【ガルパン】カチューシャ「私の同志は手強いわよ!」
【ガルパン】沙織「わ、私の同志は手強いんだから!」
2: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/02(土) 08:23:39.00 ID:E/Ci5Saj0
戦車道―――
それには色も形も無い、ではどうやってその存在を伝えるのか?
家を、相手の戦車を粉々に吹き飛ばせばいいのか?
そうではない……
鉄鋼弾に想いを乗せ相手に伝えればいい……
その戦車乗りの歩んできた道、さまざまな出会い、仲間たちとの絆……
きっとそれこそが戦車道の正体
3: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/02(土) 08:24:49.87 ID:E/Ci5Saj0
.
…
……
無数の星が煌いている、今夜はは満点の星空だ。つい時間を忘れ見入ってしまう
カチューシャ(………)
小梅「こんなところにいたんですかカチューシャさん?」
カチューシャ「あ、うん。ちょっと夜空を見てたの」
小梅「明日も早いからもう寝ましょう」
カチューシャ「うん、そうするわ」
カチューシャ「………」
4: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/02(土) 08:26:41.63 ID:E/Ci5Saj0
~~~~~~~~
戦車道は武道、格闘技が拳を振るうように戦車道は砲弾を撃つ
私は聖グロリアーナと出会ったことで淑女としての道を見つけた
立派な淑女でありたいという思いが私を強くした……
あなたは何のために砲弾を撃つの?
今はたくさん悩みなさい、その先に答えはあるわ……
あなたもいずれ何かをつかんで私の前に現れる、その時を楽しみにしてるわ
~~~~~~~~
戦車道は武道、格闘技が拳を振るうように戦車道は砲弾を撃つ
私は聖グロリアーナと出会ったことで淑女としての道を見つけた
立派な淑女でありたいという思いが私を強くした……
あなたは何のために砲弾を撃つの?
今はたくさん悩みなさい、その先に答えはあるわ……
あなたもいずれ何かをつかんで私の前に現れる、その時を楽しみにしてるわ
~~~~~~~~
5: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/02(土) 08:30:51.12 ID:E/Ci5Saj0
カチューシャ(私の戦車道……か)
人生、生き方、プライド
己のため、人のため、名誉のため、お金のため……
十人十色、千差万別、それこそ星の数と同じくらい
戦車乗りの数だけ無数に存在する
10: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:20:07.59 ID:csX6mFUt0
-サンダース
ねこにゃー「フンッ!」バターン
「すごい、これで15人抜き!」
ワーワー!
アリサ「アームレスリングで勝った程度でいい気になるんじゃないわよ!」
アリサ「あんたたちもなに負けてるのよ、恥ずかしくないの!」
ねこにゃー「アッちゃんおちつくにゃー」
アリサ「誰がアッちゃんよ!」
ねこにゃー「そんなんだからタカシにふられるんだにゃー」
アリサ「ふられてないわよ、いい加減にしなさいよ!」
アリサ「~~~私と勝負よ!どっちが上かはっきりさせようじゃないの!」
ねこにゃー「アームレスリングで?」
アリサ「んな訳ないでしょー、なに自分に有利な勝負選んでんのよ!サンダースのモットーはフェアプレイ精神よ、わかってんの!?」
(どの口が言うんだか……)
アリサ「そうね……ゲームで勝負よ!これなら力の差も関係ないしフェアでしょ」
ねこにゃー「ん~別にいいにゃー」
(どこがフェアなんだ、得意分野じゃん……)
アリサ(ほえずらかかせてやる……覚悟なさい)ギリギリ
アリサ( 私 の 戦 略 に 誤 り な ど な い わ ! )ドン!
11: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:21:35.69 ID:csX6mFUt0
ネコニャーwin!
アリサ「」ボーゼン
ねこにゃー「いい勝負だったにゃー」
「おー、アリサに勝った人って始めて見た」
「すごーい」
タカシ「アリサに勝つなんて、ねこにゃーさんってすごいんですね!」
アリサ「タ、タカシ!?」
タカシ「ねこにゃーさん、僕にもゲーム教えてください!」
「私もー!」
ワイワイ!
アリサ「な……なんでこうなるのよー!」
12: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:22:34.96 ID:csX6mFUt0
典子「アターック!」バシーン!
ナオミ「何の!」バシッ!
典子「私のアタックを返すなんて、ナオミさんバレーやらない?」バシーン!
ナオミ「ふっ、残念ながら戦車道一筋でね!」ドウッ!
典子「う~ん、残念!」
13: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:23:44.76 ID:csX6mFUt0
アリサ「猫田ぁ、私を弟子にして!」
ドヨ ザワ ザワ
ねこにゃー「なぜ敵と見定めながら頭を下げ教えを乞うにゃ、何の為に!」
アリサ「 あ ん た を 超 え る た め ! 」ドン!
アリサ「このままじゃ私はだめだ……変わらなきゃいけない。だから……」
アリサ「あんたに勝って……」
アリサ「 タ カ シ を 取 り 戻 す ! 」ドン!
(取り戻すもなにも付き合ってないじゃん……)
14: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:24:38.47 ID:csX6mFUt0
ブロロロロ
ツチヤ「ドリフトドリフト!」
ギャゴォ!
「だあああ~っ!!大外からいっきに行かれたァ!!」
ワーワー!
「いいぞ、ぶっちぎれ!」
ケイ「これは……?」
「戦車でレースをしてるんです、いけー!」
ケイ「戦車で!すご~い私もやらせてよ!」
15: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:26:10.61 ID:csX6mFUt0
スタスタ
ケイ(大洗の人たちが転校してきてからみんなずいぶん変わったわね……)
ケイ(ナオミはバレーを始めるし、アリサはなんか弟子になってるし……)
ケイ(戦車でレース始めたやつらもいるし……)
ケイ(なんか……)
ケイ( 大 洗 の 影 響 力 が 半 端 じゃ な い )
16: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:26:58.81 ID:csX6mFUt0
-生徒会室
ケイ「失礼しマース」ガチャ
杏「やーおケイ」
ケイ「アンジー、どうしてここに?」
杏「大洗での手腕を買われてね、ぜひやってくれって」
ケイ「なになに、早速サンダースを裏から掌握するつもり~?」
杏「さ~てどうだろうねぇ?」ニヤニヤ
17: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/10(日) 10:28:32.39 ID:csX6mFUt0
ドオン ドオン!
優花里「シャーマンに乗れるなんて感激であります~!」
ケイ「やっぱり優花里は隊長が向いてるわね」
優花里「な、それはさすがに買い被りでは?車長の経験だって無いですし……」
ケイ「そんなこと無いわ、優花里の戦車道の知識は間違いなくサンダースの中でもトップレベルよ」
ケイ「いろんな戦術も知ってるし経験をつめば鬼に金棒じゃない」
優花里「しかし、突然やってきた私が他の方を差し置いて隊長などとは恐れ多いですよ」
ケイ「優花里はみんなとも仲良くやってるし問題ないわ、文句を言う人なんていないわよ」
ケイ「あなたを装填手にしておくのはもったいない、もっとちゃんとした場所で活かさないと」
優花里「ケイ殿……何故そこまで?」
ケイ「あ~もうっ、分かった。はっきり言うわね?」
ケイ「大洗の大将カチューシャの指揮を真横で見続けてきたあなたは間違いなくサンダースの大きな戦力になる!」ドン!
ケイ「車長、引き受けてくれるわね?」
優花里「……了解しました!誠心誠意頑張ります!」
ナオミ「それじゃあしっかりしごいてあげないとね」
アリサ「初心者だからって容赦しないわよ、覚悟しなさい!」
優花里「お、お手柔らかに……」アハハ
優花里(カチューシャ殿、私はサンダースでこれから頑張っていきます)
21: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:52:12.20 ID:wNFgK3bY0
大洗は大学生との戦いに敗れ、文科省計画通り廃校になった……
しかし、文科省は不安がぬぐえなかった。全国大会の優勝、大学生相手の善戦……
我々の予想を超えた動きをするのが大洗、思いもよらない手で廃校撤回を訴えてくる可能性がある
大洗の反抗を恐れた文科省は大洗の戦車道履修者を別々の高校に転校させた。まず強さの源である団結力を封じたのである
特にカチューシャ率いるグランゾートチームは念を入れてバラバラにされたのであった……
※カチューシャはプラウダに転校すると学園艦を率いて文科省に戦争仕掛けるくらいのことはやりそうなので黒森峰に転校させられました
ここならカチューシャのカリスマ性もあまり発揮されないと文科省は判断したんです
22: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:53:13.72 ID:wNFgK3bY0
-聖グロリアーナ
ブロロロロ
ローズヒップ「ぶっとばしますのー!」
ダージリン「……今のは?」
ルクリリ「チャーチルですよ」
ダージリン「そうじゃなくてなんで何であんな高速で走ってるのかって聞いてるの!」
スズキ「いやー改造のしがいがあるねー」
ダージリン「ちょっと、勝手に戦車を改造しないで下さる!」
スズキ「え、ローズヒップさんがチャーチルが早くしてほしいって言うから……」
ブロロロロ
ローズヒップ「チャーチルの防御力にクルセイダーのスピードが加われば無敵ですのー!」
ダージリン「ローズヒップゥゥゥゥ!!」
ローズヒップ「おほほほほほほほほほほほ!」
ホホホホホホホバーン プシュー
ダージリン「わ、私のチャーチルがあぁぁぁ!」
スズキ「あっちゃー駄目だったか」
23: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:54:23.20 ID:wNFgK3bY0
トボトボ
ダージリン(こんなときは紅茶でも飲んで気分を落ち着けますか)ハァ
カチャ
ダージリン「あらオレンジペコ、ちょうどいいところに……」
オレンジペコ「すいませんダージリン様、今から用がありますので」パタン
アッサム「たぶんエルヴィンさんのところですね。以前やったクイズ対決でライバル視されてるみたいですよ」
アッサム「ちなみに今のところ5勝3敗でオレンジペコが勝ち越してます」
ダージリン「そ……そうなの」
アッサム「いいライバルができたし、これでオレンジペコもダージリンを卒業ですね」
ダージリン「ええっ!!」ガーン!
ダージリン「ア、アッサム……」
アッサム「私もこれから用事があるので失礼します」パタン
ダージリン「………」
24: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:55:38.76 ID:wNFgK3bY0
ダージリン「………」コソコソジー
桂利奈「こっちこっち~」
アッサム「お待たせしました」
ダージリン(あの二人ったらいつの間に?)
スタスタ
桂利奈「今日はこれを見よう!」ジャン!
アッサム「!この前見たやつの続編ですね。私のデータによるとかなりの人気だったとか……」ワクワク
桂利奈「はっきしいって面白かっこいいぜ!」
アッサム「フフ…今から楽しみですね」
スタスタ
ダージリン「……映画鑑賞かしら?」
25: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:56:43.12 ID:wNFgK3bY0
ルクリリ「なにっ、わかるのかマチルダの良さが!」
妙子「はい、マチルダは装甲も厚いし根性のある戦車だと思います!」
妙子「敵の攻撃をブロックしながら前進するなんて、私の乗ってた89式じゃできないことですから」
ルクリリ(動きが遅いとか地味だとか、たいして活躍してないとか言われてたのに……)ジーン
ルクリリ「近藤さん、あなたとはうまくやれそうな気がする」ガシッ
26: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:57:24.97 ID:wNFgK3bY0
ダージリン(いつも三人で行動してたからこんな事は初めてね)トボトボ
ダージリン(仕方ないわね、たまには一人で過ごしましょう…)
華「あら、ダージリンさんじゃないですか?」
ダージリン「あら、あなたは五十鈴さん?」
27: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:58:17.16 ID:wNFgK3bY0
華「それでお一人だったんですね」
ダージリン「まったく、大洗の生徒の影響には驚かされるわね」フフ
華「それでしたら私と一緒にお昼でもどうですか?ダージリンさんとお話もしたいですし」
ダージリン「よろしくてよ、では参りましょう?」
ダージリン(これからのことを考えれば、私も彼女たちのことをもっと知っておく必要があるわね)
ダージリン「特別においしい紅茶の飲み方も教えてさしあげますわ」
華「まあ、それはうれしいです」
28: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 07:59:55.60 ID:wNFgK3bY0
華「英国王立科学協会完璧な紅茶の入れ方ですか?」
ダージリン「ええ、興味がわいてこないかしら?」
華「ええ、とても気になります。どのような淹れ方なのでしょうか?」
ダージリン「まずは雨の中重い荷物を持って……」
こうして気の会う似た物どうしは親睦を深めていくのであった……
29: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 08:01:11.18 ID:wNFgK3bY0
-プラウダ
麻子「どうしたんだ、話があるんじゃないのか?」
ノンナ「私はプラウダで3年間やってきました……」
ノンナ「全国大会に来るといつも感じていました」
ノンナ「 全 国 は 化 け 物 だ ら け だ と 」
麻子「………」
ノンナ「プラウダの重戦車部隊は全国でも通用する、しかし……」
ノンナ「私とて道化ではありません、もちろん気づいています」
ノンナ「肝心の私だけが隊長として二流だということを……」
ノンナ「あのメモ…カチューシャがいなければプラウダは決勝まで行くことはできなかった」
麻子「だが、みんな知っているはずだ」
麻子「隊長として毅然と振舞うあなたが影でどれだけ努力をしていたかを……」
麻子「戦車道にまぐれはない……誇っていいはずだ、あれはノンナさんの実力だ」
ノンナ「私は卑怯なんです。少しでも勝ちにつながるならなんでもする、たとえそれが他人の戦術でも……」
麻子「持てる手駒で最善の策をとる、何も間違ってはいない。同じ立場だったら私だってそうする」
ノンナ「……こんなこと隊員たちには話せない、あなたがいてよかった……」
30: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 08:03:00.47 ID:wNFgK3bY0
ぴよたん「KV-2の砲弾は重いぞな~」ヒョイ
ニーナ「そしたら事言いのがきや砲弾ば片手で持ち上げてら」
アリーナ「大洗の人たじはみんのこうののだな?」
忍(う~ん微妙に聞き取りづらいなあ)
ぴよたん「こんなこともできるぞな!」ヒョイヒョイ
ニーナ「すんげ~、砲弾でお手玉してら!」
※津軽弁変換サイトを利用してます
31: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/18(月) 08:03:42.34 ID:wNFgK3bY0
カチャカチャ
クラーラ「何をしてるのですか?」
ナカジマ「もちろん戦車の整備!プラウダの戦車に触れるなんて感激だよ」
クラーラ「……大洗がなくなってしまったのに何故そんなに明るくいられるのですか、みんなと離れて寂しくないのですか?」
ナカジマ「確かに、廃校になっちゃったのは残念だけどさ、別に会おうと思えばいつでも会えるし。それに……」
ナカジマ「悲しいことばかりじゃないよ……こうやってクラーラさんたちとも知り合えたんだからさ」
クラーラ「ナカジマさん……」
ナカジマ「別れがあれば新しい出会いもある。クラーラさんもそうでしょ?」
ナカジマ「道は一つじゃないんだ、大切なのは立ち止まらずに進み続けることだよ!」
ナカジマ「なんてね、ちょっとカッコつけすぎたかな?」アハハ
クラーラ「………」
ナカジマ「よし…一区切りついたしちょっと休憩しうようかな?」
クラーラ「私もご一緒してよろしいですか?……私もナカジマさんのこともっとよく知りたいです」
ナカジマ「喜んで!お勧めのランチとか教えてよ!」
38: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/21(木) 00:41:39.36 ID:6gtC2nfw0
-アンツィオ
カエサル「ひ~なちゃん」
カルパッチョ「た~かちゃん」
39: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/21(木) 00:42:29.95 ID:6gtC2nfw0
タッタッタッ
あけび「アンツィオ、ファイトー!」
「オー!!」
ペパロニ「ちょっと、なにやってるんスか!」
あけび「何って準備運動ですよ~」
ペパロニ「副隊長は私ッス、勝手なことしないでほしいッス!」
あけび「アンツィオってみんな元気があっていいですね、他とは勢いが違います!」
ペパロニ「分かるッスか?ノリと勢いは何処にも負けないッス!」
あけび「アンツィオ、ファイトー!」
「オー!」
ペパロニ「ファイトー!あれ、何か忘れてるような?……ま、いーか」
41: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/21(木) 00:44:28.94 ID:6gtC2nfw0
沙織(あ、アンチョビさん電話してる)
アンチョビ「ん、ああ、今度の休みにはそっちに行くから、じゃあな」ピッ
沙織(えっ、会いに行く?まさかこれって…)
沙織「あ、アンチョビさん。今のって……」
アンチョビ「聞いてたのか?ああそうだ、今度寄港した時会いに行くつもりだ」
沙織(やっぱり彼氏だ!これってもしや遠距離恋愛ってやつ?)ヤダモー
アンチョビ「自慢の手料理を振舞ってやるつもりだ」
沙織「!手料理ってやっぱりポイント高いですか?」
アンチョビ「当たり前じゃないか、私の自慢の手料理だぞ。みんな大喜びだ!(家族が)」
沙織「よーし、私も頑張ってモテモテになるぞー!」
アンチョビ「なんかよく分からんが頑張れ!」
42: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/21(木) 00:45:09.38 ID:6gtC2nfw0
ホワンホワ-ン
~~~~~~
彼氏「やあ、会いたかったよ沙織」
沙織「彼氏、私もだよ……」
彼氏「つもる話もあるけど、まずはさ……」ガシッ
沙織「もうっ、気が早いんだから……」
彼氏「だめかい?」
沙織「だめじゃないけど……」カァ
ブッチュ-
※恋愛経験のないやつの妄想なんてこんなもんです
43: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/21(木) 00:46:27.10 ID:6gtC2nfw0
~~~~~~
カルパッチョ「ええ、ドゥーチェはモテモテですよ(隊員に)」
沙織「やっぱり隊長ってもてるんだ~(男に)」
カルパッチョ「でもペパロニさんももてますよ?」
沙織「二人とも確か料理も得意だったはず……私も料理得意なのに何でもてないのかな?」
カルパッチョ「沙織さんには沙織さんのよさがあります。私にとってのタカちゃんみたいに、きっと沙織さんのよさを分かってくれる方が見つかります」
沙織「そうですよね、もっと女子力を磨けばきっといい人が現れるはず。よーし、目指せ、モテ道!」
立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花。磨いた分だけ光り輝き、流した汗だけ魅力を増す。明るい心、天使の笑顔、それがモテ道……竹部沙織のモテ道はこれからだ!
48: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:03:52.89 ID:jPKuGvSO0
-黒森峰
ドオン シュポ
「カチューシャ、ティーガーⅠ走行不能!」
ザワザワ
「これで7連敗、ちょっと弱すぎなんじゃ……」
「全国大会優勝で大学選抜にも勝ったからどんなすごいのかって思ってたんだけど……」
「なんか期待はずれって言うか……ねえ?」
カチューシャ「うう……」
エリカ「センチュリオンとも互角にやり合ってたじゃない、何なのこのざまは……」ワナワナ
エリカ「やっぱり全国大会もまぐれだったんですよ、そうで無ければ私たちが負けるはずなんて……」
まほ「いい加減にしないか!」
エリカ「」ビクッ
まほ「相手を見た目で判断し本当の実力も見抜けない、そんなことだからお前は半人前なんだ!」
まほ「自惚れるのもいい加減にしろ!」
エリカ「」シュン…
まほ「だが大学選抜の活躍を知ってる私たちから見たら確かにらしくないな……みほはどう思う?」
みほ「カチューシャさんはまだこっちに来たばかりだから、まだうまく馴染めてないんだと思う」
みほ「大洗と黒森峰では戦車も戦い方も全然違うし、なによりうまく指示が伝わってない。大洗のチームだったらもっと違う結果になっていたはず」
まほ(……以前よりずいぶん積極的に話すようになってきたな、いい傾向だ)フム
49: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:04:52.53 ID:jPKuGvSO0
-夜
戦車道にまぐれなし、あるのは実力のみ
忘れるな、私たちはもう最強でもなんでもない
エリカ(隊長はそう言ったけど……私は納得できない)ギリ
ワイワイ
エリカ「ん、何か騒がしいわね?」ヒョイ
50: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:07:08.89 ID:jPKuGvSO0
カチューシャ「う~ん」ペラペラ
カチューシャ「もともと大洗と黒森峰の戦術は正反対。本来とは全く違う戦術に戸惑いうまくかみ合わなかった、そんなところかしら?」
梓「指示通りの戦術は完璧なんですけど、自分で判断するのが苦手みたいですね」カキカキ
カチューシャ「うん。統率のとれた動きとかは完璧なんだけど、個人の判断とかになるととたんに動きが悪くなる」
カチューシャ「加えて優勝上連高だったプライドが、最強としての誇りが他の戦術を受け入れない……どうしようもない頑固者ばっかりね」ハア
カチューシャ「だからといってないものねだりをしてただ悶々としてても意味は無い、今の自分にできることを全力でやるしかない…」
カチューシャ「強くなるのに楽な道なんて無い、死に物狂いであがき続けた先に答えはある」
カチューシャ「そうと決まればまずは黒森峰の戦術を知るところからね……」カキカキ
カチューシャ「いずれ私がトップになってやるんだから!」
カチューシャ「梓、あなたも今は通信手だけど、まさかこの程度で満足なんてしてないわよね?」ニィ
梓「もちろん、車長の座奪って見せますよ!」
カチューシャ「私たちは、大洗はこの程度の困難では挫けない……覚悟しなさい黒森峰」オー
51: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:09:07.82 ID:jPKuGvSO0
エリカ「………」
まほ「やはりな……」
エリカ「たっ、隊長、いたんですか!?」ビクッ
まほ「この程度のことでカチューシャがへこたれるわけないだろう」
まほ「プラウダから追い出され大洗で初心者たちを率い、どん底から全国大会を優勝まで導いたんだぞ」
まほ「どうだエリカ、これがカチューシャ、これが大洗だ」
まほ「弱い戦車と素人を引き連れて優勝を目指す」
まほ「同じことがお前にできるか?」
エリカ「ぐっ……」
まほ「もはや四強の時代は終わりを告げた、これからは戦車道は戦国時代に突入するだろう」
まほ「黒森峰だからとタカをくくっていると足元を救われるぞ?」
まほ「油断しているとあっという間に抜かされるぞ」
エリカ「そ、そんなことさせません。私も副隊長も黒森峰の面子にかけて絶対に負けません!」
まほ「期待してるぞ」フッ
まほ(今までと同じでは時代に取り残される、私たちも変わっていかなくてはいけないな……)
52: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:11:45.40 ID:jPKuGvSO0
-継続
ガシッ ガシッ
「捕まえたぞー!」
グイッ ドザー
「うわあっ、だめです。取り押さえられません!」
???「ゲームがやりたい……」ゴゴゴゴ
「もうだめだ、逃げろー!」
ももがー「ゲームはどこも゜も゜ー!」ギャオオオン!
