ「…ずっと思ってたんだけど、それってそんなに隠したい口癖なの？」

可可「ほぇ？」

すみれ「だって悪い言葉ってわけでもないんでしょ？　確かにちょっと変だけど、変な口癖なんてショービズ的には絶好のアイデンティティじゃない」

可可「そういうものデスか？」

すみれ「そういうもんったらそういうもんよ、この平安名すみれが言うんだから間違いないわ」

可可「…ヘンな口癖ばかりのすみれが言うと説得力が増しマスね」

すみれ「アンタね……でもまぁ、そうね。私の口癖に比べれば、アンタのその口癖はちょっと可愛いかもね」

可可「カワっ…！？」

すみれ「？　どうしたのよ、なんか顔赤いわよ？」

可可「…没有自知之明, 这让我很生气……」

すみれ「ちょっと、中国語で言われたってわかんないわよ…」

可可「なんでもないと言ったのデス！　今日は可可これで帰りマス、勉強教えてもらった分で貸し借りナシにしてやること感謝するデスよ！」ﾀﾞｯ

すみれ「あっ、ちょっと！　なんで怒ってるのよ、絶対それだけの意味じゃないでしょ…」

～次の日、部室～

すみれ（結局二人のときだけ口癖が出る理由も、可可が怒って帰った理由もわからない…まぁ機嫌は直ってるみたいだけれど…）

すみれ（…そもそもどうして最初に私の前であの口癖が出ちゃったのかしら？　今までの反応を見るに本気で抑えてたみたいだし…）

すみれ（う～ん…おほ、か……わからん…）

かのん「──ちょっとすみれちゃん聞いてる？　すみれちゃんは小学校からのお誘いどう思う…」

すみれ「おほ、私は……あ」

かのちされん『…おほ？』

可可「っ！？！？」

すみれ「ち、ちがっ！　今のは…！」

かのん「すみれちゃん今、今おほって…おほって…w！」

恋「か、かのんさん…あまり笑ってあげない方が…」

千砂都「そうだよかのんちゃっ…笑っちゃ、かわいそッ…w」

すみれ「アンタも笑ってんじゃないのよっ！」

かのん「ダメだ面白すぎっ…おっ、おほっw、アﾞーﾞッハッハwwwww」

千砂都「真面目なっ、話なんだよ？w　集中っ…ｸｯﾌw」

すみれ「あﾞあﾞあﾞあﾞッﾞ！！！　私が悪かったから今すぐに忘れなさいッ！！！！」

恋「…可可さん？　お顔が真っ赤ですが大丈夫ですか？」

可可「イエ…ナンデモナイデス……」

すみれ（わかんないことだらけだけど、一つだけわかったことがあるわ…）

すみれ（この口癖、めっっちゃくちゃ恥ずかしい！！！！！）

おわり。

おまけ：その日すみれが見た夢

かのん『可可ちゃんはどう思う？』

可可『おほ、そうデスね……�休！』

かのちされん『おほ…？』

可可『アノ、コレハ…可可の口癖デ…』

かのん『…なにそれなにそれ！？　私聞いたことないんだけど！？』

千砂都『私もマルじゃないね…』

恋『隠していたのですか！？　仲間である私たちに！？』

可可『ショノ、ハイ…恥ずかしくテ…隠してマシタ……』

>>16
おまけ：その日すみれが見た夢

かのん『可可ちゃんはどう思う？』

可可『おほ、そうデスね……ア！』

かのちされん『おほ…？』

可可『アノ、コレハ…可可の口癖デ…』

かのん『…なにそれなにそれ！？　私聞いたことないんだけど！？』

千砂都『私もマルじゃないね…』

恋『隠していたのですか！？　仲間である私たちに！？』

可可『ショノ、ハイ…恥ずかしくテ…隠してマシタ……』

かのん『──ううん、ぜんっぜん恥ずかしくなんてないよ！』

千砂都『むしろかわマルだYO！』

恋『その口癖を武器に生徒会選挙へ立候補されていたら、私は危うかったかもしれません…！』

可可『みなサン…！』

かのん『よーしっ、この学校を可可ちゃんの口癖で繋げよう！　そして可可ちゃんの口癖を世界に響かせよう！！』

四人『おーっ！！！！』

すみれ『……』

　～～～

すみれ「…納得いかない！」

すみれ妹「なにが？」