1: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:40:45.02 ID:hOG8rKUw.net
ビュ-…


海未「うぅ……まさかこんなに急に寒くなるとは……」ブルブル

ことり「海未ちゃん、寒さ対策してなさすぎだよ?」

海未「朝の時点では大丈夫かと思ったんですけど……」

ことり「大丈夫じゃなかったね」アハハ…

海未「毎日鍛錬をしているとはいえ、さ、流石にこれは……寒すぎます……」ガタガタ

ことり「もうっ……」


ギュッ…

2: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:41:16.44 ID:hOG8rKUw.net
海未「あ……」

ことり「これで少しは暖かくなったでしょ?」

海未「はい、ことりの体温と手袋の暖かさが私の冷えきった体を――」


ビュオォ……!


ことり「ひゃあっ!?」ビクッ

海未「……」

ことり「う、海未ちゃん大丈夫!?」

海未「……冷えきった体を温めてくれると思いましたが、前言撤回します。やはり、寒いものは寒いです!」

ことり「海未ちゃん、酷い……」グスッ

3: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:41:45.15 ID:hOG8rKUw.net
海未「あ……い、いえ違いますよ!?ことりが手を握ってくれた事は嬉しかったですし、気休め程度とはいえ確かな温もりを――」

ことり「ごめんね、気休め程度にしかならなくて……」

海未「ああぁ!?すみません!違うんです!本当に違うんですことり!これは寒さで少しおかしくなってしまっただけで……」

ことり「いいもん……もう海未ちゃん嫌い」プイッ

海未「はうっ……」ガ-ン!

ことり「手も離しちゃうからね!」パッ

海未「嫌です!」ギュッ

ことり「も、もう!離してよ~!」ブンブン

4: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:42:58.74 ID:hOG8rKUw.net
海未「ことりが私の事をもう一度好きになってくれるまで離しません!」

ことり「ことりが海未ちゃんのこと嫌いになんてなるわけないでしょ~!……あ」

海未「こと――」

ことり「き、嫌い!嫌いだからね!」

海未「」ズ-ン

ことり「嫌い……だけど、このままじゃ海未ちゃんが寒くて死んじゃいそうだから手は握っててあげます」ギュッ

海未「……ありがとうございます」クスッ

ことり「でも、何でこんなに寒いのかなぁ」

海未「冬だからですよ」

5: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:44:27.44 ID:hOG8rKUw.net
ことり「冬は寒いって決まってるの?」

海未「今まで寒くなかった冬がありましたか?」

ことり「なくはないと思うけど……でも、殆どは寒いよね」

海未「でしたら、そういう事ですよ。冬だから寒いんです」

ことり「冬は嫌いじゃないけど、寒いのは嫌いかなぁ。海未ちゃんは?」

海未「私も寒いのが好きという訳ではありませんが、冬の朝の張り詰めた寒さは嫌いではありません」

ことり「どうして?」

海未「寒さによって嫌でも気が引き締まるので、朝の鍛錬に精が出るんです」フフン

7: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:46:06.40 ID:hOG8rKUw.net
ことり「……」

海未「ことり?」

ことり「海未ちゃんの鍛錬って朝早いよね?」

海未「ええ、まあそうですけど」

ことり「……風邪だけは引かないでね」ギュッ

海未「もしもの時は看病してくれますか?」

ことり「わかってて言ってるでしょ……」

海未「一応聞いておいた方がいいかと思ったので」

ことり「泊まり込みで看病するから」

海未「泊まり込みだなんて、それではことりにも移ってしまう可能性があります」

8: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:47:24.17 ID:hOG8rKUw.net
ことり「そう思うなら風邪を引かないようにしてください」ビシッ