桃「もうだめだ~アキちゃーん」ピエーン
アキ「ちょっと勝手に諦めないでください、って言うかあなたの方が詳しいでしょ、何とかしてください!」
桃「あんなモモガー見たことないよ~、助けて~!!」
アキ(ちょっと……この人ひょっとしてポンコツ?)
53: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:13:50.95 ID:jPKuGvSO0
紗希「………」
ミカ「そうだね、戦車道には人生の大切なものが詰まっているんだ……」ポロロン
紗希「………」
ミカ「このまま風に身をゆだねるのも良いね……」
紗希「………」
ミカ「うぐっ、そ、それは…じ、人生において必要なことかな?」ダラダラ
紗希「………」
ミカ「い…いやそういうわけでは……」ダラダラ
紗希「………」
ミカ「ミンナニハナイショニシテクダサイ」
(二人とも何話してるんだろ?)
54: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:14:50.78 ID:jPKuGvSO0
佐衛門佐「心静かに水面と向き合う、大自然の中でする釣りは格別だな……」
パゾ美「でもこれって規則違反なんじゃ?」
ミッコ「ここではご飯の調達が規則だから大丈夫!」
パゾ美「そうなんだ。だったら釣って釣って釣りまくるわよ~!」
ミッコ「小さい魚はリリースするのが規則だからね」
55: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:16:02.10 ID:jPKuGvSO0
-夜
ミッコ「あれ、無い?」
アキ「え、どうしたの?」
ミッコ「メインディッシュに用意しといた魚が無い!」
アキ「ええ~!!」
佐衛門佐「それならさっきミカさんが運んでたけど、そういえばミカさんどこに行ったんだ?」
ミッコアキ「……ミカのやつ盗みやがったー!!」
パゾ美「盗みは犯罪よ、包囲網を張りなさい!」
56: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:17:15.99 ID:jPKuGvSO0
スタスタ
ミカ「食材が私に食べてほしいと語りかけるのさ……」
ミカ「食は生きるための基本、神聖な行為。食材の命を尊び、感謝の気持ちを忘れてはいけない」
ガサガサ
ミカ「!!」ビクッ!
ももがー「ゲームは何処なり……」フシュー
ミカ「それはここで生きていく上で……」
ももがー「……そこに隠してるもも?」
ミカ「へっ、これはちが……」
ももがー「 ゲ ー ム゜を゜だ ず も゜も゜ー !!」グオッ!
ビリビリビリー キャアァー!
アキ「あ、見つけたミカ!盗ったもの返しなさ……って」
ミッコ「……ミカのやつ何で裸なんだ?」
ミカ「」シクシクシク
継続は今日も平和です
57: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:19:57.94 ID:jPKuGvSO0
-知波単
玉田「うおぉぉぉぉ!」
細見「負けるかあぁぁぁ!」
ドオン ドオン!
あゆみ「いけー!」
優希「ぶっ飛ばせー!」
細見「ここだっ!」
ギャギャッ
玉田「何っ!」
ドオン! シュポ
福田「細見殿の勝ちであります!」
絹代「これは……」
58: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:22:31.81 ID:jPKuGvSO0
玉田「細見ぃ、今のはなんだぁ!きさま知波単の伝統を忘れたかぁ!」ガシッ
ゴモヨ「ちょっと、喧嘩は……」
玉田「勇猛果敢に突撃してこその知波単の伝統だろうが!それをクネクネと曲がりおって、ふざけるな!」
細見「ふざけてなどいない。玉田よ、これは私がたどり着いた真の突撃だ!」グイッ
玉田「な……に……?」
細見「お前はこの前の大学生との戦いで何をした?」
玉田「もちろん全力で突撃を……」
細見「できたのか、できなかっただろう?相手に突撃する間もなく返り討ちにあっていたはずだ!」
玉田「うぐぅ……」
細見「その結果…私たちは負けたんだ、大洗は廃校になったんだぞ……」
柚子「細見さん……」
細見「伝統の突撃に固執したせいで無様にやられ、挙句に友を助けることすらできなかった」
細見「これが知波単なのか、恥さらしもいいところだ!」
細見「そうじゃないだろ!大切な者を守るために命を懸ける、それこそが……」
59: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:24:07.27 ID:jPKuGvSO0
細見「 知 波 単 戦 車 道 だ ! 」ドン!
60: ◆UYlhnKrxEE 2017/09/22(金) 23:25:09.16 ID:jPKuGvSO0
細見「ただ突撃するだけではだめなんだ、私たちは変わらなければいけないんだ!」
細見「一番若輩であるはずの福田が一番そのことを理解していたんだぞ、恥ずかしくないのか?」
玉田「だが……突撃しかしてこなかった私に今更どうしろと?」
細見「仲間がいる、私に福田に大洗の方々もいる。これからみんなで考えていけばいい……」
おりょう「うむ、私たちも協力するぜよ」
絹代「福田……大学生たちとの戦いをきっかけに私たちは変わるぞ」
福田「はいであります!」
64: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:00:48.90 ID:cM1nJGum0
ザワ…ザワ
「これはいったいどういうことだ!」
「全国から大洗廃校に対する苦情が殺到している」
「この前やった大学選抜との試合内容ですね……」
「プロリーグ設立もあるし、こんな事にかまっている暇なのないというのに……」
「しかし、あまりにも広がるのが早すぎる…」
「インターネットを利用して裏で騒ぎを起こし拡散させた人物がいます。恐らくこいつです」カチカチ
「しかしこの短時間でここまでやるとは…これは相当な手際のよさだぞ」
「いったい何者なんだ、この“干し芋大好き”は!」
65: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:01:56.49 ID:cM1nJGum0
辻「いっそのこと再試合してみてはどうですか?」
「なぜ今更再試合など……」
辻「確かに決着のついた試合です。だが、このままでは誰も納得しないでしょう」
辻「いいですか?この騒動の発端は大学選抜との試合内容なんですよ」
辻「アクシデントがなければ大洗が勝っていたとみんな思っているのです」
辻「なら話は早い。改めて試合をするんですよ」
辻「ただし、こちらだけが有利になるようにはせず向こうも最高戦力を用意させる」
「何故そんなことを!」
辻「文句のつけようのない状態で完全勝利するのです」
辻「そうすれば誰も文句は言えないでしょう」
辻「まさか大学生が高校生に本気で負けるとでも?」
「それはないが…」
辻「なら何も問題ないでしょう」
「ぐぬぬ……」
66: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:03:00.08 ID:cM1nJGum0
-黒森峰
まほ「みんな集まったな」
カチューシャ「どうしたのよ、今日は休みじゃなかったの?」
まほ「どうしてもみんなに伝えておきたいことがあってな」
まほ「大学選抜との戦いがTV中継されいたのは知っているな?」
エリカ「はい、ネットでも大反響でした」
まほ「あの時のセンチュリオンとの戦いの最中にとった行動が注目を集めたんだ」
まほ「勝敗よりも人命を助けることを優先した行動が戦車道として議題にあがったんだ」
そど子「そうよ、隊長のやったことは間違ってない。あれこそ戦車道よ!」
小梅「私も知ってます。人として正しいことをやったのに廃校になったことが話題になってました」
まほ「この問題はもはや大洗だけの問題に留まらない……高校戦車道全体の問題でもある」
まほ「文科省は近々プロリーグの設立をするらしくてな、このままでは戦車道の大幅なイメージダウンになる」
まほ「さすがに見てみぬふりは出来なくなったらしくてな、動かざるを得なかったんだろう」
梓「それって、まさか……」
まほ「私たちは大学選抜と再試合を行うことが決まったらしい」
あや「ほ、本当に?」
まほ「ああ、お母様から入手した情報だから間違いないだろう」
カチューシャ「どんな理由にせよこれはチャンス、絶対に勝って大洗に帰るわよ!」
67: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:03:40.16 ID:cM1nJGum0
-サンダース
アリサ「私の入手した情報によると、種目は6対6の殲滅戦です」
ケイ「また盗聴?」
ナオミ「懲りないなアリサは……」
ねこにゃー「そんなことじゃあタカシは振り向かないにゃー」
アリサ「違います!っていうかそんなこといってる場合じゃないでしょ!」
68: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:05:01.92 ID:cM1nJGum0
-聖グロ
ローズヒップ「これはオッ紅茶を飲んでる場合ではありませんの!」ジタバタ バシャバシャ
ダージリン「ローズヒップ落ち着きなさい」ビチョビチョ
アッサム「大洗の生徒のいる高校から1両、全部で5両参加できるようです。ただし、大洗の生徒が乗組員にいないといけません」
オレンジペコ「5両……残りの一両は?」
アッサム「残りの1チームは自由編成となっていて自由な組み合わせで良いそうです」
華「自由編成が重要になりそうですね……」
スズキ「秘密兵器とか搭載しないといけないね」
ダージリン「余計なことはしないでいただけるかしら?」ヒクヒク
69: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:06:21.78 ID:cM1nJGum0
-プラウダ
ノンナ「カチューシャ、今度こそあなたの力に……」
ナカジマ「しっかり整備して完璧な状態にしてみせるよ」
クラーラ(大洗が無くなればプラウダは最強を証明できなくなる……)
ニーナ「カチューシャさんには笑顔でいてほしい、そのためならなんぼでも力ば貸します」
麻子「首の皮一枚繋がったが、依然としてこちらが不利なことには変わりない。気を引き締めていかんとな……」
70: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:07:25.05 ID:cM1nJGum0
-アンツィオ
アンチョビ「大洗の危機を救ってアンツィオのすごさを全国に轟かせるぞー!」
ペパロニ「さすがッス姉さん!」
沙織「でもP40は修理中なんですよね、セモベンテじゃあちょっと戦力には厳しいんじゃないですか?」
ペパロニ「うちらもド派手に撃ち合いたいな~」
アンチョビ「CV33で行く!偵察車両は絶対必要になるからな」
ペパロニ「さすが姉さんッス、偵察なんて私にはこれっぽっちも考えつかないや!」
沙織「しっかりしなさい副隊長?」
あけび「偵察か……はっきゅんにもう一度乗りたいな……」
沙織「勝てばいいんだよ、勝ってみんなで大洗に帰ろう!」
カルパッチョ「頑張ろうね、たかちゃん!」
カエサル「もちろんだ、ひなちゃん」
71: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:08:13.26 ID:cM1nJGum0
-継続
ミカ「どうやら新しい風が吹いてきたみたいだね」
ももがー「コンテニューもも!」
ミカ「ひっ!」ビク
アキ「大丈夫だから落ち着いて……」
桃「そうだぞ、隊長なのにだらしないぞ!」
アキ「黙れポンコツ」ギロ
桃「」
佐衛門佐「負けられないな……」
紗希「……勝ちたい」
72: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:11:29.35 ID:cM1nJGum0
-知波単
玉田「雪辱戦です。知波単全軍出撃しましょうぞ!」
絹代「おちつけ!我が校から出場できるのは1両だけだ」
名倉「なんと、そのような罠があったとは…そこに気づくとはさすがは西隊長!」
あゆみ「さすがー!」
優希「すごーい!」
ゴモヨ(西さんちゃんと最後まで聞いてたんだ……)
柚子(前みたいにならないようにちゃんと見張っとかなきゃ……)
福田「しかし西隊長、大洗の方々が転向した学校は全部で7校であります!」
絹代「そうだ、つまり出場できないところが出てくるということだ」
細見「私は今度こそ大洗の力になって見せます!」
池田「私だって!」
絹代「ああ、もちろんそのつもりだ。総員、来たるべき時に備え一層鍛錬に励め!」
「 は い っ !! 」
73: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:12:57.93 ID:cM1nJGum0
-合同会議
カチューシャ「メンバーを発表するわ……」
「………」ゴクッ
カチューシャ「サンダース、聖グロ、プラウダ、黒森峰、アンツィオの五校よ!」
カチューシャ「それと自由編成のチームを各高校から選出するわ」
ミカ「………」ポロン
ケイ「よしっ、この前の借りを返すチャンスね!」
ノンナ「Понятно」
ダージリン「お選びいただいて光栄ですわ」
エリカ「黒森峰の本当の力、今度こそ見せてやる!」
絹代「ま……待ってください!何故私たちがいないのですか?」
カチューシャ「……現状の戦力から考えて導き出した結果よ」
絹代「我々はアンツィオにも劣るというのですか?」
ペパロニ「な、どーゆーいみッスか!」
カチューシャ「偵察能力に関しては知波単よりアンツイォのほうが優れているから、それに意外性はアンツィオの方が上よ」
カチューシャ「この前は相手の意表をつけたからこそあそこまで競り合えた。けど、相手は馬鹿じゃない、同じ手はもう通じない」
カチューシャ「気合や勢いだけではどうにもならないものがある……」
カチューシャ「総合的に見て知波単ではこの戦いについてこれないの……」
絹代「そんな……」
カチューシャ「仲良しこよしのお友達なんて求めていないの……」
カチューシャ「弱いチーム…足手まといは…いらない……」ギリ
アンチョビ「お、おい……」
カチューシャ「非常かもしれないけど私は勝つための最善の策をとる」グッ
カチューシャ「これは私一人だけの問題じゃない、この戦いは……この戦いは絶対負けるわけにはいかないのよ!」
74: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/01(日) 08:15:04.04 ID:cM1nJGum0
絹代(足手まとい……か)
絹代(私の…知波単の戦車道はやはり間違っているのだろうか?)
ミカ「ずいぶんとしょげてるみたいじゃないか」
絹代「ミカ殿……私たちは知波魂の体現こそ至上としています」
絹代「儀を重んじ盟友(とも)のためなら、たとえ砲弾の中だろうと己の身を省みず飛び込んでいく……」
絹代「そんなみんなを隊長として先頭に立ち導くことこそ、私の隊長としての使命だと……」
絹代「練度だって決して他校には劣っていないと……必ず力になって見せると……そう、信じていました」
ミカ「………」
絹代「私は……どうすればいいのでしょう?」
ミカ「出れば良いってもんじゃないんじゃないかな?」
絹代「それはどういう?……」
ミカ「なにも戦うだけがすべてではない、人にはそれぞれ役割というものがある。常に主役である必要は無いんだ、たとえそれが脇役だったっとしても意味の無いものなど決して無い」
ミカ「それこそ、あなたにしかできないことだってあるんじゃないかな?」
絹代「私に……できること」
ミカ「ただ闇雲に頑張ればいいってもんじゃ無い、でも多くの人はそれに気づかないんだ」
80: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:12:51.04 ID:hgqxjqN60
-サンダース
ケイ「この戦いは大洗を取り戻す戦いでしょ?だったら私たちよりもあなたたちを中心にチームを組むべきだと思うの」
優花里「し、しかし私たちよりもサンダースたちの方々のほうが錬度は……」
ケイ「確かにそうかもしれないわね、けれど……」
ケイ「 性 能 だ け が 勝 敗 を 決 め る 決 定 的 な 原 因 に は な ら な い 」ドン!
ケイ「あなたたちが証明したことよ」
ナオミ「隊長、私をチームに入れてもらえないでしょうか?」
ケイ「どうしたの?」
ナオミ「あの戦い、私たちはろくな活躍もできずに惨敗してしまいました。このままではサンダースの面目が立ちません」
ケイ「………」
ナオミ「私はやられたまま黙っていられるほど大人ではありません。挽回のチャンスを下さい!」
ナオミ「サンダースは大学生相手でも戦える……負けないことを証明して見せます!」
杏「別にいーんじゃない?ナオミちゃんの砲撃は全国トップクラスだし、そっちの方が私も楽だしね~」
ケイ「……わかった、やってみなさい。ただし、やるからには絶対に勝ちなさいよ!」
ナオミ「Yes,ma'am」
81: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:19:04.90 ID:hgqxjqN60
優花里「ええっ、私が車長でありますか?」
ケイ「ええ、まだ荒削りな部分もあるけど、資質は十分あると思うわ」
ケイ「それにカチューシャと連携をとる上で彼女の戦い方を間近で見ていたあなたは適任なのよ」
優花里「し……しかし」
ケイ「カチューシャの力になりたいんでしょ、自信が無いからって他の人にまかるようなまねはやめなさい」
ケイ「私の知ってる秋山優花里はそんなに弱くない。たとえ力が劣っていようと最後の最後まであきらめない」
ケイ「どんな絶望的な状況でも最後まで隊長を信じてあがき続ける、私の最高の友達でライバルよ!」
優花里「……分かりました。不肖秋山優花里、サンダースの車長を務めさせていただきます!」
典子「優花里さん、よろしく頼みます!」
ねこにゃー「装填手はまかせるにゃ!」
ツチヤ「戦場を走り回ってやる!」
ケイ「さてと、それじゃあ時間もないし、優花里はスパルタでビシビシ鍛えていくから覚悟しなさい!」
優花里「お……お手柔らかに」
82: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:21:59.09 ID:hgqxjqN60
-聖グロ
アッサム「私のデータによると一番いい編成は……」
戦車・チャーチル
車長・ダージリン
砲手・アッサム
装填手・オレンジペコ
操縦手・スズキ
副操縦手・ルクリリ
オレンジペコ「これだといつものチャーチルとほとんど変わりませんね……」
ローズヒップ「私も出たいですわー!」
ダージリン「分かっていると思うけどこの戦いの鍵はチームワーク」
ダージリン「向こうの連携は間違いなく完璧といっていいはず、一瞬の判断の遅れが命取りになるわ」
オレンジペコ「戦車単体でならこの組み合わせが一番ですが、チーム戦となると違ってくるということですね」
アッサム「そうなると大洗の戦術に詳しい人に入ってほしいですね……」
ルクリリ「通信手が入れればいいんだがそんなスペースは無いしな……」
スズキ「ああ、それだったら何とかなりますよ?」
ダージリン「え゜」←いやな予感
スズキ「操縦を一人用に改造しちゃえば通信手一人分くらい確保できますよ」
エルヴィン「おお、さすがスズキだな!」
スズキ「ついでに必殺技もつけよっか、そうと決まれば早速改造だ!」タタタタ
桂利奈「エルディカイザー!」
ダージリン「ち、ちょっとお待ちになって!」タタタタ
妙子「行っちゃいましたね」
華「……すみませんアッサムさん。砲手のポジション、私に譲っていただけないでしょうか?」
アッサム「あなたの腕は認めますが、チャーチルの扱いに関しては私の方が上です」
華「確かにそうかもしれません……ですが、みんなが母校を取り戻すために一生懸命になっている今、私だけ指をくわえてみているなんてできません」
華「ここで何もしなかったらそれこそ五十鈴家の名折れ。お願いします、私に戦わせてください!」キッ
アッサム「……分かりました。あなたの信念が大洗を救うことを祈っています」
83: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:25:08.41 ID:hgqxjqN60
オレンジペコ「失礼かもしれませんが、何故五十鈴さんに砲手を譲ったのですか?」
アッサム「執念よ、死んでも勝ちたいって言う……五十鈴さんの方が勝率が高い、そう読んだだけよ」
オレンジペコ「執念が勝率ですか、いつものアッサム様らしくないですね」
アッサム「……私も大洗の方々に感化されたのかもしれません」フフッ
84: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:26:48.02 ID:hgqxjqN60
-プラウダ
ノンナ「同志カチューシャのために最高の戦力をそろえましょう」
麻子「操縦なら任せてくれ」
ぴよたん「装填ならお任せぞな!」
ノンナ「では隊長をクラーラ、操縦は冷泉さん、装填手をぴよたんさん、通信手はアリーナ、私は砲手に専念します」
忍「私も参加したかったけど……仕方ないか。みんな、頼んだよ!」
ナカジマ「整備は任しといてね、試合までに完璧に仕上げてみせるから!」
麻子「ノンナさんは向こうにとっても脅威になるはずだ、きっと優先的に倒しに来るだろうな」
ニーナ「そしたきや、操縦手は責任重大じゃきゃ」
アリーナ「んだんだ!」
麻子(マニュアル読み直しておくか……)
85: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:30:11.94 ID:hgqxjqN60
-アンツィオ
沙織「私たちの役割は偵察と陽動だったよね」
ペパロニ「CV33の出番ッス!」
アンチョビ「となると乗組員は二人で、そのうち最低一人は大洗と……」
ホシノ「私は戦車の改造に専念したいです、目指せ超快速戦車!」
ペパロニ「となると操縦手は私ッスね」
沙織「後は車長兼砲手か~。ん、通信手も兼任だっけ?」
あけび「ややこしそうですね、そういうのはちょっと苦手かな?」
沙織「じゃあそっちは私がやりますね」
アンチョビ「う~ん、よしっ、私も出るぞ!」
ペパロニ「まさか、また三人乗りッスか~?」
アンチョビ「私が車長としてしっかり指揮してやるから安心しろー!」
86: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/02(月) 08:31:28.15 ID:hgqxjqN60
-黒森峰
まほ「カチューシャ、来てくれ」
カチューシャ「ん、何?え……こ、これって」
Ⅳ号戦車
まほ「黒森峰の戦車はドイツが中心だからな、とうぜん保有はしている」
まほ「単刀直入に言おう、これを自由枠に使わないか?」
まほ「確かに戦力的なことを考えたらもっといい戦車があるかもしれない……」
まほ「だが、この戦いはもともと大洗の戦い。最後の一両はやはり大洗の隊長車がふさわしいと思うんだ」
カチューシャ「まほーシャ……」
カチューシャ(まさか、またⅣ号に乗れるなんて思ってなかった……また、一緒に戦えるんだ!)ジーン
※大洗の戦車は文科省に取り上げられてます
まほ「黒森峰のチームは私たちが何とかする。自由編成はカチューシャ、お前が決めてくれ」
まほ「お前の考える最強のチームを作るんだ」
カチューシャ「私が……」
92: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:22:43.29 ID:gZG/kheN0
カチューシャ「う~ん」カキカキ
みほ「カチューシャさん、お疲れ様です」
カチューシャ「ん、みほーシャ、お疲れ。なかなか難しいわね……」
みほ「チーム編成ですか?」
カチューシャ「そっ。強い人ばかり集めてもそれで他が弱くなったら意味ないし、連携とか力のバランスも考えないとね」
みほ「そうなんですか?」
カチューシャ「ええ、たとえばみほーシャは私との連携を考えると、こっちのチームに入れるより黒森チームのほうが良いのよね」
みほ「ええっ?私は砲手だからそういうのは……」
カチューシャ「そうなの?てっきり車長だと思ってたんだけど、この前だって活躍したじゃない?」
みほ「あの……この前のは必死だったから……」
カチューシャ「私の戦術はみほーシャと相性が良さそうなんだけど……まあ、しょうがないか」
みほ「すみません……」
カチューシャ「あ、でも相談には乗ってもらうわよ。みほーシャの発想は参考になるからね」
93: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/04(水) 15:24:36.09 ID:gZG/kheN0
-知波単
絹代「議論の結果、知波単ではこの戦いについてこれない為除外するという結論に達した」
玉田「な、何ですと!?」
細見「私たちが!」
名倉「戦力外……」
福田「カチューシャ殿……」グスッ
絹代「すまない、みんな。これも私の力不足が原因だ」
玉田「おのれー知波単を愚弄しおってぇぇ!」
池田「こうなったら私たちで突撃を……」
ワーワー!
