千歌「あとはね……運動神経がよくて……」

曜「……うん」

千歌「それでね、料理も上手で……」

曜「……うん」

千歌「それで、それでね……ずっと側で私のこと見守ってくれるような人がいいなぁ、なんて……」ﾁﾗｯ

曜「千歌ちゃん、それって……」

千歌「さ、さすがに気づいた、かな……？」

曜「……理想高すぎるんじゃない？」

千歌「……え？」

曜「いやだってさ、優しくて元気な人って、実は意外といないもんだよ？」

千歌「え？ そ、そうかな……？」

曜「うん、2つもいいとこ取りしてる人って、なかなかいないと思うな……」

千歌「う、うん……」

曜「それで運動神経もよくて？ 料理も上手なの？」

千歌「は、はい……」

曜「いやいやいや、そこまで持ってる人はそうそういないって！」

曜「千歌ちゃん、将来が少し心配だよ……」

千歌「むぅ！ そこまで言うことないじゃん！」

千歌（ていうかあなたのことなんですけどね、今までの！ なんで気が付かないかなぁ！）

千歌「じゃ、じゃあ曜ちゃんの好きなタイプってどんな人なのさ！」

曜「私？ 私の好きなタイプはね……」

ｶﾞﾊﾞｯ

千歌「……え？」

曜「……千歌ちゃんみたいな人、だよ」

曜「千歌ちゃんみたいに元気な人がよくて」

千歌「ええっ？ た、確かに元気だけが取り柄だけど……」

曜「いつもみんなを引っ張ってくれるような行動力を持っていて」

千歌「わ、私はそんなこと……ただ強引に、みんなについてきてもらってるだけだよ」

曜「歌もうまくて、ダンスも上手」

千歌「そ、それはいっぱい練習したから……曜ちゃんだってうまいじゃん！」

曜「あとは……ずっと私と一緒にいてくれるところ、とか」

千歌「……曜ちゃんも、理想高すぎない？」

曜「……そうかもしれない。だから、どうしても手に入れたいのかもしれない。千歌ちゃんは、まさに私の理想のタイプだから」

千歌「曜ちゃん……」

千歌「私がさっき言ってた理想のタイプってさ」

曜「……うん」

千歌「全部曜ちゃんのことだよ？」

曜「……嘘」

千歌「嘘じゃないもん！ だっていつも元気で明るいし」

曜「千歌ちゃんほどじゃないよ」

千歌「運動神経もいいし」

曜「別に普通」

千歌「料理も上手だし！」

曜「それも別に普通」

千歌「……そうやって謙遜しちゃうところも、ちょっと好き」

千歌「あと……すっごい優しいところも！」

曜「……優しかったらこんな風に押し倒さないと思うよ？」

千歌「でも曜ちゃんの腕、震えてる。本当はこんなことするつもりじゃなかったんでしょ？」

曜「……」

千歌「こんなに嬉しいことってないよ。だって曜ちゃんは私の好きなタイプそのものだもん！」

曜「千歌ちゃん……」

曜「……ということはさ」

千歌「……うん」

曜「……両想い、ってことでオッケー？」

千歌「……おっけー」

曜「…………」

千歌「…………」

曜「……よ……」

千歌「……よ？」

曜「……よーそろー……」ﾍﾅﾍﾅ

千歌「ちょ、ちょっ！ 曜ちゃん！？」

曜「……zzz」

千歌「……寝てる」

千歌「……ぷっ、もう曜ちゃんったらぁ」

千歌「……ちょっとヘタレなところがあるのもタイプ、かな」



終わりだよーそろー