海未「う……き、気をつけます」

ことり「ふふっ」

海未「全く……ことりには敵いませんね」

ことり「でも、本当に風邪引いちゃった時はちゃんと看病するからね」

海未「ご迷惑をおかけしますが、その時はよろしくお願いします」ペコッ

ことり「その代わり、ことりが風邪引いちゃった時は海未ちゃんが看病してね♪」

海未「それは勿論です……が、弱ってしまったことりはあまり見たくありませんので、なるべくことりも風邪を引かないように気を付けて下さい」

ことり「海未ちゃん優しいっ♪」

10: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:49:09.74 ID:hOG8rKUw.net
海未「いえ、これぐらいは誰でも当たり前に思っている事です。私が特別な訳ではありませんよ」

ことり「そこは『ことりの為を思っているのですから当たり前です』ぐらい言って欲しかった……」ムゥ

海未「え、あ、すみません……」

ことり「でも海未ちゃんらしいから許します」

海未「あ、ありがとうございます……?」

ことり「くすっ、海未ちゃん変なのー」クスクス

海未「こ、ことりの言ってる事がころころ変わるから思考が追い付かないんです!笑わないで下さいよ///」

11: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:50:21.15 ID:hOG8rKUw.net
ことり「だって海未ちゃん面白いんだもん」フフッ

海未「私で遊ばないで下さい!」

ことり「かわいいかわいい♡」ナデナデ

海未「くっ……///も、もういいですから早く帰りますよ!」スタスタ

ことり「やーん、そんなに怒らないで海未ちゃ~ん!」

――――――

12: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:53:00.36 ID:hOG8rKUw.net
海未「で、何で家まで付いてきたんですか……」

ことり「外がとっても寒かったから?」

海未「なら、家まで送りましょうか?」

ことり「ううん、大丈夫だよ。それより折角お家まで来たんだからお家デートしよ?」

海未「家でデート、と言われましても……何をすれば良いのです?」

ことり「んー……取り敢えずイチャイチャしよっか♪」

海未「いつもと同じような気が……」

ことり「違うよー?お家なんだから、どれだけイチャイチャしても誰にも見られないんだよ!」

13: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:54:04.15 ID:hOG8rKUw.net
海未「冷静に考えて下さい、一番見られたくないお母様達がすぐ近くにいますからね?」

ことり「……見せつけちゃう?」

海未「やめて下さい、私が勘当されてしまいます!」

ことり「何処までならイチャイチャしてくれるの?」

海未「逆に聞きます。何処までしたいですか?」

ことり「最後まで」

海未「……最後とは一体」

ことり「ことりにそんな事説明させるなんて……やんやん、海未ちゃんってば♡」

14: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:55:30.28 ID:hOG8rKUw.net
海未「今のことりの反応で大体察しました。破廉恥なのは無しです」

ことり「じゃあ膝枕して?」

海未「一気にハードルが下がった気が……まあ、それぐらいでしたらいくらでも構いませんよ。どうぞ」

ことり「えいっ」ゴロンッ

海未「珍しいですね、いつもならことりが膝枕してくれるのに」

ことり「たまにはことりも海未ちゃんに甘えたくなるんですっ」

海未「ふふっ、甘えん坊なことりですか。嫌いではありませんよ」サラサラ

15: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:56:41.60 ID:hOG8rKUw.net
ことり「あ、そうやって髪触ってくれるの気持ちいいかも~」

海未「ことりの髪は本当に綺麗ですよね」

ことり「海未ちゃんがそれ言う?一番綺麗な髪してるくせにー」

海未「へ?あ、別に変な意味はなくですね……純粋にそう思っただけですよ!」

ことり「わかってるよー、ごめんねちょっと意地悪しちゃった」クスッ

海未「もうっ……膝枕やめますよ?」

ことり「だめっ!」ガシッ

海未「腰にしがみつかないで下さい!やめませんから!」

16: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:57:15.30 ID:hOG8rKUw.net
ことり「わぁ~、海未ちゃん腰細~い♡」サワサワ