94: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:25:15.88 ID:gZG/kheN0
絹代「 し ず ま れ ぇ ぇ ぇ !! 」
95: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:26:30.31 ID:gZG/kheN0
「!!!!」ビタッ
絹代「お前たちの気持ち、しかと受け止めた。私も依然、憤懣やるかたない思いで満ちている」
絹代「しかし私たちの大将はカチューシャ殿だ。大将が決めたことなら私たちはそれに従わねければならない」
絹代「各々が勝手に動いては組織は機能しない、お前たちの気持ちは痛いほどよく分かるが……今は耐えてくれ」
絹代「我々が闇雲に行動すれば大洗の方々に迷惑がかかるかもしれないのだ」
名倉「うぐぅ……」
絹代「私は、突撃で超えられぬものなど無いと思っていた。勇猛果敢に前進することこそであらゆる困難を克服できると信じていた……」
絹代「だが、現実は違った……」
絹代「突撃だけでは……どうにもならないこともあるんだ……」
絹代「みんな……すまない……」
福田「そんなこと無いであります!」
玉田「西隊長がお決めになったことに我々が異を唱えることはありません!」
池田「西隊長は、我々知波単学園を大切に考えて下さる、尊敬に値する隊長です」
細見「西隊長以外に知波単の隊長は考えられません!」
絹代「みんな……ありがとう」
絹代「では……気をつけっ」
「」ビシッ
絹代「本日はこれより選抜試合の反省点を検め、各自改善点を模索し修練を開始せよ!!」
「はっ!!」
96: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:27:49.03 ID:gZG/kheN0
-サンダース
優花里「せっかくなのでチーム名を決めませんか?」
アリサ「チーム名~そんなのどうでも良いじゃない?」
優花里「大洗では士気を高めるためにみんなつけてたんですよ」
ケイ「へ~面白そうね……じゃあマッスルパンチなんてどうかしら?」
典子「おおっ根性っぽくていいですね!」
杏「暑苦しくないかな~?」(まじかよ、センスね~)
ナオミ「……隊長、私は大学生にこの前の借りを返そうと思ってます。リベンジャー(復讐者)なんてどうですか?」
ケイ「いいんじゃない……!じゃあさ、いっそのことマッスルリベンジャーとかどうかな?」
優花里「どっかで聞いたような名前ですね?」
杏「いや、マッスルはいらないでしょ!何なの、そのマッスルに対するこだわりは?」
ケイ「え~強そうじゃない、ねえ?」
ナオミ「Yes,ma'am」
ねこにゃー「Muscle is Power」
優花里「ひゃっほう、さいっこうだぜぇぇぇぇ!」
ファイアフライ(マッスルリベンジャー)
車長 (ケイ→優花里)
砲手 ナオミ
装填手 (優花里→ねこにゃー)
操縦手 ツチヤ
杏「………」
97: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:30:15.19 ID:gZG/kheN0
-聖グロ
桂利奈「名前を決めよう!」
華「そういえばチームに名前をつけてましたね」
妙子「う~ん、イメージ的にはイノシシとかサイかな?」
オレンジペコ「……大洗らしいネーミングですね」
ダージリン「名前といえども聖グロリアーナらしく気品と優雅さを兼ね備えたものにしましょう」
ローズヒップ「スーファミがいいですわ!」
ルクリリ「なぜゲーム機?しかも古い。それならPS4の方が……」
桂利奈「ブルーレイがいいっ!」
妙子「特上カルビ!」
華「牡丹とかどうでしょう?」
オレンジペコ「牡丹……花の名前ですね」
華「いえ、牡丹鍋……」オナカスイタ
ダージリン「ちょっと自分の好きな物の名前を言ってどうするの!」
桂利奈「ならどんな名前が良いんですか?」
ダージリン「そうね……ティロ・フィナーレなんてどうかしら?」ドヤァア!
アッサム「中二っぽい上にそれイタリア語です……」ハァ
ダージリン「ちゅ……ならアッサム、あなたは何なの?」
アッサム「えっあっ……り、龍雷拳!」アセッ!
ダージリン「いやよ、そんなラーメン屋みたいな名前」
アッサム「」
98: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:31:22.08 ID:gZG/kheN0
ワーワーギャーギャー!
エルヴィン「なんだ、ずいぶん騒がしいけどどうかしたのか?」ヒョコ
オレンジペコ「それがチームの名前が決まらなくて……」
エルヴィン「まったくしょうもない……なんかろくな名前が無いな。何でラーメン屋の名前が?」ペラ
オレンジペコ「面目ありません」ペコ
エルヴィン「ん~じゃあさ、イギリスにちなんでアーサーなんかどうかな?」
オレンジペコ「イギリス伝説の英雄ですね?」
エルヴィン「そのとおりだ。アーサー王は与えることを一生涯続けた、その結果人々は集まりアーサー王に忠誠を誓ったという」
ギャーギャー!ワーワー
エルヴィン「……あの人たちにはアーサーの爪の垢をせんじて飲ませたいなあ……」
オレンジペコ「まったくです」
チャーチル(アーサー)
車長 ダージリン
(追加)通信手 エルヴィン
砲手 (アッサム→華)
装填手 オレンジペコ
操縦手 桂利奈
99: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:32:06.28 ID:gZG/kheN0
-プラウダ
ノンナ「チーム名ですか?」
忍「そうですよ他のチームもつけてるみたいだし私たちも……」
ニーナ「チーム名のんて考えだごども無がったなあ」
クラーラ「何かいい案はあるのですか?」
麻子「別に何でも良いんじゃないか?」
ナカジマ「せっかくなんだし、ちゃんとした名前をつけてあげようよ?」
ぴよたん「アサシン・パラディン・ベルセルク・ソーサレス……」
ノンナ「лавина(雪崩)はどうでしょう?」
忍「なんんかプラウダっぽくてカッコいいですね!」
クラーラ「удивительный」
T-34/85(лавина)
車長 クラーラ
通信手 ニーナ
砲手 ノンナ
装填手 ぴよたん
操縦手 麻子
100: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:33:47.47 ID:gZG/kheN0
-アンツィオ
沙織「よーしかっこいい名前をつけちゃおう!」
アンチョビ「こういうのこそリーダーのうでの見せ所だ!」
カルパッチョ「どんなのが良いでしょう?」
ペパロニ「ナポリタンがいいッス!」
アンチョビ「いや、マルゲリータも捨てがたい……」
カルパッチョ「定番の前菜トマトのブルスケッタも食べたいです!」
ペパロニ「魚介たっぷりのペスカトーレも好きッス!」
沙織「チーム名だからね、好きな食べ物じゃないからね?」
カエサル「相変わらずだな~ひなちゃんは」
カルパッチョ「えへへ……」
沙織「も~ちゃんと考えてよね!」
アンチョビ「じゃあ沙織はどんなのがあるんだ?」
沙織「え?え……と、シャイニング・ジャッジメント!(閃光の裁き)……とか?」
「………あーいーんじゃない」シラー
沙織(滑った……)
ペパロニ「じゃあ、佐織さんをイメージしてみるッス」
カルパッチョ「女子力高いけど彼氏いない……」
ペパロニ「未婚、独身、行き遅れ……」
沙織「ちょっとまてをい!」
アンチョビ「婚活、ゼクシィ……」
カエサルペパロニカルパッチョアンチョビ「 そ れ だ ぁ !! 」
沙織「へっ?」
CV33(ゼクシィ)
車長 アンチョビ
砲手 沙織
操縦手 ペパロニ
沙織「ちょっと何これ、やだも~!」
101: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/04(水) 15:34:41.01 ID:gZG/kheN0
-黒森峰
まほ「チーム名か…あまり意識したこと無かったな」
梓「はいっ、大洗の伝統です!」
そど子(いつ伝統になったんだろう?)
エリカ「そんなの適当にティーガーチームとかで良いじゃないですか?」
みほ「でもせっかくですからちゃんと考えないと……」
エリカ「戦いに不要なものなどどうでも良いわ。ったく何考えてるんだか……」
まほ「ふむ……みほが決めてくれ」
みほ「い、いいの?じゃあ“ボコ”で!」
エリカ「は、何よその力の抜けるような名前は」
まほ「分かった、それでいこう」
エリカ「へっ!」
ティーガーⅠ(ボコ)
車長 まほ
通信手 梓
砲手 みほ
装填手 そど子
操縦手 エリカ
105: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:46:41.05 ID:33uIE+C10
-高校選抜
ピッ パッ パッ パッ パッ パッ
カチューシャ「みんな来たわね」
???「とりあえず言われたから来たけど…何でこんなこと?」
???「考えなしに行動をする人ではありません。きっと何か考えがあるのでしょう」
???「そうですね、大切なことなんでしょうからしっかり聞きましょう?」
???「わ、わかってるわよそれくらい!」
???「んで、何でいったい何を始めるの?」
カチューシャ「この戦いは絶対に勝たなくてはならない。だから、考えたわ」
カチューシャ「大学選抜に勝つための最後の一チーム、やつらに対抗する切り札……」
カチューシャ「 自 由 編 成 の チ ー ム を ! 」ドン!
カチューシャ「戦車はⅣ号戦車を使う」
???「えっ?でもあれって文科省に取り上げられたんじゃ…」
カチューシャ「黒森峰に同じ型のがあったのよ。そして、ここからが重要」
カチューシャ「乗組員は……」
カチューシャ「今ここにいるメンバーよ!」
???「ええっ?」
カチューシャ「Ⅳ号の性能を最大限に発揮するにはこのメンバーが最適なの」
106: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:49:08.47 ID:33uIE+C10
カチューシャ「……というわけで悪いけど選手がかぶっちゃったところは編成しなおしておいてね」
???「自由編成の会議をするのはわかったけど、なんでTV電話なのよ、普通に集まれば良いじゃない?」
カチューシャ「それは危険だわ、私たちが一箇所に集まることでこのチームの乗組員が特定されるのは避けたいの」
???「チーム編成は極秘に行う、不安要素は徹底的に排除するということですね」
???「でも、本当に偵察なんてするんでしょうか?」
カチューシャ「大学生チームは社会人チームと戦ったときにも偵察をしてるわ、ルール上問題ない以上まず間違いなくやってくると思ったほうがいい」
カチューシャ「できることをやりもせずタカをくくるような指揮官は無能。愛里寿はそんな類の輩じゃないわ、甘く見ないで」
カチューシャ「自分たちの面子もあるし、今度はわずかな油断もしないはず。間違い無く最強の戦力、戦術を駆使してくるに違いない」
???「それだけ私たちを強者として認めているってことか、正直油断してくれたほうが助かるんだけどね……」
107: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:50:05.58 ID:33uIE+C10
カチューシャ「トレーニングメニューはメールで送ったわ」
ポン!
???「あ、これね……」ブー
???「ちょっと、試合まで一週間しかないのよ!これをやれと?」
カチューシャ「あなたたちならできるでしょ?相手はセンチュリオンよ、やってやりすぎということは無い」
???「だからってこれはさすがに……」
???「……分かりました」
???「皆さんの足を引っ張らないよう頑張らせていただきます」
???「いーねー、面白そうじゃん、燃えてきたっ!」
???「……なっ何よ、やるわよ、やればいいんでしょ!」
108: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:54:54.41 ID:33uIE+C10
-大学選抜
「黒森峰、プラウダ、聖グロは警備が厳重で進入できませんでした。サンダースも箝口令がしかれていて使用戦車がファイアフライとしか……」
「継続は不参加、恐らく資金不足が原因かと。アンツィオは隊員たちがあまり興味が無いためCV33が3人乗りで出ることくらいしか分かりませんでした」
「知波単は猛練習をしていました、戦力的に参加することは無いと思うのですがちょっと気になりますね」
愛里寿「サンダース、アンツィオは確定。残りも黒森峰、プラウダ、聖グロとみて間違いないと思う。知波単はブラフだな、このまえの活躍は予想外だったが総合的には下位、出てくることは無いだろう」
メグミ「自由編成に関しては情報が少なすぎて判断できませんね」
愛里寿「だがある程度は予測できる、私たちに対抗するために最高戦力で編成してくるはずだ」
愛里寿「指揮を執るために車長はカチューシャさん、戦車は乗りなれてる中戦車、乗組員はそれぞれの専門家だろう」
愛里寿「どんな相手がこようと私は負けない!」
109: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/05(木) 14:55:39.73 ID:33uIE+C10
愛里寿「まず大洗の主力、隊長車の5人は出てくるべきと考えたほうがいい」
愛里寿「五十鈴華」
愛里寿「砲撃の腕は全国上位レベル。短期間であの上達速度は間違いなく天才の部類、要注意だ」
アズミ「確かにあの腕前は厄介ね…」
愛里寿「だがその能力が発揮されるのはあくまで集中している時だけだ、心を乱してやれば三流スナイパーに成り下がる」
愛里寿「正面からやり合おうとせず的を絞らせず相手を揺さぶるように攻めろ」
愛里寿「才能は向こうが上でもキャリアはこっちが上だ」
愛里寿「才能の差が勝敗の決定的な差にはなり得ないことを教えてやれ」
110: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:56:45.00 ID:33uIE+C10
愛里寿「冷泉麻子」
愛里寿「大洗では学年主席の天才、その実力はマニュアルをを一度見ただけで再現可能だ」
「なにそれ、チートじゃん…」ドヨ
愛里寿「だが、練習期間が短かったせいか彼女の行動パターンのほとんどはマニュアル通りだ」
愛里寿「どんなに動きが速く正確だろうと、マニュアル通りならここにいるメンバーなら対応できるはずだ」
メグミ「天才ではあっても、万能ではない…と」
愛里寿「常に動きの先を読み先手を取り続けろ」
愛里寿「あとはオリジナルの動きを対策してしまえば向こうは打つ手が無くなる」
111: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 14:57:41.92 ID:33uIE+C10
愛里寿「武部沙織」
愛里寿「たかが通信手と甘く見るな、彼女の一番の強みはチームのムードメーカーとしての能力だ」
愛里寿「チームを盛り上げ実力以上のものを引きだす、誰にでもできるような簡単なことではない」
ルミ「だったらそれ以上の実力を見せてやる!」パチーン!
愛里寿「事実、彼女が居なければ大洗は優勝まで進めたかどうかも怪しい」
愛里寿「決して油断するな!」
112: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 15:04:16.80 ID:33uIE+C10
愛里寿「秋山優花里」
愛里寿「戦車に関する知識は目を見張るものがあるが、戦車道の経験は無く装填手としての実力もそこまで優れている訳ではない…」
愛里寿「だが隊長車の乗組員である以上私たちの知らない何かがあるかもしれない」
ルミ「さすがに考えすぎじゃあ…」
メグミ「用心に越したことはないから」
優花里『カチューシャ殿に誉められたであります~』クネクネ
ウワッ! ズデン チョットユカリンパンツミエテル! アワワワ
「………」
愛里寿「…一応油断はするな」
113: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 15:05:19.13 ID:33uIE+C10
愛里寿「カチューシャ」
愛里寿「全国大会を優勝に導いた大洗のリーダー」
愛里寿「戦術や状況判断能力は非常に高レベルだ、時々予想を超えた動きを見せてくる」
愛里寿「だが何より厄介なのは味方との連係攻撃だ、一度火が付いたら手がつけられない」
アズミ「そういえば観覧車転がされましたね」ハア
ルミ「単にめちゃくちゃなだけよ」ウー
愛里寿「だが、もちろん欠点も存在する」
愛里寿「それは……」
114: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 15:09:48.37 ID:33uIE+C10
-某駅のホーム
辻「……」
スッ
???「再試合なんていったいどういう風の吹き回しかな~?」
※反対側の椅子に座ってます
辻「…どちらさんですかな?」
???「“干し芋大好き”って言えばわかるかな?」
辻「!……もしやとは思ってたが、やはりあなたでしたか…」
干し芋「こちらとしては助かったよ。仲間を増やすのは簡単だったんだけど、その後が難航してたんだよね」
干し芋「あの試合は決着がついていたし」
干し芋「時間がかかれば私たちは卒業しちゃうし、何より学園艦が解体されてしまう」
干し芋「せっかく取り戻したって肝心の学園艦が無くなってたら意味ないからね」
辻「そうですか……」
干し芋「まさかこんな助け舟なんか出してくれるとは思わなかったよ、ひょっとして大洗のファンにでもなっちゃった~?」
辻「勘違いしないでいただきたい、あくまでこちらの都合です」
辻「全国大会優勝、そして大学選抜とも互角に戦射抜いた大洗女子学園は今や全国民の注目の的」
辻「廃艦にするよりも戦車道の起爆剤にしたほうが利益がある、そうふんだだけですよ」
辻「学園艦を廃艦にするにもコストがかかりますからね、しないですむならそれに越したことはない」
辻「ただし、そのためには上を納得させなければいけない」
干し芋「…それで再試合ね」
干し芋「もちろん負ければ廃校撤回は白紙、全ては水の泡…」
辻「いくら高校選抜とはいえ厳しい戦いになるのは明白だ」
辻「……だが君たちはやるんだろう?」
干し芋「もちろん。泣き寝入りは趣味じゃないんでね、わずかでも可能性があるなら諦めないよ~」
辻「…まあ、せいぜい頑張ってください」
プシュー スタスタ パタン
115: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 15:10:18.39 ID:33uIE+C10
タタンタタン タタンタタン…
干し芋「………」
干し芋「泣いても笑ってもこれが本当の最終決戦……」
タタンタタン タタンタタン タタンタタン…
干し芋「そう簡単に私たちは負けないよ……」
116: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/05(木) 15:11:24.20 ID:33uIE+C10
干し芋「 私 の 同 志 は 手 強 い か ら ね ! 」ドン!
120: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:11:32.76 ID:FDGUjIDC0
-----第三話------
【戦闘開始よ!】
121: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:12:25.22 ID:FDGUjIDC0
-試合前
カチューシャ「ちょっと何なのよこの間抜けな名前は!」ムキー!
カチューシャ「マッスルリベンジャーって何よ!マッスルって何よ!」
杏(やっぱり私がおかしいんじゃなかったか…)
ケイ「ええ~かっこいいと思うんだけどな?」
カチューシャ「真面目にやりなさい!」
マッスルリベンジャー→リベンジャー
122: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:13:07.41 ID:FDGUjIDC0
カチューシャ「ゼクシィってあんたたちまじめに戦う気あるの?」イライラ
沙織(まったくそのとおりだよね…)
アンチョビ「あの時は良いと思ったんだが……」
ペパロニ「これはないッスね」
沙織「あんたらねえ!」
カチューシャ「とりあえずゼクシィをもじってゼクスにでもしときましょう」
ペパロニ「うわっ、てきとーッスね」
カチューシャ「うるさい!」
ゼクシィ→ゼクス
123: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:13:50.98 ID:FDGUjIDC0
カチューシャ「ボコってあんた……」
エリカ(そうそう、もっと言ってやって!)
みほ ギロ!
まほ ギロ!
カチューシャ「ピィッ!」ビクッ! チビッ
カチューシャ「ま、まあ良いんじゃない?」ダラダラ
エリカ「ええっ!?」
みほ「ですよね~」ニコニコ
カチューシャ(目がマジだった……殺されるかと思った……)カタカタ
124: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 09:15:06.89 ID:FDGUjIDC0
優花里「カチューシャ殿のチームは名前は付けないのですか?」
ねこにゃー「せっかくだからカッちゃんもつけてほしいにゃー」
沙織「そうそう、みんなつけてるんだし、こういうときは回りに合わせるもんだよ」
カチューシャ「……っていっても急にそんなこと言われても思いつかないわよ?」
カチューシャ(違う戦車だからグランゾートにするのも変だし……)
ノンナ「戦いの英雄、「герой войны」 はどうでしょうか?」
カチューシャ「う~ん、悪くないけど日本語が良いわね。戦い…いくさ…戦神…」
ドオン! ドオン!
カチューシャ(?あれは知波単の…空砲か…)
カチューシャ「砲撃……砲弾…弾丸……そうだ!」
125: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:16:01.43 ID:FDGUjIDC0
絹代「カチューシャ殿ー!」タタタ
カチューシャ「絹代!」
絹代「私たちは戦いに参加できない代わりに精一杯応援させていただきます!」
カチューシャ「……怒ってないの?」
絹代「何がでしょうか?」
カチューシャ「私はあなたたちのことを“弱い”と切り捨てたのよ……」
絹代「……確かに悔しくないといえば嘘になります」
絹代「しかし、カチューシャ殿は大洗の運命を背負っている、みんなの居場所を取り戻さなければいけない。情に囚われず指揮官として最善の決断を下したんです、何も間違ったことはしてません」
絹代「悪いのは力の伴わなかった我々なのです、どうか気になさらないで下さい」ペコ
カチューシャ「……ありがとう。絶対に勝つから」
絹代(友の危機に陥っているというのに遠くから見守るしかできないもどかしさ、カチューシャ殿…御武運を)
126: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:17:18.85 ID:FDGUjIDC0
みほ「ええっ、私が車長に?」
まほ「ああ、そうだ」
エリカ「な、何を考えてるんですか隊長!」
まほ「みほの車長としての実力はこの前の戦いで証明済みだ、やれるな?」
みほ「………」
まほ「掴みかけてるんだろう?この戦いで自分の戦車道を見つけてみろ」
みほ「何でそれを!?」
まほ「私は姉だぞ、妹の考えてることくらいお見通しだ」
エリカ「…しょーが無い、あんたの指示に従ってやるわ。いい?やるからには勝ちなさいよ、黒森峰の名に泥を塗るようなまねだけはしないでよね」
みほ「エリカさん……分かりました。みなさん、よろしくお願いします!」
梓「こちらこそお願いします、西住さん!」
そど子「しっかり頼むわよ」
127: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:18:56.68 ID:FDGUjIDC0
絹代「フレーフレー、大洗ー!」
福田「西隊長、今は大洗ではないであります、高校選抜であります」
絹代「ややっ、確かに。ん~それならフレーフレー、カチューシャー!」
細見「負けるなーー!」
玉田「フレーフレー!」
典子「さすが知波単、応援も気合が入ってる!」
おりょう「戦車まで持ち出してくるとは……」
ドオン ドオン!
ゴモヨ「これって規則違反なんじゃ……」
ホシノ「撃ってるのは空砲だし別に問題は無いと思うよ?」
あや「桂利奈~頑張って~!」
優季「そういえば何で桂利奈が操縦手なの?もっと他にうまい人いると思うんだけど……」
あゆみ「スズキ先輩は整備班だし、ローズヒップさんが遅い戦車なんか乗りたくないって変わってもらったらしいよ」
スズキ「大丈夫かな?」
128: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:21:11.88 ID:FDGUjIDC0
「それではこれより高校選抜対、大学選抜の試合を始める!」
高校選抜チーム
ファイアフライ(リベンジャー)
チャーチル(アーサー)
T-34/85(лавина)
ティーガーⅠ(ボコ)
CV33(ゼクス)
Ⅳ号H型仕様(戦神丸)
沙織(カッちゃんまた変な名前付けてる…)
130: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:23:05.96 ID:FDGUjIDC0
ペパロニ「いましたよあそこッス」
沙織「練習試合の時を思い出すなあ~」
沙織「あの時もこんな感じで偵察したっけな~」シミジミ
ペパロニ「え~と敵さんの動きはっと」ジー
パーシング ジー
ペパロニ「」
ペパロニ「まずいッス気づかれてるー!!」
アンチョビ「全速後退、逃げろ~!」
ドオン ボォン!
沙織「撃ってきたー!」
131: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:24:08.17 ID:FDGUjIDC0
ブロロロ
ルミ「隊長の予想通り隠れてましたね」
アズミ「まずは偵察車両をいただくわよ!」
メグミ「恐らくこれは囮、本命は奥にいるんだろうけど……」
黒森OB1「真正面からの撃ち合いならこちらに分がある」
ドオン ドオン!
アンチョビ「さすがは大学生、まさかこんなに早く見つかるとは思わなかったぞ!」
沙織「敵に発見されました、そっちに移動中です」
カチューシャ『了解、おあつらえの状況ね、例のやつ発動よ!』
アンチョビ「了解、もくもく開始!」
ブシュー!
アズミ「煙幕、小賢しい!」
愛里寿「停止、むやみに突っ込むな」キッ
アンチョビ「敵さん警戒して止まっちゃったぞ」
アンチョビ「予定どおりだな!」
132: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:26:12.67 ID:FDGUjIDC0
ドオン!
黒森OB2「む、後方から攻撃!あれは……」
ルミ「ファイアフライか!煙幕を囮にして後方から挟み撃ちとはやるじゃないか」
ナオミ「この前の借りを返させて貰う!」
優花里「この距離ならこっちが有利に戦え……あれ、敵の数が合いません?」
133: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:26:58.04 ID:FDGUjIDC0
愛里寿「その程度の策、私が見抜けないとでも思っていたのか?」
134: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:27:38.00 ID:FDGUjIDC0
ドオン ドオン!
優花里「ああっ横から砲撃が!?これは、待ち伏せですよ!」
ナオミ「Shit、部隊を分けていたか?読まれていたみたいだ」
優花里「三対一では分が悪い、ここでファイアフライを失うわけにはいきません!」
ブロロロ
アズミ『こちらアズミ、ファイアフライ逃げてきます。追いますか?』
愛里寿「かまうな、一両ではどうせ何もできん。先に本隊をしとめる」
アズミ『了解!』
135: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:28:17.62 ID:FDGUjIDC0
アッサム「高校選抜の勝率ですがデータの上ではかなり厳しいですね」
ルクリリ「どのくらいなんだ?」
ブロロロ
カチューシャ「グレートキャノン、いくわよ!」
ルミ「右から来ると見せて……」
ギュン
ルミ「左だ!」
カチューシャ「…!読まれた!」
136: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:28:50.91 ID:FDGUjIDC0
アッサム「ランクC……十数%です」
137: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:29:40.42 ID:FDGUjIDC0
愛里寿「カチューシャさんの戦術の大半は囮がメインだ、釣られないよう注意しろ」
ドオン ドオン
アリサ「釣られないわね……」
ミッコ「どうする、センチュリオンとタイマン張ってみる?」
カチューシャ「さすがに危険ね……それに、まだあわてるような時間じゃない」
138: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 09:30:59.37 ID:FDGUjIDC0
カチューシャ「ファイヤークローラー!」
愛里寿「停止、前に出すぎるな!」
カチューシャ「エネルギーボルト!」
愛里寿「隊列を整えろ、そのまま押し切れ!」
カチューシャ「ディザルブスパイア!」
愛里寿「囮の動きにつられるな、近くの伏兵に注意しろ!」
忍「あの戦術、サンダース戦を思い出すなあ。初めての公式戦でみんな緊張してたよね?」
佐衛門佐「カチューシャ隊長のみごとな戦術で勝利したっけな」
ルクリリ「だがその戦術が通じていない、すべて読まれているぞ。そこまでの力の差なのか?」
あや「勝率ちょっとしかなんだって~」
優季「そうなんだ~」
ルクリリ「そうなんだって…ずいぶんのんきだな、負けるかもしれないんだぞ」
あゆみ「だってそんなのいつものことですもん」
あや「全国大会の時から綱渡りみたいなものでしたから」
あや「だから私たちはこう言うんです」
139: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:35:14.55 ID:FDGUjIDC0
あやあゆみ優季「 勝 率 が 0% じ ゃ な き ゃ 諦 め る の は ま だ 早 い 」
ルクリリ「………」
140: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:35:50.67 ID:FDGUjIDC0
メグミ『あきらかに向こうは隊長を狙ってますね、指揮系統の混乱が目的かと』
愛里寿「ならば望み通りにしてやろう、メグミ中隊は前へ」
ルミ『なっ!そんなことしたら隊長車が狙われます』
アズミ『何故そんな自らリスクを負うようなまねを?』
愛里寿「リスク?そんなものはない、私が絶対に勝つからだ!カチューシャさんの戦術を打ち破って……」
メグミ「……メグミ中隊前進!」
141: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:37:12.48 ID:FDGUjIDC0
アンチョビ『敵部隊が二つに分かれたぞ!どうやら出てきたところを挟み撃ちにするつもりらしいな』
カチューシャ「……」ニィ
142: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:39:20.21 ID:FDGUjIDC0
>>141ミスしました、こっちでお願いします
アンチョビ『敵部隊が二つに分かれたぞ、隊長車を狙うチャンスだ!』
カチューシャ「……」ニィ
アンチョビ『敵部隊が二つに分かれたぞ、隊長車を狙うチャンスだ!』
カチューシャ「……」ニィ
143: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:45:55.35 ID:FDGUjIDC0
ザザザ!
愛里寿「来たな、護衛が減れば何とかなると思ったか?」
メグミ「一網打尽、一気にしとめるわよ!」
メグミ「バミューダアタック!」
ブロロロ ドオン ドオン!
みほ「くっ、停止!」
麻子「このまま進むのは危険だぞ」
ダージリン「戦車、後退」
ブロロロ
メグミ「逃げるのが早い…さすがに警戒してるか?」
カチューシャ「ミッコ、逃げてるけど逃げ切れない感じでお願い」
ミッコ「了解!」
ブロロロ
アズミ「あそこ、Ⅳ号がいたわ、逃げ遅れたみたい!」
ルミ「一気にカタをつけてやる!」
144: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:49:02.74 ID:FDGUjIDC0
アズミ(Ⅳ号は囮ね……周りの地形から判断して)
アズミ「来るわよ、左右を警戒して!」
ザザッ
クラーラ「Черт!」
ダージリン「おやりになるわね……」
メグミ「挟撃をしようとしてたみたいだけど、その手は食わないわよ!」
アズミ「たった二両じゃ私たちは止められないわよ!」
145: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/07(土) 09:51:00.57 ID:FDGUjIDC0
決して油断しているつもりは無かった。しかし、相手の隊長を倒す絶好のチャンスという思いが彼女たちの判断を僅かに鈍らせていた……
カチューシャ「そうね、私も二両だけなんていったつもりは無いわ」
146: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 09:52:33.65 ID:FDGUjIDC0
ドオン
ルミ「この砲撃は……!あれはティーガーⅠ!」
ドオン!
アズミ「こっちにはファイアフライも!」
147: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/07(土) 09:53:48.48 ID:FDGUjIDC0
カチューシャ「 四 両 よ ! 」ドン!
152: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:14:47.15 ID:2HG/Iymb0
キンキンキンキン
愛里寿「………」
愛里寿「やられた……」
CV33 ブロロロ タタタタ!
ペパロニ「やーいやーい!」
愛里寿「執拗にセンチュリオンを狙ってたのは指揮系統の妨害をするため、そう思わせることが目的だった!」
愛里寿「本命はこっち、メグミ中隊の殲滅!」
カチューシャ「センチュリオンはのマークは絶対にはずせない、部隊を分けたときが絶好の攻撃チャンス……」
153: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:15:25.79 ID:2HG/Iymb0
カチューシャ「 だ か ら こ そ 無 視 す る ! 」ドン!
154: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:18:22.87 ID:2HG/Iymb0
~~~~~~~
カチューシャ「これだけ攻めればセンチュリオンを狙ってることに気づいてるはず」
カチューシャ「狙いが分かれば当然対応してくる」
カチューシャ「あえて隙を作り釣られて出てきたところを挟み撃ち、一網打尽を狙ってくるはずよ」
カチューシャ「恐らく自分自身を囮にしてくるはず」
アリサ「でもそううまくいくの?」
カチューシャ「大学選抜としてのプライドが消極的な戦術は取らせない」
カチューシャ「愛里寿は間違いなく自分を囮にする、なぜなら……」
カチューシャ「 負 け た こ と が 無 い か ら よ ! 」ドン!
~~~~~~~~
155: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:19:57.41 ID:2HG/Iymb0
愛里寿「メグミ中隊の援護をする、ついて来い!」
ドオン ドオン!
カチューシャ「ちっ、戻るのが早い、こっちも撤退よ!」
優花里「さすがにやりますね、せめて一両は倒したかったのですが……」
メグミ「すみません隊長」
愛里寿「場所を移動する、全員ついて来い」
ブロロロ
156: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/08(日) 08:20:58.20 ID:2HG/Iymb0
カエサル「おっ、大学チームが撤退していくぞ!」
おりょう「市街地に逃げ込んでいるぜよ」
桃「おお、この前とは違ってこっちが追い詰めてるぞ!」
杏「市街地ってことは遭遇戦狙いかな?」
柚子「戦力的にはまだ向こうが上、どちらにしろ油断できないことに変わりはありませんね」
157: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/08(日) 08:21:39.23 ID:2HG/Iymb0
カチューシャ「みんな、追うわよ!陣形を維持しつつ前進」
「了解」
ブロロロ
カチューシャ(二度の奇襲にもかかわらず撃破は0……気が抜けないわね)
ダージリン「相手は思いもつかない手を使ってくるはず、油断してはだめよ」
みほ(いざとなったら私がみんなの盾に……)
クラーラ(ここからが本番、みんなと力を合わせていかないと……)
アンチョビ「いたぞ!前方に固まっている、気をつけろ!」
158: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:25:06.15 ID:2HG/Iymb0
アズミ「敵車両確認しました、固まってこちらへ移動してます!」
愛里寿「よし……作戦通りいくぞ!」
メグミ「でも、危険じゃないですか、やっぱりやめたほうが?」
愛里寿「この程度のことがこなせなくてなにが隊長だ。島田愛里寿を甘く見てもらっては困る」
メグミ「す、すみません!」
159: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:26:27.06 ID:2HG/Iymb0
ブロロロ
アンチョビ「敵、こっちに向かって前進、気をつけろ!」
カチューシャ「なっ、遭遇戦が目的じゃなかった!?、みんな気をつけて、来るわよ!」
まほ(迷いの無い動き、愛里寿のチームメイトへの信頼が大学選抜の本性を引き出したか!)
ダージリン「突撃!?どうやら一気に勝負を決めにきたみたいね」
クラーラ(まずい、突然の奇襲にみんな動揺している。動きに乱れが……)
みほ「みんな、私たちの後ろへ!カチューシャさんは下がってください!」
カチューシャ「ちぃっ!応戦するわよ、砲撃開始!」
160: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:28:24.37 ID:2HG/Iymb0
愛里寿「 か か っ た な 」
161: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:30:12.75 ID:2HG/Iymb0
センチュリオン ドンッ!
みほ「うそっ、センチュリオンが単体で突っ込んできた!」
ダージリン「まずい、直接カチューシャを狙って……」
愛里寿「奇策はお前たちだけの専売特許使じゃない!」
優花里「愛里寿は向こうの切り札のはず、それがこんなリスクをとってくるなんて」
麻子「本命はこっちか?完全にⅣ号をしとめる気か!」
ルミ「予測不能の忍者戦術、とくと味わえ!」
カチューシャ「愛里寿のやつ、正面から裏をかいてきた!」
愛里寿「さっきのお返しだ!」
162: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/08(日) 08:31:28.45 ID:2HG/Iymb0
ダージリン「カチューシャ、早く私の後ろへ!」
ブロロ ガン ゴン
ミッコ「し、しまった!」アセッ
ブロロロ
愛里寿「もらった!」
ギャギャギャ ドカァ
愛里寿「!?」
みほ「そうはさせない、あなたは私が食い止める!」
優花里「ボコチームが前に出て!?」
みほ「みなさんは今のうちに撤退を!」
愛里寿「敵が浮き足立っている、今がチャンスだ。ティーガーⅠは私たちが倒す、お前たちは残りを追え」
「了解!」
ブロロロ
梓「敵車両そちらへ向かいました、気をつけてください!」
163: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/08(日) 08:32:25.91 ID:2HG/Iymb0
ドオン
そど子「うわあっ、ちょっと大丈夫なの?」
エリカ「ふん、そう簡単に当たるもんですか!隊長車、別に私たちがやっちゃってもいいんでしょう?だったら……」
まほ「戦車の性能では向こうが上…だが、勝てない相手ではないはずだ……」
みほ「……お姉ちゃんは車長以外のポジションも満遍なくこなせる万能型、砲手の実力もトップクラス。エリカさんも同じで操縦の腕は他に引けをとらない」
みほ「澤さんはどんな状況でも落ち着いて連絡を取ってくれるし、園さんだってどんなに戦車が動いても素早く装填してくれる」
みほ「……よし……」
みほ「お姉ちゃん、エリカさん、澤さん、園さん……いくよ!」
愛里寿「事実上の西住流対島田流……どっちが上かはっきりさせてやる、撃て!」
167: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:25:25.33 ID:V43gx6AH0
みほ「停止!……撃て!」
ドオン! ドオン
愛里寿「後退!そのまま回りこめ!」
ブロロロ
みほ「そこの路地に入ってください!」
愛里寿「建物ごと撃ちぬけ!」
ドオン! ガラガラ
168: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:26:36.00 ID:V43gx6AH0
エリカ「くっ、隙ができない。みほ、何とかしなさい、隊長でしょ!」
みほ「分かってる…けど……」
まほ「無茶を言うなエリカ、お前だって分かっているだろう?センチュリオンのチームは今まで戦ってきたやつらとはわけが違う」
まほ「無謀と勇気は別物だ、冷静になれ、相手の術にはまるな!」
エリカ「そんなこと分かってます!けど、私は自分の歩んできた道を信じている、厳しい訓練を潜り抜けてきた仲間たちとドイツ戦車で結成されたこの学園は何処にも負けないって」
エリカ「相手がたとえそれが大学生だろうと……」
169: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:27:26.55 ID:V43gx6AH0
エリカ「 王 者 黒 森 峰 を 舐 め る な ぁ ぁ ぁ !! 」
170: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:27:56.14 ID:V43gx6AH0
みほ(エリカさん……)
まほ「エリカ……」
みほ(エリカさんは信じているんだ、自分の戦車道を、自分の歩んできた道を……)
みほ(ここで隊員の気持ちに応えなきゃ隊長じゃない!)
みほ「エリカさん、そのとおりです。お姉ちゃん、いくよ!」
171: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:28:41.57 ID:V43gx6AH0
愛里寿(隠れているな……どこだ)
ブロロロ
愛里寿(本来の黒森峰なら戦力に物を言わせて正面から来るはずだが……)
愛里寿「そこの角を……停止!」
キッ ドオン!
まほ「外しただと!?」
愛里寿(やはり待ち伏せだったか。本来の黒森峰ならこんな戦術は絶対に使わない、だが……)
172: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:29:16.82 ID:V43gx6AH0
愛里寿「 そ れ は す で に 知 っ て い い る ! 」ドン!
173: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:29:49.53 ID:V43gx6AH0
ドオン ドオン
みほ「うぐっ」ハアハア
エリカ(そんな、どうして?みほの戦い方は西住流には無いはずなのになんで対応できる……)
みほ(そんな、どうして?……)
まほ(くっ、このままでは押し切られる……)
174: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:31:06.99 ID:V43gx6AH0
ミカ「これは、勝負あったかな」
アキ「そんな、まだ負けてないよ。何でそういうこと言うの?」
ミカ「島田愛里寿はみほさんのリズムを完全につかんでる」
アキ「どういうこと?」
ミカ「戦いにおいてもっとも必要なことを彼女は知っている……」
アキ「そんなの黒森峰だって同じでしょ?」
ミカ「いや、同じじゃないよ。島田愛里寿は大学選抜の隊長として絶対負けられない立場にいる、その想いの差が現れている」
175: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:31:48.37 ID:V43gx6AH0
大学選抜は簡単になれるものじゃない、実力があり向上心があるやつだけがなれる。才能の上にあぐらをかくようなやつには到底勤まらない
各大学のトップクラスが熾烈を極める戦いの末に勝ち取るものなのだ。それはたとえ島田愛里寿とて例外ではない……
みんな己のプライドを賭け死に物狂いで戦っているのだ
頂 点
大学選抜という頂点で自分たちが戦っているという誇りが負けることを許さないのだ
176: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:33:01.28 ID:V43gx6AH0
愛里寿「西住流にない戦い方をするから私の意表をつけるとでも思ったか、西住みほの戦い方はこの前の戦いや全国大会の映像ですでに研究済みだ……」
みほ「あああ……」
愛里寿「どうやら私たちを過小評価していたのはそっちだったようだな」
まほ「………」ギリ
愛里寿「……西住流も所詮この程度か?」ハァ
みほ「!!」ピク
愛里寿「まあいい、これで終わりにしてやる」
177: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:33:42.68 ID:V43gx6AH0
みほ(この程度って…言った)ドクン!
自分だけじゃない、黒森峰のみんなが侮辱された気がした
それまで温和なみほが持ち得なかったもの……自分と仲間のためならば、どんな敵だろうと打ち砕くという…
凶 暴 な 戦 士 の 意 志
負けられない、負けたくない……
勝 ち た い !
みほ「うあぁぁぁぁ!」
178: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:34:20.91 ID:V43gx6AH0
愛里寿(雰囲気が変わった……)
ドオン ドオン!
みほ「うわぁぁぁ!」
ギャギャギャ
愛里寿「だが……」
ドオン!
みほ「ぐぅぅ……」
愛里寿「勝負ありだ」
ピタ
まほ(くっ、万事休すか……)
179: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/09(月) 08:34:53.50 ID:V43gx6AH0
愛里寿「 決 ま っ て い る、 勝 つ の は 私 だ 」ドン!
184: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/11(水) 17:15:18.80 ID:zxT/yqUN0
しかしみほの西住流としての誇りがが負けることを許さない……
最後の瞬間まで勝負をあきらめない気持ちは、勝利を意識した島田愛里寿の一瞬の隙を見逃さなかった
みほ「撃て!」
ドオン!
愛里寿「くっ、しまった!?」
みほ「後退!」
ブロロロ
みほ「長引けば負ける、一気に勝負に出ます!」
エリカ「どうするの?」
みほ「一撃撃った後に一気に背後に回りこみます」
エリカ「履帯が千切れるわよ!?」
まほ「かまわない、停止した瞬間撃ち抜いてやる」
みほ「園さん、装填時間短縮できますか?」
そど子「大丈夫よ、思いっきりやっちゃって!」
梓「隊長、お願いします!」
みほ「お姉ちゃん、エリカさん、園さん、澤さん後ちょっとだけ私に力を貸してください」
みほ「………行きます!」キッ
ブロロロ ドオン!
みほ「エリカさん!」
エリカ「行けぇぇぇぇ!」
ギャギャギャ! ブチッ! ガガガガ!
そど子「ぐうぅぅぅぅ!」
ガコン
梓「見えた!」
まほ「今だ……う…」
185: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/11(水) 17:17:17.84 ID:zxT/yqUN0
愛里寿「 残 念 だ が そ れ も 知 っ て い る 」
186: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/11(水) 17:18:01.78 ID:zxT/yqUN0
ドガシャアン!
みほ「きゃあ!」
エリカ「そんな、車体をぶつけて動きを止められた!?」
まほ「くっ、砲身が…この角度では……」
ドンッ ズサァァァ!
みほ「まだ終わってない、諦めない!」
まほ「標準を……」
187: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/11(水) 17:18:30.12 ID:zxT/yqUN0
みほ愛里寿「 撃 て ! 」
188: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/10/11(水) 17:19:39.55 ID:zxT/yqUN0
「高校選抜、ティーガーⅠ走行不能!」
189: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/11(水) 17:28:01.50 ID:zxT/yqUN0
みほ「すみません私の力が及びませんでした」
まほ「まさか力の差がここまであるとは……」
エリカ「くそっ!」ガン
そど子「あんなのどうやって倒せっていうのよ~!」
梓「すみません、ティーガーⅠ撃破されました」
梓「けど……」
190: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/11(水) 17:29:20.06 ID:zxT/yqUN0
梓「目的は達成しました。後お願いします」
192: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:18:50.59 ID:s6Q42lea0
ブロロロロ
メグミ「Ⅳ号から目を離さないで、このまま追うわよ!」
アズミ「了解!今度は平気よね」
ルミ「隊長の突撃で虚をついたのよ、逃げるだけで精一杯よ!」
ブシュー
黒森OB2「!苦し紛れの煙幕か、それで逃げたつもりか!」
メグミ「砲撃」
ドオン ドオン! ドオン!
アズミ「煙幕が晴れたときがあなたたちの最後よ!」
ルミ「私たち相手によくやったわよあんたたちは」
193: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:21:18.47 ID:s6Q42lea0
ドオン ドオン
メグミ(何か妙ね……)
メグミ(確かにこれは苦し紛れの煙幕、それは間違いないはず。私たちは追い詰めているはず……)
メグミ(なのに何だこの不安は?……そうか、あまりにもうまく行き過ぎてるんだ)
黒森OB2「……!大変ですパーシングが一両いません!」
アズミ「ええっ、どういうこと?」
ルミ(……本当だ、全員で追っていたはずなのに四両しかいない?)
ドオン ドオン!