海未「変な所を触るのはやめていただけませんか……」

ことり「海未ちゃんのおへそはこの辺かな~?」フニフニ

海未「こ、ことっ!?///」ガタッ

ことり「やんっ!」

海未「さ、流石に破廉恥が過ぎますよ!?///」

ことり「……怒られちゃった」

海未「もう本当に膝枕は無しです!」

ことり「海未ちゃんはおへそを触られると怒っちゃう」メモメモ

17: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:58:30.36 ID:hOG8rKUw.net
海未「おへそは私以外の方でも怒ると思いますよ」

ことり「そうかなぁ?じゃあ海未ちゃん、ことりのおへそ触ってみる?」ペラッ

海未「な、何で服をめくる必要が……?」

ことり「え?だって直接触った方がよくない?」

海未「良くないと思いますけど……」

ことり「ことりは海未ちゃんなら気にしないよ!どーぞ♡」

海未「どうぞと言われましても……」ゴクリ

ことり「海未ちゃん早く~、お腹冷えちゃうよ~」

18: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:59:04.40 ID:hOG8rKUw.net
海未「はっ、確かにそうですね!ことりがお腹を壊してしまっては大変です。し、失礼します……」ソ-

フニッ…

ことり「ひゃんっ♡」ピクッ

海未「ひぃ!」ビクッ

ことり「海未ちゃんの指冷たいよ~……って、何で海未ちゃんも驚いてるの?」

海未「すみません、つい……」

ことり「?まあ、いっか。それよりね、海未ちゃん?ことり、おへそ触られても怒らないでしょ?」

海未「そ、そうですね……」

19: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:59:33.29 ID:hOG8rKUw.net
ことり「おへそなんて触られてもくすぐったいだけなんだよ~?でもでも、海未ちゃん以外の人には絶対触らせないから安心してね♪」

海未「いえ、私ももう結構です。精神が持ちそうにありませんので」

ことり「なんで~!?おへそ触るだけなのに!?」

海未「ことりの場合は色々とあるんですよ……まあ悪く言っている訳ではありませんので」

ことり「おへそ……触ってもいいのに……」シュン

海未「う……そ、それ以外の事ならしてあげますから」

ことり「何でも?」

海未「私に出来る範囲の事でしたら」

ことり「……なら」

海未「なら?」

――――――

20: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 20:59:59.91 ID:hOG8rKUw.net
ことり「そろそろ帰るね、海未ちゃん!」

海未「え、ええ……風邪を引かないように寒さにはくれぐれも気を付けて」ソワソワ

ことり「海未ちゃん何でそんなにそわそわしてるの?」

海未「何故ってそんなの……分かってるでしょうに……!」

ことり「えへへー」

海未「さあことり、お母様達が来る前に早くお帰り下さい」

ことり「えー?もうちょっとお話していきたいな♪」

海未「……私を殺す気ですか?」

21: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 21:00:41.57 ID:hOG8rKUw.net
ことり「やーん、今日の海未ちゃん怖いよ~」

海未「私からすればことりの方が恐ろしいですけどね……」

ことり「それじゃ、ホントに海未ちゃんのお母さんに見られちゃ大変だから帰ろっかな」

海未「そうしていただけるとありがたいです。もう動悸が激しくて……」

ことり「じゃあ、はい……んー」グッ

海未「っ……」

ことり「海未ちゃーん?早く早く~♪」




ことり「さよならのキス……してほしいなぁ♡」

海未「ああ……何故なんでもする等と言ってしまったのですかさっきの私……!」

22: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 21:01:38.93 ID:hOG8rKUw.net
ことり「来ないならことりから行くよ?」

海未「し、します!今行きます!」

ことり「どうぞ♪」ン-


海未「え、ええい!ままよっ!」グイッ


ことり「♡」

海未「……///」


スッ…


海未「さ、さよならですことり……///明日またお会いしましょう……///」ダッ



ことり「あ、海未ちゃん自分の部屋に逃げちゃった。でも、ふふっ……ありがと♪また明日だね、海未ちゃん♡」

23: 名無しで叶える物語 2017/12/13(水) 21:02:06.54 ID:hOG8rKUw.net
おわり

引用元: 海未「こんな寒い日は」