黒森OB2「ええっ?側面から砲撃!」
チャーチル ファイアフライ
メグミ「前方には煙幕、これはまさか……」
メグミ「 声 東 撃 西 !! 」
194: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:22:47.34 ID:s6Q42lea0
~~~~~~~
ブロロロロ
梓『私たちがセンチュリオンを引き付けて時間を稼ぎますので、パーシングの方をお願いします』
カチューシャ「任せなさい、愛里寿よりこいつらの方が楽だわ、まとめて叩き潰してやる」
カチューシャ「アーサーはパーシングを一両誘導して、残りは私たちの方に集合。敵を一箇所に集めるわ」
ダージリン「了解、追い詰められたネズミの恐ろしさ、見せてあげましょう」
ペパロニ「煙幕完了ッス!これで向こうからこっちは見えないッス」
沙織「相手はきっと私たちを追い詰めたと思ってるはずだよ!」
カチューシャ「リベンジャーは裏側を通ってアーサーと合流、パーシングを撃破後側面から敵を強襲。私たちは苦し紛れで応戦するふりをして敵を釘付けにしつつ時間を稼ぐわよ」
「了解!」
~~~~~~~
195: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:23:24.25 ID:s6Q42lea0
ブロロロ
メグミ「ファイアフライから先にしとめるわよ、二人とも着いてきて!」
アズミルミ「了解!」
メグミアズミルミ「 バ ミュ ー ダ ア タ ッ ク ! 」
196: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:24:45.59 ID:s6Q42lea0
~~~~~~~~~~~~
アリサ「このままでは防衛線持ちません!」
ケイ「くっ、バラバラになんてさせないわよ!」
メグミ「まだまだ後輩には負けられないわよ、中隊前進!」
ドオン ドオン! シュポ
ケイ「!?しまった!」
アリサ「隊長、こんのー!」
ドオン! シュポ
アリサ「そんな、何もさせてもらえなかった……隊長、すいません!」
ナオミ(サンダース率いる守備隊が……壊滅だと)
ナオミ(私たちが手も足も出ないなんて、そんなことが……)
ブロロロ
ナオミ「二人とも!きさまらー」
ナオミ(私だけ生き恥を晒すわけにはいかない!)
ケイ「ナオミStop!あなただけでも逃げなさい!」
ナオミ「し、しかし……」
ケイ「17ポンド砲をここで失うわけにはいかない、行きなさい!」
ナオミ「し……しかし!」
ケイ「 行 け ー !! 」
ナオミ「ぐ……Yes……mam!」
ブロロロロ
ケイ「ナオミ、みんなのこと、頼んだわよ……」
~~~~~~~~
197: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:25:20.19 ID:s6Q42lea0
ナオミ(あの時から私の心にぽっかりと穴が開いてしまった)
ナオミ(あの屈辱を忘れた日は一日としてなかった)
ナオミ(引くわけにはいかない……)
ナオミ(いまこそ…私は……)
ナオミ( 失 っ た プ ラ イ ド を 取 り 戻 す ! )ドン!
198: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:26:19.12 ID:s6Q42lea0
ナオミは怒っていた
私たちを無様な目に合わせたやつらに怒っていた
目の前でなすすべなく仲間がやられていくことに怒っていた
だが何よりも己の弱さに怒っていた
彼女は復讐を誓っていた
次同じことがあったならばその時は……
自 身 の 力 で 何 と か し て や る
ナンバー1スナイパーとしての誇りがプライドが、負けたままでいることを許さないのだ
199: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:27:34.22 ID:s6Q42lea0
ナオミ「バミューダカウンターを仕掛ける」
優花里「な、本気ですか!?リスクが大きすぎます!」
ナオミ「私が逃げること、それはサンダースの敗北を意味する」
ナオミ「守らなくてはならない、サンダースのプライドを……」
ナオミ「傷つくことを恐れてはならない……」
ナオミ「私はサンダースナンバー1砲手、誰よりも強くなければならない」
優花里「ナオミ殿……」
ナオミ「大洗が教えてくれたんだ、最後まで諦めない勇気を、本物の強さを……」
ナオミ「たとえどんな強敵だろうと討ち貫くのみ。私たちが突破口を切り開く!」
優花里「………」
ナオミ「大丈夫だ、操縦手はツチヤがやっている。あいつらの動きにも対応できる」
ツチヤ「任せて!」
ナオミ「猫田がいれば装填速度は気にならない」
ねこにゃー「高速装填だにゃ!」
ナオミ「そして……優花里、お前の知識はサンダース1だ。信じるんだ自分の実力を!」
優花里「……分かりました、いきましょう!」
優花里「ですが、これは無謀な突撃ではない。引くときは引く、良いですね」
ナオミ「Yes,ma’am」
200: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:29:24.05 ID:s6Q42lea0
優花里(私だって何もしていなかったわけではありません。バミューダアタックを何とかしたいと思っていました)
優花里(ビデオを見て研究しました、どんな戦術も付け入る隙はある。完全無敵の技など存在しない!)
優花里「敵は横一列に並んで並走してくる、あの状態からの一斉砲撃はこちらに逃げる隙を与えない。それなら……」
優花里「ツチヤ殿、頼みます!」
ツチヤ「了解!」
クン!
ルミ「……来た!!」
ドオン! スカッ
ルミ「なっ、フェイント!」
優花里「今です!」
ギャギャギャ
ルミ「しまった抜かれた!」
メグミ「やるじゃない、アズミ、ルミ、いくよ!」
201: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:30:03.37 ID:s6Q42lea0
ギャギャギャ
優花里「ナオミ殿、頼みます!」
(優花里「いいですか?敵がこの動きをしたら注意して下さい。惑わされてはいけません」)
ナオミ(惑わされるな。一両目はフェイント、撃ってくる二両目が本命……)
(優花里「ただしスピードが速く、連携もしっかりしています」)
ナオミ(砲撃のタイミングは二両目が出てくるほんの一瞬……)
202: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:30:29.24 ID:s6Q42lea0
ナオミ「 そ れ だ け あ れ ば 十 分 だ 」ドン!
203: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:31:06.41 ID:s6Q42lea0
ザザザ
ナオミ「Chute!」
ドオン! シュポ
「大学選抜、パーシング走行不能!」
アズミ「なっ、うそでしょ!」
ナオミ「借りは返したぞ」
204: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:31:53.08 ID:s6Q42lea0
ギャギャギャ!
ルミ「ファイアフライは装填に時間がかかる、反撃はさせないよ!」
ねこにゃー「そいやっ!」ガコン
ドオン! シュポ
ルミ「へっ、なんで、何なのその装填スピードは!?」
ねこにゃー「装填ならまかせるにゃ」
優花里「やりました、後一両です!ああっ、後ろ!」
ドオン! シュポ
「高校選抜、ファイアフライ走行不能!」
ナオミ「くっ、ここまでか……」
メグミ「まさかここまでやられるとは、さすがは私の後輩ね。けどこれ以上はやらせない!」
205: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:32:56.00 ID:s6Q42lea0
ダージリン「見つけたわ……砲撃」
ドオン!
メグミ「次は紅茶の園が相手ね、応戦よ!」
ドオン ドオン!
ダージリン(相手の残りはセンチュリオンにパーシング二両、センチュリオンが来る前にしとめる!)
ダージリン(一対一……全国大会準決勝をことを思い出すわね……)
ダージリン(出来ることなら思い出したくない苦い思い出……)
ダージリン(あの時は負けてしまったけど、今回は勝たせてもらうわ!)
206: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/12(木) 14:40:06.17 ID:s6Q42lea0
<<192 の前にこれが抜けていた
---------第四話-----------
【サンダースの意地よ!】
---------第四話-----------
【サンダースの意地よ!】
211: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:31:24.36 ID:I2Q/+y960
ブロロロ ドオン ドオン!
メグミ「向こうは防戦一方みたいね」
ドオン! ガラガラ
ダージリン「……後退」
ススッ
メグミ「…また!じれったいわね」
エルヴィン「ようし、敵さんだいぶ苛立ってるみたいだ」
オレンジペコ「うまくいくでしょうか?」
ダージリン「頼みましたよ坂口さん?」
桂利奈「よーしっ、やったるでぇ!」
212: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:35:04.26 ID:I2Q/+y960
ブロロロ ガツン!
桂利奈「あっ、しまった!」
メグミ「しめたっ!」
ブロロロ
ダージリン「………今よ!」
???「停止っ!」
キッ ドオン!
エルヴィン「馬鹿な、読まれただと!完璧なはずだったのに何故ばれた?」
メグミ「なっ、あれはT-34、いつの間に!……あなたがいなければやられていたわ」
213: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:36:09.73 ID:I2Q/+y960
メグミ「アールグレイ」
※アールグレイさんはダージリン対策に通信手として乗ってます
214: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:37:48.49 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「慎重に事を運ぶあなたが不用意に一対一の勝負をしてくるはずがないものね、ダージリン……」
ダージリン「そんな……」パリーン
アールグレイ「ファイアフライがいない今、狙撃は無い。状況、タイミング的に仕掛けるとしたら今しかない……」
215: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:38:21.22 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「 二 度 も 騙 さ れ る か ! 」ドヤァ!
216: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:40:42.03 ID:I2Q/+y960
オレンジペコ「ルクリリですね……」ボソッ
ドオンドオン!
アリーナ「武部さん、たのむっきゃ!」
麻子「しっかりやれよ沙織」
沙織『任せなさい、そっちこそしくじるんじゃないわよ麻子』
麻子「お前に言われる筋合いは無い、いくぞ……」
麻子「 グ ラ ン ド ク ロ ス 2 ! 」ドン!
217: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:43:45.16 ID:I2Q/+y960
>>216 ちょっと違った、こっちと置き換えてください
オレンジペコ「ルクリリですね……」ボソッ
~~~~~~~
ドオンドオン!
アリーナ「武部さん、たのむっきゃ!」
麻子「しっかりやれよ沙織」
沙織『任せなさい、そっちこそしくじるんじゃないわよ麻子』
麻子「お前に言われる筋合いは無い、いくぞ……」
麻子「 グ ラ ン ド ク ロ ス 2 ! 」ドン!
オレンジペコ「ルクリリですね……」ボソッ
~~~~~~~
ドオンドオン!
アリーナ「武部さん、たのむっきゃ!」
麻子「しっかりやれよ沙織」
沙織『任せなさい、そっちこそしくじるんじゃないわよ麻子』
麻子「お前に言われる筋合いは無い、いくぞ……」
麻子「 グ ラ ン ド ク ロ ス 2 ! 」ドン!
218: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:45:08.40 ID:I2Q/+y960
アンチョビ「いくぞーペパロニっ!」
ペパロニ「了解ッス!」
ブロロロロ タタタタタ!
キキキキキキン
黒森OB2「ええいうっとおしい!」
ペパロニ「やーいやーい、悔しかったら撃ってみろー!」
黒森OB2「このおっ、あれ?」
ペパロニ「やーい俯角取れないでやんの~」
アンチョビ「アンツィオ舐めんな!」
沙織「舐めんな!」
黒森OB2「~~!豆戦車を踏み潰せ!」
ブロロロロ
クラーラ「今です!」
ブロロロロ
麻子「相手の攻撃対象を入れ替えさせるグランドクロスの発展型、成功だ!」
ぴよたん「これでこっちはフリーになったぴよ!」
ニーナ「ダージリンさんの援護サ向かいましょう!」
クラーラ「Танки вперед!」
219: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:45:44.07 ID:I2Q/+y960
~~~~~~~~
ダージリン「でも状況は二対一、こちらが有利であることには変わりない」
アールグレイ「それはどうかしら?」
ドオン! ガキィン
クラーラ「Ой!」
アリーナ「いってえどこから?」
アリサ『みんな気をつけて!』
220: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:46:27.38 ID:I2Q/+y960
アリサ『センチュリオンがそっちに向かってる!』
221: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:47:54.92 ID:I2Q/+y960
オレンジペコ「ちょっと…遅かったみたいです……」
ダージリン「おやりになるわね……」
メグミ「あなたの相手は私よ」
アールグレイ「どうかしら、騙される側にまわる気分は?」
エルヴィン「してやられたか……」
メグミ「弱い物いじめみたいで気が引けるけどこれも勝負、悪く思わないでね」
「………」
華「みなさんしっかりして下さい、まだ勝負はついていません!」
華「当てれば勝つんです、私は諦めません」
桂利奈「重戦車キラーの実力見せてやる!」
ダージリン「そうね…勝負は最後までわからない、反撃開始よ!」
222: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:48:40.59 ID:I2Q/+y960
センチュリオン ズオオオオ
クラーラ「Что нам делать?(どうしよう?……)」
ぴよたん「大ボス登場ぴよ……」
ニーナ「でっけえなあ……」
麻子「まったく…いやになるな、敵の大将とタイマンか……」
麻子「だが絶望的な状況など今まで散々経験してきたんだ、もうこの程度で心折れたりはしない」
麻子「私たち最後まで諦めない」
223: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:50:37.38 ID:I2Q/+y960
華麻子「 私 の 同 志 は 手 強 い 」
224: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:51:22.59 ID:I2Q/+y960
麻子「カチューシャさんは知っているんだ、自分一人の力では勝てないことを」
華「カチューシャさんは私たちを信じて背中を預けてくれたんです」
麻子「みんなで一丸にならなければ勝てないことを」
華「ならばその想いに応えなくてはいけません!」
麻子「まだ勝負はついていない、いくぞ!」
華「一発あれば十分です……一発でしとめて見せます」
225: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:52:33.66 ID:I2Q/+y960
カチューシャ「くっ、愛里寿の仕業ね、道がふさがれてる!」
アリサ「こっちから迂回できるわ!」
カチューシャ「急いで、センチュリオンの相手は一両ではきつすぎる!」
「高校選抜、T-34走行不能!」
226: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:53:58.69 ID:I2Q/+y960
麻子「何も…出来なかった……」
麻子(すべての動きが読まれていた。予測なんてレベルじゃない、まるで未来予知のようだった…)
麻子(実戦経験、それは膨大な実践の果てに身につけることが出来る能力、本を読むだけでは決して手に入らない力)
麻子(並の努力ではこうはいかないはず、いったいどれだけの場数を踏んだというんだ)
麻子(だがそれだけじゃ説明がつかない…そうか、知識だ。戦術を加わえることで動きがさらに洗練されたものになる……)
麻子(知識と本能の融合、そんな感じだった……)
麻子「……すまないカチューシャさん、健闘を祈る」
冷泉麻子、彼女は天才の部類に入るだろう。だが、戦車道を始めてまだ半年、所詮はルーキーなのである……
227: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:55:06.52 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「車長はダージリン、砲手はアッサムじゃないわね……」
アールグレイ「けど、腕はいい……おそらく元大洗の五十鈴華ね」
メグミ「中隊長で生き残ったのは私だけ、頼むわよ」
アールグレイ「任せなさい、どれだけ能力が高かろうと所詮は高校生……」
228: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:55:42.19 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「 戦 い の 年 季 の 違 い を 思 い 知 ら せ て や る わ ! 」ドン!
229: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:56:39.15 ID:I2Q/+y960
ドオン ドオン!
華「……!行進間射撃では当たりません、一瞬でも動きを止めてくだされば……」
ドオン ガィィン!
桂利奈「うわあぁっ!だめ~、スピード落とした瞬間撃ってくる~」
オレンジペコ「向こうもこちらが止まるのを狙ってますね」
ダージリン(間違いない、この戦い方、向こうの戦車にはアールグレイ様が乗っている……)
ダージリン「……あれは?」
[アクアワールド 茨城県大洗水族館]
ダージリン「あそこで決めるわよ!」
230: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 17:57:46.47 ID:I2Q/+y960
ガタゴト
ダージリン「上りきったところで勝負よ。五十鈴さん、砲撃のタイミングはあなたに任せるわ」
華「分かりました。この一撃、必ず当てて見せます!」
スッ
華「 今 !! 」
ドオン! スカッ
エルヴィン「ああっ、これは……フェイント、完璧だと思ったのに!」
ダージリン(しまった、これが狙い!)
ダージリン「次っ!」
ドオン! シュポ
「高校選抜、チャーチル走行不能!」
231: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 18:00:33.04 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「五十鈴華、砲手としての才能はひょっとしたら私たちより上かもしれない……」
アールグレイ「まともに撃ちあえばやられる可能性もある。しかし、まだ戦車乗りとしてはルーキー、付け入る隙はある」
アールグレイ「砲撃を当てるのに必要なのは才能だけじゃない……」
アールグレイ「わざと勝負に出ずに相手をじらし焦りを誘う」
アールグレイ「案の定、早く勝負をつけたい向こうは積極的に撃ってくる」
アールグレイ「あせりは判断を鈍らせ行動を単調にする」
232: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 18:01:13.43 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「砲手が五十鈴華だと気づいた時点で勝負は早撃ちと決めていた」
アールグレイ「早撃ちはプレッシャーがあれば成功しない、だからこの状況に持っていった」
アールグレイ「私にとって撃ち気にはやった相手などただの的でしかない」
アールグレイ「これが戦いの駆け引きよ、ダージリン」
233: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 18:02:30.99 ID:I2Q/+y960
アールグレイ「あなたとはくぐった修羅場が違うのよ!」ドン!
234: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/19(木) 18:03:03.39 ID:I2Q/+y960
メグミ「さすがね」
アールグレイ「私たちにあって彼女にないもの、それは……」
アールグレイ「地道な努力の積み重ね、戦車道への夢を刻んだ月日の差」
アールグレイ「才能だけで勝負は決まらない……」
237: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:45:07.39 ID:n15x4ysy0
ブロロロ ドオン ドオン
黒森OB2「おのれちょこまかと!」
アンチョビ「このままじゃやられちゃうぞ、どうするどうする?」
沙織「カッちゃんのところに行かせるわけにはいかない、私たちで倒そう!」
アンチョビ「本気か、それはパスタを生で食べるくらい無茶だぞ!?」
沙織「ノリと勢いだけはある。調子に乗らすと手ごわい、それがアンツィオ!!」
沙織「状況は最悪、さらに目の前にはパーシング」
ペパロニ「ヤバイじゃないッスか!」
沙織「ここで私たちがパーシングに突っ込むっていうのはどうかな?」
アンチョビ「なっ、本気か!」
ペパロニ「それって……」
ペパロニ「さいっこーじゃないッスか!!」
アンチョビ「腹をくくるか……よし、いくぞ!」ハァ
沙織「 私 の 同 志 は 手 強 い 」
沙織「カッちゃんはね、私たちを信じてるんだ。だったら私は何でもやってみせるよ、たとえそれが奇跡でもね!」
沙織「やっちゃえ女の子ぉぉっ!」
238: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:47:24.11 ID:n15x4ysy0
第四話終了
239: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:51:10.44 ID:n15x4ysy0
--------第五話----------
【絶望的な攻防よ】
240: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:52:23.21 ID:n15x4ysy0
ブロロロロ
アンチョビ「とは言ったものの、実際なにか手はあるのか?」
沙織「あ…え~と…う~ん……」
アンチョビ「いいか、CV33の機銃じゃパーシングには傷一つつかないぞ。倒すんなら周りのもととかをうまく使うんだ!」
沙織「周りって言っても……あ、そうだ!」キョロキョロ
沙織「ペパロニさん、この場所に移動してください!」
ペパロニ「……?なんかよく分からないけど了解ッス!」
アンチョビ「沙織、何か策を思いついたな?」
ブロロロロ
黒森OB2「何処まで逃げるつもりだい?」
ペパロニ「姉さん、逃げ回ってるだけじゃ勝てないッスよ」
アンチョビ「心配ない、これも作戦だ。だろ、沙織?」
沙織「うん、ペパロニさん、さっき言ったやり方でそこを曲がって!」
ペパロニ「了解ッス!」
ギャギャギャ
黒森OB2「逃がすか……ってえ、ち…ちょっと!」
ギャギャギャァァァガシャァァン!
241: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:52:55.61 ID:n15x4ysy0
「いぃぃやったぁぁー!!」
「またかよ」
「お前んとこばっかりうらやましいのお……」
242: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:54:15.84 ID:n15x4ysy0
キキッ
沙織「よっしゃー!!成功だー、ペパロニ天才ー!!」
アンチョビ「おおっ、よくやったぞペパロニ!」
ペパロニ「さすが沙織さん、ナイスな作戦ッス」
沙織「よーし、これで二対二。勝負はまだまだこれからだよ!」
ゴトゴト
アンチョビ「ん?ああっ、まずい、後退しろ!」
ペパロニ「ん、何いってんすか姉さ……」
ドオン! バコーン!
沙織アンチョビペパロニ「 わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !! 」
ガシャーン! ガラガラ
パーシング ガラガラ キュラキュラ
黒森OB2「なかなかいい作戦だったが詰めが甘かったな」
黒森OB2「 白 旗 見 る ま で 気 を 抜 く な ! 」ドン!
黒森OB2「戦場では何が起こるかわからない、最後まで油断してはいけない」
黒森OB2「強いといっても所詮はルーキーか……」
沙織「やだもー」プシュー
243: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:55:07.81 ID:n15x4ysy0
ザワ… ザワ…
カエサル「お、おい…これって」
おりょう「三対一ぜよ……」
佐衛門佐「厳しいな……」
ももがー「あわわわわわ……」
杏「うわぁ~こりゃまずいねぇ……」
桃「もうおしまいだー、アキちゃーん!」ピエーン
アキ「よしよし……」
柚子「え、誰?」
ホシノ「カッちゃん……」
ナカジマ「それでもカッちゃんなら……」
スズキ「けど、この数はさすがに……」
ミカ「確かに戦局はよろしくない。けど、そんなことに今更何の意味があるんだい。初めから覚悟の上だったはずだよ?」
ミカ「それに、今戦っているのはカチューシャだ……」
ドオン! シュポ
「大学選抜、パーシング走行不能!」
ミカ「相手が規格外ならカチューシャもまたイレギュラー、戦場を縦横無尽に吹き抜ける風は誰にも捕らえられない……」
244: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:56:23.13 ID:n15x4ysy0
シロハタヒラヒラ
黒森OB2「……いったい…何が?」
黒森OB2(撃たれたポイントから相手のいる方向は推測できるが……)
ズラッ
黒森OB2(建物が密集していて、敵の姿が……見えない!?)
ブロロロ
黒森OB2「いたっ…て、あんなところから……嘘でしょ?」カタカタ
245: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:57:13.54 ID:n15x4ysy0
黒森OB2「 気 を つ け ろ ー !! 」
黒森OB2「相手は砲弾が通る隙間さえあれば狙ってくるぞー!!気を抜くと狙い撃ちにされるぞー!!」
246: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:58:11.34 ID:n15x4ysy0
メグミ「なっ!?」
愛里寿「!?」
愛里寿『メグミ隊、合流するぞ』
メグミ「はいっ!」
メグミ「砲弾の隙間ってそんなわけ無いじゃない、高校生よ」
アールグレイ「けど、警戒はしておいたほうが良いわね」
メグミ「早いところ隊長とごうりゅ……」
ブロロロ バキン!
メグミ「なっ、何処から!?」
シーン
アールグレイ「敵はいたの?」
メグミ「それが……方向はわかるんだけど姿が……」
アールグレイ「留まるのは危険ね、急いでここを抜けましょう!」
247: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 07:59:30.29 ID:n15x4ysy0
カルパッチョ「私たちを確認できなくてあわててるみたいですね」
ノンナ「“鎧通し”私の射撃に障害物は意味を成しません」
ノンナ「砲弾の通る隙間さえあればどこにいようと当てて見せます」
カチューシャ「どんなに経験をつもうと予期できない不測の事態に直面すると、人は無意識のうちに本能に従って行動してしまう」
アリサ「OK、順調よ。敵は予想通りのルートを取っているわ、先回りしてセンチュリオンとの合流を阻止する」
ミッコ「おっしゃ、行くよ!」
248: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 08:00:40.70 ID:n15x4ysy0
ザザザザ!
メグミ「あれはⅣ号!」
アールグレイ「動きを読まれてたみたいね、一対一に持ち込まれた」
メグミ「好都合ね、私がここで倒せば試合終了よ!」
カチューシャ「準備はいい?」
カルパッチョミッコ「いつでもどうぞ!」
ブロロロロ
メグミ(突っ込んできた、やぶれかぶれの特攻か?…いや、そんなはずは無い……)
アールグレイ(私たちのここへの誘導した一連の動きといい無策のはずが無い、何かを狙ってる?)
カチューシャ(時間はかけられない…センチュリオンが来る前にカタをつける)
メグミカチューシャ「撃て!」
ドオン ドオン ギャギャギャ
メグミ「狙いはわからないけど時間がかかれば隊長と合流できるし、無理に急ぐ必要は無い。実際追い込まれてるのは向こうなんだから」
アリサ「これで取り乱してくれたらもうけものだったんだけどそうもいかないみたい。さすがは大学生ね、もう落ち着きを取り戻してる」
カチューシャ「できることならこんな危険なまねしたくないんだけど……」
メグミ「撃て!」
カチューシャ「 今 だ !! 」
249: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 08:02:11.81 ID:n15x4ysy0
ミッコ「おりゃあぁぁぁ!!」
ギュラララ ドオン スカッ
メグミ「えっ、うそでしょ!?」
メグミ(前進してきたのは私の攻撃を誘うため、そして十分ひきつけた上での……)
メグミ( 高 速 ド リ フ ト !? )
メグミ(早ければ撃たない、遅ければ撃破される。読みとチームワークが完璧で初めて成功する代物、これを狙ってやったって言うの?)
ドシン ギャギャギャ
カルパッチョ「今です!」ガコン
ノンナ「撃ちます」
ドオン! シュポ
「大学選抜、パーシング走行不能!」
カチューシャ「悪いけど、雑魚にかまってる暇はないの」
ブロロロロ
250: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 08:02:48.88 ID:n15x4ysy0
ワァァァ!
「おおっ、二両倒したぞ!」
「これで一対一だ!」
「これでまだまだわからないぞ!」
251: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/22(日) 08:03:29.62 ID:n15x4ysy0
絹代「カチューシャどの、良くぞここまで……」
細見「快挙であります、大戦果であります!」
福田「あと一息であります!」
玉田「ぬ、センチュリオンが来たぞ!」
256: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:10:46.78 ID:1OMX/PpP0
ダージリン「グラスの中身がバーボンだろうと泥水だろうと、俺たちにはたいした問題ではない」
ダージリン「俺たちは戦うための存在……互いにぶつかり合うことでしかお互いを理解できない不器用な存在……」
オレンジペコ「ダージリン様……」
ダージリン「敗者に敢闘賞はなく勝者のみが栄光を得る世界、私たち戦車乗りの使命はただ一つ」
ダージリン「 勝 て ! 」
257: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:12:23.41 ID:1OMX/PpP0
ゴゴゴゴゴゴ……
センチュリオン
天にセンチュリオン、地にⅣ号
真の戦車乗りはどちらに……
258: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:13:34.59 ID:1OMX/PpP0
愛里寿「………」
カチューシャ「………」
アリサ「上から見下ろすとはいい度胸じゃない……」
ミッコ「相手にとって不足なし!」
ノンナ「………」
カルパッチョ「これが最終決戦ですね……」
259: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:14:25.10 ID:1OMX/PpP0
私は強くなりたい……
私の居場所……役割……
ベサオ……私を戦車道に誘った張本人、ムードメーカーで常に場を盛り上げてくれた
華……ちょっと大喰らいだけど、華道で鍛えた集中力はどんな標的も打ち抜く
優花里……頼りになる装填手、自慢の知識はいつも世話になっている
麻子……学園一の天才。しょっちゅう寝てばかりだけど私は知ってる、みんなのために影で努力してることを
ダージリン、ケイ、アンチョビ、ノンナ、西住姉妹……
それぞれが、それぞれの役割を持っている
なら、私の居場所、役割は……
260: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:16:22.60 ID:1OMX/PpP0
こ の 戦 い に 勝 利 し 、 大 洗 を 取 り 戻 す こ と
261: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:17:19.21 ID:1OMX/PpP0
そして……
愛里寿「………」
己のすべてを賭け雌雄を決さなければいけない相手……
262: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:22:45.69 ID:1OMX/PpP0
カチューシャ「これが正真正銘最後の勝負……」
カチューシャ「いくわよ、パンツァーフォー!」
263: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:23:59.20 ID:1OMX/PpP0
そど子「島田愛里寿、飛び級で大学生になった天才少女」
梓「社会人チーム2位を下すその戦闘指揮能力は他の追随を許さない」
みほ「変幻自在の戦い方は忍者戦術と呼ばれているけど、自ら撃って出れば圧倒的な強さで敵を制圧する」
みほ「日本戦車道ここにありと知らしめた、島田流戦車道の後継者」
エリカ「そんなやつを相手にカチューシャは戦おうとしているっていうの?」
まほ「まったく、おおげさだとは思わないか?」フフッ
エリカ「隊長?」
まほ「目指すもの、守るもの、超えなきゃいけないもの、あの二人の間にはいろいろあるんだと思う」
まほ「なぜあの二人なのか……」
まほ「ただの偶然かもしれないし、ひょっとしたらあの二人は遠い親戚なのかもしれない」
まほ「実はカチューシャは今は無き古の流派の末裔かもしれないし、ただの天才なのかもしれない」
まほ「だが、今必要なのはそういうことじゃない」
まほ「どんな理由があろうと、どんなに力があろうと結局は……」
まほ「 勝 つ か 負 け る か 」
まほ「これは戦争ではない、ただの戦車道の一勝負。あくまで戦車乗り同士の戦いなんだ」
264: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:24:53.28 ID:1OMX/PpP0
ドオン ドオン! ギャギャギャギャ!
カチューシャ(わかってはいたけど…強い!)
ノンナ(動きが読まれているのか、狙いが定まらない……)
ミッコ「でっかい図体してちょこまかと!」
愛里寿(以前戦ったときとはまるで別物……仕留めきれない)
「この前より全然動きがいいじゃない、気を抜けば撃ち抜かれる!」
「面白い、これは倒し甲斐があるわね!」
265: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:27:32.96 ID:1OMX/PpP0
カチューシャ「まともにやりあうのは危険ね、ミッコ!」
ミッコ「はいよっ!」
ブロロロ
愛里寿「逃がすか!」
ドオン バコォン!
ブロロロロ ギャギャ
愛里寿「角を曲がった……!停止!」
キッ ドオン!
266: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:28:17.84 ID:1OMX/PpP0
カチューシャ「そこの角で急旋回!」
ギャギャギャ ピタ
カチューシャ「ノンナ、狙える?」
ノンナ「問題ありません」
アリサ「視界が悪いからタイミングで撃つのよ」
カチューシャ「3…2…1…撃て!」
ドオン スカ
カチューシャ「はずれた!読みなのか直感なのかわかんないけどやるじゃない……」
267: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:29:07.42 ID:1OMX/PpP0
ルクリリ「おおっ、何とかくらいついてるぞ!」
アッサム「………」
ルクリリ「どうしたんですか、ずっと黙ってて?」
アッサム「ご、ごめんなさい、なんでもないわ……」
アッサム(……せめて仲間が残っていてくれたら……)カタカタ
268: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:30:16.57 ID:1OMX/PpP0
Ⅳ号VSセンチュリオンの勝率
0%
269: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:31:42.26 ID:1OMX/PpP0
アッサム(私だって高校選抜に勝ってほしい。だけど……)
0%
アッサム(希望を刈り取る残酷な数字……)
アッサム(圧倒的な実力差があるからこそ見えてしまう絶望的な結末)
アッサム(たとえ一時的に善戦するようなことがあっても、恐らくそれすらも愛里寿の作戦の上かもしれない。センチュリオンの勝利は揺るがない)
アッサム(どうあがこうと同じ結末に辿り着く悲しい定め……)
アッサム(私には高校選抜の勝利を信じることが……)
270: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:33:26.47 ID:1OMX/PpP0
ブロロロロ
カチューシャ「路地は狭い、引っ掻き回して引き離すわよ!」
愛里寿「これ以上調子ずかせるな、一気に追い詰めるぞ」
アリサ「道は狭いってのにさすがね、ピッタリとついてくる。そこを右に曲がりなさい」ググッ
愛里寿「逃がすか、右折しろ。この狭さでは砲塔の旋回は出来ない、判断を間違えたな」ググッ
キコキコ
愛里寿「なっ!!てっ停止!」
ドオン! スカ
ノンナ「жаль(惜しい)」
愛里寿(いったいどういう…そうか!T字路で砲塔の旋回を……)
カチューシャ「ちぃ、惜しいっ!」
271: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:35:55.61 ID:1OMX/PpP0
ぴよたん「ああっ、かわされたぴよ!」
アリーナ「どっちもすげぇ!」
麻子「だが気づかれた、やはりセンチュリオンに勝つのは無理なのか?」
麻子(実際に対峙したからこそわかる地道に積み重ねてきたのものの差……)
麻子(愛里寿対策で用意していただろうあの狙撃も、今やった奇策も恐らくもう通じないだろう……)
麻子(対応の早さ、そしてわずかな隙をも的確に突いてくる正確さ……)
麻子(どう動こうと何をしようと無意味と感じてしまう、すべてを見透かされているかのような……)
圧 倒 的 な 恐 怖
ブロロロロ
麻子「いけない……そっちは!」
キキッ ギャウ!
ぴよたん「かわしたぴよ!」
ニーナ「すんげぇ!」
麻子(カチューシャさんも負けてない、だが決定打がない……このままではジリビンだぞ)
272: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:37:45.06 ID:1OMX/PpP0
華「これは…カチューシャさん、攻めあぐねいてますね」
桂利奈「ぶっとばせ~!!」
オレンジペコ「やはり……」
エルヴィン「どうかしたのか?」
オレンジペコ「愛里寿さんの実力は本物、たとえ歴代の高校戦車道の猛者でも一騎打ちで倒せる人はそういないでしょう」
オレンジペコ「それだけ愛里寿さんの実力は飛びぬけてるんです」
エルヴィン「そんな、それじゃあ……」
ダージリン「落ち着きなさい二人とも」
ダージリン「運命は浮気者、強いほうが勝つとは限らないわ」
オレンジペコ「……覚悟の上でしたね」
エルヴィン「ああ、そうだな。私たちに出来ることは信じることのみ、頼んだぞ隊長……」
273: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:40:44.12 ID:1OMX/PpP0
ドオン ドオン ブロロロ
優花里「………」
ナオミ「どうしたんだ優花里?」
優花里「実はちょっと気になっていることがあって…」
ねこにゃー「気になってること?」
優花里「私は装填手としてカチューシャ殿の戦い方をずっと見てました。だから…胸騒ぎがするんです」
ツチヤ「カチューシャさんに弱点でも?」
みほ「カチューシャさんの本当の強さは連携力にあると思うんです」
みほ「味方の能力を最大限に活かし敵を追い詰める……」
みほ「チーム戦でこそカチューシャさんは新の力を発揮するんです!」
まほ「やはりみほもそう思うか」
梓「えっ、それってどういう?」
みほ「練習の時もそうでしたけど、連携能力はすごく高いんです。即席で作ったチームに的確な指示を出したり」
みほ「仲間がいる時のカチューシャさんは私たちでもそう簡単には倒せません」
まほ(実際模擬戦で私たちも負けている、あれは間違いなく本物だ……)
みほ「けど、一対一になるとそうとはいえない、弱いわけでは無いんですが倒せないほどではないと感じてしまう……」
まほ「確かにカチューシャの戦績を振り返ってみると分かることがある」
まほ「全国大会の決勝も隊長車との一騎打ちでは敗北している、前の島田愛里寿との戦いもポルシェティーガーとの二対一だった」
エリカ「相手は戦車も錬度も上、その上タイマンが……」
274: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:43:07.30 ID:1OMX/PpP0
※カチューシャと小梅のチームに負けてます、エリカは言うこと聞かないから勝てなかった
275: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:45:58.63 ID:1OMX/PpP0
梓「いい加減にしてください!」
「!!」
梓「弱気な発言なんて聞きたくありません……」
梓「カチューシャさんは私たちの隊長なんですよ、私たちが信じなくてどうするんですか!?」ポロポロ
「………」
梓「私はカチューシャ隊長なら絶対勝つって信じてます!」
みほ「ええ、もちろん信じていますそ。チューシャさんなら何とかするって」ニコッ
まほ「そうだな、いまさら愚問だったな……」
エリカ「わ、私は信じてるわけじゃないけど……ここまできて疑うのは愚か者のすることよ」
そど子(これがツンデレか……)
ナオミ「じゃあやっぱり厳しいか……」
優花里「けどそれは以前の話です、今のカチューシャ殿には当てはまらない」
優花里「黒森峰に入って新たな戦術も増えたはず」
優花里「なにより、カチューシャ殿はこの戦いの最中にも学び吸収し、成長しているんです」
優花里「自身のことより常にみんなのことを考えている」
優花里「普通の人なら無理なことでもカチューシャ殿ならやってくれる……」
ナオミ「信頼…しているんだな」
優花里「大洗の隊長を侮ってはいけません」
276: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/26(木) 15:48:15.31 ID:1OMX/PpP0
優花里「 私 の 同 志 は 手 強 い で あ り ま す ! 」ドン!
優花里「私は信じています、カチューシャ殿ならどんな困難だって乗り越えてくれると」
278: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 07:55:47.69 ID:LiTiAkHc0
ドオン ドオン
チュイン!
愛里寿「かすっただと!?反応が遅れたのか?…いや違う」
ザザザ
「くっ、逃げられた。砲撃、狙えません」
愛里寿(やはり…)
愛里寿(さっきより動きが良くなってる…いや、違う、センチュリオンの動きに対応し始めているんだ)
愛里寿(いったい、何が起こってる……)
279: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 07:57:16.59 ID:LiTiAkHc0
~~~~~~~~
カチューシャ「アリサあなたにはセンチュリオンの情報を片っ端から集めてもらうわ」
アリサ「は、何でそんなこと?」
カチューシャ「もし一対一で戦うことになった場合、悔しいけど今のままでは歯が立たない」
カチューシャ「一発でももらえば負け……相手は私達とは別次元の強さを持っている」
アリサ「確かにそうだけど……」
カチューシャ「アリサはセンチュリオンのあらゆるデータを徹底解析し、全力のセンチュリオンの動きを予測してもらうわ!」
カチューシャ「相手の動きを予測し事前に安全圏に移動する……才能、技術で勝てないなら連携で勝つ、あなたには私のフォローをしてもらう」
カチューシャ「二人で連携して指示を出すのよ」
アリサ「ええっ?」
カチューシャ「一人でダメなら二人で戦う。戦車で負けてる以上私たちが勝負できるポイントはここしかないわ!」
アリサ「ちょっと本気?」
カルパッチョ「二人で指揮を執るなんて、そんなこと…」
アリサ「そうそう言ってやりなさい!!」
カルパッチョ「最高じゃないですか!?」
アリサ「ええっ!!」
ミッコ「しっかりやんなよ?」
アリサ「ちょっとまだやるとは…」
ノンナ「同志アリサ、カチューシャのことお願いします」
アリサ「~~~~わかったわよ、やればいいんでしょやれば!!…いい?この私がここまでやるんだから、やるからには勝つわよ!」
~~~~~~~~
カチューシャ「アリサあなたにはセンチュリオンの情報を片っ端から集めてもらうわ」
アリサ「は、何でそんなこと?」
カチューシャ「もし一対一で戦うことになった場合、悔しいけど今のままでは歯が立たない」
カチューシャ「一発でももらえば負け……相手は私達とは別次元の強さを持っている」
アリサ「確かにそうだけど……」
カチューシャ「アリサはセンチュリオンのあらゆるデータを徹底解析し、全力のセンチュリオンの動きを予測してもらうわ!」
カチューシャ「相手の動きを予測し事前に安全圏に移動する……才能、技術で勝てないなら連携で勝つ、あなたには私のフォローをしてもらう」
カチューシャ「二人で連携して指示を出すのよ」
アリサ「ええっ?」
カチューシャ「一人でダメなら二人で戦う。戦車で負けてる以上私たちが勝負できるポイントはここしかないわ!」
アリサ「ちょっと本気?」
カルパッチョ「二人で指揮を執るなんて、そんなこと…」
アリサ「そうそう言ってやりなさい!!」
カルパッチョ「最高じゃないですか!?」
アリサ「ええっ!!」
ミッコ「しっかりやんなよ?」
アリサ「ちょっとまだやるとは…」
ノンナ「同志アリサ、カチューシャのことお願いします」
アリサ「~~~~わかったわよ、やればいいんでしょやれば!!…いい?この私がここまでやるんだから、やるからには勝つわよ!」
~~~~~~~~
280: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 07:58:00.13 ID:LiTiAkHc0
子供のころからそんなに体が丈夫じゃなかった私は強さに憧れていた
そんなときにであったのが戦車道だった
非力な私でも堂々と戦えるこの競技に私は一瞬でとりこになった
中学卒業後迷わずサンダースに入学した、ここで私は強くなるんだ!
だが現実は甘くなかった、すべてにおいて万能なケイ隊長、狙った獲物は逃がさないスナイパーナオミ
ぶつかってしまった才能の壁……挑戦する気も起きなくなるような実力差
でも私にはこれしかないんだ、勝つためならどんな細緻な策だろうと弄してやろうじゃない……
281: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 07:58:56.64 ID:LiTiAkHc0
アリサ「この前の汚名返上をしてやる、覚悟しなさい」
アリサ「さあ……反撃開始よっ!」
アリサ「 私 の 計 算 に 誤 り な ど 無 い わ ! 」ドン!
282: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 07:59:37.73 ID:LiTiAkHc0
愛里寿(敵の動きが早くなってきたな……)
愛里寿(だがそれだけではこのセンチュリオンは落とせない)
まほ「まずいな……」
エリカ「何がですか、センチュリオンの動きにも対応しているし何も問題ないのでは?」
みほ「……!そうか、早すぎるんだ」
エリカ「??」
まほ「装填速度だ。この速度では相当な速さが求められる」
みほ「さらに戦車内の激しい動きの中で最速で装填しなくてはいけない、装填速度が少しでも遅ければタイミングがずれ攻撃を当てることは出来ない……」
そど子「ちょっと、大丈夫なの?」
梓「カチューシャ隊長……」
283: ◆UYlhnKrxEE 2017/10/28(土) 08:00:23.49 ID:LiTiAkHc0
カチューシャ「これからもっと早くなるわよ、カルパッチョ、いけるわね?」
カルパッチョ「はい!」
高速戦闘において装填速度は生命線、コンマ1秒の差が勝敗を分けることもある
戦車の中は常に動いている、最速で装填するには一秒後の戦車の位置を予測しそこに装填しなくてはいけない
砲撃のタイミングに合わせて最短で装填をすることで隙がなくなるのだ
ガコン
カルパッチョ(この日のためにずっと練習してきたんだ……)
カルパッチョ(たかちゃんの居場所は絶対に守ってみせる!)
カルパッチョ「 装 填 速 度 な ら 負 け な い ! 」ドン!
288: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:24:38.38 ID:oNbZWKy70
ドオン ドオン
愛里寿「攻撃速度が……落ちない!?」
ドガァ!
愛里寿「くっ、まさかここまでやるとは……」
愛里寿「なら、スピードでかく乱しろ!」
ギャギャギャ!
愛里寿(先を読めたところでついてこれなければ意味は無い)
愛里寿「大学生を舐めるな!」
289: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:27:33.68 ID:oNbZWKy70
タイトル抜けてた
---------第六話------------
【私の戦車道……】
290: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:28:20.33 ID:oNbZWKy70
ギャギャギャ
麻子「な、何だあの動きは!」
麻子(私たちとの戦いのときは本気じゃなかったのか!?全然動きが違うぞ!)
クラーラ「これがセンチュリオンの本気……」
ぴよたん「あわわわわわ!」
麻子(しかもただ早いだけじゃない、無駄の無い動きに加えてフェイントなども織り交ぜている……)
ツチヤ「あの動きはさすがに並みじゃないね……」
優花里「ツチヤ殿にそこまで言わせますか」
オレンジペコ「あれだけ激しく動いているのに、どことなく気品さえ感じます」
ダージリン「これが大学生の頂点、センチュリオンチームの実力……」
291: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:29:08.69 ID:oNbZWKy70
アリサ「………」
アリサ(フェイントなんかに惑わされないわよ!)
アリサ(わかる、敵がどこにいるのか、どこに行こうとしているのか……)
アリサ(あらかじめ移動先を決めないでおいて、相手の動きを見てカチューシャと瞬間の判断をシンクロさせる)
アリサ「食らいなさい、オプションルート!(行動予測)」
カチューシャ(相手の動きを読むには動物的本能が要求される)
カチューシャ(私の経験値では大学生に及ばない、けど、センチュリオンだけに意識を集中すれば何とかくらいつける)
カチューシャ「みせてやるわ、凡人が天才を倒すところを……」
292: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:29:44.31 ID:oNbZWKy70
ブロロロ
カチューシャ「後ろに付かれている……なら!」
カチューシャ「いくわよ、ナポリターン!」
ギュオ!
愛里寿「む!これは……」
キッ ドオン! スカ
ノンナ「くっ急旋回中の砲撃はさすがに……」
カチューシャ「でも動きを一瞬止めれた、反対に抜けるわよ!」
ブロロロ
愛里寿(向こう側を走っても交差点で姿を見せる)
愛里寿「………今だ、撃て!」
キッ ドオン! ブロロロ
愛里寿(やはり読まれていたか…逃がしてしまった)
293: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:30:11.00 ID:oNbZWKy70
ブロロロ
カチューシャ「何か手はないかしら……」ウーン
アリサ「気をつけて!」
ドオン
カチューシャ「!!…な、向こう側から?」
愛里寿「逃がさない……」
カチューシャ「まったく、やってくれるじゃない」
294: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:30:51.92 ID:oNbZWKy70
愛里寿「いくら撃っても倒れない、まるでボコみたい…」
カチューシャ「全く嫌になるわね、全然倒せる気がしない」
アリサ「右に道があるわ、曲がっ…」
カチューシャ「待ちなさい!」
アリサ「!?」
愛里寿「Ⅳ号の正面右側、あそこで曲がれば逃げられる…」
愛里寿「曲がった瞬間を狙いうて!」
愛里寿「ただし、砲塔の旋回はするな、狙いを読まれる」
愛里寿「え…でもそれじゃあ?」
愛里寿「奴ら以上の曲芸を見せてやれ」
「…了解!」
ブロロロ キキッ
愛里寿「今だっ!!」
ギャギャギャ!
295: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:31:19.28 ID:oNbZWKy70
集団戦ならともかく、これは隊長同士、正真正銘の一騎討ち
ここで逃げるなんて弱気な行動、隊長としてとってはいけない
相手を勢いづかせるだけだし、なにより共に戦った仲間達にそんな無様な姿を見せる訳にはいかない!
296: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:32:12.78 ID:oNbZWKy70
カチューシャ「私たちは逃げるために走ってるんじゃない」
カチューシャ「センチュリオンを倒すために走ってるんだ!」
ギャルン!
愛里寿「なっ、曲がると見せかけて急旋回だと!まずい!」
カチューシャ愛里寿「 撃 て ! 」
ドオン ドオン
バコン!
カチューシャ「うわっ!!」
ボコン!
愛里寿「くっ!」
カチューシャ「前進!」
愛里寿「追うぞ」
ブロロロ
297: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:33:03.93 ID:oNbZWKy70
ケイ「カチューシャは戦車道歴は長いが、試合の経験はまだ半年。つまり、伸び代があるということ」
ケイ「一回の実戦は百回の練習に勝る、全国大会を通し度重なる強敵たちとの戦いがカチューシャを強くした」
ケイ「そして今この瞬間も成長している……」
ケイ「カチューシャ、あなたいったい何処まで強くなる気?」
298: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:34:04.77 ID:oNbZWKy70
愛里寿は若くして最強の座に着いた。そして今現在立ちふさがる壁も無く、気がついたときには何も無い道を目標も持たずただ歩き続けていた
勝負になる相手さえいない、特別だから、勝てっこない、世界が違う……
愛里寿にとって必要だったもの、それは
好 敵 手
カチューシャ、今まであったことの無かった自分を脅かす存在
時代が二人を引き合わせた
愛里寿の中に今までに無い感情が芽生え始めていた……
299: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:34:41.38 ID:oNbZWKy70
愛里寿「………」
愛里寿(カチューシャさんは逃げずに勝負を挑んできた)
愛里寿(センチュリオン相手に一歩も退くことなく)
愛里寿はカチューシャが自分と同じ領域まで登ってきたことを静かに感じ取っていた
愛里寿(こんな気持ちになったのっていつ以来だろう……)
愛里寿(カチューシャさんには私のすべてをぶつけたい……)
愛里寿(こみ上げてくる熱い想い、抑えられない感情……)
愛里寿(そうか…ずっと勝つのが当たり前になっていたから忘れてたんだ、この気持ち……)
愛里寿(私はあの人に……)
300: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:35:11.87 ID:oNbZWKy70
愛里寿( 勝 ち た い ん だ ! )
301: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:35:47.35 ID:oNbZWKy70
ドオン ドオン!
カチューシャ「今よ!」
ズザザザザ!
愛里寿「停止!」
ドオン! キキッ
愛里寿「前進!」
ゴォ!
カチューシャ「くっ、路地に入って!」
-キィィィン
カチューシャ(次の敵の動き…私のとる行動は……)
愛里寿(カチューシャさんの戦術には島田流も入っている。つまり、私にも動きが読めるということ……)
-キィィィン
愛里寿(私ならできるはずだ、読みきれ……カチューシャさんの思考を、戦術を……)
302: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:36:20.37 ID:oNbZWKy70
瞬間、愛里寿はカチューシャの動きの数手先を容易に予測した
303: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:37:22.96 ID:oNbZWKy70
カチューシャ「勝負に出るわ。そこの角を曲がったらドリフトで側面に回りこむわよ!」
ギャギャギャ バッ
カチューシャ「勝負!」
シーン
カチューシャ「え……いない?ど、どこに!?」
アリサ(この状況……やられた、相手はこちらの動きを読んでいた!)
アリサ(地形、戦車の大きさ、スピード、テクニック、戦術……これらの情報を元にセンチュリオンの行動を再計算……)アセッ
ゾ ワ ッ !
瞬間---アリサの脳裏に最悪のイメージが浮かぶ
アリサ(まずい!)
304: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:37:57.97 ID:oNbZWKy70
Ⅳ号とセンチュリオンの性能差
知識だけではすべてを知り得ることはできない、乗ったことの無い戦車ならなおさらだ
センチュリオンのその強靭な車体から繰り出される破壊力はカチューシャ達の予想を超えていた
305: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:38:31.68 ID:oNbZWKy70
ドカァ バキバキ
カチューシャの戦術を読み、裏をかく……
戦車に通れぬ道は無い
センチュリオンは今……
バカァン!
306: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:39:19.50 ID:oNbZWKy70
アリサ「 後 ろ だ ー !! 」
307: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:39:53.25 ID:oNbZWKy70
エリカ「これはいったいどういう?」
まほ「愛里寿は決して手を抜いてはいない、100%の力で戦っていたはずだ」
まほ「だが自分を追い詰めた相手に出会ったことで、もう一段階上に引き上げられたんだ」
みほ「もう一段階上の力?」
まほ「自分だけでは登れない、もう一段上の境地……」
308: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:40:30.28 ID:oNbZWKy70
ガンッ
カチューシャ「うわあっ!」
カチューシャ(建物をぶち抜いてきた!!しまった、後ろを……)
愛里寿「これで…決める!!」
愛里寿(………!!)
309: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:42:10.00 ID:oNbZWKy70
~~~~~~~~
愛里寿「大洗が廃校?なにそれ私そんなの聞いてない!」
「家元から隊長には伝えないように言われていたので…」
愛里寿「そんな…じゃあ私のしたことって…」
ウワアン グスッ
桃「廃校だもうおしまいだ!」
柚子「やめてよ桃ちゃん!」
カチューシャ「みんなゴメン…」
優花里「カチューシャ殿…」
桃「お前のせいだ!!」
ビクッ!
優花里「な!?」
杏「ちょっかーしま…」
桃「お前が敵なんか助けなければこんなことには…」
柚子「いくらなんでも言い過ぎだよっ」
麻子「さすがに言っていいことと悪いことがあるぞ」
華「カチューシャさんは何も間違ったことはしていません!」
優花里「あの時カチューシャ殿のとった行動は正しかったと私は信じています!!」
桃「うるさいうるさい!!」
柚子「桃ちゃん落ち着いて…」
桃「落ち着いてなんかいられるか!もう、大洗は…無くなってしまったんだぞ?」
杏「かーしま!」
ビクッ
桃「会長は…それでいいんですか?…」
杏「………」
柚子「みんな、とりあえず落ち着いてこれからのことを考えよう」
梓「隊長は何も気にする必要はありません」
カチューシャ「でも……」
麻子「あれこそ戦車道精神に則った行為だ、誰も責めはしない」
シクシク
愛里寿(……涙)
愛里寿(何でだろう?勝負に勝ったのに全然嬉しくない…)
愛里寿(それどころか、この胸に突き刺さるような悲しみは何?……)
愛里寿(私は取り返しのつかないことをしてしまったんじゃ…)
愛里寿(私は……私は……)
~~~~~~~~
310: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/02(木) 20:44:02.27 ID:oNbZWKy70
愛里寿「」ハッ!
カチューシャ「!?…前進!」
ブロロロ ドオン!
ミッコ「あっぶなかった!」
カルパッチョ「どうしたんでしょう、撃ってきませんでしたね?」
ノンナ「助かりましたが妙ですね、トラブルでもあったのでしょうか?」
カチューシャ「違う……」
ガチャッ バッ!
カチューシャ「いったいどういうつもり!私たちをなめてるの、いつでも倒せるっていう余裕だとでも言うつもり」
カチューシャ「私たちは必死に戦っているんだぞ、みんな学園艦を取り戻すために必死に戦っているんだぞ!」
カチューシャ「 バ カ に す る な ぁ !! 」
315: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:13:35.57 ID:hwEP7HQT0
愛里寿「………」ツゥ
カチューシャ「!?」
愛里寿「そんなの分かってる!」
愛里寿「手を抜くのがどれだけ相手に失礼かなんて、そんなの分かってる!」
愛里寿「全力で戦うことこそが戦車道の礼儀、そんなことくらい分かってる!」
愛里寿「でも私が勝ったら大洗がなくなっちゃうじゃない!」
カチューシャ「!」
愛里寿「そんなのいやだ!私は…カチューシャさんと…大洗とまた戦いたい……そう思ってる」ポロポロ
愛里寿「私の力はあなたを苦しめることしかできない、奪うことしかできない……私は…カチューシャさんと仲良くなりたいだけなのに」
愛里寿「」グスグス
カチューシャ「……………」
316: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:14:08.18 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ(そうか……そうだったのか、今わかった)
317: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 08:14:46.01 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「戦車道の行く末がただの戦争であってはならない!」
愛里寿「?」
カチューシャ「飛び交う砲弾がお互いを称えあうことがあっても、悲しみを呼ぶものであってはならない!」
カチューシャ「私も相手も新たな場所に導かなくてはならない!」
カチューシャ「それこそが……」
318: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:15:16.00 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「 私 の 戦 車 道 だ ! 」ドン!
319: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:16:32.61 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「無くならないわよ……」
愛里寿「え?」
カチューシャ「同志たちとの絆はそんなにやわじゃないわ。たとえどんなことがあっても絶対に無くなることはない」
カチューシャ「たとえ大洗がなくなっても消えることは無い…」
カチューシャ「戦車道をやってたおかげでいろんなものに出会えた、戦車に仲間に、たくさんのライバル達……」
カチューシャ「もちろんあなたも……」
カチューシャ「今こうして最高のライバルと戦えることがとてもうれしい」
カチューシャ「あなたもいつまでも泣いてるんじゃないわよ!」
カチューシャ「さあ、最高の勝負をしましょう」
愛里寿「カチューシャさん……」
320: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:17:21.43 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「それと、私たちが勝てないなんて勝手に決めないでほしいわね?」
カチューシャ「私を誰だと思ってるの?」
321: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:18:07.66 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「 カ チュ ー シャ に で き な い こ と な ん て 無 い ん だ か ら ! 」ドン!
カチューシャ「さあ愛里寿、あなたの全力を見せてみなさい!」
322: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:19:02.96 ID:hwEP7HQT0
現実は理不尽だ、たとえどれだけ好きだろうと、努力してようと報われないことがある
志半ばに夢を諦め、去っていく……
でも彼女はそんな現実をねじ伏せてきた
どれだけ打ちのめされても挫けずに何度も立ち上がってきた、必死に抗ってきた
理不尽は彼女の闘志を奪うことはできなかった、彼女を追い詰めることはできても「勝つ」ことはできなかったんだ
カチューシャは身をもってそれを証明した
……不思議だ、ハッタリではなく彼女なら本当にこのセンチュリオンを倒してしまいそうだ
323: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:19:49.21 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ愛里寿「撃て!」
ドオン ドオン
みほ「いけない……」
エリカ「互角に持ち込んでるじゃない、何がいけないの?」
みほ「砲撃と回数……」
まほ「しまった、そうか!」
梓「え、ど、どうしたんですか?」
エリカ「…!残りの弾数ね!」ハッ
みほ「そうです、今までの砲撃の回数から行いって恐らく先にⅣ号のほうが砲弾が先に尽きます」
そど子「そんな!何とかならないの?」
まほ「砲弾が尽きる前に勝負をつけるしかあるまい」
梓(カチューシャ隊長……)
324: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:20:44.97 ID:hwEP7HQT0
カルパッチョ「大変です、砲弾の残りがわずかです!」
アリサ「くっここまできて……」
カチューシャ「かまわず撃つわよ、ここで砲撃の手を緩めれば相手に勢いづかれる。そうなったら勝機は無い」
カチューシャ「一気に決着をつけてやる!!」
325: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/05(日) 08:21:23.02 ID:hwEP7HQT0
キィィン
カチューシャ「 吶 喊 ! 」
ブロロロ ガシィン!
愛里寿「突撃!?」
カチューシャ「攻めて攻めて攻め続ける、攻撃の手を緩めるな!」
カチューシャ(一発でいい、当てることが出来れば……)
愛里寿「迎え撃て、全ての攻撃を防ぎきるぞ!」
愛里寿(どれだけ攻めようといずれ砲弾は尽きる、そうすれば……)
カチューシャ愛里寿「最後は勝つ!」
326: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:22:24.85 ID:hwEP7HQT0
ギャギャギャ ガキンガキン ドオン ドオン ズザザ
カチューシャ「前、右、右、左、後ろ、ドリフト、撃て!左、前!」
愛里寿「右、左、後ろ、ドリフト、後ろ、右、前、撃て!」
327: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:22:59.82 ID:hwEP7HQT0
ホシノ「なんて動きだ、まるで曲芸じゃないか」
ナカジマ「上には上がいるんだな……」
スズキ「カッコい~」ポー
328: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:23:30.16 ID:hwEP7HQT0
ミッコ(私がたった一つみんなに自慢できるもの……戦車道だ)
ミッコ(他のことでどれだけバカにされたって構わない)
ミッコ(けど…これだけは譲れない)
ミッコ(戦車に私の腕があわされば、どんな道でも通って見せる)
ミッコ(たとえそれが空だろうと……)
ミッコ「 継 続 の ミ ッ コ を な め る な よ ー !! 」ドン!
329: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:24:16.03 ID:hwEP7HQT0
あや「何あれ……戦車の砲塔で鍔迫り合いしてるんだけど?」
あゆみ「レベルが高すぎてついてけない……優季分かる?」ヒエー
優季「わかんな~い」
絹代「あれは……突撃!だが……」
福田「ああああああああ……一瞬でも反応が遅れたらひとたまりも無いであります」ガタガタ
玉田「そこだー、やれー!潔く散るんだー!」
細見「散ったらだめだろう!」
典子「近距離スパイク、ブロック、レシーブ、そこだー!」
あけび「負けるなー、根性で押せー!」
330: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:25:09.26 ID:hwEP7HQT0
ドオン ドオン ギャギャギャ!
カチューシャ「砲弾が尽きる…その前に!」
カチューシャ「右、右、後ろ、右、前、後ろー!」
愛里寿「撃て、前、前、左、後ろ、右、左ー!」
カチューシャ愛里寿「 中 央 ! 」ガッシィィン!
331: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/05(日) 08:26:15.59 ID:hwEP7HQT0
カチューシャ「今だっ!」
ギュリン! ザシャァァ
愛里寿「これは!!」
麻子「ぶつかったところを支点に回転した!」
優花里「そのまま背後を取りました!」
華「今がチャンスです!」
まほ「とった!」
クラーラ「全てはこのための布石……見事です」
ダージリン「成功は大胆不敵の子供……勝負に出たわね」
ガコン
カルパッチョ「装填完了!」
キキッ
ミッコ「背後、とったぁぁ!」
アリサ「タイミングは完璧よ!」
ノンナ「これで決めます……」
カチューシャ「みんな……ありがとう」
愛里寿「……ここまでか」
カチューシャ「これで……決める!」
336: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:34:30.43 ID:8ouZbh0Q0
愛里寿「 こ こ ま で か ……… そ れ は す で に 私 の 通 過 し た 道 だ 」
337: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:35:15.62 ID:8ouZbh0Q0
ギュルン!
ミッコ「いいっ!」
カチューシャ「ま、まずいっ!」
愛里寿「これで終わりだ!」
アリサ「ちょっと、ウソでしょう、何とかしなさいよ!?」
ミッコ「間に合えっ!」
ガシャァァン ギュルルル
カチューシャ「くっ、ギリギリで回避できたみたいね……」
カルパッチョ「カチューシャさん……」
カルパッチョ「砲弾の残りが……」
338: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:36:17.00 ID:8ouZbh0Q0
カルパッチョ「 三 発 で す 」
339: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:38:40.41 ID:8ouZbh0Q0
ルクリリ「うわっ、シュルツェンだけですんだか!?」
アッサム「けど……もう……」
オレンジペコ「ここまで……ですか」
桂利奈「そんなぁ……」
華「まだです!」
ダージリン「!?」
麻子「まだ砲弾は残ってる……諦めるにはまだ早い」
優花里「勝負は最後の最後までわかりません!」
340: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:39:22.02 ID:8ouZbh0Q0
カチューシャ「………」ギリッ
カチューシャ(また……届かないの?)
ミッコ「……島田愛里寿はたしかに最強かもしれない、けどさ……」
ミッコ「根拠なんかないけどさ」
カルパッチョ「それでも私たちは信じてます」
アリサ「Ⅳ号対センチュリオンの頂上対決」
ノンナ「最後に勝つのはあなただと……」
カチューシャ「みんな……」
341: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:40:40.19 ID:8ouZbh0Q0
カチューシャ(こんな私を信じてみんなここまで来てくれたんだ……)
カチューシャ(弱気になってどうする!しっかりしろカチューシャ!)パン!
カチューシャ(……………よしっ)
カチューシャ「ここを離れるわ、全速離脱!」
ブロロロ
愛里寿「逃がすな、追え」
愛里寿(まだ諦めてないというのか。だが、もう勝負は見えている)
342: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:41:30.16 ID:8ouZbh0Q0
ブロロロ
カチューシャ(半端な戦術は愛里寿に読まれてしまう、必要なのはそう……)
意 外 性
カチューシャ(愛里寿の予測の斜上をいく戦術でなくてはならない、出来るか?)
カチューシャ(いや、見つけるんだ。勝って、みんなで大洗に帰るために!)
カチューシャ「右にフェイントを入れてから左に曲がって!」
ミッコ「よっしゃ!」
クイッ ガガガ
愛里寿「うわぁ!」
343: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:42:14.93 ID:8ouZbh0Q0
-神社
アリサ「ここは……神社ね、せっかくだしお参りでもしていく?」
カチューシャ(正直言って神頼みにもすがりたい気分なんだけどね……)スッ
カチューシャ(これで逆転の策でも思いつければいいんだけど……)
ドーン ドーン
カチューシャ(今の音って、確か……)
ピキーン!
344: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:43:00.97 ID:8ouZbh0Q0
ドオン ドオン
絹代「撃てー!力の限り撃ち続けろー。今戦っているカチューシャ殿を勇気付けるんだー!」
玉田「おー!」
福田「了解であります!」
345: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:43:50.51 ID:8ouZbh0Q0
アリサ「い…今のって本気なの?」
カチューシャ「けど、これならぜったいに裏をかけるはず」
カチューシャ「どの道他にてはない。なら、みんななら出来ると勝手に決め付けて勝負に出るわ!」
ミッコ「こいつは責任重大だ、しくじるわけにはいかないね」
ノンナ「私たちならできる、カチューシャがそういうのなら出来るはずです」
アリサ「はぁ~わかったわよ、私だって勝ちたいことに変わりは無いわ。やってやろうじゃない」
346: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:51:52.94 ID:8ouZbh0Q0
>>336の前にタイトル抜けてました
--------最終話---------
【それからとこれからよ】
347: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:52:50.19 ID:8ouZbh0Q0
アリサ「まずはここを降りるわよ」
ミッコ「へ、ここって階段なんだけど……」
アリサ「あんたなら出来るでしょ」
ミッコ「……ちょっと荒っぽくいくから気をつけてよっ!」
ガタガタガタ
ミッコ「う~、サイドアンダーミラーほしい……」
カチューシャ「センチュリオンとの距離をあけるわよ、急いで!」
愛里寿「ここを降りたのか……私たちもいくぞ」
「ここを降りるんですか?」
愛里寿「高校生に出来ることだぞ?」
「え~い、ままよ!」
ガタガタガタ
「あ~、サイドアンダーミラーほしい……」
348: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:54:15.62 ID:8ouZbh0Q0
ブロロロロ
「見つけたぞっ!」
ドオン バコオン!
ミッコ「くそっ、後ろにつかれた!」アセアセ
アリサ「何とかして振り切らないと……」アセアセ
カチューシャ(みんなあせりがでてる、無理も無いか。でもこの感じ、どこか懐かしい……)
カチューシャ(……そうか、たしか初めての模擬戦のときもこうだった)
カチューシャ(みんなあわてて大変だったっけ……)
カチューシャ(あの時は最初に出した指示は……)
カチューシャ( こ れ だ っ た )
349: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:56:25.73 ID:8ouZbh0Q0
350: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:57:27.17 ID:8ouZbh0Q0
カチューシャ「移動するときはジグザグ移動、的を絞らせないようにして!」
351: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:58:20.94 ID:8ouZbh0Q0
カチューシャ「落ち着きなさい、行進間射撃は当たらないわ!」
ミッコ「!?…そうだった」
アリサ「こんなことにも気づかないなんて相当動揺してたみたいね……」
カチューシャ「みんなしっかりして、状況的には追われているけど実際に追い詰めてるのはこっちよ!」
カチューシャ「いい?奇跡なんて待っててもおこりはしない、自分たちの手で無理やり起こすものなのよ!」
カチューシャ「アリサ、あんたの計算に間違いは無いんでしょ?」
アリサ「あ、当たり前じゃない!」
カチューシャ「だったら自信を持ちなさい!」
カチューシャ「進路はこのまま、一気に突っ走って!」
ミッコ「了解!」
ブロロロロ
352: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:58:56.27 ID:8ouZbh0Q0
ドオン ドオン ドオン
バコーン ドカン ガシャァン!
ミッコ「なっ、んっ、のぉぉぉ~!」
カチューシャ「しっかりしなさい、アンツィオはこの程度じゃとまらなかったわ!」
典子「行けー!」
妙子「大丈夫!あんな砲撃、強豪校の殺人スパイクに比べたら全然よね!」
忍「あそこが隊長達にとっての東京体育館、あるいは代々木第一体育館!」
あけび「いけー、いけいけー!」
353: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 22:59:35.79 ID:8ouZbh0Q0
Ⅳ号の乗組員にはある共通点がある
それは
全 員 凡 人 で あ る こ と
努力だけでは決して越えることのできない才能の壁、自分たちは一生一流には届かないのかもしれない
だがそれでも、折れることなく足掻き続けた
ここで終わるわけにはいかない、絶対に勝ってやる。その思いがあるからこそ、相手が天才だろうと何だろうと、全力でぶつかっていく
そう…
誰よりも……
彼 女 た ち は 往 生 際 が 悪 い の だ
このチームに天才はいない、けれども……
カチューシャ 「見せてやろうじゃない、凡人が天才を倒すところを!」
カチューシャ「いくわよ、みんなぁ!」
「おおぉーーー!!」
354: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:00:38.43 ID:8ouZbh0Q0
ドオン ドオン
アリサ「目標ポイントまであと5分!うわあっ!」
ミッコ「むぐぐぐ……これはきついねえ」
カチューシャ「な、何としても持たせなさい!うわっ!」
ブロロロロ
愛里寿「……あそこだ」スッ
ドオン ガラッ
カチューシャ「えっ、ちょっ、まさか!」
ズドオン!
ミッコ「げぇっ、目の前に落とした!」
カチューシャ「このままじゃぶつかる!」
アリサ「ひいぃぃぃ~!」
355: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:01:17.10 ID:8ouZbh0Q0
ミッコ「 な め る な ぁ ー ! 」
356: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:06:30.87 ID:8ouZbh0Q0
ガシン ズワァッ! ガリガリガリ
愛里寿「車体を傾けただと!」
ツチヤ「うそっ、あれってまさか方輪走行!?」
優花里「戦車で出来るものなのですか?」
ツチヤ「まさか…車ならともかく……」
ねこにゃー「神プレイだにゃー」
ズシィン!
アリサ「あ、危なかった……」
ミッコ「特殊カーボンのおかげで多少は無理がきくけど、これ以上は履帯がもたないっ」
カルパッチョ「ということは……」
ミッコ「次こられたらアウトだ……」
357: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:07:22.10 ID:8ouZbh0Q0
ブロロロ
アリサ「次の角を左折、そうすれば目標地点よ!」
ミッコ「よっしゃ、もうひとふんばり!」
カチューシャ(しっかりしろ、ダージリンならどんな時でも動じない……)
カチューシャ(愛里寿なら、愛里寿ならどうする?)
カチューシャ(……………)キィィン
358: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:07:58.31 ID:8ouZbh0Q0
愛里寿(あんな無茶な動き何度も出来るはずがない、次で決める!)
愛里寿「あそこだ!」スッ
ドオン ガラッ
アリサ「ああっ…あと少しのところで!」
ミッコ「またか…くそっ、だめか……」
359: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:09:16.75 ID:8ouZbh0Q0
みほ「ああっ」
エリカ「何とかしなさいよカチューシャ!」
梓「もう一度さっきのをやれば……!」
まほ「無理だ、あのような芸当何度も出来る物ではない。何より履帯がもたない」
まほ「仮に成功しても走れなくなる」
そど子「そんな……みんな頑張ったのに、これだけやっても私たちは勝てないの?」
360: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:10:11.75 ID:8ouZbh0Q0
ルクリリ「くっ、何とかならないのか?」
アッサム「無理ね……0%では奇跡も起こりようが無い」
ルクリリ「そんな……」
アッサム「運命は変えられないの……」
アッサム(そう……これが…現実)
361: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/08(水) 23:10:58.68 ID:8ouZbh0Q0
さまざまな出会いががあなたを強くした
何度壁にぶつかっても諦めず積み重ね乗り越えてきた
転んでも起き上がる勇気…
胸をはれる生き方、誰にも止められない熱い想い……
未来に不安を感じても笑顔を忘れない
今のあなたにしか出来ないこと……そう
ダージリン「 運 命 な ん て 体 当 た り し て き っ と 変 え ら れ る ! 」ドン!
364: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:19:59.49 ID:yIl9iwsE0
カチューシャ「ノンナァっ、そこだぁ!」
365: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:20:32.76 ID:yIl9iwsE0
ドオン バコォン! バラバラ
アッサム「まさか、これは?」
愛里寿「狙撃っ!?」
愛里寿(私の狙いを読みきられた!)
アリサ「今よっ!」
ミッコ「うりゃぁぁ!」
ギャギャギャ
愛里寿「くっ、逃がしたか……」
366: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:21:10.24 ID:yIl9iwsE0
ブロロロ
愛里寿「………いた!」
Ⅳ号戦車
カチューシャ「………」
ブロロ
カチューシャ(みんな、頼むわよ……)
ブロロロ
まほ「むう、これは……」
絹代「おお、突撃!」
愛里寿「やけになったか?」
カチューシャ「撃てっ!」
ドオン バコォン! モウモウ
愛里寿「っ、これは足元!?まずい、視界が!」
367: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:21:36.95 ID:yIl9iwsE0
愛里寿「 と で も 言 う と 思 っ た か 」
368: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:22:08.02 ID:yIl9iwsE0
愛里寿(エンジン音さえ聞こえれば……視える!)
愛里寿(撃破可能な距離で確実にしとめる……)
愛里寿「3…2…1…今だ、撃て!」
ドオン ブワッ バコォン
ブワアッ!
愛里寿「!?」
369: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:23:05.61 ID:yIl9iwsE0
勝負が決まるはずだった……この一撃でⅣ号戦車は走行不能になるはずであった
この砲撃をよける術はないはずだった……
なのに……
愛里寿「消え……た……?」
そこにⅣ号戦車の姿はなかった
370: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:23:41.38 ID:yIl9iwsE0
優花里(これがカチューシャ殿の強さ……勝負所の執念……土壇場での立ち回り方を誰よりも知っている……)
ダージリン(まったく、いやになるわね……)
371: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:24:29.41 ID:yIl9iwsE0
愛里寿「 上 っ !? 」
カチューシャ「センチュリオンの攻略ポイントは側面、背面、底面、そして……」
372: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/10(金) 08:25:21.97 ID:yIl9iwsE0
カチューシャ「 真 上 が が ら 空 き よ ! 」ドン!
376: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:09:06.07 ID:20SLIOPI0
-ノーマルバージョン
知っている、ここは天才という言葉では説明のつかない化け物が巣食う世界、どれだけ努力しようと、どんなに情熱があろうと、どれだけ負けられない理由があろうと、どれだけ重いものを背負っていようと、より強い才能がそれを凌駕する……
残 酷 な …… 現 実
けどそんな現実、カチューシャならきっとを吹き飛ばしてくれる。私はそう信じている……
私は知っている。カチューシャがどれだけ頑張ってきたかを、どれだけの涙を流してきたのかを、幾多の挫折を乗り越えてここまで来たのかを……
あなたの大きな背中を……
私は見たい、あなたが残酷を乗り越えるところを
お願い…カチューシャ……
残酷を……
ダージリン「 超 え ろ !! 」
377: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:10:03.62 ID:20SLIOPI0
戦車道と出会ったことで私はたくさんの強敵、尊敬する人たちと出会えた
アリサ「………」
戦いを通じた一つ一つの出会いは今でも私の中で生きている
カルパッチョ「………」
嬉しかったこと、悲しかったこと、楽しかったこと、苦しかったこと
ミッコ「………」
すべての出会いに感謝と万感を込めこの一撃を放とう……
ノンナ「………」
378: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:10:40.43 ID:20SLIOPI0
カチューシャアリサノンナカルパッチョミッコ「 До свидания 」ドン!
379: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:11:35.60 ID:20SLIOPI0
-ノンナさん基地外バージョン
小さいから……誰よりも悩んだし……苦労した
でも……おかげで、誰よりも戦車道のことを考えた
この体のおかげで……たくさんの仲間に出会えた
…… あ り が と う
カチューシャ「う……」
380: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:12:21.21 ID:20SLIOPI0
ガクン!
カチューシャ「えっ、何?」
ミッコ「高度が、何で、スピードが足りなかった?…そうか、さっき無茶やったせいで履帯が……」
カチューシャ(そんな、速度が足りなかった!?)
アリサ「だめだ、届かない!」
ヒュウゥ
愛里寿「そこだ!」
グググ
カルパッチョ「ああっ、センチュリオンの砲塔が!」
381: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:13:06.20 ID:20SLIOPI0
福田「西隊長、このままでは!」
玉田「ぬうう……」
絹代「だめなのか……」
桃「わ~んもうおしまいだ~」ピエーン
柚子「桃ちゃん……」
アキ「ミッコ……」ヨシヨシ
杏「ははっ……いけるかなって思ったんだけど…ね」
ツチヤ「空中では身動き取れないし、勝負あったか……」
優花里「何とかならないのですか?」
ナオミ「無理だ、着地を狙い撃たれる。ここまでか……」
ねこにゃー「ゲームオーバーにゃ……」
優花里「カチューシャ殿……」グスッ
382: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:13:57.88 ID:20SLIOPI0
誰もが勝利を諦める中、ただ一人運命に抗っている者がいた
あなたはウラル山脈より高い理想と バイカル湖より深い思慮を秘めている
そんなあなたの名を全国に轟かせたいと思った、偉大さを証明したかった
高校トップクラスの腕前といわれておきながら、ここで何も出来ずに終わるようでは
生 き て る 甲 斐 が 無 い ん だ よ !
383: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:14:24.62 ID:20SLIOPI0
カチューシャ、あなたは私の全てです。あなたがいたから私はここまでこれた
あなたの偉大さを証明することこそ私の使命、これが出来なければ私は前へ進めない
だから……
384: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:14:51.71 ID:20SLIOPI0
ノンナ「 狙 い 撃 ち ま す ! 」ドン!
385: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:16:14.23 ID:20SLIOPI0
ノンナ(あなたのためならば、たとえそれが針の先ほどの的であろうと撃ちぬきましょう)
ドオン!
ノンナの放った一撃は一ミリの狂いも無くセンチュリオンの砲口に吸い込まれていった
ガゴォン!
愛里寿「なっ!?」
「ちょっ、な、何が起こったの?」
プシュー モクモク
愛里寿「け、煙が……」
プシュー プシュー モクモク
「まさかこれって……砲口に弾丸を叩き込まれた!?」
「うそでしょ?」
ナオミ「馬鹿な!?狙って出来ることじゃあない!」
ノンナ(狙ってなんかいない、こうでもしなければ負けていた。本当に…ギリギリだった)
愛里寿「そんなまさか…この私が……」
プシュー プシュー モクモクモクモクモク
愛里寿「 あ あ あ ぁ ぁ ぁ !! 」
ボフン! シュポ
386: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:18:03.49 ID:20SLIOPI0
-両ルートともここにたどり着きます
カチューシャ「うわあああ!」
ガシャァン
ミッコ「着地失敗ー!」
ゴロッ ズザザ
アリサ「うわっ…って、横転しちゃってる……ってことは!?」ハッ!
シュポ
387: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/11(土) 11:19:07.27 ID:20SLIOPI0
「Ⅳ号、センチュリオン、ともに走行不能!」
ケイ「ええっ、どうなるの?」
あゆみ「これって引き分け?」
あや「引き分けの場合はどうなるの?」
優季「わかんな~い」
「ただ今より、目視確認に入ります」
ホシノ「カッちゃんたちは最後まで駆け抜けたよ……」
ナカジマ「そうだね……」
スズキ「みんな、よくやったよ……」
「大学選抜、残存車両無し」
カエサル「ひなちゃん、立派な最後だった……」
佐衛門佐「刀折れ矢尽きたか……」
おりょう「ここまでか……ん?」
「高校選抜、残存車両な……?」
ゴトゴト
389: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:51:21.18 ID:iCvDhaHD0
???「う~死ぬかと思った、みんな平気か~」
390: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:52:23.36 ID:iCvDhaHD0
ゴモヨ「あれって……」
???「だいじょ~ぶ、いつまでも気絶なんてしてられないからね!」
パゾ美「まさか!」
???「さーて、試合再開ッス!」
みほ「夢じゃ……無いんだよね?」
アンチョビ「私たちはまだまだやれるぞー、アンツィオは弱くない、じゃなかった強いのだー!」
391: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:53:05.86 ID:iCvDhaHD0
ブロロロ
ペパロニ「さ~どっからでもかかって来い!」
沙織「乙女の底力見せてやるんだからー!」
アンチョビ「きっと奴らは言っている、ノリと勢いだけはある。調子に乗ると手強い!」
392: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:53:44.97 ID:iCvDhaHD0
アンチョビ「 今 の 私 た ち は 最 高 潮 だ ー !! 」
393: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:54:21.12 ID:iCvDhaHD0
黒森OG2「馬鹿な、どうして!?倒したはずじゃあ……」ハッ!?
(黒森OG2「戦場では何が起こるかわからない、最後まで油断してはいけない」)
黒森OG2(そういえば白旗判定の確認は……ははっ、どっちが未熟なんだか)
ペパロニ「CV33をなめるなよー!」
394: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 07:58:22.04 ID:iCvDhaHD0
「こ、高校選抜、残存車両一!よって、高校選抜の勝利!」
アンチョビ「さー何処からでもかかって来い、って……え?」
沙織「あれっ、今なんて?」
ペパロニ「んん?」
ワアアアアァァァァ!!
396: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:17:24.52 ID:iCvDhaHD0
愛里寿「………」
愛里寿(感じる…私の中から闘志が消えていくのを……)
愛里寿(勝負の終わりを感じてしまったんだ)
397: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:24:39.24 ID:iCvDhaHD0
カチューシャ「………」ジッ
愛里寿(砲弾は尽き、履帯もはずれもはや満足に戦うこともままならない)
愛里寿(それでもあの瞳から闘志を感じる)
愛里寿(前へ進もうとする強い意志を感じる)
愛里寿(限界を超えて戦いぬいた今…)
愛里寿(まだあなたの心が折れてないのなら……)
398: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:25:09.98 ID:iCvDhaHD0
愛里寿「 カ チ ュ ー シャ さ ん 、 あ な た の 勝 ち だ 」ドン!
399: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:25:41.76 ID:iCvDhaHD0
愛里寿(きっと白旗が出てなかったらカチューシャさんは戦い続けるんだろう)
愛里寿(満足に戦えないその戦車で前に進み続けるんだろう)
愛里寿(私にはそこまで出来ない、私の負けだ……)
400: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:27:05.98 ID:iCvDhaHD0
アッサム「………」カタカタ
アッサム(やっぱり勝率は0%だ……)
アッサム「あはははは!!」
ルクリリ「!?」ビクッ!
アッサム「大学選抜に勝利する、今までの戦車乗りが恐らく誰も出来なかったであろう事を……カチューシャ、あなたはそれをやてのけたのよ!」
ルクリリ「ア、アッサム?」
アッサム「あはははは……」ポロポロ
ルクリリ「………」
401: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:27:53.68 ID:iCvDhaHD0
沙織「カッちゃーん!」ガバ
カチューシャ「ちょっ苦しい……」グエ
麻子「信じてなかったわけではないが、まさか勝つとはな」
優花里「カチューシャ殿ー!」ワァァン
華「カチューシャさん、お疲れ様です」
402: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/13(月) 23:29:55.30 ID:iCvDhaHD0
スタスタ
ノンナ「………」
沙織「ノンナさん?」
ノンナ「あれだけ不利であったにもかかわらず……やはりあなたは偉大です」
スッ ヒョイ
カチューシャ「ち、ちょっと!?」
ノンナ「ずっとあなたをこうしたかった」カタグルマ
沙織「うわー、たかーい」
優花里「なんかこうしてみるとお似合いの二人ですね」
ノンナ「勝者であるあなたは高い場所が相応しい」
カチューシャ「さ、さすがはノンナね、わかってるじゃない?」キャッキャッ
桃「きー、あれは私の役目だぞ!」グヌヌ
アキ「まあまあ」ヨシヨシ
柚子(桃ちゃんをなだめるのは私の役目なのに……)ショボーン
403: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2017/11/14(火) 00:12:12.04 ID:EqTssLIQ0
アズミ「すいません隊長」
メグミ「私たちの力が及ばなかったばかりに…」
愛里寿「気にするな、全ては隊長である私の責任だ」
ルミ「そんなこと……」
404: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/14(火) 00:12:55.48 ID:EqTssLIQ0
能力だけでは勝てない、それを思い知らされた…
戦いにかける願い、想い、絆、信頼…
さまざまなものが力となり予想を超えた結果をもたらす
これが戦車道か…奥が深いな……
少し、戦車道の楽しさがわかった気がする
405: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/14(火) 00:13:24.00 ID:EqTssLIQ0
私はまだまだ知らないことがある
私はまだまだ学ばなければならないことがある
そのために私がすべきことは……
愛里寿「決めた、私は高校に行く」
406: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/14(火) 00:14:02.45 ID:EqTssLIQ0
カチューシャ「………」
ずっと夢見ていた
仲間たちと一緒に戦車で走ることを、草原を駆け抜けることを
隊員たちと一緒に笑いあいながら、時が経つのも忘れて夢中になって走るの
気がつくと真っ暗になっててみんなで叱られて、そんな何気ない戦車乗りの一日……
ずっと憧れていたんだ、一年のころからずっとだ……
戦車は一人では動かせない、だからみんなで力を合わせるんだ
一人で出来ないことでもみんなと一緒なら出来る
408: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 00:52:58.32 ID:spOEeAEc0
<<405 チョット追加します
私はまだまだ知らないことがある
私はまだまだ学ばなければならないことがある
そのために私がすべきことは……
愛里寿「決めた、私は高校に行く」
高校戦車道には私の知らない何かがある……
409: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 00:54:50.81 ID:spOEeAEc0
-一年後
「これより決勝戦を開始します!」
「今回決勝戦までコマを進めたのは、何と両校共に今回が初です!」
ワーワー!
「西住みほ率いる知波単学園」
絹代「今度こそ知波単の名を世に轟かせるぞ!」
玉田「生まれ変わった我々の力、受けてみろ!」
みほ「行きましょうみなさん、この戦いに勝って私たちの戦車道を証明しましょう!」
オー!
知波単の中に自分の戦車道を見つけたみほは黒森峰を去り、知波単学園に転校していた
みほ(去年の大学選抜との戦いで共に戦い感じたこと、私に足りないなものをこの人たちは持っている…ここで私は強くなる)
みほ「勝利に必要なのは強い戦車だけではありません、戦術と腕、そして…前に進む勇気です!」
410: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 00:58:59.88 ID:spOEeAEc0
みほ「私はみなさんから戦車道における心構えを教わりました。仲間どうしの強い絆、そしてどんな敵にも立ち向かう勇気!」
「おおーーー!!」
みほ(さまざまな戦術を駆使することで突撃の威力を何倍にも引き上げる、そのことを理解してもらうのに……)
みほ( 半 年 か か っ た )ズーン
みほ(けれども、おかげで過去最高のチームに仕上がった)
みほ「さあ、行きましょう。優勝まであと一歩です!」
オー!!
411: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 01:00:14.12 ID:spOEeAEc0
まほ「みほは変わったな…」
まほ「知波単に転校し自ら隊長となることで以前より積極的になった」
エリカ「はい、黒森峰にいた時はどちらかというと周りに遠慮し、もっと消極的でした」
エリカ「初めは何馬鹿なことをやってるのかと思いました」
エリカ「黒森峰から逃げるようなやつが強くなんてなれるわけないと」
エリカ「そんな甘えたやつに負けるはずがないと」
エリカ「けど、違った。みほは逃げたんじゃない、強くなるために自分の意思で黒森峰を去った……」
エリカ(黒森峰の信頼は力によって結ばれたもの、連携も完璧で全員がエリートの最強のチーム)
エリカ(けど、知波単は違う。戦車だって弱いし、せいぜい数が多いだけ……)
エリカ(共に過ごした時間か?それなら私たちだって大差無い)
エリカ(全員雑草魂の持ち主だから?私には分からない……)
エリカ(けど、現にみほはここで成長し黒森峰を破り決勝の舞台にいる)
エリカ「みほの戦車道は正しかった、間違っていたのは私の方だった」
まほ「それは違うぞ、あれはみほがたどり着いた答えの一つだ。決して私たちが間違っているわけでは無い」
まほ「エリカは黒森峰で自分の戦車道を見つければいい」
412: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 01:22:41.35 ID:spOEeAEc0
福田「私たちが決勝戦に進出するとは、福田、息が詰まりそうであります!」
絹代「総員今までやってきたことを思い出せ、今日私たちは悲願の初優勝を成し遂げるんだ!」
絹代「 西 住 隊 長 に 続 け ー ! 」
オオー!
413: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:50:08.19 ID:spOEeAEc0
「対するは、島田愛里寿率いるアンツィオ高校!」
ペパロニ「姉さんここまできたら後は優勝するだけッス!」
愛里寿「あえて弱い戦車で勝利することで島田流の実力を証明する」
愛里寿「 島 田 流 は 戦 車 を 選 ば な い 」ドン!
カルパッチョ「でも、CV33が主力なのにここまで来られるとは思いませんでした……」
ペパロニ「機銃でポルシェティーガーを倒すとか、さすが愛里寿姉さんッス!」
愛里寿「だから言っただろう、そこは戦略と腕だと……あと、私の方が年下……」
愛里寿「待っていてくれカチューシャさん。全国大会に優勝したら、次はあなただ!」
414: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:51:45.78 ID:spOEeAEc0
「それでは、決勝戦を開始します!」
-そして月日は流れる……
「すごいっ、たったあれだけの戦力で優勝しちゃった……」
「私も高校生になったら絶対に大洗に入って戦車道をやるんだ!」
「目標はもちろん全国制覇、私の名を全国に轟かせてやる!」
415: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:52:20.94 ID:spOEeAEc0
あゆみ「ねえ見た、あの子?」
梓「うん、すごい!さすが中学戦車道優勝者だけのことはあるね……」
カエサル「これは期待の大型新人出現か?」
あや「これで大洗も安泰だね?」
416: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:52:58.12 ID:spOEeAEc0
「私が……隊長!?」
「い、いえっ、全力で頑張ります!」
「私が隊長になったからには全国大会優勝よ!」
(怖いくらいに順調……大丈夫、私ならできる!)
417: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:53:38.39 ID:spOEeAEc0
・
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・
・
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・
沙織「練習試合とはいえ完敗だったね……」
「………」
優花里「そう気を落とさないでください……」
「………」
妙子「ドンマイ!初めての試合だったんだしこれからこれから!」
418: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:54:14.62 ID:spOEeAEc0
麻子「さすがに相手が悪すぎたな……」
ゴモヨ「そっとしてあげよう?」
ツチヤ「これが原因で戦車道やめたりしなけりゃいいんだけど……」
ねこにゃー「ゲームでも圧倒的実力差を見せ付けられると、戦意喪失してやめちゃう人とかいるけど……」
典子「だ、大丈夫だよ……多分。根性があればこの程度で挫けたりしない!」
419: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:55:21.24 ID:spOEeAEc0
勝負は勝つことがすべて、勝つから楽しいんだ!
試合をしている時いつもそう感じていた
それが私の本性だと、戦車道の本性だと思っていた!
あ の 人 に 会 う ま で は !!
コテンパに叩きのめされた……けど…
負けたのに不思議と悔しさはわかなかった……
あの人は私の全てを吹き飛ばしたんだ
それが何だったのか私は知りたい……
もう一度あの人に会いたい
あって取り戻さなきゃならないものがある
420: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:55:55.48 ID:spOEeAEc0
「それでは、第二回高校選抜対大学選抜を開始します!」
421: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:57:50.48 ID:spOEeAEc0
ヒュウゥゥゥゥ
三突 ヒラヒラ
パーシング ヒラヒラ
M3リー ヒラヒラ
パーシング2 ヒラヒラ
「私の中に残ったたった一つのもの……」
チャーチル ヒラヒラ
「あなたも持っているの?」
パーシング3 ヒラヒラ
「言葉では表せない何か……」
ティーガー ヒラヒラ
「砲弾を交えることでしか示せない何か……」
九七式中戦車(旧砲塔) ヒラヒラ
「あなたも持っているの?」
CV33 ヒラヒラ
雄雄しく悠然と
彼女(戦車)はそこにたたずんでいた
422: ◆UYlhnKrxEE 2017/11/15(水) 21:58:44.16 ID:spOEeAEc0
カチューシャ「確かめてみなさい!」
カチューシャ「 ニュ ー ジェ ネ レ ー ショ ン !! 」ドン!
完!
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